JP2005014115A - ドリル - Google Patents

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大記 渡辺
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23BTURNING; BORING
    • B23B51/00Tools for drilling machines
    • B23B51/06Drills with lubricating or cooling equipment

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Drilling Tools (AREA)

Abstract

【目的】刃部の強度が高く且つ上記刃部へ常に安定した切削油の供給が可能なドリルを提供する。
【構成】本発明に係るドリルは、刃部(10)と、該刃部(10)の直径よりも大径のシャンク部(20)と、該刃部(10)と該シャンク部(20)とを連結する段部(30)からなる。該刃部(10)の先端面(14)から基端側に向けて切りくず排出溝(12)が形成され、前記先端面(14)と前記切りくず排出溝(12)の回転方向(K)を向く壁面との交差稜線に切れ刃(11)が設けられる。そして、上記シャンク部(20)の内部には、回転軸線(O)に沿って上記シャンク部(20)の基端面と上記段部(30)とに開口する複数の給油穴(21)が形成され、この給油穴(21)は該刃部(10)の外径よりも外側に設けられる。
【選択図】図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ドリルに関し、特に、給油穴を備えた小径ドリルに関する。
【0002】
【従来の技術】
刃部(10)の直径が3mm以下の小径ドリルにおいて、切削油などを上記刃部(10)へ供給する給油穴(21)を備えたドリルとして、図4および図5に例示するようなものがあった。図4と図5は、それぞれこのドリルの刃部(10)の正面図と先端視側面図である。これらの図に示すように、このドリルは、刃部(10)の回転軸線(O)に直交する断面において、給油穴(21)はランド部上で外周面(17)と切りくず排出溝(12)の円弧状部及び直線部からそれぞれ距離0.05D(Dは刃部の外径)以上の位置に設けられている。2つの給油穴(21)間の距離が0.5T(Tは芯厚の幅)以上とされる。このような構成とすることにより、このドリルは、上述した領域内で給油穴(21)の位置を任意に設定することで、強度の高いドリルを製作でき、切削時に欠損等を生じにくく、ドリル寿命が長いという効果を有する。(例えば、特許文献1参照)
【0003】
【特許文献1】
特開平11―197926号公報(第2頁乃至第6頁、図1および図2)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来ドリルでは、刃部(10)の強度が給油穴(21)の無いドリルにくらべ低下してしまうことは否めず、上記刃部(10)が撓みやすいため、加工穴の精度悪化、該ドリルの折損といった問題があった。強度低下を回避するため上記給油穴(21)を小径にすると、切削油量が不足し切りくず排出性の悪化や切れ刃(11)の発熱が生じてしまい、折損や摩耗による切れ刃寿命の低下、加工穴の精度不良といった問題が生じやすくなる。
【0005】
このような問題から、小径ドリルにおける穴明け加工においては、図6に示すように内部に給油穴(21)の無いドリルを使用し、外部に設けられた給油ノズル(40)から給油しながら穴明け加工するのが一般的であった。しかしながら、上記給油ノズル(40)による外部給油では、ドリルの長さ、加工穴の深さ等の設定変化が生じた場合、切削油を確実に供給できないおそれがあった。この問題を回避するには、上記設定変化が生じるたびに作業者の手で給油ノズル(40)の向きを変え、最適な供給状態に設定しなければならず、このような作業は非常に煩雑であり、無人(自動)加工の妨げとなっていた。
【0006】
本発明のドリルは、上記の問題に鑑みなされたものであり、その目的は、刃部の強度が高く且つ上記刃部へ安定した切削油の供給が可能なドリルを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決するため、本発明のドリルは、刃部と、該刃部の直径よりも大径のシャンク部と、該刃部と該シャンク部とを連結する段部とを有し、該刃部の先端面から基端側に向けて切りくず排出溝が形成され、前記先端面と前記切りくず排出溝の回転方向(K)を向く壁面との交差稜線に切れ刃が設けられたドリルにおいて、該シャンク部の内部には、該シャンク部の基端面から先端側に向けて該回転軸線(O)に沿う方向に複数の給油穴が形成され、この給油穴が上記段部に開口し且つ該刃部の直径よりも外側に設けられていることを特徴とするドリルである。
【0008】
このような構成によれば、本発明のドリルは、刃部に油穴を形成しないので、該刃部の強度が低下しない。また、上記段部に開口した給油穴は、ドリルの長さや加工する穴の深さにかかわらず、常に切削油を上記切れ刃近傍に供給することができる。さらに、切削油が該刃部に直接当たることがないので、切削油の圧力によって該刃部に撓みが生じることがないので、加工穴の精度が良好であり、該ドリルの折損を防止する。
【0009】
上述したドリルにおいて、該シャンク部の直径をD1、該刃部の直径をD2としたとき、上記給油穴の直径D3は、0.3×(D1−D2)/2≦D3≦0.7×(D1−D2)/2の範囲に設定されることが好ましい。
【0010】
これは、上記給油穴の直径D3が0.3×(D1−D2)/2未満になると、給油量が不足してしまい、切りくず排出性の悪化や切れ刃の発熱が生じやすいからであり、上記給油穴の直径D3が0.7×(D1−D2)/2より大きくなると、給油量は十分供給されるものの上記給油穴の内壁とシャンク外周面との肉厚が薄くなりシャンク部の強度が低下してしまうからである。
【0011】
また、上記給油穴は該回転軸線(O)を中心とした円周上に等角度間隔に配置されることが好ましい。
【0012】
そうすれば、ドリルホルダ等に把持されたとき、シャンク部が外周面に沿って均等に変形するため該刃部の振れ精度が損なわれにくい。
【0013】
また、上記給油穴の横断面形状が円または長穴または楕円のいずれかであることが好ましい。
【0014】
そうすれば、上記給油穴が容易に製作できるとともに、上記給油穴の内壁と該シャンク部の外周面との肉厚が十分確保されるため該シャンク部の強度低下が抑制される。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る実施形態について図1乃至図3を参照しながら説明する。図1は本発明に係る実施形態のドリルの正面図である。図2は図1に示すドリルの先端視側面図である。図3は別の実施形態のドリルの先端視側面図である。
【0016】
図1および図2に示す実施形態のドリルは、刃部(10)とシャンク部(20)とこれらを連結する段部(30)とからなる。上記刃部(10)の直径は例えば3mm以下の小径とされ、上記シャンク部(20)は上記刃部(10)より大径とされ、例えば6mmの直径とされる。上記段部(30)は上記刃部(10)に繋がる端部から上記シャンク部(20)に繋がる端部にいくにしたがって漸次径大となるテーパ状をなす。なお、段部(30)はテーパ状に限らず、軸線(O)に直角な端面状、または、円弧状に形成されてもよい。上記刃部(10)の先端面(14)から基端側に向けて回転軸線(O)に沿って一対の切りくず排出溝(12)が外周面(17)に沿ってねじれて形成され、各切りくず排出溝(12)の回転方向(K)を向く壁面と先端面(14)との交差部に切れ刃(11)が一対に形成されている。なお、上記切れ刃は2枚刃に限らず1枚刃または3枚刃以上であってもよい。また、上記切りくず排出溝(12)はねじれのないものであってもよい。また、切れ刃(11)の材質は、好ましくは超硬合金、被覆超硬合金、サーメット、セラミック等の硬質材料から選ばれる。また、鋼等の材質からなるシャンク部(20)に上記硬質材料からなる刃部(10)がろう付け等により固着されたものでもよい。また、上記刃部(10)の先端部にダイヤモンドやCBNといった超高圧焼結体からなる切れ刃部材がろう付け固着されたものでもよい。
【0017】
上記シャンク部(20)には該回転軸線(O)に沿って、略直線状に延びる2つの給油穴(21)が設けられ、これら給油穴(21)は、シャンク部(20)基端側端面と上記段部(30)とに開口するように形成されている。そして、上記給油穴(21)は、該回転軸線(O)を中心とする同一円周上且つ上記刃部(10)の直径よりも外側に形成されている。
【0018】
以上の構成からなる実施形態のドリルによれば、上記刃部(10)の強度を低下させることなく、上記給油穴(21)から常に上記刃部(10)の近傍へ確実に切削油を供給することができる。さらに、切削油が上記刃部(10)へ直接当たらないので上記刃部(10)の撓みが抑制されることとなり、加工穴の穴位置精度や穴曲がり精度が非常に良好となるとともに、上記刃部(10)の折損が防止できる。特にこのような効果が得られる点で上記刃部(10)の直径は3mm以下が好ましい。また、最小値としては、現在製造している小径ドリルの実績から0.05mm程度に設定される。
【0019】
上述した実施形態のドリルにおいて、上記シャンク部(20)の直径をD1、上記刃部(10)の直径をD2としたとき、上記給油穴(21)の直径D3は、0.3×(D1−D2)/2≦D3≦0.7×(D1−D2)/2の範囲に設定されている。
【0020】
これは、上記給油穴(21)の直径D3が0.3×(D1−D2)/2未満になると、給油量が不足してしまい、切りくず排出性の悪化や切れ刃(11)の発熱が生じやすいからである。一方、上記給油穴(21)の直径D3が0.7×(D1−D2)/2より大きくなると、給油量は十分供給されるものの、上記給油穴(21)の内壁とシャンク部(20)の外周面との肉厚が薄くなりシャンク部(20)の強度が低下しやすくなるからである。
【0021】
また、上記給油穴(21)は複数形成され、該回転軸線(O)を中心とした1つの円周上に等角度間隔に配置されている。そうすれば、シャンク部(20)の強度の異方性が緩和されるため、ドリルホルダ等に把持されたときの把持力が低下せず、さらに、上記シャンク部(20)の変形が抑制され該刃部(10)の取付精度が良好となる。
【0022】
また、上記給油穴(21)の断面形状は図示した円形に限らず、楕円形または長円形であってもよい。このとき、図3に示すように楕円形または長円形の短軸が該ドリルの径方向を向くように形成されているので、給油穴(21)の内壁とシャンク部(20)の外周面との肉厚を損なうことがないため、上記シャンク部(20)の強度が低下しない。さらに、楕円形または長円形では、直径をそれらの短軸と同じくする円形にくらべ給油穴(21)の断面積を増すことができるため、切削油の供給量を効率的に増やすことができる。
【0023】
【発明の効果】
以上に述べたように本発明に係るドリルは、刃部(10)と、該刃部(10)の直径よりも大径のシャンク部(20)と、該刃部(10)と該シャンク部(20)とを連結する段部(30)とを有しており、該刃部(10)の先端面(14)から基端側に向けて切りくず排出溝(12)が形成され、前記先端面(14)と前記切りくず排出溝(12)の回転方向(K)を向く壁面との交差稜線に切れ刃(11)が設けられたドリルである。そして、上記シャンク部(20)の内部には、このシャンク部(20)の基端面から先端側に向けて該回転軸線(O)に沿う方向に複数の給油穴(21)が形成され、この給油穴(21)が上記段部(30)に開口し且つ該刃部(10)の直径よりも外側に設けられた構成を有している。このような構成とすることによって、本発明に係るドリルは、該刃部(10)の強度が低下せず、上記段部(30)に開口した給油穴(21)は、ドリルの長さや加工する穴の深さにかかわらず、切削油を上記切れ刃(11)近傍に供給することができる。さらに、切削油が該刃部(10)に直接当たることがないので、切削油の圧力によって該刃部(10)に撓みが生じにくく、加工穴の精度が良好であるとともに該ドリルの折損が生じにくい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施形態のドリルの正面図である。
【図2】図1に示すドリルの先端視側面図である。
【図3】本発明に係る別の実施形態のドリルの先端視側面図である。
【図4】従来の小径ドリルの刃部正面図である。
【図5】図4に示すドリルの先端視側面図である。
【図6】従来の小径ドリルの加工方法を示す図である。
【符号の説明】
1 ドリル
10 刃部
11 切れ刃
12 切りくず排出溝
13 芯厚
14 先端面
15 ランド
16 マージン
17 外周面
20 シャンク部
21 給油穴
30 段部
40 給油ノズル

Claims (4)

  1. 刃部と、該刃部の直径よりも大径のシャンク部と、該刃部と該シャンク部を連結する段部とを有し、該刃部の先端面から基端側に向けて切りくず排出溝が形成され、前記先端面と前記切りくず排出溝の回転方向(K)を向く壁面との交差稜線に切れ刃が設けられたドリルにおいて、
    該シャンク部の内部には、該シャンク部の基端面から先端側に向けて該回転軸線(O)に沿う方向に複数の給油穴が形成され、この給油穴が上記段部に開口し且つ該刃部の直径よりも外側に設けられていることを特徴とするドリル。
  2. 該シャンク部の直径をD1、該刃部の直径をD2としたとき、上記給油穴の直径D3は、0.3×(D1−D2)/2≦D3≦0.7×(D1−D2)/2の範囲に設定されることを特徴とする請求項1に記載のドリル。
  3. 上記給油穴は該回転軸線(O)を中心とした1つの円周上に等角度間隔に配置されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のドリル。
  4. 上記給油穴の横断面形状が円または長穴または楕円のいずれかであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のドリル。
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