JP3226198B2 - ガラスアンテナ - Google Patents

ガラスアンテナ

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JP3226198B2 JP32312694A JP32312694A JP3226198B2 JP 3226198 B2 JP3226198 B2 JP 3226198B2 JP 32312694 A JP32312694 A JP 32312694A JP 32312694 A JP32312694 A JP 32312694A JP 3226198 B2 JP3226198 B2 JP 3226198B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車、船、飛行機など
の乗り物用の窓ガラスに設けたガラスアンテナに関し、
特にGPS(Grobal Positioning
System)衛星からの微弱電波を受信するのに好適
であり、自動車電話、パーソナル無線、業務用無線など
の極超短波帯の電波を送受信するためのガラスアンテナ
に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその問題点】従来、GPS衛星からの微
弱電波を受信するアンテナとして直交ダイポールアンテ
ナ、ヘリカルアンテナなどとともに、マイクロストリッ
プアンテナが知られているが、いずれも突起したアンテ
ナであり、突出した構造となっているので、安全上、外
観上好ましくないばかりでなく、洗車時に支障になり、
さらに折損の恐れがあるなどの欠点があった。
【0003】本発明はこのような欠点を解消する目的で
本出願人は特願平5−161689号などとして提案し
ており、本発明は該特願平5−161689号をさらに
改良する目的でなしたものであり、GPS衛星からの微
弱電波を受信するに好適であり、自動車電話、パーソナ
ル無線、実用化が進められているパーソナルハンディフ
ォン用などのアンテナとしても使用可能なガラスアンテ
ナを提供することを目的とする。
【0004】
【問題点を解決するための手段】本発明は、乗り物用窓
ガラスに配設されたガラスアンテナであって、始発点か
ら窓の内から外を視て右周りに延び、該始発点近傍まで
戻り先端を開放した線条エレメントを複数併設し、これ
らのエレメントの始発点を接続し、その一部から外側に
延びる水平線条と該水平線条に接続される垂直線条から
なるエレメントを付加した第1のエレメントと該第1の
エレメントに近接して設けた水平線条とその端部に接続
される垂直線条を付加して第2のエレメントを具備する
とともに、第1のエレメントの垂直線条と第2のエレメ
ントの垂直線条を近接して配設するようにしたことを特
徴とするものであり、第1のエレメントの各線条の始発
点から開放端までの長さをλα(1±0.2)(λ:受
信電波の波長、α:ガラスアンテナの波長短縮率でプリ
ントアンテナの場合約0.4乃至0.65となるので、
0.5を基準としてα(1±0.2)とした)となるよ
うにすると好ましい。
【0005】
【作用】本発明者らはGPS衛星から送信される信号が
右旋円偏波であることに着目し、始発点から衛星方向に
対して(乗り物用窓ガラスの内から外を視て)右廻りに
延び、該始発点近傍まで戻り先端を開放した線条エレメ
ントがかかる電波を受信するに好適なアンテナであるこ
とを見い出したものである。
【0006】またこのようなアンテナを複数個併設する
ことにより、GPS衛星が如何なる方向にあっても受信
できるよう指向特性を改善するものである。さらに、第
1のエレメントの一部から外側に延びる水平線条と該水
平線条に接続される垂直線条からなるエレメントを付加
し、第2のエレメントの端部に接続される垂直線条を付
加してそれぞれの垂直線条を近接して配設することによ
り、その垂直線条が受信利得の向上に寄与するととも
に、静電容量を形成してインピーダンスの調整をさせる
ものである。
【0007】
【実施例】以下、図面を参照しながら本発明を詳細に説
明する。図1は本発明のガラスアンテナを自動車用後部
窓ガラスに設けた実施例1を示す正面図、図2は他の実
施例を示す正面図、図3〜図5はそれぞれ本発明の実施
例1〜実施例3のアンテナ部分を示す要部詳細図、図6
は実施例1におけるアンテナの指向特性図である。
【0008】実施例1 単板ガラスを車両の後部窓ガラスとして装着した例であ
り、図1、図3に示すように、板ガラス1の車内側には
防曇用の加熱線条2と、防曇用加熱線条の下部余白部に
は始発点Sから窓の内から外を視て右周りに延び、該始
発点近傍まで戻り先端を開放した線条エレメントを2個
併設し、これらのエレメントの始発点を接続し、その一
部から外側に延びる水平線条と該水平線条に接続される
垂直線条からなるエレメントを付加した第1のエレメン
ト31 と該第1のエレメントに近接して設けた水平線条
とその端部に接続される垂直線条を付加して第2のエレ
メント32 を具備するとともに、第1のエレメントの垂
直線条と第2のエレメントの垂直線条を近接して配設し
たガラスアンテナ3、第1のエレメントの第1の給電部
4、第2のエレメントの第2の給電部5を、防曇用加熱
線条上部余白部に設けた別のFMラジオ放送波などを受
信するアンテナ6とともに導電ペーストによりスクリー
ン印刷、焼成して形成する。
【0009】このような窓ガラスを後部に装着した後、
第1のエレメント31 の給電部4には同軸ケーブルの内
部導線を接続し、第2のエレメント32 の給電部5には
外部導線を接続する。
【0010】このようにして得られたガラスアンテナの
各部の寸法をa1 =30mm、a2=30mm、a3
25mm、b1 =30mm、b2 =30mm、b3 =2
5mm、c=45mm、d1 =23mm、d2 =23m
m、e1 =20mm、e2 =20mm、f=100m
m、g1 =45mm、g2 =45mmとしたものによっ
て1.57542GHzのGPS衛星からの右旋円偏波
を受信したときの指向特性を測定して、クロスダイポー
ルアンテナを0dBとしたときの相対比で示すと図6に
示す指向特性図(平均受信利得は−10.5dB)が得
られ、市販されて実用に供されているマイクロストリッ
プアンテナがクロスダイポールアンテナに対して、平均
で約−10dBであるので、マイクロストリップアンテ
ナとほぼ同等の良好な結果が得られ、十分実用に供しう
ることを確認した。
【0011】なお、本実施例において、λは約190m
mとなり、λαが約95mmであり、λα(1±0.
2)は76mm〜114mmであるので、第1のエレメ
ントの右回りのそれぞれの線条エレメントのトータル長
さはいずれもこの範囲内にある。
【0012】実施例2〜実施例3 図4に示す実施例2は第1のエレメント31 の形状を変
えて3個(いずれも三角形状の合計長さは85mmとす
る)併設し、第1のエレメント31 と、第2のエレメン
ト32 に付加する垂直線条を一組としたものであり、図
5に示す実施例3は第1のエレメント31 を三角形状の
線条エレメントとして3個配設し、第1のエレメント3
1 と、第2のエレメント32 に付加する垂直線条を両側
に二組とし、、その他の構成は実施例1と同じ構成にし
たものであり、それぞれ実施例1とほぼ同等の受信特性
が得られることを確認した。
【0013】以上、好適な実施例により説明したが、本
発明はこれらに限定されるものではなく、種々の応用が
可能である。第1のエレメントについて、始発点から窓
の内から外を視て右周りに延び、該始発点近傍まで戻り
先端を開放した線条エレメントは三角形状、四角形状以
外にも、五角形以上の多角形状でもよく、円あるいは楕
円形状のようになだらかな形状にしても勿論よい。ま
た、各線条エレメントのトータル長さはλα(1±0.
2)(λ:受信電波の波長、α:ガラスアンテナの波長
短縮率)の範囲とする方が好ましいが、若干この範囲を
はずれてもよい。
【0014】第2のエレメントについて、長さは第1の
エレメント同様λα(1±0.2)(λ:受信電波の波
長、α:ガラスアンテナの波長短縮率で約0.5)なる
範囲が好ましいが、必ずしもこの範囲内になくてもよ
い。また、線幅は3mm程度幅広に形成した方がよい
が、他の線条と同様の1mm程度でもよい。
【0015】第1のエレメントに付加する垂直線条と第
2のエレメントに付加する垂直線条はその間隔を2mm
〜10mmの範囲に近接させて配置し、両者の平行部分
の長さによってインピーダンス調整をすることができる
ので、間隔と平行長さは受信利得が高くなるように適宜
選択すればよい。
【0016】給電について、実施例のように同軸ケーブ
ルの内部導線を第1のエレメントに、外部導線を第2の
エレメントに接続するようにした方が好ましいが、逆に
内部導線を第2のエレメントに、外部導線を第1のエレ
メントに接続するようにしてもよい。
【0017】また、このアンテナ3の配置場所は車両の
後部窓ガラスの防曇用加熱線条下部余白部中央部以外に
も、下部余白部の側方部あるいは図2に示すように上部
余白部に設けてもよく、さらに前部窓ガラスあるいはサ
ンルーフなどに設けてもよい。また、車両以外にも航空
機、船などの窓に設けてもよい。
【0018】また、904MHzを中心周波数とするパ
ーソナル無線の垂直偏波における送受信利得を測定しと
ころ、実用に供されているポールアンテナの送受信利得
に近い結果が得られた。
【0019】また、後部窓ガラスとして、合わせガラス
を使用する場合には、銅線などの金属細線を中間膜に埋
め込んだものでもよい。なお、GPS衛星からの電波は
右旋円偏波で送信されているが、左旋円偏波で送信され
るようになれば、本発明の第1のエレメントは始発点か
ら左周りに延びるようにすればよい。
【0020】
【発明の効果】本発明のガラスアンテナは、第1のエレ
メントを特異な形状にすることにより、GPS衛星から
の微弱電波をその到来方向が変わっても実用レベルで受
信することができ、さらに自動車電話、パーソナル無線
用のアンテナとして使用することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガラスアンテナを自動車用後部窓ガラ
スに設けた実施例1を示す正面図である。
【図2】本発明のガラスアンテナを自動車用後部窓ガラ
スに設けた他の実施例を示す正面図である。
【図3】本発明の実施例1におけるアンテナ部分のみを
示す要部詳細図である。
【図4】本発明の実施例2におけるアンテナ部分のみを
示す要部詳細図である。
【図5】本発明の実施例3におけるアンテナ部分のみを
示す要部詳細図である。
【図6】本発明の実施例1におけるアンテナの指向特性
図である。
【符号の説明】
1 板ガラス 2 防曇用の加熱線条 31 第1のエレメント 32 第2のエレメント 3 本発明のアンテナ 4 第1の給電部 5 第2の給電部 6 別のアンテナ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01Q 1/32

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】乗り物用窓ガラスに配設されたガラスアン
    テナであって、始発点から窓の内から外を視て右周りに
    延び、該始発点近傍まで戻り先端を開放した線条エレメ
    ントを複数併設し、これらのエレメントの始発点を接続
    し、その一部から外側に延びる水平線条と該水平線条に
    接続される垂直線条からなるエレメントを付加した第1
    のエレメントと該第1のエレメントに近接して設けた水
    平線条とその端部あるいはその近傍に接続される垂直線
    条を付加して第2のエレメントを具備するとともに、第
    1のエレメントの垂直線条と第2のエレメントの垂直線
    条を近接して配設するようにしたことを特徴とするガラ
    スアンテナ。
  2. 【請求項2】第1のエレメントの各線条の始発点から開
    放端までの長さをλα(1±0.2)(λ:受信電波の
    波長、α:ガラスアンテナの波長短縮率)となるように
    したことを特徴とする請求項1記載のガラスアンテナ。
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