JPH10296743A - 合成樹脂成形用金型 - Google Patents
合成樹脂成形用金型Info
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- JPH10296743A JPH10296743A JP11877997A JP11877997A JPH10296743A JP H10296743 A JPH10296743 A JP H10296743A JP 11877997 A JP11877997 A JP 11877997A JP 11877997 A JP11877997 A JP 11877997A JP H10296743 A JPH10296743 A JP H10296743A
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- thin film
- synthetic resin
- polyimide
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- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B29—WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
- B29C—SHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
- B29C45/00—Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
- B29C45/17—Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
- B29C45/26—Moulds
- B29C45/37—Mould cavity walls, i.e. the inner surface forming the mould cavity, e.g. linings
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B29—WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
- B29C—SHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
- B29C45/00—Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
- B29C45/0025—Preventing defects on the moulded article, e.g. weld lines, shrinkage marks
Landscapes
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- Manufacturing & Machinery (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
- Physical Vapour Deposition (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 金型忠実度の高い成形品、外観面にウエルド
ラインやヒケの見られない成形品の成形が可能であり、
かつ繰り返して成形可能な長寿命の合成樹脂成形用金型
を提供すること。 【解決手段】 固定側型板1に対して、コア5と共に可
動側型板3を締めつけて形成される型キャビティ6にお
ける固定側型板1の内面7に蒸着重合によって厚さ10
0μmのポリイミド膜8を形成させ、更に、このポリイ
ミド膜8の表面へ真空蒸着によって厚さ5μmのクロー
ム(Cr)膜9を形成させる。
ラインやヒケの見られない成形品の成形が可能であり、
かつ繰り返して成形可能な長寿命の合成樹脂成形用金型
を提供すること。 【解決手段】 固定側型板1に対して、コア5と共に可
動側型板3を締めつけて形成される型キャビティ6にお
ける固定側型板1の内面7に蒸着重合によって厚さ10
0μmのポリイミド膜8を形成させ、更に、このポリイ
ミド膜8の表面へ真空蒸着によって厚さ5μmのクロー
ム(Cr)膜9を形成させる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は合成樹脂の成形用金
型に関するものであり、更に詳しくは、金型忠実度の高
い成形品、ないしは外観面にヒケやウエルドラインのな
い成形品の成形が可能で、かつ寿命の長い合成樹脂成形
用金型に関するものである。
型に関するものであり、更に詳しくは、金型忠実度の高
い成形品、ないしは外観面にヒケやウエルドラインのな
い成形品の成形が可能で、かつ寿命の長い合成樹脂成形
用金型に関するものである。
【0002】
【従来の技術】金型によって合成樹脂を成形する場合、
当然のことながら金型通りの成形品、すなわち金型忠実
度の高い成形品が得られることを期待するが、現実に
は、合成樹脂の成形時の溶融状態における体積と冷却固
化状態における体積との差、ないしは冷却時における成
形品内の不均一な温度分布によって、必ずしも金型通り
の成形品は得られないのが一般である。
当然のことながら金型通りの成形品、すなわち金型忠実
度の高い成形品が得られることを期待するが、現実に
は、合成樹脂の成形時の溶融状態における体積と冷却固
化状態における体積との差、ないしは冷却時における成
形品内の不均一な温度分布によって、必ずしも金型通り
の成形品は得られないのが一般である。
【0003】例えば、射出成形法は複雑な形状のものが
容易に成形されること、生産性が高いことなどの特長が
あるために、高精度で量産することが要請される電子機
器や精密機器の複雑な形状の部品から日常雑貨製品まで
の広い範囲の物品が射出成形法によって作製されている
が、従来の射出成形法では、樹脂が溶融状態から固化状
態へ移る時の体積収縮によって、ヒケの発生は避けられ
ない。特に部分的に厚肉部が存在する成形品において
は、厚肉部の裏面または表面にヒケが集中しやすい。ま
た、金型内で流動する溶融樹脂が合流する箇所では樹脂
同志の融着が不完全となってウエルドラインが発生す
る。
容易に成形されること、生産性が高いことなどの特長が
あるために、高精度で量産することが要請される電子機
器や精密機器の複雑な形状の部品から日常雑貨製品まで
の広い範囲の物品が射出成形法によって作製されている
が、従来の射出成形法では、樹脂が溶融状態から固化状
態へ移る時の体積収縮によって、ヒケの発生は避けられ
ない。特に部分的に厚肉部が存在する成形品において
は、厚肉部の裏面または表面にヒケが集中しやすい。ま
た、金型内で流動する溶融樹脂が合流する箇所では樹脂
同志の融着が不完全となってウエルドラインが発生す
る。
【0004】成形品の表面に生じたヒケやウエルドライ
ンは商品価値を著しく低下させるほか、必要な成形精度
を低下させる場合もあるので、従来から種々の対策が取
られている。例えば、ウエルドラインの発生を防止する
金型として、特開昭51−22759号公報にはウエル
ドラインの発生箇所に対応して加熱装置、冷却装置を設
けたもの、特開平3ー274127号公報には金型内の
溶融樹脂の一部に剪断力を加えるもの、特開平4ー90
309号公報には流動中の樹脂に超音波を加えるものが
提案されている。これらは特別な機器、装置の設置を必
要とするにも係らず、その効果は満足する程度には至っ
ていない。
ンは商品価値を著しく低下させるほか、必要な成形精度
を低下させる場合もあるので、従来から種々の対策が取
られている。例えば、ウエルドラインの発生を防止する
金型として、特開昭51−22759号公報にはウエル
ドラインの発生箇所に対応して加熱装置、冷却装置を設
けたもの、特開平3ー274127号公報には金型内の
溶融樹脂の一部に剪断力を加えるもの、特開平4ー90
309号公報には流動中の樹脂に超音波を加えるものが
提案されている。これらは特別な機器、装置の設置を必
要とするにも係らず、その効果は満足する程度には至っ
ていない。
【0005】また、ヒケの発生を防止するものとして、
特開昭56ー167410号公報にはヒケが発生する箇
所の裏側を加熱するように金型内に局部加熱器を設置し
て樹脂の冷却速度を他より遅らせることによりヒケの発
生を防止する方法が開示され、特公昭61−9126号
公報にはヒケの発生し易い厚肉部の背面側となる金型部
分に貫通孔を有する多孔部材を設けて、冷却固化時に圧
縮空気を送り込み厚肉部の背面を押圧する方法が開示さ
れている。しかし、これらの方法は、金型が複雑化する
上、成形サイクルが長くなるという問題点を残してい
る。
特開昭56ー167410号公報にはヒケが発生する箇
所の裏側を加熱するように金型内に局部加熱器を設置し
て樹脂の冷却速度を他より遅らせることによりヒケの発
生を防止する方法が開示され、特公昭61−9126号
公報にはヒケの発生し易い厚肉部の背面側となる金型部
分に貫通孔を有する多孔部材を設けて、冷却固化時に圧
縮空気を送り込み厚肉部の背面を押圧する方法が開示さ
れている。しかし、これらの方法は、金型が複雑化する
上、成形サイクルが長くなるという問題点を残してい
る。
【0006】一方、上記のように機械的、装置的に解決
を試みるのではなく、金型内面に断熱性の膜を形成させ
る方法の提案もある。特開平4ー211912号公報に
はウエルドラインとフローマークを解消するための金型
が提案されているが、この金型は型キャビティの内面を
熱伝導率0.1cal/cm・sec・℃以下の金属酸
化物、けい素系酸化物、またはプラスチックからなる厚
さ0.1〜50μmの薄膜でコーティングしたものであ
る。また、特開平6ー143294号公報には、梨地状
等の微細な凹凸表面を有する金型に忠実な成形品を与
え、かつ繰り返しの成形に耐える金型として、金型の型
キャビティ内面に熱伝導率が0.002cal/cm・
sec・℃以下、ガラス転移点が200℃以上で、厚さ
が0.02〜2mmのポリイミド層を設け、その表面を
微細凹凸状としたものが提案されている。
を試みるのではなく、金型内面に断熱性の膜を形成させ
る方法の提案もある。特開平4ー211912号公報に
はウエルドラインとフローマークを解消するための金型
が提案されているが、この金型は型キャビティの内面を
熱伝導率0.1cal/cm・sec・℃以下の金属酸
化物、けい素系酸化物、またはプラスチックからなる厚
さ0.1〜50μmの薄膜でコーティングしたものであ
る。また、特開平6ー143294号公報には、梨地状
等の微細な凹凸表面を有する金型に忠実な成形品を与
え、かつ繰り返しの成形に耐える金型として、金型の型
キャビティ内面に熱伝導率が0.002cal/cm・
sec・℃以下、ガラス転移点が200℃以上で、厚さ
が0.02〜2mmのポリイミド層を設け、その表面を
微細凹凸状としたものが提案されている。
【0007】また、単に断熱膜を形成させるだけではヒ
ケは解消されないとして、特開平6ー246797号公
報には、成形品の外観面に対応する型キャビティの内面
部分に、水に対する接触角が40〜90度である芳香族
ポリイミド等の断熱性薄膜を熱伝導量係数が0.03〜
0.5cal/sec・℃となる厚さに形成させた射出
成形用金型が開示されており、このような金型を使用す
ることによって、成形品における外観面のヒケ、ウエル
ドラインが解消されるとしている。すなわち、この方法
は金型内において、成形品の外観面となる側の冷却を遅
らせ、一方、成形品の裏面となる側は急速に冷却させ体
積収縮させて型キャビティの内面から剥離させて積極的
にヒケを発生させることにより、外観面にはヒケが現わ
れないようにしたものである。なお、特開平6ー246
797号公報には、上述の断熱性薄膜上に更に熱伝導率
0.3cal/cm・sec・℃以下で、水との接触角
が40〜95度の金属薄膜を被覆した金型も開示されて
いる。しかし、金属は周知のように極性物質であり水と
の接触角は10度近辺にある。またその金属が表面酸化
された状態にあるとしても、その酸素原子Oは水の−O
H基と容易に水素結合するであろうから、水との接触角
が大になっているとは考え難い。すなわち、水との接触
角が40〜95度である金属薄膜は何を指しているのか
不明である。事実、特開平6ー246797号公報に
は、その金属名は例示されていない。そのほか、特開平
6ー45382号公報にはトランスファ成形用として内
面にチタン化合物、特に窒化チタンを被着させて金型精
度を高めると共に、表面硬度を高くして寿命を長くした
金型が開示されているが、金型の型キャビティ内面に断
熱膜を形成させるものではない。
ケは解消されないとして、特開平6ー246797号公
報には、成形品の外観面に対応する型キャビティの内面
部分に、水に対する接触角が40〜90度である芳香族
ポリイミド等の断熱性薄膜を熱伝導量係数が0.03〜
0.5cal/sec・℃となる厚さに形成させた射出
成形用金型が開示されており、このような金型を使用す
ることによって、成形品における外観面のヒケ、ウエル
ドラインが解消されるとしている。すなわち、この方法
は金型内において、成形品の外観面となる側の冷却を遅
らせ、一方、成形品の裏面となる側は急速に冷却させ体
積収縮させて型キャビティの内面から剥離させて積極的
にヒケを発生させることにより、外観面にはヒケが現わ
れないようにしたものである。なお、特開平6ー246
797号公報には、上述の断熱性薄膜上に更に熱伝導率
0.3cal/cm・sec・℃以下で、水との接触角
が40〜95度の金属薄膜を被覆した金型も開示されて
いる。しかし、金属は周知のように極性物質であり水と
の接触角は10度近辺にある。またその金属が表面酸化
された状態にあるとしても、その酸素原子Oは水の−O
H基と容易に水素結合するであろうから、水との接触角
が大になっているとは考え難い。すなわち、水との接触
角が40〜95度である金属薄膜は何を指しているのか
不明である。事実、特開平6ー246797号公報に
は、その金属名は例示されていない。そのほか、特開平
6ー45382号公報にはトランスファ成形用として内
面にチタン化合物、特に窒化チタンを被着させて金型精
度を高めると共に、表面硬度を高くして寿命を長くした
金型が開示されているが、金型の型キャビティ内面に断
熱膜を形成させるものではない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述の特開平4ー21
1912号公報のプラスチック膜、特開平6ー1432
94号公報のポリイミド膜、ないしは特開平6ー246
797号公報の芳香族ポリイミド膜など、型キャビティ
内面に形成される耐熱性高分子による断熱膜は金型忠実
度の高い成形品、外観面にウエルドラインやヒケの見ら
れない成形品を成形する上において有効であるが、これ
ら耐熱性高分子による断熱膜を型キャビティの内面に形
成させた金型は成形を繰り返すと、200℃以上の高温
度になる断熱膜が成形中の樹脂によって「こすられ」、
「引っ掻かれる」ために劣化し易く、成形する合成樹脂
内にガラス繊維や無機物が添加されている場合には特に
金型寿命が短くなるという問題点を有している。
1912号公報のプラスチック膜、特開平6ー1432
94号公報のポリイミド膜、ないしは特開平6ー246
797号公報の芳香族ポリイミド膜など、型キャビティ
内面に形成される耐熱性高分子による断熱膜は金型忠実
度の高い成形品、外観面にウエルドラインやヒケの見ら
れない成形品を成形する上において有効であるが、これ
ら耐熱性高分子による断熱膜を型キャビティの内面に形
成させた金型は成形を繰り返すと、200℃以上の高温
度になる断熱膜が成形中の樹脂によって「こすられ」、
「引っ掻かれる」ために劣化し易く、成形する合成樹脂
内にガラス繊維や無機物が添加されている場合には特に
金型寿命が短くなるという問題点を有している。
【0009】本発明は上述の問題に鑑みてなされ、金型
忠実度の高い成形品、外観面にウエルドラインやヒケの
見られない成形品の成形が可能であり、かつ成形を繰り
返しても型キャビティ内面に形成させた断熱膜が劣化し
ない長寿命の合成樹脂成形用金型を提供することを課題
とする。
忠実度の高い成形品、外観面にウエルドラインやヒケの
見られない成形品の成形が可能であり、かつ成形を繰り
返しても型キャビティ内面に形成させた断熱膜が劣化し
ない長寿命の合成樹脂成形用金型を提供することを課題
とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題は請求項1の
構成によって解決されるが、その解決手段を実施の形態
によって例示すれば、図1は本発明の合成樹脂成形用金
型の一例の断面図であり、固定側型板1に対して、コア
5と共に可動側型板3を締めつけて形成される型キャビ
ティ6内に溶融樹脂が注入されて合成樹脂が成形される
が、その型キャビティ6の固定側型板1の内面7に断熱
膜としてのポリイミド膜8を形成させ、更にその表面に
金属系硬質膜としてのクローム(Cr)膜9を形成させ
た金型である。また、別な例示である図2は断熱膜とし
て形成させたポリイミド膜8の表面に形成させた中間膜
としてのチタン(Ti)膜11を介して金属系硬質膜と
しての窒化チタン(TiN)膜12を形成させた金型で
ある。
構成によって解決されるが、その解決手段を実施の形態
によって例示すれば、図1は本発明の合成樹脂成形用金
型の一例の断面図であり、固定側型板1に対して、コア
5と共に可動側型板3を締めつけて形成される型キャビ
ティ6内に溶融樹脂が注入されて合成樹脂が成形される
が、その型キャビティ6の固定側型板1の内面7に断熱
膜としてのポリイミド膜8を形成させ、更にその表面に
金属系硬質膜としてのクローム(Cr)膜9を形成させ
た金型である。また、別な例示である図2は断熱膜とし
て形成させたポリイミド膜8の表面に形成させた中間膜
としてのチタン(Ti)膜11を介して金属系硬質膜と
しての窒化チタン(TiN)膜12を形成させた金型で
ある。
【0011】このように型キャビティ内面に耐熱性高分
子からなる断熱膜を形成させ、更にその表面に金属系硬
質膜を形成させた金型とすることにより、金型忠実度の
高い成形品、ないしは外観面にヒケやウエルドラインの
見られない成形品の成形が可能となり、かつその成形を
繰り返し行なうことができる。
子からなる断熱膜を形成させ、更にその表面に金属系硬
質膜を形成させた金型とすることにより、金型忠実度の
高い成形品、ないしは外観面にヒケやウエルドラインの
見られない成形品の成形が可能となり、かつその成形を
繰り返し行なうことができる。
【0012】
(実施の形態1)図1は本発明の射出成形用金型の型キ
ャビティ6の模式的な拡大断面図である。すなわち、母
材金型は、鋼材としてプレハードン鋼を使用したもので
あり、固定側型板1に対して、コア5と共に可動側型板
3を締めつけて型キャビティ6が形成され、型キャビテ
ィ6に面する固定側型板1の内面7には革しぼ形状の微
細な凹凸が施されている。この固定側型板1の内面7に
厚さ100μmのポリイミド膜8を形成させた。ポリイ
ミド膜8の熱伝導率は金属の熱伝導率の約1/100で
ある。ポリイミド膜8は全方向同時蒸着重合装置(日本
真空技術株式会社、VEP3040)によって、ピロメ
リト酸無水物と4、4−ジアミノジフェニルエーテルと
を蒸着重合させて形成させた。更にこのポリイミド膜8
の表面へ真空蒸着によって厚さ5μmのクローム(C
r)膜9を形成させた。このCr膜9の表面のビッカー
ス硬度HV は800kg/mm2 であった。
ャビティ6の模式的な拡大断面図である。すなわち、母
材金型は、鋼材としてプレハードン鋼を使用したもので
あり、固定側型板1に対して、コア5と共に可動側型板
3を締めつけて型キャビティ6が形成され、型キャビテ
ィ6に面する固定側型板1の内面7には革しぼ形状の微
細な凹凸が施されている。この固定側型板1の内面7に
厚さ100μmのポリイミド膜8を形成させた。ポリイ
ミド膜8の熱伝導率は金属の熱伝導率の約1/100で
ある。ポリイミド膜8は全方向同時蒸着重合装置(日本
真空技術株式会社、VEP3040)によって、ピロメ
リト酸無水物と4、4−ジアミノジフェニルエーテルと
を蒸着重合させて形成させた。更にこのポリイミド膜8
の表面へ真空蒸着によって厚さ5μmのクローム(C
r)膜9を形成させた。このCr膜9の表面のビッカー
ス硬度HV は800kg/mm2 であった。
【0013】この金型を射出成形機にセットして、金型
温度を50℃に保持し、溶融樹脂温度を210℃として
ポリプロピレン樹脂の射出成形を行なった。この射出成
形を1万回繰り返したが、得られた成形品にウエルドラ
インやシルバーマークなどは発生しておらず、外観修正
のための塗装は不要であった。また、固定側型板1の内
面7に施した革しぼ形状の微細な凹凸がそのまま転写さ
れていた。
温度を50℃に保持し、溶融樹脂温度を210℃として
ポリプロピレン樹脂の射出成形を行なった。この射出成
形を1万回繰り返したが、得られた成形品にウエルドラ
インやシルバーマークなどは発生しておらず、外観修正
のための塗装は不要であった。また、固定側型板1の内
面7に施した革しぼ形状の微細な凹凸がそのまま転写さ
れていた。
【0014】(比較例1)実施の形態1で使用したもの
と同様な母材金型を使用し、実施の形態1と同様にポリ
イミド膜8を形成させたが、ポリイミド膜8の表面にC
r膜9を形成させなかったものを用意した。そのポリイ
ミド膜8の表面のビッカース硬度HV は15kg/mm
2 であった。この金型を射出成形機にセットし、実施の
形態1と同様に、ポリプロピレンの射出成形を行なった
が、100回繰り返した時点でポリイミド膜8が劣化、
変形しており、固定側型板1の内面7に施した革しぼ形
状は忠実に転写されなかった。
と同様な母材金型を使用し、実施の形態1と同様にポリ
イミド膜8を形成させたが、ポリイミド膜8の表面にC
r膜9を形成させなかったものを用意した。そのポリイ
ミド膜8の表面のビッカース硬度HV は15kg/mm
2 であった。この金型を射出成形機にセットし、実施の
形態1と同様に、ポリプロピレンの射出成形を行なった
が、100回繰り返した時点でポリイミド膜8が劣化、
変形しており、固定側型板1の内面7に施した革しぼ形
状は忠実に転写されなかった。
【0015】(実施の形態2)実施の形態1で使用した
ものと同様な母材金型を使用して、図2に示すように、
その型キャビティ6に面する固定側型板1の内面7に厚
さ100μmのポリイミド膜8を実施の形態1と同様に
して形成させた後、その表面にホローカソード放電方式
のイオンプレーティングによって厚さ0.1μmのチタ
ン(Ti)膜11を中間膜として形成させ、更にその表
面に同様なイオンプレーティングによって厚さ3μmの
窒化チタン(TiN)膜12を形成させた。このTiN
膜12の表面のビッカース硬度HV は2000kg/m
m2 であった。
ものと同様な母材金型を使用して、図2に示すように、
その型キャビティ6に面する固定側型板1の内面7に厚
さ100μmのポリイミド膜8を実施の形態1と同様に
して形成させた後、その表面にホローカソード放電方式
のイオンプレーティングによって厚さ0.1μmのチタ
ン(Ti)膜11を中間膜として形成させ、更にその表
面に同様なイオンプレーティングによって厚さ3μmの
窒化チタン(TiN)膜12を形成させた。このTiN
膜12の表面のビッカース硬度HV は2000kg/m
m2 であった。
【0016】この金型を射出成形機にセットして、実施
の形態1と同様に、ポリプロピレンの射出成形を1万回
繰り返し行なったが、得られた成形品にウエルドライン
やシルバーマークなどは発生しておらず、外観修正のた
めの塗装は不要であった。また、固定側型板1の内面7
に施した革しぼ形状の微細な凹凸がそのまま転写されて
いた。
の形態1と同様に、ポリプロピレンの射出成形を1万回
繰り返し行なったが、得られた成形品にウエルドライン
やシルバーマークなどは発生しておらず、外観修正のた
めの塗装は不要であった。また、固定側型板1の内面7
に施した革しぼ形状の微細な凹凸がそのまま転写されて
いた。
【0017】(比較例2)実施の形態2で使用したもの
と同様な母材金型を使用し、実施の形態2におけると同
様にポリイミド膜8を形成させたが、中間膜としてのT
i膜11を形成させることなく、ポリイミド膜8の表面
に直接にホローカソード放電方式のイオンプレーティン
グによって厚さ3μmのTiN膜12を形成させた。そ
のTiN膜12の表面のビッカース硬度HV は2000
kg/mm2 であった。
と同様な母材金型を使用し、実施の形態2におけると同
様にポリイミド膜8を形成させたが、中間膜としてのT
i膜11を形成させることなく、ポリイミド膜8の表面
に直接にホローカソード放電方式のイオンプレーティン
グによって厚さ3μmのTiN膜12を形成させた。そ
のTiN膜12の表面のビッカース硬度HV は2000
kg/mm2 であった。
【0018】この金型を射出成形機にセットし、実施の
形態2と同様に、ポリプロピレンの射出成形を行なった
が、1回の射出成形を行なっただけで、ポリイミド膜8
とTiN膜12との界面で剥離を生じていた。従って、
それ以上の射出成形は継続できなかった。
形態2と同様に、ポリプロピレンの射出成形を行なった
が、1回の射出成形を行なっただけで、ポリイミド膜8
とTiN膜12との界面で剥離を生じていた。従って、
それ以上の射出成形は継続できなかった。
【0019】(実施の形態3)実施の形態3においては
図3に示すような形状の部品21をポリプロピレン樹脂
で射出成形した。部品21の形状は幅34mm×長さ8
0mm、厚さ8mmの平板材22に、直径14mmの円
形貫通穴23が形成され、底面には幅方向に延在する幅
14mm、高さ12mmの挿入固定に兼用されるリブ2
4が設けられており、平板材22の表面22Sが外観面
として使用される。また、平板材22の端面には溶融状
態のポリプロピレンを注入するためのゲート25が設け
られている。
図3に示すような形状の部品21をポリプロピレン樹脂
で射出成形した。部品21の形状は幅34mm×長さ8
0mm、厚さ8mmの平板材22に、直径14mmの円
形貫通穴23が形成され、底面には幅方向に延在する幅
14mm、高さ12mmの挿入固定に兼用されるリブ2
4が設けられており、平板材22の表面22Sが外観面
として使用される。また、平板材22の端面には溶融状
態のポリプロピレンを注入するためのゲート25が設け
られている。
【0020】このような形状の部品21を射出成形する
と、平板材22に比べてリブ24の厚さが大であるた
め、リブ24の存在する位置に対応する平板材22の表
面部分24Sが窪み状に陥没してヒケを発生することは
従来から経験的によく知られている。また、ゲート25
から注入される溶融樹脂は円形貫通穴23の両側を通過
した後、ゲート25と反対側で合流するが、溶融樹脂同
志が不完全に融着することにより、その合流箇所の一点
鎖線で示す表面部分26Sにおいてウエルドラインが発
生することも周知の事実である。
と、平板材22に比べてリブ24の厚さが大であるた
め、リブ24の存在する位置に対応する平板材22の表
面部分24Sが窪み状に陥没してヒケを発生することは
従来から経験的によく知られている。また、ゲート25
から注入される溶融樹脂は円形貫通穴23の両側を通過
した後、ゲート25と反対側で合流するが、溶融樹脂同
志が不完全に融着することにより、その合流箇所の一点
鎖線で示す表面部分26Sにおいてウエルドラインが発
生することも周知の事実である。
【0021】上記の部品21を成形するためのプレハー
ドン鋼材からなる母材金型を用意し、実施の形態1にお
けると同様にして、部品21の外観面側となる金型の固
定側型板の内面に蒸着重合による厚さ100μmのポリ
イミド膜を形成させ、そのポリイミド膜の表面に更に真
空蒸着による厚さ5μmのCr膜を形成させた。そし
て、部品21の底面側となる金型の可動側型板の内面に
はポリイミド膜、Cr膜を形成させることなく鋼材のま
まとした。
ドン鋼材からなる母材金型を用意し、実施の形態1にお
けると同様にして、部品21の外観面側となる金型の固
定側型板の内面に蒸着重合による厚さ100μmのポリ
イミド膜を形成させ、そのポリイミド膜の表面に更に真
空蒸着による厚さ5μmのCr膜を形成させた。そし
て、部品21の底面側となる金型の可動側型板の内面に
はポリイミド膜、Cr膜を形成させることなく鋼材のま
まとした。
【0022】この金型を射出成形機にセットして金型温
度を50℃に保持し、溶融樹脂温度を210℃としてポ
リプロピレン樹脂を射出成形した。射出充填1.5秒、
冷却20秒とする成形を繰り返したが、金型を開いて取
り出した成形部品21には通常の成形ではヒケが見られ
る平板材22の表面部分24Sにヒケは発生しておら
ず、また、通常の成形ではウエルドラインが発生し易い
溶融樹脂の合流箇所の表面部分26Sにもウエルドライ
ンは認められなかった。しかし、部品21の底面側にお
いては、リブ24の底面、側面にヒケが発生しており、
溶融樹脂の合流箇所の底面部分にはウエルドラインが認
められた。なお、このような射出成形を1万回繰り返し
たが、ポリイミド膜、Cr膜に劣化、変形は認められな
かった。
度を50℃に保持し、溶融樹脂温度を210℃としてポ
リプロピレン樹脂を射出成形した。射出充填1.5秒、
冷却20秒とする成形を繰り返したが、金型を開いて取
り出した成形部品21には通常の成形ではヒケが見られ
る平板材22の表面部分24Sにヒケは発生しておら
ず、また、通常の成形ではウエルドラインが発生し易い
溶融樹脂の合流箇所の表面部分26Sにもウエルドライ
ンは認められなかった。しかし、部品21の底面側にお
いては、リブ24の底面、側面にヒケが発生しており、
溶融樹脂の合流箇所の底面部分にはウエルドラインが認
められた。なお、このような射出成形を1万回繰り返し
たが、ポリイミド膜、Cr膜に劣化、変形は認められな
かった。
【0023】(比較例3)実施の形態3で使用した母材
金型を使用し、実施の形態3と同様にポリイミド膜を形
成させたが、ポリイミド膜の表面にCr膜は形成させな
い金型を用意した。この金型を射出成形機にセットし、
実施の形態3と同様にして、ポリプロピレンによって部
品21の射出成形を行なった。各成形サイクルにおい
て、金型から取り出される部品21の外観面側にヒケや
ウエルドラインは発生しておらず、部品21の底面側に
ヒケ、ウエルドラインが見られたことは実施の形態3の
場合と同様であった。しかし、このような成形サイクル
を100回繰り返した時点ではポリイミド膜の変形、劣
化が確認され、それ以上の成形は中止した。
金型を使用し、実施の形態3と同様にポリイミド膜を形
成させたが、ポリイミド膜の表面にCr膜は形成させな
い金型を用意した。この金型を射出成形機にセットし、
実施の形態3と同様にして、ポリプロピレンによって部
品21の射出成形を行なった。各成形サイクルにおい
て、金型から取り出される部品21の外観面側にヒケや
ウエルドラインは発生しておらず、部品21の底面側に
ヒケ、ウエルドラインが見られたことは実施の形態3の
場合と同様であった。しかし、このような成形サイクル
を100回繰り返した時点ではポリイミド膜の変形、劣
化が確認され、それ以上の成形は中止した。
【0024】(実施の形態4)実施の形態3で使用した
母材金型を用意し、実施の形態2におけると同様にし
て、部品21の外観面側となる金型の固定側型板の内面
に蒸着重合による厚さ100μmのポリイミド膜を形成
させ、そのポリイミド膜の表面にホローカソード放電方
式のイオンプレーティングによって厚さ0.1μmのT
i膜を中間膜として形成させ、更にその表面に同様なイ
オンプレーティングによって厚さ3μmのTiN膜を形
成させた。そして、部品21の底面側となる金型の可動
側型板の内面にはポリイミド膜、Ti膜、TiN膜を設
けることなく鋼材のままとした。
母材金型を用意し、実施の形態2におけると同様にし
て、部品21の外観面側となる金型の固定側型板の内面
に蒸着重合による厚さ100μmのポリイミド膜を形成
させ、そのポリイミド膜の表面にホローカソード放電方
式のイオンプレーティングによって厚さ0.1μmのT
i膜を中間膜として形成させ、更にその表面に同様なイ
オンプレーティングによって厚さ3μmのTiN膜を形
成させた。そして、部品21の底面側となる金型の可動
側型板の内面にはポリイミド膜、Ti膜、TiN膜を設
けることなく鋼材のままとした。
【0025】この金型を射出成形機にセットして実施の
形態3の場合と同様に、金型温度を50℃に保持し、溶
融樹脂温度を210℃としてポリプロピレン樹脂を射出
成形した。射出充填1.5秒、冷却20秒とする成形を
繰り返したが、金型を開いて取り出した成形部品21に
は、通常の成形ではヒケが見られる平板材22の表面部
分24Sにヒケは発生しておらず、また、通常の成形で
はウエルドラインが発生し易い合流箇所の表面部分26
Sにもウエルドラインは認められなかった。しかし、部
品21の底面側においては、リブ24の底面、側面にヒ
ケが発生しており、溶融樹脂の合流箇所の底面部分には
ウエルドラインが認められた。なお、このような射出成
形を1万回繰り返したが、ポリイミド膜、Ti膜、Ti
N膜に劣化は認められなかった。
形態3の場合と同様に、金型温度を50℃に保持し、溶
融樹脂温度を210℃としてポリプロピレン樹脂を射出
成形した。射出充填1.5秒、冷却20秒とする成形を
繰り返したが、金型を開いて取り出した成形部品21に
は、通常の成形ではヒケが見られる平板材22の表面部
分24Sにヒケは発生しておらず、また、通常の成形で
はウエルドラインが発生し易い合流箇所の表面部分26
Sにもウエルドラインは認められなかった。しかし、部
品21の底面側においては、リブ24の底面、側面にヒ
ケが発生しており、溶融樹脂の合流箇所の底面部分には
ウエルドラインが認められた。なお、このような射出成
形を1万回繰り返したが、ポリイミド膜、Ti膜、Ti
N膜に劣化は認められなかった。
【0026】(比較例4)実施の形態4で使用した母材
金型を使用し、実施の形態4と同様に厚さ100μmの
ポリイミド膜を形成させたが、そのポリイミド膜の表面
に中間膜としてのTi膜を形成させなることなく、直接
にホローカソード放電方式のイオンプレーティングによ
る厚さ3μmのTiN膜を形成させた。
金型を使用し、実施の形態4と同様に厚さ100μmの
ポリイミド膜を形成させたが、そのポリイミド膜の表面
に中間膜としてのTi膜を形成させなることなく、直接
にホローカソード放電方式のイオンプレーティングによ
る厚さ3μmのTiN膜を形成させた。
【0027】この金型を射出成形機にセットし、実施の
形態3と同様にして、ポリプロピレンによって部品21
の射出成形を行なった。しかし、1回の射出成形を行な
っただけで、ポリイミド膜とTiN膜との界面で剥離を
生じており、金型として実用になるものではなかった。
形態3と同様にして、ポリプロピレンによって部品21
の射出成形を行なった。しかし、1回の射出成形を行な
っただけで、ポリイミド膜とTiN膜との界面で剥離を
生じており、金型として実用になるものではなかった。
【0028】以上、本発明の実施の形態について説明し
たが、勿論、本発明はこれらに限られることなく、本発
明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。
たが、勿論、本発明はこれらに限られることなく、本発
明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。
【0029】例えば各実施の形態においては、断熱膜と
してピロメリト酸無水物と4、4−ジアミノジフェニル
エーテルとから形成されるポリイミドを採用したが、こ
れ以外の耐熱性高分子、例えば一般的な合成樹脂の成形
温度に耐えるものとして、上記とは異なる芳香族テトラ
カルボン酸二無水物と芳香族ジアミンとの組み合わせか
ら形成される芳香族ポリイミドのほか、ポリエーテルイ
ミド、ポリアミドイミド、ポリスルホン、ポリエーテル
スルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエ
ーテルケトン、ポリフェニレンエーテルなどが断熱膜と
して使用し得る。
してピロメリト酸無水物と4、4−ジアミノジフェニル
エーテルとから形成されるポリイミドを採用したが、こ
れ以外の耐熱性高分子、例えば一般的な合成樹脂の成形
温度に耐えるものとして、上記とは異なる芳香族テトラ
カルボン酸二無水物と芳香族ジアミンとの組み合わせか
ら形成される芳香族ポリイミドのほか、ポリエーテルイ
ミド、ポリアミドイミド、ポリスルホン、ポリエーテル
スルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエ
ーテルケトン、ポリフェニレンエーテルなどが断熱膜と
して使用し得る。
【0030】また各実施の形態においては、型キャビテ
ィの内面へのポリイミド断熱性膜の形成は蒸着重合によ
ったが、例えば芳香族ポリイミドをN−メチル−2−ピ
ロリドンに溶解した溶液を塗布し加熱処理することによ
っても断熱膜を形成させることができる。そのほか、流
動浸漬、電着塗装、粉末塗装することも可能である。
ィの内面へのポリイミド断熱性膜の形成は蒸着重合によ
ったが、例えば芳香族ポリイミドをN−メチル−2−ピ
ロリドンに溶解した溶液を塗布し加熱処理することによ
っても断熱膜を形成させることができる。そのほか、流
動浸漬、電着塗装、粉末塗装することも可能である。
【0031】また実施の形態1および実施の形態3にお
いては、ポリイミド断熱膜の表面にCr膜を形成させた
が、これに代えて、Ni膜またはTi膜を採用し得る。
Ni膜、Ti膜は、Cr膜と同様に、ポリイミド断熱膜
との密着性が極めて優れており、同様な効果を与える。
また本実施の形態1、3においてはポリイミド膜上のC
r膜を形成させたが、Cr膜に代えてNi膜またはTi
膜を形成させても同様な効果が得られる。また、Cr膜
を真空蒸着によって形成させたが、スパッタリングまた
は鍍金によって形成させてもよい。
いては、ポリイミド断熱膜の表面にCr膜を形成させた
が、これに代えて、Ni膜またはTi膜を採用し得る。
Ni膜、Ti膜は、Cr膜と同様に、ポリイミド断熱膜
との密着性が極めて優れており、同様な効果を与える。
また本実施の形態1、3においてはポリイミド膜上のC
r膜を形成させたが、Cr膜に代えてNi膜またはTi
膜を形成させても同様な効果が得られる。また、Cr膜
を真空蒸着によって形成させたが、スパッタリングまた
は鍍金によって形成させてもよい。
【0032】また本実施の形態2および実施の形態4に
おいては、ポリイミド断熱膜の表面に中間膜としてのT
i膜を形成させ、その上へTiN膜を形成させたが、こ
のTiN膜に代えて炭化チタン(TiC)膜を形成させ
ても同様に寿命の長い金型が得られる。
おいては、ポリイミド断熱膜の表面に中間膜としてのT
i膜を形成させ、その上へTiN膜を形成させたが、こ
のTiN膜に代えて炭化チタン(TiC)膜を形成させ
ても同様に寿命の長い金型が得られる。
【0033】また本実施の形態2及び実施の形態4にお
いてはTi膜、TiN膜をホローカソード放電方式のイ
オンプレーティングによって形成させたが、ホローカソ
ード放電以外のイオンプレーティング、例えば高周波励
起方式によるイオンプレーティングによって形成させて
もよく、またスパッタリングによって形成させてもよ
い。
いてはTi膜、TiN膜をホローカソード放電方式のイ
オンプレーティングによって形成させたが、ホローカソ
ード放電以外のイオンプレーティング、例えば高周波励
起方式によるイオンプレーティングによって形成させて
もよく、またスパッタリングによって形成させてもよ
い。
【0034】また本実施の形態2および実施の形態4に
おいては、TiN膜を形成させる場合に中間膜としてT
i膜を介在させたが、Ti膜に代えてNi膜、Cr膜と
中間膜としても同様な効果が得られる。
おいては、TiN膜を形成させる場合に中間膜としてT
i膜を介在させたが、Ti膜に代えてNi膜、Cr膜と
中間膜としても同様な効果が得られる。
【0035】また各実施の形態においては、母材金型と
してプレハードン鋼によるものを使用したが、一般的な
鋼材からなる母材金型を使用する場合にはCr鍍金した
もの、Ni鍍金したものを使用することが好ましい。こ
れらの鍍金によって、その表面に形成させるポリイミド
等の耐熱性高分子の断熱膜の密着性が著しく向上するか
らである。
してプレハードン鋼によるものを使用したが、一般的な
鋼材からなる母材金型を使用する場合にはCr鍍金した
もの、Ni鍍金したものを使用することが好ましい。こ
れらの鍍金によって、その表面に形成させるポリイミド
等の耐熱性高分子の断熱膜の密着性が著しく向上するか
らである。
【0036】また各実施の形態においては、ポリイミド
断熱膜とその表面の金属系硬質膜とを型キャビティの内
面に対して部分的に形成させる場合を示したが、ヒケや
ウエルドラインが発生しない、または問題になりにくい
成形品を成形する場合には、これらの断熱膜と金属系硬
質膜とを型キャビティの全内面に形成させてもよいこと
は言うまでもない。
断熱膜とその表面の金属系硬質膜とを型キャビティの内
面に対して部分的に形成させる場合を示したが、ヒケや
ウエルドラインが発生しない、または問題になりにくい
成形品を成形する場合には、これらの断熱膜と金属系硬
質膜とを型キャビティの全内面に形成させてもよいこと
は言うまでもない。
【0037】また各実施の形態においては、本発明の金
型を合成樹脂の射出成形に使用する場合を説明したが、
射出成形以外の成形、例えばブロー成形、トランスファ
ー成形、圧縮成形等によって合成樹脂を成形する場合の
金型として使用し得ることは勿論である。
型を合成樹脂の射出成形に使用する場合を説明したが、
射出成形以外の成形、例えばブロー成形、トランスファ
ー成形、圧縮成形等によって合成樹脂を成形する場合の
金型として使用し得ることは勿論である。
【0038】また各実施の形態においては、成形に使用
する合成樹脂としてポリプロピレンを採り上げたが、こ
れ以外の合成樹脂、例えばポリスチレン、アクリロニト
リル・ブタジエン・スチレン(ABS)樹脂、ポリアミ
ド、ポリ塩化ビニル、その他、各種の熱可塑性樹脂のほ
か、エポキシ樹脂、フェノール樹脂のような熱硬化性樹
脂の成形にも適用される。
する合成樹脂としてポリプロピレンを採り上げたが、こ
れ以外の合成樹脂、例えばポリスチレン、アクリロニト
リル・ブタジエン・スチレン(ABS)樹脂、ポリアミ
ド、ポリ塩化ビニル、その他、各種の熱可塑性樹脂のほ
か、エポキシ樹脂、フェノール樹脂のような熱硬化性樹
脂の成形にも適用される。
【0039】
【発明の効果】本発明は以上に説明したような形態で実
施され、次に記載するような効果を奏する。
施され、次に記載するような効果を奏する。
【0040】本発明の合成樹脂成形用金型によれば、金
型の内面に形成させた微細な凹凸形状を忠実に転写した
成形品、ないしは外観面にヒケやウエルドライン等の欠
陥が見られない成形品を作成することができ、かつその
金型寿命は長く繰り返しての成形が可能である。合成樹
脂内にガラス繊維等の無機物が添加されている場合には
特に長寿命化の効果が大である。
型の内面に形成させた微細な凹凸形状を忠実に転写した
成形品、ないしは外観面にヒケやウエルドライン等の欠
陥が見られない成形品を作成することができ、かつその
金型寿命は長く繰り返しての成形が可能である。合成樹
脂内にガラス繊維等の無機物が添加されている場合には
特に長寿命化の効果が大である。
【図1】実施の形態1における射出成形用金型の型キャ
ビティの模式断面図である。
ビティの模式断面図である。
【図2】実施の形態2における射出成形用金型の型キャ
ビティの模式断面図である。
ビティの模式断面図である。
【図3】実施の形態3で作成される成形品の斜視図であ
る。
る。
1 固定側型板 3 可動側型板 5 コア 6 型キャビティ 7 型キャビティの内面 8 ポリイミド膜 9 Cr膜 11 Ti膜 12 TiN膜 21 部品 22 平板材 23 円形貫通穴 24 リブ 25 ゲート 26S 合流箇所の表面
Claims (8)
- 【請求項1】 合成樹脂が成形される型キャビティ内面
にポリイミド等の耐熱性高分子からなる断熱膜が形成さ
れ、更にその表面に金属系硬質薄膜が形成されているこ
とを特徴とする合成樹脂成形用金型。 - 【請求項2】 前記断熱膜と前記金属系硬質薄膜とが前
記キャビティ内面において成形品の外観面に対応する部
分のみに形成されている請求項1に記載の合成樹脂成形
用金型。 - 【請求項3】 前記ポリイミド等の耐熱性高分子膜が蒸
着重合によって形成されたものである請求項1または請
求項2に記載の合成樹脂成形用金型。 - 【請求項4】 前記金属系硬質薄膜がクローム(C
r)、ニッケル(Ni)、またはチタン(Ti)の何れ
かの薄膜である請求項1から請求項3までの何れかに記
載の合成樹脂成形用金型。 - 【請求項5】 前記クローム、ニッケル、またはチタン
の薄膜が真空蒸着によって形成されたものである請求項
4に記載の合成樹脂成形用金型。 - 【請求項6】 前記金属系硬質薄膜が前記断熱膜との間
にクローム、ニッケル、またはチタンからなる中間膜を
介して形成されたチタン化合物薄膜である請求項1から
請求項3までの何れかに記載の合成樹脂成形用金型。 - 【請求項7】 前記チタン化合物薄膜が窒化チタン(T
iN)薄膜または炭化チタン(TiC)薄膜である請求
項6に記載の合成樹脂成形用金型。 - 【請求項8】 前記窒化チタン薄膜または炭化チタン薄
膜がホローカソード放電方式のイオンプレーティングに
よって形成されたものである請求項7に記載の合成樹脂
成形用金型。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11877997A JPH10296743A (ja) | 1997-04-22 | 1997-04-22 | 合成樹脂成形用金型 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11877997A JPH10296743A (ja) | 1997-04-22 | 1997-04-22 | 合成樹脂成形用金型 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10296743A true JPH10296743A (ja) | 1998-11-10 |
Family
ID=14744879
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11877997A Pending JPH10296743A (ja) | 1997-04-22 | 1997-04-22 | 合成樹脂成形用金型 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10296743A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003034883A (ja) * | 2001-07-26 | 2003-02-07 | Matsushita Electric Works Ltd | 金属膜の形成方法 |
WO2007032495A1 (ja) * | 2005-09-16 | 2007-03-22 | Tanazawa Hakkosha Co., Ltd. | 樹脂成形用金型及び樹脂成形品 |
JP2009066913A (ja) * | 2007-09-13 | 2009-04-02 | Ricoh Co Ltd | 断熱構造を有するスタンパとその製造方法 |
KR101404435B1 (ko) * | 2012-07-31 | 2014-06-10 | 서울시립대학교 산학협력단 | 수지 원본용 저온코팅 방법 및 그를 이용한 사출 몰드 제작 방법 |
KR20200125832A (ko) * | 2019-04-25 | 2020-11-05 | 덕양산업 주식회사 | 펀칭작동이 가능한 차량패널용 사출금형 |
KR20200125858A (ko) * | 2019-04-26 | 2020-11-05 | 덕양산업 주식회사 | 차량패널의 홀 주변 웰드라인 저감식 사출금형 |
-
1997
- 1997-04-22 JP JP11877997A patent/JPH10296743A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003034883A (ja) * | 2001-07-26 | 2003-02-07 | Matsushita Electric Works Ltd | 金属膜の形成方法 |
WO2007032495A1 (ja) * | 2005-09-16 | 2007-03-22 | Tanazawa Hakkosha Co., Ltd. | 樹脂成形用金型及び樹脂成形品 |
JP2009066913A (ja) * | 2007-09-13 | 2009-04-02 | Ricoh Co Ltd | 断熱構造を有するスタンパとその製造方法 |
KR101404435B1 (ko) * | 2012-07-31 | 2014-06-10 | 서울시립대학교 산학협력단 | 수지 원본용 저온코팅 방법 및 그를 이용한 사출 몰드 제작 방법 |
KR20200125832A (ko) * | 2019-04-25 | 2020-11-05 | 덕양산업 주식회사 | 펀칭작동이 가능한 차량패널용 사출금형 |
KR20200125858A (ko) * | 2019-04-26 | 2020-11-05 | 덕양산업 주식회사 | 차량패널의 홀 주변 웰드라인 저감식 사출금형 |
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