JP3116711B2 - 金型の3次元輪郭加工用ncデータ作成装置 - Google Patents

金型の3次元輪郭加工用ncデータ作成装置

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JP3116711B2
JP3116711B2 JP06048809A JP4880994A JP3116711B2 JP 3116711 B2 JP3116711 B2 JP 3116711B2 JP 06048809 A JP06048809 A JP 06048809A JP 4880994 A JP4880994 A JP 4880994A JP 3116711 B2 JP3116711 B2 JP 3116711B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、絞り成形された板状
ワークの周辺部や内部を所定の輪郭形状に切断するプロ
ファイル型の如き、自由曲線列の集合からなる3次元輪
郭線により定義された加工対象となる島を複数有する金
型を製作する際の、それらの島の3次元輪郭形状加工用
のNCデータを自動的に作成する装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】絞り成形された板状ワークの周辺部や内
部を所定の輪郭形状に切断するプロファイル型は、例え
ばCAD(コンピュータ支援設計)システムによって作
成された上記板状ワークの形状データのその切断部分の
輪郭形状に対応する、自由曲線列の集合からなる3次元
輪郭線(パンチやダイの外周や内周のプロファイル面の
先端縁を画成する閉じた輪郭)により定義された、型製
作時に加工対象となる島(プロファイル面)を複数有し
ている場合があり、しかもそれらの加工対象の島は、絞
り成形された板状ワークの3次元形状に倣った3次元輪
郭形状を有している必要がある。
【0003】これがため、かかる金型の複数の島を加工
する場合には、従来は先ず、作業者が、それら複数の島
の2次元的な寸法および配置を示す1/2縮尺図上でテ
ンプレートを動かして、高精度で効率的な加工のための
加工検討作業すなわち、アプローチ・リトラクト点干渉
と切削干渉とをチェックして、工具のぶれ防止により加
工精度を高めるための可能な限り大きい使用工具径と、
加工効率を高めるための可能な限り工順(一本の連続す
る工具経路で行える加工手順)の少ない加工順と、これ
も加工効率を高めるための各工順での島間の工具最短移
動経路とを決定する作業を、島の取り外しの可能性を考
慮しつつ試行錯誤で行い、その後、作業者が、ポンチや
ダイの素材となる鋳物を見ながら、加工精度を高めるべ
く、上記決定した径の工具のうちからその鋳物のプロフ
ァイル面加工ができる長さの範囲で可能な限り短い長さ
の工具を選定して、上記加工検討作業で決定した加工段
取りに基づきマニュアル加工を行っていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の加工方法では、作業者の加工検討作業の熟練度等によ
って加工段取りひいては加工精度や加工効率に個人差が
生ずるという問題や、加工検討作業および実際の加工に
多大な工数がかかるという問題があった。そして加工を
自動化すべく、自由曲線列の集合からなる3次元輪郭線
により定義された加工対象となる複数の島のデータから
3次元NCデータを自動的に作成しようとすると、加工
精度を高めるための可能な限り短い長さの工具の選定が
できず、それゆえその3次元NCデータの自動作成が困
難となるという問題もあった。
【0005】ところで、金型のポンチやダイの、上記島
の3次元輪郭線を持つプロファイル面等の切刃面は、そ
の強度確保の必要上およびスクラップ排除の必要上等か
ら、ポンチやダイの先端縁から所定の厚さを持つように
設計されるのが通常である。この一方、上記島の3次元
輪郭線からいわゆる掃引面オフセット法で求めた3次元
輪郭下線と、元の3次元輪郭線との間の3次元輪郭形状
面も、その3次元輪郭線から所定の厚さを持つものとな
る。従ってその3次元輪郭形状面を用いれば、切刃面加
工ができる長さの範囲で、可能な限り短い長さの工具を
決定することができる。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は、加工検討作
業を系統的に行うとともに上述した点に鑑みてより短い
長さの工具を決定することで前記課題を有利に解決した
装置を提供することを目的とするものであり、この発明
の金型の3次元輪郭加工用NCデータ作成装置は、図1
にその概念を示すように、自由曲線列の集合からなる3
次元輪郭線により定義された加工対象となる島を複数有
する金型を製作する際の、それら複数の島の3次元輪郭
形状の加工に用いられるNCデータを自動的に作成する
装置であって、型開き方向から見た前記複数の島の2次
元輪郭線に基づき、最初の工順および大径の工具から順
次に、検討対象工具径では島を取り外さなければ干渉を
回避できずかつ島が取り外し可能でない場合は使用工具
径を下げることを前提に、アプローチ・リトラクト点干
渉検討と、切削干渉検討とを繰り返して、それら複数の
島につき、可能な限り大きい使用工具径と、可能な限り
工順の少ない加工順と、各工順での島間の工具最短移動
経路とを決定する加工方法決定手段1と、前記決定した
使用工具径と加工順と工具最短移動経路とを用い、前記
複数の島の3次元輪郭線に基づく各島の所定厚さの3次
元輪郭形状の生成と、それら生成した島の3次元輪郭形
状に基づく加工可能工具長検討を行って、可能な限り短
い工具を使用する前記複数の島の3次元輪郭形状加工用
NCデータを作成するNCデータ作成手段2と、を具え
ることを特徴とするものである。
【0007】なお、この発明の装置における前記加工方
法決定手段1は、前記アプローチ・リトラクト点干渉検
討に際し、各島に対する工具のアプローチ・リトラクト
点での他の島との干渉の有無を調べて、干渉が生ずる場
合はアプローチ・リトラクト点位置を調整し、調整不能
の場合はその干渉する島を取り外してその干渉する島の
工順を後に回し、取り外しができない場合は検討対象の
島および干渉する島の使用工具径を下げるものでも良
い。
【0008】また、この発明の装置における前記加工方
法決定手段1は、前記切削干渉検討に際し、各島の切削
時の他の島との切削干渉の有無を調べて、干渉が生ずる
場合は、その干渉する島を取り外してその干渉する島の
工順を後に回し、取り外しができない場合は検討対象の
島および干渉する島の使用工具径を下げるものでも良
い。
【0009】さらに、この発明の装置における前記加工
方法決定手段1は、前記複数の島の相互の組合せにおけ
る前記アプローチ・リトラクト点での干渉に関するデー
タを記入するアプローチ・リトラクト点干渉マトリック
スと、前記複数の島の相互の組合せにおける切削干渉に
関するデータを記入する切削干渉マトリックスと、前記
複数の島と工順との組合せにおける前記複数の島の加工
順および取り外しの有無を記入する工順マトリックスと
の少なくとも一つを用いるものでも良い。
【0010】また、この発明の装置における前記3次元
NCデータ作成手段2は、前記複数の島の3次元輪郭線
を型開き方向へ掃引した掃引面上で前記3次元輪郭線を
所定距離掃引した掃引輪郭線をその掃引面上で所定距離
オフセットさせる手法である掃引面オフセット法によっ
て3次元輪郭下線を求め、その3次元輪郭下線と前記3
次元輪郭線とで前記掃引面を区画して各島の3次元輪郭
形状を生成するものでも良い。
【0011】そして、この発明の装置における前記3次
元NCデータ作成手段2は、前記加工可能工具長検討に
際し、工具経路の仰角を調べて、その仰角を所定の最大
仰角以下に抑える局所的平滑化を行うものでも良い。
【0012】
【作用】かかる装置にあっては、加工方法決定手段1
が、型開き方向から見た前記複数の島の2次元輪郭線に
基づき、最初の工順および大径の工具から順次に、検討
対象工具径では島を取り外さなければ干渉を回避できず
かつ島が取り外し可能でない場合は使用工具径を下げる
ことを前提としつつ、アプローチ・リトラクト点干渉検
討と、切削干渉検討とを繰り返して、それら複数の島に
つき、可能な限り大きい使用工具径と、可能な限り工順
の少ない加工順と、各工順での島間の工具最短移動経路
とを決定し、次いでNCデータ作成手段2が、前記決定
した使用工具径と加工順と工具最短移動経路とを用い、
前記複数の島の3次元輪郭線に基づく各島の所定厚さの
3次元輪郭形状の生成と、それら生成した島の3次元輪
郭形状に基づく加工可能工具長検討を行って、可能な限
り短い工具を使用する前記複数の島の3次元輪郭形状加
工用NCデータを作成する。
【0013】従ってこの装置によれば、加工検討作業を
自動的かつ系統的に行うので、作業者の加工検討作業の
熟練度等によらず常に高い加工精度および加工効率を得
ることができるとともに、加工検討作業の工数を大幅に
省くことができ、また、可能な限り短い長さの工具の決
定も自動的に行い得るので、複数の島の3次元輪郭形状
の加工用NCデータを自動的に作成し得て、加工の自動
化により加工工数も大幅に省くことができ、さらに、工
場の機械稼働率の向上と機械加工自動化率の向上も実現
することができる。
【0014】なお、前記加工方法決定手段1を、前記ア
プローチ・リトラクト点干渉検討に際し、各島に対する
工具のアプローチ・リトラクト点での他の島との干渉の
有無を調べて、干渉が生ずる場合はアプローチ・リトラ
クト点位置を調整し、調整不能の場合はその干渉する島
を取り外してその干渉する島の工順を後に回し、取り外
しができない場合は検討対象の島および干渉する島の使
用工具径を下げるものとすれば、容易かつ確実に、使用
工具径を可能な限り大きいものとするとともに工順を可
能な限り少ないものとすることができ、しかも工具径を
工順に優先させて加工精度を確保することができる。
【0015】また、前記加工方法決定手段1を、前記切
削干渉検討に際し、各島の切削時の他の島との切削干渉
の有無を調べて、干渉が生ずる場合は、その干渉する島
を取り外してその干渉する島の工順を後に回し、取り外
しができない場合は検討対象の島および干渉する島の使
用工具径を下げるものとしても、容易かつ確実に、使用
工具径を可能な限り大きいものとするとともに工順を可
能な限り少ないものとすることができ、しかも工具径を
工順に優先させて加工精度を確保することができる。
【0016】さらに、前記加工方法決定手段1を、前記
複数の島の相互の組合せにおける前記アプローチ・リト
ラクト点での干渉に関するデータを記入するアプローチ
・リトラクト点干渉マトリックスと、前記複数の島の相
互の組合せにおける切削干渉に関するデータを記入する
切削干渉マトリックスと、前記複数の島と工順との組合
せにおける前記複数の島の加工順および取り外しの有無
を記入する工順マトリックスとの少なくとも一つを用い
るものとすれば、加工検討作業で工順を決定する際に、
検討のもれを確実に防止し得るとともに種々のデータを
効率的に利用し得て、決定する加工方法をより高い効率
のものとすることができる。
【0017】また、前記3次元NCデータ作成手段2
を、前記複数の島の3次元輪郭線を型開き方向へ掃引し
た掃引面上で前記3次元輪郭線を所定距離掃引した掃引
輪郭線をその掃引面上で所定距離オフセットさせて3次
元輪郭下線を求め、その3次元輪郭下線と前記3次元輪
郭線とで前記掃引面を区画して各島の3次元輪郭形状を
生成するものとすれば、各島の所定厚さの3次元輪郭形
状を確実に生成し得て、加工可能な範囲で可能な限り短
い工具を、より確実に決定することができる。
【0018】そして前記3次元NCデータ作成手段2
を、前記加工可能工具長検討に際し、工具経路の仰角を
調べて、その仰角を所定の最大仰角以下に抑える局所的
平滑化を行うものとすれば、工具に加わる負荷を平滑化
し得て、加工精度をより高めることができる。
【0019】
【実施例】以下に、この発明の実施例を図面に基づき詳
細に説明する。図2は、この発明の、金型の3次元輪郭
加工用NCデータ作成装置の一実施例の概略構成を示す
構成図であり、この実施例の装置は、あらかじめ与えら
れたプログラムに基づき演算その他の処理を行う中央処
理装置と、情報を記録するROM,RAM等の内部記憶
装置およびハードディスクドライブ装置等の外部記録装
置と、情報を画面上に表示するCRT等の画面表示装置
と、ユーザーが操作して情報を入力するキーボードやマ
ウス等の入力装置と、情報を出力するプリンタやNCテ
ープ作成機等の出力装置とを具える通常のCAMシステ
ムに一体的に組み込まれていて、自由曲線列の集合から
なる3次元輪郭線により定義された加工対象となる島を
複数有する金型を製作する際の、それら複数の島の3次
元輪郭形状の加工に用いられるNCデータを自動的に作
成する。
【0020】具体的にはこの実施例の装置は、図2に示
すように、主に上記中央処理装置によって構成される、
前記加工方法決定手段1に対応する加工方法決定部11お
よび前記3次元NCデータ作成手段2に対応する3次元
NCデータ作成部12を具えており、ここで、加工方法決
定部11は、CAD等で作成された、製作する金型の上記
複数の島の、金型座標系を基準とした3次元曲線データ
を具える曲線データファイル13と、後述する三種類のマ
トリックスを具える加工順決定用テーブルファイル14
と、あらかじめユーザーにより入力された、各島が取り
外し可能か否かのデータを具えるユーザー入力島情報フ
ァイル15と、使用可能な工具の外径や長さ等の工具デー
タを具える工具情報ファイル16とを用い、型開き方向か
ら見た前記複数の島の2次元輪郭線に基づき、最初の工
順および大径の工具から順次に、島の取り外しを考慮し
つつ、アプローチ・リトラクト点干渉検討と、切削干渉
検討とを繰り返して、それら複数の島につき、可能な限
り大きい使用工具径と、可能な限り工順の少ない加工順
と、各工順での島間の工具最短移動経路とを決定し、そ
の決定した使用工具径と加工順とを加工方法情報ファイ
ル17に収納するとともにその決定した工具最短移動経路
を2次元工具経路ファイル18に収納する。
【0021】そしてここで、NCデータ作成部12は、加
工方法情報ファイル17内の上記決定した使用工具径と加
工順とのデータと、2次元工具経路ファイル18内の上記
決定した工具最短移動経路のデータとを用いるととも
に、曲線データファイル13内の上記複数の島の3次元曲
線データと、工具情報ファイル16内の上記工具データと
を用いて、それら複数の島の3次元輪郭線に基づく各島
の所定厚さの3次元輪郭形状の生成と、それら生成した
島の3次元輪郭形状に基づく加工可能工具長検討を行っ
て、可能な限り短い工具を使用するそれら複数の島の3
次元輪郭形状加工用NCデータを作成し、その作成した
NCデータを3次元輪郭加工用NCデータファイル19に
収納する。
【0022】上記加工方法決定部11が行う処理について
さらに詳述すると、加工方法決定部11は、図3に示す手
順に従って加工検討処理を行い、この加工検討処理で
は、先ず、ステップ21〜23で、上記加工順決定用テーブ
ルファイル14内の、図6(a)に示すアプローチ・リト
ラクト干渉マトリックスと、同図(b)に示す切削干渉
マトリックスと、同図(c)に示す工順マトリックスと
の三種類のマトリックスの初期設定を行う。
【0023】すなわちここでは先ず図3のステップ21
で、図4に示すアプローチ・リトラクト点距離判定処理
を行って上記アプローチ・リトラクト干渉マトリックス
を初期設定し、そのアプローチ・リトラクト干渉マトリ
ックスには、島数Nの場合のI番目の島に対するアプロ
ーチ・リトラクト点(アプローチ点はその島に対する工
具の接近開始位置、リトラクト点はその島に対する工具
の後退終了位置をいい、この実施例ではアプローチ点と
リトラクト点を同一の位置としてアプローチ・リトラク
ト点としているが別々の位置としても良く、その場合に
はマトリックスを別々に設ければ良い。)でのJ番目の
島との干渉値を記入する。なお、その干渉値は例えば、
未判定(初期設定前の初期値)の場合およびアプローチ
・リトラクト量を変えても干渉する場合は0とし、初期
アプローチ・リトラクト量(島へ向けて工具を切削送り
する距離であり、通常は島の輪郭線に所定の削り代を加
えた位置に設定される鋳物表面から工具が僅かに離れる
距離)でアプローチ・リトラクト可能の場合は−1と
し、アプローチ・リトラクト量を変えて干渉を回避でき
る場合はその変更後のアプローチ・リトラクト量(>
0)とする。
【0024】図4に示すアプローチ・リトラクト点距離
判定処理は、初期設定の時のみ、島番号Iを1〜島数N
まで歩進させてステップ41〜49を繰り返し行うとともに
その繰り返しの各回で島番号Jを1〜島数N(但しIを
除く)まで歩進させてステップ42〜49を繰り返し行い、
その後のアプローチ・リトラクト点距離判定では、島番
号I,Jをその都度与えられてステップ41〜49を行うも
のとし、そのステップ41では、図4の右側上部に示すよ
うに、島Iのアプローチ・リトラクト点(P1)をその島
の輪郭線始点(あらかじめ上記複数の島の3次元輪郭線
設計時に定められた点であり、ここでは輪郭線が閉じて
いるので輪郭線終点にもなる)から上記初期アプローチ
・リトラクト量離れた位置に設定し、次のステップ42で
は、島Iの上記輪郭線始点から工具半径(初期設定時
は、工具情報ファイル16内の使用可能な工具外径のうち
の最大径の1/2とし、その後はその都度与えられる)
分だけ離れた位置に点(P2)を設定し、次のステップ43
では、干渉チェックの対象となる島J上の、上記点P1
対する最近点と、その点P1との間の距離(島Jと点P1
の最近点距離)D1を求め、その後のステップ44では、そ
の距離D1を上記初期アプローチ・リトラクト量と比較
し、距離D1≧初期アプローチ・リトラクト量の場合は、
その初期アプローチ・リトラクト量でアプローチ・リト
ラクト可能ゆえそこから後述のステップ49へ進むが、そ
うでない場合はそこから次のステップ45へ進む。
【0025】そしてステップ45では、図4の右側下部に
示すように、干渉チェックの対象となる島J上の、上記
点P2に対する最近点と、その点P2との間の距離(島Jと
点P2との最近点距離)D2を求め、その後のステップ46で
は、その距離D2を上記工具半径と比較し、距離D2≧工具
半径の場合は、アプローチ・リトラクト量を変えれば干
渉が回避できるので、そこから次のステップ47へ進み、
そのステップ47では、(最近点距離D2−工具半径)/2
+工具半径という計算で得た、両方の島への距離を平均
化した値を変更後のアプローチ・リトラクト量とし、そ
の一方、上記比較の結果、距離D2≧工具半径でない場合
は、ステップ46からステップ48へ進んでアプローチ・リ
トラクトできないと判定し、最後のステップ49では、そ
れらの判定結果を上述した干渉値としてアプローチ・リ
トラクト干渉マトリックスにセットする。
【0026】次いでここでは図3のステップ22で、例え
ば図5に示す島a〜d間のように島間で工具(初期設定
時は、工具情報ファイル16内の使用可能な工具外径のう
ちの最大径のものとし、その後はその都度与えられる)
Tが移動し得るか否かを判定する切削干渉判定処理を行
って上記切削干渉マトリックスを初期設定し、その切削
干渉マトリックスには、島数Nの場合のI番目の島を切
削する時のJ番目の島との切削干渉値を記入する。な
お、その切削干渉値は例えば、未判定(初期設定前の初
期値)の場合は−2とし、上記最大径の工具でも干渉し
ない場合は−1とし、上記最大径の工具で干渉する場合
は島Iと島Jとの間の切削可能な最短距離すなわち加工
可能な最大径(>0)とし、島の輪郭線の内側から加工
する場合であってその島の輪郭線の内側には他の島が存
在していないような場合には、自島の輪郭線の他の部分
と干渉せずにその輪郭線に沿って加工し得る最大径(>
0)とする。
【0027】さらにここでは図3のステップ23で、所定
の方法で初期加工順を一応定めてその初期加工順により
上記工順マトリックスを初期設定し、その工順マトリッ
クスには、島数がNで工順が1〜Kに分かれた場合のI
番目の工順における島Jの状態値(ここでのI,Jは図
3中の島番号I,Jからは独立した数)を記入する。な
お、その状態値は例えば、該当工順で切削しない場合は
0とし、その島を取り外す場合は−1とし、最少径でも
切削できない場合は−2とし、該当工順で切削する場合
はその工順内での加工順の番号(>0)とする。
【0028】ここで、上記初期加工順を定める方法とし
ては、島情報ファイル15内の各島が取り外し可能か否か
のデータに基づき、例えば図7に示す取り外し不可の島
L1〜L3および取り外し可の島L4,L5の場合のように、取
り外し不可の島の内で周長が最も長い(切削距離が最も
長い)島(L1)を選定してその島を先頭の島とし、残り
の取り外し不可の島の内で先頭の島とアプローチ・リト
ラクト点同士が最も近い島(L2)を選定してその島のア
プローチ・リトラクト点を先頭の島のアプローチ・リト
ラクト点と結び、以後同様にして残る取り外し不可の島
(L3)についても全てアプローチ・リトラクト点同士を
順次に結び、次いで取り外し可の島の内で上記取り外し
不可の島の内の最後の島(L3)とアプローチ・リトラク
ト点同士が最も近い島(L4)を選定してその島のアプロ
ーチ・リトラクト点を取り外し不可の島の内の最後の島
のアプローチ・リトラクト点と結び、以後同様にして残
る取り外し可の島(L5)についても全てアプローチ・リ
トラクト点同士を順次に結んで、その結果(L1,L2
L3,L4,L5という順番)を同一工順(初期設定では最初
の工順)における加工順とする、という方法を用いる。
【0029】このようにして初期設定が終了した後は、
図3のステップ24から加工検討処理を行い、ここでは、
最初の工順から順次に各工順について、島番号Iを1〜
島数Nまで歩進させてステップ24〜37を繰り返し行うと
ともにその繰り返しの各回で島番号Jを1〜島数N(但
しIを除く)まで歩進させてステップ25〜37を繰り返し
行うこととし、そのステップ24では、島Iが加工済みま
たは取り外されているか否かを上記工順マトリックスで
チェックして、加工済みまたは取り外されている場合は
そこからステップ37へ進むが、加工済みでなく取り外さ
れてもいない場合は次のステップ25へ進む。そしてステ
ップ25では、島Jが取り外されているか否かを上記工順
マトリックスでチェックして、取り外されている場合は
そこからステップ37へ進むが、取り外されていない場合
は次のステップ26へ進む。
【0030】上記ステップ26では、先に述べた図4に示
すアプローチ・リトラクト点距離判定処理を当該島I,
Jについて行い、アプローチ・リトラクト不可の場合に
は、ステップ27からステップ28へ進んで、そのステップ
28で島情報ファイル15内の各島が取り外し可能か否かの
データに基づき島Jが取り外し可能か否かを調べ、島J
が取り外し可能の場合は、さらにそこからステップ29へ
進んで、島Jをその工順では取り外して次の工順へ移す
ことと判定した後、ステップ36へ進み、その一方、島J
が取り外し不能の場合は、ステップ30で、島Iと島Jを
共に、使用する工具径を下げて次の工順に移すことと判
定した後、ステップ36へ進む。
【0031】また上記ステップ27でアプローチ・リトラ
クト可能と判定した場合は、次にステップ31で、先に述
べた切削干渉判定処理を当該島I,Jについて行い、切
削干渉有りの場合には、ステップ32からステップ33へ進
んで、そのステップ33で島情報ファイル15内の各島が取
り外し可能か否かのデータに基づき島Jが取り外し可能
か否かを調べ、島Jが取り外し可能の場合は、さらにそ
こからステップ34へ進んで、島Jをその工順では取り外
して次の工順へ移すことと判定した後、ステップ36へ進
み、その一方、島Jが取り外し不能の場合は、ステップ
35で、島Iと島Jを共に、使用する工具径を下げて次の
工順に移すことと判定した後、ステップ36へ進む。
【0032】そしてステップ36では、上述した判定結果
を先に述べた工順マトリックスにセットすることにより
元の状態値を逐次変更し、次のステップ37では、現在の
工順で未加工の島があるか否かを判断して、未加工の島
があればステップ24へ戻り、これにより当該工順での全
ての島の判定を終了して未加工の島が無くなった場合に
は、次のステップ38で次の工順に移り、一段下の工具外
径を設定した後、ステップ39で、再び未加工の島がある
か否かを判断し、未加工の島があればステップ24へ戻
り、これにより各工順での全ての島の判定を終了して未
加工の島が無くなった場合には、当該加工検討処理を終
了する。なお、島の輪郭線の内側から加工する場合であ
って、その島の輪郭線の内側には他の島が存在していな
いような場合の島では、切削干渉マトリックスにセット
された切削干渉値が、自島の輪郭線の他の部分と干渉せ
ずに加工を行い得る最大限の工具径となっているので、
その工具径での加工を行う工順中にその島の加工順を入
れれば、可能な限り大きい使用工具径を設定し得る。
【0033】このようにして加工検討処理が全て終了す
ると、その後に上記加工方法決定部11は、上記各工順内
で再び前述した加工順を定める方法を行って近い島の順
に加工順を変更することにより工具の最短移動経路を求
めてから、上記複数の島につき決定した可能な限り大き
い使用工具径と可能な限り工順の少ない加工順とを加工
方法情報ファイル17に収納するとともに、その決定した
工具最短移動経路を2次元工具経路ファイル18に収納す
る。
【0034】しかる後ここでは、上記NCデータ作成部
12が、先ず図8に示す如くして、それら複数の島の3次
元輪郭線に基づく各々の所定厚さの3次元輪郭形状の生
成処理を行い、その3次元輪郭形状の生成処理に際して
は、曲線データファイル13内の上記複数の島の各々の3
次元曲線データを用いて、それら複数の島の各々の3次
元輪郭線E0を型開き方向すなわちこの実施例では加工軸
方向へ掃引した掃引面上でその3次元輪郭線を所定距離
掃引した掃引輪郭線SEをその掃引面上で所定距離オフセ
ットさせる掃引面オフセット法により3次元輪郭下線E1
を求め、この3次元輪郭下線E1と上記3次元輪郭線E0
で上記掃引面を区画して、各島の3次元輪郭形状SPを生
成する。
【0035】具体的には、図9(a)に示す、輪郭線を
形成する3次元の自由曲線列E0のデータを3次元点列に
変換し、次いで同図(b)に示すように、その3次元点
列を空間内での点間距離を横軸L上の座標値に変換した
2次元点列に展開し、次いで同図(c)に示すように、
その展開した線分列を所定距離オフセットしてオフセッ
ト線分列を作成し、次いで同図(d)に示すように、元
の展開した線分列上の各点を通るZ軸方向の鉛直線とそ
のオフセット線分列との交点をそれぞれ求め、それらの
交点(図中×印で示す)を元の展開した線分列上の各点
(図中○印で示す)に対する対応点とし、最後に同図
(e)に示すように、その元の展開した線分列上の各点
に対応するオフセット線分列上の各交点を、上記輪郭線
をZ軸方向へ掃引した掃引面上の3次元点列に戻す。こ
れによりその交点の3次元点列が上記輪郭下線E1とな
る。
【0036】このようにして生成した各島の3次元輪郭
形状SPは、図8に示すように一定の厚さTHを有するもの
となるので、この3次元輪郭形状SPに基づいて後述する
ように工具長さを検討すれば、ポンチやダイを形成する
ための実際の鋳物等の加工対象物の型開き方向(工具軸
方向)の加工幅が、そのポンチやダイの刃面に一定の厚
さを確保するために図8に示すように局所的に広くなっ
ていても、工具軸方向を変えずにその広い幅の部分を確
実に加工でき、しかもその加工が可能な限りにおいて、
最も短い工具長を決定することができる。
【0037】次いで上記NCデータ作成部12は、工具情
報ファイル16内の上記工具データを用いて、図10に示
す、上記生成した島の3次元輪郭形状に基づく加工可能
工具長検討を行い、先に決定した工具径の工具の内の可
能な限り短い工具を決定する。この加工可能工具長検討
では、上記島の3次元輪郭線を、上記掃引面オフセット
法の場合と同様にして2次元点列に展開し、その2次元
点列の全点に対して、当該島の加工に用いる外径の工具
の内の工具長の短い工具から順に、以下の処理を行うも
のとして、先ずステップ51で、工具保持具であるシャン
クやアーバの、上記輪郭線の2次元点列に干渉しない最
下点の位置を計算し、次のステップ52で、その工具保持
具の最下点から工具の最下点の位置を計算し、さらに次
のステップ53で、図11に示す局所的平滑化を行う。
【0038】この局所的平滑化は、図11(a)に示すよ
うに、金型のX,Y平面に対する工具の移動経路の仰角
αが過大となって工具負荷が過少になることによる島の
輪郭線を越える削り込みの発生を防止するためのもので
あり、ここでは上記ステップ52で求めた工具最下点の点
列の始点から終点へ、線分単位で以下の処理を繰り返す
ものとし、先ず同図(a)に示すように、検討対象とす
るカレント線分PLの上記X,Y平面に対する仰角αを求
め、その仰角が所定の最大仰角α0 を越えている場合に
は、同図(b)に示すように、カレント線分PLの両端点
のうちでZ軸方向の値が低い方の点をカレント線分PLの
仰角が最大仰角α0 となる位置まで上昇させ、その上昇
させた点が始点寄りの点の場合は図示のようにそのカレ
ント線分PLに対し始点寄りの線分が今度は最大仰角α0
を越える可能性があるので、次に同図(c)に示すよう
に、その始点LP寄りの線分について逆戻りして仰角αを
求め、その仰角が所定の最大仰角α0 を越えている場合
には上記と同様に端点を上昇させることで仰角を減ら
し、かかる逆戻り処理を始点LPに向かって順次に、最大
仰角α0 を越えていない仰角αが見つかるまで行って、
その最大仰角α0 を越えていない仰角αが見つかった時
点で終了し、その後は、上記カレント線分PLの次の線分
から、仰角αを求める処理を再開する。
【0039】次にここではステップ54で、上記輪郭線の
2次元点列上の各点とその点に対応する上記工具最下点
とのZ軸方向の値との差を計算して工具食込量(Z軸方
向の削り幅)を求め、続くステップ55で、その食込量が
指定値以上あるか否かを判定し、食込量が指定値未満の
場合は削り幅が少な過ぎるため加工効率が低くなり過ぎ
るのでそこからステップ58へ進み、食込量が指定値以上
ある場合には次のステップ56で削り残しをチェックす
る。この削り残しチェックでは、上記輪郭線の2次元点
列上の各点に対応する、上記生成した3次元輪郭形状の
輪郭下線の2次元点列上の点と、上記工具最下点とのZ
軸方向の値を比較し、工具最下点のZ軸方向の値が輪郭
下線点列上の点のZ軸方向の値に等しいかそれよりも小
さければ、工具が輪郭下線まで届いて、上記生成した3
次元輪郭形状をその工具で削り残しなく加工できること
になる。
【0040】従って、上記ステップ56でのチェックの結
果削り残しがない場合は、その工具長さの工具を使用工
具として選択して、ステップ57で、工具の選択を終了す
る。一方、上記ステップ56でのチェックの結果削り残し
がある場合は、ステップ57からステップ58へ進み、ステ
ップ58では、次の長さの工具(上記削り残しがある工具
あるいは食込量が指定値未満の工具の次に短い工具)が
有るか否かを調べ、ある場合にはそこからステップ51へ
戻ってその工具につき上述した処理を繰り返すが、次の
長さの工具が無い場合にはステップ59へ進む。
【0041】そしてステップ59では、工具情報ファイル
16内の工具データ中の先に決定した工具径の工具の全て
につき、上記食込量が指定値以上あるか否かの判定を再
度行って、食込量が指定値以上の工具の数を調べ、その
数が0の場合は対象工具なしとのエラー表示を出力する
が、その食込量が指定値以上の工具の数が0でない場合
は、次のステップ60で、それら食込量が指定値以上の工
具につきそれぞれ、上記削り残しチェックと同様にして
Z軸方向の削り残し量の計算を行って、削り残し量を最
少とする工具長の工具を使用する工具として選択し、工
具の選択を終了する。
【0042】このようにして各工順で使用する工具の工
具長さを決定した後、上記NCデータ作成部12は、その
決定した工具長さのデータに、曲線データファイル13内
の上記複数の島の3次元曲線データと、加工方法情報フ
ァイル17内の上記決定した使用工具径と加工順とのデー
タと、2次元工具経路ファイル18内の上記決定した工具
最短移動経路のデータとを組み合わせて、可能な限り大
径でかつ可能な限り短い工具を使用する、上記複数の島
の3次元輪郭形状加工用NCデータを自動作成し、その
作成したNCデータを、3次元輪郭加工用NCデータフ
ァイル19に収納する。なお、ここではポンチやダイの刃
面を形成する加工のみを対象としてNCデータを作成し
ているが、これは、その刃面よりも図では下方の部分は
通常、鋳物等の形成の際にあらかじめ内側へ逃がしてあ
るので、加工対象とならないからであり、刃面よりも下
方の逃がし部分の加工も行う場合には、上記輪郭下線を
利用して工具移動経路を設定すれば、容易にその逃がし
部分の加工用のNCデータを作成することができる。
【0043】従って、この実施例の装置によれば、加工
検討作業を自動的かつ系統的に行うので、作業者の加工
検討作業の熟練度等によらず常に高い加工精度および加
工効率を得ることができるとともに、加工検討作業の工
数を大幅に省くことができ、また、可能な限り短い長さ
の工具の決定も自動的に行い得るので、複数の島の3次
元輪郭形状の加工用NCデータを自動的に作成し得て、
加工の自動化により加工工数も大幅に省くことができ、
さらに、工場の機械稼働率の向上と機械加工自動化率の
向上も実現することができる。
【0044】なお、前記加工方法決定部11は、前記アプ
ローチ・リトラクト点干渉検討に際し、各島に対する工
具のアプローチ・リトラクト点での他の島との干渉の有
無を調べて、干渉が生ずる場合はアプローチ・リトラク
ト点位置を調整し、調整不能の場合はその干渉する島を
取り外してその干渉する島の工順を後に回し、取り外し
ができない場合は検討対象の島および干渉する島の使用
工具径を下げるので、容易かつ確実に、使用工具径を可
能な限り大きいものとするとともに工順を可能な限り少
ないものとすることができ、しかも工具径を工順に優先
させて加工精度を確保することができる。
【0045】また、前記加工方法決定部11は、前記切削
干渉検討に際し、各島の切削時の他の島との切削干渉の
有無を調べて、干渉が生ずる場合は、その干渉する島を
取り外してその干渉する島の工順を後に回し、取り外し
ができない場合は検討対象の島および干渉する島の使用
工具径を下げるので、この点でも、容易かつ確実に、使
用工具径を可能な限り大きいものとするとともに工順を
可能な限り少ないものとすることができ、しかも工具径
を工順に優先させて加工精度を確保することができる。
【0046】さらに、前記加工方法決定部11は、前記複
数の島の相互の組合せにおける前記アプローチ・リトラ
クト点での干渉に関するデータを記入するアプローチ・
リトラクト点干渉マトリックスと、前記複数の島の相互
の組合せにおける切削干渉に関するデータを記入する切
削干渉マトリックスと、前記複数の島と工順との組合せ
における前記複数の島の加工順および取り外しの有無を
記入する工順マトリックスとの三種類のマトリックスを
用いているので、加工検討作業で工順を決定する際に、
検討のもれを確実に防止し得るとともに種々のデータを
効率的に利用し得て、決定する加工方法をより高い効率
のものとすることができる。
【0047】また、前記3次元NCデータ作成部12は、
前記複数の島の3次元輪郭線を型開き方向へ掃引した掃
引面上で前記3次元輪郭線を所定距離掃引した掃引輪郭
線をその掃引面上で所定距離オフセットさせて3次元輪
郭下線を求め、その3次元輪郭下線と前記3次元輪郭線
とで前記掃引面を区画して各島の3次元輪郭形状を生成
するので、各島の所定厚さの3次元輪郭形状を確実に生
成し得て、加工可能な範囲で可能な限り短い工具を、よ
り確実に決定することができる。
【0048】そして前記3次元NCデータ作成部12は、
加工可能工具長検討に際し、工具経路の仰角を調べて、
その仰角を所定の最大仰角以下に抑える局所的平滑化を
行うので、工具に加わる負荷を平滑化し得て加工精度を
より高めることができる。
【0049】以上、図示例に基づき説明したが、この発
明は上述の例に限定されるものでなく、請求項記載の発
明の範囲で適宜に変更することができ、例えば、この発
明の装置は、CAMシステムから独立したコンピュータ
にて構成することもでき、あるいはCADシステム側に
組み込むこともでき、さらには所要に応じて、上述の如
き逃がし部分の加工用NCデータの作成処理部を組み込
んでも良い。
【0050】
【発明の効果】かくしてこの発明の3次元輪郭加工用N
Cデータ作成装置によれば、加工検討作業を自動的かつ
系統的に行うので、作業者の加工検討作業の熟練度等に
よらず常に高い加工精度および加工効率を得ることがで
きるとともに、加工検討作業の工数を大幅に省くことが
でき、また、可能な限り短い長さの工具の決定も自動的
に行い得るので、複数の島の3次元輪郭形状の加工用N
Cデータを自動的に作成し得て、加工の自動化により加
工工数も大幅に省くことができ、さらに、工場の機械稼
働率の向上と機械加工自動化率の向上も実現することが
できる。
【0051】なお、前記加工方法決定手段1を、前記ア
プローチ・リトラクト点干渉検討に際し、各島に対する
工具のアプローチ・リトラクト点での他の島との干渉の
有無を調べて、干渉が生ずる場合はアプローチ・リトラ
クト点位置を調整し、調整不能の場合はその干渉する島
を取り外してその干渉する島の工順を後に回し、取り外
しができない場合は検討対象の島および干渉する島の使
用工具径を下げるものとすれば、容易かつ確実に、使用
工具径を可能な限り大きいものとするとともに工順を可
能な限り少ないものとすることができ、しかも工具径を
工順に優先させて加工精度を確保することができる。
【0052】また、前記加工方法決定手段1を、前記切
削干渉検討に際し、各島の切削時の他の島との切削干渉
の有無を調べて、干渉が生ずる場合は、その干渉する島
を取り外してその干渉する島の工順を後に回し、取り外
しができない場合は検討対象の島および干渉する島の使
用工具径を下げるものとしても、容易かつ確実に、使用
工具径を可能な限り大きいものとするとともに工順を可
能な限り少ないものとすることができ、しかも工具径を
工順に優先させて加工精度を確保することができる。
【0053】さらに、前記加工方法決定手段1を、前記
複数の島の相互の組合せにおける前記アプローチ・リト
ラクト点での干渉に関するデータを記入するアプローチ
・リトラクト点干渉マトリックスと、前記複数の島の相
互の組合せにおける切削干渉に関するデータを記入する
切削干渉マトリックスと、前記複数の島と工順との組合
せにおける前記複数の島の加工順および取り外しの有無
を記入する工順マトリックスとの少なくとも一つを用い
るものとすれば、加工検討作業で工順を決定する際に、
検討のもれを確実に防止し得るとともに種々のデータを
効率的に利用し得て、決定する加工方法をより高い効率
のものとすることができる。
【0054】また、前記3次元NCデータ作成手段2
を、前記複数の島の3次元輪郭線を型開き方向へ掃引し
た掃引面上で前記3次元輪郭線を所定距離掃引した掃引
輪郭線をその掃引面上で所定距離オフセットさせて3次
元輪郭下線を求め、その3次元輪郭下線と前記3次元輪
郭線とで前記掃引面を区画して各島の3次元輪郭形状を
生成するものとすれば、各島の所定厚さの3次元輪郭形
状を確実に生成し得て、加工可能な範囲で可能な限り短
い工具を、より確実に決定することができる。
【0055】そして前記3次元NCデータ作成手段2
を、前記加工可能工具長検討に際し、工具経路の仰角を
調べて、その仰角を所定の最大仰角以下に抑える局所的
平滑化を行うものとすれば、工具に加わる負荷を平滑化
し得て、加工精度をより高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の金型の3次元輪郭加工用NCデータ
作成装置の構成を示す概念図である。
【図2】この発明の金型の3次元輪郭加工用NCデータ
作成装置の一実施例の概略構成を示す構成図である。
【図3】上記実施例の装置の加工方法決定部11が行う加
工検討処理の手順を示すフローチャートである。
【図4】上記加工検討処理中におけるアプローチ・リト
ラクト点距離判定の手順を示すフローチャートである。
【図5】上記加工検討処理中における切削干渉判定の方
法を示す説明図である。
【図6】上記加工検討処理中で用いる三種類のマトリッ
クスを示す説明図である。
【図7】上記実施例の装置の加工方法決定部11が行う工
具最短移動経路決定の方法を示す説明図である。
【図8】上記実施例の装置の3次元NCデータ作成部12
が行う3次元輪郭形状生成の方法を示す説明図である。
【図9】上記3次元輪郭形状生成で用いる掃引面オフセ
ット法を示す説明図である。
【図10】上記実施例の装置の3次元NCデータ作成部
12が行う加工可能工具長検討処理の手順を示すフローチ
ャートである。
【図11】上記加工可能工具長検討処理中における局所
的平滑化の方法を示す説明図である。
【符号の説明】
1 加工方法決定手段 2 3次元NCデータ作成手段 11 加工方法決定部 12 3次元NCデータ作成部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23Q 15/00 - 15/28 G05B 19/18 - 19/46

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自由曲線列の集合からなる3次元輪郭線
    により定義された加工対象となる島を複数有する金型を
    製作する際の、それら複数の島の3次元輪郭形状の加工
    に用いられるNCデータを自動的に作成する装置におい
    て、 型開き方向から見た前記複数の島の2次元輪郭線に基づ
    き、最初の工順および大径の工具から順次に、検討対象
    工具径では島を取り外さなければ干渉を回避できずかつ
    島が取り外し可能でない場合は使用工具径を下げること
    を前提に、アプローチ・リトラクト点干渉検討と、切削
    干渉検討とを繰り返して、それら複数の島につき、可能
    な限り大きい使用工具径と、可能な限り工順の少ない加
    工順と、各工順での島間の工具最短移動経路とを決定す
    る加工方法決定手段(1)と、 前記決定した使用工具径と加工順と工具最短移動経路と
    を用い、前記複数の島の3次元輪郭線に基づく各島の所
    定厚さの3次元輪郭形状の生成と、それら生成した島の
    3次元輪郭形状に基づく加工可能工具長検討を行って、
    可能な限り短い工具を使用する前記複数の島の3次元輪
    郭形状加工用NCデータを作成するNCデータ作成手段
    (2)と、 を具えることを特徴とする、金型の3次元輪郭加工用N
    Cデータ作成装置。
  2. 【請求項2】 前記加工方法決定手段(1)は、前記ア
    プローチ・リトラクト点干渉検討に際し、各島に対する
    工具のアプローチ・リトラクト点での他の島との干渉の
    有無を調べて、干渉が生ずる場合はアプローチ・リトラ
    クト点位置を調整し、調整不能の場合はその干渉する島
    を取り外してその干渉する島の工順を後に回し、取り外
    しができない場合は検討対象の島および干渉する島の使
    用工具径を下げるものであることを特徴とする、請求項
    1記載の、金型の3次元輪郭加工用NCデータ作成装
    置。
  3. 【請求項3】 前記加工方法決定手段(1)は、前記切
    削干渉検討に際し、各島の切削時の他の島との切削干渉
    の有無を調べて、干渉が生ずる場合は、その干渉する島
    を取り外してその干渉する島の工順を後に回し、取り外
    しができない場合は検討対象の島および干渉する島の使
    用工具径を下げるものであることを特徴とする、請求項
    1もしくは請求項2記載の、金型の3次元輪郭加工用N
    Cデータ作成装置。
  4. 【請求項4】 前記加工方法決定手段(1)は、前記複
    数の島の相互の組合せにおける前記アプローチ・リトラ
    クト点での干渉に関するデータを記入するアプローチ・
    リトラクト点干渉マトリックスと、前記複数の島の相互
    の組合せにおける切削干渉に関するデータを記入する切
    削干渉マトリックスと、前記複数の島と工順との組合せ
    における前記複数の島の加工順および取り外しの有無を
    記入する工順マトリックスとの少なくとも一つを用いる
    ものであることを特徴とする、請求項1乃至請求項3の
    いずれか記載の、金型の3次元輪郭加工用NCデータ作
    成装置。
  5. 【請求項5】 前記3次元NCデータ作成手段(2)
    は、前記複数の島の3次元輪郭線を型開き方向へ掃引し
    た掃引面上で前記3次元輪郭線を所定距離掃引した掃引
    輪郭線をその掃引面上で所定距離オフセットさせて3次
    元輪郭下線を求め、その3次元輪郭下線と前記3次元輪
    郭線とで前記掃引面を区画して各島の3次元輪郭形状を
    生成するものであることを特徴とする、請求項1乃至請
    求項4のいずれか記載の、金型の3次元輪郭加工用NC
    データ作成装置。
  6. 【請求項6】 前記3次元NCデータ作成手段(2)
    は、前記加工可能工具長検討に際し、工具経路の仰角を
    調べて、その仰角を所定の最大仰角以下に抑える局所的
    平滑化を行うものであることを特徴とする、請求項1乃
    至請求項5のいずれか記載の、金型の3次元輪郭加工用
    NCデータ作成装置。
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