JPH08252707A - ダイヤモンド多結晶膜被覆超硬合金ドリル - Google Patents

ダイヤモンド多結晶膜被覆超硬合金ドリル

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JPH08252707A
JPH08252707A JP5712595A JP5712595A JPH08252707A JP H08252707 A JPH08252707 A JP H08252707A JP 5712595 A JP5712595 A JP 5712595A JP 5712595 A JP5712595 A JP 5712595A JP H08252707 A JPH08252707 A JP H08252707A
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drill
diamond
coated
film
cemented carbide
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Toshihiro Tsumori
俊宏 津森
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 従来のダイヤモンド多結晶膜被覆ドリルに比
較して折損割合が1/8以下で、加工穴内壁に凹凸が生
じにくく、耐久性に優れたPCBドリルとして有用なダ
イヤモンド多結晶膜被覆超硬合金ドリルを得る。 【構成】 超硬合金ドリルの表面にダイヤモンド多結晶
膜を析出させた被覆超硬合金ドリルにおいて、ドリル側
刃の被加工物の加工穴内面と接触するダイヤモンド多結
晶膜の被覆部分の長さをa(単位mm、以下同じ)、外周
コ−ナ−を起点として測定した溝長をb(単位mm、以下
同じ)とした場合、aの長さが0 .3≦a≦b/3の範
囲となることを特徴とするダイヤモンド多結晶膜被覆超
硬合金ドリル。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は工業用ドリル、特にプリ
ント基板の穴加工に用いられるドリルの改良に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来プリント基板用のドリルとしては、
WC−Co系の超硬合金、または超硬合金の先端に、高
圧合成法による多結晶ダイヤモンドチップを接着したダ
イヤモンドドリルが用いられている。ここで被加工物で
あるプリント基板は、紙にフェノ−ル樹脂、またはエポ
キシ樹脂を含浸させ銅張りをおこなったもの、ガラス繊
維布にエポキシ樹脂またはポリイミドを含浸させ銅張り
を行ったものなどが用いられている。これらを材料とし
てなるプリント基板は、比弾性、比強度等の点で極めて
優れた特性を有している反面、その加工に於いては超硬
合金工具の摩耗が著しいという問題を有している。
【0003】高圧合成多結晶ダイヤモンドを用いたドリ
ルは超硬合金製品と比較して数十倍から百倍の寿命を有
しているものの、製造の難しさ及び原料価格の問題から
量産化が困難であり、普及していない。
【0004】一方で、超硬合金工具の表面に炭化水素ガ
スを原料としたダイヤモンド多結晶膜を合成、被覆する
ことで、耐久性に優れた工具を得る試みがある。これら
の気相合成法により得られるダイヤモンド多結晶膜は、
従来の高圧合成法により得られるダイヤモンド多結晶と
同等あるいはそれ以上に硬質であるため、これを被覆し
た超硬合金工具は従来の多結晶ダイヤモンドより成る工
具に匹敵する耐久性を示すことが知られている。更にこ
れらの多結晶ダイヤモンド膜を被覆した超硬合金工具
は、超硬合金材を加工成形した後に多結晶ダイヤモンド
膜の被覆を行うため、ドリルのように複雑形状を有する
工具も容易に製造できるという利点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら気相合成
法により得られるダイヤモンド多結晶膜は、粒径0.5 〜
10μmの自形質のダイヤモンド多結晶粒塊より成ってい
るため、これを被覆したドリル等の工具表面の粗度は2
〜5Sと粗くなってしまう。このためプリント基板用ド
リル(以下PCBドリルという)にダイヤモンド多結晶
膜を被覆した場合、ドリルとしての耐久性は大幅に向上
するもののドリル表面の粗度が大きく、加工時にドリル
の回転抵抗が大きくなり切損を生じ易い。さらに回転の
低下により生じたビビリで、加工穴の内面に凹凸が生じ
るという問題を有している。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者はダイヤモンド
多結晶膜を被覆したPCBドリルに於いて、耐久性等の
特性を低下させること無く使用中のドリルの切損割合を
小さくし、かつ加工穴の内面の凹凸を小さくする方法に
ついて検討を行った。その結果ドリル側刃のダイヤモン
ド被覆部長を一定範囲以下とした場合、前記の切損割合
及び加工穴内面の凹凸を大幅に減少させ得ることを見い
だし、本発明を完成するに至った。
【0007】即ち本発明は、超硬合金製ドリルの表面に
ダイヤモンド多結晶膜を析出させた被覆超硬合金ドリル
に於いて、ドリル側刃の被加工物の加工穴内面と接触す
るダイヤモンド多結晶膜の被覆部分の長さをa(単位m
m、以下同じ)、外周コ−ナ−を起点として測定した溝
長をb(単位mm、以下同じ)とした場合、aの長さが
0.3≦a≦b/3の範囲となることを特徴とするダイ
ヤモンド多結晶膜被覆超硬合金ドリルに関するものであ
る。
【0008】
【作用】ドリルのストレ−トシャンクタイプについての
一般的形状を図1に示す。本発明に於いて、ドリル側刃
の被加工物の加工穴内面と接触するダイヤモンド被覆部
分の長さaを 0.3mm以上、溝長bの1/3以下とした理
由を以下に説明する。まず側刃先端のダイヤモンド多結
晶膜の、被加工物の加工穴内面との接触長が0.3mm未満
の場合、ダイヤモンド多結晶膜の一部に集中的な力が加
わり加工中に剥離が生じ易くなる。
【0009】一方、加工穴内面と接触するダイヤモンド
被覆部分の長さが側刃の溝長bの1/3を超えた場合に
は、加工時の被削材とダイヤモンド多結晶膜面との摩擦
抵抗が超硬ドリル本体のねじり強度に対して大きくなる
ため、使用時のドリル切損確率が著しく高くなり、これ
に加えドリルの回転低下により生じたビビリを原因とす
る加工穴内面の凹凸が増大してしまう。
【0010】従来の超硬合金製ドリルを基体として本発
明を得る方法として、ダイヤモンド多結晶膜の析出被覆
を行うドリルの部位を限定する方法が挙げられる。この
場合ダイヤモンド多結晶膜の被覆範囲(溝長の被覆部分
の長さa)は、ドリル側刃の外周コーナーから0.3mm 以
上かつ側刃の溝長bの1/3以下の範囲に限定される。
このようなドリル先端及び側刃先端のみへのダイヤモン
ド多結晶膜の被覆は、被被覆材であるドリルをマイクロ
波プラズマCVD装置内に設置する際に、ダイヤモンド
多結晶膜の被覆を施さない部分をプラズマ遮蔽材で囲む
ことにより得られる。(図2〜図4)
【0011】プラズマ遮蔽材はダイヤモンド多結晶膜の
合成時のプラズマにより変形、変質しないものが材料で
有ればよく、具体的には超硬合金等の焼結合金、タング
ステン、モリブデン、バナジウムなどの耐熱金属、窒化
珪素、炭化珪素、石英、アルミナ等のセラミック材料等
が適する。プラズマ遮蔽材は、ドリル被覆部及び同遮蔽
材の一部または全部が、プラズマ内に取り込まれ加熱を
受けるような形状、具体的には図2、図3に示すような
ドリルの非被覆部側面を囲むような管型が最も適する。
【0012】プラズマ遮蔽材がプラズマ内で加熱を受け
ない場合、同材料がドリルに対してヒ−トシンクとして
働き、ドリル被覆部をダイヤモンド多結晶膜の合成が必
要な温度にまで加熱できないので、管型のプラズマ遮蔽
材を用いる場合の内径は、遮蔽材とドリル外側面との間
隔が 0.1〜2mmの範囲となるようにすることが好まし
い。この間隔が0.1mm 未満であるとダイヤモンド多結晶
膜の被覆部と非被覆部に著しい段差が生じ、ここを起点
としてダイヤモンド多結晶膜に亀裂、剥離が生ずるため
好ましくない。一方、間隔が2mmを超えると間隙部のプ
ラズマの広がりが大きくなり過ぎ好ましくない。
【0013】本発明を実施する方法としては上記方法の
他、ドリル先端のみをマイクロ波反射板から突出させ、
突出部分にダイヤモンド多結晶膜を被覆させる方法が挙
げられる(図4)。このマイクロ波反射板も上記遮蔽材
と同素材で、マイクロ波を反射させ、遮蔽効果のあるも
のであれば良く、またマイクロ波反射板の大きさ、形状
やマイクロ波の位置は、被覆時にマイクロ波反射板の裏
側に露出するドリルの非被覆部分もマイクロ波から遮蔽
されるように、調整して決められる。この方法は前記の
方法に比べて簡便であるが、プラズマとドリルの接触面
積が小さくなるため、外径3mmを超える大径ドリルで
は、ダイヤモンド多結晶膜の合成に必要な温度までドリ
ルを加熱することが困難となる。
【0014】従来の超硬合金製ドリルと異なる形状の基
体を用いて本発明を得る方法として、ドリル側刃の加工
穴内面と接触する部分以外に、ドリル先端部の側刃をエ
ラ状に張り出させ、後方の側刃直径を先端部の側刃径よ
り小さくさせるアンダ−カットを施す方法が挙げられ
る。
【0015】本発明における超硬合金とは、硬質相成分
としてタングステンカ−バイド(WC)を主として成
り、これにNb、Ti、Ta、V、Cr等の酸化物、窒化物、珪
化物、並びに炭化物が適宜混合されたものに、結合層成
分としてCo粉を加えて焼結したJIS B4053に規定のもの
を言う。
【0016】超硬合金の組成としては、Co量で6wt%以
下、好ましくは4〜6wt%のもの、具体的には前記JIS
記載のK01、K10、V10等のものを用いる。
【0017】成分組成中のCo割合を6wt%以下としたの
は、同成分が6wt%を超えると、触媒作用により、ダイ
ヤモンド多結晶膜被覆時に低強度のグラファイト及びア
モルファスカ−ボンの共析が生じ、ダイヤモンド多結晶
膜の強度が低下するためである。
【0018】尚、WCの粒径については工具強度を低下
させない範囲、具体的には平均粒径0.5μm以上のも
の、好ましくは 0.7〜2.0 μmのものが良い。
【0019】本発明は主にPCBドリルに関するもので
あるが、前記超硬合金による製造が可能なドリルであれ
ば特に制限はない。
【0020】本発明に於いてはダイヤモンド多結晶膜の
密着性を向上させるため、超硬合金表面に核発生密度の
増加を目的とした増核処理を施してもよい。この方法と
しては、粒径1〜 200μmのダイヤモンド遊離砥粒を用
いたラップ処理や、Ru、Rh、Ir、Pt等の白金族元素の蒸
着層を超硬合金の表面に付着させ、成長起点とする方法
がある。
【0021】この内ダイヤモンドの遊離砥粒によるラッ
プ処理とは、液体、または気体の媒質中でダイヤモンド
遊離砥粒を超音波、ジェット噴流、撹拌流により加速
し、被処理材の表面に衝突させる方法である。具体的に
は、メタノ−ル、エタノ−ル、プロパノ−ル、アセトン
等にダイヤモンド砥粒を分散させ、15分程度超音波を印
加することで種結晶となるダイヤモンドの細片を付着さ
せる。
【0022】これは同処理中に砥粒が粉砕されることで
生じたダイヤモンドの微小切片が、被処理工具表面に付
着残留し、後のダイヤモンド多結晶の被覆処理時に種結
晶として作用することを目的としたものであり、一般的
なラップ処理のような工具表面粗度の調整を目的とした
ものではない。従って上記処理は、工具表面の粗度を変
化させない範囲で出来るだけ均一に行うことが好まし
い。
【0023】本発明を実施する上で必要に応じ酸洗浄を
実施する。洗浄に用いる希酸には、塩酸または硝酸が目
的上好ましい。また、洗浄に用いられる希酸の濃度及び
処理時間は、硝酸の場合には0.5 〜7wt%、30秒から3
分の範囲が好ましい。7wt%を越える濃度、または3分
を超える洗浄時間は、過度のCo成分の溶出による工具本
体強度の低下を招くため、好ましくない。一方0.5 wt%
未満の濃度、または30秒未満の洗浄時間では、洗浄効果
が十分に発揮できない。この洗浄の目的は、前述の表面
処理加工迄の工程で超硬合金工具の表面に発生する加工
粉、及び表面の2μm以下の部分に生ずる加工変質層に
多量に含有されているCo成分の除去を目的としたもので
ある。
【0024】本発明に於いては、Co成分量を制限した超
硬合金を用いることにより上記共析を減少させているも
のの、表面処理加工時に発生付着する加工粉、及び工具
表面の加工変質層にはダイヤモンド多結晶膜の強度を低
下させる多量のCo成分が含まれており好ましくない。こ
の希酸洗浄は工具の加工方法及び表面の粗面化処理の方
法によっては全く不要である。
【0025】本発明に於けるダイヤモンド多結晶膜の被
覆方法は、従来より公知のマイクロ波プラズマCVDに
準じた方法で実施される。以下に被覆時の条件を説明す
る。印加するマイクロ波の周波数としては10MHz〜30G
Hz、好ましくは 900MHz〜5GHzの範囲が適する。周波
数が10MHz未満では無極放電プラズマが生じず、一方30
GHzを越える周波数では、反応管の直径が1cm以下と小
さくなり実用性を欠く。
【0026】原料ガスとしては、ガス状の炭化水素、具
体的には炭素数3以下の炭化水素、好ましくはメタンガ
スと、水素ガス、二酸化炭素ガス、一酸化炭素ガスを用
い、反応器内に供給、流通させてダイヤモンド多結晶膜
の合成被覆を行う。
【0027】ガス組成は、H2 ,CH4 の二成分系では
CH4 0.1〜5容量%、H2 残部で合計100 容量%、H
2 ,CH4 ,COの3成分系ではCH4 0〜5容量%、
CO0.1〜30容量%、H2 残部で合計100 容量%、H
2 ,CH4 ,CO2 の3成分系ではCH4 0.1 〜10容量
%、CO2 0〜20容量%、H2 残部で合計100 容量%等
が挙げられ、その他、H2 ,CH4 ,CO,CO2 ,O
2 の組み合わせによる5成分系でも良い。原料混合ガス
の流量は反応管径等により大きく異なるが、1〜2000 c
c/min 、好ましくは10〜500 cc/min である。この反
応に於ける反応器内雰囲気ガスの組成は、反応転化率が
低いために流通ガスの組成とほぼ同じになる。
【0028】処理中の同工具の表面温度は 500℃〜1200
℃、好ましくは 800℃〜950 ℃の範囲が良い。表面温度
が500 ℃未満ではダイヤモンドの析出速度が遅くなった
り、析出物の結晶性、均一性が失われたりする。一方、
1200℃を越えると析出、形成されたダイヤモンド多結晶
膜が炭化されてしまう。
【0029】反応圧力は通常10-2〜103 Torr、好ましく
は10-1〜300Torr である。反応圧力が 10-2Torr 未満で
はダイヤモンドの析出が遅くなったり、析出が見られな
かったりする。一方 103Torrを越えるとプラズマの発生
が困難となる。
【0030】反応時間は被覆するダイヤモンド多結晶膜
の膜厚に直接関係しており、適宜設定されるが通常3〜
150 時間、好ましくは10〜30時間である。
【0031】本発明に於けるダイヤモンド多結晶膜の厚
さは7〜30μmが良く、中でも10〜20μmが特に好まし
い。7μm未満の場合、ダイヤモンド多結晶膜の強度が
十分生かされず、基体超硬合金工具の硬度がそのまま特
性に現れ好ましくない。
【0032】
【実施例】以下、本発明の実施例、比較例について述べ
る。なお、ドリルのプリント基板への穴あけ加工テスト
は下記の通り行った。 (1) 穴あけ加工時の剥離…… 0.8mm厚の FR4のガラスエ
ポキシ両面プリント基板を三枚重ねにして1万穴の穴加
工を実施した後、ダイヤモンド膜の剥離を調べた。 (2) 加工穴内面の傷 …… (1)において加工された穴の
内面の傷を10倍の光学顕微鏡で観察した。 (3) 折損の割合 ……プリント基板を五枚重ねて(1) の
加工試験を50回実施し、加工中のドリルの折損割合を調
べた。
【0033】実施例1 外径2mmで溝長10mm(b)のドリルを用い、ドリルの
溝長の先端から2mm(a)突出するように、遮蔽材の内
径3mm、外径5mm、長さ8mmのモリブデン管で他の部分
を蔽い、これをマイクロ波プラズマCVD装置内に入
れ、次いでこの装置を1×10-3Torrに減圧した後、原料
ガスとしてメタン1容量%、一酸化炭素10容量%、水素
ガス89容量%よりなる混合ガスを流通させつつ30Torr圧
まで昇圧し、870 ℃で2.45GHzのマイクロ波を印加して
プラズマを生じさせ、15時間反応させてダイヤモンド多
結晶膜の被覆処理を行った。この様にして溝長の先端か
ら2mm(a)の範囲に厚さ16μmのダイヤモンド多結晶
膜を被覆した。次いでこのドリルを用いてプリント基板
の穴あけ加工テストを行い、穴あけ加工時の剥離、穴内
面の傷、折損の割合を調べ、その結果を表1に示した。
【0034】実施例2 外径3mm、溝長10mm(b)のドリルとし、遮蔽材として
内径4mm、外径6mmの石英管を用い、原料ガスとして一
酸化炭素10容量%、水素ガス90容量%よりなる混合ガス
を流通させ、30Torr、860 ℃で15時間反応させた以外は
実施例1と同様に行い、ドリルの溝長の先端から2mm
(a)の範囲にダイヤモンド多結晶膜を被覆し、これを
用いてプリント基板の穴あけ加工テストを行った。その
結果を表1に示す。
【0035】実施例3 外径 0.4mm、溝長5mm(b)のドリルとし、遮蔽材とし
て厚さ3mmのモリブデン板を用い、原料ガスとしてメタ
ン 0.3容量%、一酸化炭素10容量%、水素ガス89.7容量
%の混合ガスを用い、50Torr、820 ℃で12時間反応させ
た以外は実施例1と同様に行い、ドリルの溝長の先端か
ら 0.5mm(a)の範囲にダイヤモンド多結晶膜を被覆
し、これを用いてプリント基板の穴あけ加工テストをお
こなった。その結果を表1に示す。
【0036】実施例4 外径1mm、溝長10mm(b)のドリルとし、遮蔽材として
内径2mm、外径5mmのモリブデン管を用い、原料ガスと
してメタン 0.5容量%、一酸化炭素10容量%、水素ガス
89.5容量%の混合ガスを用い、50Torr、840 ℃で10時間
反応させた以外は実施例1と同様に行い、ドリルの溝長
の先端から1mm(a)の範囲にダイヤモンド多結晶膜を
被覆し、これを用いてプリント基板の穴あけ加工テスト
を行った。その結果を表1に示す。
【0037】実施例5 外径0.6mm 、溝長7mm(b)のドリルとし、遮蔽材とし
て厚さ3mmのモリブデン板を用い、原料ガスとしてメタ
ン 0.4容量%、一酸化炭素10容量%、水素ガス89.6容量
%の混合ガスを用い、50Torr、810 ℃で10時間反応させ
た以外は実施例1と同様に行い、ドリルの溝長の先端か
ら1mm(a)の範囲にダイヤモンド多結晶膜を厚さ10μ
mで被覆し、これを用いてプリント基板の穴あけ加工テ
ストを行った。その結果を表1に示す。
【0038】比較例1 ドリルの溝長のダイヤモンド被覆を、溝長の先端から0.
2mm (a)の範囲とした以外は実施例2と同様に行っ
た。穴あけ加工テストの結果を表1に示す。
【0039】比較例2 ドリルの溝長のダイヤモンド被覆を、溝長の先端から3
mm(a)の範囲とした以外は実施例3と同様に行った。
穴あけ加工テストの結果を表1に示す。
【0040】比較例3 ドリルのダイヤモンド被覆を、溝長の先端から7mm
(a)の範囲とした以外は実施例4と同様に行った。穴
あけ加工テストの結果を表1に示す。
【0041】比較例4 ドリルのダイヤモンド被覆を行わないで、実施例1と同
様に穴あけ加工テストを行った。穴あけ加工テストの結
果を表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】
【発明の効果】本発明のドリルは、従来ダイヤモンド多
結晶膜被覆ドリルに比較して折損割合が1/8以下で加
工穴内面に凹凸を生じにくく、かつ耐久性に優れている
という結果が得られた。このように本発明によれば、安
価な超硬合金を基体として、優れた耐久性、耐折損性、
及び加工品位を得ることが可能となり、プリント基板業
界及び機械工作工具業界への貢献は極めて大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のドリルの概略図である。
【図2】本発明のドリルの製造の際の遮蔽材の一例を示
す概略図である。
【図3】本発明のドリルの製造の際の遮蔽材の、別の一
例を示す概略図である。
【図4】本発明のドリルの製造の際の遮蔽材の、更に別
の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
1…ドリル 2…側刃 3…外周コ−ナ− 4…溝長 5…被覆部 6…非被覆部 7…遮蔽材 8…先端 9…マイクロ波反射板

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超硬合金製ドリルの表面にダイヤモンド
    多結晶膜を析出させた被覆超硬合金ドリルに於いて、ド
    リル側刃の被加工物の加工穴内面と接触するダイヤモン
    ド多結晶膜の被覆部分の長さをa(単位mm、以下同
    じ)、外周コ−ナ−を起点として測定した溝長をb(単
    位mm、以下同じ)とした場合、aの長さが0 .3≦a≦
    b/3の範囲となることを特徴とするダイヤモンド多結
    晶膜被覆超硬合金ドリル。
JP5712595A 1995-03-16 1995-03-16 ダイヤモンド多結晶膜被覆超硬合金ドリル Pending JPH08252707A (ja)

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