JP3225672U - 折り畳み式容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】容器の側方に開口を容易に形成可能な構成の折り畳み式容器を提供する。【解決手段】この折り畳み式容器1は、方形の底板4と、底板4の対向する2対の辺の一方側の端部にそれぞれ軸支され、底板4の前記一方側の端部上に立ち上がって第1の側壁を形成する位置及び底板4の上面に折り重なって折り畳み姿勢となる位置の間で回動する1対の短側板5と、底板4の対向する2対の辺の他方側の端部にて、第1の側壁を形成する1対の短側板5にそれぞれ取り外し自在に接続され、接続されたときに1対の短側板5の回動をそれぞれ独立に阻止するとともに、底板4の前記他方側の端部上にそれぞれ第2の側壁を形成する1対の長側板6と、第1及び第2の側壁を形成する1対の短側板5及び1対の長側板6、並びに底板4によって形成される箱型の容器部2に着脱自在に装着され、容器部2の上部開口部7を覆う蓋部3と、を備える。【選択図】図1

Description

本考案は、不使用時に折り畳んでコンパクトな状態にすることが可能な折り畳み式容器に関する。
従来、折り畳み式の容器として、例えば、特許文献1に記載の折り畳み式組立て容器及び特許文献2に記載の折り畳み容器が開示されている。
特開2001−72057号公報 特開2019−73337号公報
上記特許文献1及び2に記載の技術では、平面視でほぼ矩形の底板に、底板の4辺に沿って対向する2対の側板が、ヒンジ部品を介して内側に折り畳めるように取り付けられている。即ち、2対の側板はいずれもヒンジ部品を介して底板に連結されており、容易に取り外しができないようになっている。そのため、側板の1つを取り外して側方に開口を形成し、容器内に入れた物品を、形成した開口部から側方へと取り出すといったことが困難である。
本考案は、容器の側方に開口を容易に形成可能な構成の折り畳み式容器を提供することを目的とする。
[考案1] 上記目的を達成するため、考案1の折り畳み式容器は、方形の底板と、
前記底板の対向する2対の辺の一方側の端部にそれぞれ軸支され、前記底板の前記一方側の端部上に立ち上がって第1の側壁を形成する位置及び前記底板の上面に折り重なって折り畳み姿勢となる位置の間で回動する1対の第1の側板と、前記底板の対向する2対の辺の他方側の端部にて、前記第1の側壁を形成する前記1対の第1の側板にそれぞれ取り外し自在に接続され、接続されたときに前記1対の第1の側板の回動をそれぞれ独立に阻止するとともに、前記底板の前記他方側の端部上にそれぞれ第2の側壁を形成する1対の第2の側板と、前記第1及び第2の側壁を形成する前記1対の第1の側板及び前記1対の第2の側板、並びに前記底板によって形成される箱型の容器に着脱自在に装着され、前記容器の開口部を覆う蓋部と、を備える。
この構成であれば、箱型の容器を形成した後に、1対の第2の側板の一方を取り外しても、他方が1対の第1の側板の回動を阻止するので、他方の第2の側壁と1対の第1の側壁とによって3方を囲んだ状態を維持することができる。
[考案2] さらに、考案2の折り畳み式容器は、考案1の折り畳み式容器において、前記1対の第1の側板のそれぞれは、前記第1の側壁を形成する位置にて互いに対向する側の面の幅方向の一端部及び他端部の近傍位置に、高さ方向に沿って少なくとも上端を開口してそれぞれ設けられた1対の第1の溝部を有し、前記1対の第2の側板は、それぞれの幅方向の端部の一方を前記1対の第1の側板にそれぞれ設けられた前記1対の第1の溝部の対向する一方に上方から嵌め込み、前記幅方向の端部の他方を前記1対の第1の溝部の対向する他方に上方から嵌め込むことで前記1対の第1の側板に接続される。
この構成であれば、第1の側壁を形成する1対の第1の側板に対して、それぞれの1対の第1の溝部の対向する一方及び他方に対して上方から第2の側板を嵌め込むことで、箱型の容器を形成することができる。
[考案3] さらに、考案3の折り畳み式容器は、考案2の折り畳み式容器において、前記1対の第1の溝部は、それぞれ高さ方向に上端から下端まで貫通して設けられており、前記底板の上面には、前記1対の第1の側板が前記折り畳み姿勢のときに、該1対の第1の側板にそれぞれ設けられた前記1対の第1の溝部の前記対向する一方と平行に対向する位置及び前記対向する他方と平行に対向する位置にそれぞれ1対の第2の溝部が形成されており、前記1対の第2の側板は、一方の下端部を前記1対の第2の溝部の一方に嵌め込み、他方の下端部を前記1対の第2の溝部の他方に嵌め込むことで前記底板とも接続される。
この構成であれば、第1の側壁を形成する1対の第1の側板の対向する第1の溝部の一方及び他方並びに底板の1対の第2の溝部の一方及び他方に対して、1対の第2の側板をそれぞれ嵌め込むことで箱型の容器を形成することができる。
[考案4] さらに、考案4の折り畳み式容器は、考案1乃至3のいずれか1の折り畳み式容器において、前記1対の第2の側板は、前記1対の第1の側板に接続されて前記第2の側壁を形成したときに上端部が前記第1の側壁の上端部よりも上方に突出するように構成されており、前記蓋部の前記開口部を覆う側の面には、前記1対の第2の側板の上端部をそれぞれ嵌め込む1対の第3の溝部が形成されている。
この構成であれば、蓋部の1対の第3の溝部に、第2の側壁を形成する第2の側板の上端部を嵌め込むことで容器に蓋部を装着することができる。
[考案5]さらに、考案5の折り畳み式容器は、考案1乃至4のいずれか1の折り畳み式容器において、前記蓋部は、平面視で方形を成しているとともに、対向する2対の辺のうちの少なくとも一方側の端部間の長さが、装着時にこれと平行な前記底板の端部間の長さよりも長く構成されており、前記蓋部の前記対向する2対の辺のうちの少なくとも一方側の両端部には、それぞれの辺に沿って下方に延びる突出部が設けられており、前記突出部の高さ寸法は、前記1対の第1の側板が前記折り畳み姿勢となっており且つその上に前記1対の第2の側板が重ねて載置されているときの全体の高さ寸法と同じ寸法又はほぼ同じ寸法に構成されている。
この構成であれば、前記1対の第1の側板が前記折り畳み姿勢となっており且つその上に前記1対の第2の側板が重ねて載置されているときに、これらの底面を除く全体又は底面を除く全体のうち対向する側面の一方を除く残りの部分を蓋部で覆うことができる。
[考案6] さらに、考案6の折り畳み式容器は、考案1乃至5のいずれか1の折り畳み式容器において、前記1対の第1の側板の高さ方向の長さ寸法の合計は、前記底板の前記1対の第1の側板の対向する方向の長さ寸法以下に構成されている。
この構成であれば、1対の第1の側板を回動して、双方とも折り畳み姿勢としたときに、両者が重ならない状態となる。
考案1の折り畳み式容器によれば、1対の第2の側板の一方を取り外すことで、容器の側方に容易に開口を形成することができる。
また、考案2の折り畳み式容器によれば、第1の側壁を形成する1対の第1の側板に対して、第2の側板を容易に取り付け且つ取り外しすることができる。
また、考案3の折り畳み式容器によれば、箱型の容器を形成した際に、箱型をより強固に保持することができるとともに、底板と第2の側板との間の隙間を少なくすることができる。
また、考案4の折り畳み式容器によれば、蓋部を箱型の容器に装着したときに、蓋部をずれ落ちにくくすることができる。
また、考案5の折り畳み式容器によれば、底板上に折り畳んだ1対の第1の側板の上に1対の第2の側板を重ねて載置した容器部分を、蓋部の突出部の内側に収容することができる。
また、考案6の折り畳み式容器によれば、折り畳み時に第1の側板の1枚分の厚みを軽減して、よりコンパクトな折り畳み姿勢とすることができる。
(a)は、本実施の形態に係る折り畳み式容器の組み立てた状態の一例を示す斜視図であり、(b)は、(a)の折り畳み式容器の蓋部を取り外した状態の斜視図である。 (a)〜(d)は、折り畳み式容器1の構成部品の一例を示す図であり、(a)は蓋部3の裏面を、(b)は底板4の上面を、(c)は短側板5の内側面及び軸55を、(d)は長側板6の板面をそれぞれ示す図である。 (a)は、容器部2から1対の長側板6を取り外した状態の残りの部分の一部を示す図であり、(b)は、(a)のA部拡大図である。 (a)及び(b)は、折り畳み式容器1の容器部2の折り畳み手順を説明するための図である。 (a)及び(b)は、折り畳み式容器1の容器部2の折り畳み手順を説明するための図である。 (a)及び(b)は、折り畳み後の収容手順を説明するための図である。
以下、本考案の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1乃至図6は、本実施の形態を示す図である。なお、図面は模式的なものである。そのため、厚みと平面寸法との関係、比率等は現実のものとは異なる場合があることに留意すべきであり、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。また、以下に示す実施の形態は、本考案の技術的思想を具体化するための装置を例示するものであって、本考案の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記の実施形態に特定するものではない。
まず、本実施の形態の構成を説明する。
(構成)
図1(a)は、本実施の形態に係る折り畳み式容器の組み立てた状態を示す斜視図であり、(b)は、(a)の折り畳み式容器の蓋部を取り外した状態の斜視図である。また、図2(a)〜(d)は、折り畳み式容器1の構成部品の一例を示す図であり、(a)は蓋部3の裏面を、(b)は底板4の上面を、(c)は短側板5の内側面及び軸55を、(d)は長側板6の板面をそれぞれ示す図である。
以下、本実施の形態では、折り畳み式容器1を、主に木材によって構成した場合を例に挙げて説明する。
折り畳み式容器1は、図1(a)及び(b)に示すように、箱型の容器部2と、容器部2に装着されてその上部開口部7を覆う蓋部3とを備える。容器部2は、平面視矩形の底板4と、底板4の長手方向に対向する2辺側の端部上にてそれぞれ第1の側壁を形成する1対の第1の側板5(以下、「短側板5」という)とを備える。加えて、底板4の短手方向に対向する2辺側の端部上にてそれぞれ1対の短側板5に取り外し可能に接続されて第2の側壁を形成する1対の第2の側板6(以下、「長側板6」という)を備える。
以下、1対の長側板6の外側面の一方及び他方を正面及び背面とし、1対の短側板5の外側面の一方及び他方を左側面及び右側面とし、蓋部3の上面を平面、底板4の下面を底面として説明する。
蓋部3は、図1(a)及び(b)並びに図2(a)に示すように、平面視矩形の木製の板部31と、板部31の長手方向の両端部にそれぞれ設けられた1対の板状の木製の突出部32とを有する。これら1対の突出部32は、蓋部3が板部31の容器部2に装着時の姿勢(上部開口部7を被覆した姿勢)において長手方向に対向する2辺の各辺の幅で短側板5の外側面に沿ってそれぞれ長さLだけ下方に延びた構成となっている。ここで、板部31と突出部32とは、例えば、相欠き継ぎによって接合され、接着剤などを用いて強固に固定されている。
さらに、蓋部3は、容器部2に装着時に上部開口部7を覆う側の面の短手方向の両端部近傍に短手方向に対向する辺に沿ってそれぞれ設けられた1対の凹状の溝33(以下、「蓋溝33」という)を有する。ここで、1対の蓋溝33の幅寸法は、長側板6の厚さ寸法とほぼ同じ寸法に構成されている。具体的に、蓋溝33に長側板6を嵌合可能な幅に構成されている。
底板4は、図1(a)及び(b)並びに図2(b)に示すように、平面視矩形の木製の板部41と、板部41の板面の短手方向に対向する2辺側の端部近傍にそれぞれ長手方向に貫通して設けられた1対の凹状の溝42(以下、「底溝42」という)とを有する。底板4の長手方向の寸法は、蓋部3の板部31の長手方向の寸法よりも短い寸法に構成されている。具体的に、1対の突出部32の厚さ分だけ短く構成されている。
さらに、底板4の板部41の長手方向に対向する2辺側の端部の短手方向の中央位置には、それぞれ板部41を平面視矩形に切り欠いて形成された1対の切り欠き部43が設けられている。そして、これら1対の切り欠き部43内には、それぞれ木製の軸受部44が嵌め込まれている。
軸受部44は、底板4の厚さ寸法よりも大きい(例えば約2倍の)高さ寸法で且つ切り欠き部43の幅とほぼ同じ長さ寸法の五角柱から構成されており、横断面矩形状の下部と横断面半台形状の上部とを有している。軸受部44の下半分(横断面矩形状の部分)は、底面を底板4の裏面と面一にして切り欠き部43内に嵌め込まれており、底板4に対して強固に固定されている。一方、軸受部44の上半分の部分は底板4の上面よりも上側に突出している。この突出した部分の上面(横断面半台形状の部分の上面)は、底板4の長手方向内側の平坦面とこの平坦面から長手方向外側に向かって下方へと傾斜する傾斜面44Sとから構成されている。さらに、軸受部44の上半分の部分の長手方向の両端面には、それぞれ後述する1対の軸55を挿通するための有底孔である軸孔44Hが長手方向に沿って設けられている。
1対の短側板5は、本実施の形態において、同じ部品から構成されている。各短側板5は、図1(a)及び(b)並びに図2(c)に示すように、側面視ほぼ凹字形状(但し上下逆)の板部51を有している。この板部51の幅方向の長さ寸法は、底板4の長手方向に対向する辺の幅方向の長さ寸法よりもわずかに短い寸法に構成されている。一方、板部51の高さ寸法は、底板4の長手方向の長さ寸法に対して1/2以下となる寸法に構成されている。
板部51の内側面の長手方向の両端部近傍には、それぞれ縦方向(底板4に取付時の高さ方向)に沿って貫通する1対の凹状の溝52(以下、「側溝52」という)が設けられている。加えて、板部51の下端部の幅方向中央位置には、側面視矩形の切り欠き部53が設けられている。この切り欠き部53の長さ寸法は、底板4の軸受部44の長手方向の幅寸法とほぼ同じ寸法に構成されている。さらに、板部51には、切り欠き部53を挟んで幅方向に対向する1対の腕部54が設けられている。
板部51の切り欠き部53部分の下端面には、底板4の長手方向に沿って内側から外側へと下方に向かって傾斜する傾斜面53Sと、傾斜面53Sの下端から外側に向かって端部まで延びる平坦面(図示略)とが設けられている。さらに、1対の腕部54の下端面には、板厚方向の内側端部側に傾斜面53Sと同様の傾斜角を有する傾斜面54Sと、傾斜面54Sの下端から板厚方向の外側端部まで延びる平坦面とが設けられている。加えて、1対の腕部54には、1対の軸55を挿通するための貫通孔である軸孔54Hがそれぞれ設けられている。本実施の形態において、軸孔54Hの内径は、軸55の外径よりも大きい寸法に構成されている。
1対の軸55は、短側板5を底板4の長手方向の端部上で回動自在に軸支(枢支)するための支軸である。各軸55は、短側板5の軸孔54Hに外側から挿通していき、基端面が短側板5の外側面と面一になるまで挿通したときに先端部が軸受部44の軸孔44Hの底部又は底部近傍に到達する程度の長さ寸法に構成されている。なお、短側板5の回動構成についての詳細は後述する。また、軸55は、本実施の形態では、金属部材から構成されている。
1対の長側板6は、本実施の形態において、同じ部品から構成されている。各長側板6は、図1(a)及び(b)並びに図2(d)に示すように、正面視でほぼ凸字形状(但し上下逆)に構成されている。この長側板6の幅方向の長さ寸法は、底板4の長手方向の長さ寸法よりも短く構成されている。具体的に、第1の側壁を形成する1対の短側板5の対向する側溝52の奥部間の長さとほぼ同じ長さに構成されている。さらに、各長側板6の短手方向の下側の端部(短側板5に接続されて第2の側壁を形成したときの下側の端部)の長手方向の両端部には、正面視矩形の1対の切り欠き部61が設けられている。
さらに、本実施の形態において、各長側板6の高さ方向の寸法は、短側板5の高さ方向の寸法よりも大きい寸法に構成されている。具体的に、長側板6を側溝52及び底溝42に嵌め込んで第2の側壁を形成した状態おいて、長側板6の上端部が、短側板5の上端部よりも蓋溝33の溝の深さ分だけ上方に突出する寸法に構成されている。
また、容器部2を組み立てる際は、1対の長側板6の一方及び他方のそれぞれの長手方向の両端部を、切り欠き部61を下側に向けた姿勢で、第1の側壁を形成する1対の短側板5の対向する1対の側溝52の一方及び他方にそれぞれ嵌め込む。続いて、側溝52に沿って下方にスライド移動させて、各下端部を1対の底溝42の一方及び他方にそれぞれ嵌め込むことで、1対の長側板6が、1対の短側板5及び底板4に接続される。これにより、底板4の正面側及び背面側の端部上に第2の側壁が形成される。
次に、短側板5の回動構成について詳細に説明する。
ここで、図3(a)は、容器部2から1対の長側板6を取り外した状態の残りの部分(以下、「連結板体8」という)の一部を示す図であり、(b)は、(a)のA部拡大図である。図3(a)では、一方の短側板5が折り畳まれた状態となっている。
図3(a)及び(b)に示すように、各短側板5は、底板4に対して1対の軸55を介して回動可能に軸支されている。1対の軸55の具体的な取付手順は、まず、短側板5の1対の腕部54の間に底板4の軸受部44を挟み込むとともに、双方の軸孔44Hと軸孔54Hとが同軸に重なるように位置合わせをする。次に、この状態で、1対の軸55の一方を、1対の腕部54の一方の軸孔54Hに、1対の軸55の他方を、1対の腕部54の他方の軸孔54Hにそれぞれ外側から挿通する。続けて、軸55の先端側をその先の軸受部44の軸孔44H内に挿入する。このような手順で1対の軸55が取り付けられるが、このとき、1対の軸55を、軸受部44に固定されて回動しないように取り付けることが望ましい。一方、軸孔54Hは、軸55の径よりも大径に構成されており、短側板5は、1対の軸55回りに回動自在に取り付けられた状態となる。
さらに、各短側板5は、その切り欠き部53部分の下端面及び1対の腕部54の下端面に形成された外側面側の平坦面並びに内側面側の傾斜面53S及び54Sによって回動範囲が制限される。すなわち、各短側板5は、底板4の長手方向の端部上に立ち上がって第1の側壁を形成する回動位置で切り欠き部53部分の平坦面が軸受部44の上端面の平坦面と当接する。加えて、1対の腕部54の下端面の平坦面が底板4の上面と当接する。これにより、各短側板5は、第1の側壁を形成する回動位置からそれ以上外側には回動できないように構成されている。
一方、各短側板5は、その下端面の内側面側の傾斜面53S及び54Sによって、内側へは回動自在となっている。したがって、各短側板5は、その内側面が底板4の上面と重なる(当接する)位置まで内側へと回動させることができる。以下、短側板5のこの姿勢を、「折り畳み姿勢」という。
次に、折り畳み式容器1の折り畳み手順及び収容手順について説明する。
ここで、図4(a)及び(b)並びに図5(a)及び(b)は、折り畳み式容器1の容器部2の折り畳み手順を説明するための図である。また、図6(a)及び(b)は、容器部2を折り畳み後の収容手順を説明するための図である。
まず、容器部2に装着された蓋部3を取り外す(図1(a)及び(b)を参照)。その後、図4(a)及び(b)に示すように、容器部2から1対の長側板6をそれぞれ取り外す。各長側板6は、上部を指で摘まんで側溝52に沿って上方に引き上げることで容易に取り外すことができる。なお、図4(a)に示すように、1対の長側板6の一方を取り外しても、他方の長側板6が独立して1対の短側板5を支持するとともに内側への回動を阻止する。そのため、側方に開口部9(以下、「側方開口部9」という)を形成することができ、この状態で容器部2に入れた物品(例えば、ケーキなど)を側方開口部9から取り出すことが可能である。また、側方開口部9を形成した状態の容器部2に対して蓋部3を装着することも可能である。
図4(b)に示すように、1対の長側板6を双方とも取り外した後は、引き続き、図5(a)及び(b)に示すように、1対の短側板5をそれぞれ内側に回動させて折り畳み姿勢にする。このとき、図5(b)に示すように、1対の短側板5の短手方向の長さが底板4の長手方向の長さの1/2以下となっているため、両者が重なることなく底板4の上面に折り重なる。これにより、連結板体8の折り畳みが完了する。
引き続き、図6(a)に示すように、折り畳み姿勢となっている1対の短側板5の上部に、1対の長側板6を重ねて載置する。この状態の容器部2の構成部品の集合体を、以下、「被収容体10」という。
続いて、図6(b)に示すように、被収容体10の上から蓋部3をかぶせることで、被収容体10が蓋部3の突出部32の内側に収容される。即ち、本実施の形態において、蓋部3の突出部32の長さLは、被収容体10の高さ寸法とほぼ同じ寸法に構成されている。
その後、被収容体10が蓋部3に収容された状態において、そのまま鞄に入れたり、棚に置いたりして片づけてもよいし、例えば、ゴムバンドなどによって蓋部3と被収容体10とを固定した状態で片づけてもよい。後者の場合は、ゴムバンドによってバラバラにならないため、持ち運びが容易となる。
なお、上記説明した折り畳み手順及び収容手順を逆にすることで、折り畳み式容器1の組立て手順となる。
また、上記説明した折り畳み式容器1の各構成部品の材料は、木材に限らず、鉄などの金属材料、プラスチックなどの樹脂材料、紙材料等の他の材料から構成してもよい。また、これら複数種類の材料のうちのいずれか1種類又は複数種類の材料から構成してもよい。その際に、1つの構成部品について複数種類の材料を組合せて構成してもよい。
また、1対の軸55についても、金属材料に限らず、木材、樹脂材料、紙材料等の他の材料から構成してもよい。
(対応関係)
ここで、側溝52が考案2及び3の第1の溝部に対応し、底溝42が考案3の第2の溝部に対応し、蓋溝33が考案4の第3の溝部に対応し、容器部2が考案1の箱型の容器に対応する。
(本実施の形態の効果)
本実施の形態の折り畳み式容器1によれば、1対の長側板6の一方を取り外しても他方の長側板6が独立して1対の短側板5の内側への回動を阻止することができる。これにより、容器部2から1対の長側板6の一方を取り外して、容器部2の側方に容易に開口を形成することができる。
さらに、本実施の形態の折り畳み式容器1によれば、1対の短側板5にそれぞれ1対の側溝52を形成し、1対の短側板5の互いに対向する1対の側溝52に長側板6の長手方向の両端部を嵌め込むことで長側板6を1対の短側板5に取り付ける構成とした。これにより、第1の側壁を形成する1対の短側板5に対して、長側板6を容易に取り付け且つ取り外しすることができる。加えて、短側板5と長側板6との間の隙間を少なくすることができる。
さらに、本実施の形態の折り畳み式容器1によれば、底板4に1対の底溝42を形成し、長側板6の下端部を側溝52に加えて底溝42にも嵌め込むようにしたので、箱型の容器部2を形成した際に、箱型をより強固に保持することができる。加えて、1対の長側板6のいずれか一方のみで1対の短側板5の内側への回動をより強固に阻止することができるとともに、底板4と長側板6との間の隙間を少なくすることができる。
さらに、本実施の形態の折り畳み式容器1によれば、蓋部3の上部開口部7を覆う側の面に、1対の蓋溝33を形成するとともに、長側板6を1対の短側板5に接続したときに長側板6の上端部が短側板5の上端部よりも高くなるように構成した。そして、蓋部3を容器部2に装着する際に、第2の側壁を形成する1対の長側板6の上端部を1対の蓋溝33に嵌め込むようにした。これにより、折り畳み式容器1を持ち運ぶ際などに蓋部3をずれ落ちにくくすることができる。
さらに、本実施の形態の折り畳み式容器1によれば、蓋部3の突出部32の長さLを、被収容体10の高さ寸法とほぼ同じ寸法に構成したので、突出部32の内側に被収容体10を収容することができる。これにより、収容された状態の外観をよくすることができる。また、例えば、蓋部3に装飾等を施すことで、より外観の見栄えをよくすることができる。
さらに、考案6の折り畳み式容器によれば、折り畳み時に短側板5が互いに重ならないようにすることができるので、従来の重ねて折り畳む構成と比較して、よりコンパクトな折り畳み姿勢とすることができる。
(変形例)
なお、上記実施の形態においては、短側板5の側溝52を高さ方向に貫通する溝に形成する例を説明したが、この構成に限らない。例えば、長側板6を底板4と接続させない構成とした場合などに、上部開口は必要だが、側溝52を高さ方向に下端まで貫通させない構成としてもよい。なお、上記実施の形態の長側板6の凸字を上下逆にした構成であれば、底板4との接続も可能である。
また、上記実施の形態及びその変形例においては、底板4の底溝42を、長手方向に貫通する溝に形成する例を説明したが、この構成に限らない。例えば、凸字を上下逆にした形状の長側板6の下端部の形状に合わせた位置にのみ溝を形成するなど両端部を貫通させない構成としてもよい。また、凸字を上下逆にした形状に限らず、長側板6を、例えば、凹字を上下逆にした形状に構成するなど他の構成としてもよい。
また、上記実施の形態及びその変形例においては、短側板5を、1対の軸55を介して回動可能に軸支する構成を例に挙げて説明したが、この構成に限らない。例えば、軸受部44に長手方向に沿った貫通孔(1対の軸孔44Hをつなげた軸孔)を形成し、1本の長い軸を、1対の腕部54の軸孔54H及び軸受部44の貫通孔に挿通して回動可能に軸支する構成としてもよい。他にも、例えば、3つ以上の短軸を用いて軸支する構成や、丁番などの他の回動機構を用いて軸支するなど他の構成としてもよい。
また、上記実施の形態及びその変形例においては、1対の短側板5を同じ部品から構成するとともに、各短側板5の板部51の高さ寸法(短手方向の長さ寸法)を、底板4の長手方向の長さ寸法に対して1/2以下となる寸法に構成した例を説明した。この構成に限らず、1対の短側板5の高さ寸法の合計が底板4の長手方向の長さ寸法以下となるのであれば、1対の短側板5の高さ寸法をそれぞれ異なる寸法に構成してもよい。
また、上記実施の形態及びその変形例においては、組立て時に直方体形状となる折り畳み式容器1を例に挙げて説明したが、この構成に限らず、例えば、立方体形状など他の形状としてもよい。
また、上記実施の形態及びその変形例においては、折り畳み式容器1の構成部品を主に木材から構成し、突出部32を相欠き継ぎ及び接着剤を用いて接合する例を説明したが、この構成に限らず、例えば、ほぞ継ぎ、だぼ継ぎ、三枚継ぎなどの他の接合方法を用いたり、釘や接合用の金具などを用いたりして接合するなど他の構成としてもよい。また、木材以外の材料を用いて構成した場合は、各材料に合わせた接合方法で接合する。例えば、金属材料であれば、ネジ等の締結具や接合用の金具などを用いて接合してもよいし、樹脂材料であれば、接着剤等で接続してもよいし、または金型等で一体形成してもよい。
1…折り畳み式容器、 2…容器部、 3…蓋部、 4…底板、 5…短側板、 6…長側板、 7…上部開口部、 8…連結板体、 9…側方開口部、 10…被収容体、 31,41,51…板部、 32…突出部、 33…蓋溝、 42…底溝、 43,53,61…切り欠き部、 44…軸受部、 44H,54H…軸孔、 44S,53S,54S…傾斜面、 52…側溝、 54…腕部、 55…軸

Claims (6)

  1. 方形の底板と、
    前記底板の対向する2対の辺の一方側の端部にそれぞれ軸支され、前記底板の前記一方側の端部上に立ち上がって第1の側壁を形成する位置及び前記底板の上面に折り重なって折り畳み姿勢となる位置の間で回動する1対の第1の側板と、
    前記底板の対向する2対の辺の他方側の端部にて、前記第1の側壁を形成する前記1対の第1の側板にそれぞれ取り外し自在に接続され、接続されたときに前記1対の第1の側板の回動をそれぞれ独立に阻止するとともに、前記底板の前記他方側の端部上にそれぞれ第2の側壁を形成する1対の第2の側板と、
    前記第1及び第2の側壁を形成する前記1対の第1の側板及び前記1対の第2の側板、並びに前記底板によって形成される箱型の容器に着脱自在に装着され、前記容器の開口部を覆う蓋部と、を備えることを特徴とする折り畳み式容器。
  2. 請求項1において、
    前記1対の第1の側板のそれぞれは、前記第1の側壁を形成する位置にて互いに対向する側の面の幅方向の一端部及び他端部の近傍位置に、高さ方向に沿って少なくとも上端を開口してそれぞれ設けられた1対の第1の溝部を有し、
    前記1対の第2の側板は、それぞれの幅方向の端部の一方を前記1対の第1の側板にそれぞれ設けられた前記1対の第1の溝部の対向する一方に上方から嵌め込み、前記幅方向の端部の他方を前記1対の第1の溝部の対向する他方に上方から嵌め込むことで前記1対の第1の側板に接続される折り畳み式容器。
  3. 請求項2において、
    前記1対の第1の溝部は、それぞれ高さ方向に上端から下端まで貫通して設けられており、
    前記底板の上面には、前記1対の第1の側板が前記折り畳み姿勢のときに、該1対の第1の側板にそれぞれ設けられた前記1対の第1の溝部の前記対向する一方と平行に対向する位置及び前記対向する他方と平行に対向する位置にそれぞれ1対の第2の溝部が形成されており、
    前記1対の第2の側板は、一方の下端部を前記1対の第2の溝部の一方に嵌め込み、他方の下端部を前記1対の第2の溝部の他方に嵌め込むことで前記底板とも接続される折り畳み式容器。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項において、
    前記1対の第2の側板は、前記1対の第1の側板に接続されて前記第2の側壁を形成したときに上端部が前記第1の側壁の上端部よりも上方に突出するように構成されており、
    前記蓋部の前記開口部を覆う側の面には、前記1対の第2の側板の上端部をそれぞれ嵌め込む1対の第3の溝部が形成されている折り畳み式容器。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項において、
    前記蓋部は、平面視で方形を成しているとともに、対向する2対の辺のうちの少なくとも一方側の端部間の長さが、装着時にこれと平行な前記底板の端部間の長さよりも長く構成されており、
    前記蓋部の前記対向する2対の辺のうちの少なくとも一方側の両端部には、それぞれの辺に沿って下方に延びる突出部が設けられており、
    前記突出部の高さ寸法は、前記1対の第1の側板が前記折り畳み姿勢となっており且つその上に前記1対の第2の側板が重ねて載置されているときの全体の高さ寸法と同じ寸法又はほぼ同じ寸法に構成されている折り畳み式容器。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項において、
    前記1対の第1の側板の高さ方向の長さ寸法の合計は、前記底板の前記1対の第1の側板の対向する方向の長さ寸法以下に構成されている折り畳み式容器。
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