JP3221386B2 - 化粧板およびその製法 - Google Patents

化粧板およびその製法

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JP3221386B2 JP04830298A JP4830298A JP3221386B2 JP 3221386 B2 JP3221386 B2 JP 3221386B2 JP 04830298 A JP04830298 A JP 04830298A JP 4830298 A JP4830298 A JP 4830298A JP 3221386 B2 JP3221386 B2 JP 3221386B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐候性に優れ、住
宅等の屋外の外装、玄関ドアなどに用いられる化粧板に
関する。
【0002】
【従来の技術】住宅の壁材、床材や家具の表面材に用い
られる従来の化粧板の例としては、図6に示すような化
粧板がある。この化粧板は、木質板からなる基材11
と、この基材11に接着剤12を介して接着する木目印
刷紙13と、この木目印刷紙13上に形成されるエンボ
ス層14と、このエンボス層14の凹部を目止めするワ
イピング層15と、上記エンボス層14上およびワイピ
ング層15上に形成される上塗り層16とから構成され
ている。
【0003】上記基材11に使用される木質材として
は、直交合板(以下R/Cと記す)、中密度繊維板(以
下MDFと記す)、パーティクルボードなどが単独で、
もしくは複数組み合わされて用いられている。上記接着
剤12としては、通常、ユリア樹脂、酢酸ビニル樹脂エ
マルジョンなどを単独で、もしくは複数組み合わせたも
のが用いられている。
【0004】上記木目印刷紙13は、写真原稿用木材の
木目を写真撮影し、この写真から写真製版印刷により上
記木目をチタン紙に印刷したものである。ここで、チタ
ン紙は、隠蔽性をつけるために、パルプに酸化チタンを
漉き込んで作られる。上記エンボス層14は、化粧板表
面に木材の触感を持たせるためのものであり、上記印刷
紙13上に不飽和ポリエステル樹脂からなる透明塗料を
塗布し、この透明塗料が未硬化のうちに、写真原稿用木
材の表面の凹凸をシリコンにより型取りしたシリコンエ
ンボス型を使用して、塗布した不飽和ポリエステル樹脂
の表面にエンボス加工を施し、これを硬化せしめたもの
である。
【0005】上記ワイピング層15は、木目の色調等を
調節するために、染料、顔料および体質顔料を含むポリ
ウレタン樹脂塗料を上記エンボス層14上に塗布し、次
いで余分な塗料を取り除き(ワイピング)、エンボス層
14の凹部を目止めするように形成される。上記上塗り
層16は、化粧板表面を保護するとともに、化粧板に見
栄えの良さ、木目の奥行き感、深味感等を与えるもので
あり、ポリエステルポリオールと、4,4’−ジフェニ
ルメタン−ジイソシアネート(以下MDIと記す)、ト
リレンジイソシアネート(以下TDIと記す)等のポリ
イソシアネート系化合物からなる透明塗料を上記エンボ
ス層14およびワイピング層15に塗布、硬化させ、表
面を研磨することによって形成される。また、必要に応
じて塗布、硬化の工程は数回繰り返される。
【0006】しかしながら、このような化粧板を屋外で
使用した場合、木目印刷紙13の耐湿性が劣るため、木
目印刷紙13が吸湿により基材11から剥離しやすかっ
た。また、紫外線により、エンボス層14もしくは上塗
り層16に色あせや変色が起こりやすいという欠点があ
った。さらに、基材11に使用されたR/CやMDFに
は、なんら防水加工がなされていないため、吸湿による
基材11の膨潤や木目印刷紙13の剥離などの問題も生
じやすかった。このように、従来の化粧板は、主に屋内
の壁材や床材、家具の表面材用として設計されているた
め、耐湿性、耐光性等の耐候性が不十分であり、屋外の
外装や玄関ドアなどの屋外用途には適していなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】よって、本発明におけ
る課題は、屋外使用に耐えうるように、耐湿性、耐光性
などの耐候性を向上させた化粧板およびその製法を提供
することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
めに、第1の発明においては、基材と、この基材に接着
剤を介して接着された木目印刷紙と、この木目印刷紙上
に形成されたエンボス層と、このエンボス層上に形成さ
れた上塗り層を有する化粧板において、上記基材として
メラミン樹脂をバインダーとする木質繊維板を用い、
記エンボス層を光安定剤含有不飽和ポリエステル樹脂で
形成し、上記上塗り層を光安定剤含有アクリルポリウレ
タン系樹脂で形成し、上記接着剤には、水性高分子−イ
ソシアネート系からなるものを用い、上記木目印刷紙に
は、アクリル樹脂を含浸させた。第2の発明において
は、第1の発明において、エンボス層の凹部を目止めす
るワイピング層をさらに配し、該ワイピング層をアクリ
ルポリウレタン系樹脂で形成した。
【0009】第3の発明においては、化粧板の製法とし
て、写真原稿用木材の木目を写真製版印刷により紙に印
刷し、この木目印刷紙にアクリル樹脂を含浸させた後、
上記木目印刷紙を、メラミン樹脂をバインダーとする木
質繊維板からなる基材上に水性高分子−イソシアネート
系からなる接着剤で接着し、上記木目印刷紙上に光安定
剤含有不飽和ポリエステル樹脂塗料を塗布し、この塗膜
表面にエンボス型を用いてエンボス加工を施し、このエ
ンボス層上に光安定剤含有アクリルポリウレタン系樹脂
塗料を塗布する方法を用いた。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
図1は、本発明の化粧板の一例を示す断面図である。こ
の化粧板は、木質板からなる基材1と、この基材1に接
着剤2を介して接着した木目印刷紙3と、この木目印刷
紙3上に形成されたエンボス層4と、このエンボス層4
の凹部を目止めしたワイピング層5と、上記エンボス層
4上およびワイピング層5上に形成された上塗り層6と
から構成される。
【0011】上記基材1に使用される木質材としては
水性、耐湿性などの点で、メラミン樹脂をバインダー
とする木質繊維板が用いられる。また、その厚さは、化
粧材の用途等により決定されるものであり、特に限定は
されないが、例えば、2〜60mmの範囲とされる。
【0012】上記接着剤2としては、基材1および木目
印刷紙3への接着性がよく、さらに耐湿性に優れた水性
高分子−イソシアネート系からなる接着剤が用いられ
る。そして、基板上に塗布される接着剤の厚さは、特に
限定はされないが、例えば、20〜50μmの範囲とさ
れる。
【0013】また、上記水性高分子−イソシアネート系
接着剤は、水溶性高分子および/または水性分散体を主
成分とする主剤と、ポリイソシアネート系化合物を主成
分とする架橋剤からなる。
【0014】上記ポリイソシアネート系化合物として
は、例えば、MDI、TDI、ヘキサメチレンジイソシ
アネート(以下HMDIと記す)、キシリレンジイソシ
アネート(以下XDIと記す)等が挙げられ、中でもM
DIが好適に用いられる。ポリイソシアネート系化合物
の使用量は、主剤100重量部に対し、1〜100重量
部とされる。ポリイソシアネート系化合物の使用量が、
1重量部未満では、接着剤2の硬化が不十分となり、1
00重量部を越えると、未反応のイソシアネートが増え
るため好ましくない。
【0015】上記木目印刷紙3は、原稿用木材の木目を
チタン紙に印刷したものである。ここで、チタン紙は、
隠蔽性をつけるために、パルプに酸化チタンを漉き込ん
で作られる。また、上記木目印刷紙3には、木目印刷紙
3の耐湿性を向上させ、さらに接着剤2およびエンボス
層4との接着性をよくするために、アクリル樹脂が含浸
させてある。
【0016】上記アクリル樹脂としては、例えば、(メ
タ)アクリル酸、フマル酸、無水マレイン酸等の不飽和
カルボン酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アク
リル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メ
タ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル等の(メタ)アク
リル酸エステル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)
アクリルアミド、スチレン、塩化ビニルなどを単独で、
もしくは複数組み合わせて重合させたものが用いられ
る。上記アクリル樹脂の重量平均分子量は、特に限定さ
れないが、例えば、500〜20,000の範囲とされ
る。
【0017】上記エンボス層4は、化粧板表面に木材の
触感を持たせるためのものであり、上記印刷紙3上に塗
布した不飽和ポリエステル樹脂の表面にエンボス加工を
施したものである。その厚さは、化粧材の用途等により
決定されるものであり、特に限定はされないが、例え
ば、200〜400μmの範囲とされる。上記不飽和ポ
リエステル樹脂としては、例えば、無水マレイン酸、無
水フタル酸等の二塩基酸と、エチレングリコール、プロ
ピレングリコール等の二価アルコールを原料にしたベー
スレジンに、スチレン等の反応性モノマーを含有させた
ものが挙げられる。
【0018】また、上記不飽和ポリエステル樹脂には、
紫外線による化粧板表面の色あせや変色を防止する目的
で、紫外線を吸収するベンゾトリアゾール系、ベンゾフ
ェノン系、サリチレート系、シアノアクリレート系など
の光安定剤が、不飽和ポリエステル樹脂固形分に対して
1〜5重量%添加される。光安定剤が1重量%未満で
は、紫外線吸収の硬化が不十分であり、5重量%を越え
ると、不飽和ポリエステル樹脂の木目印刷紙3に対する
接着性が低下するため好ましくない。上記ベンゾトリア
ゾール系の光安定剤としては、ベンゾトリアゾール、2
−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾ
トリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブ
チル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリ
アゾール等が挙げられ、上記ベンゾフェノン系の光安定
剤としては、ベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノ
ン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、o
−ベンゾイル安息香酸メチル等が挙げられる。また、サ
リチレート系の安定剤としては、4−t−ブチルフェニ
ルサリチレート等が挙げられ、シアノアクリレート系の
安定剤としては、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェ
ニルアクリレート等が挙げられる。
【0019】上記ワイピング層5は、木目の色調等を調
節するために、顔料を含むアクリルポリウレタン系樹脂
塗料を用いて、エンボス層4の凹部を目止めするように
形成される。上記アクリルポリウレタン系樹脂は、従来
の化粧板に使用されていたポリウレタン樹脂に比べ、耐
光性、接着性に優れており、ワイピング層5の色あせや
変色、剥離などを防止する。アクリルポリウレタン系樹
脂塗料としては、例えば、アクリルポリオール樹脂、顔
料、溶剤などを主成分とした主剤と、HMDIなどのポ
リイソシアネート系化合物を単独、もしくは混合したも
のを原料とする硬化剤などからなる透明、半透明塗料が
用いられる。
【0020】上記アクリルポリオール樹脂は、分子内に
水酸基を2個以上持つアクリル系樹脂であり、例えば、
(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル等の水酸基を
持つアクリル系単量体と、必要に応じて(メタ)アクリ
ル酸、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)
アクリロニトリル、スチレン等の他のアクリル系単量体
を単独で、もしくは複数組み合わせて重合させたもので
ある。
【0021】上記ポリイソシアネート系化合物として
は、例えば、MDI、HMDI、XDI等が挙げられ
る。中でも、HMDIを使用したアクリルポリウレタン
系樹脂は耐候性に優れるため、好適に用いられる。ポリ
イソシアネート系化合物の使用量は、主剤のアクリルポ
リオールの水酸基に対するポリイソシアネート系化合物
のイソシアネート基の当量が0.9〜1.2とされる。
ポリイソシアネート系化合物の使用量が、0.9当量未
満では、アクリルポリウレタン系樹脂の硬化が不十分と
なり、1.2当量を越えると、未反応のイソシアネート
が増えるため好ましくない。また、上記顔料としては、
例えば、酸化チタン、タルク、炭酸カルシウム等が挙げ
られる。
【0022】上記上塗り層6は、化粧板表面を保護する
とともに、化粧板に見栄えの良さ、木目の奥行き感、深
味感等を付与するものであり、アクリルポリウレタン系
樹脂からなる透明塗料を用いて、上記エンボス層4およ
びワイピング層5上に形成される。その厚さは、化粧材
の用途等により決定されるものであり、特に限定はされ
ないが、例えば、100μm程度とされる。
【0023】上記アクリルポリウレタン系樹脂は、従来
の化粧板に用いられていたポリエステルポリオール樹脂
/ポリイソシアネート系化合物(主にTDI)からなる
樹脂よりも耐光性、接着性に優れており、上塗り層6の
色あせや変色、剥離等を防止する。上記アクリルポリウ
レタン系樹脂塗料としては、上記ワイピング層5に用い
られたものと同様、アクリルポリオールとポリイソシア
ネート系化合物(主にHMDI)からなるものが用いら
れる。
【0024】また、上記アクリルポリウレタン系樹脂に
は、紫外線による化粧板表面の色あせや変色を防止する
目的で、紫外線を吸収するベンゾトリアゾール、ベンゾ
フェノン系の光安定剤が、アクリルポリウレタン系樹脂
固形分に対して1〜5重量%添加される。光安定剤が1
重量%未満では、紫外線吸収の硬化が不十分であり、5
重量%を越えると、アクリルポリウレタン系樹脂の接着
性が低下するため好ましくない。
【0025】次に、本発明の化粧板の製法について説明
する。まず、写真原稿用木材の表面の木目を写真撮影
し、この写真から写真製版によって印刷版を作成する。
写真製版には、この技術分野において広く知られている
通常の方法が用いられる。また、上記印刷版は、印刷す
る色数などの目的に応じて、1〜5版作成される。さら
に、上記写真原稿用木材の表面の凹凸をシリコンで型取
りしたシリコンエンボス型9を同時に作成しておく。
【0026】そして、図2に示すように、チタン紙7上
に上記写真製版によって得られた印刷版を使用して、写
真用原稿用木材の木目を原寸大で印刷し、印刷層8を形
成させることにより、木目印刷紙3が作成される。上記
印刷には、グラビア印刷、オフセット印刷、フレキソ印
刷などの通常の印刷方法が用いられる。また、印刷イン
キには、耐候性の良好なものを使用することが好まし
い。さらに、上記木目印刷紙3には、アクリル樹脂を含
浸させる。この含浸方法としては、例えば、木目印刷紙
3をアクリル樹脂液に浸し、必要に応じて加圧等の処理
を加える方法、木目印刷紙3にアクリル樹脂を塗布する
方法などが挙げられる。
【0027】ついで、図3に示すように、基材1上に接
着剤2を塗布し、その上に上記木目印刷紙3を積層し、
熱圧着を行うことによって、基材1と木目印刷紙3を接
着させる。上記熱圧着の方法としては、例えば、ホット
プレス、ホットロールなどを用いる方法が挙げられる。
【0028】次に、図4に示すように、上記木目印刷紙
3上に、光安定剤を含んだ不飽和ポリエステル樹脂から
なる透明塗料を塗布し、この不飽和ポリエステル樹脂が
未硬化のうちに、上記シリコンエンボス型9を不飽和ポ
リエステル樹脂上に木目印刷紙3の木目とシリコンエン
ボス型9の凹凸が一致するように重ね合わせる。そし
て、上記シリコンエンボス型9上から脱泡ロールを用い
て、不飽和ポリエステル樹脂とシリコンエンボス型9と
の間の残る空気を完全に脱泡し、不飽和ポリエステル樹
脂表面にエンボス加工を施し、ついで加熱して不飽和ポ
リエステル樹脂を硬化せしめる。このようにしてエンボ
ス層4が形成される。
【0029】そして、図5に示すように、顔料を含むア
クリルポリウレタン樹脂塗料を上記エンボス層4上に塗
布し、塗布直後に、余分な塗料を取り除く(ワイピン
グ)。そして、エンボス層4の凹部に残ったアクリルポ
リウレタン樹脂を硬化させ、必要に応じてその表面を研
磨することにより、ワイピング層5が、エンボス層4の
凹部を目止めするように形成される。
【0030】上記ワイピング層5が形成された板は、必
要に応じて製品の形状に加工される。そして、光安定剤
を含むアクリルポリウレタン系樹脂からなる透明塗料を
上記エンボス層4およびワイピング層5上に塗布、硬化
させ、ついで、その表面を研磨することによって上塗り
層6が形成される。また、上記塗布、硬化の工程は、化
粧板に見栄えの良さ、木目の奥行き感、深味感等を与え
るために、必要に応じて数回繰り返される。
【0031】このようにして得られた化粧版にあって
は、エンボス層4に紫外線を吸収する光安定剤が含ま
れ、上塗り層6に光安定剤を含むアクリルポリウレタン
系樹脂が用いられているので耐光性に優れており、化粧
板表面の色あせや変色を防止することができる。また、
接着剤2には水性高分子−イソシアネート系接着剤が用
いられ、そして、木目印刷紙3にはアクリル樹脂が含浸
させてあるので、木目印刷紙3、および基板1と木目印
刷紙3との接着部分の耐湿性に優れており、木目印刷紙
3の基材1からの剥離を防止することができる。
【0032】さらに、基材1として、耐水性、耐湿性に
優れたメラミン樹脂をバインダーとする木質繊維板を使
用することにより、吸湿による基材1の膨潤や木目印刷
紙3の剥離などを防止することができる。
【0033】以下、実施例を示す。 (実施例)まず、写真原稿用木材の表面の木目を、フィ
ルターを使用して色分解して3色分写真撮影し、これら
写真から写真製版によってグラビア版を3版作成した。
さらに、上記木材の表面の凹凸をシリコンで型取りした
シリコンエンボス型を同時に作成した。
【0034】80gチタン紙上に、上記写真製版によっ
て得られたグラビア版を使用して、写真用原稿用木材の
木目を原寸大で多色刷りのグラビア印刷機を使用して印
刷し、木目印刷紙を作成した。さらに、上記木目印刷紙
を重量平均分子量2000のアクリル樹脂液に浸し、木
目印刷紙100重量部に対し、アクリル樹脂を10重量
部含浸させた。
【0035】ついで、メラミン樹脂をバインダーとする
MDFからなる厚さ3.0mmの基材を用意した。この
基材上に、水性高分子−イソシアネート系接着剤を30
〜100g/m2 塗布し、その上に上記木目印刷紙を積
層し、ホットプレスにより熱圧着させた。
【0036】次に、上記木目印刷紙上に、ベンゾトリア
ゾールを2重量%含んだ不飽和ポリエステル樹脂からな
る透明塗料を塗布し、この不飽和ポリエステル樹脂が硬
化する前に、上記シリコンエンボス型をこの不飽和ポリ
エステル樹脂上に木目印刷紙の木目とシリコンエンボス
型の凹凸が一致するように重ね合わせ、表面にエンボス
加工を施し、加熱により不飽和ポリエステル樹脂を硬化
せしめて、厚さ約200〜400μmのエンボス層を形
成させた。
【0037】そして、顔料を5重量%含んだアクリルポ
リウレタン系樹脂塗料を上記エンボス層上に塗布し、塗
布直後に、余分な塗料を取り除き、そして、エンボス層
の凹部に残ったアクリルポリウレタン樹脂を硬化させ
て、エンボス層4の凹部を目止めするようにワイピング
層を形成させた。ここで、アクリルポリウレタン系樹脂
としては、アクリルポリオール樹脂の水酸基とHMDI
のイソシアネート基の当量比が1:1になるものを用い
た。
【0038】ついで、ベンゾトリアゾールを2重量%含
んだアクリルポリウレタン系樹脂からなる透明塗料を上
記エンボス層およびワイピング層上に塗布、硬化させ、
ついで、その表面を研磨した。この塗布、硬化、研磨の
工程を3回繰り返すことによって厚さ約30μmの上塗
り層を形成させ、目的の化粧板を得た。さらに、この化
粧板を目的の玄関ドアの大きさに切断し、パネル加工等
を加えて、玄関ドアを製造した。
【0039】このようにして得られた化粧板のサンプル
片を使用して、屋外において5年間の暴露試験を行った
結果、色あせ、変色、剥離等の問題はまったく起こらな
かった。また、上記玄関ドアも同様に、3年間の暴露試
験を行ったが、色あせ、変色、剥離等の問題はまったく
起こらなかった。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の化粧板お
よびその製法にあっては、耐湿性、耐光性などの耐候性
が従来に比べ向上しているので、屋外用の外装や玄関ド
ア等に使用可能な化粧板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の化粧板の一例を示す概略断面図であ
る。
【図2】 本発明の製法における印刷工程で得られる木
目印刷紙の一例を示す概略断面図である。
【図3】 本発明の製法における接着工程で得られる板
の一例を示す概略断面図である。
【図4】 本発明の製法におけるエンボス加工工程の一
例を示す概略断面図である。
【図5】 本発明の製法における目止め工程で得られる
板の一例を示す概略断面図である。
【図6】 従来の化粧板の一例を示す概略断面図であ
る。
【符号の説明】
1・・・基材、2・・・接着剤、3・・・木目印刷紙、4・・・エン
ボス層、6・・・上塗り層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材と、この基材に接着剤を介して接着
    された木目印刷紙と、この木目印刷紙上に形成されたエ
    ンボス層と、このエンボス層上に形成された上塗り層を
    有する化粧板であって、上記基材が、メラミン樹脂をバインダーとする木質繊維
    板からなり、 上記エンボス層が、光安定剤を含む不飽和ポリエステル
    樹脂からなり、 上記上塗り層が、光安定剤を含むアクリルポリウレタン
    系樹脂からなり、 上記接着剤が、水性高分子−イソシアネート系とからな
    り、 上記木目印刷紙には、アクリル樹脂が含浸されているこ
    とを特徴とする化粧板。
  2. 【請求項2】 エンボス層の凹部を目止めするワイピン
    グ層がさらに形成され、該ワイピング層が、アクリルポ
    リウレタン系樹脂からなることを特徴とする請求項1記
    載の化粧板。
  3. 【請求項3】 写真原稿用木材の木目を写真製版印刷に
    より紙に印刷し、この木目印刷紙にアクリル樹脂を含浸
    させたのち、上記木目印刷紙を、メラミン樹脂をバイン
    ダーとする木質繊維板からなる基材上に水性高分子−イ
    ソシアネート系からなる接着剤で接着し、上記木目印刷
    紙上に光安定剤が含有された不飽和ポリエステル樹脂塗
    料を塗布し、この塗膜表面にエンボス型を用いてエンボ
    ス加工を施して硬化させたのち、このエンボス層上に光
    安定剤が含有されたアクリルポリウレタン系樹脂塗料を
    塗布することを特徴とする化粧板の製法。
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