JP3225566B2 - Frp成形品の両面メッキ方法 - Google Patents

Frp成形品の両面メッキ方法

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宗侯 長谷川
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、FRP成形品の両面メ
ッキ方法に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性ABS樹脂成形品のメッキは、
通常図4に示すように、メッキの前処理工程で化学エッ
チング工程を施してから行なわれている。ところが、熱
可塑性樹脂の中でもポリカ−ボネ−トやポリマ−アロイ
(変性PPE/PA)等は、メッキがし難いため、樹脂
材料に予めエッチングされ易いゴム系の材料をブレンド
して成形し、メッキ工程では、図5に示すように、前処
理工程の途中に特殊エッチング処理工程を追加して処理
するようにしている。しかし、メッキがし難い樹脂成形
材料は、樹脂の成分によって特殊エッチング処理剤が異
なるため、工程が繁雑となり量産ラインにおいては別ラ
インを設けているのが現状である。
【0003】近時、自動車の外板として実用されるよう
になったFRP(ガラス繊維強化樹脂)の代表的な成形
品である、シ−トモ−ルデイングコンパウンド(以下S
MCという)を圧縮成形して得られる成形品は、マトリ
ックス樹脂を不飽和ポリエステル樹脂としているので、
メッキがし難いのと共に、SMC成形品の表面には、ピ
ンホ−ルと呼ばれる微細な孔が発生するので、この表面
にメッキを施しても外観不良となってしまい、従来、S
MC成形品の表面へのメッキはその実用化が困難であっ
た。
【0004】SMC成形品の表面に発生するピンホ−ル
対策の一つとしてインモ−ルドコ−ティング法(以下I
MCという)がある。このIMCは、プラスチックの成
形と同時に塗装する方法である。本出願人は、先にプラ
スチックのインモ−ルドコ−ティング法の発明について
特許出願(特願平1−181778号、特開平3−47
719号)している。
【0005】一方、メッキが困難なFRPへのメッキ
は、前記の図5に示す方法と同様に、FRP表面をエッ
チングさせる薬品を使用して前処理してからメッキする
方法と、FRP表面に通常のメッキ前処理工程でエッチ
ングされ易い塗料を予め吹き付け塗装してから、図4に
示す通常のメッキ工程でメッキする方法とがある。
【0006】本出願人は、IMC塗料に通常のメッキ処
理工程でエッチングされ易い材料を混入した塗料を用
い、製品の表面側に塗膜が形成された成形品を成形し、
次いで該成形品に通常のメッキ工程によりメッキを施す
発明について先に特許出願(特願平3−126663
号)している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記のFRP表面をエ
ッチングさせる薬品を使用して前処理してからメッキす
る方法では、図5に示す工程と同様に、別ラインのメッ
キ前処理工程設備を設置しなければならず、設備投資が
大きくなる。また、エッチングされ易い塗料を予め吹き
付け塗装してから通常のメッキ工程でメッキする方法で
は、SMC素材とメッキ材料の両方に付着性の良い塗料
が得難いので、塗膜及びメッキ層の付着性が充分満足さ
れず、また、吹き付け塗装の塗膜の厚さは20〜30μ
mであるので、製品の一部断面である図6に示すよう
に、SMCで成形したFRPaの表面に吹き付けた塗膜
dの表面がオレンジの肌状となり、これがメッキ後のメ
ッキ層eに残って、平滑なメッキ表面が得られず、従来
の鋼板のメッキ面に比べると明らかに見劣りするものと
なる。
【0008】また、前記先願発明のIMCを利用したメ
ッキ方法では、成形品の表面側だけしか処理できず、成
形品の裏面側はIMC塗膜のないFRP素材の面が残さ
れる。この成形品を通常のABS樹脂メッキ工程に流す
と、IMC塗膜のある表面側にメッキされるが、裏面は
FRP素材のままのためメッキが付かないか、付いても
非常に密着性の悪いメッキ面となる。したがって、裏面
も外観性が良好であることが必要な製品には不向きとな
る。それだけでなく、メッキ工程で裏面に露出している
FRPが、処理液、特に化学メッキ工程のエッチング液
に溶解してその処理能力を低下させるので、生産性の低
下及びメッキ不良の原因となる。この問題の解決策とし
て、成形品の裏側に予めフツ素系樹脂をコーティングし
てメッキ工程に流し、FRPの溶解を防止することがで
きるが、製品の裏面に全くメッキが付かないので、次の
問題がある。図7Aに示すメッキ製品10の表面に付着
したメッキ層cと裏面側のFRPaとの熱膨張係数が異
なるため、薄板状の寸法の大きな製品では、表面のメッ
キ層cの収縮力で図7Bに示すように製品にそりが発生
し、製品不良となる。
【0009】本発明は前記の課題を解決し、FRP成形
品の表裏両面に通常のABS樹脂メッキ工程により平滑
なメッキ層が充分な強度で付着し、FRPメッキ品の外
観を良好とするとともに、生産性が良くコスト低減が図
れるFRP成形品の両面メッキ方法を提供することを目
的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のFRP成形品の
メッキ工程は、前処理工程で化学エッチングを施すもの
であって、本発明は、金型を使用してFRP成形品を成
形し、次いで該金型を閉じたまま金型内に、メッキ工
程の前処理工程で化学エッチングされ易い材料を混入し
た塗料を高圧でFRP成形品の表面側及び裏面側に順次
注入して表裏面に塗膜が形成されたFRP成形品を成形
し、次いで金型から取出したFRP成形品に前記前処理
工程で化学エッチングが施されるメッキ工程により、
の両面にメッキを施すようにした。
【0011】
【作用】FRP成形品を成形した金型を閉じたまま高圧
で塗料を注入し、FRP成形品の表面及び裏面に塗料を
流動させ、FRP成形品の両面に塗膜を形成する。金型
から取り出したFRP成形品の両面には、塗膜が強固に
接着してFRP成形品の表面に発生したヒケやピンホー
ルは塗料で埋められ、その表面は平滑なものとなる。こ
のFRP成形品を、前処理工程で化学エッチングを施す
メッキ工程で処理すると、塗膜に化学エッチング処理し
易い材料が混入さているので容易にエッチング処理さ
れ、メッキ工程で形成されたメッキ層は、表裏の塗膜表
面に強固に接合し、かつこれらのメッキ層の表面は平滑
となる。
【0012】
【実施例】本発明の実施例を図面を参照して説明する。
図1は、自動車用パネルのIMC用金型の断面図であ
る。成形品1には、表面側の塗料の注入口となるタブ1
aを形成する。成形品1を成形する金型は、分割型の上
型2と下型3の間に成形品に対応した形状のキャビテイ
が形成され、成形品1の表面側を成形する上型2には、
タブ1aの形成部に開口する塗料注入口4と、その反対
側に設けた排気孔を真空ポンプに接続するニップル5を
設け、成形品1の裏面側を成形する下型3には、塗料注
入口6と、圧力センサー7を設置する。8はシール、9
は上下金型にそれぞれ設けた温度調節回路である。
【0013】次に、図1に示す金型を用いたIMCを、
成形工程を示す図2を参照して説明する。SMC材料を
下型3に置いて上型2を閉じ、70〜80Kg/cm
の成形圧力P1で規定時間T1保持してSMC材料を硬
化させる。SMC材料が硬化した後、一旦成形圧力をP
2(20Kg/cm程度)に下げ、排気孔から金型内
の空気を2〜3秒間排出する。次に、タブ2の位置にあ
る上型の注入口4から、図4に示す前処理工程で化学エ
ッチングを施すABS樹脂成形品の通常のメッキ処理工
程でエッチングされ易くしたIMC塗料を300Kg/
cmの高圧で注入(I1)し、塗料の注入後に成形圧
力をP3(40Kg/cm程度)に上げて数秒間(T
2)保持して成形品の表面に塗料を流動させる。その後
に成形圧力を再度P4(0〜20Kg/cm)に下
げ、下型の塗料注入口6から前記と同様なIMC塗料を
300Kg/cmの高圧で注入(I2)し、塗料の注
入後に再度成形圧力をP3に上げて数秒間(T3)保持
して成形品の裏面に塗料を流動させ、その後に成形圧力
を再度0〜20Kg/cmに下げ、規定の時間この状
態に保持して塗料を硬化させる。
【0014】上記のように、塗料の注入前に金型を閉じ
たままで金型内を排気すると、塗料を注入したときに金
型内に空気溜りができず、また、金型に注入された塗料
は、成形圧力の上昇により硬化したSMCの表面に良く
流動し、良好な塗膜が安定して得られるので好ましい
が、成形品の形状によっては、必ずしも排気を必要とし
ない。このIMC塗料としては、ベ−ス樹脂にウレタン
アクリレートオリゴマー等及び充填剤としての炭酸カル
シウム等のエッチングされ易い成分をブレンドしたもの
を使用する。
【0015】金型から取り出した成形品は、製品の一部
断面である図3に示すように、SMCで成形したFRP
aの両面に厚さ70〜100μmのIMC塗膜bが強固
に接着し、FRPの表面に発生したピンホールは、IM
C塗料で埋められてその表面は平滑なものとなる。これ
を図4に示す前処理工程で化学エッチングを施すABS
樹脂成形品の通常のメッキ工程で処理する。このFRP
のIMC塗膜bは、メッキ工程の前処理工程である化学
エッチング工程で容易にエッチング処理されるので、メ
ッキ層cは両面のIMC塗膜bに強固に接着されるとと
もに、メッキ層cの表面は平滑となり、従来の鋼板のメ
ッキ面と同等又はそれ以上に良好な外観となる。以上の
実施例では、下型の塗料注入口を成形部に直接開口する
ように設けが、成形品に付属するタブに注入する位置に
設けることもできる。成形品の裏面形状がフラットであ
れば、IMC塗料の流れが良好であり、下型の塗料注入
口を任意の位置に設置できる。
【0016】また、自動車のヘッドランプレフレクタ−
は、現在バルクモ−ルデイングコンパウンド(以下BM
Cという)を用いて射出成形したレフレクタ−の光反射
面にアルミニウム真空蒸着を施して製作している。BM
Cは、ガラス繊維のチョップトストランドに硬化剤及び
縮合剤を配合した不飽和ポリエステル樹脂を混入又は含
浸させ、更にこれをゲル化させた成形材料で、耐熱性が
他の成形材料に比べて高く(200℃)、また、光反射面
の曲率を自由に変えられるので、レフレクタ−の成形に
適している。本発明は、SMCによる成形品に限らず、
BMCによる成形品にも適用でき、製品の表面のメッキ
層が平滑となるとともに、裏面にもメッキ層が形成され
るので、製品の熱による変形を抑制することができる。
【0017】
【発明の効果】本発明は、FRP成形品の両面にIMC
塗膜が強固に接着され、その上に前処理工程で化学エッ
チングを施すメッキ工程により平滑なメッキ層が充分な
強度で付着するので、生産性が向上するとともに、FR
P製品の外観を良好とし、変形の恐れのないメッキ製品
が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用するIMC用金型の断面図。
【図2】本発明の成形工程の説明図。
【図3】本発明方法による製品の一部拡大断面図。
【図4】ABS樹脂成形品の従来の通常のメッキ工程を
示す図。
【図5】従来の特殊メッキ工程を示す図。
【図6】従来の方法による製品の一部拡大断面図。
【図7】片面メッキ製品の断面図。
【符号の説明】
1 成形品 1a 塗料注入タブ 2
上型 3 下型 4,6 塗料注入口 7 圧力センサー
フロントページの続き (72)発明者 長谷川 宗侯 神奈川県藤沢市土棚8番地 株式会社い すゞ中央研究所内 (72)発明者 楢崎 良房 神奈川県藤沢市土棚8番地 株式会社い すゞ中央研究所内 (72)発明者 藤田 隆司 神奈川県藤沢市土棚8番地 株式会社い すゞ中央研究所内 (72)発明者 須山 了充 神奈川県藤沢市土棚8番地 株式会社い すゞ中央研究所内 (72)発明者 大堀 徳子 神奈川県藤沢市土棚8番地 株式会社い すゞ中央研究所内 (56)参考文献 特開 平4−228592(JP,A) 特開 昭61−273921(JP,A) 特開 昭58−125762(JP,A) 特開 昭62−260093(JP,A) 特開 昭63−270495(JP,A) 特開 平5−156052(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 43/14 - 43/20 B29C 43/32 - 43/34 C08J 7/04

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金型を使用してFRP成形品を成形し、
    次いで該金型を閉じたまま金型内に、前処理工程で化
    学エッチングが施されるメッキ工程で化学エッチングさ
    れ易い材料を混入した塗料を高圧で製品の表面側及び裏
    面側に順次注入して表裏面に塗膜が形成されたFRP
    形品を成形し、次いで該金型から取出した該FRP成形
    品に前記前処理工程で化学エッチングが施されるメッキ
    工程によりメッキを施すことを特徴とするFRP成形品
    の両面メッキ方法。
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