JP3187957B2 - 芳香族ポリカーボネートの製造法 - Google Patents

芳香族ポリカーボネートの製造法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、芳香族ポリカーボネー
トの製造法に関し、色相の優れた芳香族ポリカーボネー
トを提供するものである。
【0002】
【従来の技術】芳香族ポリカーボネートは、耐衝撃性な
どの機械的特性に優れ、しかも耐熱性、透明性などにも
優れており、広く用いられている。芳香族ポリカーボネ
ートの製造方法としては、ビスフェノールAなどの芳香
族ジヒドロキシ化合物とホスゲンとを直接反応させる方
法(界面法)、あるいはビスフェノールAなどの芳香族
ジヒドロキシ化合物とジフェニルカーボネートなどの炭
酸ジエステルとを溶融状態でエステル交換反応(重縮合
反応)させる方法などが知られている。現在一般に実施
されているのは前者の方法であるが、後者の方法はホス
ゲンのような取扱いの面倒な化合物を用いないので将来
有望であると考えられる。
【0003】一般には、固体として入手されるビスフェ
ノールA(融点 156℃)及び同じく固体であるジフェニ
ルカーボネート(融点80℃)を別々にまたは混合して加
熱溶融し、両化合物の混合溶液に触媒を加えて重縮合さ
せる。
【0004】しかし、溶融状態での反応のために長時間
高温に曝されるので、製品ポリカーボネートが着色して
いるという欠点がある。
【0005】芳香族ポリカーボネートは、光学用途に用
いられることが多く、従って出来るだけ優れた色相、す
なわち黄色味が少なくて透明性が良いものが望まれてい
る。そして、そのために色々の触媒系が提案されている
(特開平4-89824 号、特開平3-203928号)。
【0006】高純度の芳香族ジヒドロキシ化合物を用い
ることにより、製品ポリカーボネートの着色を少なくし
ようとする試みも知られている。高純度の芳香族ジヒド
ロキシ化合物を得るためには、再結晶法、蒸留法及びア
ダクト形成法が知られている。また、アダクト自体を反
応原料として用いて炭酸ジエステルと溶融重縮合させる
方法が知られている(特開平4-20523 号)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、色相に優れ
た芳香族ポリカーボネートを製造することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、芳香族ジヒド
ロキシ化合物と炭酸ジエステルとを溶融重縮合して芳香
族ポリカーボネートを製造する方法において、原料芳香
族ジヒドロキシ化合物は精製後に溶融状態で得られたも
のであり、これを固化することなく溶融状態のままで酸
素の実質的不存在下で撹拌器又は反応器に供給し、炭酸
ジエステルと混合して重縮合反応を行うことを特徴とす
る方法である。
【0009】本発明により得られた芳香族ポリカーボネ
ートは、従来法、つまり精製した芳香族ジヒドロキシ化
合物を一旦固体とし、使用の前に融点以上に加熱溶融し
て用いる方法により得た原料を用いる場合に比べて、著
しく色相及び耐熱老化性が良い。
【0010】本発明において、芳香族ジヒドロキシ化合
物は、下記式[I]
【0011】
【化1】 (ここで、Xは
【0012】
【化2】 −O−、−S−、−SO−または−SO2 −であり、R
1 及びR2 は水素原子または1価の炭化水素基であり、
3 は2価の炭化水素基である。また芳香核は、1価の
炭化水素基を有していてもよい。)で示される化合物で
ある。
【0013】かかる芳香族ジヒドロキシ化合物として、
たとえばビス(4-ヒドロキシフェニル)メタン、1,1-ビ
ス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、2,2-ビス(4-ヒド
ロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフ
ェニル)ブタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)オ
クタン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)フェニルメタ
ン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-1- メチルフェニル)プロ
パン、1,1-ビス(4-ヒドロキシ-3-t- ブチルフェニル)
プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3- ブロモフェニ
ル)プロパンなどのビス(ヒドロキシアリール)アルカ
ン類、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロペンタ
ン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン
などのビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、
4,4'- ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4'- ジヒド
ロキシ-3,3'-ジメチルフェニルエーテルなどのジヒドロ
キシアリールエーテル類、4,4'- ジヒドロキシジフェニ
ルスルフィド、4,4'- ジヒドロキシ-3,3'-ジメチルジフ
ェニルスルフィドなどのジヒドロキジシアリールスルフ
ィド類、4,4'- ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、
4,4'- ジヒドロキシ-3,3'-ジメチルフェニルスルホキシ
ドなどのジヒドロキシジアリールスルホキシド類、4,4'
- ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4'- ジヒドロキ
シ-3,3'-ジメチルジフェニルスルホンなどのジヒドロキ
シジアリールスルホン類などが挙げられ、特に2,2-ビス
(4-ヒドロキシフェニル)プロパン(いわゆるビスフェ
ノールA)が好ましい。
【0014】一般に入手できる芳香族ジヒドロキシ化合
物は、不純物特にその構造異性体を含有している。たと
えば、ビスフェノールAの場合、2-(4'-ヒドロキシフェ
ニル)-2-(2'-ヒドロキシフェニル)プロパンを不純物と
して含むので、これを精製する必要がある。精製法とし
ては、水または有機溶媒による再結晶、溶融再結晶(ゾ
ーンメルト再結晶)蒸留、あるいはフェノール類とのア
ダクトを作る方法などがあるが、本発明では精製後に溶
融状態で被精製物が得られる蒸留法又はアダクトを作る
方法が好ましい。蒸留法自体は特に説明を要しないであ
ろう。アダクト法について説明すると、たとえばビスフ
ェノールと上記不純物の混合物に大過剰のフェノールを
加えると、ビスフェノールAはフェノールと付加体を形
成して沈殿するが、不純物はフェノールとは付加体を形
成しない。生成したビスフェノールAとフェノールとの
付加体である沈殿物を液から分離した後、分離された沈
殿を、フェノールが蒸散する程度の温度に加熱すること
により(例えば 180℃程度の不活性ガスを長時間吹き付
けることにより)、付加体を構成していたフェノールが
除去され、純度の高いビスフェノールAを得ることがで
きる。このようにして得られたビスフェノールAは、非
常に純度が高い。かくして精製されたビスフェノールA
は溶融状態にあり、本発明ではこれを固化させることな
く、酸素と接触しないよう配慮して撹拌器又は反応器に
供給される。フェノールが完全には除去されずに10%程
度残存していても重合工程中に留去されるので、製品に
対して悪影響はないので、これは好適に使用される。
尚、上記ではビスフェノールAとフェノールのアダクト
の場合について述べたが、アダクトを形成する他の組み
合わせも可能である。
【0015】固体状の芳香族ジヒドロキシ化合物を使用
する場合に比べて、本発明方法によると製品ポリカーボ
ネートの色相及び耐熱化性が著しく良い。これは、本発
明においては芳香族ジヒドロキシ化合物の熱履歴が短い
こと、及び酸素との接触がなく、また、酸素を撹拌器又
は反応器に持ち込まない(一旦粉末にすると、空気中酸
素を多かれ少なかれ同伴して持ち込む)ことによるもの
と思われる。
【0016】炭酸ジエステルは、たとえばジフェニルカ
ーボネート、ジトリールカーボネート、ビス(クロロフ
ェニル)カーボネート、m-クレジルカーボネート、ジナ
フチルカーボネート、ビス(ジフェニル)カーボネー
ト、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジ
ブチルカーボネート、ジシクロヘキシルカーボネートな
どであり、特にジフェニルカーボネートが好ましい。撹
拌器又は反応器に供給される炭酸ジエステルは、固体状
又は溶融液体状のいずれでもよい。しかし、蒸留などの
精製後に液状ものを固化せずにそのまま供給することが
好ましい。
【0017】なお、上記のような炭酸ジエステルは、好
ましくは50モル%以下さらに好ましくは30モル%以下の
量のジカルボン酸あるいはジカルボン酸エステルを含有
していてもよい。ジカルボン酸あるいはジカルボン酸エ
ステルとしては、テレフタル酸、イソフタル酸、テレフ
タル酸ジフェニル、イソフタル酸ジフェニルが挙げられ
る。ジカルボン酸あるいはジカルボン酸エステルを炭酸
ジエステルと併用した場合には、ポリエステルポリカー
ボネートが得られる。
【0018】炭酸ジエステルは、芳香族ジヒドロキシ化
合物1モルに対して、0.90〜1.30モル好ましくは0.95〜
1.20モルの量で用いられることが望ましい。
【0019】1分子中に3以上の官能基(好ましくはフ
ェノール性水酸基またはカルボキシル基)を有する化合
物をさらに加えることができ、好ましくは芳香族ジヒド
ロキシ化合物1モルに対し 0.001〜0.03モル、特に 0.0
01〜0.01モルの量で用いる。かかる化合物の例は、特開
平4-89824 号公報に記載されている。
【0020】本発明において、反応容器中で芳香族ジヒ
ドロキシ化合物と炭酸ジエステルは均一な溶液を形成す
べきであり、このために撹拌器又は反応器内温度は50℃
以上、好ましくは50〜270 ℃に保たれる。該温度を芳香
族ジヒドロキシ化合物の融点より下に設定することによ
り、製品ポリカーボネートの色相が著しく改善される。
たとえば、ビスフェノールAの融点は156 ℃であるが、
ジフェニルカーボネート(融点80℃)の溶融物にこれを
溶解すると120 ℃以上で均一な溶液となる。混合系にフ
ェノールが存在すると、均一溶液を形成する下限温度は
更に低下し、50℃で均一溶液が得られる。フェノールは
重合工程で留去されるので、製品ポリカーボネートに悪
影響はない。
【0021】重縮合反応は触媒の存在下で進行する。触
媒としては、公知のいかなる触媒も用いることができ
る。たとえば、特開平2-124934号公報に記載されている
(a)含窒素塩基性化合物及び (b)アルカリ金属化合物ま
たはアルカリ土類金属化合物から成る触媒系、またはさ
らに (c)ホウ酸またはホウ酸エステルから成る触媒系を
用いることができる。特開平4-46927 号及び4-46928 号
公報に記載されている電子供与性アミン化合物と水素化
ホウ素カリウムまたはアルカリ金属化合物もしくはアル
カリ土類金属化合物から成る触媒系を用いることもでき
る。また、特開昭60-51719号公報に記載されている含窒
素塩基性化合物とホウ素化合物から成る触媒系を用いる
ことができる。
【0022】重合反応において、末端封止剤として種々
のフェノール類を用いることができ、たとえば特開平2-
175723号公報に記載されているものを挙げることができ
る。
【0023】重合装置は公知のいかなるものも用いるこ
とができ、連続式、半連続式あるいは回分式のいずれで
もよいが、連続式が好ましい。一般に、反応系の粘度が
低い前重合段階と粘度が高い後重合段階とでは、異なる
攪拌様式の反応器を用いる。
【0024】一例を図1に示す。製造工程(A)からの
芳香族ジヒドロキシ化合物はフェノール類とアダクトと
形成し、アダクトが不純物から分離され(B)、続いて
加熱によりフェノール類を解離する(C)。フェノール
類は別途回収される(D)。一方、炭酸ジエステルは蒸
留精製され、溶融状態にある(E)。攪拌槽4は、垂直
回転軸に取り付けた攪拌翼を有し、これに上記した溶融
状態の芳香族ジヒドロキシ化合物及び炭酸ジエステルを
夫々配管1及び2を通して連続供給する。溶融状態の芳
香族ジヒドロキシ化合物は酸素と接触しないようにして
供給され、撹拌槽雰囲気にも酸素が実質上存在しないよ
うにする。このために、たとえば窒素ガスで攪拌槽をパ
ージする。撹拌槽には触媒が配管3を通して供給され、
上記反応原料と混合される。撹拌槽4を複数個直列に設
け、設定温度を順次高くすることにより、反応原料の溶
解を極力低温で円滑に行うようにすることもできる。
【0025】混合された原料はポンプ5により配管6を
通って前重合槽8に供給される。前重合槽には、垂直回
転軸を有する攪拌翼が備えられている。上部に備えられ
たベント用導管7により槽内は減圧に保たれる。該導管
7を介して吸引された副生フェノール及び一部の未反応
モノマーは夫々精留されて、フェノールは系外に出さ
れ、未反応モノマーは重合槽に戻される。なお、前重合
槽に、配管3′を通して、更に触媒を供給してもよい。
【0026】前重合槽8は一つ以上シリーズに設けるこ
とができ、好ましくは2〜4つ設けられ、下流のものほ
ど反応条件を厳しくする。第一前重合槽における反応温
度は、通常50〜270 ℃、好ましくは 150〜260 ℃の範囲
であり、また圧力は常圧から6mmHgまで減圧すること
ができ、下限は、好ましくは 400〜6mmHg、特に好ま
しくは 300〜6mmHgの範囲に設定することができる。
【0027】第二及び以降の前重合槽における反応温度
は、通常 180〜300 ℃、好ましくは200 〜280 ℃の範囲
であり、また圧力は1〜50mmHg、好ましくは1〜30mm
Hgの範囲である。
【0028】以上においてある程度の重合度になった芳
香族ポリカーボネートはたとえば、20℃塩化メチレン溶
液中で測定した極限粘度[η]が0.05〜0.5 dl/g 、好
ましくは0.10〜0.45dl/g 、さらに好ましくは0.10〜0.
4 dl/g である。
【0029】次に、該反応混合物を横型攪拌重合槽12に
供給する。この横型攪拌重合槽は、一本または2本以上
の水平な回転軸を有し、この水平回転軸に円板型、車輪
型、櫂型、棒型、窓枠型などの攪拌翼を1種または2種
以上組み合わせて、回転軸当たり少なくとも2段以上設
置されており、この攪拌翼により反応溶液をかき上げま
たは押し広げて反応溶液の表面更新を行う横型高粘度液
処理装置である。そこでの反応温度は、通常 240〜320
℃、好ましくは 250〜310 ℃の範囲であり、また圧力は
20mmHg以下、好ましくは10mmHg以下である。
【0030】横型攪拌重合槽は、少なくとも一つ、好ま
しくは一つないし二つをシリーズに設ける。最後の横型
攪拌重合槽の底部からギアポンプ13により粘稠なポリマ
ーが取り出され、20℃の塩化メチレン溶液中で測定した
極限粘度[η]が 0.2〜1.0dl/g 、好ましくは0.25〜
0.9 dl/g 、さらに好ましくは0.3 〜0.8 dl/g である
ポリカーボネートを得る。横型攪拌重合槽で重縮合反応
を行った後2軸ベント式押出機でさらに反応させること
もできる。2軸ベント式押出機を用いる場合、前段の横
型攪拌重合槽にて重縮合反応がかなりすすんでいるた
め、2軸ベント式押出機の反応条件を緩和することがで
き、ポリカーボネートの品質劣化を防止することが可能
となる。
【0031】上記の反応装置及び反応条件は単に例であ
り、これに限定されない。たとえば、特開平2-153923号
乃至2-153927号及び特開平2-175722号公報に記載される
装置及び条件を用いることができる。
【0032】
【発明の効果】本発明により作られた芳香族ポリカーボ
ネートは、優れた色相を有する。従来法においては精製
した芳香族ジヒドロキシ化合物は一旦粉末として貯蔵し
た後に使用していたのに対し、本発明では溶融状態のま
ま使用するので熱履歴が短く、また酸素との接触がない
こと、及び粉末を融点より相当上の温度に加熱して溶融
する工程が本発明ではないこと、及び共に溶融状態にあ
る芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルを芳香族
ジヒドロキシ化合物の融点よりはるかに下の温度で均一
相互溶液にでき、重合を比較的低い温度から開始して行
くことができることの故に本発明の効果が生じると推定
される。
【0033】
【実施例】ポリカーボネートの色相は、下記の方法で測
定した。3mm厚の射出プレートのX、Y、Z値を日本電
色工業(株)のColor and Color Di
fference Meter ND‐1001Dを用
い、透過法にて測定し、黄色度の尺度としてYI値を用
いた。
【0034】 YI=(100 /Y)×(1.277 X−1.060 Z) 耐熱老化性の評価のため、上記3mm厚の射出プレート
を140 ℃のギアオーブン(GHPS−212、田葉井製
作所、空気置換71.6回/時)中に1週間保持後にYIを
求めた。
【0035】
【実施例1】重合反応装置は、図1に示したものを使用
した。前重合槽は二つ、横型攪拌重合槽は二つである。
各々の反応条件は、下記の通りである。
【0036】 圧力 温度(℃) 平均滞留時間(hr) 攪拌槽 窒素雰囲気 130 2.0 前重合槽I 100 torr 210 1.0 前重合槽II 20 torr 240 0.5 横型攪拌重合槽I 3 torr 285 0.5 横型攪拌重合槽II 0.3 torr 290 0.5 アダクト法で精製した後、直接配管にて送液されてきた
溶融状態のビスフェノールA(供給速度36.0kg/h
r)、蒸留後に直接配管にて送液されてきた溶融状態の
ジフェニルカーボネート(供給速度34.7kg/hr)、
および触媒としてテトラメチルアンモニウムハイドロオ
キサイド(供給速度3.6 g/hr)、水酸化ナトリウム
(供給速度3.2 mg/hr)を、上記の温度に保った攪
拌槽に連続して供給し、ビスフェノールA換算で36kg
/hrの供給速度で前重合槽I、前重合槽II、横型攪
拌重合槽I、横型攪拌重合槽IIに順次供給し、上記反
応条件下で重合を行い、ポリカーボネートを製造した。
得られたポリカーボネートの極限粘度は、20℃の塩化メ
チレン中で、0.50dl/gであった。色相は、1.15であ
った。耐熱老化試験後の色相は3.25であった。
【0037】
【実施例2】蒸留後のジフェニルカーボネートを系外で
一旦冷却固化したジフェニルカーボネートの粉末を用い
た以外は、実施例1と同様にポリカーボネートを製造し
た。得られたポリカーボネートの極限粘度は、20℃の塩
化メチレン中で、0.50dl/gであった。色相は、1.30
であった。耐熱老化試験後の色相は3.36であった。
【0038】
【比較例1】アダクト法で精製した後、プリル状に冷却
固化されたビスフェノールA粉末を撹拌槽に供給した以
外は、実施例1と同様にポリカーボネートを製造した。
得られたポリカーボネートの極限粘度は、20℃の塩化メ
チレン中で、0.50dl/gであった。色相は、1.44であ
った。耐熱老化試験後の色相は4.52であった。
【0039】
【比較例2】アダクト法で精製した後、プリル状に冷却
固化されたビスフェノールA粉末、蒸留後のジフェニル
カーボネートを系外で一旦冷却化固化したジフェニルカ
ーボネートの粉末を撹拌槽に供給した以外は、実施例1
と同様にポリカーボネートを製造した。得られたポリカ
ーボネートの極限粘度は、20℃の塩化メチレン中で、0.
50dl/gであった。色相は、1.64であった。耐熱老化
試験後の色相は5.13であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法のフローシートである。
【符号の説明】
A:芳香族ジヒドロキシ化合物製造工程 B:アダクト形成及び分離工程 C:アダクト解離工程 D:フェノール類回収工程 E:炭酸ジエステル製造工程 1,2,6,10,14 配管 3,3′触媒導入口 4 攪拌槽 5,9,13 ポンプ 7,11 ベント用導管 8 前重合槽 12 横型攪拌重合槽 m≧1, n≧1
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 64/00 - 64/42

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエス
    テルとを溶融重縮合して芳香族ポリカーボネートを製造
    する方法において、原料芳香族ジヒドロキシ化合物は精
    製後に溶融状態で得られたものであり、これを固化する
    ことなく溶融状態のままで酸素の実質的不存在下で撹拌
    器又は反応器に供給し、炭酸ジエステルと混合して重縮
    合反応を行うことを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 芳香族ジヒドロキシ化合物がビスフェノ
    ールAであり、炭酸ジエステルがジフェニルカーボネー
    トである請求項1の方法。
  3. 【請求項3】 原料芳香族ジヒドロキシ化合物は、芳香
    族ジヒドロキシ化合物とフェノール類とのアダクトを加
    熱してアダクトを解離させることにより精製されたもの
    である請求項1の方法。
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