JP3218056B2 - 熱交換器 - Google Patents

熱交換器

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JP3218056B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、伝熱管の両端部夫々
が、固定枠に支持された熱交換器に関する。
【0002】
【従来の技術】かかる熱交換器において、従来は、伝熱
管の両端部夫々が溶接あるいはろう付け等により固定枠
に融通のない状態で固定されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
熱交換器を例えば湯沸しに使用する場合には、バーナ等
の加熱源による加熱により、伝熱管に熱膨張による伸び
が発生するとともに、伝熱管の加熱源に対面している側
はその反対側に比べて温度が高くなるので、伝熱管の加
熱源に対面している側とその反対側とで熱膨張に差が生
じて伝熱管に反りが発生するため、これらが原因で、上
記従来のように伝熱管の両端部夫々を固定枠に融通のな
い状態で固定されているものでは、伝熱管あるいは伝熱
管と固定枠との固定部等に応力が繰り返し発生して伝熱
管が破損するため、耐久性の面で問題があった。また、
かかる熱交換器を例えば水の冷却用に使用する場合に
も、冷熱源による冷却により、伝熱管の収縮とそれに伴
う伝熱管の反りが発生するため、上記の湯沸しに使用す
る場合と同様の問題があった。又、かかる熱交換器にお
いては、伝熱管に流体を供給する流路や、伝熱管から流
体を排出する流路や、隣接する伝熱管同士を連通接続す
る流路を、伝熱管に連通接続する必要がある。本発明
は、このような実情に鑑みてなされたものであり、その
目的は、伝熱管の端部の固定枠への支持方法を合理的に
改良することにより、簡単な構成にて、伝熱管に連通す
る必要がある流路を伝熱管に連通接続しながら、耐久性
の向上を図る点にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明による熱交換器の
特徴構成は、前記伝熱管に連通する流路を備えた接続部
材が、固定枠に固定状態に設けられ、 前記接続部材に、
前記伝熱管の両端部のうちの少なくとも一方を管長手方
向及び径方向に移動自在に挿入する挿入部が備えられ、
前記挿入部の内周面とそれに対向する伝熱管の外周面と
の間に弾性シール材が配設されている点にある。
【0005】
【作用】上記特徴構成によれば、固定枠に固定状態で設
けられた接続部材の挿入部に、伝熱管の端部が管長手方
向及び径方向に融通を持たした状態で挿入され、且つ、
挿入部の内周面とそれに対向する伝熱管の外周面との間
に弾性シール材が配設されることにより、伝熱管を通流
する流体の漏れが弾性シール材にて防止される状態で、
伝熱管の端部が、固定枠に固定状態に設けられた接続部
材に、管長手方向及び径方向に移動自在に支持されると
共に、接続部材に備えられた流路に伝熱管が連通接続さ
れる。 従って、加熱源による加熱により伝熱管に伸び及
び反りが発生しても、あるいは、冷熱源による冷却によ
り伝熱管に収縮や反りが発生しても、固定枠に対して伝
熱管が相対移動することにより、応力の発生を逃がして
やることができる。 しかも、伝熱管に連通する必要があ
る流路、即ち、伝熱管に流体を供給する流路や、伝熱管
から流体を排出する流路や、隣接する伝熱管同士を連通
接続する流路を接続部材に備えさせているので、伝熱管
の端部を接続部材に接続して、伝熱管の端部を固定枠に
支持することにより、伝熱管に連通する必要がある流路
が伝熱管に連通接続されることになる。
【0006】
【発明の効果】その結果、固定枠に固定状態で設けられ
た接続部材に、伝熱管の端部を、管長手方向及び径方向
に移動自在に支持して、伝熱管の伸縮や反りに起因する
伝熱管の破損を効果的に回避することができるようにす
ると共に、その接続部材に、伝熱管に連通する必要があ
る流路を備えさせてあるので、簡単な構成にて、伝熱管
に連通する必要がある流路を伝熱管に連通接続しなが
ら、この種熱交換器の耐久性を従前のものに比べ、大幅
に向上し得るに至った。
【0007】
【実施例】次に、本発明による熱交換器を給湯装置に適
用した場合の実施例を図面に基づいて説明する。
【0008】図1は熱交換器の要部の詳細構造を示し、
図2は給湯装置の概略構成を示し、図中、1は熱交換
器、2はバーナ、3は、バーナ2を一端側に装備し、か
つ、熱交換器1を他端側に装備して、バーナ2から熱交
換器1への燃焼ガス流路Fを形成する筒胴である。4は
熱交換器1に対する給水管、5は熱交換器1からの給湯
管、6は外装ケーシング、7は燃焼用空気を供給するフ
ァンである。
【0009】次に熱交換器1について説明する。筒胴3
の両側の固定枠11,11には、2本の伝熱管12,1
2夫々の配設位置に対し、伝熱管12の外径より所定値
だけ大きい径の挿入孔11aを形成してある。
【0010】複数個の挿入孔11aのうちで、給水管4
及び給湯管5の取り付け位置に当たる挿入孔11a,1
1aに対し、伝熱管12の外径より所定値だけ大きい径
挿入部13aが形成された筒状の第1接続部材13,
13を、挿入部13aを挿入孔11aに臨ませた状態で
固定枠11に固定してある。
【0011】複数個の挿入孔11aのうちで、隣接する
伝熱管12,12同士を連結する位置に当たる挿入孔1
1a,11aに対し、伝熱管12の外径より所定値だけ
大きい径の挿入部14a,14aとそれら挿入部14
a,14aを連結する通水路14bが内部に形成された
第2接続部材14を、挿入部14a,14a夫々を挿入
孔11a,11a夫々に臨ませた状態で固定枠11に固
定してある。つまり、通水路14bが、伝熱管12に連
通する流路Pに相当する。
【0012】フィン15が多数並設されかつ両端部に環
状のシール保持具16,16が付設された伝熱管12,
12を筒胴3内の燃焼ガス流路F内に配設するととも
に、それら伝熱管12,12夫々の両端部を固定枠11
の挿入孔11a及び第1接続部材13の挿入部13a又
は第2接続部材14の挿入部14aに管長手方向及び径
方向に融通を持たした状態で挿入し、かつ、それらの
入箇所夫々における挿入部13a又は挿入部14aの内
周面とそれに対向する伝熱管12の外周面との間の空隙
をシール保持具16に取り付けてある弾性シール材1
7,17により密閉させる状態で、伝熱管12,12を
第1接続部材13及び第2接続部材14に対して取り付
けてある。
【0013】第1接続部材13,13夫々の挿入部13
aの反対側の開口部夫々に対し、給水管4及び給湯管5
夫々を連通接続してある。つまり、給水管4及び給湯管
5夫々は、伝熱管12に連通する流路Pに相当する。
【0014】以上のように、給水管4と伝熱管12,1
2と給湯管5とにより一本の連続した通水路を形成する
状態で、給水管4、伝熱管12,12、及び、給湯管5
夫々を、第1接続部材13,13、及び、第2接続部材
14を介して連結し、そして、給水管4から供給された
水を、燃焼ガス流路F内に配設してある伝熱管12,1
2のフィン15の吸熱作用により加熱し、給湯管5から
湯を得るように構成してある。
【0015】以上のように、伝熱管12の両端部を、固
定枠11に固定した第1接続部材13及び第2接続部材
14に対して管長手方向及び径方向に融通を持たした状
態で取り付けてある。従って、燃焼ガスにより伝熱管1
2が加熱されて、伝熱管12に熱膨張による伸びが発生
するとともに、伝熱管12のバーナ2に対面している側
はその反対側に比べて温度が高くなるので、伝熱管12
のバーナ2に対面している側とその反対側とで熱膨張に
差が生じて伝熱管12に反りが発生しても、前述のよう
に伝熱管12と固定枠11とを融通を持たした状態で取
り付けてあるので伝熱管12が固定枠11に対して管長
手方向及び径方向に相対移動して、伝熱管12、あるい
は、伝熱管12と固定枠11との取り付け部分等に応力
が発生するのを防止することができる。
【0016】〔別実施例〕 次に、別実施例を列記する。 伝熱管12を3本以上
配設しても良く、その場合は、給水管4と複数の伝熱管
12と給湯管5とにより一本の連続した通水路を形成す
るように、最上部の伝熱管12の一端部に対し第1接続
部材13を介して給水管4を連通接続し、最下部の伝熱
管12の一端部に対し第1接続部材13を介して給湯管
5を連通接続し、隣接する伝熱管12,12の同一固定
枠11側にある端部同士を第2接続部材14を介して連
結する。
【0017】 上記実施例では、伝熱管12の両端部
を、第1接続部材13及び第2接続部材14により固定
枠11に対して融通を持たせた状態で取り付ける場合を
例示したが、これに代えて、伝熱管12,12の同一固
定枠11側にある端部同士を第2接続部材14を介して
連結しかつ固定枠11に対して融通を持たせた状態で取
り付け、一方、伝熱管12,12の他端部夫々を固定枠
11に固定させて取り付けるとともに給水管4及び伝熱
管12夫々を連通接続しても良い。
【0018】 本発明による熱交換器は、上記実施例
のように給湯装置に適用する場合の他に、冷熱源により
伝熱管12を通流する水を冷却する冷水生成用としても
適用できる。また、伝熱管12に温水あるいは冷水を通
流することにより、暖房用あるいは冷房用の熱交換器と
しても適用できる。
【0019】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱交換器の要部断面図
【図2】熱交換器の断面構造を含む給湯装置の構成図
【符号の説明】
11 固定枠 12 伝熱管 13,14 接続部材 13a,14a 挿入部 17 シール材P 流路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭54−97861(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F28F 9/26 F28F 9/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 伝熱管(12)の両端部夫々が、固定枠
    (11)に支持された熱交換器であって、前記伝熱管(12)に連通する流路(P)を備えた接続
    部材(13),(14)が、固定枠(11)に固定状態
    に設けられ、 前記接続部材(13),(14)に、前記伝熱管(1
    2)の両端部のうちの少なくとも一方を管長手方向及び
    径方向に移動自在に挿入する挿入部(13a),(14
    a)が備えられ、 前記挿入部(13a),(14a)の内周面とそれに対
    向する伝熱管(12)の外周面との間に弾性シール材
    (17)が配設されている 熱交換器。
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