JP3220045B2 - 断熱型障子 - Google Patents

断熱型障子

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JP3220045B2 JP12591097A JP12591097A JP3220045B2 JP 3220045 B2 JP3220045 B2 JP 3220045B2 JP 12591097 A JP12591097 A JP 12591097A JP 12591097 A JP12591097 A JP 12591097A JP 3220045 B2 JP3220045 B2 JP 3220045B2
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利信 平野
孝利 前田
明 金坂
哲 竹島
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新日軽株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属框と、その金
属框の屋内側に露出される部分を覆う樹脂框とからなる
横框を用いる断熱型障子に関する。
【0002】
【従来の技術】上記のような断熱型障子は、金属枠と、
その金属枠の行い側に露出される部分を覆う樹脂枠とか
らなる窓枠に建て付けて、複合サッシを構成する場合に
用いられる。この種の複合サッシには、実公昭63−4
9481号公報、特開平8−177316及び特開平8
−177317号公報等に記載されたものが知られてお
り、金属材の耐候性と強度及び樹脂材の断熱性と意匠性
を併せ備えていて、外観及び内観をそれぞれ建物の外装
及び内装と整合する統一的な意匠とすることができるこ
とから、寒冷地のみならず、非寒冷地においても採用さ
れつつある。
【0003】ところで、断熱型障子の縦框は、障子閉鎖
時においては、縦枠の全長が凹溝に嵌合しているので、
台風等の強大な正圧又は負圧に耐え得る強度を有してい
るが、上框や下框などの横框は、その上部又は下部など
の一部のみが上レール又は下レールに気密材又は戸車及
び気密材を介して比較的緩やかに嵌合して支持されてい
るにすぎない。従って、強い風圧を受けやすいので、金
属框と樹脂框との結合状態には相当の強度が要求され
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、樹脂框
は耐衝撃性に弱いので、金属框と樹脂框をねじ等で結合
する場合には、樹脂框側に予めねじ貫通孔を設けておく
必要がある。従って、ねじ等で結合する従来の断熱型障
子は、ねじ等の結合部材と、貫通孔の加工と、ねじ等の
位置決め及びねじ込み作業とを必要とするため、製造コ
ストが嵩さむ。また、金属框はアルミニウム合金等で成
形され、樹脂框は塩化ビニルやアクリル等などで成形さ
れていて、熱膨脹収縮率が異なる。従って、ねじ等を貫
通して結合する場合は、その伸縮率を考慮して、ねじ貫
通孔を形成しないと、熱膨脹力によりねじ貫通部が破壊
されるなどの不都合が生じやすい。
【0005】このような難点を回避するため、金属框と
樹脂框の一方に嵌合溝を、他方にその嵌合溝に嵌合し得
る端縁を、框の高さ方向に隔てた2か所において全長に
渡って形成し、両框を突き合わせ、一対の嵌合溝と端縁
とを嵌合した後、他方の一対の嵌合溝と端縁と近付けて
嵌合することにより結合して、ねじ等を用いない横框が
採用されている。
【0006】しかしながら、このような2対の嵌合によ
る結合であるから、結合強度には限界があり、横框に強
い風圧等の力が加わった時は、その嵌合状態が劣化し
て、歪みや変形を生じさせる恐れがあった。
【0007】本発明は、上記の点に鑑みてなされたもの
であり、金属框と樹脂框を低コストで、容易に確実な結
合強度をもって結合できる、断熱型障子の横框を提供す
ることを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、金属框とその金属框の屋内側に露出され
る部分を覆う樹脂框とからなる横框を用いる断熱型障子
において、(a)金属框は、強度を具備するための断面
ほぼ矩形の筒部と、その筒部の一側面から上下方向に延
長してそれぞれレール嵌合溝とガラス嵌合溝の一方の側
壁を構成する上下の壁部とを有するとともに、前記筒部
の一つの対角線上に存在する角部に、それぞれ屋内方向
と下方向又は上方向に開口し、かつ、金属框の長手方向
に延長する嵌合溝が形成してあること、(b)樹脂框
は、前記レール嵌合溝及びガラス嵌合溝の他方の側壁を
構成する上下の壁部を有するとともに、両壁の間に前記
金属框の前記ウェブと重ね合わされ、かつ、先端が前記
金属框の屋内方向に開口する嵌合溝に嵌合される結合縁
と、前記下壁又は上壁の屋外側面に突設され、前記金属
框の下方向又は上方向に開口する嵌合溝にそれぞれ嵌合
される結合縁とが形成してあること、(c)前記金属框
の両嵌合溝に前記樹脂框の両結合縁を嵌合した状態で、
前記屋内方向に開口する嵌合溝を形成する突縁をその長
手方向に隔てた複数箇所においてかしめて、前記樹脂框
の結合縁を前記金属框のウェブと前記突縁との間に固定
したことを特徴としている。
【0009】上記構成により、金属框は強度を具備する
ための断面ほぼ矩形の筒部と、その筒部の一側面から上
下方向に延長してそれぞれレール嵌合溝とガラス嵌合溝
の一方の側壁を構成する上下の壁部とを有するから、断
面形状が簡単で、成形が容易であり、しかも、従来の金
属框とほぼ同程度の強度を備えている。また、樹脂框
は、上下の壁部と中間及び一方の壁部に設けられた結合
縁とを有する簡単な形状を有するので、これも成形が容
易である。しかし、金属框と樹脂框は、筒部の一つの対
角線上において樹脂框の結合縁を金属框の嵌合溝に嵌合
した状態で突縁がかしめられているので、金属框と樹脂
框の結合強度は格段に増強される。従って、横框は強い
風圧等に対して大きな耐力を有する。さらに、金属框と
樹脂框はかしめにより結合されるので、従来のねじ孔の
正確な加工やねじのねじ込みが不要であり、コストが掛
からず、ねじ孔周辺の破損の恐れもない。
【0010】
【発明の実施の形態】次に、本発明を障子の上框に適用
した場合の実施例に基づいて、図面を参照しながら説明
する。本発明は、下框に用いられる横框に対しても、ほ
ぼ同様に適用することができる。図1は、障子の上部の
断面斜視図、図2は図1の金属框のみの分解正面図、図
3は図1の障子を建て付けた複合サッシの縦断面図、図
4は同じく横断面図である。
【0011】図1において、hは上框であり、金属框1
0と、その金属框の屋内側に露出される部分を覆う樹脂
框20とからなっている。金属框10は、アルミニウム
合金等の形材で成形されて、耐候性と機械的強度に優れ
ている。また、樹脂框20は、塩化ビニルやアクリル等
で成形されて、断熱性と意匠性に優れている。
【0012】金属框10は、高さ方向中間部に強度を備
えるための筒部11を有し、その筒部の屋外側壁から上
方に延び、窓枠の上レール(図示省略)を嵌合するため
のレール嵌合溝30の屋外側壁を構成する上壁12と、
下方に延び、障子のガラス50の上端部を嵌合するため
のガラス嵌合溝40の屋外側壁を構成する下壁13とを
一体に有し、上壁12の上端部には、前記上レールに押
圧接触される気密材(図示省略)を取付けるためのあり
溝14が形成されている。また、金属框10の筒部11
の上面壁であるレール嵌合溝側のウェブ15には、この
金属框10を障子の図示されていない縦框の金属框の戸
先側外方から貫通されるビス及び召合せ框の金属框の戸
尻側外方から貫通されるビスをねじ込むためのビスホー
ル16が形成されている。
【0013】そして、上壁12の屋内側面には、前記ウ
ェブ15の付近において、屋内方向に突出する突縁17
が形成されて、その突縁とウェブ15との間に、屋内方
向に開口する嵌合溝18が形成されている。また、筒部
11の下面壁であるガラス嵌合溝側のウェブ19の屋内
側端部に下方に開口する嵌合溝110が設けられてい
る。
【0014】樹脂框20は、高さ方向中間部において屋
外方向に延びる結合縁21と、その結合縁から上方に延
び、レール嵌合溝30の屋内側壁を構成する上壁22
と、結合縁21から下方に延び、ガラス嵌合溝40の屋
内側壁を構成する下壁23とを一体に有している。ま
た、上壁22の上端部には、前記上レールに押圧接触さ
れる気密材(図示省略)を取付けるためのあり溝24が
形成されている。さらに、下壁23の屋外側面の高さ方
向中間部には、金属框の嵌合溝110に嵌合するための
結合縁25が設けられている。
【0015】上記二つの框10,20を結合するには、
次の二つの方法が可能である。その一つは、両框10,
20を平行状態に対置し、まず、樹脂框20の上部結合
縁21の先端を金属框10の上部嵌合溝18に押し込
み、樹脂框をその弾性を利用して、下方に押し下げた瞬
間に、樹脂框の下部結合縁25を金属框の下部嵌合溝1
10に嵌合する。樹脂框に対する押し下げ力を解放する
と、弾性復元力により下部結合縁が僅かに上方に復帰す
るため、結合縁25は嵌合溝110内に緊密に嵌合固定
される。結合方法のもう一つは、両框10,20のほぼ
一直線上において長手方向の互いに反対側の端部を対向
させて、樹脂框の上下の結合縁21,25を金属框の上
下の嵌合溝18,110に合致させ、両框を互いに反対
方向に相対移動させて、各結合縁を各嵌合溝に嵌合し、
固定させる。
【0016】上記のようにして、両框を嵌合により結合
した後、金属框10の突縁17を、その長手方向の複数
箇所において、カシメ機によりかしめて(図1の17
a)、突縁17とウェブ15との間に上部結合縁21を
強く挟持する。この場合、カシメ機によるかしめ速度及
びかしめ強さは、樹脂製の結合縁21が破壊されない程
度であることが重要である。
【0017】下部嵌合溝110を形成する屋外側の突縁
も、その長手方向に間隔をもった位置でかしめるように
しても良い。本明細書において、「かしめる」なる用語
は、金属框の突縁を物理力により変形させることを意味
し、その手段方法を問わない。
【0018】上記実施例によれば、突縁を任意の位置で
単に押圧変形するだけであるから、ねじ等で固着する場
合に比し、部品、所定位置の穿孔、ねじのねじ込み作業
などが一切不要になって、コストが顕著に削減される。
そして、かしめによる結合であるため、樹脂框と金属框
の熱膨脹伸縮の差の長手方向の集積値がそのかしめ部に
おいて吸収される。従って、ねじ等による場合の固着部
の破壊の問題が排除される。
【0019】図3及び図4は、上記断熱障子が建て付け
られた複合サッシの一例を示す。図3において、Hmは
耐候性及び機械的強度に優れている金属、例えば、アル
ミニウム等で成形され、窓枠の上枠Hの屋外側に露出さ
れる部分を構成する金属枠であり、上枠を上下2か所で
建物躯体に固定するための取付縁1,2を有し、また、
外障子Doの上框hを案内する外レールroの屋外側部
分を構成する垂下縁3を有している。Hpは、断熱性と
意匠性に優れた、例えば、塩化ビニルやアクリル等の樹
脂で成形され、金属枠Hmの屋内側に露出される部分を
覆う樹脂枠であり、上枠Hの見込み幅増大の原因になら
ない位置には中空部4を有して二重壁構造とされ、ま
た、内障子Diの制約された厚みの範囲内で可及的に大
きな強度を得るため外レールroと同様の断面形状を有
する中空状の内レールriを有するほかは、外レールr
oの屋内側部分を構成する垂下縁5及び屋内側端部の垂
下縁6は、一重の厚みに形成されて、上枠Hの見込み幅
を可及的に小さくされている。そして、上枠Hの外レー
ルroは、金属枠Hmの垂下縁3と樹脂枠Hpの垂下縁
5とで、内レールriと等しい断面形状を有している。
【0020】Smは、下枠Sの屋外側に露出される部分
を構成する金属枠であり、下枠を上下2か所で建物躯体
に固定するための取付縁7,8を有し、内外の障子D
i,Doの下框sを案内する内外のレールri,roを
有している。下枠Sは、窓枠自体の荷重及び障子の全荷
重を支持するので、窓枠の中で最も大きな強度が要求さ
れるため、金属枠Smは従来の下枠の金属枠とほぼ同様
の形状を備えており、屋内側端部に窓台や膳板に係止さ
れる逆L字形の雨返し壁9を有している。そして、雨返
し壁9と内レールriとの間の溝10及び金属枠Smの
雨返し壁9の上面を覆う樹脂枠Spが溝10に嵌合して
装着されている。
【0021】Jmは、窓枠の左右の縦枠J1 ,J2 の屋
外側に露出される部分を構成する金属枠であり、所要の
強度を備えるため、縦枠の屋外側端部から屋内側端部ま
で連続しており、その金属枠Jmの内障子Diに対応す
る内側面に樹脂枠Jpが内外2か所での嵌合及び金属枠
Jmと樹脂枠Jpを重ね合せた部分におけるねじ11の
締着により結合されている。縦枠の樹脂枠Jpは中空部
を備えておらず、一重壁構造であるので、縦枠J1 、J
2 の見込み幅が上枠H及び下枠Sに合せて縮小されてい
る。
【0022】次に、上記窓枠Fに建て付けられた引違い
障子Di,Doの上框h及び下框sはいずれも、それぞ
れ金属框hm,smと、その金属框の屋内側露出部分を
覆う樹脂框hp,spとからなり、金属框hm,smは
従来と同様に薄肉に成形され、樹脂框hp,spは屋内
側に中空部を備えていないので、従来の複合サッシにお
ける障子よりも可及的に薄肉に形成されている。戸先側
(戸当たり側)の縦框j1 は、障子の開閉時に引寄せ部
材bを介して窓枠の縦枠J1 ,J2 から強い衝突力を受
ける場合があったり、閉鎖状態で強い風圧を受ける場合
があるので、それらの衝突力や風圧に耐えるため、所要
の強度を備えるため、戸先側の縦框j1の樹脂框jp1
には最小限の厚みを有する中空部tdが形成されてい
る。
【0023】
【発明の効果】上述のように、本発明によれば、金属框
は、断面ほぼ矩形の筒部とその筒部の一側面から上下方
向に延長してそれぞれレール嵌合溝とガラス嵌合溝の一
方の側壁を構成する上下の壁部とを有する構造であるの
で、断面形状が簡単で成形が容易かつ安価にでき、しか
も、従来の金属框とほぼ同程度の強度を備えており、ま
た、樹脂框は、上下の壁部とその中間及び一方の壁部に
設けられた結合縁とを有する簡単な構造であるので、こ
れも成形が容易かつ安価にできる。そして、金属框と樹
脂框は、筒部の一つの対角線上において樹脂框の結合縁
を金属框の嵌合溝に嵌合した状態で突縁がかしめられて
いるので、金属框と樹脂框の結合強度は格段に増強さ
れ、横框の耐風圧強度が非常に大きい。さらに、金属框
と樹脂框はかしめにより結合されるので、従来のねじ孔
の正確な加工やねじのねじ込みが不要であり、コストが
掛からず、ねじ孔周辺の破損の恐れもない。しかも、樹
脂框と金属框の膨脹伸縮率の違いに基づく問題が巧みに
解決される。
【図面の簡単な説明】
【図1】障子の上部の断面斜視図である。
【図2】図1の金属框のみの分解正面図である。
【図3】図1の障子を建て付けた複合サッシの縦断面図
である。
【図4】同じく横断面図である。
【符号の説明】
h 上框(横框) 10 金属框 11 筒部 12 上壁 13 下壁 15 ウェブ 17 突縁 18 嵌合溝 110 嵌合溝 20 樹脂框 21 結合縁(上部結合縁) 22 上壁 23 下壁 25 結合縁(下部結合縁) 30 レール嵌合溝 40 ガラス嵌合溝 50 ガラス
フロントページの続き (72)発明者 竹島 哲 東京都江東区木場2丁目7番23号 新日 軽株式会社内 (72)発明者 山元 則之 東京都江東区木場2丁目7番23号 新日 軽株式会社内 (56)参考文献 特開 昭57−61175(JP,A) 実公 昭59−38874(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E06B 3/04 - 3/26 E06B 3/42 - 3/46

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属框とその金属框の屋内側に露出され
    る部分を覆う樹脂框とからなる横框を用いる断熱型障子
    において、 前記金属框は、強度を具備するための断面ほぼ矩形の筒
    部と、その筒部の一側面から上下方向に延長してそれぞ
    れレール嵌合溝とガラス嵌合溝の一方の側壁を構成する
    上下の壁部とを有するとともに、前記筒部の一つの対角
    線上に存在する角部に、それぞれ屋内方向と下方向又は
    上方向に開口し、かつ、金属框の長手方向に延長する嵌
    合溝が形成してあり、 前記樹脂框は、前記レール嵌合溝及びガラス嵌合溝の他
    方の側壁を構成する上下の壁部を有するとともに、両壁
    の間に前記金属框の前記ウェブと重ね合わされ、かつ、
    先端が前記金属框の屋内方向に開口する嵌合溝に嵌合さ
    れる結合縁と、前記下壁又は上壁の屋外側面に突設さ
    れ、前記金属框の下方向又は上方向に開口する嵌合溝に
    それぞれ嵌合される結合縁とが形成してあり、 前記金属框の両嵌合溝に前記樹脂框の両結合縁をそれそ
    れ嵌合した状態で、前記屋内方向に開口する嵌合溝を形
    成する突縁をその長手方向に隔てた複数箇所においてか
    しめて、前記樹脂框の結合縁を前記金属框のウェブと前
    記突縁との間に固定したことを特徴とする断熱型障子。
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