JP3223112B2 - 酸ハロゲン化物の製造方法 - Google Patents

酸ハロゲン化物の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は酸ハロゲン化物の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、酸ハロゲン化物は、耐熱樹脂の製
造並びに医薬及び農薬の製造用の反応中間体として工業
的に重要なものとなってきている。例えば、ラウリン酸
クロライドは、過酸化物および界面活性剤の製造におけ
る中間体として工業的に使用されており、また、テレフ
タル酸クロライドは、ポリエステル類の製造に工業的に
使用されている。また、5−アミノ−2,4,6−トリ
ドイソフタル酸(以下、TIPAと略記する)を酸
ハロゲン化して得られる5−アミノ−2,4,6−トリ
ヨードイソフタル酸ジハライドはレントゲン造影剤の原
料として重要な化合物である。
【0003】酸ハロゲン化物の製造方法としてはカルボ
ン酸を塩化チオニル、五塩化リン、三塩化リン、塩化ホ
スホリル、ホスゲン等の塩素化剤で塩素化する方法が一
般的である。しかし、塩化チオニル、五塩化リン、三塩
化リン、塩化ホスホリル等の塩素化剤は高価であり、反
応によって生成する硫黄酸化物やリン酸化物および副生
成物の処理が問題となる等、経済的および環境上の見地
からも工業的規模の製造には種々の不利や困難を伴う。
また、ホスゲンは上記塩素化剤より反応性が低く、触媒
の使用が必要である。触媒としては、ジメチルホルムア
ミド(特公昭43−10613)、第4級アンモニウム
塩およびホスホニウム塩(特公昭44−27363)等
が挙げられ、ジメチルホルムアミド等低級脂肪族アミド
は活性が高くかつ安価に入手できるので一般的に使用で
きる。
【0004】しかし、これを使用してもホスゲンとジメ
チルホルムアミド等低級脂肪族アミドとにより生成する
反応活性種が高温では熱的に不安定であり、100℃以
上の温度ではタール状物の生成速度が飛躍的に大きくな
る等の問題点がある。一級水酸基のハロゲン化剤とし
て、2−クロロ−1,3−ジメチルイミダゾリニウムク
ロライドが知られているが(特開平4−30853
8)、酸ハロゲン化物の製造に利用した例は知られてい
ない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記した従来
の酸ハロゲン化物の製造方法の問題点を解消するために
なされたものであり、その第一の目的は、経済的な面で
優れた方法を提案することであり、その第二の目的は環
境的見地から見て優れた方法を提案することにある。
【0006】
【課題を解決する為の手段】本発明者らは、これらの目
的を達成するべく鋭意検討を重ねた結果、以下の構成に
なる本発明に到達した。
【0007】即ち本発明は、 1)カルボン酸類に一般式(1)
【化4】 (式中、R1及びR2は同一または異なってそれぞれ低級
アルキル基を、Xはハロゲン原子を、nは2または3の
整数を示す)で表されるハロイミニウム塩を反応させる
ことを特徴とする酸ハロゲン化物の製造方法、 2)カルボン酸類に一般式(2)
【化5】 (式中、R1及びR2は同一または異なってそれぞれ低級
アルキル基を、nは2または3の整数を示す)で表され
る環状ウレア化合物を共存させ、これにホスゲンを吹き
込み一般式(1)
【化6】 (式中、R1及びR2は同一または異なってそれぞれ低級
アルキル基を、Xはハロゲン原子を、nは2または3の
整数を示す)で表されるハロイミニウム塩を生成させ、
該カルボン酸類にこのハロイミニウム塩を反応させるこ
とを特徴とする酸ハロゲン化物の製造方法、 3)環状ウレア化合物が1,3−ジメチルイミダゾリジ
ン−2−オンである前記2)の方法、 4)カルボン酸類が水酸基及び/またはアミノ基を有す
る化合物である前記1)又は2)の方法、 5)水酸基及び/またはアミノ基を有する化合物が水酸
基を有する芳香族カルボン酸である前記4)の方法、 6)水酸基及び/またはアミノ基を有する化合物がアミ
ノ基を有する芳香族カルボン酸である前記4)の方法、 7)アミノ基を有する芳香族カルボン酸が5−アミノ−
2,4,6−トリヨードイソフタル酸である前記6)の
方法、及び 8)ハロイミニウム塩が2−クロロ−1,3−ジメチル
イミダゾリニウムクロライドである前記1)の方法、で
ある。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明で使用されるハロイミニウ
ム塩は、一般式(1)で表されるものであり、一般式
(1)中、R1及びR2で示される低級アルキル基として
は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピ
ル基、n−ブチル基、イソブチル基等が挙げられる。ま
た、Xで示されるハロゲン原子としては、フッ素原子、
塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられるが、塩素
原子が特に好ましい。また、一般式(1)で表されるハ
ロイミニウム塩のうち、好ましい具体例として2−クロ
ロ−1,3−ジメチルイミダゾリニウムクロライド(以
下DMCと略記する)、2−クロロ−1,3−ジイソプ
ロピルイミダゾリニウムクロライド、2−クロロ−1,
3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロピリミジ
ニウムクロライド等を挙げることができる。
【0009】このハロイミニウム塩は、例えば入手容易
な溶剤として知られている下記一般式(2)
【化7】 (式中、R1及びR2は同一または異なってそれぞれ低級
アルキル基を、Xはハロゲン原子を、nは2または3の
整数を示す)で表される環状ウレア化合物に、オキザリ
ルハロゲニド、三ハロゲン化リン、五ハロゲン化リン、
オキシハロゲン化リン、ホスゲン、トリクロロメチルク
ロロホルメート等公知のハロゲン化剤を反応させるこ
とにより容易に得られる。このうち、ホスゲンは多量に
安価にウレタン業界で使用されており、経済的にも有利
であり、また、リン化合物等の産廃物ができることもな
く好ましい。
【0010】この反応は、一般式(2)の化合物または
ハロゲン化剤の何れか一方を四塩化炭素等の適当な溶媒
に溶かしておき、これに他方を少量ずつ添加し、更に室
温〜70℃で数時間〜数十時間反応させることによって
行われる。この様にして得られた一般式(1)で表され
るハロイミニウム塩は単離して使用することもできる
が、単離することなく、その反応液を本発明の反応に使
用することもできる。
【0011】まず、カルボン酸類にハロイミニウム塩を
反応させる方法について説明する。カルボン酸類に対す
るハロイミニウム塩の使用量は化学量論量以上、好まし
くは1.0〜2.0倍であり、さらに好ましくは1.1
〜1.3倍である。反応終了後、ハロイミニウム塩は前
記一般式(2)で表される化合物にもどり再びハロゲン
化剤と反応させハロイミニム塩とすることができる。
【0012】本発明の実施態様は、一般式(1)におい
てXが塩素であるイミニウムクロライドを作りながら、
生成したイミニウムクロライドをカルボン酸類と反応さ
せる態様を含む。すなわち、原料カルボン酸類と一般式
(2)の環状ウレア化合物を含む溶液中に、ホスゲンを
装入して反応させることにより、目的の酸塩化物を得る
ことができる。この反応では、まず一般式(2)の環状
ウレアとホスゲンが反応し、一般式(1)においてXが
塩素であるイミニウムクロライドが生成し、ついで、こ
のイミニウムクロライドによりカルボン酸類がハロゲン
化され、目的のカルボン酸クロライドが生成する。この
時、一般式(1)においてXが塩素であるイミニウムク
ロライドは、元の一般式(2)の環状ウレアに戻る。従
って、この場合に用いられる一般式(2)の環状ウレア
は、カルボン酸に対して0.01当量以上、特に0.0
5〜0.1当量を用いるのがよく、これ以上使用して
も、反応速度はあがらない。
【0013】またこの場合に使用されるホスゲンの量
は、カルボン酸に対して、1.0〜2.0当量、好まし
くは1.1〜1.3当量であり、この量を6〜10時
間、好ましくは7〜8時間を要して装入する。
【0014】本発明で使用されるカルボン酸類は例え
ば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、イソブタン
酸、ペンタン酸、3−メチルブタン酸、ピバル酸、ヘキ
サン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン
酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、フェ
ニル酢酸、ジフェニル酢酸、アセト酢酸、フェニルプロ
ピオン酸、ケイ皮酸、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、
トリクロロ酢酸、クロロプロピオン酸、α−ブロ
酸、ジブロ酢酸、α−ブロモプロピオン酸等の脂肪族
モノカルボン酸およびシュウ酸、マロン酸、コハク酸、
メチルコハク酸、グルタール酸、アジピン酸、1,1−
ジメチル−1,3−ジカルボキシプロパン、1,5−ペ
ンタンカルボン酸、1,6−ヘキサンカルボン酸、1,
7−ヘプタンカルボン酸、1,8−オクタンカルボン酸
等の脂肪族ジカルボン酸および安息香酸、トルイル酸、
4−イソプロピル安息香酸、4−tert−ブチル安息
香酸、メトキシ安息香酸、ジメトキシ安息香酸、3,
4,5−トリメトキシ安息香酸、o−クロロ安息香酸、
2,6−ジクロロ安息香酸、3,4−ジクロロ安息香
酸、2,3,6−トリクロロ安息香酸、4−ブロモ安息
香酸等の芳香族モノカルボン酸および、フタル酸、イソ
フタル酸、テレフタル酸、2−クロロテレフタル酸、
2,5−ジブロモテレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸
さらに、乳酸、酪酸、3−ヒドロキシ−2,2−ジメチ
ルプロピオン酸等の同一分子内に二級水酸基を有する脂
肪族カルボン酸、サリチル酸、5−メトキシサリチル
酸、2−オキシ−m−トルイル酸、3,5−ジ−ter
t−ブチルサリチル酸、p−ヒドロキシ安息香酸等の同
一分子内に水酸基を有する芳香族カルボン酸さらに、β
−アラニン、4−アミノ安息香酸、3−アミノ安息香
酸、N−メチルアミノ安息香酸、m−ジメチルアミノ安
息香酸、5−アミノ−2,4,6−トリヨドイソフタ
ル酸等の同一分子内にアミノ基を有するカルボン酸、さ
らに、3−メルカプトプロピオン酸、o−メルカプト安
息香酸等の同一分子内にメルカプト基を有するカルボン
酸等が挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。尚、同一分子内にアミノ基を有するカルボン酸につ
いては、塩酸塩等を用いて反応を行う方が好ましい。
【0015】上述した同一分子内に水酸基またはアミノ
基を有するカルボン酸類が、一般式(1)のハロイミニ
ウム塩により効率的にハロゲン化されることは、特筆さ
れるべきである。例えば、公知のジメチルホルムアミド
を触媒としたホスゲンによるカルボン酸類の塩素化反応
を、同一分子内にアミノ基を有する芳香族カルボン酸類
に用いた場合、ホルムアミジン誘導体を生成し、目的の
カルボン酸塩化物を得ることができないが、本発明によ
れば、同一分子内にアミノ基を有する芳香族カルボン酸
類から、アミノ基を保護しなくても、目的のカルボン酸
ハライドを得ることができる。
【0016】本発明に使用される溶媒は、一般式(1)
で表されるハロイミニウム塩と反応せず、酸ハロゲン化
物の製造に用いられる公知の溶媒であれば特に限定はさ
れない。例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキ
サン、ヘプタン、シクロヘキサン等の炭化水素系溶媒、
1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、
クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化
水素系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶
媒等が挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。
【0017】本発明の反応温度は反応基質、溶媒によっ
て左右されるが一般的には室温〜120℃で選ばれる。
例えば、1,2−ジクロロエタンの場合は好ましくは7
5〜80℃、トルエンの場合は好ましくは105〜11
0℃であるがこれらに限定されるものではない。
【0018】また、本反応は、塩基の共存下に実施する
事もできる。これにより、反応速度の向上、反応温度の
低下が可能となる。塩基としては、ピリジン、トリエチ
ルアミン、トリブチルアミン等を使用することができ
る。
【0019】生成した酸ハロゲン化物は反応終了後の混
合物を蒸留、晶析等の常法に従って処理することにより
得られる。TIPAとハロイミニウム塩の反応も上述の
方法により行うことができる。この場合、好ましい態様
を以下に示す。
【0020】TIPAに対するハロイミニウム塩の使用
量は化学量論量以上、好ましくは2.0〜4.0倍モル
であるが、さらに好ましくは2.1〜2.5倍モルであ
る。反応終了後、ハロイミニウム塩は前記一般式(2)
の化合物にもどり再びハロゲン化剤と反応させハロイミ
ニウム塩とすることができる。TIPAとハロイミニウ
ム塩との反応温度は50℃以上が好ましく、最適には9
0〜110℃である。
【0021】得られた反応マスからの5−アミノ−2,
4,6−トリヨードイソフタル酸ジハライドの取り出し
は反応マスから溶媒を除去し、残留物にヘキサン等を加
えて5−アミノ−2,4,6−トリヨードイソフタル酸
ジハライドを晶析させることにより取り出すことができ
る。
【0022】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0023】実施例1ラウリン酸クロライドの合成 2−クロロ−1,3−ジメチルイミダゾリニウムクロラ
イド9.30g(0.055モル)にトルエン50.1
gを加え、次いでラウリン酸10.02g(0.05モ
ル)を加えて110℃で4時間反応させた。反応混合物
をガスクロマトグラフィーおよび液体クロマトグラフィ
ーを用いて分析したところ、ラウリン酸の転化率は10
0%であり、ラウリン酸クロライドが100%の収率で
得られた。
【0024】実施例2安息香酸クロライドの合成 2−クロロ−1,3−ジメチルイミダゾリニウムクロラ
イド9.30g(0.055モル)にトルエン50.1
gを加え、次いで安息香酸6.11g(0.05モル)
を加えて110℃で7時間反応させた。反応混合物をガ
スクロマトグラフィーおよび液体クロマトグラフィーを
用いて分析したところ、安息香酸の転化率は100%で
あり、安息香酸クロライドが100%の収率で得られ
た。
【0025】実施例3安息香酸クロライドの合成 2−クロロ−1,3−ジメチルイミダゾリニウムクロラ
イド9.72g(0.0575モル)に1,2−ジクロ
ロエタン90mlおよび安息香酸6.11g(0.05
モル)を加えたのち反応混合物を15〜20℃に保って
トリエチルアミン5.06g(0.05モル)を30分
かけて滴下し、その後室温で4時間反応させた。反応混
合物をガスクロマトグラフィーを用いて分析したとこ
ろ、安息香酸クロライドが93%の収率で得られた。
【0026】実施例4安息香酸クロライドの合成 攪拌器、ガス導入管、温度計及びジムロート冷却器を備
えた四つ口フラスコに、触媒として1,3−ジメチル−
2−イミダゾリジノン3.42g(0.03モル)、安
息香酸36.64g(0.3モル)及びトルエン14
6.56gを仕込んだ。攪拌しながらホスゲンを4.2
g/時の割合で吹き込み、110℃で7時間反応を行っ
た。反応混合物をガスクロマトグラフィーを用いて分析
したところ、安息香酸クロライドが95%の収率で得ら
れた。
【0027】実施例5テレフタル酸クロライドの合成 2−クロロ−1,3−ジメチルイミダゾリニウムクロラ
イド18.6g(0.11モル)にトルエン83gを加
え、次いでテレフタル酸8.31g(0.05モル)を
加えて110℃で4時間反応させた。反応混合物をガス
クロマトグラフィーを用いて分析したところ、テレフタ
ル酸クロライドが98%の収率で得られた。
【0028】実施例6コハク酸ジクロライドの合成 2−クロロ−1,3−ジメチルイミダゾリニウムクロラ
イド19.44g(0.115モル)にトルエン83g
を加え、次いで無水フタル酸5.00g(0.05モ
ル)を加えて110℃で11時間反応させた。反応混合
物をガスクロマトグラフィーを用いて分析したところ、
コハク酸ジクロライドが90%の収率で得られた。
【0029】実施例75−アミノ−2,4,6−トリヨ−ドイソフタル酸ジク
ロライドの合成 2−クロロ−1,3−ジメチルイミダゾリニウムクロラ
イド4.23g(0.025モル)と5−アミノ−2,
4,6−トリヨードイソフタル酸5.58g(0.01
モル)およびトルエン80gを反応フラスコに仕込み、
105〜110℃で4時間反応した。その後、反応マス
を冷却し減圧下でトルエンを除去した。得られた濃縮物
にヘキサン100mlを加えて5−アミノ−2,4,6
−トリヨードイソフタル酸ジクロライドを晶析させた。
これを濾別して減圧乾燥し白色の5−アミノ−2,4,
6−トリヨードイソフタル酸ジクロライド5.65g
(収率/95%)を得た。
【0030】実施例8 5−アミノ−2,4,6−トリヨードイソフタル酸と2
−クロロ−1,3−ジメチルイミダゾリニウムクロライ
ドとの反応を90〜95℃で6時間行った以外は実施例
7と同様に行った。5−アミノ−2,4,6−トリヨー
ドイソフタル酸ジクロライド5.53g(収率/93
%)を得た。
【0031】実施例94−ヒドロキシ安息香酸クロライドの合成 2−クロロ−1,3−ジメチルイミダゾリニウムクロラ
イド9.72g(0.0575モル)に1,2−ジクロ
ロエタン90mlおよび4−ヒドロキシ安息香酸6.9
1g(0.05モル)を加えたのち反応混合物15〜2
0℃に保ってトリエチルアミン5.06g(0.05モ
ル)を30分かけて滴下し、その後15〜20℃で1昼
夜反応させた。反応混合物を液体クロマトグラフィーお
よびガスクロマトグラフィーを用いて分析したところ、
未反応の4−ヒドロキシ安息香酸が1.79g(0.0
13モル)残存しており、4−ヒドロキシ安息香酸クロ
ライドが72%の収率で得られた。
【0032】実施例10 2−クロロ−1,3−ジメチルイミダゾリニウムクロラ
イド93g(0.55モル)にトルエン500gを加
え、次いでラウリン酸100.2g(0.5モル)を加
えて110℃で4時間反応させた。反応混合物をガスク
ロマトグラフィーおよび液体クロマトグラフィーを用い
て分析したところ、ラウリン酸の転化率は100%であ
り、ラウリン酸クロライドが100%の収率で得られ
た。この反応混合物からトルエンを減圧蒸留により留去
し、続いて1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン5
6.5g(0.495モル)を減圧蒸留により回収した
(106〜108°/17mm)。続いてラウリン酸ク
ロライド102.8g(0.47モル)が得られた(収
率94%)(142〜144°/15mm)。
【0033】比較例1 TIPA11.3g(0.02モル)、DMF0.15
g(0.002モル)、トルエン100mlを反応フラ
スコに仕込み70℃に昇温した。反応マスの温度を70
〜80℃に保ちながらホスゲンを4g/hの速度で2時
間吹き込んだ。その後70〜80℃で反応マスに窒素を
約1時間パージした。冷却後、反応マス中の結晶を濾別
し減圧乾燥した(9.53g)。この結晶は、未反応の
TIPAと2,4,6−トリヨード−5−(N,N−ジ
メチルアミノメチリデン)アミノイソフタル酸ジクロリ
ドの混合物であった。
【0034】
【発明の効果】本発明により、酸ハロゲン化物を製造す
る際、一般式(1)で表されるハロイミニウム塩を使用
することによって従来の方法に較べ、経済的および環境
的見地から見て効率よく目的化合物を得ることができ
る。一般式(1)で表されるハロイミニウム塩がカルボ
ン酸と反応することにより生成する一般式(2)の環状
ウレア類は回収して再び一般式(1)で表されるハロイ
ミニウム塩の合成に用いることができるため経済的な面
から非常に大きな利点がある。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C07C 57/66 C07C 57/66 63/10 63/10 63/30 63/30 65/03 65/03 B 227/18 227/18 229/62 229/62 (56)参考文献 特開 平4−224542(JP,A) 特開 昭51−1410(JP,A) 特開 昭56−103131(JP,A) 特開 昭56−71036(JP,A) 特開 昭56−110639(JP,A) 特開 平7−69970(JP,A) 特開 昭59−108737(JP,A) 特開 昭59−108736(JP,A) 特開 平6−145100(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 51/60 C07B 41/10 C07C 53/42 C07C 55/36 C07C 57/66 C07C 63/10 C07C 63/30 C07C 65/03 C07C 227/18 C07C 229/62

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルボン酸類に一般式(1) 【化1】 (式中、R1及びR2は同一または異なってそれぞれ低級
    アルキル基を、Xはハロゲン原子を、nは2または3の
    整数を示す)で表されるハロイミニウム塩を反応させる
    ことを特徴とする酸ハロゲン化物の製造方法。
  2. 【請求項2】 カルボン酸類に一般式(2) 【化2】 (式中、R1及びR2は同一または異なってそれぞれ低級
    アルキル基を、nは2または3の整数を示す)で表され
    る環状ウレア化合物を共存させ、これにホスゲンを吹き
    込み一般式(1) 【化3】 (式中、R1及びR2は同一または異なってそれぞれ低級
    アルキル基を、Xはハロゲン原子を、nは2または3の
    整数を示す)で表されるハロイミニウム塩を生成させ、
    該カルボン酸類にこのハロイミニウム塩を反応させるこ
    とを特徴とする酸ハロゲン化物の製造方法。
  3. 【請求項3】 環状ウレア化合物が1,3−ジメチルイ
    ミダゾリジン−2−オンである請求項2の方法。
  4. 【請求項4】 カルボン酸類が水酸基及び/またはアミ
    ノ基を有する化合物である請求項1又は2の方法。
  5. 【請求項5】 水酸基及び/またはアミノ基を有する化
    合物が水酸基を有する芳香族カルボン酸である請求項4
    の方法。
  6. 【請求項6】 水酸基及び/またはアミノ基を有する化
    合物がアミノ基を有する芳香族カルボン酸である請求項
    4の方法。
  7. 【請求項7】 アミノ基を有する芳香族カルボン酸が5
    −アミノ−2,4,6−トリヨードイソフタル酸である
    請求項6の方法。
  8. 【請求項8】 ハロイミニウム塩が2−クロロ−1,3
    −ジメチルイミダゾリニウムクロライドである請求項1
    の方法。
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