JP3220695B2 - 電池式殺虫剤蒸散装置、および殺虫剤蒸散方法 - Google Patents
電池式殺虫剤蒸散装置、および殺虫剤蒸散方法Info
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Description
置、およびこれを用いた殺虫剤蒸散方法に関するもので
ある。
マットを加熱してマット中の薬剤を蒸散させる装置、例
えば電気蚊取器が知られている。これらの装置は、アレ
スリン、フラメトリン、プラレトリンなどの殺虫剤を含
浸させたマットを150〜180℃に加熱し、約12時
間にわたり殺虫成分を蒸散させるもので、100〜20
0Vの交流電源を必要とするため使用場所が屋内に制限
されるという欠点を有していた。一方、電源や電源用コ
ードの使用できない屋外用の防虫、殺虫剤として蚊取線
香があるが、火気を用いるという問題は避けられない。
このため、金属触媒を使用し、ベンジン、LPG、固形
メタノールなどの気化燃料を用いるいわゆる白金カイロ
を殺虫剤蒸散に応用する試みが研究されたことがある
が、メタノールの毒性、気化燃料の火災に対する安全
性、更に温度コントロールの困難さ等から実用化には至
らなかった。
池を用いるという発想も以前からあったが、従来の10
0V用電気蚊取器で発熱手段として使用されている無機
の正特性サーミスタ(無機PTC:主としてチタン酸バ
リウムと酸化鉛等から構成されるタイプ)に乾電池を繋
いだ場合、発熱性能を得ることはできない。一方、唯一
可能な自動車用鉛蓄電池については、走行中に充電する
ことができるため目的を達することができるが、その用
途は自動車に限られ、しかも容量が大きすぎて汎用品に
は程遠いものであった。そこで、乾電池や蓄電池を利用
し、かつ満足のいく発熱持続時間を得るためには、従来
の放熱板温度(150〜180℃)を100℃以下に下
げ消費電力を抑えることが必要とされるが、無機PTC
では抵抗値をあるレベル以下に低くできないため、所望
の温度を得ることは極めて困難である。
明は、乾電池や蓄電池を使用する殺虫剤蒸散装置におい
て、放熱板の温度を60〜100℃に下げ、満足のいく
発熱持続性能を奏し得ると共に、コスト的にも使用可能
な電池式殺虫剤蒸散装置、ならびにこれを用いた殺虫剤
蒸散方法を実現することを目的としてなされたものであ
る。
発明は、殺虫剤と接するように配設された放熱板と、電
池を用いた発熱手段を具備し、該放熱板の表面温度を6
0〜100℃に加熱して殺虫剤を蒸散させる電池式殺虫
剤蒸散装置において、前記発熱手段は、熱可塑性のポリ
オレフィン樹脂とカーボンの混合物から成る正特性サー
ミスタ(有機PTC)を電池に繋いで構成され、更に、
殺虫剤として20℃における蒸気圧が1.0×10−4
mmHg以上であるシクロプロパンカルボン酸エステル
系ピレスロイドを用いたことを特徴とする電池式殺虫剤
蒸散装置、ならびにこれを用いた殺虫剤蒸散方法に係
る。
電気蚊取器で使用される無機PTCとは異なり、熱可塑
性のポリオレフィン樹脂とカーボンの混合物から成る有
機PTCを用いることを特徴とする。すなわち、無機P
TCでは、抵抗値を所望どおり下げることができないの
に対し、本発明の有機PTCは抵抗値を十分下げ得る特
性を有し、従って殺虫剤を蒸散させる放熱板温度を60
〜100℃に設定することが可能となった。熱可塑性の
ポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリ
プロピレン樹脂などがあげられるがこれらに限定される
ものではなく、また、カーボンとの配合比率も使用目的
に応じて適宜決定される。また、有機PTCの形状も種
々可能で、例えば、本発明では、層状の有機PTC組成
物に銅電極板を取りつけ、更に両面を難燃性ポリエステ
ル等の絶縁体で被覆したもの(10×15mm)を用
い、乾電池で2〜7Vを印加することによって約100
〜400mAの電流値、ならびに約70〜100℃の発
熱温度を得たが、所望により任意に調整しえるものであ
る。通常、この有機PTC上に、熱源の伝導体で、かつ
殺虫剤の受皿としての放熱板が付設されるが、その形状
も何ら限定されない。
電式の蓄電池があり、通常市販品を任意に使用できる。
乾電池としては、例えば、アルカリ電池、マンガン電
池、リチウム電池、水銀電池、酸化銀電池などがあげら
れ、一方、充電式の蓄電池として、ニッケル・カドミウ
ム電池、ニッケル・亜鉛電池、ナトリウム・硫黄電池、
鉛電池などを例示できるが、これらに限定されるもので
ないことはもちろんである。本発明の殺虫剤蒸散装置
は、電池総量として好ましくは2〜7V使用すれば十分
であり、例えば1.6Vのアルカリ乾電池を4本繋ぐこ
とにより、60〜100℃の加熱温度を20時間以上持
続することができる。
板の温度が60〜100℃に設定されるため、これに適
用される殺虫剤としては、20℃における蒸気圧が1.
0×10−4mmHg以上であるシクロプロパンカルボ
ン酸エステル系ピレスロイドが好適である。その代表例
を示せば下記のとおりであるが、これらに限定されるも
のでなく、また、酸部分、アルコール部分の不斉炭素に
基づく光学異性体、あるいは幾何異性体が存在する場合
は、それらの異性体の単独、もしくは任意の混合物も本
発明に包含される。 A)1−エチニル−2−メチル−2−ペンテニル クリ
サンテマート(以降 エムペントリンと称す) B)5−プロパルギル−2−フリルメチル クリサンテ
マート(以降 フラメトリンと称す) C)5−プロパルギル−2−フリルメチル 2,2,
3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート
(以降 化合物Cと称す) D)2−メチル−4−オキソ−3−プロパルギル−2−
シクロペンテニル 2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキ
シレート(以降 化合物Dと称す)
H、BHA、ヨシノックス425などの安定剤、揮散調
整剤、香料、着色料、石油などの溶剤が適宜配合される
ほか、必要に応じて殺菌剤、抗菌剤、殺ダニ剤、消臭剤
等の他の種類の薬剤を混合し多目的組成物を得ることも
できる。
るが、その手段として種々の方法が可能である。例え
ば、前記殺虫剤配合液を適当な分注手段を用いて、パル
プ、リンター等から成るマットに含浸させ、これを放熱
板に載置する、いわゆる蚊取マット方式のほか、放熱板
をバット状となして、殺虫剤、もしくは殺虫剤配合液を
これに直接注加する、いわゆるバーベキュー方式、更に
は、適当な吸液芯を用いて殺虫剤配合液を吸い上げると
共に吸液芯の先端を放熱板に接触させる、いわゆる吸上
方式等を例示できる。
設けられた放熱板に殺虫剤を適用し、本発明が特徴とす
る有機PTCを、装置内部に収納した乾電池、あるいは
充電式の蓄電池に繋いで放熱板温度を60〜100℃に
加熱すれば、殺虫成分が時間と共に蒸散し、高い殺虫、
防虫効果を広い区域、かつ長時間にわたって持続するこ
とができる。すなわち、本発明は、電池を用いるため屋
外でも簡単に使用でき、しかもコスト的にも見合う極め
て実用的な電池式殺虫剤蒸散装置、ならびに殺虫剤蒸散
方法を提供するものである。なお、本発明の殺虫剤蒸散
装置の形状、大きさは全く任意であり、放熱板、有機P
TC、電池等の前記必須部材の外、従来の電気蚊取器に
準じて、スイッチ、通電ランプ、マット固定部材等を適
宜付設してもよいことはもちろんである。
虫剤蒸散方法がすぐれたものであることをより明らかに
するため、実施例及び試験例を用いて詳述する。
に示す。1は2.2×3.5cm、厚さ1mmのパルプ
製マットで、20℃における蒸気圧が1.0×10−4
mmHg以上であるシクロプロパンカルボン酸エステル
系ピレスロイドが含浸されている。2は蒸散装置の本体
ケースで、マット1を載置する放熱板3と、放熱板3を
加熱する有機PTC4と、電池5を有している。6は接
続配線、7はスイッチであり、更に本体ケース2の底部
には通気口8が設けられ、ここから流入した空気が本体
ケース内を通って上昇しマット1からの殺虫成分の揮散
を高めるようになっている。上記構成した蒸散装置にお
いて、エムペントリン40mgを含むマット1を、放熱
板3上に載せ、1.6V用アルカリ乾電池4ケを直列に
接続して用いたところ、約75℃の温度を約20時間接
続することができ、2日間にわたり蚊の防除に有効であ
った。
2に示す。図中の符号2〜8は実施例1と同様である。
9は殺虫剤配合液を収容するボトルで、この中央部には
吸液芯10が装着されている。一方、放熱板3と有機P
TC4を含む発熱体部は、屈曲、折曲自在なる係合片1
1を介して本体ケース2に支持されており、使用開始時
に、放熱板3が吸液芯10の先端部と接するように駆動
される。上記構成した蒸散装置において、化合物Cを
1.5%含有する薬液を用い、総容量として10Vの乾
電池に接続して使用したところ、約80℃の発熱温度を
20時間以上保ち、化合物Cの揮散量も蚊の防除に十分
な量であった。なお、薬剤の蒸散面積を大きくするため
吸液芯10を図3のような形状にしてもよいし、薬剤吸
液素材12を放熱板3または有機PTC4に直接貼りつ
けるような構成にしてもよい(図4,図5)。
虫剤、及び放熱板の表面温度を変えて以下の揮散試験及
び効力試験を実施した。 1)揮散試験・・・マットから揮散する殺虫成分を経時
的にトラップし、1時間あたりの殺虫成分揮散量(mg
/H)として求めた。 2)効力試験・・・2×2×2mのチャンバーの底面中
央に蒸散装置を置き、上方隅にセットした蚊(ケージ
入)に対する効力を評価した。 試験結果を表1に示す。
の放熱板の表面温度が60〜100℃の範囲で有効揮散
し、20時間にわたって蚊に対する高い効力を保持し
た。一方、上記殺虫剤を60℃より低い温度で用いた場
合は揮散性が乏しく、逆に110℃程度まで高めると成
分は短時間で揮散し終り不適であった。また、アレスリ
ンやプラレトリンは、20℃における蒸気圧がそれぞれ
4.2×10−5mmHg、3.5×10−5mmHg
と低く、60〜100℃の温度範囲では殺虫効力を奏す
るに至らなかった。従って、本発明は、電池の使用、有
機PTCを活用することによる表面温度の低温化、この
温度範囲に適した殺虫剤の選択といった種々の要件を組
みあわせてはじめてなし得たものであるといえる。
リオレフィン樹脂とカーボンの混合物から成る有機PT
Cを採用し、更に殺虫剤として20℃における蒸気圧が
1.0×10−4mmHg以上であるシクロプロパンカ
ルボン酸エステル系ピレスロイドを用いることによっ
て、60〜100℃で殺虫成分を効率的に揮散させうる
実用的な電池式殺虫剤蒸散装置、およびこれを用いた殺
虫剤蒸散方法を提供する。
図 図3 本発明電池式殺虫剤蒸散装置で用いられる吸液芯
の断面図 図4 本発明電池式殺虫剤蒸散装置で用いられる吸液芯
と吸液素材の断面図 図5 本発明電池式殺虫剤蒸散装置で用いられる吸液芯
と吸液素材の断面図
Claims (3)
- 【請求項1】 殺虫剤と接するように配設された放熱板
と、電池を用いた発熱手段を具備し、該放熱板の表面温
度を60〜100℃に加熱して殺虫剤を蒸散させる電池
式殺虫剤蒸散装置において、 前記発熱手段は、熱可塑性のポリオレフィン樹脂とカー
ボンの混合物から成る正特性サーミスタ(有機PTC)
を電池に繋いで構成され、更に、殺虫剤として20℃に
おける蒸気圧が1.0×10−4mmHg以上であるシ
クロプロパンカルボン酸エステル系ピレスロイドを用い
たことを特徴とする電池式殺虫剤蒸散装置。 - 【請求項2】 蒸散装置に収納される電池の全容量が2
〜7Vであることを特徴とする請求項1記載の電池式殺
虫剤蒸散装置。 - 【請求項3】 殺虫剤と接するように配設された放熱板
と、電池を用いた発熱手段を具備する電池式殺虫剤蒸散
装置において、 前記発熱手段として、熱可塑性のポリオレフィン樹脂と
カーボンの混合物から成る正特性サーミスタ(有機PT
C)を、電池に繋いで該放熱板の表面温度を60〜10
0℃に加熱し、20℃における蒸気圧が、1.0×10
−4mmHg以上であるシクロプロパンカルボン酸エス
テル系ピレスロイドを蒸散させることを特徴とする殺虫
剤蒸散方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04315593A JP3220695B2 (ja) | 1993-01-21 | 1993-01-21 | 電池式殺虫剤蒸散装置、および殺虫剤蒸散方法 |
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Publications (2)
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JPH06209683A JPH06209683A (ja) | 1994-08-02 |
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