JP3216834B2 - 芳香族ポリカーボネートの製造方法 - Google Patents
芳香族ポリカーボネートの製造方法Info
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Description
トの製造法に関し、より詳しくは反応装置を長時間連続
運転できる上記方法に関する。
どの機械的特性に優れ、しかも耐熱性、透明性などにも
優れており、広く用いられている。芳香族ポリカーボネ
ートの製造方法としては、ビスフェノールAなどの芳香
族ジヒドロキシ化合物とホスゲンとを直接反応させる方
法(界面法)、あるいはビスフェノールAなどの芳香族
ジヒドロキシ化合物とジフェニルカーボネートなどの炭
酸ジエステルとを溶融状態でエステル交換反応(重縮合
反応)させる方法などが知られている。現在一般に実施
されているのは前者の方法であるが、後者の方法はホス
ゲンのような取扱いの面倒な化合物を用いないので将来
有望であると考えられる。
4号公報に記載されたものが知られている。これを図2
に示す。窒素パージ下の槽型撹拌槽31に原料モノマー
である芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルを溶
融状態で管32,33より導入し(他のコポリマーたと
えばジカルボン酸エステルをも用いる場合にはこれらを
管34,35から導入し)、十分に撹拌した後、管36
を介して槽型反応器37に供給する。槽型反応器37
は、垂直回転軸に取付けられた撹拌翼を備える。
された上記槽型反応器37には、管38を介して触媒
(ほう酸又はほう酸エステル)が連続的に供給される。
反応混合物は次に槽型反応器37から出され、管39を
介して槽型反応器40へ移される。管39の途中には別
の触媒(含窒素塩基性化合物およびアルカリもしくはア
ルカリ土類金属化合物)が管38′を介して添加され
る。槽型反応器40は重縮合反応に適した温度、圧力に
コントロールされる。たとえば50〜270℃、好まし
くは150〜260℃の温度で、常圧から6mmHgまで
減圧される。槽型反応器40において、極限粘度(20
℃塩化メチレン溶液で測定)0.01〜0.4dl/g
のポリカーボネートが得られ、これは次に遠心薄膜型蒸
発装置51に移され、ここで副生フェノールの蒸発を促
進しながら更に重縮合が進み、極限粘度0.1〜0.5
dl/gに達する。遠心薄膜型蒸発装置51は、180
〜300℃、1〜50mmHgで運転される。ポリマーは
更に、横型撹拌重合槽54へ移され、最終的重縮合を行
う。ここではポリマーはかなり粘稠なので、副生モノマ
ーの蒸発を促進すべく十分な撹拌を行うために、水平回
転軸に取付けられた撹拌翼によって表面更新を行われ
る。横型撹拌重合槽54は、240〜320℃、10mm
Hg以下で運転される。
フェノールは、加熱減圧下の反応器条件下で気化し、同
じく気化した一部の未反応モノマーと共に管41を介し
て蒸留塔42に導かれ精留される。精留された未反応モ
ノマーを含む高沸点留分は管44を介して槽型反応器4
0に戻すが、又は別途回収する。一方、塔頂からのフェ
ノール蒸気は、管45を介して凝縮器46に送られ、そ
こで液体へと凝縮され、その一部は還流として管43を
介して蒸留塔へ供給され、残部は管47を通って系外に
出される。槽型反応器40から凝縮器46までのライン
は管48を介して真空ポンプ(図示せず)によって減圧
に引かれている。
層54においても夫々、管52及び55を介して副生フ
ェノールが減圧吸引される。遠心薄膜型蒸発装置51及
び横型撹拌槽54から発生する副生フェノール量は少い
ので、管52及び55には上記したような蒸留塔が接続
されていず、単に凝縮器でフェノールを凝縮させてい
る。
降の反応器から発生するフェノールを直ちに凝縮器へ導
いて凝縮させる場合、フェノール気体に未反応物及び低
重合物などが同伴し、これらが凝縮器の内部、凝縮器と
真空ポンプを結ぶ排気管に固着してゆき、真空吸引能力
を低下させ、ついには管を閉塞して装置の連続運動を不
可能にすることが判った。また、フェノールが固化して
管などに固着して閉塞を起こす。
縮装置としては、流出したフェノールを冷却してスプレ
ー又は流下させ、これをまた循環させるスプレー式コン
デンサー又は濡壁式コンデンサーを用いることが考えら
れる。しかし、高重合度の芳香族ポリカーボネートを得
るために高真空にする装置において、上記のような液体
フェノールによるコンデンサーは問題がある。
器及び管の閉塞が少ない、副生フェノール系化合物を回
収する方法を提供することを目的とする。
ロキシ化合物と芳香族系炭酸ジエステルとを加熱下に重
縮合し、同時に副生するフェノール系化合物は重合反応
器を吸引減圧することにより反応系から除去して芳香族
ポリカーボネートを製造する方法において、重合反応器
と真空ポンプを結ぶ配管の間に、切り換え自在に並列に
備えられた二以上のフリーズコンデンサーを結合し、う
ち少なくとも一のフリーズコンデンサーは、反応系に接
続されて運転下に置かれて、副生フェノール系化合物蒸
気及び同伴される未反応物及び/又は低重合物が通さ
れ、かつ−10℃〜40℃の冷媒を用いた熱交換部を有
すること、及び他の少なくとも一のフリーズコンデンサ
ーは反応系に接続していない状態に置かれて、熱交換部
表面に付着したフェノール系化合物、未反応物及び低重
合物を含む固体を除去する再生運転に付されることを特
徴とする方法である。
すようなシェルアンドチューブ式などの公知の熱交換器
を用いることができる。フェノール系化合物蒸気はシェ
ルに設けられた入口3から入る。一方、−10℃〜40
℃、好ましくは1〜10℃の冷媒は、チューブの入口1
から入り、チューブの出口2から流出する。シェルに設
けられた出口4は非凝縮性気体の出口であり、真空ポン
プへと接続されている。流入側3と吸引側4が短絡しな
いために、仕切りを設けるなどの方法がある。図では簡
単のために一本のチューブのみを示したが、複数たとえ
ば10〜100本のチューブを一つのシェル内に配置で
きる。チューブを直管とし、出口2を上部に設けてもよ
い。フェノール系化合物、未反応物及び低重合物はチュ
ーブ外表面上に固着してゆく。固着物が多くなり流路が
狭くなりすぎたなら、固着物を除去する再生運転に付
す。このために、二以上のフリーズコンデンサーを切り
換え自在に並列に備え、うち少なくとも一のフリーズコ
ンデンサーを反応系に接続して運転下に置き、反応系に
接続していないフリーズコンデンサーは固着物を除去す
る再生運転に付すことが好ましい。再生運転は、冷媒に
代えて高温水蒸気(たとえば、120〜180℃)を流
すことにより固着物を気化または液化して除去すること
により行われる。
ける遠心薄膜型蒸発装置51及び横型撹拌重合槽54の
夫々に備えられる。該装置51及び重合槽54の設定圧
力が同じならば、一つのフリーズコンデンサーに両者を
接続することも可能であるが、一般には両者の圧力は異
なる。
遠心薄膜型蒸発装置及び横型撹拌重合槽で重縮合反応を
行う装置配列において、所定のフリーズコンデンサーに
て副生フェノール系化合物を凝縮する場合に限られず、
いかなる装置配列においても本発明を用いることができ
る。
4は、垂直回転軸に取り付けた撹拌翼を有し、これに溶
融状態の芳香族ジヒドロキシ化合物及び炭酸ジエステル
を夫々配管61及び62を通して連続供給する。溶融状
態の芳香族ジヒドロキシ化合物は酸素と接触しないよう
にして供給され、撹拌槽雰囲気にも酸素が実質上存在し
ないようにする。このために、たとえば窒素ガスで撹拌
槽をパージする。撹拌槽には触媒が配管63を通して供
給され、上記反応原料と混合される。
6を通って前重合槽68に供給される。前重合槽には、
垂直回転軸を有する撹拌翼が備えられている。上部に備
えられたベント用導管41により槽内は減圧に保たれ
る。該導管41を介して吸引された副生フェノール系化
合物及び一部の未反応モノマーは図3におけると同様に
蒸留塔42で夫々精留されて、フェノール系化合物は系
外に出され、未反応モノマーは重合槽に戻される。前重
合槽68における反応温度は、通常50〜270℃、好
ましくは150〜260℃の範囲であり、また圧力は常
圧から6mmHgまで減圧することができ、下限は、好ま
しくは400〜6mmHg、特に好ましくは300〜6mm
Hgの範囲に設定することができる。
は底部のポンプ69により取出され、配管70を介して
第二の前重合槽68′に送られる。ここでの反応温度
は、通常180〜300℃、好ましくは200〜280
℃の範囲であり、また圧力は1〜50mmHg、好ましく
は1〜30mmHgの範囲であるが、いずれにせよ第一の
前重合槽68よりも厳しい反応条件にする。更に第三あ
るいはそれ以上の前重合槽を設けることもできる。
香族ポリカーボネートはたとえば、20℃塩化メチレン
溶液中で測定した極限粘度[η]が0.05〜0.5d
l/g、好ましくは0.10〜0.45dl/g、さら
に好ましくは0.10〜0.4dl/gである。
移す。これは、図3において説明したものと同じであり
うる。そこでの反応温度は、通常240〜320℃、好
ましくは250〜310℃の範囲であり、また圧力は2
0mmHg以下、好ましくは10mmHg以下である。
しくは一つないし二つをシリーズに設ける。最後の横型
撹拌重合槽の底部からギアポンプにより粘稠なポリマー
が取り出され、20℃の塩化メチレン溶液中で測定した
極限粘度[η]が0.2〜1.0dl/g、好ましくは
0.25〜0.9dl/g、さらに好ましくは0.30
〜0.8dl/gであるポリカーボネートを得る。横型
撹拌重合槽で重縮合反応を行った後2軸ベント式押出機
でさらに反応させることもできる。2軸ベント式押出機
を用いる場合、前段の横型撹拌重合槽にて重縮合反応が
かなりすすんでいるため、2軸ベント式押出機の反応条
件を緩和することができ、ポリカーボネートの品質劣化
を防止することが可能となる。
発明に従い特定のフリーズコンデンサーが接続されて、
副生フェノール系化合物を凝縮させる。図4において、
第二の前重合槽68′には、配管67を介して、図1又
は2に示したフリーズコンデンサー9が接続されてい
る。同様に、横型撹拌重合槽54にも、配管55を介し
て、図1又は2に示したフリーズコンデンサー9′が接
続されている。更に、フリーズコンデンサー9に対して
並列にフリーズコンデンサー9″が配置され、フリーズ
コンデンサー9が再生運転中の時には同9″が反応系に
接続されるよう切り換えられる。同様に、フリーズコン
デンサー9″は同9′に対しても並列に配管されてお
り、同9′が再生運転中の時に切り換え使用される。上
記の反応装置及び反応条件は単に例であり、これに限定
されない。
化合物自体は公知であり、たとえば特開平2−1539
24号公報に記載されており、好ましくはビスフェノー
ルAである。芳香族系炭酸ジエステルも公知であり、た
とえば上記公報に記載されているジフェニルカーボネー
ト、ジトリールカーボネート、ビス(クロロフェニル)
カーボネート、m−クレジルカーボネート、ジナフチル
カーボネート、ビス(ジフェニル)カーボネートなどで
あり、好ましくはジフェニルカーボネートである。該炭
酸ジエステルはジカルボン酸又はジカルボン酸エステル
を含有していてもよく、たとえばテレフタル酸、イソフ
タル酸、これらのジフェニルエステルが挙げられる。炭
酸ジエステルは、芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対
して、0.90〜1.30モル好ましくは0.95〜
1.20モルの量で用いられることが望ましい。
ェノール性水酸基またはカルボキシル基)を有する化合
物をさらに加えることができ、好ましくは芳香族ジヒド
ロキシ化合物1モルに対し0.001〜0.03モル、
特に0.001〜0.01モルの量で用いる。かかる化
合物の例は、特開平4−89824号公報に記載されて
いる。
号公報に記載されているものを用いることもできる。
媒としては、公知のいかなる触媒も用いることができ
る。たとえば、特開平2−124934号公報に記載さ
れている(a) 含窒素塩基性化合物及び(b) アルカリ金属
化合物またはアルカリ土類金属化合物から成る触媒系、
またはさらに(c) ホウ酸またはホウ酸エステルから成る
触媒系を用いることができる。特開平4−46927号
及び4−46928号公報に記載されている電子供与性
アミン化合物と水素化ホウ素カリウムまたはアルカリ金
属化合物もしくはアルカリ土類金属化合物から成る触媒
系を用いることもできる。また、特開昭60−5171
9号公報に記載されている含窒素塩基性化合物とホウ素
化合物から成る触媒系を用いることができる。
ノールA、芳香族系炭酸ジエステルとしてジフェニルカ
ーボネートを用いた。前重合槽68は210℃/100
mmHgで運転され、第二前重合槽68′は250℃/1
5mmHg、横型撹拌重合槽54は285℃/0.3mmH
gで運転された。第二前重合槽68′及び横型撹拌重合
槽54の夫々にシェルアンドチューブ式フリーズコンデ
ンサーを接続した。プロセス流は下から上へと流され
た。冷媒は、5℃の水であった。凝縮されたフェノール
量は、第二前重合槽68′用のフリーズコンデンサーに
おいて50g/m2 /時、横型撹拌重合槽54用におい
ては30g/m2 /時であった。
徴候が見られた。
有するフリーズコンデンサーに代えてスプレー式コンデ
ンサー又は濡壁式コンデンサーをなどの液体フェノール
によるコンデンサーを用いた場合、コンデンサー内での
フェノールの蒸発を防ぐために2mmHg以上の圧力下で
運転する必要がある。重合時の圧力を高く設定すると重
合速度が低下するため、重合温度を更に高くするか、重
合槽における滞留時間を長くしなけらばならないが、こ
のような条件下では、色相が良好なポリカーボネートを
得ることはむずかしい。。
固体の付着が少なくなり、長期間の連続運転が可能とな
る。
デンサー 31 槽型撹拌槽 37,40 槽型反応器 42 蒸留塔 46 凝縮器 51 遠心薄膜型蒸発装置 54 横型撹拌重合槽 64 撹拌槽 68,68′ 前重合槽
Claims (1)
- 【請求項1】 芳香族ジヒドロキシ化合物と芳香族系炭
酸ジエステルとを加熱下に重縮合し、同時に副生するフ
ェノール系化合物は重合反応器を吸引減圧することによ
り反応系から除去して芳香族ポリカーボネートを製造す
る方法において、重合反応器と真空ポンプを結ぶ配管の
間に、切り換え自在に並列に備えられた二以上のフリー
ズコンデンサーを結合し、うち少なくとも一のフリーズ
コンデンサーは、反応系に接続されて運転下に置かれ
て、副生フェノール系化合物蒸気及び同伴される未反応
物及び/又は低重合物が通され、かつ−10℃〜40℃
の冷媒を用いた熱交換部を有すること、及び他の少なく
とも一のフリーズコンデンサーは反応系に接続していな
い状態に置かれて、熱交換部表面に付着したフェノール
系化合物、未反応物及び低重合物を含む固体を除去する
再生運転に付されることを特徴とする方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP22318692A JP3216834B2 (ja) | 1992-07-30 | 1992-07-30 | 芳香族ポリカーボネートの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP22318692A JP3216834B2 (ja) | 1992-07-30 | 1992-07-30 | 芳香族ポリカーボネートの製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH0649197A JPH0649197A (ja) | 1994-02-22 |
JP3216834B2 true JP3216834B2 (ja) | 2001-10-09 |
Family
ID=16794154
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP22318692A Expired - Lifetime JP3216834B2 (ja) | 1992-07-30 | 1992-07-30 | 芳香族ポリカーボネートの製造方法 |
Country Status (1)
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JP5233084B2 (ja) * | 2006-06-16 | 2013-07-10 | 三菱化学株式会社 | ポリカーボネート樹脂の製造装置、ポリカーボネート樹脂の製造方法 |
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CN101395200A (zh) * | 2006-06-15 | 2009-03-25 | 三菱化学株式会社 | 聚碳酸酯树脂的制造装置以及聚碳酸酯树脂的制造方法 |
-
1992
- 1992-07-30 JP JP22318692A patent/JP3216834B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
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