JP4562068B2 - 誘導電動機の制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は、電車や工作機械、ファン、ポンプ等の駆動用誘導電動機の制御装置に関するものであり、特にフリーランしている誘導電動機の安定した再起動を目的としたフリーラン回転数と回転方向を検知する制御装置に関するものである。
従来の誘導電動機の制御装置によるフリーラン回転状態の検出は、誘導電動機、PWMインバータ、電流検出手段、電流制御手段等で構成される電流制御ループに対し、直流電流指令値をステップ状に印加し、そのとき発生する電流値、電圧指令値のリップル成分の脈動周波数を計測し、この周波数がほぼフリーラン回転速度に比例する特性と利用して回転速度を検出し、またフリーラン回転方向の検出は、直交する2軸成分の電圧指令値の各軸成分に重畳した脈動成分の位相関係が、回転方向に依存することを利用していることが示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平3−3694号公報(図1、図4、図5 P630〜P631)
しかしながら、前記特許文献1に示されたフリーラン状態検出方法では、電圧指令値の各成分、あるいは電流値の各軸成分に重畳した脈動成分の位相関係を監視している。そのため、低速域で回転方向を検知する場合、脈動、符号変化の周期が遅いため、位相関係を確実に把握するのに時間がかかるという問題点があった。
例えば、フリーラン回転数が5Hzの場合、7点の符号反転(3周期分)の検知にかかる時間は0.6秒である。現実には、直流の電流指令値をステップ状に印加した直後には、過度振動が存在し、これを位相変化として誤検知することを避ける目的でカウント待機時間を設けているので、この所要時間はさらに長くなる。電流脈動の符号反転の検知回数を減らせば、フリーラン回転方向の最終判定にかかる所要時間を短くできるものの、実際には誤検知が含まれても判定制度を維持するために複数回の符号反転検知が望ましい。従って検知回数の削減、所要時間の短縮を行うことに限界があるという問題点を有していた。
この発明は、前記のような課題を解決するためになされたもので、フリーラン状態にある誘導電動機の回転数および周波数を迅速かつ確実に検知可能な制御装置を提供することを目的とする。
この発明に係る誘導電動機の制御装置は、電力変換装置と電圧指令値出力装置と電流検出装置とフリーラン状態検知装置とを備え、
電力変換装置は、誘導電動機に電力を供給するものであり、電圧指令値出力装置は、誘導電動機の固定子上の直交するα、β軸のうち、α軸に印加する電圧の指令値を電力変換装置に出力するものであり、電流検出装置は、誘導電動機に流れる電流を検出してβ軸電流値を演算するものであり、
フリーラン状態検知装置には、積分手段と逆数演算手段と補正手段とが設けられており、積分手段はα軸に電圧印加後のβ軸電流値を積分し、誘導電動機の回路時定数で決まる周波数より低い周波数積分の信号Xを抽出し、逆数演算手段は信号Xの逆数1/Xを算出して出力し、補正手段は逆数1/Xに、あらかじめ設定された誘導電動機の比例ゲインKを積算して得られた信号wmにより、フリーラン状態にある誘導電動機の回転状態を検知するものである。
またさらにこの発明に係る誘導電動機の制御装置は、電力変換装置と電圧指令値出力装置と電流指令値出力装置と電流検出装置とタイミング管理装置と第1、および第2のフリーラン状態検知装置と結果判別装置とを備え、
さらに第1のフリーラン状態検知装置には、複数の積分手段と、信号取得手段と補正手段とが設けられており、また第2のフリーラン状態検知装置には、脈動抽出手段と符号反転回数カウンタと脈動周波数計測手段とが設けられており、電力変換装置は、誘導電動機に電力を供給するものであり、電流検出装置は、電流指令値出力装置は、電圧指令出力装置に誘導電動機の固定子上のα、β軸のうちα軸に電流指令値を出力するものであり、電圧指令値出力装置は、電流検出装置が誘導電動機に流れる電流を検出して演算したα軸電流値およびβ軸電流値と、電流指令値出力装置が出力する電流指令値に基づいてα軸電圧指令値およびβ軸電圧指令値を算出して電力変換装置に出力するものであり、
タイミング管理装置は、α軸電流指令値を印加した時点から所定の時間経過後に、サンプリングタイミング信号を出力するものであり、第1のフリーラン状態検知装置に設けられた複数の積分手段は、α軸電流指令値を印加した後のβ軸電流値を2回以上の積分を行って、誘導電動機の回路時定数で決まる周波数より低い周波数成分の信号Xnを抽出するものであり、
補正手段には、フリーラン周波数と信号Xnとの関連を示すテーブルが設けられており、入力した信号Xnからフリーラン状態にある誘導電動機の第1の回転状態を検知して結果判別装置に出力するものであり、
第2のフリーラン状態検知装置に設けられた脈動抽出手段は、β軸電流の脈動成分を抽出して符号反転回数カウンタに出力するものであり、符号反転回数カウンタは、β軸脈動電流の脈動成分の符号が反転する回数をカウントし、その値を脈動周波数計測手段に出力するものであり、脈動周波数計測手段は、タイミング管理装置がα軸に電圧を印加した時点からの時間と、β軸電流脈動成分の符号反転回数とから脈動周波数を算出することによりフリーラン状態にある誘導電動機の第2の回転状態を検知して結果判別装置に出力するものであり、
結果判別装置は、第1、第2のフリーラン状態検知装置の出力する第1、第2の回転状態検知結果のうち、より先に得られた結果をもって、フリーラン状態にある誘導電動機の回転状態と判別するものである。
この発明の誘導電動機の制御装置は、誘導電動機に流れる電流に含まれる信号のうち、誘導電動機の回路時定数に応じて緩やかに変動する成分に注目してフリーラン状態に検知するので、回転方向の情報を含むフリーラン回転周波数に比例した値を得ることができ、脈動信号の周波数計測に頼ることなく、迅速にフリーラン状態(回転方向、回転数)を検知できる。
またさらにこの発明の誘導電動機の制御装置は、第1のフリーラン状態検知装置によって得られる前記効果に加え、第2のフリーラン状態検知装置は、電流ループを構成することによって電力変換装置主回路のデッドタイムに起因して発生する電圧外乱の影響を抑制できて、フリーラン状態検知の精度が向上し、さらに結果判別装置によって第1、第2のいずれか先に出力する結果をもってフリーラン状態を判別しているので、低速から高速の全領域にわたって精度よく、かつ迅速にフリーラン状態を検知できる。
実施の形態1.
以下、この発明を図に基づいて説明する。図1は実施の形態1による誘導電動機の制御装置100を示す構成図であり、電力変換装置2、電圧指令値出力装置3a、電流検出装置4、フリーラン状態検知装置6a、タイミング管理装置7で構成され、さらに前記フリーラン状態検知装置6aにはローパスフィルタ60、積分手段61、逆数演算手段62、補正手段63aおよび信号取得手段66が設けられている。
次に、誘導電動機1、電力変換装置2、電圧指令値出力装置3a、電流検出装置4の動作について説明する。なお、本説明においては電流指令値、電圧指令値、電流値を固定子座標上の直交した2軸(αβ軸)で与える。
電圧指令値出力装置3aは、αβ軸電圧指令値vα_ref、vβ_refを電力変換装置2に出力する。電力変換装置は入力されたαβ軸電圧指令値vα_ref、vβ_refに基づく実際の電圧ベクトルを誘導電動機1へと出力する。例えば主回路として電圧型インバータを用いる場合には、αβ軸電圧指令値vα_ref、vβ_refを3相での波形に変換した後、3相のインバータのスイッチングパターンを生成する演算処理を経て、主回路の制御入力にスイッチングパターンを入力することで、誘導電動機1にパルス幅変調された3相電圧が供給される。
電流検出装置4では、実際の電流を電流センサなどで取得した3相での値iu,iv,iwに対し、次の式1、2からαβ軸での値iα、iβに座標変換を行い、このうちiβをフリーラン状態検知装置6aに出力する。
Figure 0004562068
Figure 0004562068
次に、誘導電動機1がフリーラン状態のときに、電圧指令出力装置3aが直流の電圧指令vα_ref=Vo、vβ_ref=0を出力したときのαβ軸電流iα、iβの挙動について説明する。
図2は、ステップ状に直流電圧指令vα_ref=Vo、vβ_ref=0が出力されたときにおける、αβ軸電流iα、iβの挙動を模式的に表したものである。
α軸電流iαとしては、電圧指令vα_ref=Voと誘導電動機1のα軸インピーダンスで決まる直流値が流れる。
一方、β軸電流iβには、誘導電動機1におけるα軸電圧からβ軸電流までの伝達特性G_iβ_vαに従って、過渡的な波形が現れる。G_iβ_vαは、式3のように表すことができる。
Figure 0004562068
前記の式3は、広く一般に公知の誘導電動機の式をもとにして導出することができる。前記一般公知の式では、固定子座標軸をdq軸と表記した下式4の形で記載されているが、dqの添え字をαβとし、微分演算子Pとラプラス演算子Sを置き換え、二次電流を消去する式操作を行うと、前記した式3を導出できる。
Figure 0004562068
α軸電圧ステップ印加後のβ軸電流iβは、充分な時間が経つと0に収束するが、過渡的にはフリーラン回転周波数wmで脈動する成分と、それ以外の成分とが現れる。このうち、周波数wmの脈動成分を発生する特性を利用するのが従来の手法であるが、フリーラン回転周波数wmが小さい条件では、脈動成分の周波数を計測するのに時間がかかる課題があることは前述したとおりである。実施の形態1では、β軸電流iβに含まれる信号のうち、誘導電動機の回路時定数に応じて緩やかに変動する成分に注目することでフリーラン状態を検知する。以下、その原理を説明する。
ここで、β軸電流iβを一回積分した信号xを仮定する。誘導電動機1のα軸電圧から信号xまでの伝達特性はG_iβ_vα/sとなる。この伝達特性G_iβ_vα/sの低周波数領域、特に
|s|<<|R1/L1|(よって明らかに|s|<<|R1/σL1|)、
|s|<<|R2/L2|
における特性は、式3に上記近似条件を代入することで以下の式5のように求まる。
Figure 0004562068
式5において、フリーラン回転状態検知が必要なwmの範囲に対し、R2/L2が充分小さいと仮定し(R2/L2)2<<wm2とすると、さらに次の式6が成り立つ。
Figure 0004562068
式6は、G_iβ_vα/sの低周波ゲインがフリーラン周波数wmの逆数に比例し、かつ比例係数の符号が負であることを示している。
なお、前記フリーラン周波数wmは誘導電動機の回転方向が正転時には正、逆転時には負の値をとるためG_iβ_vα/sは回転方向の情報を含んでいる。
この実施の形態1における誘導電動機1のフリーラン状態検知装置6aは、前記式6の特性を利用して回転方向の情報を含めてフリーラン回転周波数を検知するものである。すなわち、直流信号を増幅する積分手段61によって、α軸電圧ステップを印加後のβ軸電流iβに対する直流成分を信号xとして増幅抽出する。なお、式5、式6の導出で注目した低周波数領域の信号を抽出するように、R1/L1やR2/L2よりも低いカットオフ周波数が設定されたローパスフィルタ60を設置するのがさらに望ましい。図2(a)〜(d)に印加電圧や各電流波形の模式図を、図2(e)に前記信号xの波形模式図を示す。式6からα軸電圧ステップ指令vα_refがV0である場合の信号xの収束値は、以下の式7のようになる。
Figure 0004562068
このように、α軸電圧ステップ指令印加後のxの収束値は、ステップ幅のVoに比例し、フリーラン周波数wmに反比例する信号として抽出される。
従って、逆数演算手段62にて、下記の式8で示すようにxの逆数1/xを算出して出力し、補正手段63aに予め求められ設定されている前記誘導電動機1の下記の式9で示される比例ゲインKを、1/xの収束値に積算して出力すれば、符号情報を含むフリーラン回転周波数wmを得ることができる。
Figure 0004562068
Figure 0004562068
なお、xや1/xが定常値に収束するための所要時間は誘導機定数によって決まるが、従来例で示した、例えば5Hzの低速域での脈動周波数計測所要時間に比較すると、1/2〜1/3程度の時間に短縮することが可能である。またタイミング管理装置7は、α軸電圧ステップ指令が、電圧指令値算出装置3aから印加された時点から、信号xが収束する時間を考慮してあらかじめ設定された一定期間後にサンプリングタイミング信号を信号取得手段66に出力すると信号取得手段66は、タイミング管理装置7からサンプリングタイミング信号が入力された時点で、補正手段63aが出力する信号を取得し、フリーラン回転周波数検出結果として出力する。
以上に示したようにこの実施の形態1では、α軸電圧ステップ指令印加後のβ軸電流iβに対し、直流成分を抽出して積分処理、逆数演算処理を行った信号の収束値を取得することで、回転方向の情報を含み、かつフリーラン回転周波数に比例した値を得ることができ、脈動信号の周波数計測に頼ることなく、高速にかつ精度よくフリーラン状態を検知できる。
実施の形態2.
次に実施の形態2の構成を図3に示す。この実施の形態2は前述した図1に示した実施の形態1の構成に対し、抵抗値検出装置8を付加した構成となっており以下、その詳細を説明する。
なお、前記実施の形態1と同様なものは、その説明を省略し、新たな構成要件についてのみ説明する。抵抗値検出装置8は、運転中の発熱等に起因して変動する誘導電動機1の一次抵抗値、二次抵抗値の値を検知する機能を有し、温度検出手段81、抵抗変動補正手段82から構成されている。温度検知手段81では、温度センサなどを用いて誘導電動機1の巻線の温度を検知し、抵抗変動補正手段82に出力する。抵抗変動補正手段82には、誘導電動機1の一次抵抗R1、および二次抵抗R2の温度データが格納されており、温度検知手段81で検知された巻線温度の値に基づいてR1、R2の実際値を推定し、フリーラン状態検知装置6bにおける補正手段63bに出力する。
実施の形態1の式3でも述べたとおり、誘導電動機1におけるα軸電圧からβ軸電流までの伝達特性G_iβ_vαは、一次抵抗値R1、二次抵抗値R2の大きさが影響しており、α軸電圧ステップ指令印加後のxの収束値、およびその逆数についても、式7のようにR1、R2が影響する。すなわち、補正手段63bに設けられ予め計算して求められた補正ゲインKを固定値として設定した場合、温度等に起因した一次抵抗R1、二次抵抗R2の実際の値が変動すると、フリーラン回転周波数検出結果も変動し、その精度が低下する場合がある。
そこで、上記抵抗値検出装置8で得られる一次抵抗値R1の推定値R1e、二次抵抗値R2の推定値R2e、および下記に示す式10を用い、補正手段63b設けられている補正ゲインKeを逐次更新する。このようにすることによって、抵抗変動の影響を受けずにフリーラン回転周波数検出結果を取得することができる。
Figure 0004562068
なお、抵抗値検出手段8として、温度センサを用いる構成を例に説明したが、これに限定されるものではなく、例えば温度センサを用いずに一次抵抗、二次抵抗を推定する方法であってもよい。
従って、それらの方法を用いて補正手段63cにおける補正ゲインKeを更新しても良いことは言うまでもない。
以上に述べた実施の形態2では、前記実施の形態1に加えて以下の効果が得られる。
抵抗値検出装置を設け、運転中に変動する実際の一次抵抗値R1e、二次抵抗値R2eを検出し、信号xに対する補正手段に実際のR1e、R2eを反映させることにより、抵抗変動の影響を廃したフリーラン状態検知が可能となり、検知の精度が向上するという効果がある。
実施の形態3.
実施の形態3の構成を図4に示す。この実施の形態3は前述した図1に示した実施の形態1の構成に対し、電流制御ループを付加した構成となっており、その詳細を以下で説明する。
なお、前記実施の形態と同様なものは、その説明を省略し、新たな構成要件についてのみ説明する。電流指令値出力手段5は、αβ軸上で表される電流指令値iα_ref、iβ_refを電圧指令値出力装置3bに出力する。3bは電圧指令値出力装置であるが、実施の形態1における電圧指令値出力装置3aと異なり、電流検出装置4で取得したαβ軸電流iα、iβと指令値出力装置5から出力される電流指令値iα_ref、iβ_refとに基づいて電圧指令値vα_ref、vβ_refを算出し、電力変換装置2へと出力する。例えば、電圧指令値出力装置3bでは、以下に示す式11、式12のような比例積分制演算や電圧降下補償演算を行う。
Figure 0004562068
Figure 0004562068
上記制御演算によって、誘導電動機1、電力変換装置2、電流検出装置4、電圧指令値出力装置3bからなる電流制御ループが構成され、適切な制御ゲインKpα、Kiα,Kpβ、Kiβを設定することで、電流指令値iα_ref、iβ_refへの追従性、或いは外乱抑圧性を調整できる。なおR1は電圧指令値出力手段内であらかじめ設定された、一次抵抗設定値であり、αβ各軸における一次抵抗による電圧降下量R1・iα、およびR1・iβをvα_ref、vβ_refに足し込むことで、より電流制御を高速化する。
このように、この実施の形態3では、α軸電流指令iα_refをステップ状にiα_ref=Ioと与え、β軸電流指令iβ_refは0として与えると、電流制御ループの動作によって、vα_refには電流指令ステップ幅Ioと誘導電動機定数で決まる電圧値Voの振幅の直流ステップが出力され、vβ_refにはほぼ0が出力される。実施の形態1で示した図2の各状態量波形とほぼ同様に、α軸電流iαとしては、電圧指令vα_ref=Voと誘導電動機1のα軸インピーダンスで決まる直流値が流れ、そしてβ軸電流iβには、誘導電動機1におけるα軸電圧からβ軸電流までの伝達特性G_iβ_vαに従って、過渡的な波形が現れる。なお厳密には、αβ軸電流iα、iβとαβ軸電圧指令値vα_ref、vβ_refにはフリーラン回転周波数で脈動する成分が重畳するが、この成分は利用しない点は、実施の形態1での説明と同様である。
この実施の形態3においては、α軸電流のステップ立ち上げの制御において、電力変換装置2におけるインバータ主回路の上下素子短絡防止期間、いわゆるデッドタイムに起因して発生する外乱電圧を、電流制御ループの効果によって抑圧可能となるため、より高精度かつ滑らかな電圧指令vα_refを出力することができる。これに伴いデッドタイム外乱電圧の影響が抑制されたβ軸電流波形iβが得られ、フリーラン状態検知装置内部の信号x、およびその逆数1/xの挙動が安定し、フリーラン状態検知の精度が向上する効果が得られる。
なお、上記のとおり、デッドタイム外乱を抑圧するためには、式10の電流制御ゲインはなるべく大きく設定するが、フリーラン状態検知に用いるβ軸電流の低周波成分まで抑圧してしまわないよう、β軸のゲインKpβ、Kiβに関しては過度に大きくしないことが望ましい。
以上に述べた実施の形態3では、前記実施の形態1に加えて、以下の効果がある。すなわち、電流ループを構成することによって、インバータ主回路のデッドタイムに起因して発生する電圧外乱の影響を抑制できるので、デッドタイム外乱電圧の影響が抑制されたβ軸電流波形iβが得られ、フリーラン状態検知装置内部の信号x、およびその逆数1/xの挙動が安定し、フリーラン状態検知の精度が向上する効果が得られる。
実施の形態4.
実施の形態4の構成を図5に示す。図1に示した実施の形態1の構成におけるフリーラン状態検知装置6aを、フリーラン状態検知装置6cに置き換えた構成である。以下、その詳細を説明する。
なお、この実施の形態4でも、前記実施の形態1と同様なものは、その説明を省略する。また、α軸電圧指令にステップ指令vα_ref=Voを出力したときのαβ軸電流iα、iβの挙動についても同様であり、その説明を省略する。そしてβ軸電流iβがこの実施の形態4のフリーラン状態検知装置6cに出力される。
フリーラン状態検知装置6cは、N個(N:1以上)の積分手段61a〜61n、補正手段63c、信号取得手段66から構成される。α軸電圧指令にステップ指令vα_ref=Voが出力されたときにiβに含まれる直流成分に注目し、誘導電動機1が有する式(5)の特性を利用する点は前述の実施の形態1〜実施の形態3と同様である。ただし、この実施の形態4のフリーラン状態検知装置6cは、入力されたiβの脈動成分の除去、および直流信号の増幅処理を、N個の積分手段61a〜61nによって行い、抽出された信号をxnとして信号取得手段66に出力する。
実施の形態1と同様にタイミング管理装置7は、電圧指令値算出装置3aがα軸電圧ステップ指令を出力開始した時点から、信号xnが生成される時間を考慮してあらかじめ設定された一定期間後にサンプリングタイミング信号を信号取得手段66に出力する。そして信号取得手段66では、タイミング管理装置7からサンプリングタイミング信号が入力された時点で、N個の積分手段の最終段である積分手段61nが出力する信号xnをサンプルホールドし、その値をxn_setとして補正手段63cに出力する。
補正手段63cには、あらかじめ算出されたxn_setとフリーラン周波数との関係を表すテーブルまたは計算式が備えられており、入力されたxn_setからフリーラン回転方向およびフリーラン回転周波数を検知、出力する。以下、動作原理の詳細を示す。
図6(a)〜(d)に印加電圧や各電流波形の挙動を示す模式図を、図6(e)に前記信号Xnの波形模式図を示すもので、誘導電動機1がフリーラン状態のときにα軸電圧にステップ指令を出力したときのαβ軸電流iαβ、およびiβを入力したN個の積分手段のうち、最後段の積分器61nの出力である信号xnの挙動を示したものである。
β軸電流iβに重畳している脈動成分は、iβの直流成分に注目する本発明においては外乱となる。しかし直列に接続された複数の積分器61a〜61nでは強力なローパス特性が得られるため、これにiβを入力すると通常のローパスフィルタよりも脈動成分を効率的に除去することができる。よって、所望の信号抽出を高速かつ安定に行うことができる。
一方、式6に示したとおり、β軸電流iβに対して1回の積分演算を施した信号xは、誘導電動機定数、ステップ電圧指令の振幅Vo、フリーラン周波数wmが関係した直流値に収束する。よって、β軸電流iβに対して2回以上の積分演算を施した信号xnは、図6(e)に示すように、ある時点から、フリーラン回転方向が正転の場合は負の方向に、フリーラン回転方向が逆転の場合は正の方向に、減少、或いは増加することになる。この信号xnに対し、ステップ電圧出力後、一定期間Tが経過した時点でサンプルホールドしたxn_setを補正手段63cに出力する。
前記実施の形態1〜3で示したβ軸電流iβに対して1回の積分演算を施した信号xの収束値に対する逆数は、式7のとおりフリーラン回転周波数に比例する。すなわちフリーラン回転周波数wmと1/xの収束値の関係は図7のように比例関係となる。一方、この実施の形態4によるβ軸電流iβに対してn回の積分演算を一定期間施したxn_setは、誘導電動機定数、積分時間T、フリーラン周波数wmの関数となり、模式的には図8のようになる。なお、フリーラン回転方向と1/xn_setの符号の関係は、フリーラン回転方向と1/x収束値の符号の関係と同様である。
図8の1/xn_setとフリーラン周波数wmの関係は、あらかじめ、誘導電動機定数、積分時間T、および式(3)に基づいてシミュレーションや解析で算出することが可能である。すなわち、xn_setとwmのテーブルとしても算出しておくことが可能であり、このテーブルを補正手段63cに実装しておく。そして補正手段63cでは、入力される信号xn_setの値について実装されたテーブルを参照または計算することで、回転方向の情報を含めたフリーラン回転周波数を検知することが可能となる。以上述べた実施の形態4では前記実施の形態1に加えて以下の効果がある。
すなわち、積分処理を複数回とすることで、β軸電流iβの直流成分抽出、脈動成分除去を効果的に行うことができるので、フリーラン状態をさらに高速かつ安定に検知できる効果が得られる。
なお、以上の説明では、図6に示したように、xnが単調増加、或いは単調減少であり、その増加、減少率がフリーラン速度に依存していることを利用し、α軸電圧ステップ指令が出力開始された時点から、信号xnが生成される時間を考慮してあらかじめ設定された一定期間Tが経過した時点で信号xnをサンプルホールドし、この値xn_setに基づいて、フリーラン周波数wmを検知する方法について述べたが、図9に示すようにしてもフリーラン周波数wmの検知が可能である。
すなわち、信号取得手段66においては、あらかじめxnの増加、減少を検知するための制限値±xn_limitを設定しておき、タイミング管理手段7から入力される、ステップ指令印加からの時間値を監視することで、信号xnが±xn_limitに到達する所要時間T_setを計測し、この値T_setを補正手段63cに出力する。このT_setの計測方法の概念図を図9に示す。所要時間T_setは、誘導電動機の定数、制限値xn_limit、フリーラン周波数wmの関数となるので、図8に示したようにxn_setとwmの特性が得られるのと同様に、T_setとwmの関係も得ることが可能である。したがって、あらかじめT_setとwmの関係を示すテーブルまたは計算式を補正手段63cに実装しておき、計測したT_setにと補正手段63cのテーブルまたは計算式に基づいてフリーラン回転周波数を検知することも可能である。
また、以上の実施の形態1〜実施の形態4の説明では、α軸にステップ電圧指令値を印加する場合について述べたが、ステップ以外、例えばランプ等、単調増加、単調減少する電圧指令値を印加してもよい。
基本的には、式5、6に示した伝達関数表記を利用すれば、任意のα軸電圧波形に対する、iβの低周波信号波形を事前に算出することができる。すなわち、単調増加、単調減少のα軸電圧を一定期間印加した場合の信号波形xnの終端値をxn_setとしてテーブルデータとしてあらかじめ取得しておくことは、ステップ電圧を印加する場合と全く同様に可能である。従って、あらかじめ、α軸電圧に単調増加指令値を印加した場合のxn_setとフリーラン周波数wmの関係を補正手段63cにテーブルデータとして設定しておき、運転中に実際に検出されるxn_setとテーブルデータとを用いて、フリーラン周波数wmを検知することも可能である。
実施の形態5.
次に実施の形態5の構成を図10に示す。この実施の形態5は前記した実施の形態の構成図5に電流制御ループを付加した構成となっている。図10に示す誘導電動機1、電力変換装置2、電圧指令値出力装置3b、電流検出装置4、電流指令値出力装置5は、前述した実施の形態3と同様に構成された電流ループである。
一方、フリーラン状態検知装置6cは、前記実施の形態4で述べたものと同一である以上の各構成装置の動作は既に説明のものと同拝であるので省略する。
この実施の形態5の構成によって、前記実施の形態4に加え以下の効果を得ることができる。
すなわち電流ループを構成することによって、インバータ主回路のデッドタイムに起因して発生する電圧外乱の影響を抑制できるので、デッドタイム外乱電圧の影響が抑制されたβ軸電流波形iβが得られ、フリーラン状態検知装置内部の信号x、およびその逆数1/xの挙動が安定し、フリーラン状態検知の精度が向上する効果が得られる。
実施の形態6.
次に実施の形態6の構成を図11に示す。この実施の形態6は前記した実施の形態1の構成図1に示したフリーラン状態検知装置6aを、フリーラン状態検知装置6dで置き換えた構成である。フリーラン状態検知手段6dは、実施の形態1〜5におけるフリーラン状態検知装置6a、6b、6c、が有するフリーラン回転周波数の大きさを検知する機能を持たない代わりに、フリーラン回転方向の検知をさらに高速に行う機能を有する。再起動時にフリーラン回転方向のみを検知すればよい用途、例えば、安価な回転計が既に組み込まれた装置のフリーラン再起動機能を向上させる場合など、フリーラン回転周波数の大きさのみ別の手段にて取得できる用途においては、この実施の形態6に示す機能が効果的である。以下、動作の詳細について説明する。
誘導電動機1、電力変換装置2、電圧指令値出力装置3a、電流検出装置4は、前記実施の形態1と同様であり、その説明を省略する。また、α軸電圧指令にステップ指令vα_ref=Voを出力したときのαβ軸電流iα、iβの挙動についても同様であり、その説明を省略する。そしてβ軸電流iβがフリーラン状態検知装置6dに出力される。
フリーラン状態検知装置6dは、N個(N:1以上)の積分手段61a〜61n、符号算出手段64、符号逆転手段65、信号取得手段66から構成される。α軸電圧指令にステップ指令vα_ref=Vo が出力されたときにiβに含まれる直流成分に注目し、誘導電動機が有する式5の特性を利用する点も前記実施の形態1〜5と同様である。
フリーラン状態検知装置6dは、入力されたiβの脈動成分の除去、および直流信号の増幅処理を、N個の積分手段61a〜61nによって行う。最後段の積分器61nの出力である信号xnの挙動は、実施の形態4の説明に用いた図6と同様である。信号xnが入力された符号算出手段64では、xnの符号sign(xn)を求めて符号逆転手段65に出力する。符号逆転手段65ではsign(xn)の符号を逆転して信号取得手段66に出力する。信号xnは図6(e)のように、フリーラン回転方向が正転の場合には負の方向に減少し、逆転のときには正の方向に増加するため、符号算出手段64からは正転時にマイナス、逆転時にプラスが出力される。そこで符号逆転手段65は、正転時にプラス、逆転時にマイナスの信号としてフリーラン回転方向判別結果を出力するために、符号算出手段64の出力信号の符号を逆転する操作を行う。
また、タイミング管理装置7では、電圧指令値出力装置3aにてα軸電圧にステップ電圧指令が印加されてからの時間を監視しておき、一定期間Tが経過したときに、サンプリングタイミング信号を信号取得装置66に出力する。そして信号取得手段66では、タイミング管理装置7からサンプリングタイミング信号が入力された時点で、符号逆転手段65が出力する信号(−sign(xn))を取得し、フリーラン回転周波数検出結果として出力する。
ここで、フリーラン状態検知に必要な時間の観点から、前記実施の形態1〜5と、この実施の形態6との比較をする。前記実施の形態1〜3のフリーラン状態検知装置6a、6bにおいては、信号xが収束する期間が必要であり、検知に必要な時間に下限が必要である。前記実施の形態4、5のフリーラン状態検知装置6cにおいても、フリーラン回転周波数の大きさの情報を含む信号としてxnのS/N比を確保する必要があるため、検知に必要な一定期間Tの大きさに下限が存在する。しかし、フリーラン回転方向の検知に機能を特化したこの実施の形態6のフリーラン状態検知装置6dにおいては、信号xnの符号判別のみを考慮したS/N比を確保すれば良いため、検知に必要な一定期間Tを短縮することができる。
以上、この実施の形態6の構成によって、以下の効果が得られる。
α軸電圧ステップ指令印加後のβ軸電流iβに対し、積分処理を行うことで、iβの直流成分に含まれるフリーラン回転方向の情報を得ることができるので、脈動信号の周波数計測に頼ることなく、すなわちフリーラン周波数の大小に関わらず、高速にフリーラン回転方向を検知できる効果が得られる。
また、積分処理を複数回とすることで、β軸電流iβの直流成分抽出、脈動成分除去を効果的に行うことができるので、フリーラン回転方向検知をさらに高速かつ安定に検知できる効果が得られる。
実施の形態7.
次に実施の形態7の構成を図12に示す。この実施の形態7は前記した実施の形態6の構成図11に対し、電流制御ループを付加した構成となっている。
図12に示す誘導電動機1、電力変換装置2、電圧指令値出力装置3b、電流検出装置4、電流指令値出力装置5は、前述した実施の形態3と同様に構成された電流ループである。一方、フリーラン状態検知装置6dは、前記実施の形態6で述べたものと同一である。
この実施の形態7の構成によって、前記実施の形態6に加え以下の効果を得ることができる。すなわち、電流ループを構成することによって、インバータ主回路のデッドタイムに起因して発生する電圧外乱の影響を抑制できるので、デッドタイム外乱電圧の影響が抑制されたβ軸電流波形iβが得られ、フリーラン状態検知装置内部の信号xn、の挙動が安定し、フリーラン回転方向検知の精度が向上する効果が得られる。
実施の形態8.
次に実施の形態8の構成を図13に示す。この実施の形態8は前記した実施の形態5の構成図10に対し以下の点が相違する。すなわち、図10で示したフリーラン状態検知装置6cと同一構成である本実施の形態8のフリーラン状態を検知する装置を、第1のフリーラン状態検知装置6eとし、その内部構成要件の機能、動作の説明は省略する。そして、前記第1のフリーラン状態検知装置6eに並列に設けられた第2のフリーラン状態検知装置9と、前記第1、第2のフリーラン状態検知装置6e、9の出力を入力して結果を判別する結果判別装置10が設けられている。前記第2のフリーラン状態検知装置9は、例えば、脈動抽出手段91、符号反転回数カウンタ92、脈動周波数計測手段93、補正手段94からなる。脈動抽出手段91はハイパス特性を持つフィルタで構成されており、α軸電流指令としてステップ指令が印加されたときに発生するβ軸電流の脈動成分を抽出し、符号反転回数カウンタ92に抽出する。符号反転回数カウンタ92では、β軸電流の脈動成分の符号が反転する回数をカウントし、カウント値を脈動周波数計測手段93に出力する。脈動周波数計測手段93では、タイミング管理手段7が監視していステップ電圧指令印加時点からの時間とβ軸電流の脈動成分の符号反転回数とから、β軸電流の脈動周波数を算出する。例えば、N回の符号反転の間に経過した時間をT_countとすると、β軸電流の脈動周波数fβは、
Figure 0004562068
として算出できる。
fβは、ほぼフリーラン周波数wmに比例し、これを検出結果最終判別手段10へと出力する。なお、fβの計測に必要な時間としてT_countを逆算すると、
Figure 0004562068
であり、計測精度を維持するために最低限必要なNを7(脈動3周期分)とするとT_count=3/fβ[sec]である。Nを固定すると仮定すると、フリーラン周波数が低い、すなわちfβが低いほどT_countが長くなるが、しかし、フリーラン周波数が高い、すなわちfβが高い場合には、短いT_countで計測を終了できる。
一方、第1のフリーラン状態検知装置6eは、実施の形態1、3などの説明で述べたとおり、β軸電流の低周波成分の大きさに基づいてフリーラン周波数を検知するため、フリーラン周波数検知に必要な所要時間Tを、低速域においても小さくできる利点がある。
この実施の形態8に設けられた結果判別装置10には、第1のフリーラン状態検知装置6cの出力と、第2のフリーラン状態検知装置9の出力の両者が入力され、その第1、第2の回転状態検知結果のうち、より先に入力した結果をフリーラン状態にある誘導電動機1のフリーラン回転周波数検知結果として選択、出力する。この構成により、全ての速度域においてより高速にフリーラン状態検知が可能となる。
この実施の形態8では、前記実施の形態5で示した効果に加えて、以下の効果が得られる。すなわち、第1、第2のフリーラン状態検知装置を並設し、その双方の出力を入力して判別する結果判別装置を備えているので、前記第1、第2の出力のうち、より先に入力した結果でもって最終的なフリーラン回転周波数検知結果として選択、出力することにより、全ての速度域においてより高速にフリーラン状態検知が可能となる効果が得られる。
以上のようなこの発明の実施の形態1〜8を電車、工作機械、ファン、ポンプ等の駆動用誘導電動機などのフリーラン状態から再起動を必要とする誘導電動機の制御装置に適用可能である。
この発明の実施の形態1の誘導電動機の制御装置を示す構成図である。 この発明の実施の形態1の印加電圧、各電流波形の挙動を示す模式図である。 この発明の実施の形態2の誘導電動機の制御装置を示す構成図である。 この発明の実施の形態3の誘導電動機の制御装置を示す構成図である。 この発明の実施の形態4の誘導電動機の制御装置を示す構成図である。 この発明の実施の形態4の印加電圧、各電流波形の挙動を示す模式図である。 この発明の実施の形態1〜3のフリーラン回転周波数と収束値との関係を示す図である。 この発明の実施の形態4のフリーラン回転周波数と収束値との関係を示す図である。 この発明の実施の形態4の信号と所要時間との関係を示す図である。 この発明の実施の形態5の誘導電動機の制御装置を示す図である。 この発明の実施の形態6の誘導電動機の制御装置を示す図である。 この発明の実施の形態7の誘導電動機の制御装置を示す図である。 この発明の実施の形態8の誘導電動機の制御装置を示す図である。
符号の説明
1 誘導電動機、2 電力変換装置、3a,3b 電圧指令値出力装置、
4 電流検出装置、5 電流指令値出力装置、
6a,6b,6c,6d フリーラン状態検知装置、
6e 第1のフリーラン状態検知装置、7 タイミング管理装置、
8 抵抗値検出装置、9 第2のフリーラン状態検知装置、10 結果判別装置、
61,61a〜61n 積分手段、62 逆数演算手段、66 信号取得手段、
94 補正手段、100 誘導電動機の制御装置。

Claims (8)

  1. 誘導電動機の制御装置であって、電力変換装置と電圧指令値出力装置と電流検出装置とフリーラン状態検知装置とを備え、
    前記電力変換装置は、前記誘導電動機に電力を供給するものであり、前記電圧指令値出力装置は、前記誘導電動機の固定子上の直交するα、β軸のうち、α軸に印加する電圧の指令値を前記電力変換装置に出力するものであり、前記電流検出装置は、前記誘導電動機に流れる電流を検出してβ軸電流値を演算するものであり、
    前記フリーラン状態検知装置には、積分手段と逆数演算手段と補正手段とが設けられており、前記積分手段は前記α軸に電圧印加後の前記β軸電流値を積分し、前記誘導電動機の回路時定数で決まる周波数より低い周波数成分の信号Xを抽出し、前記逆数演算手段は前記信号Xの逆数1/Xを算出して出力し、前記補正手段は前記逆数1/Xに、あらかじめ設定された前記誘導電動機の比例ゲインKを積算して得られた信号wmにより、フリーラン状態にある前記誘導電動機の回転状態を検知することを特徴とする誘導電動機の制御装置。
  2. 誘導電動機の制御装置であって、電力変換装置と電流検出装置と電流指令値出力装置と電圧指令値出力装置とフリーラン状態検知装置とを備え、
    前記電力変換装置は前記誘導電動機に電力を供給するものであり、前記電流検出装置は、前記誘導電動機に流れる電流を検出して、該誘導電動機の固定子上の直交するα、β軸のα軸電流値およびβ軸電流値を演算するものであり、前記電流指令値出力装置は前記電圧指令値出力装置に電流指令値を出力するものであり、
    前記電圧指令値出力装置は前記α軸に印加する電圧の指令値を、前記電流検出装置で演算したα軸電流値と、前記電流指令値出力装置出力する電流指令値に基づいて算出し前記電力変換装置に出力するものであり、
    前記フリーラン状態検知装置には、積分手段と逆数演算手段と補正手段とが設けられており、前記積分手段は前記α軸に電圧印加後の前記β軸電流値を積分し、前記誘導電動機の回路時定数で決まる周波数より低い周波数成分の信号xを抽出し、前記逆数演算手段は前記信号xの逆数1/xを算出して出力し、前記補正手段は前記逆数1/xに、あらかじめ設定された前記誘導電動機の比例ゲインKを積算して得られた信号wmによりフリーラン状態にある前記誘導電動機の回転状態を検知することを特徴とする誘導電動機の制御装置。
  3. 前記誘導電動機の制御装置にはさらに加えて、タイミング管理装置が設けられており、
    前記タイミング管理装置は、前記α軸に電圧が印加された時点から、前記信号xが収束するあらかじめ設定された所定時間経過時点に、サンプリングタイミング信号を前記フリーラン状態検知装置に設けられた信号取得手段に出力するものであり、前記信号取得手段は、前記サンプリングタイミング信号が入力された時点で、前記補正手段の出力する信号wmを取得することを特徴とする請求項1または請求項2のいずれか1項に記載の誘導電動機の制御装置。
  4. 前記誘導電動機の制御装置にはさらに加えて、抵抗値検出装置が設けられており、
    前記抵抗値検出装置は、前記誘導電動機の一次、二次巻線の温度を検出するとともにその時点での前記巻線の抵抗値を推定して前記補正手段に出力し、前記補正手段は前記抵抗値を入力して前記比例ゲインKを遂次更新することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の誘導電動機の制御装置。
  5. 誘導電動機の制御装置であって、電力変換装置と電圧指令値出力装置と電流検出装置とタイミング管理装置とフリーラン状態検知装置とを備え、
    さらに前記フリーラン状態検知装置には、複数の積分手段と、信号取得手段と補正手段とが設けられており、
    前記電力変換装置は、前記誘導電動機に電力を供給するものであり、前記電圧指令値出力装置は、前記誘導電動機の固定子上の直交するα、β軸のうち、α軸に印加する電圧の指令値を前記電力変換装置に出力するものであり、
    前記電流検出装置は、前記誘導電動機に流れる電流を検出してβ軸電流値を演算するものであり、前記タイミング管理装置は、前記α軸に電圧を印加した時点から所定の時間経過後に、サンプリング信号を出力するものであり、前記複数の積分手段は、前記α軸に電圧印加後の前記β軸電流値を2回以上の積分を行って、前記誘導電動機の回路時定数で決まる周波数より低い周波数成分の信号Xnを抽出するものであり、
    前記信号取得手段は前記サンプリングタイミング信号を入力した時点で前記信号Xnを前記補正手段に出力するものであり、
    前記補正手段には、フリーラン周波数と前記信号Xnとの関連を示すテーブルが設けられており、前記入力した信号Xnからフリーラン状態にある前記誘導電動機の回転状態を検知することを特徴とする誘導電動機の制御装置。
  6. 誘導電動機の制御装置であって、電力変換装置と電圧指令値出力装置と電流検出装置とタイミング管理装置とフリーラン状態検知装置とを備え、
    さらに前記フリーラン状態検知装置には、複数の積分手段と、符号算出手段と符号逆転手段と信号取得手段とが設けられており、前記電力変換装置は、前記誘導電動機に電力を供給するものであり、
    前記電圧指令値出力装置は、前記誘導電動機の固定子上の直交するα、β軸のうち、αに印加する電圧の指令値を前記電力変換装置に出力するものであり、前記電流検出装置は、前記誘導電動機に流れる電流を検出してβ軸電流値を演算するものであり、前記タイミング管理装置は、前記α軸に電圧を印加した時点から所定の時間経過後に、サンプリングタイミング信号を出力するものであり、前記複数の積分手段は、前記α軸に電圧印加後の前記β軸電流値を2回以上の積分を行って、前記誘導電動機の回路時定数で決まる周波数より低い周波数成分の信号Xnを抽出するものであり、
    前記符号算出手段は、前記信号Xnを入力して符号Sign(Xn)を算出して出力するものであり、前記符号逆転手段は、前記Sign(Xn)の符号を逆転して出力するものであり、前記信号取得手段は、前記サンプリングタイミング信号を入力した時点で、前記符号逆転手段の出力する符号〔−sign(Xn)〕を出力することにより、フリーラン状態にある前記誘導電動機の回転方向を検知することを特徴とする誘導電動機の制御装置。
  7. 前記誘導電動機の制御装置にはさらに加えて、電流指令値出力装置が設けられており、かつ、前記電流検出装置は前記誘導電動機に流れる電流を検出してα軸電流値およびβ軸電流値を演算するものであり、前記電圧指令値出力装置は、前記電流検出装置で演算したα軸電流値およびβ軸電流値と、前記電流指令値出力装置が出力する電流指令値に基づいて算出した電圧指令値を、前記電圧変換装置に出力することを特徴とする請求項または請求項のいずれか1項に記載の誘導電動機の制御装置。
  8. 誘導電動機の制御装置であって、電力変換装置と電圧指令値出力装置と電流指令値出力装置と電流検出装置とタイミング管理装置と第1、および第2のフリーラン状態検知装置と結果判別装置とを備え、
    さらに前記第1のフリーラン状態検知装置には、複数の積分手段と、信号取得手段と補正手段とが設けられており、また前記第2のフリーラン状態検知装置には、脈動抽出手段と符号反転回数カウンタと脈動周波数計測手段とが設けられており、前記電力変換装置は、前記誘導電動機に電力を供給するものであり
    前記電流指令値出力装置は、前記電圧指令出力装置に前記誘導電動機の固定子上のα、β軸のうちα軸に電流指令値を出力するものであり、前記電圧指令値出力装置は、前記電流検出装置が前記誘導電動機に流れる電流を検出して演算したα軸電流値およびβ軸電流値と、前記電流指令値出力装置が出力する電流指令値に基づいてα軸電圧指令値およびβ軸電圧指令値を算出して前記電力変換装置に出力するものであり、
    前記タイミング管理装置は、前記α軸電流指令値を印加した時点から所定の時間経過後に、サンプリングタイミング信号を出力するものであり、前記第1のフリーラン状態検知装置に設けられた複数の積分手段は、前記α軸電流指令値を印加した後の前記β軸電流値を2回以上の積分を行って、前記誘導電動機の回路時定数で決まる周波数より低い周波数成分の信号Xnを抽出するものであり、
    前記補正手段には、フリーラン周波数と前記信号Xnとの関連を示すテーブルが設けられており、前記入力した信号Xnからフリーラン状態にある前記誘導電動機の第1の回転状態を検知して前記結果判別装置に出力するものであり、
    前記第2のフリーラン状態検知装置に設けられた脈動抽出手段は、前記β軸電流の脈動成分を抽出して前記符号反転回数カウンタに出力するものであり、前記符号反転回数カウンタは、前記β軸脈動電流の脈動成分の符号が反転する回数をカウントし、その値を前記脈動周波数計測手段に出力するものであり、前記脈動周波数計測手段は、前記タイミング管理装置が前記α軸に電圧を印加した時点からの時間と、前記β軸電流脈動成分の符号反転回数とから脈動周波数を算出することによりフリーラン状態にある前記誘導電動機の第2の回転状態を検知して前記結果判別装置に出力するものであり、
    前記結果判別装置は、前記第1、第2のフリーラン状態検知装置の出力する前記第1、第2の回転状態検知結果のうち、より先に得られた結果をもって、フリーラン状態にある前記誘導電動機の回転状態と判別することを特徴とする誘導電動機の制御装置。
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