JP3217123B2 - ダイヤモンド被覆部材の製造法 - Google Patents

ダイヤモンド被覆部材の製造法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はダイヤモンド被覆部材の
製造法に関し、さらに詳しく言うと、基材とダイヤモン
ド膜との密着性に優れ、工具寿命の長いダイヤモンド被
覆部材を製造することのできるダイヤモンド被膜部材の
製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】ダイヤモンドは、硬度、耐摩耗性が高い
ので、切削や研磨などの工具用等として多用されてい
る。このような用途に工業的に対応するには、高価な天
然のダイヤモンドに依存せずに合成ダイヤモンドを利用
する必要があり、そのため、高品質のダイヤモンドを一
定の品質を維持しながら量産化する技術の開発が強く要
求されている。
【0003】このように、近年においては、合成ダイヤ
モンドを利用する傾向が増加してきており、これに合わ
せてダイヤモンドの合成方法の開発および改善はますま
す重要となってきている。特に、ダイヤモンドを各種の
基板上にCVD法等の気相合成法によって薄膜として形
成させる技術の研究が盛んに行われており、この気相合
成法によって得たダイヤモンド被覆部材を切削工具、研
磨工具、摺動部材等として実用化するための技術開発が
進められている。この気相合成法によると製造コストの
低減及び量産化が期待できる。
【0004】しかしながら、気相合成法によって得られ
るダイヤモンド膜には、通常、グラファイトやDLC
(ダイヤモンド状炭素質)といったダイヤモンド以外の
炭素質成分が含まれていることが多く、そのため、品質
が低下したり、一定にならないなどの問題点がある。ま
た、生産性を向上させるにはダイヤモンド膜の形成を容
易にするための工夫を要する。従来法では、下記に示す
ように、これらの点を十分に解決するに至っていない。
【0005】すなわち、基材上に気相合成法によりダイ
ヤモンド膜を形成する場合に、基材の表面に特に何らか
の処理を施さないでそのままダイヤモンドを合成したの
では、基材とダイヤモンド膜との密着性に劣り、ダイヤ
モンド膜が剥離しやすく、工具寿命の長いダイヤモンド
被覆部材を得ることができない。そこで、基材とダイヤ
モンド膜との密着性を向上させるための提案が種々なさ
れている。
【0006】例えば、特開昭61−52363公報およ
び特開昭62−67174号公報においては、常温にお
いて、硝酸、硫酸、塩酸から選択される一種の酸による
エッチング処理や弗化炭素プラズマ中でのエッチング処
理等を予め基材に施した後、この基材上に気相法により
ダイヤモンド合成を行なう方法が示されている。このよ
うな前処理を施すことにより、基材上にダイヤモンド膜
を形成する際に有害な結合相を作る原因になるコバルト
等の金属を除去することができる。
【0007】しかしながら、これらの方法においては、
酸やプラズマによるエッチング処理の後、1,000℃
近くまで加熱して気相法によるダイヤモンド合成を行な
うので、基材内部のコバルト等が表面上に浮き上がり、
ダイヤモンドと基材との密着性を十分に向上させること
はできないという欠点がある。
【0008】また、特開平1−246361において
は、基材を熱処理した後に、この基材上にダイヤモンド
膜を形成する方法が記載されている。しかしながら、こ
の方法においては、基材表面のコバルト等の濃度が十分
に低減するまで加熱処理すると、基材が変形したり、基
材の靭性が低下したりするという欠点がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、前記事情
を改善するためになされたものである。この発明の目的
は、各種の基材の表面を改質し、基材への密着性および
耐剥離性等に優れたとダイヤモンド膜を形成し、工具寿
命の長い高性能のダイヤモンド被覆部材を提供すること
にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の請求項1に記載の発明は、基材をフッ化水素と硝酸と
から得られる混酸を用い、70〜100℃において表面
処理した後、前記基材上に気相法によりダイヤモンドを
形成させることを特徴とするダイヤモンド被覆部材の製
造法であり、請求項2に記載の発明は、基材に、フッ酸
と硝酸とからなる混合物を用い、70〜100℃におい
て表面処理する工程と、5〜3,000気圧の加圧下に
1,000〜1,400℃で熱処理する工程とをこの順
に施した後、前記基材上に気相法によりダイヤモンドを
形成させることを特徴とするダイヤモンド被覆部材の製
造法である。
【0011】この発明の方法において、前記基材の材質
としては、特に制限はなく、公知の気相合成法によるダ
イヤモンドの合成用に常用されるもの、例えば、各種の
金属、合金、超硬合金類、セラミックスと金属とからな
るサーメット、半導体類、セラミックス、ガラス等を適
宜に選択して使用することができる。具体例としては、
例えば、WC−Co系等のWC系超硬合金、Si3
4 、TiN等の窒化物系セラミックス、SiC、TiC
等の炭化物系セラミックス、アルミナ類、ガラス等の酸
化物類、シリコン等の半金属や半導体、またはこれらの
混合物、複合体等の多種多様のものを挙げることができ
る。前記基材の形状としては、特に限定はない。
【0012】この発明の方法においては、ダイヤモンド
の合成を行なう前に、前記基材に特定の前処理、すなわ
ち、フッ化水素と硝酸とから得られる混酸による処理、
もしくは、フッ化水素と硝酸とから得られる混酸による
処理と圧下における熱処理とを行なう。フッ化水素と
硝酸とから得られる混酸を調製するときのフッ化水素と
しては、フッ化水素そのものを使用することができる
し、フッ化水素の水溶液であるフッ化水素酸の形態で使
用することもできる。
【0013】この発明においては、フッ化水素と硝酸と
から得られる混酸中、フッ化水素が分解していないと仮
定した場合のそのフッ化水素の含有量は、通常5〜50
モル%、好ましくは10〜40モル%である。また、こ
の混液中における硝酸濃度としては、通常5〜65モル
%であり、好ましくは15〜60モル%ある。上記の範
囲内で混酸中にフッ化水素と硝酸とが含有されている
と、そのような混酸で処理した基材に密着性の高いダイ
ヤモンド薄膜を形成することができる。
【0014】上記した範囲内にフッ化水素が含有される
ようにするには、フッ化水素酸を使用するときには、1
0〜50%、好ましくは20〜46%のフッ化水素を含
有するフッ化水素酸が好ましい。また、硝酸としては、
濃度が30〜70%、特に30〜61%である硝酸が好
ましい。
【0015】この発明においては実際的見地からする
と、フッ化水素と硝酸とから得られる混酸としては、実
質的にフッ化水素酸と硝酸とからなる混合物が好まし
く、必要に応じて他の無機酸、例えば硫酸等を混合して
なる混合物を使用することもできる。実質的にフッ化水
素酸と硝酸とからなる混合物を採用する場合、フッ化水
素および硝酸が前述した含有量になるようにフッ化水素
酸および硝酸それぞれの濃度を調製するのがよい。
【0016】フッ化水素と硝酸とから得られる混酸によ
る処理としては、通常この混酸中に基板を浸漬する手
法、基板の所定表面に前記混酸をスプレイする手法など
各種の方法を採用することができる。要するに、ダイヤ
モンド薄膜を形成するべき基板の所定表面を前記混酸と
接触させることができれば良いのである。
【0017】混酸による処理に際し、フッ化水素と硝酸
とから得られる混酸による処理の温度としては、通常7
0〜100℃が好ましく、特に80〜95℃が好まし
い。処理温度が70℃より低い場合には、基材表面のエ
ッチングが不十分になるため所期の効果が得られない。
また、処理温度が100℃より高い場合には、基材表面
のエッチングが激しく進行するため制御性が悪くなる。
【0018】フッ化水素と硝酸とから得られる混酸によ
る処理の時間としては、通常0.5秒〜300秒が好ま
しく、特に1秒〜120秒が好ましい。処理時間が0.
5秒より短い場合には、表面処理が不十分になる場合が
ある。また、300秒より長い場合には、表面処理が進
み過ぎて密着性が低下する場合がある。
【0019】この発明においては、フッ化水素と硝酸と
から得られる混酸で基材を処理した後、通常の場合、こ
の基材を純水で洗浄し、乾燥する。また、純水で洗浄し
た後に、例えば、アセトン等の有機溶媒による洗浄を行
なってもよい。この発明においては、上記フッ化水素と
硝酸とから得られる混酸による処理の後、さらに基材を
加圧下で熱処理をしてもよい。
【0020】基材を加圧下で熱処理する方法としては、
例えば、加熱処理容器内に基材を配置し、場合により敷
粉の上に基材を配置して熱処理する方法を挙げることが
できる。上記加熱処理容器としては、基材を入れること
ができ、しかも処理温度および処理圧力に耐えることが
できる密閉容器であれば特に制限はなく、例えば密閉さ
れたるつぼ等の容器を好適に使用することができる。
【0021】前記加熱処理容器の材質としては、特に制
限はないが、例えばh−BN、α,β−Si34 、A
lN等の窒化物が好ましい。窒化物製の加熱処理容器を
使用して熱処理することにより、コバルト等の結合相形
成成分の基材表面における濃度を低下させ、ダイヤモン
ド形成時におけるダイヤモンドから黒鉛への転化率を小
さくすることができるので、ダイヤモンドと基材との密
着性を向上させることができる。
【0022】また、敷粉としては、例えばh−BN、
α,β−Si34 βおよびAlN等の窒化物の粉末を
挙げることができる。この敷粉を用いると、基材表面に
おけるコバルト等の結合相形成成分の濃度が低下するの
で、ダイヤモンドと基材との密着性を向上させることが
できる。
【0023】上記熱処理の温度としては、通常1,00
0℃〜1,400℃であるのが好ましく、特に好ましく
は1,000〜1,300が好ましい。処理温度が1,
000℃より低い場合においては、熱処理による基材表
面の改質が十分でない場合がある。また、処理温度が
1,400℃より高い場合においては、基材の変形等を
招くおそれがある。この発明においては、前記熱処理を
加圧下で行なうのが好ましい。
【0024】上記熱処理をするときの圧力としては、通
常、5〜3,000気圧の加圧下に行なうのが好まし
く、特に好ましくは、10〜2,000気圧の加圧下で
ある。また、熱処理を窒素ガスまたは希ガスの雰囲気中
で行なってもよい。この発明においては、上記熱処理を
施した後、ダイヤモンドが好適に合成されるように、基
材を超音波洗浄等により洗浄してもよい。
【0025】超音波洗浄の方法としては、特に限定はな
いが、例えばダイヤモンドペーストを分散させたアセト
ン溶液中に基材を入れて超音波洗浄を行なうのが好まし
い。この発明の方法においては、前記のような前処理を
施した基材上に、気相合成法により炭素源ガスを用いて
ダイヤモンドを形成する。
【0026】上記炭素源ガスとしては、例えば、メタ
ン、エタン、プロパン、ブタン等のパラフィン系炭化水
素;エチレン、プロピレン、ブチレン等のオレフィン系
炭化水素;アセチレン、アリレン等のアセチレン系炭化
水素;ブタジエン、アレン等のジオレフィン系炭化水
素;シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、
シクロヘキサン等の脂環式炭化水素;シクロブタジエ
ン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ナフタレン等の芳
香族炭化水素;アセトン、ジエチルケトン、ベンゾフェ
ノン等のケトン類;メタノール、エタノール等のアルコ
ール類;このほかの含酸素炭化水素;トリメチルアミ
ン、トリエチルアミン等のアミン類;このほかの含窒素
炭化水素;炭酸ガス、一酸化炭素、過酸化炭素;さら
に、単体ではないが、ガソリン等の消防法危険物第4
類、第1類、ケロシン、テレピン油、しょうのう油等の
第2石油類、重油等の第3石油類、ギヤー油、シリンダ
ー油等の第4石油類も使用することができる。また前記
各種の化合物を混合して使用することもできる。
【0027】これらの中でも、好ましいのはメタン、エ
タン、プロパン等のパラフィン系炭化水素、エタノー
ル、メタノール等のアルコール類、アセトン、ベンゾフ
ェノン等のケトン類、トリメチルアミン、トリエチルア
ミン等のアミン類、炭酸ガス、一酸化炭素であり、特に
一酸化炭素が好ましい。
【0028】なお、これらは一種単独で用いてもよく、
二種以上を混合ガス等として併用してもよい。また、こ
れらは水素等の活性ガスやヘリウム、アルゴン、ネオ
ン、キセノン、窒素等の不活性ガスと混合して用いても
よい。
【0029】前記ダイヤモンドの形成には、公知の方
法、例えば、CVD法、PVD法、PCVD法、あるい
はこれらを組み合せた方法等、各種のダイヤモンド気相
合成法を使用することができ、これらの中でも、通常、
EACVD法を含めた各種の熱フィラメント法、熱プラ
ズマ法を含めた各種の直流プラズマCVD法、マイクロ
波プラズマCVD法等を好適に使用することができる。
【0030】ダイヤモンドの形成条件としては、特に制
限はなく、前記の気相合成法に通常用いられる反応条件
を適用することができる。例えば、反応圧力としては、
通常、10-6〜103 Torrが好ましく、特に1〜8
00Torrの範囲内であるのが好ましい。反応圧力が
10-6Torrよりも低い場合には、ダイヤモンドの形
成速度が遅くなることがある。また、103 Torrよ
り高い場合には、103 Torrのときに得られる効果
に比べて、それ以上の効果がない。
【0031】前記基材の表面温度としては、前記炭素源
ガスの活性化手段等により異なるので、一概に規定する
ことはできないが、通常、室温〜1,200℃、好まし
くは、450〜1,000℃の範囲内にするのがよい。
この温度が室温よりも低い場合には、結晶性のダイヤモ
ンドの膜の形成が不十分になることがある。また、温度
が1,200℃を超える場合においては、形成されたダ
イヤモンド膜のエッチングが生じ易くなる。
【0032】反応時間としては、特に限定はなく、ダイ
ヤモンド膜が所望の厚みとなるように、ダイヤモンドの
形成速度に応じて適宜に設定するのが好ましい。前記基
材の表面に形成させるダイヤモンドの膜の厚みは、ダイ
ヤモンド被覆部材の使用目的等により異なるので一律に
定めることはできないが、工具の場合、通常は5μm以
上、好ましくは、5〜50μmが適当である。ダイヤモ
ンド膜が薄すぎる場合には、基材の表面を十分に被覆す
ることができないことがある。
【0033】以上のように、前記各種の基材に、フッ化
水素と硝酸とから得られる混酸による処理、もしくはフ
ッ化水素と硝酸とから得られる混酸による処理と加圧下
での熱処理とを施した後に、この基材にダイヤモンドを
形成することによって、基材とダイヤモンドとの密着性
を著しく向上させることができ、高性能のダイヤモンド
被覆部材を得ることができる。また、この発明の方法に
よれば、基材の材質として各種の超硬合金を使用するこ
とができ、特に、例えば切削工具用等として適切なWC
系超硬合金等の機械的強度等に優れた超硬合金も好適に
使用することができ、ダイヤモンド被覆部材全体に高い
機械的強度および高い耐久性を与えることができる。さ
らに、この方法は、製造が著しく簡単であるなどの製造
上の利点も有している。
【0034】すなわち、この発明の方法によって製造さ
れた各種のダイヤモンド被覆部材は、その基材とダイヤ
モンドの特性を生かした広範囲の用途に有利に利用する
ことができ、中でも基材の高い機械的強度および基材と
ダイヤモンドの高い密着性が要求される切削工具等の超
硬工具部材、摺動部材、耐摩耗性部材をはじめとする各
種の製品または部材として特に有利に使用することがで
きる。
【0035】
【実施例】以下、本発明の実施例およびその比較例によ
って本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら
の実施例に限定されるものではない。 (実施例1)基材としてWC−Co系超硬合金(Co含
有率6%、JIS−K10相当)製のチップを用いた。
フッ化水素酸(フッ化水素含有率46%)と硝酸水溶液
(硝酸含有率61%)との容量比が1:1になるように
混合された溶液をポリエチレンのビーカーに入れ、ウォ
ーターバスで95℃以上に加熱した。この溶液中に基材
を2秒間浸漬させた。その後、溶液から取り出した基材
を純水で繰り返し3回洗浄し、さらにアセトンで洗浄し
た。
【0036】洗浄した基材を反応器内の支持台に載せ、
反応器に原料ガスとして一酸化炭素50sccmと水素
50sccmとの混合ガスを導入し、内圧を30Tor
rに、基材温度を800℃にして、周波数2.45GH
zのマイクロ波を導入し、マイクロ波プラズマCVD法
によるダイヤモンドの合成反応を5時間行なった。
【0037】得られたダイヤモンドの膜厚は10μmで
あった。生成されたダイヤモンド膜表面に、ビッカース
タイプのダイヤモンド圧子を荷重30kgfで30秒間
押し当てた後、ダイヤモンド膜表面に残った圧痕の周囲
におけるダイヤモンド膜の剥離面積を測定してダイヤモ
ンド膜と基材との密着性を評価(圧痕法)した。その結
果を表1に示す。
【0038】(比較例1)フッ化水素酸と硝酸水溶液と
からなる混合溶液を加熱しなかった外は前記実施例1と
同様にして、基材上にダイヤモンド膜を形成した。ダイ
ヤモンド膜の密着性の評価を表1に示す。
【0039】(比較例2)フッ化水素酸と硝酸水溶液と
からなる混合溶液で基材を前処理しなかった外は、実施
例1と同様にして、基材上にダイヤモンド膜を形成し
た。ダイヤモンドの密着性の評価を表1に示す。
【0040】(実施例2)基材として実施例1と同じW
C−Co系超硬合金製チップを使用した。フッ化水素酸
(フッ化水素酸含有率46%)と硝酸水溶液(硝酸含有
率61%)との容積比が1:1になるように混合された
溶液をポリエチレンのビーカーに入れ、ウォーターバス
で95℃以上に加熱した。この溶液中に基材を5秒間浸
漬した。その後、溶液から取り出した基材を純水で繰り
返し3回洗浄し、乾燥させた。
【0041】乾燥後、基材を窒化物製のるつぼに入れ、
2,000気圧の加圧下において1,300℃で3時間
熱処理した。その後、ダイヤモンドペーストを分散させ
たアセトン溶液中に処理済の基材を入れて、超音波洗浄
をした。超音波洗浄を施した基材を反応器内の支持台に
載せ、反応器に原料ガスとして一酸化炭素50sccm
と水素50sccmとの混合ガスを導入し、内圧を30
torrに、基板温度を850℃にして、周波数2.4
5GHzのマイクロ波を導入し、マイクロ波プラズマC
VD法によるダイヤモンドの合成反応を4時間行なっ
た。
【0042】得られたダイヤモンドの膜厚は10μmで
あった。生成されたダイヤモンド膜表面に、ビッカース
タイプのダイヤモンド圧子を荷重30kgfで30秒間
押し当てた後、ダイヤモンド膜表面に残った圧痕の周囲
におけるダイヤモンド膜の剥離面積を測定してダイヤモ
ンド膜の基材への密着性を評価(圧痕法)した。その結
果を表1に示す。
【0043】(実施例3)基材を加圧下で熱処理しなか
った外は実施例2と同様にして、基材上にダイヤモンド
膜を形成した。ダイヤモンドの密着性の評価を表1に示
す。
【0044】(比較例3)基材にフッ化水素酸と硝酸水
溶液とからなる混合溶液による処理を行なわなかった外
は実施例2と同様にして基材上にダイヤモンド膜を形成
した。ダイヤモンドの密着性の評価を表1に示す。
【0045】(実施例4)基材として窒化ケイ素95
%、Y23 3%、MgO2%からなる燒結体を用い
た。フッ化水素酸(フッ化水素含有率46%)と硝酸水
溶液(硝酸含有率61%)との容量比が1:1になるよ
うに混合された溶液をポリエチレンのビーカーに入れ、
ウォーターバスで95℃に加熱した。この溶液中に基材
を30秒間浸漬させた。その後、溶液から取り出した基
材を純水で繰り返し3回洗浄し、さらにアセトンで洗浄
した。
【0046】洗浄した基材を反応器内の支持台に載せ、
反応器に原料ガスとして一酸化炭素20sccmと水素
80sccmとの混合ガスを導入し、内圧を40Tor
rに、基材温度を900℃にして、周波数2.45GH
zのマイクロ波を導入し、マイクロ波プラズマCVD法
によるダイヤモンドの合成反応を5時間行なった。
【0047】得られたダイヤモンドの膜厚は10μmで
あった。生成されたダイヤモンド膜表面に、ビッカース
タイプのダイヤモンド圧子を荷重30kgfで30秒間
押し当てた後、ダイヤモンド膜表面に残った圧痕の周囲
におけるダイヤモンド膜の剥離面積を測定してダイヤモ
ンド膜と基材との密着性を評価(圧痕法)した。その結
果を表1に示す。
【0048】(比較例4)基材にフッ化水素酸と硝酸水
溶液とからなる混合溶液による処理を行なわなかった外
は実施例4と同様にして基材上にダイヤモンド膜を形成
した。ダイヤモンドの密着性の評価を表1に示す。
【0049】(実施例5)基材として窒化ケイ素65
%、WC30%、Y23 3%、MgO2%からなる燒
結体を用いた。フッ化水素酸(フッ化水素含有率46
%)と硝酸水溶液(硝酸含有率61%)との容量比が
1:1になるように混合された溶液をポリエチレンのビ
ーカーに入れ、ウォーターバスで95℃に加熱した。こ
の溶液中に基材を3秒間浸漬させた。その後、溶液から
取り出した基材を純水で繰り返し3回洗浄し、さらにア
セトンで洗浄した。
【0050】洗浄した基材を反応器内の支持台に載せ、
反応器に原料ガスとして一酸化炭素20sccmと水素
80sccmとの混合ガスを導入し、内圧を40Tor
rに、基材温度を850℃にして、周波数2.45GH
zのマイクロ波を導入し、マイクロ波プラズマCVD法
によるダイヤモンドの合成反応を5時間行なった。
【0051】得られたダイヤモンドの膜厚は10μmで
あった。生成されたダイヤモンド膜表面に、ビッカース
タイプのダイヤモンド圧子を荷重30kgfで30秒間
押し当てた後、ダイヤモンド膜表面に残った圧痕の周囲
におけるダイヤモンド膜の剥離面積を測定してダイヤモ
ンド膜と基材との密着性を評価(圧痕法)した。その結
果を表1に示す。
【0052】(比較例5)基材にフッ化水素酸と硝酸水
溶液とからなる混合溶液による処理を行なわなかった外
は実施例5と同様にして基材上にダイヤモンド膜を形成
した。ダイヤモンドの密着性の評価を表1に示す。
【0053】
【表1】
【0054】
【発明の効果】この発明によると、フッ酸と硝酸とから
得られる混酸を用いて70〜100℃において表面処理
を施す工程、もしくはフッ酸と硝酸とから得られる混酸
を用いてに70〜100℃において表面処理を施す工程
と加圧下での熱処理を施す工程とを行なった基材上に、
気相法によりダイヤモンド(ダイヤモンド膜)を形成さ
せるという特定の手法を用いているので、各種の基板の
面上にグラファイトやDLC(ダイヤモンド状炭素質)
等の不要な不純物(非ダイヤモンド成分)の少ない高品
質のダイヤモンド(つまり高純度の結晶性のよいダイヤ
モンド)を効率よく、しかも基材への密着性よく形成さ
せることができ、耐剥離性に優れたダイヤモンド膜を有
することにより工具の寿命の長い高性能のダイヤモンド
被覆部材を容易に量産することができる等の利点を有す
る実用上著しく有利なダイヤモンド被覆部材の製造法を
提供することができる。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材をフッ化水素と硝酸とから得られる
    混酸を用い、70〜100℃において表面処理した後、
    前記基材上に気相法によりダイヤモンドを形成させるこ
    とを特徴とするダイヤモンド被覆部材の製造法。
  2. 【請求項2】 基材に、フッ化水素と硝酸とから得られ
    る混酸を用い、70〜100℃において表面処理する工
    程と、5〜3,000気圧の加圧下に1,000〜1,
    400℃で熱処理する工程とをこの順に施した後、前記
    基材上に気相法によりダイヤモンドを形成させることを
    特徴とするダイヤモンド被覆部材の製造法。
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