JP2002172510A - 極小径ドリル及びその製造方法 - Google Patents
極小径ドリル及びその製造方法Info
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- JP2002172510A JP2002172510A JP2000375761A JP2000375761A JP2002172510A JP 2002172510 A JP2002172510 A JP 2002172510A JP 2000375761 A JP2000375761 A JP 2000375761A JP 2000375761 A JP2000375761 A JP 2000375761A JP 2002172510 A JP2002172510 A JP 2002172510A
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Abstract
状にできる。 【解決手段】 刃先部11の先端部に均一な厚さaでダ
イヤモンドコーティング20を施して擬似的なアンダー
カット形状にする。刃先部11の最大外径Dは、D≦2
mmの範囲に設定する。ダイヤモンドコーティング20
の厚さaは、刃先部11の最大外径Dに対して、0.0
2D≦a≦0.08Dの範囲に設定する。ダイヤモンド
コーティング20が形成されている長さMは、刃先部1
1の最大外径Dに対して、D≦M≦2Dの範囲に設定す
る。刃先部11に、その先端部のみが露出するようにキ
ャップを装着してダイヤモンドコーティング20を形成
する。
Description
基板等にきわめて小径の孔部を穿孔するのに用いられる
極小径ドリルに関する。
部がきわめて小径であるため、ドリル本体の先端に例え
ば外径0.2〜0.5mm程度のきわめて小径で略円柱
状をなす刃先部が設けられ、後端側にドリル本体を工作
機械の回転軸に把持するための比較的大径のシャンク部
が刃先部と一体にまたはろう付けや締まり嵌め等で接続
されて設けられている。刃先部の材質は、通常、超硬合
金が採用され、シャンク部は超硬合金やスチール等の鋼
材等が採用されている。
径をもつようなストレートタイプの極小径ドリルがよく
用いられているが、穿孔した加工穴の内壁面粗さを向上
させるために、このようなストレートタイプの極小径ド
リルを刃先部の先端部のみを残し、そこから基端側部分
を一段縮径するように研磨してアンダーカット形状にし
た極小径ドリルが用いられることも多々ある。
リルの一例として、図4に示すようなものがある。この
極小径ドリル1は、刃先部2とシャンク部3とを有し、
刃先部2には、その先端部分に位置して(最大)外径D
をもつ第一刃先部2aと、第一刃先部2aの基端側に位
置し、第一刃先部2aの外径Dより小さい外径dをもつ
第二刃先部2bとが形成されてアンダーカット形状とさ
れているものである。
な極小径ドリル1のアンダーカット形状は、先端から基
端まで一定の外径Dをもつ刃先部2を、その第二刃先部
2bとされる部分の外周面4(図4の点線で示す部分)
を外径がdとなるまで、一様に研磨することによって製
作されるものである。
は年々小径化の要求が進んでおり、最近では、刃先部2
の最大外径Dが0.2mm以下のものも必要とされるよ
うになってきている。しかるに、そのような極小径のド
リルに研磨を施そうとすると、刃先部2の外径Dがきわ
めて小径であるために、その強度が弱く、刃先部2の曲
がりや折損が生じてしまうといった問題が起こりやす
い。
径がきわめて小径とされるものであってもアンダーカッ
ト形状にできる極小径ドリル及びその製造方法を提供す
ることを目的とする。
かる目的を達成するために本発明は、刃先部とシャンク
部とを備え、刃先部の周面に該刃先部の先端から基端側
に向けて回転軸線周りにねじれる切屑排出溝が形成さ
れ、該切屑排出溝の回転方向を向く壁面の先端側領域を
すくい面とし、該すくい面と先端逃げ面との交差稜線部
に切刃が形成されている極小径ドリルにおいて、刃先部
の先端部に硬質被膜が形成されていることにより、アン
ダーカット形状とされていることを特徴とする。このよ
うな構成としたことにより、刃先部を研磨せずにアンダ
ーカット形状の極小径ドリルを製作することができるの
で、刃先部の曲がりや折損が生じたりする心配がなく、
きわめて小径の刃先部をもつ極小径ドリルについてもア
ンダーカット形状にすることが可能となる。しかも、被
削材の主たる切削に供される刃先部の先端部に硬質被膜
を形成することによって、その先端部の刃先強度を高め
ることができ、耐摩耗性を向上できる。
成された刃先部の先端部の外径D)は、D≦0.2mm
の範囲に設定されていることを特徴とし、このように刃
先部の最大外径Dがきわめて小さくて、その強度が弱
く、従来のように研磨によってアンダーカット形状の極
小径ドリルを製作しづらい場合に、本発明のような極小
径ドリルが好適である。なお、この最大外径Dの下限値
については、これが小さいほど、本発明が好適となるの
であるが、現状の技術では、現実的に0.05mm程度
となる。
の長さM、すなわち、硬質被膜の先端から硬質被膜の基
端に位置して刃先部との境界とされる段差部までの回転
軸線方向に沿った長さMは、ドリルの直進性や加工穴の
内壁面粗さを考慮して、刃先部の最大外径Dに対して、
D≦M≦2Dの範囲に設定されていることが好ましい。
ここで、硬質被膜が形成されている長さMがDより小さ
いと、加工穴の内壁面に接触している面積が小さくなり
すぎ、ドリルの直進性が得られずに穴曲がりが発生し、
一方、硬質被膜が形成されている長さMが2Dより大き
いと、加工穴の内壁面に接触する部分の面積が大きくな
り、加工穴の内壁面を擦って内壁面粗さを悪化させてし
まう。
ていることにより、より理想的なアンダーカット形状に
近づけることができ、しかも、刃先部の先端部に形成さ
れた硬質被膜全体にわたり、その強度を一様に保つこと
ができる。
に接触しない程度に硬質被膜の厚さaを確保しなければ
いけないことや、ドリル剛性のバランス等を考慮する
と、硬質被膜の厚さaは、刃先部の最大外径Dに対し
て、0.02D≦a≦0.08Dの範囲に設定されてい
ることが好ましい。ここで、硬質被膜の厚さaが0.0
2Dより小さいと、刃先部の最大外径Dと、硬質被膜を
除いた刃先部の外径d(=D−2a)との差が小さくな
って、刃先部の基端側部分が加工穴の内壁面に接触して
しまい、アンダーカット形状とされる効果を奏し得な
い。一方、硬質被膜の厚さaが0.08Dより大きい
と、刃先部の最大外径Dが、硬質被膜を除いた刃先部の
外径d(=D−2a)に対して大きくなりすぎ、ドリル
の剛性が低くなることを回避できない。
保しつつ、ドリル剛性も確保しなければならないことを
考慮すると、硬質被膜を除く刃先部の芯厚xが、該刃先
部の最大外径Dに対して、0.2D≦x≦0.6Dの範
囲に設定されていることが好ましい。ここで、芯厚xが
0.2Dより小さいと、刃先部xの芯厚が薄くなって、
ドリル剛性を高く保つことができず、穴曲がりや刃先部
の折損が生じるおそれがある。一方、芯厚xが0.6D
より大きいと、芯厚xが大きい分だけ切屑排出溝の切り
屑を逃がすためのスペースが小さくなり、さらに、切屑
排出溝が硬質被膜によってコーティングされるので切り
屑を逃がすためのスペースがより小さくなって、切屑排
出性が悪化してしまう。
刃先部の先端から基端まで、軸線方向に一定であること
を特徴とするから、刃先部の先端から基端にかけて刃先
部の剛性を一様に確保でき、穴曲がりや刃先部の折損等
の発生を抑制できる。
ンドコーティングとすることによって、刃先部の先端部
の強度をより高く保つことができ、耐摩耗性を向上させ
ることができる。しかもダイヤモンドコーティングは、
4〜16μm程度の適度な厚みをもって形成されるか
ら、本発明のように極小径ドリルにアンダーカット形状
を形成するのに用いられる硬質被膜として好適なもので
ある。
部の先端部のみが露出するようにキャップを装着してか
ら、硬質被膜を形成して製造されることを特徴とする。
このような製造方法を用いると、刃先部にキャップを装
着せずに、その先端部に硬質被膜を形成した場合に比べ
て、硬質被膜と刃先部との境界をなしている段差部をは
っきりとした段差形状に仕上げることができる。
た図面を用いて説明する。図1は本実施形態による極小
径ドリルの側面図、図2は図1に示す極小径ドリルの概
略断面図である。
形態による極小径ドリル10は、きわめて小径の最大外
径Dをもつ略円柱状とされ、例えば超硬合金素材からな
る刃先部11と、比較的大径(外径は例えば1〜6mm
程度)で、同じく超硬合金素材からなる略円柱状をなす
シャンク部12とが一体に成形されている。
て、ドリルの回転軸線Oを中心に螺旋状にねじれて、外
周面に開口する2条の切屑排出溝13,13が対向して
形成されている。また、切屑排出溝13,13の極小径
ドリル10の回転方向を向く壁面の先端側領域をすくい
面14,14とし、該すくい面14,14と刃先部11
の先端逃げ面15との交差稜線部には切刃16,16が
形成されている。
げ面15を含めた表面全体に均一の厚さaで、硬質被膜
としてのダイヤモンドコーティング20が施されてい
る。ここで、刃先部11の先端部に厚さaのダイヤモン
ドコーティング20が施されていることにより、刃先部
11の先端部分の外径Dがダイヤモンドコーティング2
0の厚さaの分だけ、ダイヤモンドコーティング20を
除いた刃先部11の外径dより一段拡径した状態となっ
ており(D=d+2a)、この刃先部11の先端部の外
径Dが刃先部11における最大外径Dとなる。
0.2mmの範囲に設定されており、本実施形態におい
ては、刃先部11の最大外径Dは例えば0.2mmとさ
れている。また、ダイヤモンドコーティング20の厚さ
aは、刃先部11の最大外径Dに対する比率で、0.0
2D≦a≦0.08Dの範囲に設定されており、本実施
形態においては、その厚さaは例えば10μmとされて
いる。
ヤモンドコーティング20が形成されている長さM、す
なわち、回転軸線O方向に沿って、ダイヤモンドコーテ
ィング20の最も先端側に位置する地点から、ダイヤモ
ンドコーティング20の最も基端側に位置する段差部2
0Aまでの長さMは、刃先部11の最大外径Dに対し
て、D≦M≦2Dの範囲に設定されており、本実施形態
において、ダイヤモンドコーティング20が形成されて
いる長さMは、例えば0.3mmとされている。
ティング20を除いた刃先部11の芯厚xは、0.2D
≦x≦0.6Dの範囲に設定されている。なお、本実施
形態による極小径ドリル10において、ダイヤモンドコ
ーティング20を除いた刃先部11の外径dは、刃先部
11の先端から基端まで一定とされており、さらに、刃
先部11の有効刃長L(刃先部11の先端から切屑排出
溝13の切れ上がり部までの長さ)と刃先部11の最大
外径Dとの比L/Dは、8以上とされている。
の刃先部11の先端部にダイヤモンドコーティング20
を形成する方法について説明する。図3は、ダイヤモン
ドコーティング20を施す際の極小径ドリル10を示す
説明図である。
ンドコーティング20は、例えばマイクロ波プラズマC
VD法や熱フィラメントCVD法などの手法によって形
成されたものであって、このときの原料ガスとしては水
素とメタンやCOなどの混合ガスが用いられる。また処
理温度としては約800°〜900°が一般的であり、
形成されるダイヤモンド粒子の粒径は0.1〜10μm
程度とされる。
ィング20を刃先部11の先端部に形成する際には、刃
先部11にキャップ30を装着して行われる。このキャ
ップ30は、図3に示すように厚みtをもつ略板状をな
し、その略中央部に、極小径ドリル10の刃先部11に
おいてダイヤモンドコーティング20が施されている先
端部の外径D(刃先部11の最大外径D)よりも若干大
きい(例えば0.3mm)内径D′をもつように設定さ
れた孔部31が厚みt方向に形成されているものであ
る。
極小径ドリル10の刃先部11がキャップ30の孔部3
1に貫通するようにして、シャンク部12によって係止
されるまで押し込んで装着する。また、このとき、刃先
部11の先端部にダイヤモンドコーティング20が形成
されるべき長さMの分だけ、刃先部11が露出するよう
に、キャップ30の厚みtが調節されている。換言すれ
ば、キャップ30の厚みtを調節することにより、刃先
部11の先端部に形成されるダイヤモンドコーティング
20の軸線方向の長さMを変えることができる。
によって、マイクロ波で原料ガスをプラズマ状態にし、
キャップ30が装着された極小径ドリル10において露
出している刃先部11の先端部にダイヤモンドを析出さ
せて、所望の厚さaをもつダイヤモンドコーティング2
0を形成する。
ィング20を形成した後は、キャップ30の孔部31
が、ダイヤモンドコーティング20が形成された刃先部
11の先端部の外径D(刃先部11の最大外径D)より
も若干大きい外径D′を有することから、刃先部11に
キャップを装着したときとは、反対方向(図3に示す白
抜き矢印方向)に引き抜いて取り外すことができ、これ
によりダイヤモンドコーティング20を刃先部11の先
端部に形成する作業が終了する。
ーティング20は、刃先部11にキャップ30を装着せ
ずに、刃先部11の先端部にダイヤモンドコーティング
20を形成した場合と比較して、ダイヤモンドコーティ
ング20の基端に位置する段差部20Aが刃先部11と
のはっきりした境界を呈するように仕上げることができ
る。換言すれば、段差部20Aを形成する壁面を回転軸
線Oに対して、ほぼ垂直に仕上げることができる。これ
によりほぼ理想的なアンダーカット形状の極小径ドリル
10を得ることができる。
0は、刃先部11の先端部に形成されたダイヤモンドコ
ーティング20によって、刃先部11の先端部が、ダイ
ヤモンドコーティング20を除いた刃先部11の外径d
より一段拡径した最大外径Dをもつようになり、擬似的
なアンダーカット形状とされるものである。このよう
に、本実施形態による極小径ドリル10は、アンダーカ
ット形状の極小径ドリル10を製作するのに、刃先部1
1を研磨する必要がないので、刃先部11の曲がりや折
損の心配がなく、きわめて外径の小さい刃先部11をも
つような極小径ドリル10でもアンダーカット形状にす
ることができる。
の最大外径Dが、D≦2mmの範囲に設定されているよ
うなアンダーカット形状の極小径ドリル10でも、容易
に製造することができ、最近のより小径化の要求にも応
じることが可能になる。しかも、被削材の切削に供され
ることになる刃先部11の先端部にダイヤモンドコーテ
ィング20を施したことにより、その部分の強度を高め
ることができて、耐摩耗性を向上させることになり、ド
リルの寿命を延ばすことができる。
均一な厚さaで形成されていることから、より理想的な
アンダーカット形状に仕上げることができ、しかも、ダ
イヤモンドコーティング20が形成された全領域にわた
って一様な強度をもつようにすることができるので、よ
り安定した穴明け加工を行うことができる。
さaは、刃先部11の最大外径Dに対して、0.02D
≦a≦0.08Dの範囲に設定されていることから、ド
リル剛性を落とすことなく、刃先部11の基端側部分が
加工穴の内壁面に接触しない程度に、刃先部11の先端
部が拡径されているような状態にすることができる。
の厚さaが0.02Dより小さいと、刃先部11の最大
外径D(ダイヤモンドコーティング20が形成されてい
る部分の外径D)と、ダイヤモンドコーティング20を
除いた刃先部11の外径dとの差が小さくなり、刃先部
11の基端側部分が加工穴の内壁面に接触してしまうお
それがあり、一方、厚さaが0.08Dより大きいと、
刃先部11の最大外径Dに対して、ダイヤモンドコーテ
ィング20を除いた刃先部11の外径dが小さくなって
しまい、ドリル剛性の低下を来たしてしまうことを免れ
ない。
て刃先部11の先端部に形成されているダイヤモンドコ
ーティング20は、一般に、4〜16μm程度の適度な
厚みをもって形成されるために、本発明の範囲、0.0
2D≦a≦0.08Dに含まれるような厚さaの硬質被
膜を形成するのに好適なものである。
されている長さMが、刃先部11の最大外径Dに対し
て、D≦M≦2Dの範囲に設定されていることから、加
工穴の内壁面に接触するダイヤモンドコーディング20
が施された刃先部11の先端部の面積の大きさを好適に
保つことができ、加工穴の内壁面粗さを悪化させること
がなく、かつドリルの直進性を失うこともない。
の形成されている長さMが、Dより小さいと、加工穴の
内壁面に接触する面積が小さくなり、ドリルの直進性が
得られず、穴曲がりが発生して、穴加工位置精度が悪化
し、一方、長さMが2Dより大きいと、加工穴の内壁面
に接触する面積が大きくなりすぎて、内壁面粗さを悪化
させてしまう。
く刃先部11の芯厚xが、刃先部11の最大外径Dに対
して、0.2D≦x≦0.6Dの範囲に設定されている
ことから、ドリルの剛性を不必要に低めることもない
し、切屑排出性を損なうこともない。なお、上記のよう
な効果をより確実なものとするために、この芯厚xは
0.3D≦x≦0.5Dの範囲に設定されるのがより好
ましい。
を除く刃先部11の芯厚xが0.2Dより小さいと、芯
厚xが薄くなってドリルの剛性が落ち、穴曲がりや刃先
部11の折損が生じるおそれがあり、芯厚xが0.6D
より大きいと、切り屑を逃がすスペースが小さくなり、
切屑排出性が低下してしまう。
く刃先部11の外径dが、その先端から基端まで一定と
されているから、ドリル剛性を落とすことなく、穴曲が
りや刃先部11の折損の発生を抑制できる。
シャンク部12とが一体に設けられているが、刃先部1
1とシャンク部12とを嵌合してなるコンポジットタイ
プであってもよい。また、刃先部11の材質は超硬合金
に限らず、サーメットなどの硬度の高い他の適宜の材質
を採用できる。
られる切屑排出溝13を2条としたが、これに限定され
ることなく、刃先部11に設けられる切屑排出溝13が
1条のみでもよいし、3条以上の切屑排出溝13が設け
られていてもよく、切屑排出溝13の本数は任意に設定
してよい。
被膜が形成されて、擬似的なアンダーカット形状の極小
径ドリルとされていることから、従来のように刃先部を
研磨していたためにアンダーカット形状にすることがで
きないような、きわめて小径の刃先部をもつ極小径ドリ
ルでも、アンダーカット形状にすることができ、最近の
より小径化の要求に対してもアンダーカット形状の極小
径ドリルを提供することが可能になる。
れていることにより、その先端部の刃先強度を高めるこ
とができて、耐摩耗性を向上できるので、ドリルの寿命
を延ばすことが可能になる。また、刃先部の最大外径D
が、D≦2mmの範囲に設定されているような、研磨に
よるアンダーカット形状にすることが難しい極小径ドリ
ルでも、容易にアンダーカット形状にすることができ
る。
が、刃先部の最大外径Dに対して、D≦M≦2Dの範囲
に設定されていることから、加工穴の内壁面粗さを低下
させることがなく、ドリルの直進性を悪化させることも
ない。また、硬質被膜は、均一な厚さで形成されている
ことから、理想的なアンダーカット形状にすることがで
き、さらに、その強度を硬質被膜全体で一様に保つこと
ができて、安定した穴明け加工が可能になる。
外径Dに対して、0.02D≦a≦0.08Dの範囲に
設定されていることから、刃先部の基端側部分を加工穴
の内壁面に接触しない程度に維持できるとともに、ドリ
ルの剛性を低めてしまうこともない。また、硬質被膜を
除いた刃先部の外径が軸線方向に一定であるから、刃先
部の先端から基端まで、その剛性を落とすことがなく、
穴曲がりや刃先部の折損が生じるおそれを低減させるこ
とができる。
グとされていることから、本発明に好適な厚さをもつ硬
質被膜を容易に形成することができ、しかも、刃先部の
耐摩耗性をより向上させることができて、ドリルの寿命
を大幅に延ばすことができる。また、本発明は、刃先部
の先端部のみを露出させるようにキャップを装着して、
硬質被膜を形成することにより、硬質被膜と刃先部との
境界をはっきりした段差形状に仕上げることができて、
理想的なアンダーカット形状の極小径ドリルを得ること
ができる。
側面図である。
概略断面図である。
ヤモンドコーティングを施す際の説明図である。
Claims (9)
- 【請求項1】 刃先部とシャンク部とを備え、刃先部
の周面に該刃先部の先端から基端側に向けて回転軸線周
りにねじれる切屑排出溝が形成され、該切屑排出溝の回
転方向を向く壁面の先端側領域をすくい面とし、該すく
い面と先端逃げ面との交差稜線部に切刃が形成されてい
る極小径ドリルにおいて、 前記刃先部の先端部に硬質被膜が形成されていることに
より、アンダーカット形状とされていることを特徴とす
る極小径ドリル。 - 【請求項2】 請求項1に記載の極小径ドリルにおい
て、 前記刃先部の最大外径Dは、D≦0.2mmの範囲に設
定されていることを特徴とする極小径ドリル。 - 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の極小
径ドリルにおいて、 前記硬質被膜の形成されている軸線方向の長さMは、前
記刃先部の最大外径Dに対して、D≦M≦2Dの範囲に
設定されていることを特徴とする極小径ドリル。 - 【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれかに記
載の極小径ドリルにおいて、 前記硬質被膜は、均一な厚さで形成されていることを特
徴とする極小径ドリル。 - 【請求項5】 請求項1乃至請求項4のいずれかに記
載の極小径ドリルにおいて、 前記硬質被膜の厚さaは、前記刃先部の最大外径Dに対
して、0.02D≦a≦0.08Dの範囲に設定されて
いることを特徴とする極小径ドリル。 - 【請求項6】 請求項1乃至請求項5のいずれかに記
載の極小径ドリルにおいて、 前記硬質被膜を除いた前記刃先部の芯厚xが、該刃先部
の最大外径Dに対して、0.2D≦x≦0.6Dの範囲
に設定されていることを特徴とする極小径ドリル。 - 【請求項7】 請求項1乃至請求項6のいずれかに記
載の極小径ドリルにおいて、 前記硬質被膜を除いた前記刃先部の外径が軸線方向に一
定であることを特徴とする極小径ドリル。 - 【請求項8】 請求項1乃至請求項7のいずれかに記
載の極小径ドリルにおいて、 前記硬質被膜はダイヤモンドコーティングであることを
特徴とする極小径ドリル。 - 【請求項9】 請求項1乃至請求項8のいずれかに記
載の極小径ドリルの製造方法であって、 前記刃先部に、該刃先部の先端部のみが露出するように
キャップを装着し、前記硬質被膜を形成したことを特徴
とする極小径ドリルの製造方法。
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JP2000375761A JP2002172510A (ja) | 2000-12-11 | 2000-12-11 | 極小径ドリル及びその製造方法 |
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