JP3197359B2 - 芳香族ポリカーボネートの製造法 - Google Patents

芳香族ポリカーボネートの製造法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、芳香族ポリカーボネー
トの製造法に関し、色相の優れた芳香族ポリカーボネー
トを提供するものである。
【0002】
【従来の技術】芳香族ポリカーボネートは、耐衝撃性な
どの機械的特性に優れ、しかも耐熱性、透明性などに優
れており、広く用いられている。芳香族ポリカーボネー
トの製造方法としては、ビスフェノールAなどの芳香族
ジヒドロキシ化合物とホスゲンとを直接反応させる方法
(界面法)、あるいはビスフェノールAなどの芳香族ジ
ヒドロキシ化合物とジフェニルカーボネートなどの炭酸
ジエステルとを溶融状態でエステル交換反応(重縮合反
応)させる方法などが知られている。現在一般に実施さ
れているのは前者の方法であるが、後者の方法はホスゲ
ンのような取扱いの面倒な化合物を用いないため将来有
望であると考えられる。
【0003】一般には、ビスフェノールA(融点156
℃)及びジフェニルカーボネート(融点80℃)を加熱
溶融し、両化合物の混合溶液に触媒を加えた後、熱媒体
により反応温度にまで加熱しながら重縮合させる。
【0004】しかし、重縮合を完結させるためには、ポ
リマーを最終的には300℃程度まで昇温しなければな
らない。したがって、製品であるポリカーボネートが着
色しやすいという欠点があった。
【0005】芳香族ポリカーボネートは、光学用途に用
いられることが多く、従ってできるだけ優れた色相、即
ち黄色味が少なくて透明性が良いものが望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は色相に優れた
芳香族ポリカーボネートを製造することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも二
基の反応器を直列に用いて、芳香族ジヒドロキシ化合物
と炭酸ジエステルとを溶融重縮合して芳香族ポリカーボ
ネートを製造する方法において、反応器におけるポリマ
ー温度と加熱媒体の温度差を、生成した芳香族ポリカー
ボネートの極限粘度[η]が0.20以下のときは10
0℃以下とし、[η]が0.20を越え0.35以下の
ときは80℃以下とし、[η]が0.35を越えるとき
は50℃以下とすることを特徴とする方法である。
【0008】本発明の方法は、反応器におけるポリマー
温度と加熱媒体の温度差を、生成した芳香族ポリカーボ
ネートの極限粘度[η]により調節する。即ち、20℃
塩化メチレン溶液中で測定した極限粘度[η]が0.2
0以下のときは100℃以下、好ましくは80℃以下と
し、また、[η]が0.20を越え0.35以下のとき
は80℃以下、好ましくは50℃以下とし、また、
[η]が0.35を越えるときは50℃以下、好ましく
は30℃以下とする。このように生成した芳香族ポリカ
ーボネートの極限粘度[η]を指標として、反応器にお
けるポリマー温度と加熱媒体の温度差を上記の所定値に
保持することにより、反応器内でポリマー温度を急激に
上昇させることなく、かつ反応器内で該ポリマーの粘度
に適した加熱状態を実現することができることで、反応
器内壁面、特に気液界面付近における着色物質の生成を
防止することができる。したがって、生成した芳香族ポ
リカーボネートは優れた色相を有する。
【0009】本発明を効果的に実現するために、ポリマ
ーを予熱器で加熱した後、反応器に供給することができ
る。該方法を採用すれば、予熱器と反応器の双方で段階
的に加熱するため、反応器における上記の所定の温度差
を容易に達成することができ、また、反応器における温
度差を小さくすることができることから反応器内での着
色物質の生成を皆無にすることができる。更には、ポリ
マーを予熱器のみで所望の重合温度にまで加熱せしめ、
反応器では保温程度の加熱にとどめることによって、そ
の温度差をより小さくすることもできる。
【0010】また、予熱器を使用せず、少なくとも二基
の反応器を直列に設置して行うこともできる。
【0011】本発明で使用する反応器は公知のいかなる
ものでもよい。例えば、熱油あるいはスチームを加熱媒
体とした、ジャケット形式の反応器あるいは内部にコイ
ル状の伝熱管を有する反応器等が挙げられる。
【0012】また、予熱器としては、通常使用されてい
るものであれば公知のいかなるものでもよく、例えば、
多管式あるいは二重管式等の熱交換器が挙げられ、ポリ
マー側に気相がなく、かつデッドスペースを生じないも
のが好ましい。該予熱器は、反応器の入口部に設置され
る。
【0013】ポリマー温度と加熱媒体の温度差とは、反
応器入口のポリマー温度と反応器に供給される加熱媒体
との温度差を示す。また、該流体の温度は、いずれも通
常使用される方法で測定することができる。
【0014】反応器及び予熱器に使用する加熱媒体は、
通常使用されているものであればいかなるものでもよ
く、例えば、熱油、スチーム等が挙げられる。
【0015】一例を図1に示す。撹拌槽4は、垂直回転
軸に取り付けた攪拌翼を有し、これに上記した芳香族ジ
ヒドロキシ化合物及び炭酸ジエステルを夫々配管1及び
2を通して連続供給する。撹拌槽雰囲気には酸素が実質
上存在しないようにし、例えば、窒素ガスで撹拌槽をパ
ージする。撹拌槽には触媒が配管3を通して供給され、
上記反応原料と混合される。均一溶液を形成するために
複数の撹拌槽を直列に設けることもできる。
【0016】混合された原料はポンプ5により配管6を
通って予熱器15に供給され加熱された後、第一前重合
槽8に供給される。更にジャケット17で通常50〜2
70℃、好ましくは150〜260℃に加熱される。該
加熱は、ポリマーとの温度差が100℃以下に設定され
た熱油により実施される。また、圧力は常圧から6mm
Hgまで減圧することができ、下限は、好ましくは40
0〜6mmHg、特に好ましくは300〜6mmHgの
範囲に設定することができる。第一前重合槽出口におけ
るポリマーは、20℃塩化メチレン溶液中で測定した極
限粘度[η]が0.02〜0.20dl/gであり、好
ましくは0.03〜0.10dl/gである。第一前重
合槽には、垂直回転軸を有する攪拌翼が備えられてい
る。上部に備えられたベント用導管7により槽内は減圧
に保たれる。該導管7を介して吸引された副生フェノー
ル及び一部の未反応モノマーは夫々精留されて、フェノ
ールは系外に出され、未反応モノマーは重合槽に戻され
る。また、配管3´を通して更に触媒を供給することも
できる。
【0017】第一前重合槽内のポリマーは、ギアポンプ
9により配管10を通して予熱器15' に供給され、1
70〜290℃に加熱された後、第二前重合槽8' に供
給される。更にジャケット17' で通常180〜300
℃、好ましくは200〜280℃に加熱される。該加熱
は、ポリマーとの温度差がポリマーの極限粘度[η]が
0.20以下のときは100℃以下、[η]が0.20
を越え0.35以下のときは80℃以下、[η]が0.
35を越えるときは50℃以下に設定された熱油により
実施される。また、圧力は1〜50mmHg、好ましく
は1〜30mmHgの範囲である。第二前重合槽出口に
おけるポリマーは、20℃塩化メチレン溶液中で測定し
た極限粘度[η]が0.05〜0.5dl/gであり、
好ましくは0.1〜0.4dl/gである。第二前重合
槽も、前記第一前重合槽と同様に、攪拌翼が備えられ、
ベント用導管7' で減圧に保たれる。このような予熱器
と前重合槽の組み合わせは所望により更に設置すること
もでき、好ましくは2〜4つ設けることができる。
【0018】次に、該ポリマーは、ポンプ9' により配
管10' を通って予熱器16に供給され、230〜31
0℃に加熱された後、横型攪拌重合槽12に供給され
る。更にジャケット18で通常240〜320℃、好ま
しくは250〜310℃に加熱される。該加熱は、ポリ
マーとの温度差が50℃以下に設定された熱油により実
施される。また圧力は20mmHg以下、好ましくは1
0mmHg以下である。この横型攪拌重合槽は、1本ま
たは2本以上の水平な回転軸を有し、この水平回転軸に
円盤型、車輪型、櫂型、棒型、窓枠型などの攪拌翼を1
種または2種以上組み合わせて、回転軸当たり少なくと
も2段以上設置されており、この攪拌翼により反応溶液
をかき上げまたは押し広げて反応溶液の表面更新を行う
横型高粘度液処理装置である。このような予熱器16と
横型攪拌重合槽12の組み合わせは、少なくとも一つ、
好ましくは一つないし二つをシリーズに設けることがで
きる。最後の横型攪拌重合槽の底部からギアポンプ13
により粘稠なポリマーが取り出され、20℃の塩化メチ
レン溶液中で測定した極限粘度[η]が0.2〜1.0
dl/g、好ましくは0.25〜0.9dl/g、更に
好ましくは0.30〜0.8dl/gであるポリカーボ
ネートを得る。横型攪拌重合槽で重縮合反応を行った
後、2軸ベント式押出機で更に反応させることもでき
る。2軸ベント式押出機を用いる場合、前段の横型攪拌
重合槽にて重縮合反応がかなり進んでいるため、2軸ベ
ント式押出機の反応条件を緩和することができ、ポリカ
ーボネートの品質劣化を防止することが可能となる。
【0019】上記の反応装置及び反応条件は単に例であ
り、これに限定されない。
【0020】本発明において、ポリマーとは、芳香族ジ
ヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとの重合物を示す。
【0021】ここで、芳香族ジヒドロキシ化合物は、下
記式[I]
【0022】
【化1】 (ここで、Xは
【0023】
【化2】 ‐O‐、‐S‐、‐SO‐または‐SO2 ‐であり、R
1 及びR2 は水素原子または1価の炭化水素基であり、
3 は2価の炭化水素基である。また芳香核は、1価の
炭化水素基を有していてもよい。)で示される化合物で
ある。
【0024】かかる芳香族ジヒドロキシ化合物として、
例えばビス(4‐ヒドロキシフェニル)メタン、1,1
‐ビス(4‐ヒドロキシフェニル)エタン、2,2‐ビ
ス(4‐ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2‐ビス
(4‐ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2‐ビス(4
‐ヒドロキシフェニル)オクタン、ビス(4‐ヒドロキ
シフェニル)フェニルメタン、2,2‐ビス(4‐ヒド
ロキシ‐1‐メチルフェニル)プロパン、1,1‐ビス
(4‐ヒドロキシ‐3‐t‐ブチルフェニル)プロパ
ン、2,2‐ビス(4‐ヒドロキシ‐3‐ブロモフェニ
ル)プロパンなどのビス(ヒドロキシアリール)アルカ
ン類、1,1‐ビス(4‐ヒドロキシフェニル)シクロ
ペンタン、1,1‐ビス(4‐ヒドロキシフェニル)シ
クロヘキサンなどのビス(ヒドロキシアリール)シクロ
アルカン類、4,4´‐ジヒドロキシジフェニルエーテ
ル、4,4´‐ジヒドロキシ‐3,3´‐ジメチルフェ
ニルエーテルなどのジヒドロキシアリールエーテル類、
4,4´‐ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4
´‐ジヒドロキシ‐3,3´‐ジメチルジフェニルスル
フィドなどのジヒドロキシジアリールスルフィド類、
4,4´‐ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,
4´‐ジヒドロキシ‐3,3´‐ジメチルフェニルスル
ホキシドなどのジヒドロキシジアリールスルホキシド
類、4,4´‐ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,
4´‐ジヒドロキシ‐3,3´‐ジメチルジフェニルス
ルホンなどのジヒドロキシジアリールスルホン類などが
挙げられ、特に2,2‐ビス(4‐ヒドロキシフェニ
ル)プロパン(いわゆるビスフェノールA)が好まし
い。
【0025】一般に入手できる芳香族ジヒドロキシ化合
物は、不純物特にその構造異性体を含有している。例え
ば、ビスフェノールAの場合、2‐(4´‐ヒドロキシ
フェニル)‐2‐(2´‐ヒドロキシフェニル)プロパ
ンを不純物として含むので、これを精製することが好ま
しい。精製法としては、水または有機溶媒による再結
晶、蒸留、あるいはフェノール類とのアダクトを作る方
法などがある。
【0026】炭酸ジエステルは、例えばジフェニルカー
ボネート、ジトリールカーボネート、ビス(クロロフェ
ニル)カーボネート、m‐クレジルカーボネート、ジナ
フチルカーボネート、ビス(ジフェニル)カーボネー
ト、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジ
ブチルカーボネート、ジシクロヘキシルカーボネートな
どであり、特にジフェニルカーボネートが好ましい。
【0027】尚、上記のような炭酸ジエステルは、好ま
しくは50モル%以下、更に好ましくは30モル%以下
の量のジカルボン酸あるいはジカルボン酸エステルを含
有していてもよい。ジカルボン酸あるいはジカルボン酸
エステルとしては、例えば、テレフタル酸、イソフタル
酸、テレフタル酸ジフェニル、イソフタル酸ジフェニル
が挙げられる。ジカルボン酸あるいはジカルボン酸エス
テルを炭酸ジエステルと併用した場合には、ポリエステ
ルポリカーボネートが得られる。
【0028】炭酸ジエステルは、芳香族ジヒドロキシ化
合物1モルに対して、0.90〜1.30モル好ましく
は0.95〜1.20モルの量で用いられることが望ま
しい。 1分子中に3以上の官能基(好ましくはフェノ
ール性水酸基またはカルボキシル基)を有する化合物を
更に加えることができ、好ましくは芳香族ジヒドロキシ
化合物1モルに対し0.001〜0.03モル、特に
0.001〜0.01モルの量で用いる。かかる化合物
の例は、特開平4−89824号公報に記載されてい
る。
【0029】重合反応は触媒の存在下で進行する。触媒
としては、公知のいかなる触媒も用いることができる。
例えば、特開平2−124934号公報に記載されてい
る(a)含窒素塩基性化合物及び(b)アルカリ金属化
合物またはアルカリ土類金属化合物から成る触媒系、ま
たは更に(c)ホウ酸またはホウ酸エステルから成る触
媒系を用いることができる。特開平4−46927号及
び4−46928号公報に記載されている電子供与性ア
ミン化合物と水素化ホウ素カリウムまたはアルカリ金属
化合物もしくはアルカリ土類金属化合物から成る触媒系
を用いることもできる。また、特開昭60−51719
号公報に記載されている含窒素塩基性化合物とホウ素化
合物から成る触媒系を用いることができる。
【0030】重合反応において、末端封止剤として種々
のフェノール類を用いることができ、例えば、特開平2
−175723号公報に記載されているものを挙げるこ
とができる。
【0031】以下、実施例、比較例により本発明を更に
詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定される
ものではない。
【0032】
【実施例】実施例及び比較例では、芳香族ジヒドロキシ
化合物としてビスフェノールA(日本ジーイープラスチ
ック社製)を使用し、炭酸ジエステルとしてジフェニル
カーボネート(エニィ社製)を使用し、また触媒として
は、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド及び
水酸化ナトリウムを使用した。
【0033】精製したポリカーボネートの色相は、下記
の方法で測定した。3mm厚の射出プレートのX、Y、
Z値を日本電色工業(株)のColor and Co
lor Difference Meter ND‐1
001Dを用い、透過法にて測定し、黄色度の尺度とし
てYI値を用いた。
【0034】YI=(100/Y)×(1.277X−
1.060Z)
【0035】
【実施例1】重合反応装置は図1に示したものを使用し
た。前重合槽は二つ、横型攪拌重合槽は一つである。夫
々の反応条件は下記の通りである。
【0036】 圧力 温度 温度差* (torr) (℃) (℃) 予熱器15出口 − 200 − 前重合槽8 100 210 60 予熱器15' 出口 − 240 − 前重合槽8' 15 250 40 予熱器16出口 − 270 − 横型攪拌重合槽12 0.3 285 15 *温度差は各重合槽入口のポリマー温度と各重合槽に供
給される加熱媒体との温度差を示す。
【0037】ビスフェノールA(供給速度36.0kg
/hr)、ジフェニルカーボネート(供給速度34.7
kg/hr)及び触媒としてテトラメチルアンモニウム
ハイドロオキサイド(供給速度3.6g/hr)、水酸
化ナトリウム(供給速度3.2mg/hr)を、撹拌槽
に連続的に供給して、均一溶液を製造した。
【0038】続いて、該溶液は予熱器15で加熱され前
重合槽8に供給され、更に上記所定温度差を有する前重
合槽8の加熱媒体にて所定温度にまで加熱された。前重
合槽8出口のポリマーの20℃塩化メチレン溶液中で測
定した極限粘度[η]は0.06dl/gであった。
【0039】以下同様に、予熱器15' 及び前重合槽
8' で、続いて予熱器16及び横型攪拌重合槽12で上
記所定温度に加熱し、重合を完了しポリカーボネートを
製造した。前重合槽8' 出口のポリマーの20℃塩化メ
チレン溶液中で測定した極限粘度[η]は0.15dl
/gであり、横型攪拌重合槽12出口の極限粘度[η]
は0.45dl/gであった。
【0040】得られたポリカーボネートの色相は、1.
3であった。
【0041】
【比較例1】予熱器15、15' 、16を使用せず、ま
た下記の反応条件を使用した以外は、実施例1と同様に
して実施した。各重合槽出口ポリマーの20℃塩化メチ
レン溶液中で測定した極限粘度[η]は、前重合槽8出
口では0.06dl/g、前重合槽8' 出口では0.1
5dl/g、横型攪拌重合槽12出口では0.45dl
/gであった。
【0042】 圧力 温度 温度差* (torr) (℃) (℃) 前重合槽8 100 210 145 前重合槽8' 15 250 105 横型攪拌重合槽12 0.3 285 70 *温度差は実施例1と同じ。
【0043】得られたポリカーボネートの色相は、1.
7であった。
【0044】以上のように、本発明の方法により得られ
た芳香族ポリカーボネートは、比較例1のものに対して
著しく色相が優れていた。
【0045】
【発明の効果】本発明の方法では、生成した芳香族ポリ
カーボネートの極限粘度[η]を指標として反応器にお
けるポリマー温度と加熱媒体の温度差を所定値に保持す
るので、反応器内でポリマー温度を急激に上昇させるこ
となく、かつ反応器内ポリマーの粘度に適した加熱状態
を実現することができる。したがって、着色物質の生成
を防止することができ、生成した芳香族ポリカーボネー
トは優れた色相を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法のフローシートである。
【符号の説明】
1,2,6,10,10' ,14.配管 3,3´.触媒導入口 4.撹拌槽 5,9,9' ,13.ポンプ 7,7' ,11.ベント用導管 8,8' .前重合槽 12.横型攪拌重合槽 15,15' ,16.予熱器 17,17' ,18.熱媒体用ジャケット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 和彦 山口県玖珂郡和木町和木6丁目1番2号 日本ジーイープラスチックス株式会社 内 (72)発明者 岸村 小太郎 山口県玖珂郡和木町和木6丁目1番2号 日本ジーイープラスチックス株式会社 内 (56)参考文献 特開 平2−175722(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 64/00 - 64/42

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも二基の反応器を直列に用い
    て、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとを溶
    融重縮合して芳香族ポリカーボネートを製造する方法に
    おいて、反応器におけるポリマー温度と加熱媒体の温度
    差を、生成した芳香族ポリカーボネートの極限粘度
    [η]が0.20以下のときは100℃以下とし、
    [η]が0.20を越え0.35以下のときは80℃以
    下とし、[η]が0.35を越えるときは50℃以下と
    することを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 ポリマーを予熱器で加熱した後、反応器
    に供給することを特徴とする請求項1記載の方法。
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