JPH06270236A - 押出ブロー成形法 - Google Patents

押出ブロー成形法

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JPH06270236A
JPH06270236A JP5087860A JP8786093A JPH06270236A JP H06270236 A JPH06270236 A JP H06270236A JP 5087860 A JP5087860 A JP 5087860A JP 8786093 A JP8786093 A JP 8786093A JP H06270236 A JPH06270236 A JP H06270236A
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JP
Japan
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mold
parison
heat insulating
blow molding
insulating layer
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Withdrawn
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JP5087860A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Kataoka
紘 片岡
Isao Umei
勇雄 梅井
Hiroshi Yamaki
宏 山木
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH06270236A publication Critical patent/JPH06270236A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C49/00Blow-moulding, i.e. blowing a preform or parison to a desired shape within a mould; Apparatus therefor
    • B29C49/24Lining or labelling
    • B29C2049/2404Lining or labelling inside the article
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C49/00Blow-moulding, i.e. blowing a preform or parison to a desired shape within a mould; Apparatus therefor
    • B29C49/02Combined blow-moulding and manufacture of the preform or the parison
    • B29C49/04Extrusion blow-moulding

Abstract

(57)【要約】 【目的】 型表面再現性及び光沢に優れたブロー成形品
を得る。 【構成】 キャビティを形成する型壁面を断熱面を断熱
層で被覆した金型を用い、押出されたパリソンのブロー
成形時に、該パリソンと型表面の間を減圧状態にするブ
ロー成形法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱可塑性樹脂の押出ブ
ロー成形に関するものであり、特に押出ブロー成形にお
いて使用する主金型のキャビティを形成する型壁面を断
熱層で被覆した金型を用いて押出ブロー成形する方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑生性樹脂のブロー成形に於いて、
成形品に対する型表面の形状状態の付与における再現性
を良くし、成形品の艶を良くすることは、通常、金型温
度や樹脂温度を高くしたり、ブロー圧力を高くする等の
成形条件を選ぶことによりある程度達成できる。
【0003】これらの要因の中で最も大きな影響のある
のは金型温度であり、金型温度を高くする程好ましい。
しかし、金型温度を高くすると、可塑化された樹脂の冷
却固化に必要な冷却時間が長くなり成形能率が下がる。
【0004】このため、金型温度を高くすることなく型
表面の再現性を良くし、又金型温度を高くしても必要な
冷却時間が長くならない方法が要求されている。金型に
加熱用、冷却用の孔をそれぞれとりつけておき交互に熱
媒、冷媒を流して金型の加熱、冷却を繰り返す方法も行
われているが、この方法は熱の消費量も多く、冷却時間
が長くなる。
【0005】金型キャビティを形成する型壁面を熱伝導
率の小さい物質で被覆することにより金型表面再現性を
良くする方法は米国特許第3544518号明細書で射
出成形について開示されており、熱伝導率が小さい物質
としてポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンサ
ルファイド等が示されている。押出ブロー成形について
も、同様に型壁面を熱伝導率の小さい物質で被覆する方
法が米国特許第5041247号明細書に開示されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】押出ブロー成形では射
出成形に比較して、押出されたパリソンの樹脂温度が低
い、パリソンが高粘度である、パリソンを金型壁面に押
しける圧力が射出圧力に比べて大巾に低い、あるいは、
パリソンの一部分は金型に接触してから金型壁面に押し
付ける圧力がかかるまでの時間が長い、等の理由により
型壁面を熱伝導率の小さい物質で被覆する効果は現れに
くいと言われていた。
【0007】従って、熱伝導率が小さい物質で被覆する
場合、該断熱層を厚くすることが必要である。この様な
場合、ブロー時に成形される樹脂層と断熱層の間に空気
が残留して空気のたまり(以後エアートラップと称す
る)が発生し、ブロー成形品表面が見苦しいあばた状に
なりやすい、という問題点があった。
【0008】本発明は該エアートラップを低減し、成形
品表面を良好にする成形法である。
【0009】
【発明を解決するための手段及び作用】すなわち、本発
明は熱可塑性樹脂の押出ブロー成形において、室温に於
ける熱伝導率が0.05cal/cm・sec・℃以上
の金属から成る主金型の金型キャビティを形成する型壁
面を、熱伝導率0.002cal/cm・sec・℃以
下の断熱層で0.05〜2mm厚に被覆した金型を用
い、金型ではさまれて金型内に固定されたパリソンと金
型表面の間を減圧状態にしてブロー成形を行うことを特
徴とする押出ブロー成形法である。
【0010】更に本発明は、非円形ブロー成形品の押出
ブロー成形で、金型を閉じた直後にパリソンが金型壁面
に接触する部分の断熱層の厚みを、パリソンが接触しな
い部分の断熱層の厚みの1.5倍以上とする上記の成形
法である。
【0011】以下に本発明について詳しく説明する。
【0012】本発明の押出ブロー成形に使用できる合成
樹脂は一般のブロー成形に使用できる熱可塑性樹脂であ
り、例えば、スチレン重合体又はその共重合体、ポリエ
チレン、ポリプロピレン等オレフィン重合体、塩化ビニ
ール重合体又はその共重合体、ポリアミド、ポリエステ
ル等の一般に押出ブロー成形に使用される熱可塑性樹脂
が使用できる。
【0013】これ等の樹脂に、各種強化材や各種充填物
を配合した場合、あるいはポリマーアロイ等とした場合
は特に大きい効果が得られ、例えば、上記の樹脂に、ゴ
ム、ガラス繊維、アスベスト、炭酸カルシウム、タル
ク、硫酸カルシウム、木粉等の1種又は2種以上を配合
することができる。
【0014】本発明に述べる熱伝導率が0.05cal
/cm・sec・℃以上の主金型材質とは、鉄又は鉄を
主成分とする鋼材、アルミニウム又はアルミニウムを主
成分とする合金、亜鉛合金等の一般に合成樹脂の金型に
使用されている金型を包含し、特に鋼材が最も良好に使
用できる。
【0015】本発明の断熱層としては各種合成樹脂が使
用できる。断熱層を構成する断熱材として好ましい条件
は、(1)熱伝導度が低い、(2)耐熱性に優れる、
(3)引張強度、伸びが大きく冷熱サイクルに強い、
(4)表面硬度が大きい、(5)耐摩耗性に優れる、
(6)金型本体への塗布が良好にできる、(7)金型本
体との密着性が良い、(8)表面研磨ができる、等であ
る。
【0016】熱伝導率は室温で0.002cal/cm
・sec・℃以下が必要であり、一般の有機重合体はこ
れを満たしている。
【0017】金型キャビティでは加熱可塑化された溶融
樹脂が押出されて成形されるため、溶融温度200℃以
上の高温度と、金型本体の室温との間の激しい冷熱サイ
クルにさらされ、そのため、断熱材は強度や伸度が大き
く、且つ耐熱性があり、冷熱サイクルに耐える物質であ
ることが好ましく、又、主金型との密着性が良く、冷熱
サイクルで剥離が起こらぬことが好ましく、更に表面硬
度が大きく、耐摩耗性に優れ、使用中にキズがつき難い
ことが好ましい更に、複雑な形状の金型表面を断熱層で
均一に被覆するため、断熱材は良好な塗布性を有するこ
とが好ましい。また、複雑な金型キャビティ表面に鏡面
状に断熱材を塗布することはきわめて困難であることか
ら、塗布された断熱材を表面研磨して鏡面状に仕上げる
ことが必要であり、従って、断熱材は研磨でき鏡面化で
きることが好ましい。
【0018】これ等の条件を満たす物質としてポリイミ
ドが好適である。
【0019】ポリイミドは各種あり、次の表1の様に分
類される。
【0020】
【表1】 本発明ではポリイミドの断熱層で被覆されていることが
好ましく、該ポリイミド被覆にあたっては、直鎖型ポリ
イミド閉環体の溶液、ポリイミド前駆体溶液、熱硬化型
ポリイミドのオリゴマーあるいはモノマー溶液が使用で
き、この溶液の溶媒は、金型に塗布して加熱されると、
硬化に先だって、あるいは硬化と併行して蒸発する溶媒
であり、一般に使用される有機溶媒である。
【0021】溶液を金型に塗布し、次いで加熱して形成
されたポリイミドは、金型表面と密着する。この様にし
て得られたポリイミドの表面は表面硬度が大きく、耐摩
耗性に優れ、使用中にキズがつき難いものとなる。
【0022】ブロー成形では、冷却された金型へ、加熱
され可塑化された合成樹脂が押出され、それが金型内で
冷却されて成形されるため、各成形毎に、金型表面では
100℃にも及ぶ加熱と冷却が繰り返される。ポリイミ
ドと鉄等の金属では、熱膨張係数が1桁も異なっている
ので、100℃にも及ぶ加熱と冷却が繰り返される毎
に、金属とポリイミドとの界面に激しい応力が発生する
ことになる。この応力に数千回あるいは数万回にわたっ
て耐え得るポリイミドとして、破断強度、破断伸度共に
大きい、強靭な直鎖型の高分子量ポリイミドが、好まし
いものである。
【0023】加熱と冷却の温度差が小さい場合、あるい
は成形回数が少ない場合には、ポリイミドとして熱硬化
型ポリイミドも使用できる。ビスマレイミド系樹脂、ア
セチレン末端ポリイミド、ナジック変性ポリイミド等の
熱硬化型ポリイミドは高度に架橋が起こっているため、
激しい冷熱サイクルに対する耐久性の点で直鎖型ポリイ
ミドに劣る。
【0024】特に、本発明に良好に使用できるポリイミ
ドは、直鎖型の高分子量可溶型ポリイミド前駆体を金型
表面に塗布し、次いで加熱してイミド環を形成させた高
分子量閉環体から成る直鎖型高分子量ポリイミドであ
る。
【0025】本発明に良好に使用できる直鎖型高分子量
ポリイミドの例を表2に示した。なお、Tgはガラス転
移温度を表わす。
【0026】
【表2】 直鎖型ポリイミドのTgは構成成分によって異なり、そ
の例を表3および表4に示した。本発明者らの知見では
Tgが200℃以上が好ましく、更に好ましくは230
℃以上であった。
【0027】
【表3】
【0028】
【表4】 この複雑な金型表面をポリイミドで被覆し、且つ強固に
密着させるには、ポリイミド前駆体溶液を塗布し、次い
で加熱してポリイミドを形成させることが最も好まし
い。
【0029】本発明には、前述したようにポリイミドの
溶液が使用されるが、最も好ましい直鎖型ポリイミド前
駆体であるポリイミド酸の代表例の繰り返し単位を化1
に示す。
【0030】
【化1】 ポリイミド前駆体のポリマーは、カルボキシル基等のた
め金型との密着性が良く、金型表面上でポリイミドを反
応形成させることにより金型表面に密着したポリイミド
薄層が得られる。
【0031】ポリイミドの前駆体溶液には、コーティン
グ時の粘度を調整したり、溶液の表面張力を調整、チキ
ソトロピー性を調整するための添加物を加えたり、ある
いは/及び金型との密着性を上げるための添加物を加え
ることができる。これ等ポリイミドの中で、ピロメリッ
ト酸ジアシッド(PMDA)系ポリイミドは、耐熱性、
機械的性質等に優れ、最も好ましい。特に塗布用に変性
したワニスは良好に使用できる。しかし、ポリイミドの
熱伝導率を大巾に高くする様な添加物は好ましくない。
又、ポリイミドと金型の密着力を大巾に低下させる添加
物も好ましくない。
【0032】ポリイミド前駆体のポリマーはカルボキシ
ル基等を含有するため金型との密着性が良く、金型表面
上でポリイミドを反応形成させることにより金型表面に
密着したポリイミド薄層が得られる。
【0033】本発明に使用される断熱材をポリイミドで
説明したが、本発明では熱伝導率が0.002cal/
cm・sec・℃以下の物質が基本的には使用できる。
しかし、該断熱層は主金型と密着していることが必要で
ある。
【0034】主金型との好ましい密着力は、室温で50
0g/10mm巾以上であり、更に好ましくは1kg/
10mm巾以上であり、これは密着した断熱層を10m
m巾に切り、接着面と直角方向に20mm/分の速度で
引張った時の剥離力であり、この剥離力は測定場所、測
定回数によりかなりバラツキが見られるが、バラツキの
最小値が重要であり、最小値が大きい剥離力であること
が好ましい。
【0035】断熱層の厚みは、0.05〜2mmの範囲
で適度に選択される。0.05mm未満の厚みでは成形
品表面改良の効果が少なく、2mmを越えると金型の冷
却効果が低下し、成形効率が低下し、金型温度が高い
程、断熱層の厚みを薄くし、金型温度が低い程、断熱層
の厚みを厚くする必要があり、0.05〜2mm、好ま
しくは0.1〜0.6mmの範囲で適度に選択される。
【0036】ポリイミド等の断熱材の薄層の表面の平滑
性等を更に向上させるため、あるいは表面の耐擦傷性を
更に向上させるため、ポリイミド層等の厚みの1/10
程度のより薄い別材質をポリイミド表面等に必要に応じ
て塗布することもでき、本発明には該態様も含まれれ、
合成樹脂のシートや型物の表面に、耐擦傷性向上のため
に使用されている、一般にハードコートと言われている
塗料を塗布することもできる。例えば、熱硬化型のシリ
コーン系ハードコート剤は良好に使用でき、本発明にお
いては、好ましいものである。
【0037】本発明について更に詳細に述べると、パリ
ソンのブロー成形時に、金型内に固定されたパリソンと
金型表面の間を減圧状態にするとは、押出されたパリソ
ンを金型ではさみ、該パリソンの中へ加圧ガスをブロー
する直前から直後までの間に、該パリソンと金型表面の
間の空気を吸引して減圧にすることであり、空気の吸引
開始はパリソンがブローされて金型壁面に接触した時に
減圧になっている様に行えばよく、従って、ブロー中に
吸引開始をし、金型壁面に接触が終了した時には一定の
減圧度になっていることが好ましい。減圧度は直空に近
い方が効果は大きいが大気圧以下であればそれ相応に効
果があり、1/2気圧以下、更に好ましくは1/3気圧
以下の減圧度にすることが好ましい。
【0038】金型キャビティを吸引して減圧にする方法
として種々の方法が考えられるが、その一例として金型
キャビティにガスは通過できるが溶融樹脂は通過できな
い大きさの細孔をあけておきその細孔より吸引する。ガ
スは通過できるが溶融樹脂は通過できない細孔の大きさ
は樹脂の種類、成形条件等により異なるが、一般には
0.01〜0.2mmの空隙をもつ細長い細孔が適して
いる。しかしながら、通常の金型では気密ではなくパー
チング面がこの空隙の条件を充たす。エアートラップが
発生し易い部分に空気の吸引口をつけておくことが好ま
しい。必要に応じて断熱層に微細な穴を開けておくこと
が好ましい。
【0039】従来一般に使用されている鋼表面の金型、
あるいはその表面にクロムメッキを行った金型を使用し
てブロー成形を行った場合、金型に接した樹脂は直ちに
急冷され、樹脂表面に金型表面が十分に転写される前に
冷却されるため、樹脂表面に微細な凹凸が形成され易
く、その為、該微細な凹凸によって空気が逃げ、エアー
トラップができ難い。これに対し、金型表面を断熱層で
被覆した場合、樹脂表面に金型表面が十分に転写され、
樹脂表面と金型表面は密着することになり、エアートラ
ップが発生する。断熱層を厚くする程エアートラップも
発生し易くなる。金型キャビティを減圧にしてブロー成
形する方法は、金型表面に微細なシボ模様等があって、
ガスが逃げ難い場合には従来使用されてきた方法であ
り、平滑な型表面の場合には使用されていない。この問
題は金型へ、断熱層被覆を行ったがために発生した大き
な問題である。
【0040】更に、本発明は、非円形ブロー成形品の押
出ブロー成形に於て、金型を閉じた時にパリソンが金型
壁面に接触する部分の断熱層の厚みを、パリソンが接触
しない部分の断熱層の厚みの1.5倍以上とする押出ブ
ロー成形法である。
【0041】近年、ブロー成形品は円形成形品から板状
成形品あるいはもっと複雑な形状の成形品等の非円形ブ
ロー成形品が成形される様になってきた。この様な場
合、押出されたパリソンは金型を閉じた時に金型壁面に
接触する。そして接触したパリソンは直ちに冷却が始ま
る。型壁面を熱伝導率の小さい物質で被覆してもこの様
な場合にはその効果は現れ難い。本発明者等は、これを
解決するブロー成形法について研究を重ねた結果、本発
明を完成するに至った。
【0042】金型を閉じた直後にパリソンが金型壁面に
接触する部分の断熱層の厚みを、パリソンが接触しない
部分の断熱層の厚みの1.5倍以上、好ましくは2倍以
上5倍以下にすることにより、均一な外観をもつ成形品
が得られる。
【0043】本発明に述べる非円形ブロー成形品とは、
ブロー成形された後の成形品の外形寸法がパリソンの押
出方向と直角の各方向で測定して、最も長い方向と最も
短い方向の比が2倍以上、好ましくは2.5倍以上、更
に好ましくは3倍以上、10倍以下の成形品を言う。
【0044】本発明を図面を用いて説明する。図1は本
発明の方法を実施するブロー成形金型の断面図である。
図2はブロー成形品の断面図である。
【0045】図1に於いて、冷却された主金型1の型表
面を鏡面状の断熱層2で被覆した金型であり、金型キャ
ビティは金型のパーティング面5から、空気通路6を経
て、ガス吸引口7につながっている。パーティング面5
には金型キャビティをシールするためのO−リング8が
設置されている。
【0046】円形に押出された熱可塑性樹脂のパリソン
4を該金型ではさみ金型を閉じる。パリソン4は金型に
より変形し、パリソン4のA部とB部が金型壁面に接触
する。パリソンに加圧ガス体を吹き込みブロー成形し、
図2に示す非円形ブロー成形品を得る。該ブロー成形品
は金型表面の断熱層の効果により型表面再現性が基本的
には良くなるが、所々に成形品と金型表面の間に空気が
たまったエアートラップの跡がつく。パリソンに加圧ガ
ス体を吹き込むと同時にガス吸引口から眞空に吸引し
て、パリソンと金型表面との間を減圧状態にしてブロー
成形を行うと、エアートラップが少なくなり、成形品外
観が改良される。
【0047】パリソン4のAとBの部分は金型に接触し
てからブロー圧力がかかるまでの時間が長いため、図2
に示すブロー成形品のA’部とB’の表面は金型表面再
現性が良くなりにくい。AとBの部分の断熱層の厚みを
厚くすることにより、型表面再現性を均一にすることが
できるが、しかし、断熱層の厚みを厚くする程、エアー
トラップが発生し易くなる。この場合、金型キャビティ
を減圧状態にすることによりエアートラップ発生を減ら
すことができる。
【0048】型表面再現性を良くするには、型表面が合
成樹脂の軟化温度以上の状態でブロー圧力が働くことが
重要である。断熱層の厚みが厚い程、型表面が合成樹脂
の軟化温度以上に保たれている時間が長くなり、型表面
再現性が良くなる。
【0049】
【実施例】図1に示した方法で、次の金型、材料を用い
て押出ブロー成形を行った。 主金型:鋼材(S55C)でつくられ、300×95×
20mm(パリソン押出方向が300mm)の直方体形
の型キャビティ3を有し、該型表面は硬質クロムメッキ
された鏡面状である。鋼材の熱伝導率は0.2cal/
cm・sec・℃ 。断熱層:主金型表面にはポリイミドが被覆されてい
る。ポリイミドは直鎖型PMDAポリイミド前駆体溶液
「トレニース#3000」(東レ(株)商品名)を塗布
し、次いで加熱硬化してポリイミドを形成し、次いで該
表面を研磨して鏡面状ポリイミド層を形成する。主金型
のA部とB部のポリイミドは0.3mm厚、他の部分を
0.14mm厚である。該ポリイミドのTgは300
℃、熱伝導率は0.0007cal/cm・sec・℃
である。 熱可塑性樹脂:ABS樹脂、スタイラックABS A4
501(旭化成工業(株)商品名) ブロー成形条件:主金型温度 :90℃ ABS樹脂押出温度:220℃ ブロー成形ガス圧 :6kg/cm2 G 型締めと同時に、金型キャビティを真空に吸引し始め、
同時にブローガスを吹込み開始する。
【0050】ABS樹脂のブロー成形品の表面は、全体
が均一な光沢を持ち、光沢度は96%(JISK710
5、反射角度60度)である。金型キャビティを真空に
吸引しないで成形する場合には、ブロー成形品表面には
所々にあばた状表面が見られる。
【0051】
【発明の効果】本発明の方法により、型表面再現性に優
れたブロー成形品が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を実施するブロー成形金型の断面
図である。
【図2】ブロー成形品の断面図である。
【符号の説明】
1 主金型 2 断熱層 3 金型キャビティ 4 パリソン 5 パーティング面 6 空気通路 7 ガス吸引口 8 O−リング

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂の押出ブロー成形に於て、
    室温に於ける熱伝導率が0.05cal/cm・sec
    ・℃以上の金属から成る主金型の金型キャビティを形成
    する型壁面を、熱伝導率0.002cal/cm・se
    c・℃以下の断熱層で0.05〜2mm厚に被覆した金
    型を用い、金型ではさまれて金型内に固定されたパリソ
    ンと金型表面の間を減圧状態にしてブロー成形を行うこ
    とを特徴とする押出ブロー成形法。
  2. 【請求項2】 非円形ブロー成形品の押出ブロー成形
    で、金型を閉じた直後にパリソンが金型壁面に接触する
    部分の断熱層の厚みを、パリソンが接触しない部分の断
    熱層の厚みの1.5倍以上とする請求項1の成形法。
JP5087860A 1993-03-24 1993-03-24 押出ブロー成形法 Withdrawn JPH06270236A (ja)

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