JP3219788B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法

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JP3219788B2 JP12977091A JP12977091A JP3219788B2 JP 3219788 B2 JP3219788 B2 JP 3219788B2 JP 12977091 A JP12977091 A JP 12977091A JP 12977091 A JP12977091 A JP 12977091A JP 3219788 B2 JP3219788 B2 JP 3219788B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、平坦化された配線構造
を有し配線密度を向上させた半導体装置や、同軸配線構
造を有する半導体装置の製造方法に関し、特に半導体電
極とシリコン基板とのコンタクトの取り方および多層配
線におけるスルーホールの形成方法を規定したものであ
る。
【0002】
【従来の技術】図8を用いて第1の従来例としての半導
体装置の製造工程について説明する。図8における
(B)は半導体装置の平面図であり、図8における
(A)は図8における(B)のA−A′線に沿った断面
図である。
【0003】機能素子が作り込まれた半導体基板55上
に、CVD法などによりBPSG(Boron Pho
spho Silicate Glass)またはPS
G(Phospho Silicate Glass)
を6000〜8000Åの厚さに堆積させる。ここで堆
積したものが第1絶縁層53である。そして、半導体基
板55と第1配線51を接続するために設けるコンタク
ト孔56のパターニングをおこなう。このときのエッチ
ングには通常フッ素ガスと塩素系ガスとの混合ガスなど
が用いられ、深さ方向にのみ異方性をもつようにエッチ
ングが行なわれる。
【0004】次にマグネトロンスパッタリング法などを
用いて、表面全体にAl(またはAl合金)を厚さ0.
6〜1μmに堆積した後、Cl系のエッチングガスを用
いてエッチングを行い第1Al配線51を所定の形状に
パターニングする。その後、PSGまたはプラズマCV
Dによるシリコン窒化膜を表面全体に堆積させ、厚さ5
000〜8000Åの絶縁層54を形成する。
【0005】次に、レジストパターニングおよび弗素系
/塩素系の混合ガスを用いてスルーホール57の開口を
行なう。そして再びマグネトロンスパッタリング装置を
用いて、表面全体に0.8〜1.2μm程度の厚さにA
lを堆積させた後、所定の箇所を残して配線パターン
(第2配線52)を形成すると、図8に示すような半導
体装置が得られる。
【0006】スルーホール57は図8における(A)に
示すように、通常は、コンタクト孔56の真上に位置さ
せることは難しい。なぜならば、コンタクト部での段差
のためにコンタクト部の近傍では表面の段差が激しくな
り、上部のスルーホール57の開口が不完全になった
り、上部の第2の配線52が激しい段差部においてステ
ップカバーレージを充分にとることができず、このため
段切れを起こしてしまうことがあるからである。
【0007】さらに、第1配線51がコンタクト孔56
を確実に被覆するように配線パターンはコンタクト孔5
6の周辺端に対してあるマージンをもった大きさに作ら
なければならない。このマージンが不充分であると、A
lのエッチング時にコンタクト部のAlまでもエッチン
グされてしまう危険があり、コンタクト抵抗および表面
絶縁性に重大な支障をきたしてしまう。上記と同様な事
情はスルーホール57のパターンと第2配線52の関係
にもあてはまる。
【0008】以上の理由により、配線領域の大きさはあ
る程度までにしか小さくならず、素子の微細化にもかか
わらず、表面段差を残したままチップ面積はそれほど小
さくならないという点で解決されるべき余地が残されて
いる。
【0009】次に図9を用いて第2の従来例の半導体装
置の製造工程について説明する。図9における(B)は
半導体装置の平面図であり、図9における(A)は図9
における(B)のA−A′線に沿った断面図である。
【0010】この半導体装置の製造工程は、従来例1で
示したものと、穴の有無を除いて同様である。ただし、
図9における(A)はインダクタンスを構成するツイス
トペア線の途中部分のみを示したものであるので、第1
配線71とシリコンからなる第1絶縁層73との間のコ
ンタクト穴は図示されていない。図9における(A)に
おいて、L1は0.8μm、L2は1.4μm、L3は
1.0μmである。図9における(B)において、L4
およびL6は3.0μm、L5は4.8μm、L7は
1.0μmである。従来例1と同様にフォトリソグラフ
ィーのアライメントずれはコンタクトおよびスルーホー
ル76の接続、信頼性に重大な支障をもたらすので、図
9における(B)に示すように第1配線71,第2配線
72ともスルーホール76の大きさ(1.4μm)より
かなり大きなものになってしまう。このため高集積化が
非常に困難である。
【0011】次に、従来の半導体装置における半導体電
極とシリコン基板とのコンタクトの取り方、および多層
配線においてスルーホールの形成方法の例を図10〜図
13に示す。
【0012】図10は、フィールド酸化膜104の上方
に、第1アルミニウム(Al)101と第2アルミニウ
ム(Al)102の接続を取るためのスルーホールTH
101を形成した場合の断面図である。103はシリコ
ン基板であり、104および5はSiO2 膜である。
【0013】この場合、スルーホールのサイズは規定の
最小サイズにすることができるが、フィールド酸化膜上
106まで第1Al 101を取り出さなければならな
いので、高集積化の妨げとなっていた。
【0014】図11は、フィールド酸化膜上ではない比
較的薄い酸化膜107上にスルーホールTH102を形
成した場合の断面図である。108はSiO2 膜であ
る。L1が0.4μm、L2,L3,L5が0.8μ
m、L4が1.6μm、L6が4.2μmであるよう
に、フィールド酸化膜上のスルーホールとは高さの位置
関係が異なるので、フォトエッチングにおいて確実に開
口するためには、スルーホールのサイズを大きくしなけ
ればならず、また図10に示したものと同様に、第1A
lを取り出さなければならなかった。
【0015】図12および図13は、第1Al 101
によりシリコンに接触を取ったコンタクト上にスルーホ
ールを形成した場合の断面図である。109および11
0はSiO2 膜である。図13においてL7およびL1
1は0.4μm、L8,L9,L10は0.8μm、L
12は3.2μmとなる。
【0016】図12に示すものは、コンタクトホールC
H103よりもスルーホールTH103が大きく、図1
3に示すものはコンタクトホールCH104よりもスル
ーホールTH104が小さい。
【0017】いずれの場合もコンタクトとスルーホール
のサイズに大小関係をつけて、スルーホール形成部の凹
凸のうち比較的平坦なところを利用して、確実に開口で
きるようにしなければならなかった。
【0018】次に、従来、3層Al配線技術を用い同軸
配線を実現する場合、図14のように構成される。図1
4における(A)は同軸配線構造の模式的断面図であ
り、図14における(B)はその平面図である。第2ア
ルミニウム(Al)202を信号線として使用し、第1
アルミニウム(Al)201および第3アルミニウム
(Al)203をシールド線とし、第1Al 201と
第3Al 203との接続は、第1スルーホール20
9,第2Al 202および第2スルーホール210を
介して第3Al 203に接続する構成となっている。
204はSiO2 基板である。第1Al 201と第3
Al 203は電気的に安定な電位(GND電位)に接
続される。図14における(A)において、L1 は3.
2μmまたは4.2μm、L2 は1.0μm、L3
1.5μm、L4 は6.7μmあるいは7.7μmであ
る。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】従来のような多層配線
技術を用いて図8および図9に示すような多層配線を実
現する場合、次のような解決すべき課題があった。
【0020】配線密度を向上させる手段として多層配線
を実現する場合、第1の配線に絶縁層(シリコン酸化膜
SiO2 )を積層し、第2の配線を行い、第3の配線以
降は上記作業をくり返していたために、配線の段差によ
る段切れ,マイグレーションおよび絶縁層間の接続に必
要とされるコンタクトホール,スルーホールの開孔形状
等によって配線構造が規定され、このため配線密度の向
上に限界があった。
【0021】例えば、コンタクトホールと第1スルーホ
ール,第1スルーホールと第2スルーホールの位置をず
らさなければならない。段差による段切れやマイグレー
ションに対して十分なライン/スペースを必要とする等
の制約もあった。
【0022】次に、図10〜図13に示すような従来の
半導体装置においては、平坦な部分を大きく形成すべ
く、半導体電極とシリコン基板が接触するコンタクト領
域、および第1Alと第2Alをそれぞれ接続させるス
ルーホールを形成するための領域が非常に大きなものと
なり、高集積化の妨げとなっていた。また、層の表面全
体の平坦化がなされず、このため、3層以上の多層配線
化の妨げにもなっていた。
【0023】次に、図14に示すような従来の同軸配線
構造においては、シールド配線は、第1Al 201,
第1スルーホール209,第2Al 202,第2スル
ーホール210および第3Al 203で構成されるの
で、図14における(B)に示すように、第2Al 2
02のパターン内に第1スルーホール209と第2スル
ーホール210を設ける必要がありかつ第1スルーホー
ル209と第2スルーホール210の位置をずらす必要
があった。
【0024】また、図15に示すように、(第1スルー
ホール209の口径)<(第2スルーホール210の口
径)を満たす形状とし、第1Al 201,第1スルー
ホール209,第2Al 202,第2スルーホール2
10よび第3Al203で構成する必要もあった。
【0025】図14および図15からも伴るように、従
来の同軸配線構造においては、高密度で信号線とのシー
ルド配線を形成しようとすると第1スルーホール209
および第2スルーホール210の形状に応じて第2Al
202の形状が決定されるため、信号線のライン/ス
ペースはシールド線としての第2Al 202が律束す
るという問題点があった。
【0026】本発明の目的は上述した技術的課題を解消
すべく、配線密度を向上させた半導体装置の製造方法,
多層Al配線における必要領域を縮小化し、各層におけ
る表面平坦化により3層以上の多層Al配線を可能にし
た半導体装置の製造方法および高集積化が可能な同軸配
線構造を有する半導体装置の製造方法を提供することに
ある。
【0027】
【課題を解決するための手段】本発明は、信号線が絶縁
体を介してシールド線によって囲まれた同軸配線構造を
有する半導体装置の製造方法であって、基板の表面上に
第1絶縁層を形成する工程と、前記第1絶縁層上に前記
シールド線の一部となる第1金属層を形成する工程と、
前記第1金属層上に第2絶縁層を形成する工程と、前記
第2絶縁層上に前記信号線となる第2金属層を形成する
工程と、前記第2絶縁層および前記第2金属層の表面上
に第3絶縁層を形成する工程と、前記第2絶縁層および
前記第3絶縁層を通って前記第1金属層に至り、前記第
2金属層に対してその表面に沿った方向に所定の間隔を
もって配される一対の溝を前記第2絶縁層および前記第
3絶縁層に形成する工程と、前記一対の溝内に前記シー
ルド線の一部となる金属を堆積させる工程と、前記第3
絶縁層上に前記シールド線の一部となる第3金属層を形
成する工程とを含み、前記一対の溝内に形成される前記
金属の側面を、前記第2絶縁層および前記第3絶縁層の
層厚方向において平坦に形成したことを特徴とするもの
である。
【0028】一対の溝内に堆積される金属がAlまたは
Alを主成分とする金属であり、アルキルアルミニウム
ハイドライドと水素とを利用したCVD法により一対の
溝内に堆積させるものであってよい。
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】
【作用】本発明によれば、シリコン酸化膜中に溝あるい
は穴を設け、その部分に後述するAl−CVD法を用い
て配線することにより、高密度な配線が可能となり、半
導体装置を高集積化することができる。
【0034】また、本発明によれば、Al−CVD法を
用いてツイストペア線を形成することにより、高密度な
配線が可能となる。線1条当りのインダクタンスLは、
L=(Us/2+2LogeD/r)×10-7[H/
m]となるのでツイストペア線の効果を一層大きくする
ことができる。また、チップ上にツイストペア線を形成
する場合、素子の高集積化が可能である。
【0035】本発明によれば、積層された複数の層を貫
通してスルーホールを形成し、アルキルアルミニウムハ
イドライドと水素とを利用したCVD法によりAl単結
晶を成長させて穴の内部を埋め込むことにより、多層配
線における必要領域を縮小することができる。
【0036】さらに、本発明においては、シールド配線
にAl−CVD法を使用することにより、第2Alを信
号線だけに使用することができる。このことにより、信
号線のライン/スペースの高密度化を実現することがで
き、このためチップ上に同軸配線を形成する場合の高集
積化が可能である。
【0037】
【実施例】本発明の好適な実施態様は絶縁層上に配線層
を形成する場合に、該配線層が設けられる部分を凹部と
しこの中に配線層が埋め込まれて実質的に配線層の上面
と絶縁層の上面とが平坦化されるよう構成された半導体
装置である。また、このような構成の配線を積層し互い
の間に介在する絶縁膜に開孔を設け、該開孔を介して上
下の配線層を接続すれば凹凸の極めて小さい多層配線構
造が容易に得られるのである。
【0038】特に互いに交差する少なくとも上下2つの
配線層同士の接続を得る場合には、凹部を貫通部とし、
これが交差部での開孔と等価な役割をになう為にわざわ
ざコンタクトホールを形成する必要がなくなる。
【0039】すなわち上部の配線層に着目すれば横方向
の絶縁性は凹部(貫通部)を有する絶縁膜によって得ら
れ、下方の絶縁性は下方の絶縁膜の上面によって得られ
るのである。
【0040】配線形成の為の導電材料としては多結晶シ
リコンや、Al,W,Mo,Cu,Ta等またこれらを
主成分とする金属等があるが、特にAl−CVD法によ
り良質な膜が再現性良く形成できるAlまたはAlを主
成分とする金属材料が好ましい。
【0041】また、本発明の好適な実施態様例である半
導体装置の製造方法は導電材料金属の選択堆積法を用い
て、溝の中に形成される一層または多層の配線およびこ
れらの配線間を接線間を接続するための開孔(スルーホ
ール)および半導体素子と上記配線を接続するための開
孔(コンタクトホール)を形成するものである。
【0042】図1における(A)は本発明の背景となる
Al−CVD法を用いた配線の、図1における(B)に
示す模式的平面図のA−A′線に沿った模式的断面図で
ある。
【0043】トランジスタ等のような機能素子の形成さ
れた半導体基体15の表面上に形成されたシリコン酸化
物からなる第1絶縁層13中に半導体基体と接続をとる
為の開孔および配線パターンに応じた溝を設けAl−C
VD法を用いて、そこをAlまたはAlを主成分とする
金属で埋めることにより、コンタクト部分および第1配
線部分を形成する(符号11)。第2絶縁層14上に設
けられる第2配線12と、半導体基体15とのコンタク
トとするときは第1絶縁層13および第2絶縁層14を
貫通する開孔16を形成しAl−CVD法で開孔を埋め
る。上述の溝に形成する。配線として用いるときは、第
1絶縁層13を貫通しない溝に対してAl−CVD法に
よりAlまたはAlを主成分とする金属を堆積させる。
【0044】第1絶縁層13に形成された第1配線11
に対して、第2配線12を形成する場合も同様にシリコ
ン酸化物からなる第2絶縁層14中に穴および溝を設
け、Al−CVD技術を用いる。
【0045】多層配線を行う場合は、上述の作業を各絶
縁層に対して行うことにより形成される。
【0046】これとは別に、上下の配線間の電気的な接
続をとる為の開孔をAl−CVD法により選択堆積した
金属で埋め、その後溝を含む全面に金属を堆積させエッ
チングにより溝部以外のところの金属を除去することで
配線を形成することもできる。
【0047】しかしながら、Al−CVD法を用いれば
より一層簡単に形成できるのである。なぜならば形成さ
れた溝部や開孔部は溝部形成の際のダメージ等により非
電子供与性表面である絶縁層がダメージを受けた溝部表
面のみ表面改質されて電子供与性表面となるからであ
る。
【0048】こうしてAlまたはAlを主成分とする金
属が配線パターン状の溝部および開孔内に選択的に堆積
するのである。
【0049】以下Al−CVD法について詳述する。こ
こでは、開孔に本Al−CVD法による金属を堆積さ
せ、その後、スパッタリングにより全面に金属を堆積さ
せる例を中心に説明するが、上述の通りAl−CVD法
のみで配線を形成するほうがより好ましい。ここではA
l−CVD法がいかに選択性に優れ、形成される膜が電
極配線材料として良好なものであるかが詳しく理解でき
よう。
【0050】(成膜方法) 本発明の背景となる電極の形成に好適な成膜方法につい
て以下に説明する。
【0051】この方法は、上述した構成の電極を形成す
る為に開孔へ導電材料を埋め込むのに適した成膜方法で
ある。この好適な成膜方法とは、アルキルアルミニウム
ハイドライドのガスと水素ガスとを用いて、電子供与性
の基体上に表面反応により堆積膜を形成するものである
(以下Al−CVD法と称する)。
【0052】特に、原料ガスとしてモノメチルアルミニ
ウムハイドライド(MMAH)またはジメチルアルミニ
ウムハイドライド(DMAH)を用い、反応ガスとして
2ガスを用い、これらの混合ガスの下で基体表面を加
熱すれば良質のAl膜を堆積することが出来る。ここ
で、Al選択堆積の際には直接加熱または間接加熱によ
り基体の表面温度をアルキルアルミニウムハイドライド
の分解温度以上450℃未満に保持することが好まし
く、より好ましくは260℃以上440℃以下がよい。
【0053】基体を上記温度範囲になるべく加熱する方
法としては直接加熱と間接加熱とがあるが、特に直接加
熱により基体を上記温度に保持すれば高堆積速度で良質
のAl膜を形成することができる。例えば、Al膜形成
時の基体表面温度をより好ましい温度範囲である260
℃〜440℃とした時、300Å〜5000Å/分とい
う抵抗加熱の場合よりも高い堆積速度で良質な膜が得ら
れるのである。このような直接加熱(加熱手段からのエ
ネルギーが直接基体に伝達されて基体自体を加熱する)
の方法としては、例えば、ハロゲンランプ、キセノンラ
ンプ等によるランプ加熱があげられる。また、間接加熱
の方法としては抵抗加熱があり、堆積膜を形成すべき基
体を支持するための堆積膜形成用の空間に配設された基
体支持部材に設けられた発熱体等を用いて行うことが出
来る。
【0054】この方法により電子供与性の表面部分と非
電子供与性の表面部分とが共存する基体にCVD法を適
用すれば電子供与性の基体表面部分にのみ良好な選択性
のもとにAlの単結晶が形成される。このAlは電極/
配線材料として望まれるあらゆる特性に優れたものとな
る。即ち、ヒルロックの発生確率の低減、アロイスパイ
ク発生確率の低減が達成されるのである。
【0055】これは、電子供与性の表面としての半導体
や導電体からなる表面上に良質のAlを選択的に形成で
き、且つそのAlが結晶性に優れているが故に下地のシ
リコン等との共晶反応によるアロイスパイクの形成等が
ほとんどみられないか極めて少ないものと考えらる。そ
して、半導体装置の電極として採用した場合には従来考
えられてきたAl電極の概念を越えた従来技術では予想
だにしなかった効果が得られるのである。
【0056】以上のように電子供与性の表面例えば絶縁
膜に形成され半導体基体表面が露出した開孔内に堆積さ
れたAlは単結晶構造となることを説明したが、このA
l−CVD法によれば以下のようなAlを主成分とする
金属膜をも選択的に堆積でき、その膜質も優れた特性を
示すのである。
【0057】たとえば、アルキルアルミニウムハイドラ
イドのガスと水素とに加えてSiH4 ,Si26 ,S
38 ,Si(CH34 ,SiCl4 ,SiH2
2,SiHCl3 等のSi原子を含むガスや、TiC
4 ,TiBr4 ,Ti(CH34 等のTi原子を含む
ガスや、ビスアセチルアセトナト銅Cu(C57
2 ),ビスジピバロイルメタナイト銅Cu(C1119
22 ,ビスヘキサフルオロアセチルアセトナト銅Cu
(C5 HF622 等のCu原子を含むガスを適宜組
み合わせて導入して混合ガス雰囲気として、例えばAl
−Si,Al−Ti,Al−Cu,Al−Si−Ti,
Al−Si−Cu等の導電材料を選択的に堆積させて電
極を形成してもよい。
【0058】また、上記Al−CVD法は、選択性に優
れた成膜方法であり且堆積した膜の表面性が良好である
ために、次の堆積工程に非選択性の成膜方法を適用し
て、上述の選択堆積したAl膜および絶縁膜としてのS
iO2 等の上にもAl又はAlを主成分とする金属膜を
形成することにより、半導体装置の配線として汎用性の
高い好適な金属膜を得ることができる。
【0059】このような金属膜とは、具体的には以下の
とおりである。選択堆積したAl,Al−Si,Al−
Ti,Al−Cu,Al−Si−Ti,Al−Si−C
uと非選択的に堆積したAl,Al−Si,Al−T
i,Al−Cu,Al−Si−Ti,Al−Si−Cu
との組み合わせ等である。
【0060】非選択堆積のための成膜方法としては上述
したAl−CVD法以外のCVD法やスパッタリング法
等がある。
【0061】(成膜装置) 次に、本発明の背景となる電極を形成するのに好適な成
膜装置について説明する。
【0062】図2ないし図4に上述した成膜方法を適用
するに好適な金属膜連続形成装置を模式的に示す。
【0063】この金属膜連続形成装置は、図2に示すよ
うに、ゲートバルブ310a〜310fによって互いに
外気遮断下で連通可能に連接されているロードロック室
311,第1の成膜室としてのCVD反応室312,R
fエッチング室313,第2の成膜室としてのスパッタ
室314,ロードロック室315とから構成されてお
り、各室はそれぞれ排気系316a〜316eによって
排気され減圧可能に構成されている。ここで前記ロード
ロック室311は、スループット性を向上させるために
堆積処理前の基体雰囲気を排気後にH2 雰囲気に置き換
える為の室である。次のCVD反応室312は基体上に
常圧または減圧下で上述したAl−CVD法による選択
堆積を行う室であり、成膜すべき基体表面を少なくとも
200℃〜450℃の範囲で加熱可能な発熱抵抗体31
7を有する基体ホルダ318が内部に設けられるととも
に、CVD用原料ガス導入ライン319によって室内に
バブラー319−1で水素によりバブリングされ気化さ
れたアルキルアルミニウムハイドライド等の原料ガスが
導入され、またガスライン319′より反応ガスとして
の水素ガスが導入されるように構成されている。次のR
fエッチング室313は選択堆積後の基体表面のクリー
ニング(エッチング)をAr雰囲気下で行う為の室であ
り、内部には基体を少なくとも100℃〜250℃の範
囲で加熱可能な基体ホルダ320とRfエッチング用電
極ライン321とが設けられるとともに、Arガス供給
ライン322が接続されている。次のスパッタ室314
は基体表面にAr雰囲気下でスパッタリングにより金属
膜を非選択的に堆積する室であり、内部に少なくとも2
00℃〜250℃の範囲で加熱される基体ホルダ323
とスパッタターゲット材324aを取りつけるターゲッ
ト電極324とが設けられるとともに、Arガス供給ラ
イン325が接続されている。最後のロードロック室3
15は金属膜堆積完了後の基体を外気中に出す前の調整
室であり、雰囲気をN2 に置換するように構成されてい
る。
【0064】図3は上述した成膜方法を適用するに好適
な金属膜連続形成装置の他の構成例を示しており、前述
の図2と同じ部分については同一符号とする。図3の装
置が図2の装置と異なる点は、直接加熱手段としてハロ
ゲンランプ330が設けられており基体表面を直接加熱
出来る点であり、そのために、基体ホルダ312には基
体を浮かした状態で保持するツメ331が配設されてい
ることである。
【0065】このよう構成により基体表面を直接加熱す
ることで前述した様に堆積速度をより一層向上させるこ
とが可能である。
【0066】上記構成の金属膜連続形成装置は、実際的
には、図4に示すように、搬送室326を中継室として
前記ロードロック室311,CVD反応室312,Rf
エッチング室313,スパッタ室314,ロードロック
室315が相互に連結された構造のものと実質的に等価
である。この構成ではロードロック室311はロードロ
ック室315を兼ねている。前記搬送室326には、図
に示すように、AA方向に正逆回転可能かつBB方向に
伸縮可能な搬送手段としてのアーム327が設けられて
おり、このアーム327によって、図5中に矢印で示す
ように、基体を工程に従って順次ロードロック室311
からCVD室312,Rfエッチング室313,スパッ
タ室314,ロードロック室315へと、外気にさらす
ことなく連続的に移動させることができるようになって
いる。
【0067】(成膜手順) 本発明の背景となる電極および配線を形成するための成
膜手順について説明する。
【0068】図6は本発明の背景となる電極および配線
を形成するための成膜手順を説明する模式的斜視図であ
る。
【0069】始めに概略を説明する。絶縁膜に開孔の形
成された半導体基体を用意し、この基体を成膜室に配し
その表面を例えば260℃〜450℃に保持して、アル
キルアルミニウムハイドライドとしてDMAHのガスと
水素ガスとの混合雰囲気での熱CVD法により開孔内の
半導体が露出した部分に選択的にAlを堆積させる。も
ちろん前述したようSi原子等を含むガスを導入してA
l−Si等のAlを主成分とする金属膜を選択的に堆積
させてもよい。次にスパッタリング法により選択的に堆
積したAlおよび絶縁膜上にAl又はAlを主成分とす
る金属膜を非選択的に形成する。その後、所望の配線形
状に非選択的に堆積した金属膜をパターニングすれば電
極および配線を形成することが出来る。
【0070】次に、図3及び図6を参照しながら具体的
に説明するまず基体の用意をする。基体としては、例え
ば単結晶Siウエハ上に各口径の開孔の設けられた絶縁
膜が形成されたものを用意する。
【0071】図6における(A)はこの基体の一部分を
示す模式図である。ここで、401は伝導性基体として
の単結晶シリコン基体、402は絶縁膜(層)としての
熱酸化シリコン膜である。403および404は開孔
(露出部)であり、それぞれ口径が異なる。
【0072】基体上への第1配線層としての電極となる
Al成膜の手順は図3をもってすれば次の通りである。
【0073】まず、上述した基体をロードロック室31
1に配置する。このロードロック室311に前記したよ
うに水素を導入して水素雰囲気としておく。そして、排
気系316bにより反応室312内をほぼ1×10-8
orrに排気する。ただし反応室312内の真空度は1
×10-8Torrより悪くてもAlは成膜出来る。
【0074】そして、ガスライン319からバブリング
されたDMAHのガスを供給する。DMAHラインのキ
ャリアガスにはH2 を用いる。
【0075】第2のガスライン319′は反応ガスとし
てのH2 用であり、この第2のガスライン319′から
2 を流し、不図示のスローリークバルブの開度を調整
して反応室312内の圧力を所定の値にする。この場合
の典型的圧力は略々1.5Torrがよい。DMAHラ
インよりDMAHを反応管内へ導入する。全圧を略々
1.5Torr、DMAH分圧を略々5.0×10-3
orrとする。その後ハロゲンランプ330に通電しウ
エハを直接加熱する。このようにしてAlを選択的に堆
積させる。
【0076】所定の堆積時間が経過した後、DMAHの
供給を一端停止する。この過程で堆積されるAl膜の所
定の堆積時間とは、Si(単結晶シリコン基体)上のA
l膜の厚さが、SiO2 (熱酸化シリコン膜)の膜厚と
等しくなるまでの時間であり、実験によりあらかじめ求
めることが出来る。
【0077】このときの直接加熱による基体表面の温度
は270℃程度とする。ここまでの工程によれば図6に
おける(B)に示すように開孔内に選択的にAl膜40
5が堆積するのである。
【0078】以上をコンタクトホール内に電極を形成す
る為の第1成膜工程と称する。
【0079】上記第1成膜工程後、CVD反応室312
を排気系316bにより5×10-3Torr以下の真空
度に到達するまで排気する。同時に、Rfエッチング室
313を5×10-6Torr以下に排気する。両室が上
記真空度に到達したことを確認した後、ゲートバルブ3
10cが開き、基体を搬送手段によりCVD反応室31
2からRfエッチング室313へ移動し、ゲートバルブ
310cを閉じる。基体をRfエッチング室313に搬
送し、排気系316cによりRfエッチング室313を
10-6Torr以下の真空度に達するまで排気する。そ
の後Rfエッチング用アルゴン供給ライン322により
アルゴンを供給し、Rfエッチング室313を10-1
10-3Torrのアルゴン雰囲気に保つ。Rfエッチン
グ用基体ホルダー320を200℃程に保ち、Rfエッ
チング用電極321へ100WのRfパワーを60秒間
程供給し、Rfエッチング室313内でアルゴンの放電
を生起させる。このようにすれば、基体の表面をアルゴ
ンイオンによりエッチングし、CVD堆積膜の不要な表
面層をとり除くことができる。この場合のエッチング深
さは酸化物相当で約100Å程度とする。なお、ここで
は、Rfエッチング室でCVD堆積膜の表面エッチング
を行ったが、真空中を搬送される基体のCVD膜の表面
層は大気中の酸素等を含んでいないため、Rfエッチン
グを行わなくてもかなわない。その場合、Rfエッチン
グ室313は、CVD反応室312とスパッタ室314
の温度差が大きく異なる場合、温度変化を短時間で行な
うための温度変更室として機能する。
【0080】Rfエッチング室313において、Rfエ
ッチングが終了した後、アルゴンの流入を停止し、Rf
エッチング室313内のアルゴンを排気する。Rfエッ
チング室313を5×10-6Torrまで排気し、かつ
スパッタ室314を5×10-6Torr以下に排気した
後、ゲートバルブ310dを開く。その後、基体を搬送
手段を用いてRfエッチング室313からスパッタ室3
14へ移動させゲートバルブ310dを閉じる。
【0081】基体をスパッタ室314に搬送してから、
スパッタ室314をRfエッチング室313と同様に1
-1〜10-3Torrのアルゴン雰囲気となし、基体を
載置する基体ホルダー323の温度を200〜250℃
程に設定する。そして、5〜10kwのDCパワーでア
ルゴンの放電を行い、AlやAl−Si(Si:0.5
%)等のターゲット材をアルゴンイオンで削りAlやA
l−Si等の金属を基体上に10000Å/分程の堆積
速度で成膜を行う。この工程は非選択的堆積工程であ
る。これを電極と接続する配線を形成する為の第2成膜
工程と称する。
【0082】基体上に5000Å程の金属膜を形成した
後、アルゴンの流入およびDCパワーの印加を停止す
る。ロードロック室311を5×10-3Torr以下に
排気した後、ゲートバルブ310eを開き基体を移動さ
せる。ゲートバルブ310eを閉じた後、ロードロック
室311にN2 ガスを大気圧に達するまで流しゲートバ
ルブ310fを開いて基体を装置の外へ取り出す。
【0083】以上の第2Al膜堆積工程によれば図6に
おける(C)のようにSiO2 膜402上にAl膜40
6を形成することができる。
【0084】そして、このAl膜406を図6における
(D)のようにパターニングすることにより所望の形状
の配線を得ることができる。
【0085】(実験例)以下に、上記Al−CVD法が
優れており、且つそれにより開孔内に堆積したAlがい
かに良質の膜であるかを実験結果をもとに説明する。
【0086】まず基体としてN型単結晶シリコンウエハ
ーの表面を熱酸化して8000ÅのSiO2 を形成し
0.25μm×0.25μm角から100μm×100
μm角の各種口径の開孔をパターニングして下地のSi
単結晶を露出させたものを複数個用意した(サンプル1
−1)。
【0087】これらを以下の条件によるAl−CVD法
によりAl膜を形成した。原料ガスとしてDMAH、反
応ガスとして水素、全圧力を1.5Torr、DMAH
分圧を5.0×10-3Torrという共通条件のもと
で、ハロゲンランプに通電する電力量を調整し直接加熱
により基体表面温度を200℃〜490℃の範囲で設定
し成膜を行った。
【0088】その結果を表1に示す。
【0089】
【表1】
【0090】表1から判るように、直接加熱による基体
表面温度が260℃以上では、Alが開孔内に3000
〜5000Å/分という高い堆積速度で選択的に堆積し
た。
【0091】基体表面温度が260℃〜440℃の範囲
での開孔内のAl膜の特性を調べてみると、炭素の含有
はなく、抵抗率2.8〜3.4μΩcm、反射率90〜
95%、1μm以上のヒロック密度が0〜10であり、
スパイク発生(0.15μm接合の破壊確率)がほとん
どない良好な特性であることが判明した。
【0092】これに対して基体表面温度が200℃〜2
50℃では、膜質は260℃〜440℃の場合に比較し
て若干悪いものの従来技術から見れば相当によい膜であ
るが、堆積速度が1000〜1500Å/分と決して十
分に高いとはいえず、スループットも7〜10枚/Hと
比較的低かった。
【0093】また、基体表面温度が450℃以上になる
と、反射率が60%以下、1μm以上のヒロック密度が
10〜104 cm-2、アロイスパイク発生が0〜30%
となり、開孔内のAl膜の特性は低下した。
【0094】次に上述した方法がコンタクトホールやス
ルーホールといった開孔にいかに好適に用いることがで
きるかを説明する。
【0095】即ち以下に述べる材料からなるコンタクト
ホール/スルーホール構造にも好ましく適用されるので
ある。
【0096】上述したサンプル1−1にAlを成膜した
時と同じ条件で以下に述べるような構成の基体(サンプ
ル)にAl膜を形成した。
【0097】第1の基体表面材料としての単結晶シリコ
ンの上に、第2の基体表面材料としてのCVD法による
酸化シリコン膜を形成し、フォトリソグラフィー工程に
よりパターニングを行い、単結晶シリコン表面を部分的
に吐出させた。
【0098】このときの熱酸化SiO2 膜の膜厚は80
00Å、単結晶シリコンの露出部即ち開口の大きさは
0.25μm×0.25μm〜100μm×100μm
であった。このようにしてサンプル1−2を準備した
(以下このようなサンプルを“CVDSiO2 (以下S
iO2 と略す)/単結晶シリコン”と表記することとす
る)。
【0099】サンプル1−3は常圧CVDによって成膜
したボロンドープの酸化膜(以下BSGと略す)/単結
晶シリコン、サンプル1−4は常圧CVDによって成膜
したリンドープの酸化膜(以下PSGと略す)/単結晶
シリコン、サンプル1−5は常圧CVDによって成膜し
たリンおよびボロンドープの酸化膜(以下BSPGと略
す)/単結晶シリコン、サンプル1−6はプラズマCV
Dによって成膜した窒化膜(以下P−SiNと略す)/
単結晶シリコン、サンプル1−7は熱窒化膜(以下T−
SiNと略す)/単結晶シリコン、サンプル1−8は減
圧CVDによって成膜した窒化膜(以下LP−SiNと
略す)/単結晶シリコン、サンプル1−9はECR装置
によって成膜した窒化膜(以下ECR−SiNと略す)
/単結晶シリコンである。
【0100】さらに以下に示す第1の基体表面材料(1
8種類)と第2の基体表面材料(9種類)の全組み合わ
せによりサンプル1−11〜1−179(注意:サンプ
ル番号1−10,20,30,40,50,60,7
0,80,90,100,110,120,130,1
40,150,160,170は欠番)を作成した。第
1の基体表面材料として単結晶シリコン(単結晶Si),
多結晶シリコン(多結晶Si),非晶質シリコン(非晶
質Si),タングステン(W),モリブデン(Mo),
タンタル(Ta),タングステンシリサイド(WS
i),チタンシリサイド(TiSi),アルミニウム
(Al),アルミニウムシリコン(Al−Si),チタ
ンアルミニウム(Al−Ti),チタンナイトライド
(Ti−N),銅(Cu),アルミニウムシリコン銅
(Al−Si−Cu),アルミニウムパラジウム(Al
−Pd),チタン(Ti),モリブデンシリサイド(M
o−Si),タンタルシリサイド(Ta−Si)を使用
した。第2の基体表面材料としてはT−SiO2 ,Si
2 ,BSG,PSG,BPSG,P−SiN,T−S
iN,LP−SiN,ECR−SiNである。以上のよ
うな全サンプルについても上述したサンプル1−1に匹
敵する良好なAl膜を形成することができた。
【0101】次に、以上のようにAlを選択堆積させた
基体に上述したスパッタリング法により非選択的にAl
を堆積させてパターニングした。
【0102】その結果、スパッタリング法によるAl膜
と、開孔内の選択堆積したAl膜とは、開孔内のAl膜
の表面性がよいために良好な電気的にも機械的にも耐久
性の高いコンタクト状態となっていた。
【0103】図1を用いて、配線構造の製造方法を説明
する。能動素子が作り込まれたシリコンからなる基板1
5上に、CVD法などによりBPSG膜またはPSG膜
を10000〜16000Åの厚さに堆積した。そし
て、半導体基板15のコンタクト取り出し領域と第1配
線11を接続するためのコンタクトホールのパターニン
グを行なった。さらにつづいて第1配線11が埋めこま
れる第1絶縁層13内の領域をエッチングにより配線パ
ターン状に溝を形成した。この際のエッチングガスは、
とCHFとの混合ガスを用い、0.1〜0.
8Pa程度のガス圧力で5000〜8000Åの深さだ
けエッチングした。
【0104】このときコンタクト孔で露出された半導体
基板15は300〜500Å程度の深さがエッチングさ
れた。より望ましい方法は上記のコンタクト孔開口の
際、第1絶縁層13のエッチングを途中で止めることで
ある。このようにすると第1配線11の埋め込みパター
ンのエッチングの際に残った半導体基板15のコンタク
ト部分のエッチングを行なうことができるので、半導体
基板15は不必要にエッチングされずに済む。この残す
厚みは実験結果を基に適宜設定できる。
【0105】上記の配線パターンエッチング直後、レジ
ストを除去する前にSF6 ガスを導入してRfパワー1
00Wを印加し、プラズマを発生させた。つまり、より
良好な選択性をだす為に配線を形成したい部分のみに、
プラズマ電離により発生した電子を供与していおいた。
然る後、湿式法によりレジストを除去した。導入するガ
スはSF6 に限らない。次にAl−CVD法により、以
上のような工程で開口したコンタクト部および配線パタ
ーン内にAlを堆積させた。
【0106】このときの成膜条件としては基体表面温度
を300℃としてDMAHと水素とを用いた。
【0107】第1配線11の表面が第1絶縁層13の高
さと同じ位になった時点でAlの堆積を停止させた。こ
のことにより電子供与性の度合いの違いからコンタクト
部では、溝部に比べて高い堆積速度で成膜されるのでウ
ェハ上全面でほぼ平坦な面が得られた。
【0108】続いて、ウェハ上全面にPSGまたはプラ
ズマCVDによるシリコン窒化膜を1000〜1600
0Åの厚さに堆積された。その後、第2配線12と第1
配線11とを接続するためのスルーホールを開口し、続
いて第2配線12のパターンとなる部分の第2絶縁層1
4のエッチングを行ない溝を形成した。
【0109】このスルーホールと配線パターンのエッチ
ング方法は、前に述べたコンタクト孔と第1配線11の
エッチングの関係に同様である。つまり、スルーホール
で開口しないが第2配線12が埋め込まれる部分の直下
には、絶縁層を厚さ5000−8000Å程度残すよう
にした。また、より一層良好な選択性を生じさせる為に
配線パターン形成直後に、プラズマを数秒間発生させA
lを埋め込む部分に電子を与えたことも同様である。以
上により図1に示す断面構造を有する半導体装置が得ら
れた。
【0110】以上の製造方法による効果は以下のとおり
である。
【0111】(1)この参考例では配線パターン形式の
ためのAlのエッチングは行なっていないので、従来の
半導体装置においてAlパターンとコンタクト孔のアラ
イメントずれを生じた際のような、コンタクト部のAl
がエッチングされるようなことは起こらない。つまり、
コンタクト孔は確実にAlで埋め込まれ、このAlは確
実に第1配線11と接続されることができる。スルーホ
ール16と第2配線12についても同様のことがいえ
る。従って高信頼性、高歩留りの配線構造が得られる。
また、従来例1のように、コンタクト孔やスルーホール
付近で配線層を大きくする必要がないので、高集積化が
可能である。
【0112】(2)この参考例では配線とその周辺の絶
縁層の物理的な高さをほぼ等しくすることが可能であ
る。従って、従来例1で問題になっていた、表面の激し
い凹凸による、Alの段切れ,厚さの不均一性および配
線幅の不均一性が解消される。このことも高歩留り,高
集積,高信頼性に寄与する。また、コンタクト孔または
スルーホール孔の位置、または配線パターンの決定に対
する制約が少なくなるので、設計の自由度が増す。この
ことにより回路全体の高性能化、開発の短縮化にも寄与
することは疑いない。
【0113】図7に本発明の背景となる第2の参考例を
示す。この参考例はAl−CVD技術を用いて形成した
配線を用いてインダクタンスを形成するためのツイスト
ペアした線を形成してある。図7における(B)はその
模式的平面図であり、図7における(A)は図7におけ
る(B)のA−A′線に沿った模式的断面図である。
【0114】シリコン酸化物からなる第1絶縁層33の
溝中に形成された第1配線31とシリコン酸化物からな
る第2絶縁層34中に形成された第2配線32は近接し
て配置され、第1配線31と第2配線32は、第2絶縁
層34に形成されたスルーホールを用いて、交差され
る。このようなクロス配線を極めて短い間隔で行なうこ
とにより、インダクタンスとなるいわゆるツイストペア
線を形成した。図7における(A)においてL8は0.
8μm,L9は0.6μmである。図7における(B)
においてL10は0.8μm、L11は1.9μm、L
12は0.8μm、L13は0.6μmである。図9に
おける(B)に示した従来のツイストペア線と比較する
と、本実施例においては、極めて狭い領域においてツイ
ストペア線を形成することができる。
【0115】図9に示した従来例2では、配線の段差に
よる段切れ,マイグレーションあるいは絶縁層間の接続
に必要とされるコンタクトホール,スルーホールの形状
等により配線構造が規定されるので、ツイストペア線を
形成する場合にこの参考例と比べてツイストペア線を近
接に配置することが困難であった。
【0116】この参考例によると、極めて近接に配置し
たツイストペア線を形成することが可能であり、電磁誘
導および容量結合による雑音電圧の影響を一層小さくす
ることができるという効果がある。このような効果はツ
イストペア線について一般にいわれている効果である。
【0117】次に、本発明の背景となる第2の参考例の
半導体装置の製造方法を図7を用いて説明する。この製
造工程は、半導体基体とのコンタクトの有無を除いて実
施例1と同様である。従って第1配線31を形成するま
での工程について説明する。すなわち、能動素子が作り
込まれた半導体基板35上にCVD法などによりBPS
GまたはPSG層33を10000〜16000Åの厚
さに堆積させた。然るのちフォトリソグラフィーとエッ
チングにより、第1配線31が埋めこまれるパターンを
形成した。このときの第1絶縁層33のエッチング深さ
は5000〜8000Å程度であった。
【0118】エッチング時に表面を被覆しているレジス
トを除去する前に、SF6 ガスを導入し、Rfパワー1
00Wを印加してプラズマを発生させ、上記のエッチン
グ箇所の表面を電子供与性にしておいた。レジストを除
去した後、DMAHガスを用いたAl−CVD法により
Alの表面の高さが、第1絶縁層33の表面の高さとほ
ぼ同じ程度になるように選択堆積を行なった。
【0119】以降の工程は参考例1において説明したの
と全く同様であるので、その説明は省略する。
【0120】参考例1で示した効果は参考例2にも全て
あてはまる。さらにこの参考例においては、コンタクト
およびスルーホール近傍での配線領域を大きくする必要
がないので、高集積化されたツイストペア線を作製する
ことができる。その結果、ツイストペア線の機能であ
る、雑音(容量結合あるいは電磁誘導のような外乱の影
響による雑音)除去効果が促進される。
【0121】図16における(A)は本発明の背景とな
る半導体装置の多層配線構造を示す模式的平面図であ
り、図16における(B)は図16における(A)のA
−A′線に沿った断面図である。
【0122】例えばSiのような下地表面上としての半
導体基体表面261上に、第1絶縁膜としてのSiO2
膜257および第2絶縁膜としてのSiO2 膜255の
ように何層にも形成された絶縁膜の表面からその絶縁膜
の厚さに応じた規定のサイズの開口部(スルーホール)
THを形成する。この開口部THにおいては、結晶性の
基体261の表面にいたるまで、SiO2 を除去する。
次に、例えば後述するAl−CVD法を用いて、穴TH
の底部の基体261の表面上にAl単結晶262を成長
させて穴THの内部を完全に埋め込み下地表面とその上
に形成される第2配線層(不図示)を接続する接続部材
としての金属膜を形成する。
【0123】このように複数の絶縁層が積層されて形成
された部分においても、これらを貫通する開孔を形成し
前述したAl−CVD法を適用することにより、アスペ
クト比が1.0以上はもちろん、従来では十分な埋込み
が行い難かったような1.5以上またはアスペクト比
2.0以上の小さくて深い貫通孔を埋めることができ
る。このようにアスペクト比を1.5以上としたときに
所望のデバイス特性が待たれる時の歩留りが大巾に向上
する。そして、このAl−CVD法により形成された膜
は単結晶Alとなり、また、貫通孔を一回の堆積プロセ
スで埋めて上下の配線間のコンタクトがとれる(上,
中,下の3つの配線構造の場合)ので、その接続部分が
側面に突出部のない(図12とは異なる)構造となる。
【0124】従ってその上下コンタクトをとる為の接続
部材による寄生容量が低減し、且つそのまわりでの段差
が生じない。更には開孔径を必要最小限のもので統一で
きるので2回の堆積およびパターニングのプロセスで接
続部材を形成していた従来例に対して1回の堆積および
パターニングですむのでマスクずれ等の心配も少ない。
そして、以上説明した工程を繰り返すことにより配線層
が3以上となる多層配線構造としても開孔内に埋め込ま
れた膜の表面が実質的に平坦となるので段差が加算的に
大きくなることはない。即ち下地表面としては配線層と
してのAlやAlを主成分とする金属膜等をも含む。
【0125】図17に本発明の背景となる参考例を示
す。図17における(A)は半導体装置の模式的平面図
であり、図17における(B)は図17における(A)
A−A′線に沿った断面図である。この半導体装置の製
造方法の概略は以下の通りである。まず、図16におい
て説明したのと同じ方法で、下地表面とその上の第1絶
縁膜およびその上の第1配線層、これを覆う第2絶縁膜
の形成された半導体装置に対して開孔を形成し、Alの
単結晶262を成長させて開孔THの内部を完全に埋め
込んだ。その後、SiO 膜2555の表面に、図1
0〜図13に示した第2Al 2のような配線用のAl
を形成した。
【0126】以上のようにすれば、図10〜図13にお
いて示した従来例のような、第1Al 101と第2A
l 102のコンタクトを取るための土台として必要
な、第1Al 101を開孔部分のSiO2 膜上に形成
する必要はない。また、図17における(A)に示すよ
うに、SiO2 膜255の周辺全域が第1Al 101
に囲まれている場合でも開口部を形成するための領域さ
えあれば、底部の導伝物261に対して電極を形成する
ことができる。
【0127】図17において、L13は0.6μm、L
14は0.8μm、L15は2.0μmである。図11
においてL6は4.2μm、図13においてL12は
3.2μmであるので、この参考例において配線に必要
な領域は、従来と比較すると小さくて済む。
【0128】以下、本発明の背景となる参考例を図17
および図18を用いて詳細に説明する。
【0129】図18は本発明の背景となる半導体装置の
製造方法の一例を示す製造工程図である。
【0130】まず、シリコンからなる結晶性の基板80
1に拡散層を形成した後、二酸化ケイ素の第1絶縁層8
02を7000Åの厚さに堆積させた(図18における
(A))。この参考例では、第1絶縁層802としてリ
ンおよびボロンを含有する二酸化ケイ素を常圧CVD法
で堆積させた。これとは別にリン含有の二酸化ケイ素も
しくは不純物を含まない二酸化ケイ素などを用いてもよ
い。
【0131】次に、第1絶縁層802の上にアルミニウ
ム層803を8000Åの厚さに堆積させた。そして、
通常のフォトリソグラフィの工程により、所定の形状に
加工した(図18における(B))。具体的には、アル
ミニウム・シリコンをスパッタ法で堆積させ、Cl2
BCl3 −He系のドライエッチングで加工を行った。
【0132】次に、二酸化ケイ素の第2絶縁層804を
6000Åの厚さに堆積させた(図18における
(C))。具体的にはリン含有二酸化ケイ素を常圧CV
D法で堆積させた。
【0133】次に、第2絶縁層804と第1絶縁層80
2とを貫通させたアスペクト比1以上のコンタクトホー
ルCH1を穴開けする(図18における(D))。この
参考例では縮小投影露光機を使用してレジストのパター
ンを形成し、CHF−C系のドライエッチング
装置でエッチングを行った。
【0134】次に上述したAl−CVD法を使用し、上
記コンタクトホールCH1に単結晶アルミニウムの埋め
込みを行った(図19における(A))。この参考例で
は純粋なアルミニウムではなく、アルミニウム・シリコ
ンを含有したアルミニウム・シリコンを堆積させた。成
膜装置は図2に示したものを用い、成膜条件は前述した
ものと同様であった。なお、金属膜805の堆積時間は
約28分とした。ここでは図18における(D)まで加
工された試料をも含めて基体と称する。
【0135】次に、第2絶縁層804およびAl−Si
膜805の表面上にスパッタリング法により第2アルミ
ニウム806を非選択的に堆積させた。そして通常のフ
ォトリソグラフィの工程により、所定の形状に第2アル
ミニウム806を加工した(図19における(B))。
【0136】この参考例では第1アルミニウム803と
同様にCl−BCl−He系のドライエッチングで
加工を行った。
【0137】以上のような製造工程により、図19にお
ける(B)のような構造を有する半導体装置の作製を達
成することができた。
【0138】この参考例においては、単結晶シリコンか
らなる基板を用いた半導体装置について説明したが、例
えばGaPのような選択電子供与性の物質からなる基板
を用いた半導体装置においても特に良い膜が形成でき
る。
【0139】図20は本発明に基づく同軸配線構造を示
す模式図である。図20における(A)は断面図であ
り、図20における(B)は平面図である。半導体基体
としてのシリコン基板507の上に絶縁層504が形成
され、この絶縁層504の上にシールド線となる導電層
としての第1アルミニウム(Al)501が積層されて
いる。信号線として使用される導電層としての第2アル
ミニウム(Al)502は、シールド線しして使用され
る導電層としての第3アルミニウム(Al)503、第
1アルミニウム501および絶縁層505および506
を同軸で貫通するアスペクト比の高い開孔に選択堆積さ
れた導電体としてのアルミニウム508に囲まれてい
る。このように、信号線である第2アルミニウム502
の周囲を他のアルミニウムで囲み、さらに、例えばGN
Dのような固定電位に接続することにより、信号線同士
(例えば第2アルミニウム502からなる信号線と第2
アルミニウム2Aからなる信号線)のクロストークを抑
えることができる。符号505および506は絶縁層で
あり、酸化シリコンや窒化シリコン等の無機材料あるい
は有機材料等が適用可能であるが、特に絶縁層506と
して四エチル有機化ケイ素を利用して形成された酸化シ
リコン(TEOS−SiO)が好ましい。
【0140】導電体508は複数の絶縁層を貫通してそ
の上下の配線を接続するので占有面積を小さくし、かつ
寄生容量をも小さくすることができる。さらには導電体
508の側面が実質的に平坦なので、複数絶縁層間に図
14および図15に示したような余分な配線部分が生じ
ず、段差が大きくなることが少ないのである。
【0141】特に、アスペクト比を1.0以上、好まし
くは1.5以上、最適には2.0以上とすれば深さが特
定されたときでも占有面積を小さくすることができる。
【0142】図21〜図23は、本発明による同軸配線
構造の半導体装置の製造方法の一実施例を示す製造工程
図である。
【0143】まず、通常の半導体装置作製の過程におい
て、シリコン基板601に拡散層などを作り込み、層間
絶縁層602を5000Å表面に被せた(図21におけ
る(A))。
【0144】この層間絶縁層は、本実施例ではホウ素と
リンを含有した二酸化ケイ素膜を使用したが、リン含有
のみの二酸化ケイ素膜あるいは不純物を含有しない二酸
化ケイ素膜を使用することもできる。
【0145】次に、シールド線,底面用の第1アルミニ
ウム603を層間絶縁層602の上に3000Åの厚さ
に堆積させた(図21における(B))。
【0146】本実施例においては、このアルミニウム6
03の堆積にはスパッタ法を用いたが、電子ビーム蒸着
法、あるいはCVD法でも使用できる。このアルミニウ
ム603の堆積後、信号線と基板素子間の間にコンタク
トが必要な箇所に、コンタクトホールより大きな寸法で
アルミニウム603に穴H1を開けておいた(図22に
おける(A))。図21における(C),図22におけ
る(A)および(C)はコンタクト部における工程を示
す。このアルミニウムパターニングの方法は通常のレジ
ストによるフォトリソグラフィーの工程と、塩素含有の
ドライエッチング法によって達成できる。
【0147】次にシールド線底面用のアルミニウム60
3と信号線を絶縁するための層間絶縁層604を600
0Å堆積させた(図21における(C))。
【0148】この絶縁層604は、本実施例ではリン含
有二酸化ケイ素を使用したが、不純物を含有しない二酸
化ケイ素を使用することもできる。この層間絶縁層堆積
後、信号線と基板側素子との間にコンタクトの必要な箇
所にコンタクトホールCH601を開けた(図22にお
ける(B))。このコンタクトホールCH601の形成
方法は、通常のレジストによるフォトリソグラフィーの
工程と、ドライエッチング法によって達成できた。
【0149】以上、図21における(A)〜(C)およ
び図22における(A),(B)までの構造は公知の半
導体製造技術によって達成できる。
【0150】次に信号ラインに使用するアルミニウム・
シリコン605を堆積させた。このアルミニウム・シリ
コンの堆積は基板素子へのコンタクトホールが、ある程
度大きい場合は、スパッタ法や電子ビーム蒸着法でもか
まわないが、本実施例では1μm角の大きさのコンタク
トホールであったため、選択アルミニウムCVDとスパ
ッタ法を併用する方法を用いた。アルミニウム・シリコ
ンの堆積には図2に示した金属膜成膜装置を用いた。堆
積条件も前述のとおりである。
【0151】アルミニウム・シリコンの厚さが、絶縁層
602と604を合計した厚さ、つまり11000Åに
なったまでの堆積時間は約22分であった。このときの
直接加熱による基体表面の温度は270℃とした。この
堆積工程では、コンタクトホールCH601部分にのみ
アルミニウム・シリコン605が堆積された。このとき
の基体の状態は図21における(D)および図22にお
ける(C)のようになっていた。
【0152】次に、堆積させたアルミニウム・シリコン
605を所定の配線形状にパターニングを行う(図23
における(A))。この配線形成方法は通常のレジスト
によるフォトリソグラフィーの工程と、塩素含有のドラ
イエッチング法によって達成できた。
【0153】次に信号線605とシールド線上面を絶縁
する。層間絶縁層606を6000Åの厚さに堆積させ
た(図23における(B))。
【0154】この絶縁層606に本実施例ではリン含有
二酸化ケイ素を使用している。成膜方法としてはO3
TEOS(四エチル有機化ケイ素)系CVDを使用して
おり、リンの含有はTMP(四メチル化リン)を含ませ
ることによって制御した。基板温度は400℃であり、
絶縁層606のリン濃度はおよそ6%であった。この絶
縁層606は通常のSH42 −PH3 系のCVD法で
も使用できる。
【0155】次に信号線605の側面をシールドする場
所に狭い溝を開ける(図23における(C))。この溝
の形成には通常のフォトリソグラフィーとドライエッチ
ングによって達成できる。本実施例では縮小露先装置を
使用し、0.8μm幅のレジスト形状を作り、C22
−CHF3 系のドライエッチングで溝を形成した。
【0156】最後に信号線605の上面および側面のア
ルミニウム607を堆積し、シールドを完成させた(図
23における(D))。
【0157】このアルミニウムの堆積は幅が0.8μm
で深さが1.2μmでありアスペクト比が1.0以上な
ので、スパッタ法、電子ビーム蒸着法などでは溝内部に
スができてしまい完全な埋め込みができない。そこでこ
の溝の埋め込みは選択アルミニウムCVDを使用するこ
とになる。本実施例では、信号線605のアルミニウム
堆積と同様選択アルミニウムCVDとスパッタ法を併用
する方法を用いシールド線側面および上面607を形成
した。
【0158】信号線605とシールド線607の形成方
法の相異点はシールド線607側がTMP(トリメチル
リン)選択Al−CVD堆積中に含ませない純アルミニ
ウムを使用したことと選択アルミニウムCVDの埋め込
み深さが12000Åになっていることである。
【0159】アルミニウム堆積後、シールド線として余
分な部分のエッチングは、通常のレジストを使用したフ
ォトリソグラフィーと塩素含有のドライエッチング法で
達成できる。
【0160】
【発明の効果】本発明においては、Al−CVD技術を
用いて配線を行うようにしたので、表面平坦化および高
密度配線が可能となった。高密度配線によって半導体装
置の面積が縮小され、このため、半導体装置の製造コス
トの低下を図ることができる。また、ツイストペア線を
形成した場合に、従来に比べてより一層ツイストペア線
の効果を得ることができるという利点もある。
【0161】また、本発明においては、積層された複数
の導伝物や絶縁物中に貫通孔を形成し、例えばAl−C
VD法により貫通孔内部にAl単結晶を成長させて穴の
内部を全て埋め込むことにより、多層配線を形成するの
に必要な領域を小さくすることができ、また半導体装置
の表面の平坦化もなされる。従って、高集積化に極めて
適した半導体装置となり得るという効果がある。
【0162】さらに、本発明によれば、信号線の高密度
化を実現することができるので、チップ上に同軸配線を
形成する際に高集積化が可能であるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の背景となる第1の参考例を示す模式図
である。
【図2】本発明の背景となる成膜方法を適用するのに好
適な金属膜連続形成装置の模式図である。
【図3】本発明の背景となる成膜方法を適用するのに好
適な金属膜連続形成装置の模式図である。
【図4】本発明の背景となる成膜方法を適用するのに好
適な金属膜連続形成装置の模式図である。
【図5】本発明の背景となる成膜方法を適用するのに好
適な金属膜連続形成装置の模式図である。
【図6】本発明の背景となる成膜手順を説明するための
模式的斜視図である。
【図7】本発明の背景となる第2の参考例を示す模式図
である。
【図8】従来の半導体装置の模式図である。
【図9】従来の半導体装置の模式図である。
【図10】従来の2層Al配線構造を示す模式的断面図
である。
【図11】従来の2層Al配線構造を示す模式的断面図
である。
【図12】従来の2層Al配線構造を示す模式的断面図
である。
【図13】従来の2層Al配線構造を示す模式的断面図
である。
【図14】従来の半導体装置の模式図である。
【図15】従来の半導体装置の模式図である。
【図16】本発明の背景となる基本概念を示す図であ
る。
【図17】本発明の背景となる第3の参考例を示す模式
図である。
【図18】図17に示した半導体装置の製造工程を示す
図である。
【図19】図18に示した半導体装置の製造工程の後工
程を示す図である。
【図20】本発明の実施例を示す模式図である。
【図21】図20に示した半導体装置の配線部の製造工
程を示す図である。
【図22】図20に示した半導体装置のコンタクト部の
製造工程を示す図である。
【図23】図21に示した半導体装置の配線部の製造工
程の後工程を示す図である。
【符号の説明】
11,31 第1配線 12,32 第2配線 13,33 第1絶縁層 14,34 第2絶縁層 15,35 半導体基板 16 スルーホール 101 第1アルミニウム 102 第2アルミニウム 105,107,255,257,802,804 S
iO2 膜 261 シリコン基板 262 単結晶アルミニウム 310a,310b,310c,310d,310e,
310f ゲートバルブ 311 ロードロック室 312 反応室 313 Rfエッチング室 314 スパッタ室 315 ロードロック室 316a,316b,316c,316d,316e
排気系 317 ヒータ 318,323 ウエハホルダ 319,322,325 ガス導入ライン 320 アノード電極 321 カソード電極 324 スパッタターゲット 327 ハンドリングアーム 501,603 第1アルミニウム 502, 502A 第2アルミニウム 503 第3アルミニウム 504 SiO2 膜 505 四エチル有機化ケイ素膜 507,601 シリコン基板 602,604,606 層間絶縁層 605 アルミニウム・シリコン 607 シールド線 801 シリコン基板 803,806 Al−Si 805 Al−Si単結晶
フロントページの続き (72)発明者 一瀬 敏彦 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 室岡 文夫 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 松本 繁幸 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 池田 敦 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−33569(JP,A) 特開 平3−35526(JP,A) 特開 昭61−81655(JP,A) 特開 昭59−198796(JP,A) 特開 昭61−248471(JP,A) 特開 平2−42729(JP,A) 実開 昭62−134246(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/3205 H01L 21/3213 H01L 21/768 H01L 21/28 - 21/288 H01L 21/44 - 21/445 H01L 29/40 - 29/43 H01L 29/47 H01L 29/872

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 信号線が絶縁体を介してシールド線によ
    って囲まれた同軸配線構造を有する半導体装置の製造方
    法であって、 基板の表面上に第1絶縁層を形成する工程と、 前記第1絶縁層上に前記シールド線の一部となる第1金
    属層を形成する工程と、 前記第1金属層上に第2絶縁層を形成する工程と、 前記第2絶縁層上に前記信号線となる第2金属層を形成
    する工程と、 前記第2絶縁層および前記第2金属層の表面上に第3絶
    縁層を形成する工程と、 前記第2絶縁層および前記第3絶縁層を通って前記第1
    金属層に至り、前記第2金属層に対してその表面に沿っ
    た方向に所定の間隔をもって配される一対の溝を前記第
    2絶縁層および前記第3絶縁層に形成する工程と、 前記一対の溝内に前記シールド線の一部となる金属を堆
    積させる工程と、 前記第3絶縁層上に前記シールド線の一部となる第3金
    属層を形成する工程とを含み、前記一対の溝内に形成さ
    れる前記金属の側面を、前記第2絶縁層および前記第3
    絶縁層の層厚方向において平坦に形成したことを特徴と
    する半導体装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記一対の溝内に堆積される前記金属
    は、AlまたはAlを主成分とする金属であり、アルキ
    ルアルミニウムハイドライドと水素とを利用したCVD
    法により前記一対の溝内に堆積させることを特徴とする
    請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
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