JPH07227854A - 合成樹脂の成形方法 - Google Patents

合成樹脂の成形方法

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JPH07227854A
JPH07227854A JP2433194A JP2433194A JPH07227854A JP H07227854 A JPH07227854 A JP H07227854A JP 2433194 A JP2433194 A JP 2433194A JP 2433194 A JP2433194 A JP 2433194A JP H07227854 A JPH07227854 A JP H07227854A
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temperature
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JP2433194A
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Hiroshi Kataoka
紘 片岡
Isao Umei
勇雄 梅井
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 成形サイクルタイムの低減 【構成】 金型からなる主金型壁面を断熱層で被覆し、
主金型を0℃以上、成形される合成樹脂の軟化温度から
85℃を減じた温度以下に冷却して成形する合成樹脂の
成形方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は合成樹脂の射出成形、ブ
ロー成形、真空成形、圧空成形等の新規な成形方法に係
る。
【0002】
【従来の技術】合成樹脂の射出成形等で、成形効率を上
げる手段の一つとして、金型温度を低くして金型内冷却
時間を短くすることが行われている。しかし、一般に金
型温度を低くして成形すると、得られる成形品の性能が
悪くなるという問題がある。射出成形方法については、
金型キャビティを構成する型壁面を熱伝導率の小さい物
質で被覆することによって金型表面再現性を良くする方
法が、米国特許第3544518号明細書に開示されて
いる。押出ブロー成形についても、同様に型壁面を熱伝
導率の小さい物質で被覆する方法が米国特許第5041
247号明細書に開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】射出成形、ブロー成形
等では、一般に50℃〜100℃の範囲の金型温度で成
形されている。金型温度を著しく低くすることは成形品
に種々の問題点をもたらす。例えば、外観上の問題(光
沢低下、ウェルドラインの目立ち、フローマークの目立
ち等)、残留応力の増大による耐ストレスクラック性の
低下、成形時に金型表面にモールドデポジットや結露等
が発生する。本発明の課題は、金型内必要冷却時間を短
縮し、成形サイクルタイムを短くして、しかも上記の問
題発生を極力少なくした成形方法を提供し、成形効率を
上げる要求に応えることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、金
属からなる主金型の金型キャビティを構成する型壁面が
断熱層で被覆された金型を用いる成形法において、上記
断熱層として熱伝導率0.002cal/cm・sec
・℃以下である耐熱性重合体を用い、上記断熱層の厚み
を0.05〜2mmにした金型を用い、しかも主金型を
成形される合成樹脂の軟化温度から85℃を減じた温度
以下、0℃以上の温度に冷却して成形することを特徴と
する合成樹脂の成形方法、である。
【0005】以下に本発明について詳しく説明する。本
発明の合成樹脂の成形方法に使用できる合成樹脂は、一
般の射出成形、ブロー成形等に使用できる熱可塑性樹脂
である。例えば、スチレン重合体、ABS樹脂、あるい
はその共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン等オレ
フィン系重合体、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、塩
化ビニール重合体又はその共重合体、ポリカーボネー
ト、ポリアミド、ポリエステル等の一般に使用されてい
る熱可塑性樹脂が使用できる。 これ等の合成樹脂に、
各種強化材や各種充填物を配合した樹脂、あるいはポリ
マーアロイ等とした樹脂は特に大きい効果が得られる。
例えば、上記の樹脂に、ゴム、ガラス繊維、アスベス
ト、炭酸カルシウム、タルク、硫酸カルシウム、木粉等
の1種又は2種以上を配合したものを使用することがで
きる。
【0006】本発明における合成樹脂の軟化温度とは、
合成樹脂が容易に変形し得る温度であり、非結晶性樹脂
ではピカット軟化温度(ASTM D15259)、硬
質結晶性樹脂では熱変形温度(ASTM D648 荷
重18.6Kg/cm2 )、軟質結晶性樹脂では熱変形温
度(ASTM D648 荷重4.6Kg/cm2 )、で
それぞれ示す温度とする。硬質結晶性樹脂とは、ポリオ
キシエチレン、ナイロン6、ナイロン66、等であり、
軟質結晶性樹脂とは、各種ポリエチレン、ポリプロピレ
ン等である。
【0007】一般に使用される合成樹脂の軟化温度を上
記の定義で示すと、ポリスチレンで90〜107℃、ポ
リプロピレンで110〜107℃、ポリオキシエチレン
で110〜136℃である。本発明に述べる金属からな
る主金型の材質とは、鉄又は鉄を主成分とする鋼材、ア
ルミニウム又はアルミニウムを主成分とする合金、亜鉛
合金、ベリリウム−銅合金等の一般に合成樹脂の成形に
使用されている金属金型を包含する。特に鋼材が良好に
使用できる。
【0008】本発明で断熱層に用いる耐熱性重合体と
は、ガラス転移温度が150℃以上であることが好まし
く、さらに好ましくは190℃以上、及び/又は融点が
250℃以上であることが好ましく、さらに好ましくは
280℃以上の耐熱性重合体をいう。ガラス転移温度や
融点は高い程好ましいが、耐熱性重合体は一般に400
℃付近で分解を始めるので、上限は規定しない。耐熱性
重合体の熱伝導率は0.002cal/cm・sec・
℃以下であり、一般の重合体はこの熱伝導率以下であ
る。また、該耐熱性重合体の破断伸度は、10%以上、
200%付近までの強靭な重合体が好ましい。破断伸度
の測定法はASTM D638に準じて行い、測定時の
引っ張り速度は5mm/分である。
【0009】本発明の合成樹脂の成形方法で断熱層とし
て良好に使用できる重合体は、主鎖に芳香環を有する耐
熱性重合体であり、有機溶剤に溶解する各種非結晶性耐
熱重合体、および各種ポリイミド等が良好に使用でき
る。上記非結晶性耐熱重合体としては、ポリスルホン、
ポリエーテルスルホン、ポリアリルスルホン、ポリアリ
レート、ポリフェニレンエーテル、およびポリベンツイ
ミダゾール等である。これ等の代表的な耐熱性重合体の
繰り返し単位を次に示す。
【0010】
【化1】
【0011】
【化2】
【0012】
【化3】
【0013】
【化4】
【0014】
【化5】
【0015】前記ポリイミドとしては、各種あるが、直
鎖型高分子量ポリイミドが良好に使用できる。一般に、
直鎖型高分子量ポリイミドは、破断伸度が大きく、耐久
性に優れている。本発明の合成樹脂の成形方法に良好に
使用できる直鎖型の高分子量ポリイミドの例を表1に示
した。なお、Tgはガラス転移温度、又、nはくりかえ
し単位の数を表わす。
【0016】
【表1】
【0017】直鎖型高分子量ポリイミドのTgは、構成
成分によって異り、その例を表2および表3に示した。
Tgは150℃以上の重合体が好ましく使用され、さら
に好ましくは190℃以上、特に好ましくは230℃以
上である。
【0018】
【表2】
【0019】
【表3】
【0020】本発明の合成樹脂の成形方法に良好に使用
できる、溶剤に溶解できる各種可溶性ポリイミドを表4
に示す。
【0021】
【表4】
【0022】射出成形法は、一度の成形で複雑な形状の
成形品が得られるところに経済的価値がある。この複雑
な金型表面を耐熱性重合体で被覆し、かつ強固に密着さ
せるには、耐熱性重合体溶液、あるいは/及び耐熱性重
合体前駆体溶液を塗布し、次いで加熱して耐熱性重合体
を形成させることが最も好ましい。従って、本発明に使
用する耐熱性重合体、あるいは耐熱性重合体前駆体は、
溶剤に溶解できることが好ましい。
【0023】前記の非結晶性耐熱性重合体、可溶性ポリ
イミド、あるいはポリイミド前駆体は、テトラヒドロフ
ラン、ジメチルフォルムアミド、ジメチルアセトアミ
ド、N−メチルピロリドン等の各種溶剤に溶解し、本発
明に使用される。直鎖型ポリイミド前駆体は、例えば芳
香族ジアミンと芳香族テトラカルボン酸二無水物を開環
重付加反応させることにより合成される。
【0024】
【化6】
【0025】これ等ポリイミド前駆体は、加熱して脱水
環化反応させることによりポリイミドを形成する。最も
好ましい直鎖型ポリイミド前駆体は、ポリアミド酸であ
りその代表例の繰り返し単位と、それをイミド化したポ
リイミドの繰り返し単位を次に示す。
【0026】
【化7】
【0027】
【化8】
【0028】
【化9】
【0029】
【化10】
【0030】上記のポリイミド前駆体のポリマーは、N
−メチルピロリドン等の溶媒に溶かし、金型壁面に塗布
される。これら耐熱性重合体溶液、あるいは耐熱性重合
体前駆体溶液には、コーティング時の粘度を調整した
り、溶液の表面張力を調整、チキソトロピー性を調整す
るための添加物を加えたり、及び/又は金型との密着性
を上げるための微少の添加物を加えることができる。
【0031】本発明の成形方法の断熱層に良好に使用で
きる耐熱性重合体について、非結晶性耐熱性重合体およ
びポリイミドで説明したが、本発明は基本的にこれ等に
限定されるものではない。可とう性が付与されたエポキ
シ樹脂、シリコーン系樹脂等は成形条件等によっては使
用できる。本発明では、耐熱性重合体皮膜と主金型との
密着力が大きいことが重要であり、室温で0.5kg/
10mm巾以上であることが好ましく、さらに好ましく
は0.8kg/10mm巾以上、特に好ましくは1kg
/10mm巾以上である。
【0032】この密着力とは、密着した断熱層を10m
m巾に切り、接着面と直角方向に20mm/分の速度で
引張った時の剥離力である。この剥離力は測定場所、測
定回数によりかなりバラツキが見られるが、最小値が大
きいことが重要であり、安定して大きい剥離力であるこ
とが好ましい。本発明に述べる密着力は金型の主要部の
密着力の最小値である。
【0033】本発明に使用される、主金型の金型キャビ
ティを構成するポリイミド等の断熱材には、表面の平滑
性等を更に向上させるため、あるいは表面の耐擦傷性を
更に向上させるため、あるいは離型性を良くするため、
ポリイミド層等の薄層の厚みの1/10程度より薄い別
材質をポリイミド表面等に塗布することも必要に応じて
でき、本発明に含まれる。
【0034】合成樹脂のシートや型物の表面に、耐擦傷
性向上のために使用されている、一般にハードコートと
言われている塗料を塗布することもできる。例えば、熱
硬化型のシリコーン系ハードコート剤、特に、シリコー
ン系ハードコート剤にエポキシ系物質を配合した密着性
に優れたハードコート剤は良好に使用でき、本発明にと
って好ましいものである。また、離型性を良くするため
にフッ素樹脂やシリコーン系重合体を塗布することも良
好にできる。
【0035】本発明の合成樹脂の成形方法で断熱層の厚
みは、0.05mmから2mmの範囲で適度に選択され
る。好ましくは0.1から0.5mmである。0.05
mm未満では効果が低く、2mmを越えると成形サイク
ルタイムが著しく長くなり、好ましくない。厚み(c
m)/熱伝導率(cal/cm・sec・℃)値が5〜
100のものが本発明に特に良好に使用でき、この様に
非常にせまい範囲が特に有効である。5〜100の範囲
より小さいと型表面再現性が悪くなる傾向があり、この
範囲より大きくなると、型内冷却時間が長くなるか、及
び/又は低熱可塑性樹脂伝導物質の鏡面状被覆が困難に
なるなどの傾向を生ずることが多い。
【0036】本発明に使用される金型は、成形品表面側
が少なくとも断熱層で被覆されているが、必要に応じて
両面に被覆されていてもよい。本発明の合成樹脂の成形
方法は、主金型の温度を成形される合成樹脂の軟化温度
から85℃を減じた温度以下、0℃以上の温度に冷却し
て成形する。好ましくは0℃〜25℃の範囲で選択され
る。本発明では金型キャビティを構成する型壁面に断熱
層を被覆したものを使用することにより主金型の温度を
低下させることができる。金型キャビティを構成する型
壁面を断熱層の被覆していない金型を用いて、主金型の
温度を成形される合成樹脂の軟化温度から85℃を減じ
た温度以下、0℃以上の温度に低下すると、一般に成形
品に外観不良、残沼応力増大等の不良が発生する。すな
わち、光沢度の低下、フローマークの発生、耐ストレス
クラック性の低下、塗装時の鮮映性の低下等の成形品の
品質低下が発生する。断熱層が厚い程、金型温度を低下
させることができる。0℃より更に金型温度を下げるこ
とは結露等の問題が発生し、一般に好ましくない。
【0037】射出成形において、金型温度(Td)と金
型内必要冷却時間(θ)の関係は理論的には次式で示さ
れる。 θ=−( D2 /2πα)・ln[(π/4){(Tx−
Td)/(Tc−Td)}] θ :冷却時間(sec) D :成形品の最大肉厚(cm) Tc:シリンダー温度(℃) Tx:成形品の軟化温度(℃) α :樹脂の熱拡散率 Td:金型温度(℃) 冷却時間(θ)は、成形品肉厚(D)の2乗に比例し、
(Tx−Td)値の関数である。すなわち、合成樹脂の
軟化温度から金型の温度を減じた値の関数である。この
値が小さいときは、この値の変動が冷却時間に大きな変
動を与えるが、この値が大きくなると冷却時間に与える
変動が小さくなる。 主金型に断熱層を被覆すること
は、成形品肉厚を厚くして、冷却時間を長くする方向と
同様の働きをするが、一方、金型温度を下げると冷却時
間を短くする方向へ働く。
【0038】金属からなる主金型の金型キャビティを構
成する型壁面表面を断熱層で被覆した金型を用いると、
射出された加熱樹脂が断熱層の表面に接触する際に、型
表面は樹脂の熱を受けて昇温する。この場合、断熱層の
熱伝導率が小さいほど、また、断熱層が厚いほど、型表
面温度は、高い状態が保たれる時間が長くなる。金型壁
面を断熱層で被覆することは主金型温度を高く設定した
ことと同等の効果があり、従ってそれだけ主金型温度を
低く設定しても、成形品の外観不良、残溜応力増大等の
不良は発生しない。我々は種々検討の結果、断熱層を被
覆し、主金型温度を下げた方が、成形品の不良発生をお
さえ、金型内必要冷却時間を小さくできることを見出し
本発明に至った。更に、断熱層を型表面に被覆すると、
型表面に結露が発生する速度も大巾に遅くできる。射出
成形では一般にチラーと称される冷却機を用いて金型に
冷却された冷媒を流して冷却することがしばしば行われ
ているが、これは200℃を越える射出樹脂による金型
温度の著しい上昇を押さえるためのものである。
【0039】すなわち、射出される加熱樹脂により大量
の熱量が金型に供給され、水道水、特に夏期の水道水で
は冷却できずに金型温度が上昇し、それを50℃〜60
℃に保つために冷却機で冷却された冷媒を流すものであ
る。従来、金型温度を30℃以下に冷却して成形する方
法は一般に行われていない。型壁面表面を断熱層で被覆
した金型を用いないで、30℃以下に冷却して成形する
と各種不良現象が発生する。
【0040】合成樹脂の成形メーカーでは、いかに成形
サイクルタイムを短縮して生産性を上げるかが最大の課
題である。成形サイクルタイムに最も大きな割合を占め
ているのは金型内冷却時間であり、これを短縮するのが
最大の課題となる。本発明の合成樹脂の成形方法は、成
形品外観等を低下させることなく、金型内冷却時間を1
0〜30%短縮して成形することができる。以上、本発
明を射出成形法で主に説明したが、押出ブロー成形、真
空成形、圧空成形などの方法においても同様である。
【0041】
【実施例】次の金型、物質等を使用する。 断熱層で被覆されない主金型: 鋼材(S55C)でつ
くられ、100mm×100mm×2mm(厚み)の平
板状金型キャビティを有し、型表面は鏡面状であり、更
に硬質クロムメッキがされている。正方形金型キャビテ
ィの辺部にサイドゲートを有する。鋼材の熱伝導率は
0.2cal/cm・sec・℃である。
【0042】断熱層のポリイミド前駆体及び硬化後のポ
リイミド: 直鎖型高分子量ポリイミド前駆体溶液とし
て、トレニース#3000(東レ(株)製 商品名)。
硬化後のポリイミドの性能は、Tgが300℃、熱伝導
率が0.0005cal/cm・sec・℃、破断伸度
が60%。断熱層で被覆された主金型: 主金型の金型
キャビティを構成する型壁面の成形品表面側にポリイミ
ド前駆体溶液を塗布し、160℃に加熱して部分イミド
化し、次いで該塗布、160℃加熱を4回繰り返し、最
後に290℃まで加熱して、100%イミド化してポリ
イミド層を形成し、更にそれを研磨して0.09mm厚
の鏡面状ポリイミド被覆金型をつくる。
【0043】射出成形する合成樹脂: ゴム強化ポリス
チレン樹脂、旭化成ポリスチレン#492(旭化成工業
(株)製 商品名)。ガラス転移温度は105℃、 成形品の外観の評価方法: 光沢度は、JIS−K71
05(反射角度60度)で測定し、フローマークは、肉
眼で観察する。
【0044】
【実施例1〜3、比較例1〜3】上記の、断熱層で被覆
された主金型(実施例)、断熱層で被覆されない主金型
(比較例)および合成樹脂を用いて、合成樹脂温度24
0℃、射出時間が1秒(実施例1および比較例1)、2
秒(実施例2および比較例2)、3秒(実施例3および
比較例3)の各射出速度で射出成形を行い、その成形品
の光沢値と、金型内必要冷却時間を測定し、その結果を
図1と図2に示す。
【0045】図1は、主金型温度と射出成形品の光沢度
の関係を示し、破線はポリイミドを被覆していない主金
型で射出成形した場合(比較例1〜3)、実線はポリイ
ミドを被覆した主金型で射出成形した場合(実施例1〜
3)を示す。図中の数字は射出時間を示す。図2は、主
金型温度と金型内必要冷却時間の関係を示し、同様に破
線はポリイミドを被覆していない金型(比較例)、実線
はポリイミドを被覆した金型の場合(実施例)である。
【0046】実施例の、本発明の金属からなる主金型の
金型キャビティを構成する型壁面がポリイミドの断熱層
で被覆された金型を用いる射出成形法においては、必要
冷却時間の増大は小さいが、光沢度は大きく変化する。
また、フローマークの目立ち等がなく、残留応力の増大
による耐ストレスクラック性の低下、成形時に金型表面
にモールドデポジットや結露等が発生しない。
【0047】比較例の、ポリイミドを被覆しない、従来
の、一般の射出成形では主金型温度が40℃以上になる
と図2に示す様に急速に成形品の光沢度が向上する。一
般には、金型温度は40℃以上で成形される。図1と図
2より、ポリイミドを被覆した金型を用い、金型温度を
低くして成形する本発明の合成樹脂の成形方法により、
光沢度を同一に保ちながら、金型内冷却時間が20%短
縮できることが分かる。
【0048】
【発明の効果】本発明の合成樹脂の成形方法は、光沢
度、ウェルドラインの目立ち、フローマークの目立ち等
の成形品外観、耐ストレスクラック性等を大巾に低下さ
せることなく、成形サイクルタイムを短縮し、生産性、
経済性を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】主金型温度と成形品光沢の関係を示す。
【図2】主金型温度と金型内必要冷却時間の関係を示
す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29C 51/30 7421−4F 51/42 7421−4F

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属からなる主金型の金型キャビティを
    構成する型壁面が断熱層で被覆された金型を用いる成形
    法において、上記断熱層として熱伝導率0.002ca
    l/cm・sec・℃以下である耐熱性重合体を用い、
    上記断熱層の厚みを0.05〜2mmにした金型を用
    い、しかも主金型を成形される合成樹脂の軟化温度から
    85℃を減じた温度以下、0℃以上の温度に冷却して成
    形することを特徴とする合成樹脂の成形方法。
JP2433194A 1994-02-22 1994-02-22 合成樹脂の成形方法 Withdrawn JPH07227854A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6576162B2 (en) 2001-04-30 2003-06-10 Essilor International Compagnie Generale D'optique Method for injection molding of weld line free thermoplastic articles such as ophthalmic lenses
JP2010221707A (ja) * 2009-03-20 2010-10-07 Arcil 断熱材を有する熱成形金型および関連方法

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US6576162B2 (en) 2001-04-30 2003-06-10 Essilor International Compagnie Generale D'optique Method for injection molding of weld line free thermoplastic articles such as ophthalmic lenses
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