JPH07205211A - メッキされた射出成形品 - Google Patents

メッキされた射出成形品

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JPH07205211A
JPH07205211A JP720294A JP720294A JPH07205211A JP H07205211 A JPH07205211 A JP H07205211A JP 720294 A JP720294 A JP 720294A JP 720294 A JP720294 A JP 720294A JP H07205211 A JPH07205211 A JP H07205211A
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JP
Japan
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mold
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heat
plating
injection
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JP720294A
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Inventor
Osamu Okuno
攻 奥野
Hiroshi Kataoka
紘 片岡
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 結晶性熱可塑性樹脂のメッキ密着力に優れた
射出成形品を提供する。 【構成】 冷却された断熱層被覆金型を用いて、結晶性
熱可塑性樹脂を射出成形し、次いでメッキされた成形
品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は結晶性熱可塑性樹脂の射
出成形品にクロムやニッケル等のメッキをした成形品で
あり、特にメッキ密着強度の強い成形品が要求される車
輌部品として良好に使用される。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂は大量生産に適し、かつ耐
腐食性に優れているため、金属部品からの代替材料とし
て各種用途に使用されている。この中で外観部品として
使用され、かつ金属光沢を要求される用途例えば、自動
車用ハンドル類、ラジエーターグリル、モール、また水
道配管部品、各種ツマミ類等には成形後メッキ処理が行
われる。光沢のあるメッキ表面を得るためには、まず射
出成形品の表面を鏡面状外観にすること、更にメッキに
適した表層にする必要がある。
【0003】結晶性合成樹脂の射出成形では冷却された
金型に加熱可塑化された合成樹脂が急速に冷却されなが
ら射出されるため、成形品の結晶状態は成形品の層の位
置で著しく異なる。好ましい結晶状態の層構造にするこ
とが要求されている。ポリオキシメチレン(以後POM
と略称)、ポリアミド等では射出成形品の最表層に非結
晶構造が形成されるが、メッキをする場合この非結晶層
を殆ど無くするか、または非常に薄くすることが要求さ
れている。メッキ密着力は、メッキを行う条件にも左右
されるが、射出成形品の表面付近の結晶構造がメッキ密
着力を大きく左右することがわかっている。表面付近の
結晶構造を好ましい構造にするには射出成形条件を適度
に選択することが必要である。
【0004】これらの要因の中で最も大きな影響のある
のは金型温度であり、金型温度を高くする程好ましい。
しかし、金型温度を高くすると、可塑化された樹脂の冷
却固化に必要な冷却時間が長くなり成形能率が下がる。
このため、金型温度を高くすることなく型表面の再現性
を良くし、又金型温度を高くしても必要な冷却時間が長
くならない方法が要求されている。金型に加熱用、冷却
用の孔をそれぞれとりつけておき交互に熱媒、冷媒を流
して金型の加熱、冷却を繰り返す方法も行われている
が、この方法は熱の消費量も多く、冷却時間が長くな
る。
【0005】金型キャビティを形成する型壁面を熱伝導
率の小さい物質で被覆することにより金型表面再現性を
良くする方法は米国特許第3544518号明細書で射
出成形について開示されている。押出ブロー成形につい
ても、同様に型壁面を熱伝導率の小さい物質で被覆する
方法が米国特許第5041247号明細書に開示されて
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】表面平滑性及びメッキ
密着力に優れたメッキ成形品が要求されており、本発明
はそれに答えたものである。
【0007】
【発明を解決するための手段及び作用】すなわち、本発
明は、結晶性熱可塑性樹脂の射出成形品に於て、金属か
らなる主金型の金型キャビティを形成する型壁面を、熱
伝導率が0.002cal/cm・sec・℃以下の耐
熱性重合体からなる断熱層で0.05〜2mm厚に被覆
した金型を用い、主金型温度は成形される樹脂の荷重た
わみ温度より30℃低い温度以下で射出成形し、次いで
メッキされた成形品である。
【0008】以下に本発明について詳しく説明する。本
発明の成形品に使用できる合成樹脂は一般の射出成形に
使用できる結晶性熱可塑性樹脂である。POM、ポリア
ミド、ポリエステル等のメッキでできる結晶性熱可塑性
樹脂が使用できる。特に良好に使用できるのはPOMで
あり、POMのホモポリマー、コポリマー等が使用でき
る。ナイロン6、ナイロン66、ポリブチレンテレフタ
レート等も使用できる。
【0009】これ等の樹脂に、各種強化材や各種充填物
を配合した場合、あるいはポリマーアロイ等とした場合
は特に大きい効果が得られる。本発明に述べる金属から
なる主金型材質とは、鉄又は鉄を主成分とする鋼材、ア
ルミニウム又はアルミニウムを主成分とする合金、亜鉛
合金、ベリリウム−銅合金等の一般に合成樹脂の成形に
使用されている金属金型を包含する。特に鋼材が良好に
使用できる。
【0010】本発明で断熱層に用いる耐熱性重合体とは
ガラス転移温度が150℃以上、好ましくは190℃以
上、及び/又は融点が250℃以上、好ましくは280
℃以上の耐熱性重合体である。耐熱性重合体の熱伝導率
は0.002cal/cm・sec・℃以下であり、一
般の重合体はこの熱伝導率以下である。又、該耐熱性重
合体の破断伸度は10%以上の強靭な重合体が好まし
い。破断伸度の測定法はASTMD638に準じて行
い、測定時の引っ張り速度は5mm/分である。
【0011】本発明で断熱層として良好に使用できる重
合体は、主鎖に芳香環を有する耐熱性重合体であり、有
機溶剤に溶解する各種非結晶性耐熱重合体、各種ポリイ
ミド等が良好に使用できる。非結晶性耐熱重合体として
は、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリル
スルホン、ポリアリレート、ポリフェニレンエーテル、
ポリベンツイミダゾール等である。これ等の代表的な耐
熱性重合体の繰り返し単位を次に示す。
【0012】
【化1】
【0013】
【化2】
【0014】
【化3】
【0015】
【化4】
【0016】
【化5】
【0017】ポリイミドは各種あるが、直鎖型高分子量
ポリイミドが良好に使用できる。一般に直鎖型高分子量
ポリイミドは破断伸度が大きく、耐久性に優れている。
本発明に良好に使用できる直鎖型の高分子量ポリイミド
の例を表1に示した。なお、Tgはガラス転移温度、
又、nはくりかえし単位の数を表わす。
【0018】
【表1】
【0019】直鎖型ポリイミドのTgは構成成分によっ
て異り、その例を表2および表3に示した。Tgが15
0℃以上の重合体が使用され、好ましくは190℃以
上、更に好ましくは230℃以上である。
【0020】
【表2】
【0021】
【表3】
【0022】本発明に良好に使用できる、溶剤に溶解で
きる各種可溶性ポリイミドを表4に示す。
【0023】
【表4】
【0024】射出成形は複雑な形状の成形品を一度の成
形で得られるところに経済的価値がある。この複雑な金
型表面を耐熱性重合体で被覆し、且つ強固に密着させる
には、耐熱性重合体溶液、あるいは/及び耐熱性重合体
前駆体溶液を塗布し、次いで加熱して耐熱性重合体を形
成させることが最も好ましい。従って、本発明の耐熱性
重合体、あるいは耐熱性重合体前駆体は溶剤に溶解でき
ることが好ましい。
【0025】前記の非結晶性耐熱性重合体、可溶性ポリ
イミド、あるいはポリイミド前駆体はテトラヒドロフラ
ン、ジメチルフォルムアミド、ジメチルアセトアミド、
N−メチルピロリドン等の各種溶剤に溶解し、本発明に
使用される。直鎖型ポリイミド前駆体は、例えば芳香族
ジアミンと芳香族テトラカルボン酸二無水物を開環重付
加反応させることにより合成される。
【0026】
【化6】
【0027】これ等ポリイミド前駆体は加熱して脱水環
化反応させることによりポリイミドを形成する。最も好
ましい直鎖型ポリイミド前駆体はポリアミド酸でありそ
の代表例の繰り返し単位と、それをイミド化したポリイ
ミドの繰り返し単位を次に示す。
【0028】
【化7】
【0029】
【化8】
【0030】
【化9】
【0031】
【化10】
【0032】上記のポリイミド前駆体のポリマーはN−
メチルピロリドン等の溶媒に溶かし、金型壁面に塗布さ
れる。これら耐熱性重合体溶液、あるいは耐熱性重合体
前駆体溶液には、コーティング時の粘度を調整したり、
溶液の表面張力を調整、チキソトロピー性を調整するた
めの添加物を加えたり、及び/又は金型との密着性を上
げるための微少の添加物を加えることができる。
【0033】断熱層に使用する耐熱性重合体について、
非結晶性耐熱性重合体、ポリイミドで説明したが、本発
明は基本的にこれ等に限定されるものではない。可とう
性が付与されたエポキシ樹脂、シリコーン系樹脂等は成
形条件等によっては使用できる。本発明の耐熱性重合体
皮膜と主金型との密着力が大きいことが必要であり、室
温で0.5kg/10mm巾以上、好ましくは0.8k
g/10mm巾以上、更に好ましくは1kg/10mm
巾以上である。これは密着した断熱層を10mm巾に切
り、接着面と直角方向に20mm/分の速度で引張った
時の剥離力である。この剥離力は測定場所、測定回数に
よりかなりバラツキが見られるが、最小値が大きいこと
が重要であり、安定して大きい剥離力であることが好ま
しい。本発明に述べる密着力は金型の主要部の密着力の
最小値である。
【0034】ポリイミド等の断熱材の薄層の表面の平滑
性等を更に向上させるため、あるいは表面の耐擦傷性を
更に向上させるため、あるいは離型性を良くするため、
ポリイミド層等の厚みの1/10付近より薄い別材質を
ポリイミド表面等に塗布することも必要に応じてでき、
本発明に含まれる。合成樹脂のシートや型物の表面に、
耐擦傷性向上のために使用されている、一般にハードコ
ートと言われている塗料を塗布することもできる。例え
ば、熱硬化型のシリコーン系ハードコート剤、特に、シ
リコーン系ハードコート剤にエポキシ系物質を配合した
密着性に優れたハードコート剤は良好に使用でき、本発
明にとって好ましいものである。又、離型性を良くする
ためにフッ素樹脂やシリコーン系重合体を塗布すること
も良好にできる。
【0035】断熱層の厚みは0.01mmから2mmの
範囲で適度に選択される。好ましくは0.05から0.
5mmである。0.01mm未満では効果が低く、2m
mを越えることは成形サイクルタイムを著しく長くし、
不要である。厚み(cm)/熱伝導率(cal/cm・
sec・℃)値が5〜100が本発明に特に良好に使用
でき、この様に非常にせまい範囲が特に有効である。5
〜100の範囲より小さい型表面再現性が悪くなる傾向
があり、この範囲より大きくなると、型内冷却時間が長
くなるか、及び/又は低熱可塑性樹脂伝導物質の鏡面状
被覆が困難になるなどの傾向を生ずることが多い。
【0036】本発明では主金型の温度を熱可塑性樹脂の
荷重たわみ温度より30℃低い温度以下(以下、「荷重
たわみ温度−30℃」のごとき略記する。)に冷却して
成形される。好ましくは(荷重たわみ温度−40℃)以
下、室温以上で成形される。本発明に於ける樹脂のたわ
み温度とは,合成樹脂が容易に変形し得る温度であり、
硬質結晶性樹脂ではASTM D648 荷重18.6
kg/cm2 で測定される値であり、軟質結晶性樹脂で
はASTM D648 荷重4.6kg/cm2 で測定
される値である。硬質結晶性樹脂とは、ポリオシメチレ
ン、ナイロン6、ナロン66等であり軟質結晶性樹脂と
は、各種ポリエチレン、ポリプロピレン等である。
【0037】本発明に述べるメッキとは、成形品表面に
ニッケル、クロム等の薄層を密着させて、金属の代替等
に使用するものであり、まず不電導体である合成樹脂成
形品表面に銅等の導体を析出させて電導性を付与し、次
いで各種金属を電気メッキすることを示す。一般には次
の工程のいくつかを経て電気メッキされる。前処理(バ
リ取り、樹脂)→化学腐触(酸による化学エッチング:
表面を適度な凹凸にする)→中和→感受性化処理(合成
樹脂表面に還元力のある金属塩を吸着させて活性化を効
果あらしめる)→活性化処理(触媒作用を有する貴金属
を樹脂表面に付与)→化学ニッケルメッキ(ニッケルの
化学メッキ)→電気銅メッキ(銅の電気メッキ)→電気
ニッケルメッキ(ニッケルの電気メッキ)→電気クロム
メッキ(クロムの電気メッキ)。(詳細は「プラスチッ
クのメッキ」呂茂辰著、昭49年、日刊工業新聞社刊等
を参照) 主金型表面を断熱層で被覆し、その表面に射出された加
熱樹脂が接触すると、型表面は樹脂の熱を受けて昇温す
る。断熱層の熱伝導率が小さいほど、また、断熱層が厚
いほど、型表面温度は高くなる。
【0038】本発明では、射出された合成樹脂が冷却さ
れた型表面に接触してから、少なくとも0.1秒の間、
型表面温度が荷重たわみ温度以上の状態であることが好
ましい。型表面に断熱層が無い場合には、0.1秒後に
は型表面温度は殆ど主金型温度と同一温度となるが、型
表面を断熱層で被覆することで荷重たわみ温度以上の状
態にすることができ、更に好ましくは0.2秒以上の
間、特に好ましくは0.3秒の間、型表面温度が荷重た
わみ温度以上の状態である。
【0039】POMやポリアミド等の結晶性合成樹脂が
冷却された一般の冷却金型に射出されると、その接触表
面では結晶化を起す時間がない状態で急冷され、成形品
表層部に非結晶層が形成される。本発明法で成形するこ
とにより表層の急冷が緩和され、成形品表面直近まで結
晶層が形成される。ここに述べる成形品表面直近まで結
晶層が形成されるとは、成形品表面の非結晶層の厚み
が、従来の冷却金型で成形された場合の厚みの1/3に
なっていることを意味する。具体的な本発明の非結晶層
の厚みは合成樹脂の種類により異なり、例えば、POM
では0.01mm以下、好ましくは0.005mm以下
であり、ナイロン66では0.05mm以下、好ましく
は0.03mm以下である。ここで述べる非結晶層と
は、成形品断面を偏光顕微鏡で見て結晶が実質的に殆ど
ない層を意味する。
【0040】射出成形時の型表面温度の変化は、合成樹
脂、主金型、断熱層の温度、比熱、熱伝導率、密度、結
晶化潜熱等から計算できる。例えば、ADINA及びA
DINAT(マサチューセッツ工科大学で開発されたソ
フトウェア)等を用い、非線形有限要素法による非定常
熱伝導解析により計算できる。図1〜図4は、主金型温
度を50℃にした金型キャビティへPOMを射出した時
の金型壁表面付近の温度分布変化を示す。この図は、A
DINA及びADINAT(マサチューセッツ工科大学
で開発されたソフトウェア)を用い、非線形有限要素法
による非定常熱伝導解析により計算した値である。この
計算には、POMが金型内を流動するときに発注する剪
断発熱については計算の中に入れていない。従って現実
の金型壁表面温度は、図1〜図4に示す計算値より若干
高くなっていると推定されるが、本発明に於いては剪断
発熱を入れない計算値で、型表面温度を表すものとす
る。
【0041】本発明を図を用いて説明する。図1〜図4
は金型壁面付近の射出成形時の温度分布の変化を示す。
図中の各曲線の数値は加熱樹脂が冷却された金型壁に接
触してからの時間(秒)を示している。図1に示すよう
に、一般の金型では樹脂が金型壁面に接触して0.02
秒後には型表面温度は主金型温度とほぼ同等になってい
る。金型壁面を断熱層で被覆すると、図2、図3及び図
4に示す様に、型表面温度(断熱層表面温度が型表面温
度になる)は成形時に上昇する。加熱樹脂は型壁面に接
触して、急速に冷却され、金型表面は加熱樹脂から熱を
受けて昇温する。金型表面を断熱層(ポリイミド)で被
覆すると、樹脂と接触する断熱層表面の温度上昇は大き
くなり、温度低下速度も小さくなる。
【0042】本発明に述べる、射出された合成樹脂が型
表面に接触してから少なくとも0.1秒の間、型表面温
度が100℃以上の状態にすることは図に示すように一
定の厚みの断熱層を被覆することにより可能である。P
OM等結晶性樹脂のメッキ密着強度を大きくするには、
成形品表面直近まで結晶化が起こっている成形品を用い
ることが必要と云われている。POM成形品の場合、表
面直近まで結晶化が起こっている成形品を硫酸、リン酸
等の強酸で化学エッチングすると、成形品表層部の非結
晶部のみがエッチングされ、適度な凹凸表面になり、該
凹凸に電気メッキされた金属がくい込み、メッキ密着力
が大きくなると云われている。
【0043】偏光顕微鏡写真の模式図5及び偏光顕微鏡
写真の模式図6はPOMの射出成形品断面の結晶構造を
示すものである。偏光顕微鏡写真の模式図5は50℃に
冷却された金属からなる主金型へ220℃のPOMを射
出成形した場合であり、偏光顕微鏡写真の模式図6は
0.075mm厚にポリイミドを被覆した金属からなる
主金型へ、同様の条件で射出成形した場合である。ポリ
イミドを被覆することにより表面直近まで結晶化が進
み、このためメッキ密着力も向上する。
【0044】
【実施例】次の金型、物質等を使用する。 主金型:鋼材(S55C)でつくられ、自動車用アウタ
ーハンドルの金型キャビティを有し、型表面は鏡面状で
あり、更に硬質クロムメッキがされている。 ポリイミド前駆体及び硬化後のポリイミド:直鎖型高分
子量ポリイミド前駆体溶液「トレニース#3000」
(東レ(株)製)。硬化後のポリイミドの性能は、Tg
が300℃、熱伝導率が0.0005cal/cm・s
ec・℃、破断伸度が60%。 ポリイミド被覆金型:主金型にポリイミド前駆体溶液を
塗布し、160℃に加熱して部分イミド化し、次いで該
塗布、160℃加熱を5回繰り返し、最後に290℃ま
で加熱して、100%イミド化して0.1mm厚のポリ
イミド被覆金型をつくる。
【0045】射出成形する合成樹脂:POM「テナック
PT300」(旭化成工業(株)製)。この樹脂の荷重
たわみ温度は139℃である。ポリイミド被覆金型を6
0℃に設定し、210℃のPOMを射出成形する。成形
サイクルタイムは35秒である。成形品の外観は良好で
鏡面状である。この成形品を脱脂、化学エッチング、中
和、感受性化処理、活性化処理、化学ニッケルメッキ電
気銅メッキ、電気ニッケルメッキ、電気クロムメッキの
順に行い、メッキされた射出成形品を得る。結果を表5
に示す。本発明のメッキされた射出成形品は外観、メッ
キ密着力に優れ、且つ成形サイクルタイムが短く、経済
性にも優れている。
【0046】
【比較例】主金型(断熱層被覆をしない金型)を用い
て、同様にPOMを射出成形、次いでメッキを行いメッ
キされた射出成形品を得る。結果を表5に示す。
【0047】
【表5】
【0048】
【発明の効果】本発明により成形品表面直近まで結晶層
が存在する射出成形品が得られ、それによりメッキ密着
強度が向上した射出成形品が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】PI(ポリイミド)を被覆しない主金型温度を
50℃にした金型キャビティへPOMを射出した時の金
型壁面付近の温度分布の変化を示す。
【図2】PI(ポリイミド)を0.05mm厚に被覆し
た主金型温度を50℃にした金型キャビティへPOMを
射出した時の金型壁面付近の温度分布の変化を示す。
【図3】PI(ポリイミド)を0.075mm厚に被覆
した主金型温度を50℃にした金型キャビティへPOM
を射出した時の金型壁面付近の温度分布の変化を示す。
【図4】PI(ポリイミド)を0.1mm厚に被覆した
主金型温度を50℃にした金型キャビティへPOMを射
出した時の金型壁面付近の温度分布の変化を示す。
【図5】50℃に冷却された金属からなる主金型へ22
0℃のPOMを射出成形した場合の射出成形品断面の結
晶構造を示す偏光顕微鏡写真の模式図である。
【図6】0.075mm厚にポリイミドを被覆した金属
からなる主金型へ、図5の場合と同様の条件で射出成形
した場合の射出成形品断面の結晶構造を示す偏光顕微鏡
写真の模式図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶性熱可塑性樹脂の射出成形品に於
    て、金属からなる主金型の金型キャビティを形成する型
    壁面を、熱伝導率が0.002cal/cm・sec・
    ℃以下の耐熱性重合体からなる断熱層で0.05〜2m
    m厚に被覆した金型を用い、主金型温度は成形される樹
    脂の荷重たわみ温度より30℃低い温度以下で射出成形
    し、次いでメッキされたことを特徴とする成形品。
JP720294A 1994-01-26 1994-01-26 メッキされた射出成形品 Withdrawn JPH07205211A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20130086203A (ko) * 2010-06-14 2013-07-31 포리프라스틱 가부시키가이샤 금형의 제조방법

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