JP3222060B2 - 回転弁の弁開度表示装置 - Google Patents

回転弁の弁開度表示装置

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JP3222060B2
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幸一 久田
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株式会社巴技術研究所
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転弁の弁開度を
表示する弁開度表示装置に関し、バタフライ弁の弁開度
表示装置に用いて好適のものである。
【0002】
【従来の技術】従来の弁開度表示装置は、図2に示すよ
うに、図示しない弁体と共に回転する弁軸1の端部に取
付けられる指針2と、開度表示板3とが対応するように
取付けられており、該開度表示板3には、弁開度を全閉
時の0%から全開時の100%まで、弁開度に比例した
等間隔目盛3aで表示されたもの、或いは、実際の角度
や寸法で表示されたものなど、弁本体に収納される弁体
の物理的位置を示すものであった。
【0003】その一例として、バタフライ弁等の弁体と
共に回動する軸の端面に一対の指針を180°隔てて設
け、表示板には、これらの各指針にて指示される一対の
弁角度指示用の等間隔の度数目盛を形成した開度指示装
置が既に考案されている(実開昭52−9136号公報
参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来の弁開度
表示装置では、弁体開度が表示されても、それが実際に
流れる流量を示すものでないことが多かった。
【0005】すなわち、一般に、弁(バルブ)の流量
は、図3の流量特性実測線図(グラフ)に示すように、
弁体の物理的位置とは必ずしも直線比例せず、弁特有の
特性曲線を持っている。つまり、弁体開度が50%であ
っても、流量は50%ではないことがある。
【0006】ところが、弁の操作者は、開度表示板をみ
て操作するので、50%開けば半分の量が流れていると
錯覚し、誤解を生じ易い。例えば、図2の開度表示板3
が10%を示していた場合、操作者は、10%前後の流
量が流れていると考えがちだが、図3の線図から分かる
ように、この場合の流量は殆んど零である。
【0007】上記のように、弁の操作は、直感的に分か
りにくく、熟練していない操作者には分かりにくい要因
をもっていた。
【0008】また、モータ駆動部を形成する電動操作機
や空気圧駆動部などの位置制御機器によって前記した弁
特性を電気的、機械的に補正するものが考案され、実用
化されているが、歯車駆動部などの手動式の場合、上記
のように操作者の熟練度に頼っていた。
【0009】本発明は、弁の流量を簡単に視覚的、直感
的に理解し易い目盛の表示板を備えた弁開度表示装置を
提供することを課題としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに本発明の採った手段は、弁体と共に回動する弁軸の
端部に取付けられる指針と対応するように、開度表示板
に、弁開度に応じて当該弁に流れる流体の量を視覚的に
表示する目盛を形成した弁開度表示装置において、上記
開度表示板に、横軸に弁開度をとり縦軸に単位差圧当り
の流量を示す流量係数をとって示した弁の流量特性線図
から求めた弁開度に応じた流量係数の不等間隔の目盛を
形成したことを特徴とし、また弁体をバタフライ弁の弁
体で構成したことを特徴としている。
【0011】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を、図
面に記載した実施例を用いて説明する。
【0012】図1は、本発明の一実施形態を示す開度表
示板を備えた弁開度表示装置の要部説明図であって、図
中、図2に記載した符号と同一の符号は同一ないし同類
部分を示すものとする。
【0013】図において、図示しない弁体と共に回動す
る弁軸1の端部に取付けられた指針2と、開度表示板3
1とが対応するように取付けられている点は、従来例
(図2)と変りはないが、本実施形態における開度表示
板31には、次に述べる流量特性線図から求めた流量係
数(CV)が目盛ってある。
【0014】図3の流量特性線図は、実際のバタフライ
弁の流量係数の実測値を線図(グラフ)で示したもの
で、横軸に弁開度を、100%を全開、0%を全閉とし
た等間隔目盛で示し、縦軸に流量係数(CV)即ち単位
差圧当りの流量を示す値をとり、全開の流量係数を10
0%として目盛ってある。
【0015】上記の流量特性線図において、弁開度ごと
の流量係数が、該当開度の指針表示部に刻まれており、
例えば、図3から50%開度の時の流量係数は、14%
であるので、開度表示板31の目盛31aにも、中央位
置に14%を示す目盛が刻まれている。図1に示すよう
に、目盛31aは不等間隔に目盛られている。
【0016】なお、図1に示す開度表示板31には、従
来例(図2)における実際の弁開度%を示す等間隔目盛
3aに相当する目盛31bが併記されており、より分か
り易くなっている。
【0017】次に、作用について説明する。
【0018】図3の流量特性は、上記したように、各開
度において、差圧が一定とした場合の流量をもって流量
係数としている。しかし実際の差圧は、使用されるポン
プや配管システムによって弁開度ごとの差圧が異なり、
図3と必ずしも一致しないが、大まかな流量割合を示す
ものとしては、流量の係数で十分である。
【0019】実際の流量を示すためには、流量やその代
替え特性を測定するためのセンサが必要であり、大きな
コストやエネルギーが必要であるが、おおよその流量割
合を操作者に知らせ、流れていないのに流れているかの
ような誤解を防止する目的としては、本実施形態におけ
る弁開度表示装置で十分であり、大きなコストやエネル
ギーは必要としない。
【0020】上記した実施形態では、開度表示板に流量
係数(CV)を表示した装置について説明したが、弁が
使用される配管システムの条件が解っていれば、実流量
(または圧力、温度など)で表示してもよく、それが最
も望ましい実施形態である。
【0021】また、弁の種類によっては、低流量で連続
運転すると、バルブ内部機器が破損する恐れのあるもの
があるが、それらの表示板には、危険流量を色分けして
表示するなど、の応用例が考えられる。
【0022】また、図1に示す実施形態では、弁体にバ
タフライ弁の弁体を用いたバタフライ弁の開度表示板に
ついて説明したが、他の種類の回転弁、例えば、ボール
弁、プラグ弁、ロータリーコントロール弁などにも応用
可能であると共に、レバー式駆動部のノッチにも応用可
能である。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
弁体と共に回動する弁軸の端部に取付けられる指針と対
応するように、開度表示板に、弁開度に応じて当該弁に
流れる流体の量を視覚的に表示する目盛を形成した弁開
度表示装置において、上記開度表示板に、横軸に弁開度
をとり縦軸に単位差圧当りの流量を示す流量係数をとっ
て示した弁の流量特性線図から求めた弁開度に応じた流
量係数の不等間隔の目盛を形成したことにより、次のよ
うな効果が奏される。 (i)弁の流量特性線図から流量係数(CV)が容易に
求めることができ、大まかな流量割合を示すものとして
実用上該流量係数で十分目的を達成することができる。 (ii)従来例の開度表示装置において、目盛板を取り替
えるだけで、流量表示の開度装置に変更することができ
る。 (iii) 数種類の異なる流量特性を持つ弁に対して、目盛
板を作り分けるだけで、低コストで流量表示開度装置が
用意できる。
【0024】また、弁体にバタフライ弁の弁体を用いた
場合には、流量係数として図3に示すような流量特性線
図が利用でき、容易に目盛を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態(実施例)を示す弁開度表
示装置の要部説明図である。
【図2】従来例を示す弁開度表示装置の要部説明図であ
る。
【図3】バタフライ弁の流量特性線図である。
【符号の説明】
1 弁軸 2 指針 31 開度表示板 31a 流量係数目盛 31b 等間隔目盛
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−168319(JP,A) 特開 昭58−84283(JP,A) 実開 平1−82383(JP,U) 実開 昭54−8457(JP,U) 実開 昭60−3378(JP,U) 実開 昭61−184834(JP,U) 実開 昭64−11489(JP,U) 特公 平3−51940(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16K 37/00 F16K 1/16 - 1/226 G01D 7/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弁体と共に回動する弁軸の端部に取付け
    られる指針と対応するように、開度表示板に弁開度に応
    じて当該弁に流れる流体の量を視覚的に表示する目盛を
    形成した弁開度表示装置において、上記開度表示板に、
    横軸に弁開度をとり縦軸に単位差圧当りの流量を示す流
    量係数をとって示した弁の流量特性線図から求めた弁開
    度に応じた流量係数の不等間隔の目盛を形成したことを
    特徴とする回転弁の弁開度表示装置。
  2. 【請求項2】 弁体をバタフライ弁の弁体で構成したこ
    とを特徴とする請求項1記載の回転弁の弁開度表示装
    置。
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