JP3396253B2 - 合成樹脂成形用金型の製法 - Google Patents
合成樹脂成形用金型の製法Info
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- synthetic resin
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- B29—WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
- B29C—SHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
- B29C49/00—Blow-moulding, i.e. blowing a preform or parison to a desired shape within a mould; Apparatus therefor
- B29C49/42—Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
- B29C49/48—Moulds
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B29—WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
- B29C—SHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
- B29C33/00—Moulds or cores; Details thereof or accessories therefor
- B29C33/56—Coatings, e.g. enameled or galvanised; Releasing, lubricating or separating agents
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- Mechanical Engineering (AREA)
- Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は合成樹脂の成形用金型の
製法に関する。更に詳しくは数万回の成形に耐える射出
成形あるいはブロー成形用金型の製法に関する。
製法に関する。更に詳しくは数万回の成形に耐える射出
成形あるいはブロー成形用金型の製法に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂を金型キャビティへ射出し
て成形し、成形品に対する型表面の形状状態の付与にお
ける再現性を良くし、成形品の艶を良くするには、通
常、樹脂温度を高くしたり、射出圧力を高くする等の成
形条件を選ぶことによりある程度達成できる。
て成形し、成形品に対する型表面の形状状態の付与にお
ける再現性を良くし、成形品の艶を良くするには、通
常、樹脂温度を高くしたり、射出圧力を高くする等の成
形条件を選ぶことによりある程度達成できる。
【0003】これらの要因の中で最も大きな影響がある
のは金型温度であり、金型温度を高くする程好ましい。
しかし、金型温度を高くすると、可塑化された樹脂の冷
却固化に必要な冷却時間が長くなり成形能率が下がる。
金型温度を高くすることなく型表面の再現性を良くし、
又金型温度を高くしても必要な冷却時間が長くならない
方法が要求されている。金型に加熱用、冷却用の孔をそ
れぞれとりつけておき交互に熱媒、冷媒を流して金型の
加熱、冷却を繰り返す方法も行われているが、この方法
は熱の消費量も多く、冷却時間が長くなる。
のは金型温度であり、金型温度を高くする程好ましい。
しかし、金型温度を高くすると、可塑化された樹脂の冷
却固化に必要な冷却時間が長くなり成形能率が下がる。
金型温度を高くすることなく型表面の再現性を良くし、
又金型温度を高くしても必要な冷却時間が長くならない
方法が要求されている。金型に加熱用、冷却用の孔をそ
れぞれとりつけておき交互に熱媒、冷媒を流して金型の
加熱、冷却を繰り返す方法も行われているが、この方法
は熱の消費量も多く、冷却時間が長くなる。
【0004】金型キャビティを形成する型壁面を熱伝導
率の小さい物質で被覆することにより金型表面再現性を
良くする方法はUSP3,544,518号明細書等で
開示されており、熱伝導率が小さい物質としてポリエチ
レンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド等が
示されている。更に、金型表面近くに断熱層を設ける方
法としてWO89/10823号明細書がある。この明
細書には、射出された樹脂が金型内で冷却される際に、
ゆっくり冷却する手段として、金型最表面をアルミニウ
ムあるいはニッケル等の金属とし、次の層に断熱層、そ
の下を金型本体とする金型構造が示されている。断熱層
を設ける目的は射出された加熱樹脂の冷却速度を大巾に
低減することであり、断熱層として数mm厚の液晶ポリ
マーの板、ベスペル(成形されたポリイミド、Du P
ont社商品名)の板が示されている。
率の小さい物質で被覆することにより金型表面再現性を
良くする方法はUSP3,544,518号明細書等で
開示されており、熱伝導率が小さい物質としてポリエチ
レンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド等が
示されている。更に、金型表面近くに断熱層を設ける方
法としてWO89/10823号明細書がある。この明
細書には、射出された樹脂が金型内で冷却される際に、
ゆっくり冷却する手段として、金型最表面をアルミニウ
ムあるいはニッケル等の金属とし、次の層に断熱層、そ
の下を金型本体とする金型構造が示されている。断熱層
を設ける目的は射出された加熱樹脂の冷却速度を大巾に
低減することであり、断熱層として数mm厚の液晶ポリ
マーの板、ベスペル(成形されたポリイミド、Du P
ont社商品名)の板が示されている。
【0005】特開昭62−37107号公報には通気性
のある断熱層を型表面につけ、シルバーストリークの発
生等を防ぐ方法が記載されている。そして断熱層の中に
ポリイミドの記載があるが、それ以上の説明はない。
又、USP5,004,627には射出成形時の離型性
を良くするため、金型表面にフッ素化ポリイミドを被覆
する方法が示されており、この場合のフッ素化ポリイミ
ドは離型剤として使用されている。該フッ素化ポリイミ
ドの厚みは極めて薄く、さらに、金型と強固に密着でき
ない。フッ素化合物は一般に同一物質あるいは他物質と
の滑り性、剥離性に著しく優れ、滑性剤、剥離剤、離型
剤として広く使用されている。
のある断熱層を型表面につけ、シルバーストリークの発
生等を防ぐ方法が記載されている。そして断熱層の中に
ポリイミドの記載があるが、それ以上の説明はない。
又、USP5,004,627には射出成形時の離型性
を良くするため、金型表面にフッ素化ポリイミドを被覆
する方法が示されており、この場合のフッ素化ポリイミ
ドは離型剤として使用されている。該フッ素化ポリイミ
ドの厚みは極めて薄く、さらに、金型と強固に密着でき
ない。フッ素化合物は一般に同一物質あるいは他物質と
の滑り性、剥離性に著しく優れ、滑性剤、剥離剤、離型
剤として広く使用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】射出成形は複雑な形状
の成形品が一度の成形で得られることに最大の長所があ
り、この長所を保持しつつ、金型内の冷却時間が長くな
らず、且つ、金型表面再現性を良くした鏡面状成形品を
成形することが要求されている。本発明の課題は、金型
表面を断熱層で被覆した金型において、1)複雑な形状
の金型キャビティを有する金型に適用でき、2)冷却時
間の減少でき、3)数万回の繰り返し成形に耐え、4)
金型表面再現性に優れた、例えば高光沢成形品が得られ
るを達成することができる金型の経済的な製法を提供す
ることである。
の成形品が一度の成形で得られることに最大の長所があ
り、この長所を保持しつつ、金型内の冷却時間が長くな
らず、且つ、金型表面再現性を良くした鏡面状成形品を
成形することが要求されている。本発明の課題は、金型
表面を断熱層で被覆した金型において、1)複雑な形状
の金型キャビティを有する金型に適用でき、2)冷却時
間の減少でき、3)数万回の繰り返し成形に耐え、4)
金型表面再現性に優れた、例えば高光沢成形品が得られ
るを達成することができる金型の経済的な製法を提供す
ることである。
【0007】本発明者らはこの課題を達成するため、断
熱層で被覆した金型について検討を行い、主金型表面を
被覆する断熱物質、その被覆状態、被覆方法について次
のことが非常に重要であることを見出した。すなわち、
断熱層に関しては、実質的に金型最表面にあって薄層で
あること、また断熱物質に関しては、熱伝導度が低いこ
と、耐熱性に優れること、引張強度、伸びが大きくしか
も冷熱サイクルに強いこと、表面硬度が大きいこと、耐
摩耗性に優れること、金型本体との密着性が良いこと、
表面研磨ができること、さらに断熱層の形成時あるいは
本金型を用いた合成樹脂の成形時に、耐蝕性に優れるこ
とである。
熱層で被覆した金型について検討を行い、主金型表面を
被覆する断熱物質、その被覆状態、被覆方法について次
のことが非常に重要であることを見出した。すなわち、
断熱層に関しては、実質的に金型最表面にあって薄層で
あること、また断熱物質に関しては、熱伝導度が低いこ
と、耐熱性に優れること、引張強度、伸びが大きくしか
も冷熱サイクルに強いこと、表面硬度が大きいこと、耐
摩耗性に優れること、金型本体との密着性が良いこと、
表面研磨ができること、さらに断熱層の形成時あるいは
本金型を用いた合成樹脂の成形時に、耐蝕性に優れるこ
とである。
【0008】この課題を達成する手段として、我々は直
鎖型高分子量ポリイミドの前駆体溶液を金型壁面に塗布
し、次いで加熱して脱水環化させイミド化し、金型壁面
をポリイミドで被覆した金型を用いることを既に提案し
た。この方法にも更に改良すべき課題があった。すなわ
ち、ポリイミド前駆体溶液として最も良好なポリアミド
酸溶液では、塗布後加熱してイミド化する時に水が分離
され、それがガスとして蒸発する。そのため形成された
ポリイミド皮膜に気泡が残りやすい。この気泡発生を防
ぐために、一回の塗布、加熱で薄層のポリイミドを形成
し、塗布、加熱を数多く繰り返して所定の厚みのポリイ
ミド層を形成する必要がある。ポリイミド層の厚みを
0.2mm以上にするには10回程度以上の塗布、加熱
を繰り返す必要があった。塗布、加熱を繰り返すこと
は、ポリイミド層にゴミ、異物等が入りやすく、時間も
かかり、コスト高になる。
鎖型高分子量ポリイミドの前駆体溶液を金型壁面に塗布
し、次いで加熱して脱水環化させイミド化し、金型壁面
をポリイミドで被覆した金型を用いることを既に提案し
た。この方法にも更に改良すべき課題があった。すなわ
ち、ポリイミド前駆体溶液として最も良好なポリアミド
酸溶液では、塗布後加熱してイミド化する時に水が分離
され、それがガスとして蒸発する。そのため形成された
ポリイミド皮膜に気泡が残りやすい。この気泡発生を防
ぐために、一回の塗布、加熱で薄層のポリイミドを形成
し、塗布、加熱を数多く繰り返して所定の厚みのポリイ
ミド層を形成する必要がある。ポリイミド層の厚みを
0.2mm以上にするには10回程度以上の塗布、加熱
を繰り返す必要があった。塗布、加熱を繰り返すこと
は、ポリイミド層にゴミ、異物等が入りやすく、時間も
かかり、コスト高になる。
【0009】
【課題を解決しようとする手段】本発明はこの課題を解
決する方法である。すなわち、本発明は、金属から成る
主金型の型キャビティを形成する型壁面に、30〜70
%がイミド化された直鎖型高分子量ポリアミド酸溶液を
金型壁面に塗布し、次いで加熱して脱水環化させてイミ
ド化し、0.05〜2mm厚の高耐熱性ポリイミド層を
形成することを特徴とするポリイミド層で被覆された合
成樹脂成形用金型の製法である。
決する方法である。すなわち、本発明は、金属から成る
主金型の型キャビティを形成する型壁面に、30〜70
%がイミド化された直鎖型高分子量ポリアミド酸溶液を
金型壁面に塗布し、次いで加熱して脱水環化させてイミ
ド化し、0.05〜2mm厚の高耐熱性ポリイミド層を
形成することを特徴とするポリイミド層で被覆された合
成樹脂成形用金型の製法である。
【0010】更に本発明は、主金型の表面がクロムメッ
キおよび/又はニッケルメッキした層にポリイミド層で
被覆された合成樹脂成形用金型の製法である。更に本発
明は、ポリイミド層の表面に、該ポリイミド層の厚みの
1/10以下の耐擦傷性薄膜を被覆することを特徴とす
る上記の製法である。以下に本発明について詳細に説明
する。
キおよび/又はニッケルメッキした層にポリイミド層で
被覆された合成樹脂成形用金型の製法である。更に本発
明は、ポリイミド層の表面に、該ポリイミド層の厚みの
1/10以下の耐擦傷性薄膜を被覆することを特徴とす
る上記の製法である。以下に本発明について詳細に説明
する。
【0011】従来、射出成形では2mm厚程度の薄肉の
型キャビティを高速で合成樹脂が射出されるため、鋼鉄
等の強靭な材質で型キャビティを形成することが数万回
の成形を行う本格金型ではこれまで必須と考えられてい
る。我々は、これについて更に深い研究を行い、主金型
の表面を薄い合成樹脂で被覆しても、一定の条件を満た
す合成樹脂から成る断熱層を使用すれば、数万回の射出
成形に耐えることを発見し本発明に至る。
型キャビティを高速で合成樹脂が射出されるため、鋼鉄
等の強靭な材質で型キャビティを形成することが数万回
の成形を行う本格金型ではこれまで必須と考えられてい
る。我々は、これについて更に深い研究を行い、主金型
の表面を薄い合成樹脂で被覆しても、一定の条件を満た
す合成樹脂から成る断熱層を使用すれば、数万回の射出
成形に耐えることを発見し本発明に至る。
【0012】すなわち、射出成形では、金型に射出され
た加熱可塑化樹脂は冷却された金型壁面に接触して接触
面に直ちに固化層を形成し、引続き射出される樹脂は固
化層と固化層の間を進行し、流動先端(flow fr
ont)に達すると、金型壁面の方向へ向い、金型壁面
と接して固化層となる。すなわち、射出される樹脂は金
型壁面を上から押し付ける様に流れ、金型壁面をひきず
る様に流れない。
た加熱可塑化樹脂は冷却された金型壁面に接触して接触
面に直ちに固化層を形成し、引続き射出される樹脂は固
化層と固化層の間を進行し、流動先端(flow fr
ont)に達すると、金型壁面の方向へ向い、金型壁面
と接して固化層となる。すなわち、射出される樹脂は金
型壁面を上から押し付ける様に流れ、金型壁面をひきず
る様に流れない。
【0013】従って、金型表面を選択された合成樹脂か
ら成る薄い断熱層で被覆すれば、該断熱層は射出される
樹脂で直接摩耗することは無く、数万回の射出成形に耐
え得ることを見い出した。本発明に用いる主金型材質
は、熱伝導率が0.05cal/cm・sec・℃以上
のもので、鉄又は鉄を50重量%以上含有する鋼材、ア
ルミニウム又はアルミニウムを50重量%以上含有する
合金、亜鉛合金、銅合金、例えばベリリウム銅合金等の
一般に合成樹脂の金型に使用されている金属を包含す
る。特に鋼材が最も良好に使用できる。
ら成る薄い断熱層で被覆すれば、該断熱層は射出される
樹脂で直接摩耗することは無く、数万回の射出成形に耐
え得ることを見い出した。本発明に用いる主金型材質
は、熱伝導率が0.05cal/cm・sec・℃以上
のもので、鉄又は鉄を50重量%以上含有する鋼材、ア
ルミニウム又はアルミニウムを50重量%以上含有する
合金、亜鉛合金、銅合金、例えばベリリウム銅合金等の
一般に合成樹脂の金型に使用されている金属を包含す
る。特に鋼材が最も良好に使用できる。
【0014】射出成形では、冷却された金型へ、加熱さ
れ可塑化された合成樹脂が射出され、それが金型内で冷
却されて成形されるため、各成形毎に、金型表面では1
00℃にも及ぶ加熱と冷却が繰り返される毎に、金属と
ポリイミドとの界面に激しい応力が発生することにな
る。この応力に数万回にわたって耐えうるポリイミドと
して、破断強度、破断伸度共に大きく、且つ金型との密
着力が大きいことが必要であり、フッ素等の金型との密
着性を阻害する物質を含まない強靭な直鎖型の高分子量
ポリイミドが最も好ましいことを見いだした。
れ可塑化された合成樹脂が射出され、それが金型内で冷
却されて成形されるため、各成形毎に、金型表面では1
00℃にも及ぶ加熱と冷却が繰り返される毎に、金属と
ポリイミドとの界面に激しい応力が発生することにな
る。この応力に数万回にわたって耐えうるポリイミドと
して、破断強度、破断伸度共に大きく、且つ金型との密
着力が大きいことが必要であり、フッ素等の金型との密
着性を阻害する物質を含まない強靭な直鎖型の高分子量
ポリイミドが最も好ましいことを見いだした。
【0015】本発明に良好に使用できる直鎖型の高分子
量ポリイミドの例を表1に示した。なお、Tgはガラス
転移温度、又、nはくりかえし単位の数を表わす。
量ポリイミドの例を表1に示した。なお、Tgはガラス
転移温度、又、nはくりかえし単位の数を表わす。
【0016】
【表1】
【0017】直鎖型ポリイミドのTgは構成成分によっ
て異り、その例を表2および表3に示した。本発明者ら
の知見ではTgが200℃付近以上が良く、更に好まし
くは230℃以上であった。
て異り、その例を表2および表3に示した。本発明者ら
の知見ではTgが200℃付近以上が良く、更に好まし
くは230℃以上であった。
【0018】
【表2】
【0019】
【表3】
【0020】射出成形は複雑な形状の成形品を一度の成
形で得られるところに経済的価値がある。この複雑な金
型表面をポリイミドで被覆し、且つ強固に密着させるに
は、ポリイミド前駆体溶液を塗布し、次いで加熱してポ
リイミドを形成させることが最も好ましいことを見いだ
した。直鎖型高分子量ポリイミドの前駆体溶液を金型壁
面に塗布し次いで加熱して形成されている。該ポリイミ
ドは、ガラス転移温度(以後Tgと略称)が200℃付
近以上の高耐熱性樹脂であり、強度及び伸度に優れ、型
壁面との密着力は0.5kg/10mm巾以上である。
形で得られるところに経済的価値がある。この複雑な金
型表面をポリイミドで被覆し、且つ強固に密着させるに
は、ポリイミド前駆体溶液を塗布し、次いで加熱してポ
リイミドを形成させることが最も好ましいことを見いだ
した。直鎖型高分子量ポリイミドの前駆体溶液を金型壁
面に塗布し次いで加熱して形成されている。該ポリイミ
ドは、ガラス転移温度(以後Tgと略称)が200℃付
近以上の高耐熱性樹脂であり、強度及び伸度に優れ、型
壁面との密着力は0.5kg/10mm巾以上である。
【0021】
【化1】
【0022】これ等ポリイミド前駆体は加熱して脱水環
化反応させることによりポリイミドを形成する。好まし
い直鎖型ポリイミド前駆体はポリアミド酸であり、その
代表例の繰り返し単位と、それをイミド化したポリイミ
ドの繰り返し単位を化2、化3、化4、化5に示す。
化反応させることによりポリイミドを形成する。好まし
い直鎖型ポリイミド前駆体はポリアミド酸であり、その
代表例の繰り返し単位と、それをイミド化したポリイミ
ドの繰り返し単位を化2、化3、化4、化5に示す。
【0023】
【化2】
【0024】
【化3】
【0025】
【化4】
【0026】
【化5】
【0027】ポリアミド酸を加熱してイミド化させる時
に、脱水反応で水が発生する。この水がポリイミドの中
に気泡として残りやすい。特にポリアミド酸を厚塗りす
ると気泡が発生しやすい。このため、一回の塗布、加熱
により、薄肉のポリイミドを形成し、これを繰り返して
所定の厚みのポリイミドを形成する必要があった。一般
に高耐熱性ポリイミドは難溶解性である。一部の高耐熱
性ポリイミドはその前駆体のポリアミド酸のイミド化率
を30〜70%にすれば溶解性がある。本発明はこの部
分イミド化ポリアミド酸を用いることにより、加熱時の
発生水分を低減し、厚塗りを可能にする方法である。
に、脱水反応で水が発生する。この水がポリイミドの中
に気泡として残りやすい。特にポリアミド酸を厚塗りす
ると気泡が発生しやすい。このため、一回の塗布、加熱
により、薄肉のポリイミドを形成し、これを繰り返して
所定の厚みのポリイミドを形成する必要があった。一般
に高耐熱性ポリイミドは難溶解性である。一部の高耐熱
性ポリイミドはその前駆体のポリアミド酸のイミド化率
を30〜70%にすれば溶解性がある。本発明はこの部
分イミド化ポリアミド酸を用いることにより、加熱時の
発生水分を低減し、厚塗りを可能にする方法である。
【0028】本発明では、イミド化率は30〜70%の
範囲で選択されるが、溶剤に良好に溶解し得る範囲でイ
ミド化率は高い方が好ましく、ポリイミドの分子構造に
より、そのイミド化率は異なる。本発明ではイミド化率
は30〜70%の範囲であり、且つ、溶剤に溶解できる
範囲である。イミド化率が30%以下では水分発生を低
減する効果が少なく、70%以上では溶解性が悪くな
る。ここに述べる溶剤とは、主金型に塗布できる溶剤で
あり、一般には有機溶剤であり、ジメチルアセトアミ
ド、ジメチルフォルムアミド、Nメチルピロリドン等の
極性溶媒が良好に使用でき、濃硫酸や濃硝酸の様な金型
に塗布できない溶媒は含まれない。化4に示すポリアミ
ドイミドは溶解性が良く、イミド化率が50%を越えた
ものでも使用できる。本発明に述べるポリイミドにはポ
リアミドイミド、ポリエーテルイミド等の変性ポリイミ
ドも含まれる。
範囲で選択されるが、溶剤に良好に溶解し得る範囲でイ
ミド化率は高い方が好ましく、ポリイミドの分子構造に
より、そのイミド化率は異なる。本発明ではイミド化率
は30〜70%の範囲であり、且つ、溶剤に溶解できる
範囲である。イミド化率が30%以下では水分発生を低
減する効果が少なく、70%以上では溶解性が悪くな
る。ここに述べる溶剤とは、主金型に塗布できる溶剤で
あり、一般には有機溶剤であり、ジメチルアセトアミ
ド、ジメチルフォルムアミド、Nメチルピロリドン等の
極性溶媒が良好に使用でき、濃硫酸や濃硝酸の様な金型
に塗布できない溶媒は含まれない。化4に示すポリアミ
ドイミドは溶解性が良く、イミド化率が50%を越えた
ものでも使用できる。本発明に述べるポリイミドにはポ
リアミドイミド、ポリエーテルイミド等の変性ポリイミ
ドも含まれる。
【0029】ポリイミドの前駆体溶液には、コーティン
グ時の粘度を調整したり、溶液の表面張力を調整、チキ
ソトロピー性を調整するための添加物を加えたり、およ
び/又は金型との密着性を上げるための微少の添加物を
加えることができる。塗布用に変性したワニスは良好に
使用できる。しかし、ポリイミドの熱伝導率を大巾に高
くする様な添加物は好ましくない。
グ時の粘度を調整したり、溶液の表面張力を調整、チキ
ソトロピー性を調整するための添加物を加えたり、およ
び/又は金型との密着性を上げるための微少の添加物を
加えることができる。塗布用に変性したワニスは良好に
使用できる。しかし、ポリイミドの熱伝導率を大巾に高
くする様な添加物は好ましくない。
【0030】ポリイミド前駆体のポリマーはカルボキシ
ル基等を含有するため金型との密着性が良く、金型表面
上でポリイミドを反応形成させることにより金型表面に
密着したポリイミド薄層が得られる。本発明のポリイミ
ドと主金型との密着力は、室温で0.5kg/10mm
巾以上であり、好ましくは0.8kg/10mm巾以
上、更に好ましくは1kg/10mm以上である。これ
は密着したポリイミドを10mm巾に切り、接着面と直
角方向に20mm/分の速度で引張った時の剥離力であ
る。この剥離力は測定場所、測定回数によりかなりバラ
ツキが見られるが、最小値が大きいことが重要であり、
安定して大きい剥離力であることが好ましい。本発明に
述べる密着力は金型の主要部の密着力の最小値である。
この密着力を大きくするために、主金型表面にクロムメ
ッキ、あるいは/及びニッケルメッキを行ったり、適度
な凹凸をつけたり、適度なプライマー処理を行うことは
必要に応じて行うことができる。
ル基等を含有するため金型との密着性が良く、金型表面
上でポリイミドを反応形成させることにより金型表面に
密着したポリイミド薄層が得られる。本発明のポリイミ
ドと主金型との密着力は、室温で0.5kg/10mm
巾以上であり、好ましくは0.8kg/10mm巾以
上、更に好ましくは1kg/10mm以上である。これ
は密着したポリイミドを10mm巾に切り、接着面と直
角方向に20mm/分の速度で引張った時の剥離力であ
る。この剥離力は測定場所、測定回数によりかなりバラ
ツキが見られるが、最小値が大きいことが重要であり、
安定して大きい剥離力であることが好ましい。本発明に
述べる密着力は金型の主要部の密着力の最小値である。
この密着力を大きくするために、主金型表面にクロムメ
ッキ、あるいは/及びニッケルメッキを行ったり、適度
な凹凸をつけたり、適度なプライマー処理を行うことは
必要に応じて行うことができる。
【0031】ポリイミドの熱伝導率は小さい程好ましい
が、ポリイミドの熱伝導率は0.002cal/cm・
sec・℃以下のものが好ましく使用できる。ポリイミ
ド層の厚みは、0.02〜2mmの範囲で適度に選択さ
れる。0.02mm未満の厚みでは成形品表面改良の効
果が少なく、2mmを超えると金型の冷却効果が低下
し、成形効率が低下する。金型温度が高い程、ポリイミ
ド層の厚みを薄くし、金型温度が低い程、ポリイミド層
の厚みを厚くする必要があり、0.02〜2mmの範囲
で適度に選択される。又、本発明の金型が使用される成
形法によっても、好ましいポリイミド層の厚みは異る。
本発明の金型が最も良好に使用できる射出成形では、
0.02〜0.5mmの厚みが好ましく、更に好ましく
は0.05〜0.2mmの厚みである。これに対して、
押出ブロー成形では0.1〜1mmの厚みが好ましい。
が、ポリイミドの熱伝導率は0.002cal/cm・
sec・℃以下のものが好ましく使用できる。ポリイミ
ド層の厚みは、0.02〜2mmの範囲で適度に選択さ
れる。0.02mm未満の厚みでは成形品表面改良の効
果が少なく、2mmを超えると金型の冷却効果が低下
し、成形効率が低下する。金型温度が高い程、ポリイミ
ド層の厚みを薄くし、金型温度が低い程、ポリイミド層
の厚みを厚くする必要があり、0.02〜2mmの範囲
で適度に選択される。又、本発明の金型が使用される成
形法によっても、好ましいポリイミド層の厚みは異る。
本発明の金型が最も良好に使用できる射出成形では、
0.02〜0.5mmの厚みが好ましく、更に好ましく
は0.05〜0.2mmの厚みである。これに対して、
押出ブロー成形では0.1〜1mmの厚みが好ましい。
【0032】本発明に使用される直鎖型高分子量ポリイ
ミドの強度及び伸度は大きいことが好ましく、特に、耐
冷熱サイクルから破断伸度は大きいことが好ましく、一
般には10%程度以上が好ましい。破断伸度の測定法は
ASTM D638に準じて行う。射出成形は複雑な形
状の型物が一度の成形でできることが最大の長所であ
り、そのため金型キャビティは一般に複雑な形状をして
いる。この複雑な金型キャビティ表面に鏡面状に被覆物
質を塗布することはきわめて困難であり、そのため塗布
された被覆層を表面研磨して鏡面状に仕上げることが最
も良好な方法である。被覆物質は研磨でき、鏡面化でき
ることが要求される。
ミドの強度及び伸度は大きいことが好ましく、特に、耐
冷熱サイクルから破断伸度は大きいことが好ましく、一
般には10%程度以上が好ましい。破断伸度の測定法は
ASTM D638に準じて行う。射出成形は複雑な形
状の型物が一度の成形でできることが最大の長所であ
り、そのため金型キャビティは一般に複雑な形状をして
いる。この複雑な金型キャビティ表面に鏡面状に被覆物
質を塗布することはきわめて困難であり、そのため塗布
された被覆層を表面研磨して鏡面状に仕上げることが最
も良好な方法である。被覆物質は研磨でき、鏡面化でき
ることが要求される。
【0033】合成樹脂を研磨して、鏡面化することは、
プラスチックレンズ等を研磨する方法がある。合成樹脂
を研磨する研磨粉は、研磨するに適した合成樹脂を使用
する。特に、高度に架橋されていて、硬くて、伸びが小
さく、しかもガラス転移温度が高い樹脂が適していると
一般に云われ、よく知られたCR−39(ジエチレング
リコールビスアリルカーボネート)重合体等が適してい
る。
プラスチックレンズ等を研磨する方法がある。合成樹脂
を研磨する研磨粉は、研磨するに適した合成樹脂を使用
する。特に、高度に架橋されていて、硬くて、伸びが小
さく、しかもガラス転移温度が高い樹脂が適していると
一般に云われ、よく知られたCR−39(ジエチレング
リコールビスアリルカーボネート)重合体等が適してい
る。
【0034】これに対して直鎖状高分子量体で、破断伸
度が大きく強靭な樹脂は研磨に適していないと見られて
きた。従来のこの考えから云えば、直鎖型高分子量ポリ
イミドは破断伸度が大きく、強靭であるので、研磨性に
は適しないということになる。しかしこのような直鎖型
高分子量ポリイミドも、高度に架橋が起こっている熱硬
化型ポリイミドとともに、研磨性が良好であることが、
本発明によって始めて明らかとなり、本発明に良好に使
用できる。
度が大きく強靭な樹脂は研磨に適していないと見られて
きた。従来のこの考えから云えば、直鎖型高分子量ポリ
イミドは破断伸度が大きく、強靭であるので、研磨性に
は適しないということになる。しかしこのような直鎖型
高分子量ポリイミドも、高度に架橋が起こっている熱硬
化型ポリイミドとともに、研磨性が良好であることが、
本発明によって始めて明らかとなり、本発明に良好に使
用できる。
【0035】本発明の方法で形成されたポリイミド層の
破断伸度が低い場合、あるいは/及び主金型との密着力
が低い場合には、破断伸度が大きく、主金型との密着力
が大きい別種のポリイミドの薄層を主金型表面に形成
し、その上に本発明のポリイミドのより厚い層を形成す
ることが好ましい。この場合、本発明のポリイミド層は
全体厚みの2/3以上であることが好ましい。
破断伸度が低い場合、あるいは/及び主金型との密着力
が低い場合には、破断伸度が大きく、主金型との密着力
が大きい別種のポリイミドの薄層を主金型表面に形成
し、その上に本発明のポリイミドのより厚い層を形成す
ることが好ましい。この場合、本発明のポリイミド層は
全体厚みの2/3以上であることが好ましい。
【0036】ポリイミドの薄層の表面の平滑性等を更に
向上させるため、あるいは表面の耐擦傷性を更に向上さ
せるため、ポリイミド層の厚みの1/10以下、好まし
くは1/20以下の厚みで別物質をポリイミド表面に塗
布することも必要に応じてできる。合成樹脂のシートや
型物の表面に、耐擦傷性向上のため、一般にハードコー
ト剤と云われている塗料を塗布することもできる。例え
ば、熱硬化型のシリコーン系ハードコート剤は良好に使
用できる。
向上させるため、あるいは表面の耐擦傷性を更に向上さ
せるため、ポリイミド層の厚みの1/10以下、好まし
くは1/20以下の厚みで別物質をポリイミド表面に塗
布することも必要に応じてできる。合成樹脂のシートや
型物の表面に、耐擦傷性向上のため、一般にハードコー
ト剤と云われている塗料を塗布することもできる。例え
ば、熱硬化型のシリコーン系ハードコート剤は良好に使
用できる。
【0037】本発明の金型で成形されうる合成樹脂は一
般に射出成形やブロー成形等に使用できる熱可塑性樹脂
である。例えば、スチレン重合体又はその共重合体、ポ
リエチレン、ポリプロピレン等オレフィン重合体又はそ
の共重合体、塩化ビニール重合体又はその共重合体、ポ
リアセタール、ポリアミド、ポリエステル、等の一般の
熱可塑性樹脂が使用できる。
般に射出成形やブロー成形等に使用できる熱可塑性樹脂
である。例えば、スチレン重合体又はその共重合体、ポ
リエチレン、ポリプロピレン等オレフィン重合体又はそ
の共重合体、塩化ビニール重合体又はその共重合体、ポ
リアセタール、ポリアミド、ポリエステル、等の一般の
熱可塑性樹脂が使用できる。
【0038】これ等の樹脂に、各種強化材、各種充填物
を配合した場合、あるいはポリマーアロイ等とした場合
は特に大きい効果が得られる。例えば、これ等の樹脂
に、ゴム、ガラス繊維、アスベスト、炭酸カルシウム、
タルク、硫酸カルシウム、発泡剤、木粉等の1種又は2
種以上を配合することができる。又、ゴミ、塗料粉等の
異物が混入しているリサイクル樹脂も本発明に良好に使
用できる。
を配合した場合、あるいはポリマーアロイ等とした場合
は特に大きい効果が得られる。例えば、これ等の樹脂
に、ゴム、ガラス繊維、アスベスト、炭酸カルシウム、
タルク、硫酸カルシウム、発泡剤、木粉等の1種又は2
種以上を配合することができる。又、ゴミ、塗料粉等の
異物が混入しているリサイクル樹脂も本発明に良好に使
用できる。
【0039】本発明を主に射出成形で説明したが、本発
明金型はブロー成形でも同様に使用できる。
明金型はブロー成形でも同様に使用できる。
【0040】
【実施例】実施例において用いる各金型及び各ポリイミ
ドは次の通りである。 (1)主金型:鋼材(S55C 熱伝導率約0.2ca
l/cm・sec・℃。)でつくられ、100mm×1
00mmの正方形、厚さ2mmの平板状型キャビティを
有する。表面は鏡面状であり、正方形の辺部にサイドゲ
ートを有する。 (2)ポリイミド(A):化4に示す構造を主体とする
ポリアミド酸の53%がイミド化されているポリアミド
イミド前駆体。硬化後のポリアミドイミドのTgは23
0℃、熱伝導率は0.0005cal/cm・sec・
℃、破断伸度は10%である。 (1)ポリイミド(B):化2に示す構造を主体とし、
イミド化がほとんど行われていないポリアミド酸溶液
「トレニース#3000」(東レ(株)製)。硬化後の
ポリイミドのTgは300℃、熱伝導率は0.0005
cal/cm・sec・℃、破断伸度は60%である。
ドは次の通りである。 (1)主金型:鋼材(S55C 熱伝導率約0.2ca
l/cm・sec・℃。)でつくられ、100mm×1
00mmの正方形、厚さ2mmの平板状型キャビティを
有する。表面は鏡面状であり、正方形の辺部にサイドゲ
ートを有する。 (2)ポリイミド(A):化4に示す構造を主体とする
ポリアミド酸の53%がイミド化されているポリアミド
イミド前駆体。硬化後のポリアミドイミドのTgは23
0℃、熱伝導率は0.0005cal/cm・sec・
℃、破断伸度は10%である。 (1)ポリイミド(B):化2に示す構造を主体とし、
イミド化がほとんど行われていないポリアミド酸溶液
「トレニース#3000」(東レ(株)製)。硬化後の
ポリイミドのTgは300℃、熱伝導率は0.0005
cal/cm・sec・℃、破断伸度は60%である。
【0041】
【実施例1】主金型にポリイミド(A)のNメチルピロ
リドン溶液をスプレー塗布し、120℃→210℃の順
に加熱して、0.06mmの厚みの塗膜を形成し、更に
この操作を2回行い、合計0.18mm厚みとし、次い
で290℃に加熱して十分にイミド環を形成し、0.1
8mm厚みのポリイミド層を形成する。該ポリイミド層
には気泡はなく、良好な塗膜であり、主金型への密着力
は1kg/10mm巾以上である。
リドン溶液をスプレー塗布し、120℃→210℃の順
に加熱して、0.06mmの厚みの塗膜を形成し、更に
この操作を2回行い、合計0.18mm厚みとし、次い
で290℃に加熱して十分にイミド環を形成し、0.1
8mm厚みのポリイミド層を形成する。該ポリイミド層
には気泡はなく、良好な塗膜であり、主金型への密着力
は1kg/10mm巾以上である。
【0042】
【実施例2】主金型にまずポリイミド(B)を塗布し、
120℃→210℃の順に加熱して、0.02mm厚み
の塗膜を形成し、次いでその上に、実施例1と同様の方
法でポリイミド(A)を形成し、合計0.20mm厚み
のポリイミド層を形成する。該ポリイミド層には気泡は
なく、良好な塗膜であり、主金型との密着力は1kg/
mm巾である。
120℃→210℃の順に加熱して、0.02mm厚み
の塗膜を形成し、次いでその上に、実施例1と同様の方
法でポリイミド(A)を形成し、合計0.20mm厚み
のポリイミド層を形成する。該ポリイミド層には気泡は
なく、良好な塗膜であり、主金型との密着力は1kg/
mm巾である。
【0043】
【比較例1】実施例1と同様にポリイミド(B)を塗布
し、一回の塗布で0.06mm厚みの塗膜を形成し、更
にこの操作を2回行い合計0.18mm厚みのポリイミ
ド塗膜を形成する。該ポリイミドには気泡が発生してお
り、良好な塗膜ではない。一回の塗布で0.02mm厚
みの塗膜を形成し、この操作を9回繰り返して合計0.
18mm厚みとすると、気泡のないポリイミド層を形成
できる。
し、一回の塗布で0.06mm厚みの塗膜を形成し、更
にこの操作を2回行い合計0.18mm厚みのポリイミ
ド塗膜を形成する。該ポリイミドには気泡が発生してお
り、良好な塗膜ではない。一回の塗布で0.02mm厚
みの塗膜を形成し、この操作を9回繰り返して合計0.
18mm厚みとすると、気泡のないポリイミド層を形成
できる。
【0044】
【発明の効果】本発明の方法により、金型壁面に気泡の
ない、良好な厚肉ポリイミド層を経済的に形成させるこ
とができる。
ない、良好な厚肉ポリイミド層を経済的に形成させるこ
とができる。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
B29C 33/00 - 33/76
B29C 39/26 - 39/34
B29C 41/38 - 41/40
B29C 43/36 - 43/42
B29C 45/26 - 45/37
B29C 49/48 - 49/54
B29C 51/30 - 51/40
Claims (3)
- 【請求項1】 金属から成る主金型の型キャビティを形
成する型壁面に、ポリアミド酸の30〜70%がイミド
化された直鎖型高分子量ポリアミド酸溶液を金型壁面に
塗布し、次いで加熱して脱水環化させてイミド化し、
0.05〜2mm厚の高耐熱性ポリイミド層を形成する
ことを特徴とするポリイミド層で被覆された合成樹脂成
形用金型の製法。 - 【請求項2】 主金型の表面がクロムメッキおよび/又
はニッケルメッキした層であることを特徴とする請求項
1の記載の合成樹脂成形用金型の製法。 - 【請求項3】 ポリイミド層の表面に、該ポリイミド層
の厚みの1/10以下の耐擦傷性薄膜を被覆することを
特徴とする請求項1又は2の記載の合成樹脂成形用金型
の製法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13812793A JP3396253B2 (ja) | 1993-06-10 | 1993-06-10 | 合成樹脂成形用金型の製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13812793A JP3396253B2 (ja) | 1993-06-10 | 1993-06-10 | 合成樹脂成形用金型の製法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06344348A JPH06344348A (ja) | 1994-12-20 |
JP3396253B2 true JP3396253B2 (ja) | 2003-04-14 |
Family
ID=15214614
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13812793A Expired - Fee Related JP3396253B2 (ja) | 1993-06-10 | 1993-06-10 | 合成樹脂成形用金型の製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3396253B2 (ja) |
-
1993
- 1993-06-10 JP JP13812793A patent/JP3396253B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06344348A (ja) | 1994-12-20 |
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Date | Code | Title | Description |
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