JPH06198682A - 低圧射出成形法 - Google Patents

低圧射出成形法

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JPH06198682A
JPH06198682A JP34816992A JP34816992A JPH06198682A JP H06198682 A JPH06198682 A JP H06198682A JP 34816992 A JP34816992 A JP 34816992A JP 34816992 A JP34816992 A JP 34816992A JP H06198682 A JPH06198682 A JP H06198682A
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JP
Japan
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mold
injection
temperature
injection molding
resin
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Withdrawn
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JP34816992A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Kataoka
紘 片岡
Masanori Mawaridate
政則 廻立
Isao Umei
勇雄 梅井
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 大型の射出成形品を低型締力で、経済的に成
形する。 【構成】 金属から成る主金型の型壁面を0.1〜3m
m厚のポリイミド等の断熱層で被覆し、該金型キャビテ
ィへ、射出圧力が500kg/cm2 以下あるいは/及
び射出時間が4秒以上の低速、低圧で射出する低圧射出
成形法。 【効果】 型壁面を断熱層で被覆することにより、低圧
低速で射出することができ、大型成形品が低型締力で成
形できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、合成樹脂の射出成形に
係る。
【0002】
【従来の技術】合成樹脂の射出成形方法として、型締力
が低圧である低圧射出成形が使用されている。これらの
方法は金型壁面にかかる樹脂圧力が低圧である射出成形
法であり、ガスアシスト射出成形、射出圧縮成形、発泡
サンドイッチ射出成形等の名称で使用されている(プラ
スチックエージ,38,Feb.134(1992)等
を参照)。
【0003】更に、最近、加熱された金型へ、合成樹脂
を低速、低圧で射出し、成形品を得る低圧射出成形法が
紹介されている(合成樹脂,37,NO.9,34(1
992)等にヘッティンガ低圧射出成形として紹介され
ている)。このヘッティンガ低圧射出成形等では低型締
力で大型の成形品が得られる等の長所を有するが、この
方法を実施するには、金型温度を樹脂の軟化温度近くま
で加熱して成形するか、あるいは金型の加熱と冷却を繰
り返すことが必要であり、このためには多大のエネルギ
ーを必要とする。ヘッティンガ低圧射出成形機では射出
ユニット一個に対して、金型及び型締機構を複数個有す
る多ステーション成形機を用いて、長い成形サイクルタ
イムに対処しているが、しかし、複数個の型締機構をも
たなければならないことは好ましいことではない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ヘッティン
ガ低圧射出成形に使用されるような、低圧射出成形のこ
れ等の問題を改良する射出成形法である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、加熱可塑化さ
れた合成樹脂を型キャビティへ射出する射出成形法に於
て、(1)室温に於ける熱伝導率が0.05cal/c
m・sec・℃以上の金属から成る主金型の型キャビテ
ィを形成する型壁面に熱伝導率が0.002cal/c
m・sec・℃以下の断熱層が0.1〜3mm厚に設け
られた金型を用い、(2)主金型温度を70℃以下、あ
るいは(合成樹脂の軟化温度−50℃)以下に冷却し、
(3)射出される間、型表面温度が(合成樹脂の軟化温
度−10℃)以上であり、(4)射出圧力が500kg
/cm2 以下、あるいは/及び射出時間が4秒以上の低
速度で射出する低圧射出成形法である。
【0006】すなわち本発明は、冷却された主金型の型
キャビティを形成する型壁面を、断熱層で被覆し、射出
された合成樹脂の熱により断熱層表面温度を該合成樹脂
の軟化温度付近あるいはそれ以上に保持しつつ合成樹脂
を低速度で射出することにより低い型締力で大型成形品
を射出成形する方法である。本発明者らは、主金型表面
を断熱層で被覆することにより、あたかも金型の加熱/
冷却を繰り返すのと同じ効果を出し得ることを利用し、
それを低圧射出成形に応用することが経済的に著しく有
効であることを見出した。
【0007】断熱層で被覆した金型は、1)複雑な形状
の金型キャビティを有する金型に適用できる、2)冷却
時間の増大が小さく、且つ断熱効果が大きい、3)数万
回の繰返し成形に耐える。これらのことが必要であり、
このためには断熱層にはつぎのことが要求される。実質
的に金型最表面にあって薄層であること、また断熱物質
に関しては、熱伝導度が低いこと、耐熱性に優れるこ
と、引張強度、伸びが大きくしかも冷熱サイクルに強い
こと、表面硬度が大きいこと、耐摩耗性に優れること、
金型本体への塗布が良好にできること、金型本体との密
着性が良いこと、さらに断熱層の形成時あるいは本金型
を用いた合成樹脂の成形時に、耐蝕性に優れること等で
ある。
【0008】金属から成る主金型の表面を合成樹脂から
成る薄い断熱層で被覆することについては、多くの公知
文献がある。しかし、従来これ等の金型は簡易金型とし
て成形回数が少ない成形には使用できるものの、数万回
の成形に耐える本格金型には鉄鋼等の強靭な材質で型キ
ャビティを形成することがこれまでの常識である。射出
成形では2mm厚程度の薄肉の型キャビティへ高速で合
成樹脂が射出されるため、鉄鋼等の強靭な材質で型キャ
ビティを形成することがこれまでの常識である。すなわ
ち、薄肉の型キャビティを高速で合成樹脂が射出される
ため、鉄鋼等の強靭な材質で型キャビティを形成するこ
とが数万回の成形を行う本格金型ではこれまで必須と考
えられている。
【0009】更に、主金型の表面を薄い合成樹脂で被覆
しても、一定の条件を満たす合成樹脂から成る断熱層を
使用すれば、数万回の射出成形に耐えることを見いだし
た。射出成形では、金型に射出された加熱可塑化樹脂は
冷却された金型壁面に接触して接触面に直ちに固化層が
形成され、後から射出される樹脂は固化層と固化層の間
を進行し、流動先端(flow front) に達する
と、金型壁面の方向へ向い、金型壁面と接して新たな固
化層となる。すなわち、射出される樹脂は金型壁面を上
から押しつける様に流れ、金型壁面をひきずる様に流れ
ない。従って、金型表面を選択された合成樹脂から成る
薄い断熱層で被覆すれば、該断熱層は射出される樹脂で
直接摩耗することは無く、数万回の射出成形に耐え得る
ことを見い出した。
【0010】本発明に述べる合成樹脂とは、一般に射出
成形に使用される合成樹脂が全て使用できる。例えば、
ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポ
リスチレン、スチレン−アクリルニトリル共重合体、A
BS樹脂等のスチレン系樹脂、ナイロン6、ナイロン6
6等のポリアミド、ポリアセタール、ポリエステル、ポ
リフェニレンエーテル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、
等々である。
【0011】本発明に用いる主金型材質は、熱伝導率が
0.05cal/cm・sec・℃以上のもので、鉄又
は鉄を50重量%以上含有する鋼材、アルミニウム又は
アルミニウムを50重量%以上含有する合金、亜鉛合
金、銅合金、例えばベリリウム銅合金等の一般に合成樹
脂の金型に使用されている金属を含有する。特に鋼材が
最も良好に使用できる。
【0012】本発明では、主金型の型キャビティを形成
する型壁面をクロムメッキ又は/及びニッケルメッキで
被覆されていることが好ましい。本発明に良好に使用で
きる断熱材としては各種の耐熱樹脂が使用できる。直鎖
型高分子量ポリイミドが本発明では良好に使用できる。
一般的にポリイミドは直鎖型と熱硬化型に分けられそれ
らのポリイミド前駆体としては各種あり、次の表1の様
に分類される。
【0013】
【表1】
【0014】射出成形では、冷却された金型へ加熱され
可塑化された合成樹脂が射出され、それが金型内で冷却
されて成形されるため、各成形毎に、金型表面では10
0℃にも及ぶ加熱と冷却が繰り返される。ポリイミドと
鉄等の金属では、熱膨張率が1桁も異なっているので、
100℃にも及ぶ加熱と冷却が繰り返される毎に、金属
とポリイミドとの界面に激しい応力が発生することにな
る。この応力に数万回にわたって耐え得るポリイミドと
して、破断強度、破断伸度共に大きく、且つ金型との密
着力が大きいことが必要であり、強靭な直鎖型の高分子
量ポリイミドが最も好ましいことを発見した。
【0015】本発明に良好に使用できる直鎖型の高分子
量ポリイミドの例を表2に示した。なお、Tgはガラス
転移温度、又、nはくりかえし単位の数を表す。直鎖型
ポリイミドのTgは構成成分によって異り、その例を表
3および表4に示した。Tgが200℃以上が良く、更
に好ましくは230℃以上であった。
【0016】
【表2】
【0017】
【表3】
【0018】
【表4】
【0019】射出成形は複雑な形状の成形品を一度の成
形で得られるところに経済的価値がある。この複雑な金
型表面をポリイミドで被覆し、且つ強固に密着させるに
は、ポリイミド前駆体溶液を塗布し、次いで加熱してポ
リイミドを形成させることが好ましい。直鎖型高分子量
ポリイミドは前駆体溶液を金型壁面に塗布し、次いで加
熱して形成される。更に該ポリイミドは、Tgが200
℃以上の高耐熱性樹脂であり、型壁面との密着力は50
0g/10mm巾以上であることが好ましい。
【0020】直鎖型ポリイミド前駆体は、例えば芳香族
ジアミンと芳香族テトラカルボン酸二無水物を開環重付
加反応させることにより合成される。
【0021】
【化1】
【0022】これ等のポリイミド前駆体は加熱して脱水
環化反応させることによりポリイミドを形成する。最も
好ましい直鎖型ポリイミド前駆体はポリアミド酸であり
その代表例の繰り返し単位と、それをイミド化したポリ
イミドの繰り返し単位を次に示す。
【0023】
【化2】
【0024】
【化3】
【0025】
【化4】
【0026】
【化5】
【0027】上記のポリイミド前駆体のポリマーは、カ
ルボキシル基等の極性基のため金型との密着性が良く、
金型表面上でポリイミドを反応形成させることにより金
型表面に密着したポリイミド薄層が得られる。上記のポ
リイミド前駆体のポリマーはN−メチルピロリドン等の
溶媒に溶かし、金型壁面に塗布される。
【0028】本発明のポリイミドと主金型との密着力
は、室温で500g/10mm以上が好ましく、更に好
ましくは1kg/10mm巾以上である。これは密着し
たポリイミドを10mm巾に切り、接着面と直角方向に
20mm/分の速度で引張った時の剥離力である。この
剥離力は測定場所、測定回数によりかなりバラツキが見
られるが、最少値が大きいことが重要であり、安定して
大きい剥離力であることが好ましい。本発明に述べる密
着力は金型の主要部の密着力の最小値である。主金型を
クロムメッキ、ニッケルメッキした場合はより安定した
剥離力をもたらす。
【0029】断熱層の熱伝導率は小さい程好ましいが、
ポリイミドの熱伝導率は0.002cal/cm・se
c・℃以下のものが使用できる。本発明に使用される直
鎖型高分子量ポリイミドの強度及び伸度は大きいことが
好ましく、特に破断伸度が大きいことが耐冷熱サイクル
には好ましく、その破断は10%以上が好ましく、更に
好ましくは20%以上である。破断伸度の測定法はAS
TM D638に準じて行う。
【0030】本発明の断熱層の厚みは、0.1〜3mm
の範囲で適当に選択される。0.1mm未満では断熱効
果が少なく、3mmを超えると成形時の成形品の冷却効
果が低下し、成形効率が低下する。0.2〜2mmが好
ましく、更に好ましくは0.3〜1.0mmである。冷
却された主金型の表面を断熱層で被覆し、加熱可塑化合
成樹脂が射出された合成樹脂の熱によって加熱され、温
度が上る。そして時間と共に主金型により冷却され、温
度は低下してゆく。断熱層の熱伝導率が小さい程、又断
熱層が厚い程、断熱層から成る型表面は高い温度にな
り、冷却されてゆく速度は小さくなり、高い温度に保た
れている時間が長くなる。
【0031】本発明は低圧力、低速度で射出することを
特徴としており、低速度で射出され、型キャビティがほ
ぼ満たされる時間の間、型表面が合成樹脂の軟化温度付
近あるいはそれ以上に保たれていることが好ましく、断
熱層の厚みをそれができるだけの厚みにすることが必要
である。従って、大型成形品で射出時間が長くなる程、
又、樹脂の軟化温度が高い程、断熱層を厚くすることが
必要であり、一般に0.1〜3mmの範囲から適度に選
択される。上記の軟化温度とは、合成樹脂が容易に変形
し得る温度であり、非結晶性樹脂ではビカット軟化温度
(ASTM D1525)が、結晶性樹脂では熱変形温
度(ASTM D648 )が目安となる。上記の型キ
ャビティがほぼ満たされる時間とは、型キャビティが8
0%以上満たされる時間である。
【0032】本発明では低速度で射出されるため、射出
される樹脂が射出中に流動性を保持されることが重要で
ある。従ってランナーは太く、且つ短くすることが好ま
しく、ゲートは大きくすることが好ましい。又、ランナ
ー、ゲートの壁面も断熱層で被覆することが好ましい。
ランナーやゲートの断熱層の厚みは型キャビティの断熱
層の厚みより厚くすることが好ましく、1.5倍以上の
厚みが好ましく、更に好ましくは2倍以上の5倍以下で
ある。
【0033】本発明では、主金型温度が70℃以下、あ
るいは(合成樹脂の軟化温度−50℃)以下に冷却され
た状態で形成される。主金型温度を冷却することによ
り、成形サイクルタイムを短くすることを狙っている。
本発明では、射出される間、型表面温度が合成樹脂の
(軟化温度−10℃)以上に保たれた状態で射出され
る。ここに述べる軟化温度とは合成樹脂が容易に変形し
得る温度であり、非結晶性合成樹脂ではビカット軟化温
度(ASTM D1525)、硬質結晶性合成樹脂では
熱変形温度(18.6kgf/cm2 )(ASTM D
648)、軟質結晶性合成樹脂では熱変形温度(4.6
kgf/cm2 )(ASTM D648)でそれぞれ示
す温度とする。
【0034】硬質結晶性合成樹脂とは、ポリオキシメチ
レンン、ナイロン6、ナイロン66等であり、軟質結晶
性合成樹脂とは、各種ポリエチレンン、ポリプロピレン
等である。また、射出される間とは、型キャビティに合
成樹脂がほぼ充填される間であり、具体的には型キャビ
ティ容量の90%以上が充填される間とする。本発明
は、射出圧力が500kg/cm2 以下、好ましくは4
00kg/cm 2 以下で100kg/cm2 以上、ある
いは/及び射出時間が4秒以上、好ましくは5秒以上の
低圧、低速射出成形である。
【0035】一般の射出成形機は射出圧力が1000〜
1500kg/cm2 の高圧射出圧力を有し、高速で射
出できる能力を有し、本発明に示す射出圧力、射出速度
に比べてはるかに高射出圧力、高速度で射出成形されて
おり、その方が樹脂は冷却され難く、良好に型内充填さ
れ、良好な成形品が得られるとされてきた。金型キャビ
ティーの中に樹脂を押し込もうとすると、作用反作用の
法則から、その圧力に応じ型内では逆に流すまいとする
圧力が発生する。これが反力である。従来の射出成形機
はこの反力に打ち勝ち、できるだけ多量の樹脂を短時間
に流し込もうとして、より高圧をかける。しかしこのか
けた圧力に応じて反力も高くなる。これ等の反力は型を
開こうとする力となり、型締め圧力を増さなければなら
ない原因となる。
【0036】これに対して低速度で、低圧力で射出すれ
ば無駄な反力を発生させず、スムーズに低ストレス状態
を保ちながら成形できるので、低型締力で成形できる。
しかし、上記の低圧成形を達成するには低速度で射出さ
れている間に、金型内で樹脂が実質的に冷却固化しない
か、しても非常に少ないことが好ましい。一般に、冷却
された金型に加熱可塑化された合成樹脂が射出される
と、金型壁面に固化層が直ちに形成され、後から射出さ
れる樹脂は固化層の間を通り前へ進む。金型温度が低い
程、又、射出時間が長くなる程、固化層は厚くなり、従
って、後から射出される樹脂が進む通路はせまくなり、
流動抵抗も大きくなる。
【0037】一般に、平行板間を流動する流体の圧力損
失は次式で示される。 ΔP=βLηQ/H2 ΔP:圧力損失 η:粘度 Q:流量 H:平行板距離
β:定数 L:流動距離 すなわち、圧力損失は粘度と流動距離に比例し、平行板
間距離の2乗に反比例する。
【0038】本発明では金型表面と断熱層で被覆するこ
とにより、固化層が厚くなる時間を遅くし、従って上記
式のHを大きく保ちつつ射出できる状態をつくり出し、
圧力損失を小さくし、低圧、低速射出成形ができる様に
したものである。従って、本発明では固化層が実質的に
無い状態か、あっても非常に薄い状態で射出される。金
型キャビティへ加熱可塑化された合成樹脂を射出した時
の型表面温度の変化は、合成樹脂、主金型、断熱層のそ
れぞれの温度、比熱、熱伝動率、密度、結晶化潜熱等か
ら計算できる。図1〜図4に示す値は、ADINA及び
ADINAT(MITで開発されたソフトウェア)を用
い、非線形有限要素法による非定常熱伝導解析により計
算した値である。
【0039】図1〜図4は50℃の金型から成る、2m
m厚の型キャビティへ240℃のゴム強化ポリスチレン
を射出した時の型表面層あるいはその付近の温度変化を
示したものである。図1〜図3の図中の各曲線の数字は
樹脂が型表面に接触してからの時間(秒)であり、図4
の各曲線の数字は型表面に被覆したポリイミドの厚みで
ある。
【0040】図1は主金型及び型表面が鋼鉄の場合の、
型表面付近の温度変化を示し、0.02秒後の型表面温
度は型温度の50℃に急冷される。図2は主金型は鋼鉄
であり、型表面に0.5mm厚のポリイミドを被覆した
場合の型表面付近の温度変化を示し、図3は1.0mm
厚のポリイミドを被覆した場合の型表面付近の温度変化
を示す。図4は樹脂が型表面に接触した後の型表面温度
の変化を示す。図2〜図4に示すように、ポリイミド被
覆により型表面は著しく昇温する。適当なポリイミド被
覆により、4秒間あるいはそれ以上の射出される間、型
表面を(合成樹脂の軟化温度−10℃)以上にすること
が出来る。
【0041】
【実施例】
(1)金型 主金型(A):鋼材(S55C)でつくられ、100m
m×100mmの正方形、厚さ2mmの平板状型キャビ
ティを有し、型表面は0.02mm厚の鏡面状硬質クロ
ムメッキを有する金型。鋼材の熱伝導率約0.2cal
/cm・sec・℃。正方形の辺部にサイドゲートを有
する。 (2)ポリイミド ポリイミド(A):直鎖型ポリイミド前駆体、ポリイミ
ドワニス「トレニース#3000」(東レ 商品名)。
硬化後のポリイミドのTgは300℃、熱伝導率0.0
005cal/cm・sec・℃。破断伸度60% ポリイミド(B):直鎖型ポリイミド前駆体、ポリイミ
ドワニス「Larc−TPI」(三井東圧 商品名)。硬化
後のポリイミドのTgは256℃、熱伝導率0.000
5cal/cm・sec・℃。破断伸度25%。
【0042】ポリイミド(C):直鎖型ポリイミド前駆
体、ポリアミドイミド「AI−10」(アモコジャパン
リミテッド製品)溶液。硬化後のポリイミドのTgは2
30℃。熱伝導率0.0005cal/cm・sec・
℃。破断伸度40%。
【0043】
【実施例1】金型表面を、十分に脱脂し、次いで、ポリ
イミド(A)を塗布し、120℃→210℃→290℃
の順に加熱し、この塗布、加熱を繰返してポリイミド層
を形成する。次いで、バフにダイヤモンドペーストをつ
けて電動グラインダーで研磨を行い、0.6mm厚の鏡
面状直鎖型ポリイミド被覆層を形成する。被覆層を10
mm巾に切り、20mm/分の速度で被覆面と直角方向
に引張り、密着力を測定する。密着力は2.0〜2.2
kg/10mm幅である。
【0044】表面がクロムメッキの主金型と、その表面
にポリイミドを0.6mm厚に被覆された金型を用い
て、ゴム強化ポリスチレン#495(旭化成工業(株)
製)を射出成形し、得られた成形品の表面光沢を測定
し、表5に示す。
【0045】
【表5】
【0046】ポリイミド被覆金型では、低射出圧力(低
型締力)でも表面光沢の良好な成形品が得られる。ポリ
イミド被覆金型で1万回の射出成形を行っても金型には
異常は認められない。なお、射出成形条件および光沢度
測定条件は以下の通りである。 射出成形条件:射出シリンダー温度 240℃、金型温
度 60℃ 光沢度測定条件:JIS K7105、反射角度 60
【0047】
【実施例2】ポリイミド(B)とポリイミド(C)を用
いて、実施例1と全く同様に実験を行い、同様の結果を
うる。
【0048】
【発明の効果】本発明により、大型成形品が低型締力
で、経済的に射出成形できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は50℃の金型から成る2mm厚の型キャ
ビティへ240℃のゴム強化ポリスチレンを射出した時
の型表面層あるいはその付近の温度変化を示す。
【図2】図2は50℃の金型から成る2mm厚の型キャ
ビティへ240℃のゴム強化ポリスチレンを射出した時
の型表面層あるいはその付近の温度変化を示す。
【図3】図3は50℃の金型から成る2mm厚の型キャ
ビティへ240℃のゴム強化ポリスチレンを射出した時
の型表面層あるいはその付近の温度変化を示す。
【図4】図4は50℃の金型から成る2mm厚の型キャ
ビティへ240℃のゴム強化ポリスチレンを射出した時
の型表面層あるいはその付近の温度変化を示す。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年5月27日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱可塑化された合成樹脂キャビティへ
    射出する射出成形法に於て、(1)室温に於ける熱伝導
    率が0.05cal/cm・sec・℃以上の金属から
    成る主金型の型キャビティを形成する型壁面に熱伝導率
    が0.002cal/cm・sec・℃以下の断熱層が
    0.1〜3mm厚に設けられた金型を用い、(2)主金
    型温度を70℃以下、あるいは(合成樹脂の軟化温度−
    50℃)以下に冷却し、(3)射出される間、型表面温
    度が(合成樹脂の軟化温度−10℃)以上であり、
    (4)射出圧力が500kg/cm2 以下、あるいは/
    及び射出時間が4秒以上の低速度で射出する低圧射出成
    形法。
  2. 【請求項2】 断熱層が直鎖型高分子量ポリイミドから
    成る請求項1記載の低圧射出成形法。
  3. 【請求項3】 射出圧力が400kg/cm2 以下、あ
    るいは/及び射出時間が5秒以上の低速度で射出する請
    求項1又は2記載の低圧射出成形法。
JP34816992A 1992-12-28 1992-12-28 低圧射出成形法 Withdrawn JPH06198682A (ja)

Priority Applications (1)

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JP34816992A JPH06198682A (ja) 1992-12-28 1992-12-28 低圧射出成形法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO1996012599A1 (fr) * 1994-10-21 1996-05-02 Asahi Kasei Kogyo Kabushiki Kaisha Procede de moulage de la resine synthetique
CN102596562A (zh) * 2009-11-11 2012-07-18 宝理塑料株式会社 镀敷树脂成型体、镀敷树脂成型体的制造方法及镀敷树脂成型体和成型电路板
JP2014517784A (ja) * 2011-05-20 2014-07-24 ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー 低一定圧力での射出成形のための装置及び方法

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