JP3221248B2 - 金型輪郭加工方法 - Google Patents
金型輪郭加工方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、圧型等の金型の形状
に対し加工軸方向へも削り代を有する金型素材に対す
る、前記金型の加工軸方向から見た輪郭形状の切削加工
を行う場合に用いて好適な、金型輪郭加工方法に関する
ものである。
に対し加工軸方向へも削り代を有する金型素材に対す
る、前記金型の加工軸方向から見た輪郭形状の切削加工
を行う場合に用いて好適な、金型輪郭加工方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】図5に示すように、金型としての圧型の
形状Fに対し加工軸方向(同図では上方)へも削り代C
(上部の図中破線で示す部分)を有する、鋳物等の圧型
素材1に対して、NC工作機械を用いて前記圧型の前記
加工軸方向(同図では上方)から見た輪郭形状の切削加
工を行う場合には、機械加工の効率向上および加工品質
向上のため、通常、同図に示す如く、先に、剛性が高
く、かつ工具の送り速度も上げられる大径工具2を図中
矢印2Aで示す工具経路に沿って移動させて、前記圧型輪
郭形状のうちその大径工具では削り残しが生ずる部分
(同図ではコーナー部A)を除いた部分を加工し、次い
でその大径工具が削り残した部分について、小径工具3
を図中矢印3Aで示す工具経路に沿って移動させて加工す
る、という加工手順を、先ず荒加工、次いで仕上げ加工
について、それぞれ行っている。
形状Fに対し加工軸方向(同図では上方)へも削り代C
(上部の図中破線で示す部分)を有する、鋳物等の圧型
素材1に対して、NC工作機械を用いて前記圧型の前記
加工軸方向(同図では上方)から見た輪郭形状の切削加
工を行う場合には、機械加工の効率向上および加工品質
向上のため、通常、同図に示す如く、先に、剛性が高
く、かつ工具の送り速度も上げられる大径工具2を図中
矢印2Aで示す工具経路に沿って移動させて、前記圧型輪
郭形状のうちその大径工具では削り残しが生ずる部分
(同図ではコーナー部A)を除いた部分を加工し、次い
でその大径工具が削り残した部分について、小径工具3
を図中矢印3Aで示す工具経路に沿って移動させて加工す
る、という加工手順を、先ず荒加工、次いで仕上げ加工
について、それぞれ行っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記小
径工具3は剛性の確保のため工具長さが短いことから、
その小径工具3での加工の際、図5に示すような、圧型
形状のうちで加工軸方向にきつい傾斜を持つ部分では、
上記コーナー部Aを拡大した図6(a)およびそのB−
B断面図である図6(b)に示すように、小径工具3を
保持する工具保持部4が上記削り代CのT部で干渉して
小径工具3を加工限界まで下げられず、削り残しRが生
じてしまう。それゆえ従来は、かかる加工軸方向にきつ
い傾斜を持つ部分の小径工具での自動加工は困難であっ
たため、その加工を残して自動加工した後に、マニュア
ル操作でその加工を行う必要があった。
径工具3は剛性の確保のため工具長さが短いことから、
その小径工具3での加工の際、図5に示すような、圧型
形状のうちで加工軸方向にきつい傾斜を持つ部分では、
上記コーナー部Aを拡大した図6(a)およびそのB−
B断面図である図6(b)に示すように、小径工具3を
保持する工具保持部4が上記削り代CのT部で干渉して
小径工具3を加工限界まで下げられず、削り残しRが生
じてしまう。それゆえ従来は、かかる加工軸方向にきつ
い傾斜を持つ部分の小径工具での自動加工は困難であっ
たため、その加工を残して自動加工した後に、マニュア
ル操作でその加工を行う必要があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記従来の
圧型の輪郭形状加工の際の課題を有利に解決した加工方
法を提供することを目的とするものであり、この発明の
金型輪郭加工方法は、金型形状に対し加工軸方向へも削
り代を有する金型素材に対する、前記金型の加工軸方向
から見た輪郭形状の切削加工を行うに際し、先ず大径工
具で、前記金型輪郭形状のうちその大径工具では削り残
しが生ずる部分を除いた部分の加工を行い、次いで逃が
し加工用工具で、前記金型素材の加工軸方向の削り代の
うち、前記金型輪郭形状のうち前記大径工具では削り残
しが生ずる部分の小径工具による加工の際その小径工具
の工具保持部に干渉する部分の逃がし加工を行い、その
後に前記小径工具で、前記金型輪郭形状のうち前記大径
工具では削り残しが生ずる部分を加工することを特徴と
するものである。
圧型の輪郭形状加工の際の課題を有利に解決した加工方
法を提供することを目的とするものであり、この発明の
金型輪郭加工方法は、金型形状に対し加工軸方向へも削
り代を有する金型素材に対する、前記金型の加工軸方向
から見た輪郭形状の切削加工を行うに際し、先ず大径工
具で、前記金型輪郭形状のうちその大径工具では削り残
しが生ずる部分を除いた部分の加工を行い、次いで逃が
し加工用工具で、前記金型素材の加工軸方向の削り代の
うち、前記金型輪郭形状のうち前記大径工具では削り残
しが生ずる部分の小径工具による加工の際その小径工具
の工具保持部に干渉する部分の逃がし加工を行い、その
後に前記小径工具で、前記金型輪郭形状のうち前記大径
工具では削り残しが生ずる部分を加工することを特徴と
するものである。
【0005】なお、前記方法においては、前記逃がし加
工用工具の外径を、前記小径工具の工具保持部の外径よ
りも大きくし、前記逃がし加工の際に前記逃がし加工用
工具を、前記金型輪郭形状のうち前記大径工具では削り
残しが生ずる部分の加工の際の前記小径工具の工具軌跡
を加工軸方向へ前記小径工具の工具長に応じた所定距離
だけ移した工具軌跡に沿って移動させるようにしても良
い。
工用工具の外径を、前記小径工具の工具保持部の外径よ
りも大きくし、前記逃がし加工の際に前記逃がし加工用
工具を、前記金型輪郭形状のうち前記大径工具では削り
残しが生ずる部分の加工の際の前記小径工具の工具軌跡
を加工軸方向へ前記小径工具の工具長に応じた所定距離
だけ移した工具軌跡に沿って移動させるようにしても良
い。
【0006】さらに、前記方法においては、上記のよう
にする場合に、前記逃がし加工用工具の工具軌跡にアプ
ローチ軌跡を付加するに際し、前記逃がし加工用工具の
工具軌跡の始点にその工具軌跡と直交する方向に所定距
離のアプローチ軌跡を仮に付加して、その付加したアプ
ローチ軌跡の始点と前記金型輪郭形状との間の距離を求
め、前記求めた距離が所定離間距離より短くない場合に
は、前記仮に付加したアプローチ軌跡をそのまま用い、
前記求めた距離が所定離間距離より短い場合には、前記
金型輪郭形状との間の距離が前記所定離間距離となる位
置を求めて、その求めた位置から前記逃がし加工用工具
の工具軌跡の始点に至る軌跡をアプローチ軌跡として付
加するようにしても良い。
にする場合に、前記逃がし加工用工具の工具軌跡にアプ
ローチ軌跡を付加するに際し、前記逃がし加工用工具の
工具軌跡の始点にその工具軌跡と直交する方向に所定距
離のアプローチ軌跡を仮に付加して、その付加したアプ
ローチ軌跡の始点と前記金型輪郭形状との間の距離を求
め、前記求めた距離が所定離間距離より短くない場合に
は、前記仮に付加したアプローチ軌跡をそのまま用い、
前記求めた距離が所定離間距離より短い場合には、前記
金型輪郭形状との間の距離が前記所定離間距離となる位
置を求めて、その求めた位置から前記逃がし加工用工具
の工具軌跡の始点に至る軌跡をアプローチ軌跡として付
加するようにしても良い。
【0007】また、この発明の金型輪郭加工方法に用い
得る金型輪郭加工用NCデータ作成装置は、金型形状を
表す形状データに基づき、NC工作機械に前記金型形状
に対し加工軸方向へも削り代を有する金型素材に対する
前記金型の加工軸方向から見た輪郭形状の切削加工を行
わせるNCデータを作成する装置において、前記金型素
材の加工軸方向の削り代のうち、前記金型輪郭形状のう
ち大径工具では削り残しが生ずる部分の小径工具による
加工の際その小径工具の工具保持部に干渉する部分の逃
がし加工を逃がし加工用工具で行わせる逃がし加工用N
Cデータを作成する逃がし加工用NCデータ作成手段を
具えることを特徴とするものである。
得る金型輪郭加工用NCデータ作成装置は、金型形状を
表す形状データに基づき、NC工作機械に前記金型形状
に対し加工軸方向へも削り代を有する金型素材に対する
前記金型の加工軸方向から見た輪郭形状の切削加工を行
わせるNCデータを作成する装置において、前記金型素
材の加工軸方向の削り代のうち、前記金型輪郭形状のう
ち大径工具では削り残しが生ずる部分の小径工具による
加工の際その小径工具の工具保持部に干渉する部分の逃
がし加工を逃がし加工用工具で行わせる逃がし加工用N
Cデータを作成する逃がし加工用NCデータ作成手段を
具えることを特徴とするものである。
【0008】なお、前記装置における、前記逃がし加工
用NCデータ作成手段は、前記逃がし加工用NCデータ
として、前記小径工具の工具保持部の外径よりも大きい
外径の前記逃がし加工用工具を、前記金型輪郭形状のう
ち前記大径工具では削り残しが生ずる部分の加工の際の
前記小径工具の工具軌跡を加工軸方向へ前記小径工具の
工具長に応じた所定距離だけ移した工具軌跡に沿って移
動させるNCデータを作成するものであっても良い。
用NCデータ作成手段は、前記逃がし加工用NCデータ
として、前記小径工具の工具保持部の外径よりも大きい
外径の前記逃がし加工用工具を、前記金型輪郭形状のう
ち前記大径工具では削り残しが生ずる部分の加工の際の
前記小径工具の工具軌跡を加工軸方向へ前記小径工具の
工具長に応じた所定距離だけ移した工具軌跡に沿って移
動させるNCデータを作成するものであっても良い。
【0009】さらに、前記装置における、前記逃がし加
工用NCデータ作成手段は、上記のようにする場合に、
前記逃がし加工用工具の工具軌跡にアプローチ軌跡を付
加するアプローチ用NCデータを作成するアプローチ用
NCデータ作成手段を具えても良く、その場合に、前記
アプローチ用NCデータ作成手段は、前記逃がし加工用
工具の工具軌跡の始点にその工具軌跡と直交する方向に
所定距離のアプローチ軌跡を仮に付加してその付加した
アプローチ軌跡の始点と前記金型輪郭形状との間の距離
を求め、前記求めた距離が所定離間距離より短くない場
合は、前記仮に付加したアプローチ軌跡をそのまま用い
て前記アプローチ用NCデータを作成し、前記求めた距
離が所定離間距離より短い場合は、前記金型輪郭形状と
の間の距離が前記所定離間距離となる位置を求め、その
求めた位置から前記逃がし加工用工具の工具軌跡の始点
に至る軌跡をアプローチ軌跡として前記アプローチ用N
Cデータを作成するものであっても良い。
工用NCデータ作成手段は、上記のようにする場合に、
前記逃がし加工用工具の工具軌跡にアプローチ軌跡を付
加するアプローチ用NCデータを作成するアプローチ用
NCデータ作成手段を具えても良く、その場合に、前記
アプローチ用NCデータ作成手段は、前記逃がし加工用
工具の工具軌跡の始点にその工具軌跡と直交する方向に
所定距離のアプローチ軌跡を仮に付加してその付加した
アプローチ軌跡の始点と前記金型輪郭形状との間の距離
を求め、前記求めた距離が所定離間距離より短くない場
合は、前記仮に付加したアプローチ軌跡をそのまま用い
て前記アプローチ用NCデータを作成し、前記求めた距
離が所定離間距離より短い場合は、前記金型輪郭形状と
の間の距離が前記所定離間距離となる位置を求め、その
求めた位置から前記逃がし加工用工具の工具軌跡の始点
に至る軌跡をアプローチ軌跡として前記アプローチ用N
Cデータを作成するものであっても良い。
【0010】
【作用】この発明の金型輪郭加工方法にあっては、金型
形状に対し加工軸方向へも削り代を有する金型素材に対
する、前記金型の加工軸方向から見た輪郭形状の切削加
工を行うに際し、先ず大径工具で、前記金型輪郭形状の
うちその大径工具では削り残しが生ずる部分を除いた部
分の加工を行い、次いで逃がし加工用工具で、前記金型
素材の加工軸方向の削り代のうち、前記金型輪郭形状の
うち前記大径工具では削り残しが生ずる部分の小径工具
による加工の際その小径工具の工具保持部に干渉する部
分の逃がし加工を行い、その後に前記小径工具で、前記
金型輪郭形状のうち前記大径工具では削り残しが生ずる
部分を加工する。
形状に対し加工軸方向へも削り代を有する金型素材に対
する、前記金型の加工軸方向から見た輪郭形状の切削加
工を行うに際し、先ず大径工具で、前記金型輪郭形状の
うちその大径工具では削り残しが生ずる部分を除いた部
分の加工を行い、次いで逃がし加工用工具で、前記金型
素材の加工軸方向の削り代のうち、前記金型輪郭形状の
うち前記大径工具では削り残しが生ずる部分の小径工具
による加工の際その小径工具の工具保持部に干渉する部
分の逃がし加工を行い、その後に前記小径工具で、前記
金型輪郭形状のうち前記大径工具では削り残しが生ずる
部分を加工する。
【0011】従って、この発明の方法によれば、自動加
工を行っても、金型輪郭形状のうち大径工具では削り残
しが生ずる部分を小径工具によって加工する際には、既
に、金型素材の加工軸方向の削り代のうち小径工具の工
具保持部に干渉する部分を逃がし加工用工具で逃がし加
工してあることから、加工軸方向の削り代と工具保持部
との干渉を回避し得て、不都合なくその小径工具での加
工を行うことができ、それゆえ自動加工後の小径工具で
のマニュアル加工を省き得て、工数の削減および加工時
間の短縮をもたらすことができる。
工を行っても、金型輪郭形状のうち大径工具では削り残
しが生ずる部分を小径工具によって加工する際には、既
に、金型素材の加工軸方向の削り代のうち小径工具の工
具保持部に干渉する部分を逃がし加工用工具で逃がし加
工してあることから、加工軸方向の削り代と工具保持部
との干渉を回避し得て、不都合なくその小径工具での加
工を行うことができ、それゆえ自動加工後の小径工具で
のマニュアル加工を省き得て、工数の削減および加工時
間の短縮をもたらすことができる。
【0012】なお、前記逃がし加工用工具の外径を、前
記小径工具の工具保持部の外径よりも大きくし、前記逃
がし加工の際に前記逃がし加工用工具を、前記金型輪郭
形状のうち前記大径工具では削り残しが生ずる部分の加
工の際の前記小径工具の工具軌跡を加工軸方向へ前記小
径工具の工具長に応じた所定距離だけ移した工具軌跡に
沿って移動させるようにすれば、逃がし加工の際に、小
径工具の工具保持部の外径よりも大きい外径の逃がし加
工用工具で、加工軸方向の削り代から、その後の小径工
具での加工時に工具保持部が移動する部分を削り取っ
て、その工具保持部の移動のための空間を確保し得るの
で、金型輪郭形状のうち大径工具では削り残しが生ずる
部分を小径工具によって加工する際に、加工軸方向の削
り代と工具保持部との干渉を容易かつ確実に回避するこ
とができる。
記小径工具の工具保持部の外径よりも大きくし、前記逃
がし加工の際に前記逃がし加工用工具を、前記金型輪郭
形状のうち前記大径工具では削り残しが生ずる部分の加
工の際の前記小径工具の工具軌跡を加工軸方向へ前記小
径工具の工具長に応じた所定距離だけ移した工具軌跡に
沿って移動させるようにすれば、逃がし加工の際に、小
径工具の工具保持部の外径よりも大きい外径の逃がし加
工用工具で、加工軸方向の削り代から、その後の小径工
具での加工時に工具保持部が移動する部分を削り取っ
て、その工具保持部の移動のための空間を確保し得るの
で、金型輪郭形状のうち大径工具では削り残しが生ずる
部分を小径工具によって加工する際に、加工軸方向の削
り代と工具保持部との干渉を容易かつ確実に回避するこ
とができる。
【0013】さらに、前記逃がし加工用工具の工具軌跡
に、アプローチ軌跡を付加するに際し、前記逃がし加工
用工具の工具軌跡の始点にその工具軌跡と直交する方向
に所定距離のアプローチ軌跡を仮に付加して、その付加
したアプローチ軌跡の始点と前記金型輪郭形状との間の
距離を求め、前記求めた距離が所定離間距離より短くな
い場合には、前記仮に付加したアプローチ軌跡をそのま
ま用い、前記求めた距離が所定離間距離より短い場合に
は、前記金型輪郭形状との間の距離が前記所定離間距離
となる位置を求めて、その求めた位置から前記逃がし加
工用工具の工具軌跡の始点に至る軌跡をアプローチ軌跡
として付加するようにすれば、逃がし加工の工具軌跡の
始点に逃がし加工用工具を移動させるアプローチの際に
金型輪郭形状との間に適切な距離をおいた位置から逃が
し加工用工具を移動させ得て、逃がし加工用工具が過大
な切削負荷によって破損するような事態を有効に防止す
ることができる。
に、アプローチ軌跡を付加するに際し、前記逃がし加工
用工具の工具軌跡の始点にその工具軌跡と直交する方向
に所定距離のアプローチ軌跡を仮に付加して、その付加
したアプローチ軌跡の始点と前記金型輪郭形状との間の
距離を求め、前記求めた距離が所定離間距離より短くな
い場合には、前記仮に付加したアプローチ軌跡をそのま
ま用い、前記求めた距離が所定離間距離より短い場合に
は、前記金型輪郭形状との間の距離が前記所定離間距離
となる位置を求めて、その求めた位置から前記逃がし加
工用工具の工具軌跡の始点に至る軌跡をアプローチ軌跡
として付加するようにすれば、逃がし加工の工具軌跡の
始点に逃がし加工用工具を移動させるアプローチの際に
金型輪郭形状との間に適切な距離をおいた位置から逃が
し加工用工具を移動させ得て、逃がし加工用工具が過大
な切削負荷によって破損するような事態を有効に防止す
ることができる。
【0014】また、前記金型輪郭加工用NCデータ作成
装置にあっては、金型形状を表す形状データに基づき、
NC工作機械に前記金型形状に対し加工軸方向へも削り
代を有する金型素材に対する前記金型の加工軸方向から
見た輪郭形状の切削加工を行わせるNCデータを作成
し、その際、特に逃がし加工用NCデータ作成手段が、
前記金型素材の加工軸方向の削り代のうち、前記金型輪
郭形状のうち大径工具では削り残しが生ずる部分の小径
工具による加工の際その小径工具の工具保持部に干渉す
る部分の逃がし加工を逃がし加工用工具で行わせる逃が
し加工用NCデータを作成する。
装置にあっては、金型形状を表す形状データに基づき、
NC工作機械に前記金型形状に対し加工軸方向へも削り
代を有する金型素材に対する前記金型の加工軸方向から
見た輪郭形状の切削加工を行わせるNCデータを作成
し、その際、特に逃がし加工用NCデータ作成手段が、
前記金型素材の加工軸方向の削り代のうち、前記金型輪
郭形状のうち大径工具では削り残しが生ずる部分の小径
工具による加工の際その小径工具の工具保持部に干渉す
る部分の逃がし加工を逃がし加工用工具で行わせる逃が
し加工用NCデータを作成する。
【0015】従って、この装置によれば、大径工具での
加工と小径工具での加工との間に、その小径工具での加
工の際の工具保持部と金型素材の加工軸方向の削り代と
の干渉を防止するために行う逃がし加工のための、逃が
し加工用NCデータを作成し得るので、金型素材に対す
る、加工軸方向から見た金型輪郭形状の切削加工を行わ
せるNCデータ中に、その逃がし加工用NCデータを加
えることで、その輪郭形状の切削加工を行わせるNCデ
ータによってNC工作機械で自動加工を行っても、大径
工具で前記金型輪郭形状のうちその大径工具では削り残
しが生ずる部分を除いた部分の加工を行った後、その大
径工具では削り残しが生ずる部分を小径工具によって加
工する際に、加工軸方向の削り代と工具保持部との干渉
を回避し得て、不都合なくその小径工具での加工を行う
ことができ、それゆえ自動加工後の小径工具でのマニュ
アル加工を省き得て、工数の削減および加工時間の短縮
をもたらすことができる。
加工と小径工具での加工との間に、その小径工具での加
工の際の工具保持部と金型素材の加工軸方向の削り代と
の干渉を防止するために行う逃がし加工のための、逃が
し加工用NCデータを作成し得るので、金型素材に対す
る、加工軸方向から見た金型輪郭形状の切削加工を行わ
せるNCデータ中に、その逃がし加工用NCデータを加
えることで、その輪郭形状の切削加工を行わせるNCデ
ータによってNC工作機械で自動加工を行っても、大径
工具で前記金型輪郭形状のうちその大径工具では削り残
しが生ずる部分を除いた部分の加工を行った後、その大
径工具では削り残しが生ずる部分を小径工具によって加
工する際に、加工軸方向の削り代と工具保持部との干渉
を回避し得て、不都合なくその小径工具での加工を行う
ことができ、それゆえ自動加工後の小径工具でのマニュ
アル加工を省き得て、工数の削減および加工時間の短縮
をもたらすことができる。
【0016】なお、前記装置における前記逃がし加工用
NCデータ作成手段を、前記逃がし加工用NCデータと
して、前記小径工具の工具保持部の外径よりも大きい外
径の前記逃がし加工用工具を、前記金型輪郭形状のうち
前記大径工具では削り残しが生ずる部分の加工の際の前
記小径工具の工具軌跡を加工軸方向へ前記小径工具の工
具長に応じた所定距離だけ移した工具軌跡に沿って移動
させるNCデータを作成するものとすれば、逃がし加工
用NCデータ作成手段が、小径工具での加工の際の加工
軸方向の削り代と工具保持部との干渉を確実に回避し得
る逃がし加工用NCデータを、容易に作成することがで
きる。
NCデータ作成手段を、前記逃がし加工用NCデータと
して、前記小径工具の工具保持部の外径よりも大きい外
径の前記逃がし加工用工具を、前記金型輪郭形状のうち
前記大径工具では削り残しが生ずる部分の加工の際の前
記小径工具の工具軌跡を加工軸方向へ前記小径工具の工
具長に応じた所定距離だけ移した工具軌跡に沿って移動
させるNCデータを作成するものとすれば、逃がし加工
用NCデータ作成手段が、小径工具での加工の際の加工
軸方向の削り代と工具保持部との干渉を確実に回避し得
る逃がし加工用NCデータを、容易に作成することがで
きる。
【0017】さらに、前記装置における前記逃がし加工
用NCデータ作成手段を、前記逃がし加工用工具の工具
軌跡にアプローチ軌跡を付加するアプローチ用NCデー
タを作成するアプローチ用NCデータ作成手段を具える
ものとして、そのアプローチ用NCデータ作成手段を、
前記逃がし加工用工具の工具軌跡の始点にその工具軌跡
と直交する方向に所定距離のアプローチ軌跡を仮に付加
してその付加したアプローチ軌跡の始点と前記金型輪郭
形状との間の距離を求め、前記求めた距離が所定離間距
離より短くない場合は、前記仮に付加したアプローチ軌
跡をそのまま用いて前記アプローチ用NCデータを作成
し、前記求めた距離が所定離間距離より短い場合は、前
記金型輪郭形状との間の距離が前記所定離間距離となる
位置を求め、その求めた位置から前記逃がし加工用工具
の工具軌跡の始点に至る軌跡をアプローチ軌跡として前
記アプローチ用NCデータを作成するものとすれば、逃
がし加工用NCデータに、逃がし加工の工具軌跡の始点
に逃がし加工用工具を移動させるアプローチの際に金型
輪郭形状との間に適切な距離をおいた位置から逃がし加
工用工具を移動させ得るアプローチ用NCデータを付加
し得て、逃がし加工用工具がアプローチの際に過大な切
削負荷によって破損するような事態を有効に防止するこ
とができる。
用NCデータ作成手段を、前記逃がし加工用工具の工具
軌跡にアプローチ軌跡を付加するアプローチ用NCデー
タを作成するアプローチ用NCデータ作成手段を具える
ものとして、そのアプローチ用NCデータ作成手段を、
前記逃がし加工用工具の工具軌跡の始点にその工具軌跡
と直交する方向に所定距離のアプローチ軌跡を仮に付加
してその付加したアプローチ軌跡の始点と前記金型輪郭
形状との間の距離を求め、前記求めた距離が所定離間距
離より短くない場合は、前記仮に付加したアプローチ軌
跡をそのまま用いて前記アプローチ用NCデータを作成
し、前記求めた距離が所定離間距離より短い場合は、前
記金型輪郭形状との間の距離が前記所定離間距離となる
位置を求め、その求めた位置から前記逃がし加工用工具
の工具軌跡の始点に至る軌跡をアプローチ軌跡として前
記アプローチ用NCデータを作成するものとすれば、逃
がし加工用NCデータに、逃がし加工の工具軌跡の始点
に逃がし加工用工具を移動させるアプローチの際に金型
輪郭形状との間に適切な距離をおいた位置から逃がし加
工用工具を移動させ得るアプローチ用NCデータを付加
し得て、逃がし加工用工具がアプローチの際に過大な切
削負荷によって破損するような事態を有効に防止するこ
とができる。
【0018】
【実施例】以下に、この発明の実施例を図面に基づき詳
細に説明する。図1は、この発明の金型輪郭加工方法の
一実施例を示す説明図であり、この実施例の方法では、
図5に示す、金型としての圧型の形状Fに対し加工軸方
向(同図では上方)へも削り代C(上部の図中破線で示
す部分)を有する、鋳物等で形成された圧型素材1に対
して、NC工作機械を用いて、前記圧型形状Fの、加工
軸方向(同図では上方)から見た輪郭形状の切削加工を
行い、その切削加工の際、先ず、図5に示す従来の方法
と同様に、大径工具2で、上記圧型輪郭形状のうちその
大径工具では削り残しが生ずる部分を除いた部分の加工
を行う。
細に説明する。図1は、この発明の金型輪郭加工方法の
一実施例を示す説明図であり、この実施例の方法では、
図5に示す、金型としての圧型の形状Fに対し加工軸方
向(同図では上方)へも削り代C(上部の図中破線で示
す部分)を有する、鋳物等で形成された圧型素材1に対
して、NC工作機械を用いて、前記圧型形状Fの、加工
軸方向(同図では上方)から見た輪郭形状の切削加工を
行い、その切削加工の際、先ず、図5に示す従来の方法
と同様に、大径工具2で、上記圧型輪郭形状のうちその
大径工具では削り残しが生ずる部分を除いた部分の加工
を行う。
【0019】次いでこの実施例の方法では、図1(a)
に示すように、逃がし加工用工具5で、上記圧型素材1
の加工軸方向の削り代Cのうち、上記圧型輪郭形状のう
ち上記大径工具2では削り残しが生ずる図5に示すコー
ナー部Aの小径工具3による加工の際にその小径工具3
の工具保持部4に干渉する部分G(図1(a)中にクロ
スハッチで示す)を削り取る逃がし加工を行い、その後
に、図1(b)に示すように、上記小径工具3で、上記
圧型輪郭形状のうち上記大径工具2では削り残しが生ず
るコーナー部Aを加工する。
に示すように、逃がし加工用工具5で、上記圧型素材1
の加工軸方向の削り代Cのうち、上記圧型輪郭形状のう
ち上記大径工具2では削り残しが生ずる図5に示すコー
ナー部Aの小径工具3による加工の際にその小径工具3
の工具保持部4に干渉する部分G(図1(a)中にクロ
スハッチで示す)を削り取る逃がし加工を行い、その後
に、図1(b)に示すように、上記小径工具3で、上記
圧型輪郭形状のうち上記大径工具2では削り残しが生ず
るコーナー部Aを加工する。
【0020】従ってこの実施例の方法によれば、NC工
作機械で上記圧型輪郭形状の自動加工を行っても、圧型
輪郭形状のうち大径工具2では削り残しが生ずるコーナ
ー部Aを小径工具3によって加工する際には、既に圧型
素材の加工軸方向の削り代Cのうち小径工具3の工具保
持部4に干渉する部分を逃がし加工用工具5で逃がし加
工してあることから、加工軸方向の削り代Cと工具保持
部4との干渉を回避し得て、不都合なくその小径工具3
での加工を行うことができ、それゆえ自動加工後の小径
工具3でのマニュアル加工を省くことができるので、工
数の削減および加工時間の短縮をもたらすことができ
る。
作機械で上記圧型輪郭形状の自動加工を行っても、圧型
輪郭形状のうち大径工具2では削り残しが生ずるコーナ
ー部Aを小径工具3によって加工する際には、既に圧型
素材の加工軸方向の削り代Cのうち小径工具3の工具保
持部4に干渉する部分を逃がし加工用工具5で逃がし加
工してあることから、加工軸方向の削り代Cと工具保持
部4との干渉を回避し得て、不都合なくその小径工具3
での加工を行うことができ、それゆえ自動加工後の小径
工具3でのマニュアル加工を省くことができるので、工
数の削減および加工時間の短縮をもたらすことができ
る。
【0021】なお、この実施例では上記逃がし加工の際
に、図2に示すように、逃がし加工用工具5の外径を、
上記小径工具3の工具保持部4の外径よりも大きく、具
体的には、上記NC工作機械の制御用のNCデータの作
成の際の工具干渉チェック用にその工具保持部4よりひ
と回り大きく拡張して設定した干渉チェック用工具保持
部4Lの外径に実質的に等しくし(その干渉チェック用工
具保持部4Lの外径と上記大径工具2の外径とが実質的に
等しければ、逃がし加工用工具5として大径工具2をそ
のまま用いても良い)、その逃がし加工用工具5を、上
記圧型輪郭形状のうち大径工具2では削り残しが生ずる
コーナー部Aの加工の際の小径工具3の工具軌跡3A(図
2では断面ゆえ点3Aで示す)を加工軸方向(図2では上
方)へその小径工具3の工具長に応じた所定距離L(こ
こでは工具長から上記干渉チェック用工具保持部4Lの拡
張分を引いた距離)だけ移した工具軌跡5A(図2では断
面ゆえ点5Aで示す)に沿って移動させる。
に、図2に示すように、逃がし加工用工具5の外径を、
上記小径工具3の工具保持部4の外径よりも大きく、具
体的には、上記NC工作機械の制御用のNCデータの作
成の際の工具干渉チェック用にその工具保持部4よりひ
と回り大きく拡張して設定した干渉チェック用工具保持
部4Lの外径に実質的に等しくし(その干渉チェック用工
具保持部4Lの外径と上記大径工具2の外径とが実質的に
等しければ、逃がし加工用工具5として大径工具2をそ
のまま用いても良い)、その逃がし加工用工具5を、上
記圧型輪郭形状のうち大径工具2では削り残しが生ずる
コーナー部Aの加工の際の小径工具3の工具軌跡3A(図
2では断面ゆえ点3Aで示す)を加工軸方向(図2では上
方)へその小径工具3の工具長に応じた所定距離L(こ
こでは工具長から上記干渉チェック用工具保持部4Lの拡
張分を引いた距離)だけ移した工具軌跡5A(図2では断
面ゆえ点5Aで示す)に沿って移動させる。
【0022】これにより逃がし加工用工具5は、小径工
具3での加工を行わせるNCデータの工具干渉チェック
の際に干渉チェック用工具保持部4Lが移動する経路を移
動して、上記圧型素材1の加工軸方向の削り代Cを逃が
し加工することになり、それゆえ実際の小径工具3での
加工の際には、上記工具干渉チェック用工具保持部4Lよ
りもひと回り小さい工具保持部4は、上記削り代Cと全
く干渉することなく移動することができる。従って上記
のようにすれば、小径工具3でのコーナー部Aの加工の
際の加工軸方向の削り代Cと工具保持部4との干渉を、
容易かつ確実に回避することができる。
具3での加工を行わせるNCデータの工具干渉チェック
の際に干渉チェック用工具保持部4Lが移動する経路を移
動して、上記圧型素材1の加工軸方向の削り代Cを逃が
し加工することになり、それゆえ実際の小径工具3での
加工の際には、上記工具干渉チェック用工具保持部4Lよ
りもひと回り小さい工具保持部4は、上記削り代Cと全
く干渉することなく移動することができる。従って上記
のようにすれば、小径工具3でのコーナー部Aの加工の
際の加工軸方向の削り代Cと工具保持部4との干渉を、
容易かつ確実に回避することができる。
【0023】図3は、NC工作機械に上述した逃がし加
工用工具5での逃がし加工を行わせる逃がし加工用NC
データを作成するために、この発明の金型輪郭加工用N
Cデータ作成装置の一実施例が実行する処理の内容を示
すフローチャートであり、この実施例の装置は具体的に
は、通常のコンピュータを具えるいわゆるCAM(コン
ピュータ支援加工)システムによって構成されていて、
圧型形状を表す形状データ(例えばCAD(コンピュー
タ支援設計)システムで作成した3次元圧型形状モデ
ル)に基づき、NC工作機械に上記圧型素材1に対する
上記加工軸方向から見た圧型輪郭形状の切削加工を上記
大径工具2、逃がし加工用工具5および小径工具3を用
いて行わせるNCデータを作成する。なお、圧型形状の
3次元CADデータから、その加工軸方向からみた輪郭
形状の加工を大径工具2および小径工具3を用いて行わ
せるNCデータを作成する方法については、従来と同様
であって既知であるのでここでは説明を省略する。
工用工具5での逃がし加工を行わせる逃がし加工用NC
データを作成するために、この発明の金型輪郭加工用N
Cデータ作成装置の一実施例が実行する処理の内容を示
すフローチャートであり、この実施例の装置は具体的に
は、通常のコンピュータを具えるいわゆるCAM(コン
ピュータ支援加工)システムによって構成されていて、
圧型形状を表す形状データ(例えばCAD(コンピュー
タ支援設計)システムで作成した3次元圧型形状モデ
ル)に基づき、NC工作機械に上記圧型素材1に対する
上記加工軸方向から見た圧型輪郭形状の切削加工を上記
大径工具2、逃がし加工用工具5および小径工具3を用
いて行わせるNCデータを作成する。なお、圧型形状の
3次元CADデータから、その加工軸方向からみた輪郭
形状の加工を大径工具2および小径工具3を用いて行わ
せるNCデータを作成する方法については、従来と同様
であって既知であるのでここでは説明を省略する。
【0024】図3に示す処理では、先ずステップ11で、
あらかじめ作成した小径工具3の工具経路の2次元NC
データを読み込んで、小径工具3の上記干渉チェック用
工具保持部4Lと3次元圧型形状モデルが表す上記圧型形
状Fとの干渉チェック(削り代Cとの干渉は逃がし加工
で避け得るので問題とならない)を行い、その小径工具
3の加工限界すなわち上記圧型輪郭形状のうち大径工具
2では削り残しが生ずる部分をその小径工具3で削り残
しなくかつ上記干渉チェック用工具保持部4Lと圧型形状
Fとの干渉もなく加工し得る工具高さを得て、上記小径
工具3の2次元NCデータにその工具高さを加えた、小
径工具3の工具経路の3次元NCデータを、一旦記録す
る。
あらかじめ作成した小径工具3の工具経路の2次元NC
データを読み込んで、小径工具3の上記干渉チェック用
工具保持部4Lと3次元圧型形状モデルが表す上記圧型形
状Fとの干渉チェック(削り代Cとの干渉は逃がし加工
で避け得るので問題とならない)を行い、その小径工具
3の加工限界すなわち上記圧型輪郭形状のうち大径工具
2では削り残しが生ずる部分をその小径工具3で削り残
しなくかつ上記干渉チェック用工具保持部4Lと圧型形状
Fとの干渉もなく加工し得る工具高さを得て、上記小径
工具3の2次元NCデータにその工具高さを加えた、小
径工具3の工具経路の3次元NCデータを、一旦記録す
る。
【0025】次いでここではステップ12で、その小径工
具3の工具経路の3次元NCデータを読み込んで、その
小径工具3の工具経路の高さを、小径工具3の上記干渉
チェック用工具保持部4Lの位置まで、すなわち上記距離
Lだけ上げ、それによって得た工具経路のNCデータ
を、コーナー部Aの逃がし加工用3次元NCデータとし
て記録する。
具3の工具経路の3次元NCデータを読み込んで、その
小径工具3の工具経路の高さを、小径工具3の上記干渉
チェック用工具保持部4Lの位置まで、すなわち上記距離
Lだけ上げ、それによって得た工具経路のNCデータ
を、コーナー部Aの逃がし加工用3次元NCデータとし
て記録する。
【0026】かかる処理によれば、上記圧型素材1の加
工軸方向の削り代Cのうち、上記圧型輪郭形状のうち上
記大径工具2では削り残しが生ずる部分を小径工具3に
よって加工する際その小径工具3の工具保持部4に干渉
する部分の逃がし加工を、上記逃がし加工用工具5で行
わせる、逃がし加工用NCデータを作成することがで
き、従って、この図3に示す処理を実行する前記CAM
システムは前記逃がし加工用NCデータ作成手段に相当
し、ここで、図3中のステップ11を実行する前記CAM
システムは小径工具3次元NCデータ作成部に、また図
3中のステップ12を実行する前記CAMシステムは逃が
し加工用3次元NCデータ作成部にそれぞれ相当する。
工軸方向の削り代Cのうち、上記圧型輪郭形状のうち上
記大径工具2では削り残しが生ずる部分を小径工具3に
よって加工する際その小径工具3の工具保持部4に干渉
する部分の逃がし加工を、上記逃がし加工用工具5で行
わせる、逃がし加工用NCデータを作成することがで
き、従って、この図3に示す処理を実行する前記CAM
システムは前記逃がし加工用NCデータ作成手段に相当
し、ここで、図3中のステップ11を実行する前記CAM
システムは小径工具3次元NCデータ作成部に、また図
3中のステップ12を実行する前記CAMシステムは逃が
し加工用3次元NCデータ作成部にそれぞれ相当する。
【0027】ところで、逃がし加工用工具5が加工軸方
向から上記削り代Cに直接突っ込むと、逃がし加工用工
具5が過大な切削負荷によって破損するような事態が生
ずることも考えられる。このため、上記実施例の方法で
はさらに、上記逃がし加工用工具5の工具軌跡の始点
に、加工軸方向と直交する方向(この実施例では水平方
向)のアプローチ軌跡を付加することとし、そのアプロ
ーチ軌跡の付加に際しては、逃がし加工用工具5の工具
軌跡5Aの始点にその工具軌跡と直交する方向に所定距離
のアプローチ軌跡を仮に付加して、その付加したアプロ
ーチ軌跡の始点と前記圧型輪郭形状との間の距離Dを求
め、その求めた距離Dが所定離間距離すなわちこの実施
例では逃がし加工用工具5の半径Rより短くない場合に
は、上記仮に付加したアプローチ軌跡をそのまま用い、
その求めた距離Dが逃がし加工用工具5の半径Rより短
い場合には、前記圧型輪郭形状との間の距離がその半径
Rに等しくなる位置を求めて、その求めた位置から逃が
し加工用工具5の工具軌跡5Aの始点に至る軌跡をアプロ
ーチ軌跡として付加する。
向から上記削り代Cに直接突っ込むと、逃がし加工用工
具5が過大な切削負荷によって破損するような事態が生
ずることも考えられる。このため、上記実施例の方法で
はさらに、上記逃がし加工用工具5の工具軌跡の始点
に、加工軸方向と直交する方向(この実施例では水平方
向)のアプローチ軌跡を付加することとし、そのアプロ
ーチ軌跡の付加に際しては、逃がし加工用工具5の工具
軌跡5Aの始点にその工具軌跡と直交する方向に所定距離
のアプローチ軌跡を仮に付加して、その付加したアプロ
ーチ軌跡の始点と前記圧型輪郭形状との間の距離Dを求
め、その求めた距離Dが所定離間距離すなわちこの実施
例では逃がし加工用工具5の半径Rより短くない場合に
は、上記仮に付加したアプローチ軌跡をそのまま用い、
その求めた距離Dが逃がし加工用工具5の半径Rより短
い場合には、前記圧型輪郭形状との間の距離がその半径
Rに等しくなる位置を求めて、その求めた位置から逃が
し加工用工具5の工具軌跡5Aの始点に至る軌跡をアプロ
ーチ軌跡として付加する。
【0028】このようにすれば、逃がし加工を行う工具
軌跡5Aの始点に逃がし加工用工具5を移動させるアプロ
ーチの際に、圧型輪郭形状との間に適切な距離をおいた
ことで通常は上記削り代Cにぶつからない位置からその
逃がし加工用工具5を移動させることができるので、逃
がし加工用工具5が過大な切削負荷によって破損するよ
うな事態を有効に防止することができる。
軌跡5Aの始点に逃がし加工用工具5を移動させるアプロ
ーチの際に、圧型輪郭形状との間に適切な距離をおいた
ことで通常は上記削り代Cにぶつからない位置からその
逃がし加工用工具5を移動させることができるので、逃
がし加工用工具5が過大な切削負荷によって破損するよ
うな事態を有効に防止することができる。
【0029】図4(a)は、上記例の装置が、前記逃が
し加工用工具5の工具軌跡5Aに上記アプローチ軌跡を付
加するアプローチ用NCデータを作成する際に実行する
処理の内容を示すフローチャートであり、ここでは、先
に述べた逃がし加工用NCデータの作成の際にステップ
11で使用する小径工具3の工具経路の2次元NCデータ
にアプローチ軌跡を付加することで、逃がし加工用工具
5の工具軌跡5Aにそのアプローチ軌跡を付加することと
して(このアプローチ軌跡も上記のように距離Lだけ上
げることになる)、先ずステップ21で、あらかじめ作成
した小径工具3の工具経路3Aの2次元NCデータ(コー
ナー部Aの加工用)を読み込んで、図4(b)に示すよ
うに、その加工用データの工具経路3Aの始点SCに、その
工具軌跡3Aと直交する方向に所定距離すなわちこの実施
例では逃がし加工用工具5の半径Rから小径工具3の半
径を引いた距離のアプローチ軌跡3Bを仮に付加し、次の
ステップ22で、その付加したアプローチ軌跡3Bの始点SA
と圧型輪郭形状との間の距離Dを求める。
し加工用工具5の工具軌跡5Aに上記アプローチ軌跡を付
加するアプローチ用NCデータを作成する際に実行する
処理の内容を示すフローチャートであり、ここでは、先
に述べた逃がし加工用NCデータの作成の際にステップ
11で使用する小径工具3の工具経路の2次元NCデータ
にアプローチ軌跡を付加することで、逃がし加工用工具
5の工具軌跡5Aにそのアプローチ軌跡を付加することと
して(このアプローチ軌跡も上記のように距離Lだけ上
げることになる)、先ずステップ21で、あらかじめ作成
した小径工具3の工具経路3Aの2次元NCデータ(コー
ナー部Aの加工用)を読み込んで、図4(b)に示すよ
うに、その加工用データの工具経路3Aの始点SCに、その
工具軌跡3Aと直交する方向に所定距離すなわちこの実施
例では逃がし加工用工具5の半径Rから小径工具3の半
径を引いた距離のアプローチ軌跡3Bを仮に付加し、次の
ステップ22で、その付加したアプローチ軌跡3Bの始点SA
と圧型輪郭形状との間の距離Dを求める。
【0030】そして次のステップ23では、その求めた距
離Dが逃がし加工用工具5の半径Rより短くない、すな
わちその半径Rに等しいかそれより長い(D≧R)か否
かを判断し、その求めた距離Dが、図4(b)に示すよ
うに、逃がし加工用工具5の半径Rより短くない(D≧
R)場合には、ステップ23からステップ24へ進み、その
ステップ24で、上記アプローチ軌跡3Bをそのまま用い
て、上記小径工具3のアプローチ軌跡を付加した工具経
路の2次元NCデータを作成し、それを記録するが、そ
の求めた距離Dが、図4(c)に示すように、逃がし加
工用工具5の半径Rより短い(D<R)場合には、ステ
ップ23からステップ25へ進み、そのステップ25で、図4
(d)に示すように、上記距離Dが逃がし加工用工具5
の半径Rに等しいかそれより長くなる(D≧R)位置を
算出し、次のステップ26で、その算出した位置をアプロ
ーチ軌跡の新たな始点SAとするとともに、上記加工用デ
ータの工具経路3Aの始点SCを圧型輪郭形状に沿って延長
して、その延長した工具経路3Aに、上記新たな始点SAか
らその工具経路3Aに直交する方向の新たなアプローチ軌
跡3Bを付加し、その後上記ステップ24へ進んで、上記小
径工具3のその新たなアプローチ軌跡を付加した工具経
路の2次元NCデータを作成、記録する。
離Dが逃がし加工用工具5の半径Rより短くない、すな
わちその半径Rに等しいかそれより長い(D≧R)か否
かを判断し、その求めた距離Dが、図4(b)に示すよ
うに、逃がし加工用工具5の半径Rより短くない(D≧
R)場合には、ステップ23からステップ24へ進み、その
ステップ24で、上記アプローチ軌跡3Bをそのまま用い
て、上記小径工具3のアプローチ軌跡を付加した工具経
路の2次元NCデータを作成し、それを記録するが、そ
の求めた距離Dが、図4(c)に示すように、逃がし加
工用工具5の半径Rより短い(D<R)場合には、ステ
ップ23からステップ25へ進み、そのステップ25で、図4
(d)に示すように、上記距離Dが逃がし加工用工具5
の半径Rに等しいかそれより長くなる(D≧R)位置を
算出し、次のステップ26で、その算出した位置をアプロ
ーチ軌跡の新たな始点SAとするとともに、上記加工用デ
ータの工具経路3Aの始点SCを圧型輪郭形状に沿って延長
して、その延長した工具経路3Aに、上記新たな始点SAか
らその工具経路3Aに直交する方向の新たなアプローチ軌
跡3Bを付加し、その後上記ステップ24へ進んで、上記小
径工具3のその新たなアプローチ軌跡を付加した工具経
路の2次元NCデータを作成、記録する。
【0031】かかる処理によれば、逃がし加工を行う工
具軌跡5Aの始点に逃がし加工用工具5を移動させるアプ
ローチの際に圧型輪郭形状との間に適切な距離をおいた
通常は上記削り代Cにぶつからない位置からその逃がし
加工用工具5を移動させるアプローチ軌跡を付加するア
プローチ用NCデータを作成することができ、従ってこ
の図4(a)に示すステップ21〜ステップ26の処理を実
行する前記CAMシステムは、前記逃がし加工用NCデ
ータ作成手段が具えるアプローチ用NCデータ作成手段
に相当する。
具軌跡5Aの始点に逃がし加工用工具5を移動させるアプ
ローチの際に圧型輪郭形状との間に適切な距離をおいた
通常は上記削り代Cにぶつからない位置からその逃がし
加工用工具5を移動させるアプローチ軌跡を付加するア
プローチ用NCデータを作成することができ、従ってこ
の図4(a)に示すステップ21〜ステップ26の処理を実
行する前記CAMシステムは、前記逃がし加工用NCデ
ータ作成手段が具えるアプローチ用NCデータ作成手段
に相当する。
【0032】以上、図示例に基づき説明したが、この発
明は上述の例に限定されるものでなく、例えば、この発
明は、圧型以外の金型の輪郭形状加工にも適用し得て、
上記実施例と同様の作用効果をもたらすことができる。
また上記実施例では、小径工具3の加工用データの工具
経路3Aの始点SCを圧型輪郭形状に沿って延長して、その
延長した工具経路3Aに上記新たな始点SAからその工具経
路3Aに直交する方向の新たなアプローチ軌跡3Bを付加す
るが、その延長する距離が短い場合には、上記新たな始
点SAから上記工具経路3Aの延長する前の始点SCに直接向
かうアプローチ軌跡を付加するようにしても良く、この
ようにしてもそのアプローチ軌跡は工具経路3Aにほぼ直
交する一方で、このようにすれば工具軌跡を可能な限り
短し得るという利点がある。
明は上述の例に限定されるものでなく、例えば、この発
明は、圧型以外の金型の輪郭形状加工にも適用し得て、
上記実施例と同様の作用効果をもたらすことができる。
また上記実施例では、小径工具3の加工用データの工具
経路3Aの始点SCを圧型輪郭形状に沿って延長して、その
延長した工具経路3Aに上記新たな始点SAからその工具経
路3Aに直交する方向の新たなアプローチ軌跡3Bを付加す
るが、その延長する距離が短い場合には、上記新たな始
点SAから上記工具経路3Aの延長する前の始点SCに直接向
かうアプローチ軌跡を付加するようにしても良く、この
ようにしてもそのアプローチ軌跡は工具経路3Aにほぼ直
交する一方で、このようにすれば工具軌跡を可能な限り
短し得るという利点がある。
【0033】
【発明の効果】かくしてこの発明の金型輪郭加工方法に
よれば、自動加工を行っても、金型輪郭形状のうち大径
工具では削り残しが生ずる部分を小径工具によって加工
する際には、既に、金型素材の加工軸方向の削り代のう
ち小径工具の工具保持部に干渉する部分を逃がし加工用
工具で逃がし加工してあることから、加工軸方向の削り
代と工具保持部との干渉を回避し得て、不都合なくその
小径工具での加工を行うことができ、それゆえ自動加工
後の小径工具でのマニュアル加工を省き得て、工数の削
減および加工時間の短縮をもたらすことができる。
よれば、自動加工を行っても、金型輪郭形状のうち大径
工具では削り残しが生ずる部分を小径工具によって加工
する際には、既に、金型素材の加工軸方向の削り代のう
ち小径工具の工具保持部に干渉する部分を逃がし加工用
工具で逃がし加工してあることから、加工軸方向の削り
代と工具保持部との干渉を回避し得て、不都合なくその
小径工具での加工を行うことができ、それゆえ自動加工
後の小径工具でのマニュアル加工を省き得て、工数の削
減および加工時間の短縮をもたらすことができる。
【0034】なお、前記逃がし加工用工具の外径を、前
記小径工具の工具保持部の外径よりも大きくし、前記逃
がし加工の際に前記逃がし加工用工具を、前記金型輪郭
形状のうち前記大径工具では削り残しが生ずる部分の加
工の際の前記小径工具の工具軌跡を加工軸方向へ前記小
径工具の工具長に応じた所定距離だけ移した工具軌跡に
沿って移動させるようにすれば、逃がし加工の際に、小
径工具の工具保持部の外径よりも大きい外径の逃がし加
工用工具で、加工軸方向の削り代から、その後の小径工
具での加工時に工具保持部が移動する部分を削り取っ
て、その工具保持部の移動のための空間を確保し得るの
で、金型輪郭形状のうち大径工具では削り残しが生ずる
部分を小径工具によって加工する際に、加工軸方向の削
り代と工具保持部との干渉を容易かつ確実に回避するこ
とができる。
記小径工具の工具保持部の外径よりも大きくし、前記逃
がし加工の際に前記逃がし加工用工具を、前記金型輪郭
形状のうち前記大径工具では削り残しが生ずる部分の加
工の際の前記小径工具の工具軌跡を加工軸方向へ前記小
径工具の工具長に応じた所定距離だけ移した工具軌跡に
沿って移動させるようにすれば、逃がし加工の際に、小
径工具の工具保持部の外径よりも大きい外径の逃がし加
工用工具で、加工軸方向の削り代から、その後の小径工
具での加工時に工具保持部が移動する部分を削り取っ
て、その工具保持部の移動のための空間を確保し得るの
で、金型輪郭形状のうち大径工具では削り残しが生ずる
部分を小径工具によって加工する際に、加工軸方向の削
り代と工具保持部との干渉を容易かつ確実に回避するこ
とができる。
【0035】さらに、前記逃がし加工用工具の工具軌跡
に、アプローチ軌跡を付加するに際し、前記逃がし加工
用工具の工具軌跡の始点にその工具軌跡と直交する方向
に所定距離のアプローチ軌跡を仮に付加して、その付加
したアプローチ軌跡の始点と前記金型輪郭形状との間の
距離を求め、前記求めた距離が所定離間距離より短くな
い場合には、前記仮に付加したアプローチ軌跡をそのま
ま用い、前記求めた距離が所定離間距離より短い場合に
は、前記金型輪郭形状との間の距離が前記所定離間距離
となる位置を求めて、その求めた位置から前記逃がし加
工用工具の工具軌跡の始点に至る軌跡をアプローチ軌跡
として付加するようにすれば、逃がし加工の工具軌跡の
始点に逃がし加工用工具を移動させるアプローチの際に
金型輪郭形状との間に適切な距離をおいた位置から逃が
し加工用工具を移動させ得て、逃がし加工用工具が過大
な切削負荷によって破損するような事態を有効に防止す
ることができる。
に、アプローチ軌跡を付加するに際し、前記逃がし加工
用工具の工具軌跡の始点にその工具軌跡と直交する方向
に所定距離のアプローチ軌跡を仮に付加して、その付加
したアプローチ軌跡の始点と前記金型輪郭形状との間の
距離を求め、前記求めた距離が所定離間距離より短くな
い場合には、前記仮に付加したアプローチ軌跡をそのま
ま用い、前記求めた距離が所定離間距離より短い場合に
は、前記金型輪郭形状との間の距離が前記所定離間距離
となる位置を求めて、その求めた位置から前記逃がし加
工用工具の工具軌跡の始点に至る軌跡をアプローチ軌跡
として付加するようにすれば、逃がし加工の工具軌跡の
始点に逃がし加工用工具を移動させるアプローチの際に
金型輪郭形状との間に適切な距離をおいた位置から逃が
し加工用工具を移動させ得て、逃がし加工用工具が過大
な切削負荷によって破損するような事態を有効に防止す
ることができる。
【0036】また上記金型輪郭加工用NCデータ作成装
置によれば、大径工具での加工と、小径工具での加工と
の間に、その小径工具での加工の際の工具保持部と金型
素材の加工軸方向の削り代との干渉を防止するために行
う逃がし加工のための、逃がし加工用NCデータを作成
し得るので、金型素材に対する、加工軸方向から見た金
型輪郭形状の切削加工を行わせるNCデータ中に、その
逃がし加工用NCデータを加えることで、その輪郭形状
の切削加工を行わせるNCデータによってNC工作機械
で自動加工を行っても、大径工具で前記金型輪郭形状の
うちその大径工具では削り残しが生ずる部分を除いた部
分の加工を行った後、その大径工具では削り残しが生ず
る部分を小径工具によって加工する際に、加工軸方向の
削り代と工具保持部との干渉を回避し得て、不都合なく
その小径工具での加工を行うことができ、それゆえ自動
加工後の小径工具でのマニュアル加工を省き得るので、
工数の削減および加工時間の短縮をもたらすことができ
る。
置によれば、大径工具での加工と、小径工具での加工と
の間に、その小径工具での加工の際の工具保持部と金型
素材の加工軸方向の削り代との干渉を防止するために行
う逃がし加工のための、逃がし加工用NCデータを作成
し得るので、金型素材に対する、加工軸方向から見た金
型輪郭形状の切削加工を行わせるNCデータ中に、その
逃がし加工用NCデータを加えることで、その輪郭形状
の切削加工を行わせるNCデータによってNC工作機械
で自動加工を行っても、大径工具で前記金型輪郭形状の
うちその大径工具では削り残しが生ずる部分を除いた部
分の加工を行った後、その大径工具では削り残しが生ず
る部分を小径工具によって加工する際に、加工軸方向の
削り代と工具保持部との干渉を回避し得て、不都合なく
その小径工具での加工を行うことができ、それゆえ自動
加工後の小径工具でのマニュアル加工を省き得るので、
工数の削減および加工時間の短縮をもたらすことができ
る。
【0037】なお、前記装置における前記逃がし加工用
NCデータ作成手段を、前記逃がし加工用NCデータと
して、前記小径工具の工具保持部の外径よりも大きい外
径の前記逃がし加工用工具を、前記金型輪郭形状のうち
前記大径工具では削り残しが生ずる部分の加工の際の前
記小径工具の工具軌跡を加工軸方向へ前記小径工具の工
具長に応じた所定距離だけ移した工具軌跡に沿って移動
させるNCデータを作成するものとすれば、逃がし加工
用NCデータ作成手段が、小径工具での加工の際の加工
軸方向の削り代と工具保持部との干渉を確実に回避し得
る逃がし加工用NCデータを、容易に作成することがで
きる。
NCデータ作成手段を、前記逃がし加工用NCデータと
して、前記小径工具の工具保持部の外径よりも大きい外
径の前記逃がし加工用工具を、前記金型輪郭形状のうち
前記大径工具では削り残しが生ずる部分の加工の際の前
記小径工具の工具軌跡を加工軸方向へ前記小径工具の工
具長に応じた所定距離だけ移した工具軌跡に沿って移動
させるNCデータを作成するものとすれば、逃がし加工
用NCデータ作成手段が、小径工具での加工の際の加工
軸方向の削り代と工具保持部との干渉を確実に回避し得
る逃がし加工用NCデータを、容易に作成することがで
きる。
【0038】さらに、前記装置における前記逃がし加工
用NCデータ作成手段を、前記逃がし加工用工具の工具
軌跡にアプローチ軌跡を付加するアプローチ用NCデー
タを作成するアプローチ用NCデータ作成手段を具える
ものとして、そのアプローチ用NCデータ作成手段を、
前記逃がし加工用工具の工具軌跡の始点にその工具軌跡
と直交する方向に所定距離のアプローチ軌跡を仮に付加
してその付加したアプローチ軌跡の始点と前記金型輪郭
形状との間の距離を求め、前記求めた距離が所定離間距
離より短くない場合は、前記仮に付加したアプローチ軌
跡をそのまま用いて前記アプローチ用NCデータを作成
し、前記求めた距離が所定離間距離より短い場合は、前
記金型輪郭形状との間の距離が前記所定離間距離となる
位置を求め、その求めた位置から前記逃がし加工用工具
の工具軌跡の始点に至る軌跡をアプローチ軌跡として前
記アプローチ用NCデータを作成するものとすれば、逃
がし加工用NCデータに、逃がし加工の工具軌跡の始点
に逃がし加工用工具を移動させるアプローチの際に金型
輪郭形状との間に適切な距離をおいた位置から逃がし加
工用工具を移動させ得るアプローチ用NCデータを付加
し得て、逃がし加工用工具がアプローチの際に過大な切
削負荷によって破損するような事態を有効に防止するこ
とができる。
用NCデータ作成手段を、前記逃がし加工用工具の工具
軌跡にアプローチ軌跡を付加するアプローチ用NCデー
タを作成するアプローチ用NCデータ作成手段を具える
ものとして、そのアプローチ用NCデータ作成手段を、
前記逃がし加工用工具の工具軌跡の始点にその工具軌跡
と直交する方向に所定距離のアプローチ軌跡を仮に付加
してその付加したアプローチ軌跡の始点と前記金型輪郭
形状との間の距離を求め、前記求めた距離が所定離間距
離より短くない場合は、前記仮に付加したアプローチ軌
跡をそのまま用いて前記アプローチ用NCデータを作成
し、前記求めた距離が所定離間距離より短い場合は、前
記金型輪郭形状との間の距離が前記所定離間距離となる
位置を求め、その求めた位置から前記逃がし加工用工具
の工具軌跡の始点に至る軌跡をアプローチ軌跡として前
記アプローチ用NCデータを作成するものとすれば、逃
がし加工用NCデータに、逃がし加工の工具軌跡の始点
に逃がし加工用工具を移動させるアプローチの際に金型
輪郭形状との間に適切な距離をおいた位置から逃がし加
工用工具を移動させ得るアプローチ用NCデータを付加
し得て、逃がし加工用工具がアプローチの際に過大な切
削負荷によって破損するような事態を有効に防止するこ
とができる。
【図1】 この発明の金型輪郭加工方法を圧型の輪郭加
工に適用した一実施例を示す説明図である。
工に適用した一実施例を示す説明図である。
【図2】 上記実施例の方法における逃がし加工の方法
を示す説明図である。
を示す説明図である。
【図3】 この発明の金型輪郭加工に用い得るNCデー
タ作成装置の一例が逃がし加工用NCデータの作成のた
めに実行する処理の内容を示すフローチャートである。
タ作成装置の一例が逃がし加工用NCデータの作成のた
めに実行する処理の内容を示すフローチャートである。
【図4】 上記例の装置が逃がし加工用工具軌跡にアプ
ローチ軌跡を付加するアプローチ用NCデータを作成す
る際に実行する処理の内容を示すフローチャートおよび
説明図である。
ローチ軌跡を付加するアプローチ用NCデータを作成す
る際に実行する処理の内容を示すフローチャートおよび
説明図である。
【図5】 従来の金型輪郭加工方法を示す説明図であ
る。
る。
【図6】 従来の金型輪郭加工方法の問題点を示す説明
図である。
図である。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23Q 15/00 - 15/28 G05B 19/18 - 19/46 B23B 27/00 - 29/34
Claims (3)
- 【請求項1】 金型形状に対し加工軸方向へも削り代を
有する金型素材に対する、前記金型の加工軸方向から見
た輪郭形状の切削加工を行うに際し、 先ず大径工具で、前記金型輪郭形状のうちその大径工具
では削り残しが生ずる部分を除いた部分の加工を行い、 次いで逃がし加工用工具で、前記金型素材の加工軸方向
の削り代のうち、前記金型輪郭形状のうち前記大径工具
では削り残しが生ずる部分の小径工具による加工の際そ
の小径工具の工具保持部に干渉する部分の逃がし加工を
行い、 その後に前記小径工具で、前記金型輪郭形状のうち前記
大径工具では削り残しが生ずる部分を加工することを特
徴とする、金型輪郭加工方法。 - 【請求項2】 前記逃がし加工用工具の外径を、前記小
径工具の工具保持部の外径よりも大きくし、 前記逃がし加工の際に前記逃がし加工用工具を、前記金
型輪郭形状のうち前記大径工具では削り残しが生ずる部
分の加工の際の前記小径工具の工具軌跡を加工軸方向へ
前記小径工具の工具長に応じた所定距離だけ移した工具
軌跡に沿って移動させることを特徴とする、請求項1に
記載の金型輪郭加工方法。 - 【請求項3】 前記逃がし加工用工具の工具軌跡にアプ
ローチ軌跡を付加するに際し、 前記逃がし加工用工具の工具軌跡の始点にその工具軌跡
と直交する方向に所定距離のアプローチ軌跡を仮に付加
して、その付加したアプローチ軌跡の始点と前記金型輪
郭形状との間の距離を求め、 前記求めた距離が所定離間距離より短くない場合には、
前記仮に付加したアプローチ軌跡をそのまま用い、 前記求めた距離が所定離間距離より短い場合には、前記
金型輪郭形状との間の距離が前記所定離間距離となる位
置を求めて、その求めた位置から前記逃がし加工用工具
の工具軌跡の始点に至る軌跡をアプローチ軌跡として付
加することを特徴とする、請求項2に記載の金型輪郭加
工方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21889294A JP3221248B2 (ja) | 1994-09-13 | 1994-09-13 | 金型輪郭加工方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21889294A JP3221248B2 (ja) | 1994-09-13 | 1994-09-13 | 金型輪郭加工方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0885042A JPH0885042A (ja) | 1996-04-02 |
JP3221248B2 true JP3221248B2 (ja) | 2001-10-22 |
Family
ID=16726945
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21889294A Expired - Fee Related JP3221248B2 (ja) | 1994-09-13 | 1994-09-13 | 金型輪郭加工方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3221248B2 (ja) |
-
1994
- 1994-09-13 JP JP21889294A patent/JP3221248B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0885042A (ja) | 1996-04-02 |
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Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |