JP3220569B2 - 食肉加工製品の歩留り向上方法 - Google Patents
食肉加工製品の歩留り向上方法Info
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Description
留りの向上および食感の向上に関するものであり、特に
これら食肉加工製品の製造に際して有効性が発揮される
ものである。
による肉の身締まりや肉汁の浸出逃散により、歩留りが
低くなる。この点を改善する目的で、副原材料として食
品素材を肉に注入する方法、または、肉と混合して練り
上げる方法が行われている。この処理に際して食品素材
は、液状または懸濁状にして注入あるいは混合される
か、粉末状にして混合されている。しかし、これらの方
法でも、離水または注入口からの漏れのために、原料肉
に対する歩留りは低く、一層の改善方法の開発が待たれ
ていた。
添加使用することも広く行われているが、この場合の有
機酸塩の効果は、特開昭62−146571号及び同昭
62−285753号の如く、主として肉の品質維持、
日持ちの向上を目的としたもので、肉の歩留りの向上を
目的としたものではない。
題点を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定の有
機酸塩と特定の食品素材とを併用し、これを直接または
適当な調味液あるいは水と混合して原料肉と混合成型す
るか、または適当な調味液あるいは水に溶解あるいは混
合して原料肉に注入することにより、充分な歩留りの向
上が得られることが確認され、さらに食感も向上するこ
とを見出し、本発明を完成した。
して、乳酸のナトリウム塩、カリウム塩およびカルシウ
ム塩から選ばれる1種以上を用い、上記特定の食品素材
として、糖類、セルロース類またはタンパク質を含有す
る食品素材を使用する。糖類、セルロース類またはタン
パク質を含有する食品素材の具体例としては、例えば、
デンプンおよび植物繊維を主成分として含有するセキセ
ルDP(旭化成工業(株)製品)、カラギーナン、血液
タンパク質および糖類を主成分として含有するTH−7
(千葉製粉(株)製品)、などのような市販品が挙げら
れる。乳酸塩とこれら特定の食品素材は、あらかじめ配
合し、この配合物を、そのまま使用するか、あるいは、
調味液または水5〜50部に溶解または懸濁させたもの
を使用する。これらの改良剤配合物は、原料肉と混合す
る方法、あるいは、原料肉に注入する方法等で使用す
る。このように乳酸塩と上記特定の食品素材との併用に
より、相乗効果が現れ、それぞれを単独で使用した場合
と比較して大きな歩留りの向上が認められた。
し、乳酸塩0.1〜5.0重量部および上記特定の食品
素材0.1〜5.0重量部となるように調製することが
望ましい。つまり、乳酸塩および上記特定の食品素材の
使用量は、肉100重量部に対して0.1重量部未満で
は、大きな歩留りの向上効果が期待できず、一方、5.
0重量部を超えると乳酸による食味への影響が出たり、
上記特定の食品素材による食感への影響が現れることが
あり、必ずしも好ましいとはいえない。使用量として
は、各々0.1〜5.0重量部の範囲、特には、0.5
〜4.0重量部が望ましい。
類と混合する場合は肉100重量部当たり5〜30重量
部、注入法による場合は肉100重量部当たり15〜5
0重量部とすることが、食肉加工製品の品質の上から望
ましい。
獣肉、鳥肉、あるいはこれらの混合物があり、一般的な
使用例としては、ハム、ソーセージ類、加熱調理する焼
き肉類、ミンチした肉を使用するハンバーグ、メンチカ
ツ等が挙げられる。
が、肉類は、加熱調理するとき、特に焼いたときに、歩
留りの低下が著しいことが知られており、実施例では、
鶏肉を本発明の方法で処理した後、焼いてその効果を確
認している。さらに、製品である肉加工品の食味の向上
のために、各種の調味料や肉汁類を配合した調味液を使
用することができるが、調味液に含まれる本発明以外の
成分による影響を排除し、本発明の効果を明らかにする
ために、改良剤の溶液の調製には、調味液は用いず、水
を使用している。しかし、これらのことで、本発明が実
施例のみに限定されるものではない。部は重量部を意味
する。
mm(横)×20mm(厚さ)に切り分け、その重量
(W1)を測定する。乳酸ナトリウム((株)武蔵野化
学研究所製)1部および食品素材としてセキセルDP
[旭化成工業(株)製品;デンプン50%以上および植
物繊維35%以上から成る乾燥減量10%以下の組成
物]1部を水58部に混合溶解して改良剤の配合溶液を
あらかじめ調製する。肉100部に対し、この改良剤溶
液30部(重量W2)を、肉の縦方向に3か所からと、
横方向に4か所からにわけて注入する。注入後、冷蔵庫
のチルドルーム(0℃)で24時間放置した後、室温に
戻して重量(W3)を測定して次式により本発明に係わ
る注入率を求める。
を合計7分間焼き上げ、室温まで放冷する。冷後、肉の
重量(W4)を測定し、肉の縦、横、厚さを求め、重量
歩留り
固体差による誤差・バラツキを少なくするために、同一
条件の試験を4回行い、その平均値を、本発明における
改良剤の添加効果とする。
し、食感の評価を行う。その評価は、15名のパネラー
に試食させ、肉汁が多く、ジューシーで軟らかい肉質
で、良好と判断した人数により、次のようにA、B、C
の3段階とする。
1に示す。
(比較例1)および乳酸塩と食品素材の改良剤配合溶液
にかえて、水30部を用いる場合(比較例2)において
試験の操作と測定を、実施例1と同様に行う。結果は、
表1に示す。
の水溶液をあらかじめ調製し、実施例1と同様に操作し
て試験を行う。また、比較例としていずれかの改良剤の
みを使用した試験を同様に行う。その結果を、表1に示
す。
から、改良剤による処理を行わない場合、水だけを注入
する場合は重量歩留りが80%程度と悪く、食感もC評
価となっている。また、セキセルDPを使用せず、乳酸
ナトリウム溶液を使用した場合も、食感はB評価に向上
したが、重量歩留りの向上は認められていない。一方、
乳酸塩を使用せず、セキセルDPを使用した場合は、食
感でB評価、重量歩留りも85%と向上が認められる
が、まだ充分なものとはいえない。
トリウムとセキセルDPとを併用した場合は、0.5部
ずつの使用でも注入効果の向上があり、重量歩留りは8
9%まで上昇し、食感もA評価に向上しており、改良剤
の併用の効果が認められている。改良剤の配合を増やし
たその他の配合では、さらに、注入効果の上昇、重量歩
留りと食感の向上が認められている。なお、改良剤の使
用量をいずれも4%(合計で8%)にした場合は、食感
がB評価どまりとなっているが、改良剤のいずれかが2
%で、他が4%の場合は、食感もA評価で、効果が認め
られている。また、長さ歩留りでは、縦および横方向へ
の改良剤の添加効果は小さいが、厚さでの効果は顕著で
あり、肉汁の逃散を抑え、ふっくらとした焼き上がりの
ジューシーな肉になることが確認された。
剤のうち、食品素材をセキセルDPからTH−7[千葉
製粉(株)製品;カラギーナン15%、焼成カルシウム
3%および血液タンパク質と糖類との合計82%から成
る組成物]に代え、配合量を表2のとおりとした他は、
実施例1と同様に操作して改良剤の効果を試験する。結
果を表2に示す。
キセルDPに比べ、重量歩留りの向上への効果が、より
一層高いことが認められるが、改良剤の単独使用と併用
における効果の現れかたは、同様な傾向があることが確
認された。
食品素材としてセキセルDPまたはTH−7を使用し、
他は実施例5と同様に操作して改良剤の効果を試験す
る。その結果は、表3に示す。
酸カリウムに代えても、同様な効果が認められる。
を説明してきたが、食肉加工製品の歩留りの向上を目的
として食品素材のみを使用する場合に比べ、乳酸のナト
リウム塩またはカリウム塩と併用することにより、歩留
りの向上に大きな効果が認められた。さらに食感への良
い影響も認められた。この本発明の併用による効果は、
ハム、ソーセージ、肉ダンゴ、ハンバーグ、メンチカ
ツ、鳥肉等の食肉加工製品に、広く利用できる。
Claims (2)
- 【請求項1】 獣肉または鳥肉加工製品を製造するにあ
たり、肉100重量部に対し、乳酸塩0.1〜5.0重
量部および糖類、セルロース類またはタンパク質を含有
する食品素材0.1〜5.0重量部を、またはこれらを
調味液または水5〜50重量部に溶解もしくは懸濁させ
たものを、注入または混合することを特徴とする獣肉ま
たは鳥肉加工製品の歩留り向上方法。 - 【請求項2】 乳酸塩が、乳酸ナトリウムまたは乳酸カ
リウムである請求項1に記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15459493A JP3220569B2 (ja) | 1993-06-02 | 1993-06-02 | 食肉加工製品の歩留り向上方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP15459493A JP3220569B2 (ja) | 1993-06-02 | 1993-06-02 | 食肉加工製品の歩留り向上方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06343423A JPH06343423A (ja) | 1994-12-20 |
JP3220569B2 true JP3220569B2 (ja) | 2001-10-22 |
Family
ID=15587604
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15459493A Expired - Lifetime JP3220569B2 (ja) | 1993-06-02 | 1993-06-02 | 食肉加工製品の歩留り向上方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3220569B2 (ja) |
Families Citing this family (7)
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JP2010068772A (ja) * | 2008-09-19 | 2010-04-02 | Yokohama Yushi Kogyo Kk | 鶏肉加工用o/w型エマルション組成物及び鶏肉加工食品の製造方法 |
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-
1993
- 1993-06-02 JP JP15459493A patent/JP3220569B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JPH06343423A (ja) | 1994-12-20 |
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