JP3224160B2 - スパン糸用経糸糊剤 - Google Patents

スパン糸用経糸糊剤

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JP3224160B2 JP06380793A JP6380793A JP3224160B2 JP 3224160 B2 JP3224160 B2 JP 3224160B2 JP 06380793 A JP06380793 A JP 06380793A JP 6380793 A JP6380793 A JP 6380793A JP 3224160 B2 JP3224160 B2 JP 3224160B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はスパン糸用経糸糊剤に関
する。さらに詳しくは、特に糊液安定性に優れ、紡績糸
に糊づけする際に均等な糊づけ糸を得ることができ、そ
の結果、良好な製織性を示す糊づけ糸が得られるスパン
糸用経糸糊剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、経糸糊剤としては、でんぷ
ん、加工でんぷん、カルボキシメチルセルロース、ポリ
ビニルアルコール系樹脂、アクリル系ポリマー、酢酸ビ
ニル−無水マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイ
ン酸共重合体等が知られており、実際に使用されてい
る。これらのうち、でんぷんは、もっとも古くから経糸
糊剤に使用されてきた天然水溶性高分子であり、価格が
低いことから、現在も紡績糸用経糸糊剤を中心に広く用
いられている。しかしながら、得られる糊膜の強度が弱
いことから、でんぷんの比率の高い糊剤は糸に対する付
着量を増やす必要があった。
【0003】一方、ポリビニルアルコール系樹脂は造膜
性が優れていること、ならびに糊膜の強度が他の水溶性
物質に比べて非常に強いことから、経糸糊剤の主成分と
して用いられている。しかしながら、ポリビニルアルコ
ール系樹脂の糊剤中の配合比率を大きくしすぎると、糊
液を付着させて乾燥した後、シート状になった糊づけ糸
束を1本1本の糊づけ糸に分割する時(いわゆるデバイ
ド時)に、この強い糊膜強度が災いし、デバイド時の大
きな抵抗が原因で起きる糸切れ、糸の強度低下あるいは
毛羽立ちを起こすことがあった。
【0004】これらの問題に対して、でんぷんと、ポリ
ビニルアルコール系樹脂とをブレンドして両者の欠点を
改善する試みが既に広く行われており、綿100%糸を
中心にスパン用経糸糊剤として広く使用されている。し
かしながら、でんぷんとポリビニルアルコール系樹脂を
ブレンドした経糸糊剤は、でんぷんと、ポリビニルアル
コール系樹脂との相溶性が悪いために、作成した糊液は
常に撹拌しておく必要があり、無撹拌あるいは弱い撹拌
下で保存しておくと、糊液がでんぷん主体の相とPVA
主体の相に相分離し、安定な糊づけができないという欠
点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、糊液の相溶
性が良好で、糊液を無撹拌あるいは弱い撹拌下で保存し
ておいても相分離せず、長期間安定な糊づけができ、そ
れによって均質な糊づけ糸が得られ、その結果、良好な
製織性および糊づけ作業性が得られるスパン糸用経糸糊
剤を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らはスパン糸用
経糸糊剤について鋭意検討した結果、でんぷん(A)
と、ポリビニルアルコール系樹脂(B)とを、でんぷん
にカルボキシル基含有オレフィン系モノマーをグラフト
重合したでんぷん系化合物(C)と共に配合することに
より上記の欠点を解消したスパン糸用経糸糊剤が得られ
ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、でんぷん(A)、ポ
リビニルアルコール系樹脂(B)およびでんぷんにカル
ボキシル基含有オレフィン系モノマーをグラフト重合し
たでんぷん系化合物(C)からなるスパン糸用経糸糊剤
を提供するものである。
【0008】本発明に使用するでんぷん(A)として
は、コーンスターチ、タピオカでんぷん、小麦でんぷ
ん、甘藷でんぷん、馬鈴薯でんぷん等の生でんぷん、こ
れらの生でんぷんから公知の方法で誘導される、α化
(糊化済)でんぷん、酸化でんぷん、酢酸でんぷん、リ
ン酸でんぷん、尿素リン酸でんぷん等のエステル化でん
ぷん、ヒドロキシアルキル化でんぷん、カルボキシメチ
ル化でんぷん、アルキル化でんぷん、カチオンでんぷん
等のエーテル化でんぷん、酸処理でんぷん、架橋でんぷ
ん、デキストリン等のごとき化工でんぷんが挙げられ
る。
【0009】本発明に使用するポリビニルアルコール系
樹脂(B)は、酢酸ビニルを塊状、溶液、懸濁、乳化な
どの公知の重合方法によって重合または共重合して得ら
れるポリ酢酸ビニルを公知の方法によりけん化すること
により得られる。ポリビニルアルコール系樹脂のけん化
度としては、60〜99.9モル%が好ましく、70〜
99.5モル%がさらに好ましく、80〜99モル%が
特に好ましい。けん化度が60モル%より低い場合には
ポリビニルアルコール系樹脂の水溶性が低下する傾向が
ある。
【0010】また、本発明で使用するポリビニルアルコ
ール系樹脂の重合度は、300〜30,000が好まし
く、500〜10,000がより好ましく、700〜5,
000がさらにより好ましい。ポリビニルアルコール系
樹脂の重合度が300未満の場合には、糊づけにより得
られた糊づけ糸が高温多湿下でブロッキングするなどの
トラブルをおこしやすくなる。ここで、ポリビニルアル
コール系樹脂の重合度は該ポリビニルアルコール系樹脂
の完全けん化物の水溶液の粘度から通常の方法で求めた
粘度平均重合度である。
【0011】さらに、本発明で使用するポリビニルアル
コール系樹脂は異なる2種以上のポリビニルアルコール
系樹脂をブレンドして使用しても構わない。本発明に使
用するポリビニルアルコール系樹脂は、他のモノマーと
共重合を行なっても良く、また、連鎖移動剤を使用して
ポリマー末端を修飾したものも使用できる。
【0012】ビニルエステルと共重合するエチレン性モ
ノマーとしては、ビニルエステルと共重合可能なもので
あれば特に制限はなく、例えば、エチレン、プロピレ
ン、n−ブテン、イソブテン、1−ヘキサデセン等のα
−オレフィン類、(メタ)アクリル酸、フマル酸、イタ
コン酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸等の
カルボン酸含有単量体およびその塩、(メタ)アクリル
酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリ
ル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエ
チル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メ
タ)アクリル酸ステアリル等の(メタ)アクリル酸エス
テル類、フマル酸ジメチル、イタコン酸ジメチル、マレ
イン酸ジメチル、マレイン酸モノメチル、クロトン酸ジ
メチル等のエステル類、メチルビニルエーテル、エチル
ビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ラウリルビニ
ルエーテル、ステアリルビニルエーテル等のビニルエー
テル類、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、メタア
リルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロ
パンスルホン酸等のスルホン酸基含有の単量体およびそ
の塩、(メタ)アクリルアミドN,N−ジメチル(メ
タ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリル
アミド、N−t−ブトキシ(メタ)アクリルアミド、N
−t−オクチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルピ
ロリドン等のアミド基含有の単量体、ジメチルアミノエ
チル(メタ)アクリルアミド等のアミノ基含有の単量
体、(メタ)アクリルアミド−プロピル−トリメチルア
ンモニウムクロリド等の4級アンモニウム塩含有の単量
体、ビニルヒドロキシシラン、(メタ)アクリル酸−3
−トリメトキシシリルプロピル等のシリル基含有の単量
体、アリルアルコール、ジメチルアリルアルコール、イ
ソプロペニルアルコール等の水酸基含有の単量体、アリ
ルアセテート、ジメチルアリルアセテート、イソプロペ
ニルアセテート等のアセチル基含有の単量体等が挙げら
れる。
【0013】本発明に使用する、でんぷんにカルボキシ
ル基含有オレフィン系モノマーをグラフト重合したグラ
フトでんぷん系化合物(C)としては、でんぷん構造部
分100重量部に対してオレフィン系モノマーからなる
重合体部分が1〜50重量部のものが好ましく、2〜4
0重量部のものがより好ましく、3〜30重量部のもの
がさらにより好ましい。グラフト化は自体公知の方法で
行える。でんぷん構造部分100重量部に対して、オレ
フィン系モノマーからなる重合体部分が1重量部よりも
小さいものは、糊液を無撹拌あるいは弱い撹拌下で保存
しておくと相分離が起こりやすくなる傾向がある。一
方、でんぷん構造部分100重量部に対して、オレフィ
ン系モノマーからなる重合体が50重量部より大きい場
合でも本発明の効果は変わらないが、でんぷんのグラフ
ト化度が高くなるほどコストアップとなるために、オレ
フィン系モノマーからなる重合体部分の重量比をより大
きくするメリットはない。
【0014】本発明に使用するカルボキシル基含有オレ
フィン系モノマーをグラフト重合したでんぷん系化合物
に使用できるカルボキシル基含有オレフィン系モノマー
としては、(メタ)アクリル酸、フマル酸、イタコン
酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸等のカル
ボキシル基含有オレフィン性モノマーが挙げられるが、
これらに限定されるものではない。
【0015】本発明に使用するカルボキシル基含有オレ
フィン系モノマーをグラフト重合する前のでんぷんとし
ては、生でんぷん、酸化でんぷん、エーテル化、エステ
ル化酸処理でんぷん、架橋でんぷん等の化工でんぷんが
使用できる。
【0016】本発明に使用する、でんぷんにカルボキシ
ル基含有オレフィン系モノマーをグラフト重合したグラ
フトでんぷん系化合物(C)の水溶液の粘度は、120
℃、10分の糊化条件で溶解した10重量%の水溶液を
BL型粘度計を用いて90℃、60rpmにて測定した粘
度が1,000cP以下が好ましく、500cP以下がよ
り好ましく、100cP以下がさらに好ましい。粘度が
1,000cPより高くなると、糊づけ時の糊液の流動
性が悪くなる。粘度の下限については特に制限はないが
2cP以上が好ましい。粘度が2cPより低くなると、
接着力が低下しフィルムももろくなるため好ましくな
い。
【0017】本発明のスパン糸用経糸糊剤における、で
んぷん(A)とポリビニルアルコール系樹脂(B)の配
合比率は、でんぷん(A)100重量部に対して、ポリ
ビニルアルコール系樹脂(B)50〜500重量部が好
ましく、100〜400重量部がより好ましく、150
〜300重量部がさらにより好ましい。でんぷん(A)
100重量部に対して、ポリビニルアルコール系樹脂
(B)が500重量部より大きくなると糊づけの際に糸
切れが増え、製織トラブルに結びつくので好ましくな
い。一方、でんぷん(A)100重量部に対して、ポリ
ビニルアルコール系樹脂(B)が50重量部より小さく
なると製織の際に経糸切れが増大し、製織効率が低下す
るため好ましくない。
【0018】本発明の経糸糊剤における、でんぷん
(A)とでんぷん系化合物(C)の配合比率は、でんぷ
ん(A)100重量部に対して、でんぷん系化合物
(C)1〜300重量部が好ましく、2〜200重量部
がより好ましく、3〜100重量部がさらにより好まし
い。でんぷん(A)100重量部に対して、でんぷん系
化合物(C)の配合比率が1重量部未満の場合は、糊液
を無撹拌あるいは弱い撹拌下で保存しておくと相分離が
起こりやすくなる。一方、でんぷん(A)100重量部
に対して、でんぷん系化合物(C)の配合比率が300
重量部より多くしても本発明の効果は変わらないが、で
んぷん系化合物(C)の使用量が多くなるほどコストア
ップとなる。
【0019】本発明の糊剤を用いた糊づけ時の糊液濃度
は5〜18重量%が好ましく、7〜15重量%がより好
ましい。糊液濃度が5重量%未満であれば、通常のスラ
ッシャー糊づけの際、糸に対する糊剤の付着量(着糊
量)が低くなりすぎ、糊づけの本来の目的である糸補強
効果が小さくなりすぎ好ましくない。また、糊液濃度が
18重量%より高い場合には通常のスラッシャー糊づけ
の際、糸に対する糊剤の付着量が多くなりすぎ経済的で
ない。
【0020】本発明の経糸糊剤は、でんぷん(A)、ポ
リビニルアルコール系樹脂(B)およびでんぷんにカル
ボキシル基含有オレフィン系モノマーをグラフト重合し
たでんぷん系化合物(C)を自体公知の方法により水等
と共に糊液とすることにより製造でき、所望により、さ
らに、本発明の効果を損なわない範囲で、アクリル系糊
剤、カルボキシメチルセルロース(CMC)、油剤、他
の助剤(消泡剤、帯電防止剤、防カビ剤等)などを併用
しても差し支えない。なお、油剤を併用する場合は、全
固形分重量に対して、0.5〜20重量%の範囲で添加
することが好ましい。
【0021】
【実施例】以下、実施例により本発明をより具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例により、なんら限定
されるものではない。なお以下で、「部」および「%」
は特に断らないかぎり、それぞれ「重量部」および「重
量%」を意味する。なお、以下の実施例で、単にポリビ
ニルアルコールの重合度とあるのは、上記のとおり、該
ポリビニルアルコールの水溶液の粘度から通常の方法で
求めた粘度平均重合度である。
【0022】以下の実施例で、単に着糊量と表現してあ
る値は、「たて糸糊付」(深田 要、一見 輝彦 共著
日本繊維機械学会発行)p299〜302に記載され
ている糊抜き洗浄時の毛羽の脱落部分を補正する方法に
より測定した値である。
【0023】以下の実施例で、単に粘度と表現してある
値は東京計器製のB型粘度計を用いてローター回転数6
0rpmで測定した値である。
【0024】実施例1 市販の酸化でんぷん(シキシマスターチ製マーメイドM
−200)30kg、重合度1,720、けん化度88
モル%のポリビニルアルコール60kg、酸化でんぷん
100重量部に対してアクリル酸15重量部をグラフト
重合した、10重量%の水溶液粘度(BL型粘度計を用
いて90℃、60rpmにて測定した粘度をいう。以下
の実施例においても同じ)が30cPのグラフト化でん
ぷん15kg、市販の繊維糊剤用ワックス(竹本油脂
(株)製、ワプセット600)6kg(でんぷん:ポリ
ビニルアルコール系樹脂:グラフト化でんぷん=10
0:200:50)を水500リットルに投入し、撹拌
下でスチームを吹きこむことにより溶解し、糊液を調製
した。得られた糊液に若干の温水を添加して糊液の濃度
を調整し、固形分濃度12.6%の糊液とした。得られ
た糊液の糊液安定性を測定するため、無撹拌下、90℃
にて4時間放置したが、液の相分離はほどんど認められ
なかった。この糊液を用いて次の条件で糊づけ、製織を
行なった。結果を表1に示す。
【0025】(1) 糊づけ条件 原糸:綿40番手単糸 糊液温度(℃):90 乾燥温度(℃):130 糊づけ速度(y/分):40 (2) 製織条件 織機:津田駒工業(株)エアージェットルーム ZA−
209i 品名:ブロード 密度(本/インチ):経糸140×緯糸75 織幅(イ
ンチ):48 織機回転数:700rpm 空調条件:25℃、72%RH (1) 糊づけ結果 本実施例における糊づけ糸の着糊量は16.7%であっ
た。また、糊づけ作業時の作業性は良好であり、安定な
糊づけ運転ができた。 (2) 製織テスト結果 経糸切れ回数(本/時間):0.88、緯止り回数(本
/時間):1.12と良好な製織性を示し、製織時の
糊、風綿の落下量も少なかった。
【0026】実施例2 実施例1で使用した化工でんぷんに代えて、市販のヒド
ロキシエチル化でんぷん(敷島紡績(株)、ハスバイン
ディS−210D)を用いたほかは、実施例1と同様に
して、糊液の糊液安定性の測定、糊づけ−製織テストを
行った。結果を表1に示す。
【0027】実施例3 実施例1で使用したポリビニルアルコールに代えて重合
度1,300、けん化度95モル%のポリビニルアルコ
ールを使用したほかは、実施例1と同様にして、糊液の
糊液安定性の測定、糊づけ−製織テストを行った。結果
を表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】実施例4 実施例1で使用したアクリル酸15部をグラフト重合し
たグラフト化でんぷんに代えて、メタクリル酸15部を
グラフト重合した10重量%の水溶液粘度が75cPの
グラフトでんぷんを用いたほかは、実施例1と同様にし
て、糊液の糊液安定性の測定、糊づけ−製織テストを行
なった。結果を表2に示す。
【0030】実施例5 実施例1で使用したアクリル酸15部をグラフト重合し
たグラフト化でんぷんに代えて、アクリル酸5部をグラ
フト重合した10重量%の水溶液粘度が5cPのグラフ
ト化でんぷんを用い、でんぷん:ポリビニルアルコール
系樹脂:グラフト化でんぷんの配合比率を100:20
0:100としたほかは、実施例1と同様にして、糊液
の糊液安定性の測定、糊づけ−製織テストを行なった。
結果を表2に示す。
【0031】実施例6 実施例1で使用したアクリル酸15部をグラフト重合し
たグラフト化でんぷんに代えて、アクリル酸30部をグ
ラフト重合した10重量%の水溶液粘度が80cPのグ
ラフトでんぷんを用いたほかは、実施例1と同様にし
て、糊液の糊液安定性の測定、糊づけ−製織テストを行
なった。結果を表2に示す。
【0032】実施例7 実施例1で使用した酸化でんぷんに代えて、コーンスタ
ーチを用い、糊液の固形分濃度を12.0%にしたほか
は、実施例1と同様にして、糊液の糊液安定性の測定、
糊づけ−製織テストを行なった。結果を表3に示す。
【0033】実施例8 実施例1で使用した酸化でんぷんに代えて、タピオカで
んぷんを用い、アクリル酸15部をグラフト重合したグ
ラフト化でんぷんに代えて、実施例4で使用したメタク
リル酸15部をグラフト重合したグラフト化でんぷんを
用い、糊液の固形分濃度を12.0%にしたほかは、実
施例1と同様にして、糊液の糊液安定性の測定、糊づけ
−製織テストを行なった。結果を表3に示す。これらの
実施例2〜8についても、得られた糊液の糊液安定性は
良好であり、糊づけ作業時の作業性も良好で、安定な糊
づけ運転ができ、得られた糊づけ糸は良好な製織性を示
した。
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】比較例1 実施例1で使用したでんぷん、ポリビニルアルコール系
樹脂およびグラフト化でんぷんからなる組成物のうち
の、グラフト化でんぷんを全て酸化でんぷんに置き換え
たほかは実施例1と同様にして、糊液の糊液安定性の測
定、糊づけ−製織テストを行った。糊液を無撹拌下、9
0℃にて4時間放置したところ、液の相分離が認められ
た。2相分離した液相の体積比率は7:3であった。こ
の糊液を使用した糊づけ運転では糊づけ機のデバイド部
分において、時おり糸切れが発生し、安定な運転はでき
なかった。また、製織時に糊づけ時の糸切れに由来する
と思われる経糸切れが頻発し、緯止まりも実施例と比べ
て多くなった。結果を表4に示す。
【0037】比較例2 実施例2で使用したでんぷん、ポリビニルアルコール系
樹脂およびグラフト化でんぷんからなる組成のうちの、
グラフト化でんぷんを全て酸化でんぷんに置き換えたほ
かは、実施例1と同様にして、糊液の糊液安定性の測
定、糊づけ−製織テストを行なった。糊液を無撹拌下、
90℃にて4時間放置したところ液の相分離が認められ
た。2相分離した液相の体積比率は8:2であった。こ
の糊液を使用した糊づけ運転では糊づけ機のデバイド部
分において、時おり糸切れが発生し、安定な運転はでき
なかった。また、製織時に糊づけ時の糸切れに由来する
と思われる経糸切れが頻発し、緯止まりも実施例と比べ
て多くなった。結果を表4に示す。
【0038】
【表4】
【0039】
【発明の効果】本発明のスパン糸用経糸糊剤は、糊液の
相溶性が良好で糊液を無撹拌あるいは弱い撹拌下で保存
しておいても相分離せず、長期間安定な糊づけができ
る。それによって均質な糊づけ糸を与えることができ、
糊づけ糸に良好な製織性を付与し、かつ、糊づけ作業性
も良好となる点で、工業的価値がきわめて高いものであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 日紫喜 紀雄 大阪府吹田市山田西1−31 D−504 (72)発明者 中島 徹 大阪府堺市東湊町1丁49番地 (72)発明者 渡辺 美広 大阪府高槻市大字出灰小字垣内21番地 (56)参考文献 特開 平2−234978(JP,A) 特開 平3−90679(JP,A) 特開 昭64−33279(JP,A) 特開 昭56−20980(JP,A) 特開 昭56−110709(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D06M 15/00 - 15/715

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 でんぷん(A)、ポリビニルアルコール
    系樹脂(B)およびでんぷんにカルボキシル基含有オレ
    フィン系モノマーをグラフト重合したでんぷん系化合物
    (C)からなるスパン糸用経糸糊剤。
  2. 【請求項2】 でんぷん系化合物(C)が、でんぷん構
    造部分100重量部に対して、カルボキシル基含有オレ
    フィン系モノマー1〜50重量部をグラフト重合させて
    なる、90℃における10重量%の水溶液粘度が1,0
    00cP以下である請求項1記載のスパン糸用経糸糊
    剤。
  3. 【請求項3】 でんぷん(A)100重量部に対して、
    ポリビニルアルコール系樹脂(B)50〜500重量部
    およびでんぷん系化合物(C)1〜300重量部を配合
    してなる請求項1記載のスパン糸用経糸糊剤。
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