JP3224039B2 - グレンタンクの排出オーガ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は籾タンクから籾を所定の
位置に向かって排出せしめる排出オーガの改良に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、籾タンクから籾を所定の位置に向
かって排出せしめる排出オーガは、縦排出オーガと横排
出オーガとで構成していて、縦排出オーガは垂直に設置
され、その上方において横排出オーガを上下回動可能に
連結すると共に縦排出オーガを軸心として旋回可能に構
成している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】以上のような排出オー
ガを備えたグレンタンクで袋詰作業をしようとする時に
は、運転席のオーガクラッチをオペレーターが断続的に
入り切りする必要があった。したがって、作業性が悪
く、労働力の低減にはならなかった。本発明は操作性の
よいグレンタンクの排出オーガを得ることを目的とする
ものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は以上のような目
的を達成するため、次のようなグレンタンクの排出オー
ガを提供するものである。すなわち、排出オーガの排出
口に略垂直位置と略平行位置に旋回可能な貯留部兼用サ
ッカーがセットされ、前記セットされた貯留部兼用サッ
カーの排出口には開閉自在なシャッターが設けられたグ
レンタンクの排出オーガにおいて、前記貯留部兼用サッ
カーが排出オーガに対し略垂直に位置するときにシャッ
ターを開閉させて、袋取り用貯留排出が行われ、前記貯
留部兼用サッカーを排出オーガに対し略平行に位置させ
て、排出オーガの排出口よりコンテナ、トラック等への
連続排出が行われるように構成されていることを特徴と
するグレンタンクの排出オーガである。

【０００５】

【作用】排出オーガの端部に設けた排出装置を使用位置
にセットしてシャッターを開閉することにより籾の一時
貯留するホッパーとして断続的に使用でき、収納位置に
切替えることにより籾の連続排出ができる。

【０００６】

【実施例】以下図面に示す実施例について説明する。図
８は従来のコンバインの排出オーガを示すもので刈取枠
１に引起装置２と刈取部３及び穀稈搬送部４を支持して
前処理部を構成しており、この前処理部で穀稈は引き起
こされながら刈り取られ、刈り取られた穀稈は横倒し状
態となって脱穀部５に供給されるようになっている。脱
穀部５はクローラ６上に搭載されており、脱穀部５のコ
ンバイン進行方向右側方には籾タンク７がある。籾タン
ク７の前方の補助ステップ８には運転席９と操向コラム
１０とがある。そして、図示しない一番樋から籾は揚穀
筒を経て籾タンク７内に投入され、籾タンク内の籾はタ
ンク底部のスクリューコンベアから排出オーガで所定の
位置に向かって排出せしめられる。１１はその縦排出オ
ーガであり、１２はその横排出オーガである。横排出オ
ーガ１２は上下回動可能であると共に縦排出オーガ１１
を軸心として旋回可能となっている。

【０００７】本発明は以上のような横排出オーガ１２の
排出口に図１に示すように排出装置としての貯溜部兼用
サッカー１３がある。サッカー１３の排出口には開閉自
在なシャッター１４がある。サッカー１３はオーガ１２
に軸支１５されて旋回可能であり、バネ鋼を使用した第
１のワンタッチフック１６ａで固定自在である。第１の
ワンタッチフック１６ａはオーガ１２の端壁に固定さ
れ、先端は弾力性があるバネ鋼でサッカー１３のピン１
７に係脱自在となっていて、第２のワンタッチフック１
６ｂと協働してサッカー１３を固定できるようになって
いる。またサッカー１３を収納位置に固定するためオー
ガの下方に第３のワンタッチフック１８が設けられてい
る。

【０００８】本発明は以上の如く、グレンタンク排出オ
ーガの籾排出口付近に収納可能な排出装置としての貯留
部兼用のサッカー１３を設け、袋取り用貯留排出として
の使用位置において排出口からの袋詰めを効率よくでき
るようにし、コンテナ、トラック等への排出時にはサッ
カー１３を点線の如く連続排出としての収納位置で収納
して、連続排出を通常の如く行うことができる。また、
袋への排出はサッカー１３を実線の如くセットして使用
し、貯溜部シャッター１４の開閉あるいは運転席手元の
クラッチで入り切りして行うことができる。本発明のも
のによればサッカー１３のシャッターを開閉することに
より貯溜部としても使用し、貯溜して袋詰めすることが
できる。また、この切替えがワンタッチで簡単にでき
る。

【０００９】図２、３に示すものは図１のサッカー１３
に籾受け棒１９、１９を設け、これに予備籾袋ａを懸吊
できるようにしたものである。このように構成すると複
数の予備袋ａを籾受け棒１９、１９に掛けておくことが
でき袋交換時の手間が省けるし、籾受け棒１９に袋を掛
けて置くだけで籾交換中に袋を手などで支える必要がな
くオーガからの袋詰め時間と労力の低減を図ることがで
きる。

【００１０】図４、５に示すものはコンバインの籾排出
口付近に複数の投げ口２１、２０を有するサッカー１３
を設け、排出口からの袋詰めを効率よくできるようにし
たものである。そして投げ口２１、２０の中間二股部に
切替シャッター２２を設け、ハンドル２３で左右に切り
替えることにより籾の流れを任意の投げ口側に集中する
ことを可能とし、また投げ口の各々に籾受け棒１９、１
９、１９、１９を設けて予備袋ａを懸吊できる如く構成
している。このものによれば開閉シャッター２２による
切替で、一方の籾袋に充填中に他方の籾袋の取り外しや
掛け替えが可能となり最終まで連続排出が可能となる。

【００１１】図６、７に示すものは図１のような貯溜部
を有するものに袋掛けが上下高さ調節ができるよう別に
作業台２５を設けたものである。すなわち、作業台２５
は基台２４の支柱２６に籾受け台２８と籾受け棒１９を
備え、支柱２６に対して上下調節自在とし、調整ノブ２
７でスライドした位置に固定するようになっている。使
用にあたってはトラックの荷台２９と水平位置に籾受け
台２８をセットできるように調整ノブ２７を用いて作業
台２５を上下に調節固定して籾袋ａに籾を充填したもの
を荷台２９へ移動できるようにする。なお、図中３０は
荷台の側板を、３１はトラックの車輪を示す。以上のも
のによれば排出オーガからの籾袋詰めが高い位置でも楽
に行えるし、籾充填にあたって籾袋を手で支える必要が
ない。また、足場の高さによらず運搬車等への荷台への
籾袋の移動が楽に行える。

【００１２】

【発明の効果】本発明のものによれば、排出オーガの排
出口に略垂直位置と略平行位置に旋回可能な貯留部兼用
サッカーがセットされ、前記セットされた貯留部兼用サ
ッカーの排出口には開閉自在なシャッターが設けられた
グレンタンクの排出オーガにおいて、貯留部兼用サッカ
ーが排出オーガに対し略垂直に位置するときにシャッタ
ーを閉じることにより籾の貯溜部を構成し、また、シャ
ッターを開いて籾袋充填を容易に切り替えることができ
る。さらに、貯留部兼用サッカーを排出オーガに対し略
垂直位置から略平行位置への切替え操作で排出オーガの
排出口よりコンテナ、トラック等への連続排出を行うこ
とができる。そして、切替がワンタッチで行えて袋取り
用貯留排出と連続排出を選択できるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明装置の動作説明図である。

【図２】籾受け棒を排出装置に設けたものの正面図であ
る。

【図３】同上側面図である。

【図４】サッカーに投げ口が複数あるものの正面図であ
る。

【図５】同上側面図である。

【図６】籾受け棒が上下調節自在なものの正面図であ
る。

【図７】同上側面図である。

【図８】コンバインの説明図である。

【符号の説明】

１２ 横排出オーガ １３ 排出装置 １４ シャッター １５ 軸支部 １６ ワンタッチフック １８ 固定金具

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小竹 一男 大阪府大阪市北区茶屋町１番32号 ヤン マー農機株式会社内 (72)発明者 十川 廣美 大阪府大阪市北区茶屋町１番32号 ヤン マー農機株式会社内 (72)発明者 浜田 昌宏 岡山県岡山市江並428番地 セイレイ工 業株式会社内 (56)参考文献 実開 昭61−173234（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭62−34520（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) A01F 12/46 - 12/60

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 排出オーガの排出口に略垂直位置と略平
   行位置に旋回可能な貯留部兼用サッカーがセットされ、
   前記セットされた貯留部兼用サッカーの排出口には開閉
   自在なシャッターが設けられたグレンタンクの排出オー
   ガにおいて、前記貯留部兼用サッカーが排出オーガに対
   し略垂直に位置するときにシャッターを開閉させて、袋
   取り用貯留排出が行われ、前記貯留部兼用サッカーを排
   出オーガに対し略平行に位置させて、排出オーガの排出
   口よりコンテナ、トラック等への連続排出が行われるよ
   うに構成されていることを特徴とするグレンタンクの排
   出オーガ。