JPH0313153Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 従来、脱穀装置と穀粒タンクとを機台上に並列
に搭載したコンバインは、各種の伝動装置を前記
脱穀機と穀粒タンクとの間に配設していたが、上
記伝動装置、その駆動源となるエンジンおよび脱
穀装置の点検整備等の作業を行なう場合、穀粒タ
ンクが障害になる欠点があつた。

このような欠点を排除する方策として穀粒タン
クの外側板と内側板とに開閉板を螺着した切欠窓
を設け、整備点検する時は前記開閉板を取り外し
て穀粒タンク内に入るか、又は上半身を穀粒タン
ク内に入れてベルトを交換したり、脱穀装置の開
閉板を開いて選別装置を整備したりするものが提
案された。

しかしながら、前記開閉板を着脱する作業が極
めて面倒であり、かつ、開閉板を取り外しても脱
穀装置と穀粒タンクとの間を全面開放することが
できないので、伝動装置及び脱穀装置の整備点検
作業が極めて困難であつた。

本考案は穀粒タンクを安定した状態に支持する
ことができるものでありながら、前述の諸欠点を
改善することができるコンバインにおける穀粒タ
ンク回動装置を提供せんとするものであつて、機
台上に脱穀機と、揚穀筒を備えた穀粒タンクとを
並列に搭載し、前記穀粒タンクの外側下部を機台
に横傾倒可能に枢支し、該穀粒タンクと前記揚穀
筒とを、該揚穀筒を穀粒タンクに対して外側方へ
傾動させる伸縮シリンダーで連結したことを特徴
とするものである。

以下、図面に示す実施例について説明すると、
１は機台２上の一側寄りに搭載した脱穀装置１で
あつて、その前方には刈取装置３と穀稈搬送装置
４とからなる前処理装置が上下傾動可能に装着し
てあり、前記脱穀装置１の側方に機台２上には穀
粒タンク５を設け、その前方に操縦席６と操作盤
７を配設し、後部にはエンジンルーム８が設けて
ある。

また、前記穀粒タンク５のＶ字状底板５ａの受
樋５ｂは穀粒タンク５の重心を通る垂線より外側
へ１だけ偏位しており、該穀粒タンク５の後壁の
上記受樋５ｂと対応する部位には、移送螺旋９の
軸９ａの外端部に装着した跳上げ羽根１０ｂをケ
ーシング１０ａ内に収納してなる揚穀スロワー１
０が横傾動可能に装着してあり、その揚穀筒１０
ｃは脱穀装置１上に一部突出した基部筒１０１
と、その上端に前後起伏可能に連結した中筒１０
２と、その先端に折曲可能に連結されていて弯曲
した吐出筒１０３とで構成してあり、揚穀筒１０
ｃの基部筒１０１は、一端が該基部筒１０１に枢
支された螺筒と、その他端に螺合していて基部が
穀粒タンク５の前面に枢支されているモーター１
２に連動する螺杆とからなる伸縮シリンダー１３
により左右傾動し、中筒１０２は前述のものと同
様な構成の伸縮シリンダー１４により起伏して収
納時には第１図に示すように後方へ倒伏し、吐出
筒１０３は図示してないが前述と同様な伸縮シリ
ンダーにより傾動して収納時は斜め前方へ折り返
した姿勢になる。

更に、脱穀装置１の揚穀筒１１は穀粒タンク５
の後部と脱穀装置１との間に起立させてあり、そ
の上部に取付けられていて螺旋軸と一体な投擲羽
根がケーシングに内装されたスロワー１２の吐出
口は、穀粒タンク５の上部に穿設した投入口に嵌
脱可能にゆるく嵌合している。

１６は穀粒タンク５の底板５ａの外側に穿設し
た取出口であつて、シヤツター１７ａを有する排
出筒１７が連結してあり、下部側板１８，１８に
熔接した連杆１９には、前記排出筒１７と対応す
る袋掛杆２０，２０が突設してあり、移送螺旋９
の軸９ａは第２図に示すようにエンジン２１のプ
ーリー２２により横方向の軸２３とそれに取付け
たプーリー２４とクラツチプーリー２５が付勢さ
れているベルト２６と傘歯車とを介して駆動さ
れ、これ等の伝動機構のクラツチプーリー２５よ
り前方部分及び前記排出筒１７や袋掛杆２０の外
側並びに前記操縦席６の下方に亘る部位は、開閉
カバーにより覆われている。

そして、前記穀粒タンク５の下部側板１８，１
８の下部外側寄りには一対の軸受３２，３２が固
着してあり、それらの軸受３２，３２に遊嵌した
支軸３３は機台２に立設したブラケツト３４，３
４に支持されているので、穀粒タンク５はその外
側下部を中心として外方へ傾動可能に支持されて
おり、該穀粒タンク５の上部の脱穀装置１側には
図示してないが上下方向のガイド溝の上部に受板
が一体的に形成された受部材を固定し、脱穀装置
１の上面に枢支した操作杆に前記ガイド溝に嵌合
するロールを軸支し、該ロール、操作杆及び前記
受部材は支持装置を構成している。

また、穀粒タンク５は前述のように外側下部を
傾動可能に軸支してあるので、常時、脱穀装置１
側に傾動付勢されており、この状態で、操作杆を
押し上げると、ロールはガイド溝内を転動しなが
ら上昇する間に少し外方へ押し出し、操作杆が上
向きの傾斜姿勢になつた時、受板に当接して停止
し、穀粒タンク５は所定の姿勢に保持される。

更に、前記支軸３３の前後方向の中間部には計
量管５０の基部が回動自在に支持されており、機
台２の脱穀装置１寄りに立設した門型フレーム５
１にピンで吊設したロードセル５２の下部は前記
計量管５０の先端の連結板にピンで連結してあ
り、下部側板１８，１８に両端を熔接したパイプ
５３は前記計量管５０に乗架しており、穀粒タン
ク５に充填した穀粒の重量はロードセル５２（又
は５２′）により検出され、その検出値は穀粒タ
ンク５の前面上部に設けた表示器に入力されてデ
ジタル表示される。

前述のコンバインにおいて、脱穀装置１の揚穀
筒１１により揚送された穀粒は穀粒タンク５に投
入され、該穀粒タンク５が満杯になつた時、機体
を道路沿いに移動させ、操作杆３を押し下げる
と、穀粒タンク５が脱穀装置１側へ傾動し、同時
にパイプ５３が計量管５０上に乗るので、ロード
セル５２が穀粒の重量を感知し、次いで、揚穀ス
ロワー１０の折曲部の伸縮シリンダーを作動させ
て揚穀筒１０ｃを一連にすると共に基部筒１０１
に附随する伸縮シリンダー１３も作動させて吐出
筒１０３を、道路上に駐車させてあるトラツク又
はトレーラー等の運搬車の荷台に臨ませた後、ク
ラツチプーリー２５を下降させてベルト２６を緊
張させ、移送螺旋９及び跳上げ羽根１０ｂを回転
せしめてから前記操作レバー４５でシヤツター３
９を開くと、穀粒は揚穀されて運搬車の荷台に投
入される。

穀粒投入後はシヤツター３９を閉じ、移送螺旋
９及び跳上げ羽根１０ｂを止めてから揚穀スロワ
ー１０を第１図に示す収納姿勢にする。

そして、脱穀装置１と穀粒タンク５との間にあ
る伝動機構、例えば、脱穀装置１の一番移送螺
旋、２番移送螺旋または唐箕等を駆動する伝動機
構や、脱穀装置１の開閉窓を開いて選別装置を整
備点検する場合、穀粒タンク５を空にすると共に
揚穀筒１０ｃを起立姿勢のまま外側方へ最大限
（約30度）に回動でせしめた状態で、先ず、穀粒
タンク５の上部にある取手５５，５５に手を掛け
て外側方へ軽く引張ることにより、穀粒タンク５
を支軸３３中心として外側方へ第３図に符号イで
示す位置から第３図及び第４図のロ位置まで回動
すると、穀粒タンク５の重心Ｇは支軸３３の外方
へ移動するから、そこで第４図に示すように揚穀
筒１０ｃに手を掛けてその吐出口が地面に接する
まで引き下し、次いで、揚穀筒１０ｃを最大限に
傾動すべく伸長せしめていた伸縮シリンダー１３
を縮小させると、穀粒タンク５は第４図に実線で
示す位置から鎖線で示す位置まで下降回動し、脱
穀装置１の側部が大きく開放されるので、前記整
備点検を容易に行なうことができる。

本考案は前述のように機台上に脱穀機と、揚穀
筒を備えた穀粒タンクとを並列に搭載し、前記穀
粒タンクの外側下部を機台に横傾倒可能に枢支
し、該穀粒タンクと前記揚穀筒とを、該揚穀筒を
外側方へ傾動させる伸縮シリンダーで連結したの
で、穀粒タンクを外側方の支軸で安定した状態に
支持することができ、しかも、揚穀筒を伸長姿勢
となして穀粒タンクを揚穀筒の先端が地面に接す
るまで大きく傾動することで、脱穀装置の側面及
びその外側の伝動装置が、一挙に、かつ大きく全
面開放され、伝動装置及び脱穀装置の整備点検を
極めて容易に行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであつて、
第１図はコンバインの斜視図、第２図は穀粒タン
クの一部を破断した側面図、第３図は穀粒タンク
の正面図、第４図は穀粒タンクの傾倒状態を示す
作用図、第５図ａはカバー及びその取付部の側面
図、同図ｂは同上平面図、同図ｃは同上正面図、
第６図はシヤツターの断面図である。 １……脱穀装置、５……穀粒タンク、９……移
送螺旋、１０……揚穀スロワー、１０ｃ……揚穀
筒、３３……支軸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 機台上に脱穀機と、揚穀筒を備えた穀粒タンク
   とを並列に搭載し、前記穀粒タンクの外側下部を
   機台に横傾倒可能に枢支し、該穀粒タンクと前記
   揚穀筒とを、該揚穀筒を穀粒タンクに対して外側
   方へ傾動させる伸縮シリンダーで連結したことを
   特徴とするコンバインにおける穀粒タンク回動装
   置。