JP3220327B2 - 周波数検出方法と装置および電力系統安定化システム - Google Patents

周波数検出方法と装置および電力系統安定化システム

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JP3220327B2 JP13558694A JP13558694A JP3220327B2 JP 3220327 B2 JP3220327 B2 JP 3220327B2 JP 13558694 A JP13558694 A JP 13558694A JP 13558694 A JP13558694 A JP 13558694A JP 3220327 B2 JP3220327 B2 JP 3220327B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、周波数検出装置に係
り、特に電力系統における交流入力量の周波数検出方式
に関する。
【0002】
【従来の技術】電力系統における交流量の周波数検出方
法として、特公昭63−46648号公報等に明らかな
ように、交流量の零点の直前、直後のサンプリング値か
ら直線近似により零点を求める方式が周知である。この
改良案として、特開昭57−129126号公報に開示
のように、零点を検出する度に、その零点から過去の任
意倍数半サイクル前の零点までの時間を求めて、周波数
の検出精度を向上する方法がある。
【0003】一方、直線近似によらない周波数検出方法
として、特開平2−187669号公報などに記載のよ
うに、複数のサンプリング値を入力として逆三角関数演
算により周波数を求めるものが公知である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】直線近似による方法
は、零点前後のサンプリング値から直接に零点を求める
ために、周波数が5%変化した場合の演算誤差が約0.
06%とその検出精度が低く、周波数変化幅の検出など
には困難があった。
【0005】一方、上記した逆三角関数による方法は、
半周期に3〜5点の入力サンプリング値を必要とするの
で、その値にピークの近傍を含むことが多い。交流量の
測定を共用する場合には、特定の用途の検出精度をあげ
るためにフルスケールを低く抑えることがあり、交流波
形によってはピークの近傍がA/D変換部のフルスケー
ルを超えてしまうことがある。しかし、1点でもフルス
ケールを超えた場合は、周波数の測定が不可能になると
いう問題点がある。
【0006】本発明の目的は、上記した従来の直線近似
方式と逆三角関数方式の問題点を克服し、測定不能を生
じることなく高精度で信頼性の高い周波数検出方法及び
装置を提供することにある。
【0007】本発明の他の目的は、系統周波数を高速且
つ高精度に監視して、周波数の異常時に所定の安定化制
御を可能にする信頼性の高い電力系統安定化システムを
提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、正弦波
の交流の周波数をリアルタイムに検出する周波数検出方
法において、交流の電圧または電流の瞬時量を所定の周
期でサンプリングし、サンプリング値の極性変化から零
点の存在を検知し、前記零点に対するサンプリングの位
相時間差を当該零点の直前及び直後のサンプリング値か
ら逆三角関数演算(tan~1)により算出し、前回の零
点から今回の零点までの検出区間の時間を前記位相時間
差とこの間のサンプリング回数に基づいて算出し、前記
検出区間の時間の逆数より正弦波の交流の周波数を求め
ることにより達成される。
【0009】また、検出区間は、所定回(n回)前の零
点から今回の零点までとし、この間の最初と最後の前記
位相時間差と前記サンプリング回数から前記検出区間の
時間を零点毎に算出し、該時間の逆数のn/2として正
弦波の交流の周波数を求めることにより達成される。
【0010】
【作用】図2を参照しながら本発明の原理を説明する。
交流入力波形のピーク値をvm、サンプリング時刻T1
とT2間の零点からT2の位相角をθ1、一定サンプリ
ング周期△Tを電気角dで表現とすると、零点の直前、
直後のサンプリング値v1、v2は数式(1),(2)
より求まる。
【0011】
【数3】 v1=vm・sin(θ1−d) ……(1) v2=vm・sinθ1 ……(2) 式(1)を展開すると、式(3)となる。
【0012】
【数4】 v1=vm(sinθ1・cosd−cosθ1・sind) ……(3) 数式(2)と(3)より、数式(4)と数式(5)が得
られる。
【0013】
【数5】 v2/sinθ1=v1/(sinθ1・cosd−cosθ1・sind)…(4) tanθ1=v2・sind/(v2・cosd−v1) …(5) 式(5)において、v1とv2の符号は常に反対となる
から、サンプリング角dが0〜90度(通常はd=30
度)では、右辺の分母項が0となることがないので、い
わゆる不定処理の必要がない。また、右辺の演算結果は
常に0または正の値となる。
【0014】この式(5)の逆正接として、位相角θ1
は数式(6)により求まる。
【0015】
【数6】 θ1=tan~1(v2・sind/(v2・cosd−v1)) …(6) サンプリング間隔△Tが定められると、その電気角d及
びsind,cosdは定数となる。
【0016】位相角θ1は、零点に対するサンプリング
時刻T2の位相時間差△t2の電気角表現であり、△t
2は数式(7)により求まる。
【0017】
【数7】 △t2=(θ1/d)・△T=(△T/d)・tan~1(v2・sind /(v2・cosd−v1)) ……(7) 同様に、半サイクル後の零点直後の電気角をθ2とする
と、△t6は数式(8)より求まる。
【0018】
【数8】 △t6=(θ2/d)・△T=(△T/d)・tan~1(v6・sind /(v6・cosd−v5)) ……(8) よって、零点から零点までの半サイクルを周波数算出の
検出区間とすれば、毎回の検出区間の時間Tsは数式
(9)、そのときの周波数fはTsの逆数の1/2とし
て、数式(10)により求まる。
【0019】
【数9】 Ts=△t2+4△T−△t6 ……(9) f=1/(2Ts)=1/(2(△t2+4△T−△t6))……(10) 数式(9)、(10)を一般化すると、数式(11)、
(12)が得られる。
【0020】
【数10】 Ts=△t(1)i+K・△T−△ti ……(11) f=1/(2Ts)=1/(2(△t(1)i+K・△T−△ti))…(12) ここで、△t(1)i:前回の零点との時間位相差、△
i:今回の零点との時間位相差、K:前回の零点直後
の次のサンプリングから今回の零点直後までのサンプリ
ング回数である。
【0021】本発明の周波数検出によれば、正弦波の交
流の半サイクルにおいて、零点前後の2のサンプリング
値を基に逆三角関数(tan~1)により演算したサンプ
リング位相時間差を用いて、半サイクルの検出区間の実
時間をリアルタイムに算出し、この逆数より周波数を求
めているので、従来の直線近似に比べて検出精度を向上
できる。
【0022】また、周波数の演算には零点の直前、直後
の2のサンプリング値を用いるので、サンプリング周期
を通常用いられる30度ていどにすれば、交流のピーク
値より十分に小さい値となり、A/D変換時にスケール
オーバーして測定不能に陥ることがなく、信頼性の高い
周波数検出が可能になる。
【0023】なお、上記における周波数の検出周期は、
零点毎の半サイクルとしているが、1サイクルにするこ
ともできる。即ち、サンプリング値の乗算による正負判
定が負の場合に、零点後のサンプリング値が正(または
負)となる零点のみを採用し、周波数演算を行う。
【0024】さらに、本発明の拡張として、周波数算出
の検出区間を数式(11)の半サイクルから任意倍数
(n)半サイクルとし、且つ、周波数の検出周期は半サ
イクルとする方法が可能となる。この場合の検出区間の
時間Tsと周波数fは、数式(13)、(14)により
求まる。
【0025】
【数11】 Ts=△t(n)i+Kn・△T−△ti ……(13) f=n/(2Ts)=n/(2(△t(n)i+Kn・△T−△ti))…(14) ここで、△t(n)i:n倍半サイクル前の零点直後の位相
時間差、Kn:n倍半サイクル前の零点直後の次から今
回零点直後までのサンプリング回数である。
【0026】これによれば、式(14)の分母項におけ
るKn・△Tは式(12)のK・△Tの約n倍となるの
で、分母項の位相時間差に含まれる誤差の影響がそのぶ
ん低下し、半サイクル毎の高速検出を維持しながら、周
波数の検出精度をさらに向上できる。
【0027】これによれば、従来専用ハードによらなけ
れば困難であった周波数の変化幅の検出ができ、電力安
定化装置への適用が可能になる。
【0028】
【実施例】本発明の実施例を図面を参照しながら説明す
る。
【0029】図3は、本発明の一実施例による周波数検
出装置の構成を示したものである。電圧変成器4で計測
実測される電力系統3の電圧(電流でも可)は、高調波
成分を除去するフィルタ5、アナログ/デジタル変換す
るA/D変換器6を介して周波数検出装置1に取り込ま
れる。A/D変換器6は周波数検出装置1から制御され
るサンプリング周期△T毎に、デジタル量のサンプリン
グ値を出力する。周波数検出装置1によって検出された
周波数は、表示手段などの出力装置7に出力される。な
お、フィルタ5やA/D変換器6を含めて、周波数検出
装置と呼んでもよい。
【0030】周波数検出装置1は、処理の全体を制御す
る制御部10、サンプリング値の取り込みや演算結果を
出力する入出力処理部11及び周波数検出処理部12を
具備している。記憶装置2は制御部10によって書き込
み/読出しされ、演算に必要な範囲のサンプリング値の
時系列や、各部の演算結果などを格納する記憶エリアを
有している。
【0031】周波数検出処理部12は、時系列のサンプ
リング値の符号変化から零点を検知する零点検出手段1
21、周波数の検出区間のサンプリング回数をカウント
するサンプリング回数積算手段122、零点直後のサン
プリング点の位相差を逆三角関数により演算する位相差
演算手段123、位相差とサンプリング回数を用いて算
出した検出区間の時間から、系統の周波数を演算する周
波数演算手段124からなる。
【0032】本例の周波数検出装置1はCPUを利用
し、各部の機能を実行するプログラムやデータからなる
ソフトウエアで構成している。この場合、記憶装置2は
主メモリであり、これらプログラムやデータを記憶して
いる。
【0033】図1は、本実施例の周波数検出装置の動作
を説明するフローチャートで、被測定交流の半サイクル
を周波数算出の検出区間及び検出周期とした例である。
なお、サンプリング間隔dは、電力系統用保護リレーで
広く採用されている電気角30度としている。
【0034】本処理は、サンプリングデータが入力され
る度に起動される。まず、今回のサンプリング値vi
取り込んで記憶し(s101)、サンプリング数Kを+
1する(s102)。なお、サンプリング数Kは、前回
の零点の検出時に0クリアされている。
【0035】次に、時系列に入力される前回のサンプリ
ング値vi-1と今回のサンプリング値viを乗算する(s
103)。の間の極性変化の有無を判定する。これはv
i-1とviを乗算し、乗算結果の正負を判定する(s10
4)。判定の結果が正であれば、両者のサンプリングの
間に極性(符号)の変化がない。即ち、前回と今回のサ
ンプリングの間に正弦波の交流の零点は存在しないの
で、処理を終了して次のサンプリングデータを待つ。
【0036】一方、正負の判定結果が負であれば、前回
と今回の間に正弦波の交流の零点(ゼロクロス)が存在
するので、この零点と今回サンプリング点の位相時間差
△tiを数式(7)より求める(s105)。
【0037】本例はd=30度で、cosd=√3/
2,sind=1/2となるので、数式(7)は数式
(15)に置き替えられる。
【0038】
【数12】 △ti=△T/30・tan~1(vi/(2√3・vi−4・vi-1)) …(15) 今回の零点直後の位相時間差△tiは、次回の周波数演
算にも利用するために記憶される(s106)。
【0039】なお、逆正接の変数部の値と△tiの対応
関係を、予めデータテーブル化して記憶装置2に格納し
ておけば、式(15)の演算速度を上げることができ
る。
【0040】次に、数式(11)に従い、前回の零点か
ら今回の零点までの時間、即ち検出区間の実時間を算出
し、その逆数を1/2して、半サイクルの検出区間にお
ける周波数を求める(s107)。その後、Kを0クリ
アして(s108)終了し、次のサンプリング待ちとな
る。
【0041】なお、周波数の検出周期を1サイクルとす
る場合は、上記のステップs102後に今回の入力デー
タviの正負判定を行い、正の場合のみステップs10
3に移行し、負の場合は終了する。周波数は、検出区間
が1サイクルの実時間の逆数として計算されることはも
ちろんである。
【0042】また、零点の直前のサンプリング点の位相
時間差△ti-1(=△T−△ti)を算出し、前回の零点
直後の位相時間差と今回の零点直前の位相時間差とその
間のサンプリング回数から、検出区間の時間を求めるよ
うにしてもよい。さらには、零点の直後に代えて、零点
の直前のサンプリングの位相時間差△ti-1を基に、検
出区間の時間を算出することも可能である。
【0043】本実施例によれば、半サイクルの短い検出
周期で、直線近似に比べ精度の高い周波数検出が可能で
ある。また、サンプリング周期d=30度で、演算式の
分母項は0になることがないので、演算処理が簡単にな
る。しかも、演算に用いるサンプリング値は零点の直前
及び直後に限定されるので(他は符号のみを監視)、オ
ーバースケールによる測定不能を生じることもないの
で、信頼性が高い。
【0044】次に、本発明の第二の実施例を説明する。
【0045】図4は、本実施例が適用される電力系統安
定化システムの概略の構成を示したものである。電力系
統は、点線内に模式的に示すように、複数の発電機40
0から発電された電力を送電線300を介して負荷に供
給する。発電機400と送電線300の接続を断/続す
る遮断器500は、安定化装置100の子局200によ
って制御される。安定化装置100は、通信線600を
経由して電力系統の電圧や電流あるいは保護リレー等に
よる事故情報が取り込まれる。
【0046】安定化装置100は、周波数監視装置10
0aと図示していない電力系統の周波数整定値の設定手
段を具備し、周波数整定値に対する系統周波数が過大ま
たは過小となる場合に、子局200に対して制御指令2
00aを出力する。周波数監視装置100aは、安定化
装置100が受信した電圧(または電流)をサンプリン
グ値(vi)として、系統の周波数を検出する。
【0047】子局200は、制御指令200aに応じて
電力系統の遮断器500の断/続や負荷制限あるいは系
統分離などの制御200bを行い、脱調などの発生を防
止する。
【0048】図5は、周波数監視装置100aの動作を
説明するフローチャートである。本例の周波数算出のた
めの検出区間はn倍の半サイクル、周波数の検出周期は
半サイクルである。通常、nは3〜5に設定される。
【0049】周波数監視装置100aの処理動作は、周
波数整定値の変更要求が有る場合またはサンプリングデ
ータが入力される場合に起動される。変更要求の有る場
合は(s201)、あらたな周波数整定値f0を取り込
みまたは設定する(s202)。なお、検出区間を設定
するための半サイクルの倍数nを変更する場合も、この
ステップで設定する。
【0050】整定値変更要求が無いときは、今回のサン
プリング値viを取り込んで記憶し(s203)、前回
の零点以後のサンプリング数Kを+1する(s20
4)。次に、前回のサンプリング値vi-1と今回のサン
プリング値viを乗算し、その正負を判定し(s20
5)、判定が正の場合は終了する。
【0051】判定が負の場合は、前回と今回のサンプリ
ングの間に零点が存在するので、以下の処理を行う。
【0052】まず、n回半サイクルの検出区間に亘っ
て、△T毎のサンプリング数Knをカウントする(s2
06)。このKnは半サイクル毎の積算値の積み重ねと
して、下記の式順(矢印)で算出される。
【0053】
【数13】Kn=Kn-1+K ↓ Kn-1=Kn-2+K ↓ ・・・・・・・・ ↓ K2=K1+K ↓ K1=K すなわち、前回の(n−1)半サイクル前〜半サイクル
前までの積算値Kn-1,Kn-2,....K2,K1の各々
に、今回の半サイクルのKを順次加算し、1歩進された
今回のn半サイクル前〜1サイクル前までの積算値(K
n,...K2)を算出する。今回の半サイクル前の積算
値K1=Kとなる。
【0054】次に、数式(15)より今回のサンプリン
グの位相時間差△tiを算出し(s207)、記憶する
(s208)。さらにn回前の零点から今回の零点まで
の検出区間の時間Tsを数式(13)、周波数fを数式
(14)より求める(s209)。この後、Kを0クリ
アする(s210)。
【0055】次に、周波数整定値f0に対する検出周波
数fの偏差△fを求め、偏差△fが許容範囲内にあるか
判定し(s211)、許容範囲内にあれば正常とみて検
出周波数のみを出力し(s213)、表示または記録さ
れる。
【0056】いっぽう、検出周波数が整定値以上であれ
ば、負荷電力量に比べて発電量が大きく、整定値以下で
あれば発電量が少ない。いずれの場合にも、許容範囲を
超える異常周波数となれば系統に脱調を生じるので、電
力系統の発電量制限または負荷制限あるいは系統分離な
どの安定化制御を行う必要がある。
【0057】そこで、検出周波数の整定値の許容範囲を
超えている場合は、周波数の異常信号を安定化装置10
0に出力する(s212)。
【0058】本実施例によれば、n倍の半サイクルに延
長された検出区間によって、系統の周波数が高精度に且
つ半サイクル毎に検出できる。ちなみに、本実施例によ
る周波数の検出誤差は、周波数5%の変動時で、従来の
0.06%から0.009%と、1桁ちかく改善されて
いる。
【0059】この結果、系統周波数の整定値変更などの
場合にも、周波数変化幅の検出が高速且つ高精度に実現
できるので、電力系統安定化システムの信頼性を一段と
向上できる。
【0060】上記の実施例で、周波数監視装置100a
は安定化装置100に付設したが、子局200に付設し
て、同様な監視を行わせることも可能である。
【0061】
【発明の効果】本発明の周波数検出方法によれば、交流
の零点前後のサンプリング値を元に、零点とサンプリン
グ周期の位相差を逆三角関数により演算し、これより零
点から零点までの検出区間の時間を算出するので、検出
精度を向上できる効果がある。しかも、半サイクルの検
出周期を維持しながら、任意倍数の半サイクルに検出区
間を延長することが可能で、より精度を向上できる効果
がある。
【0062】本発明の周波数検出装置によれば、ソフト
機能によって専用のハードと同等以上のものを安上がり
に実現でき、かつ、零点近傍のサンプリング値を利用す
る検出原理から測定不能を生じることがなく、信頼性を
向上できる効果がある。
【0063】本発明の電力系統安定化システムによれ
ば、半サイクル毎に系統周波数を高精度に検出して整定
値に対する変化幅を監視し、系統周波数の過大または過
小を正確に評価して所定の安定化制御を実行するので、
電力系統における脱調などを防止でき、システムの信頼
性を一段と向上できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の周波数検出方法を説明する
フローチャート。
【図2】被測定交流の波形とサンプリング時間の関係を
説明する説明図。
【図3】本発明の一実施例の周波数検出装置を説明する
構成図。
【図4】電力系統安定化システムの概略を説明する構成
図。
【図5】第二の実施例の周波数監視方法を説明するフロ
ーチャート。
【符号の説明】
1…周波数検出装置(CPU)、2…記憶装置(主メモ
リ)、3…電力系統、4…電圧変成器、5…フィルタ、
6…A/D変換器、7…出力装置、10…制御部、11
…入出力処理部、12…周波数検出処理部、100…電
力系統安定化装置、100a…周波数監視装置、121
…零点検出手段、122…サンプリング回数積算手段、
123…位相差演算手段、124…周波数演算手段、△
T…サンプリング周期、d…サンプリング周期の電気角
表現、vi…サンプリング値、θi…零点から直後のサ
ンプリング点までの位相角、△ti…零点から直後のサ
ンプリング点までの位相時間差、Ts…検出区間の時
間、f…検出周波数。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−142469(JP,A) 特開 平2−187668(JP,A) 特開 平2−187669(JP,A) 特開 昭59−200521(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01R 23/02

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正弦波の交流の周波数をリアルタイムに
    検出する周波数検出方法において、 交流の電圧または電流の瞬時量を所定の周期でサンプリ
    ングし、サンプリング値の極性変化から零点の存在を検
    知し、前記零点に対するサンプリングの位相時間差を当
    該零点の直前及び直後のサンプリング値から逆三角関数
    演算(tan~1)により算出し、前回の零点から今回の
    零点までの検出区間の時間を前記位相時間差とこの間の
    サンプリング回数に基づいて算出し、前記検出区間の時
    間の逆数より正弦波の交流の周波数を求めることを特徴
    とする周波数検出方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記サンプリングの位相時間差は、前記零点に対する直
    後のサンプリングの位相時間差△tであり、(数1)に
    より算出されることを特徴とする周波数検出方法。 【数1】△t=(△T/d)・tan~1(v2・sind
    /(v2・cosd−v1)) ここで、△Tはサンプリング周期、dは△Tの電気角、
    v1は零点直前のサンプリング値、v2は零点直後のサ
    ンプリング値である。
  3. 【請求項3】 請求項2において、 前記前回の零点は正弦波交流の半サイクル前であり、前
    記検出区間の時間Tsは(数2)により算出され、Ts
    の逆数の1/2として周波数を求めることを特徴とする
    周波数検出方法。 【数2】Ts=△ti(1)+K△T−△ti ここで、△ti(1)は前回の位相時間差、△tiは今回
    の位相時間差、Kは前記サンプリング回数である。
  4. 【請求項4】 請求項1または2または3において、 前記周波数は半サイクル毎に検出されることを特徴とす
    る周波数検出方法。
  5. 【請求項5】 請求項1または2において前記零点は、
    前記零点直後のサンプリング値が正または負となる場合
    のみを採用し、前回の零点が正弦波交流の1サイクル前
    となる前記検出区間の時間の逆数として、1サイクル毎
    に周波数を求めることを特徴とする周波数検出方法。
  6. 【請求項6】 正弦波の交流の周波数を半サイクル毎に
    検出する周波数検出方法において、 交流の瞬時量を所定の周期でサンプリングし、サンプリ
    ング値の極性変化から零点の存在を検知し、その零点の
    直前及び直後のサンプリング値から前記サンプリングの
    位相時間差を逆三角関数演算(tan~1)により算出
    し、所定回数(以下、n回と呼ぶ)前の半サイクルの零
    点に対応する位相時間差と今回の零点に対応する位相時
    間差及びn回前の零点から今回の零点までの検出区間の
    サンプリング回数に基づいて前記検出区間の時間を算出
    し、該時間の逆数のn/2として正弦波の交流の周波数
    を求めることを特徴とする周波数検出方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項において、 前記サンプリングの所定の周期は、電気角表現で30度
    に設定されることを特徴とする周波数検出方法。
  8. 【請求項8】 正弦波の交流の周波数をリアルタイムに
    検出する周波数検出装置において、 交流の電圧または電流の瞬時量を所定の周期でサンプリ
    ングするサンプリング手段と、 時系列に入力されるサンプリング値の極性変化から零点
    の存在を検知する零点検知手段と、 前記零点に対するサンプリングの位相時間差を当該零点
    の直前及び直後のサンプリング値から逆三角関数演算
    (tan~1)により算出する位相差演算手段と、 所定回(以下、n回)前の零点から今回の零点までの検
    出区間におけるサンプリング回数をカウントするサンプ
    リング回数積算手段と、 n回前の零点に対応する位相時間差と今回の零点に対応
    する位相時間差及び前記サンプリング回数に基づいて前
    記検出区間の時間を算出し、該時間の逆数から正弦波の
    交流の周波数を算出する周波数演算手段と、 n回前から今回までの前記位相時間差を記憶する記憶手
    段と、を備えることを特徴とする周波数検出装置。
  9. 【請求項9】 請求項8において、 前記サンプリング手段は、アナログ量の前記瞬時量をデ
    ジタル量に変換するA/D変換器を有し、前記所定の周
    期を電気角表現で30度に設定されてなることを特徴と
    する周波数検出装置。
  10. 【請求項10】 負荷と複数の発電機と、負荷へ電力を
    供給する送電線から構成される電力系統の周波数の異常
    時に、電源や系統構成の制御を行う電力系統安定化シス
    テムにおいて、 電力系統の交流量を電気角30度の周期でサンプリング
    し、交流の零点の直前及び直後のサンプリング値から前
    記サンプリングの位相時間差を逆三角関数演算(tan
    ~1)により算出し、所定回数前の半サイクルの零点から
    今回の零点までの検出区間の時間を前記位相時間差とサ
    ンプリング回数を基に算出して電力系統の周波数を求め
    る周波数検出手段と、 電力系統の周波数制定値に対する前記周波数検出手段に
    よる周波数の偏差を求め、所定の範囲を超えているとき
    に異常信号を出力する周波数変化幅監視手段と、を設け
    ることを特徴とする電力系統安定化システム。
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