JP3216820U - 5軸制御工作機械 - Google Patents

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Abstract

【課題】作業空間を有効に利用して加工作業工程の効率を高めることができる5軸制御工作機械を提供する。【解決手段】ベッド内の加工動作可能領域MSの左側壁に、略四角柱縦長形状であり、その中央部がA軸周りに回転可能に枢支されたA軸回転体11が備わっている。A軸回転体11は、A軸回転駆動モータ15により回転駆動される。また、A軸回転体11の一端には、C軸回転駆動体12が備わっており、その他端には、油圧駆動される心押し台13が備わっている。また、C軸回転駆動体12には、ワークWを把持可能なものであって、そのC軸回転駆動体12によりC軸周りに回転駆動されるチャック14が取り付けられている。ワークWの一端をチャック14で把持し、その他端を心押し台13で支持した状態で、C軸回転駆動体12によりチャック14を回転させると、ワークWがC軸周りに回転することになる。【選択図】図1

Description

本考案は、5軸制御工作機械に関し、例えば、ブレード加工に利用される5軸制御工作機械に関する。
いわゆる5軸制御により、主軸に工具を装着した工具により加工対象物(以下、「ワーク」と称する)に対して切削加工を行うマシニングセンタ等の工作機械が普及している。ここで、5軸というのは、工具のワークに対する、3次元空間の互いに直交する方向の移動を規定する直進移動軸(X,Y,Z)の3軸と、工具に対する、ワーク自体の回転とワークの旋回を規定する回転中心軸(A,C)の2軸である。このような5軸に関して動作制御することにより、例えば航空機エンジンのブレード形状のような複雑に湾曲する部品も加工できる。かかる工作機械を開示したものとして、例えば、特許文献1乃至5がある。なお、工具とワークとの間の旋回動作で、物理的に工具側を旋回させる構成のものもある。
ここで、工具に対する、ワーク自体の回転とワークの旋回の動作に注目すると、例えば特許文献2においては、ワーク(30)が円形のロータリテーブル(11a)上に載置され、そのロータリテーブルが回転することにより、ワークがC軸回転するようになっている。また、そのロータリテーブルがチルトテーブル(11b)上に載置され、そのチルトテーブルがA軸周りに旋回することにより、ワークがA軸旋回するようになっている。他の特許文献においても、基本構造は同じである。
特開2003−266275号公報 特開2007−219951号公報 特開2008−73813号公報 特開2011−255442号公報 特開2012−30338号公報
上述の従来の5軸制御工作機械における、ワークの工具に対するA軸旋回機構においては、ワークが載置されたテーブルがA軸についてチルトすることにより実現しているのであるが、そのテーブルは、ワークに対して相対する両端がA軸回動するように枢支されている。簡単に言えば、いわゆる“両持ち構造”となっている。しかしながら、かかる構造では、無駄にスペースをとってしまうという課題があった。
本考案は上述のような事情から為されたものであり、本考案の目的は、作業空間を有効に利用して加工作業工程の効率を高めることができる5軸制御工作機械を提供することにある。
上記目的を達成するため、本考案の5軸制御工作機械は、工具自動交換装置を備え、その工具把持交換機構が、複数の工具から所望の工具を選択して、把持、移動し、主軸に取り付けると共に、加工後の工具を撤退させることが可能であり、第一回転動作軸についてワークを回転させると共に、その第一回転動作軸に直交する第二回転動作軸についてベッド部に対して前記ワークを回転させつつ、また、その1つが前記第二回転動作軸と同方向の互いに直交する第一、第二、及び第三直進動作軸について主軸に取付けられる工具を前記ベッド部に対して三次元的に移動させつつ、前記工具により前記ワークをブレード形状に加工可能な5軸制御工作機械であって、前記ワークを前記ブレード形状に加工可能とするため、前記第二回転動作軸について、第二回転動作軸駆動モータにより回転可能なように、その軸方向の一端が、前記ベッド部の加工動作可能領域の側壁に枢支される回転体と、前記回転体の、前記第一回転動作軸方向の両端にあって、前記ワークを、前記第一回転動作軸について回転可能なように前記第一回転動作軸方向から挟持する一対の挟持部材とを備え、前記一対の挟持部材は、一方に前記ワークを把持するチャック及びそのチャックを回転駆動させる駆動体と、他方に前記ワークを軸支する心押し台とを含み、前記回転体は、略四角柱縦長形状であり、その両端に前記一対の挟持部材が固定されており、前記主軸は、前記回転体が前記第二回転動作軸に関して回転しても、その第二直進動作軸方向の移動のストローク内で、前記一対の挟持部材と干渉しないように移動動作するように構成され、前記回転体が、その軸について−90度回転し、前記第一回転動作軸が第二直進動作軸に対して直交している状態を成すことを要旨とする。
また、特に、前記回転体及び前記一対の挟持部材に並列して段取りテーブルを更に備えていてもよい。
あるいは、前記回転体及び前記一対の挟持部材と同じ他の一組を更に備えていてもよい。
本考案の5軸制御工作機械によれば、作業空間を有効に利用して加工作業工程の効率を高めることができる。特に、段取りテーブルを設ければ、より多彩な同時的複合加工が可能となり、また、いわゆるタンデム加工とすれば、加工に要する全時間を短縮することができる。
本考案の5軸制御工作機械における一実施形態の平面図である。 本考案の5軸制御工作機械における一実施形態の正面図である。 本考案の5軸制御工作機械における一実施形態の側面図である。 A軸及びC軸動作に係る構造体の詳細を示す斜視図である。 主軸とワークの動作上の相対的位置関係を説明するための図である。 主軸とワークの動作上の相対的位置関係を説明するための図である。 コンパクト化により生じた領域の有効利用の具体例を説明するための図である。
以下、図面を参照して、本考案の実施の形態について詳細に説明する。図1、図2、及び図3は、それぞれ、本考案の5軸制御工作機械における一実施形態の平面図、正面図、及び側面図である。
図1乃至図3を参照しつつ、本考案の一実施形態たる5軸制御工作機械100は、基礎であるベッド20と、そのベッド20に対してY軸方向に摺動可能なY軸移動体(コラム)30と、そのY軸移動体30に対してX軸方向に摺動可能なX軸移動体40と、そのX軸移動体40に対してZ軸方向に摺動可能なZ軸移動体50とを備えている。また、Z軸移動体50の下部には、Z軸と同方向の軸を有する主軸51が設けられ、その主軸51の下端に、工具が取り付け可能となっている。主軸51に取り付けられた工具は、その主軸51に内蔵された主軸モータ(図示せず)により主軸周りに回転可能となる。
ここで、Y軸移動体30、X軸移動体40、及びZ軸移動体50は、それぞれ、Y軸駆動モータ31、X軸駆動モータ(図示せず)、及びZ軸駆動モータ(図示せず)により駆動されて、それぞれの軸方向に移動する。以上の構造により、主軸モータにより回転状態にある工具が、ベッド20に対して3次元的に相対移動が可能となり、この動作により、後述するワークWに対する3次元的な接近/離反動作を実現している。
また、5軸制御工作機械100は、工具自動交換装置60を備えており、その工具把持交換機構61が、複数の工具から所望の工具を選択して、把持、移動し、主軸51に取り付けると共に、加工後の工具を撤退させることが可能となっている。また、上述及び後述の機械的動作の制御は、NC(Numerical Control)制御部70により行われる。更に、5軸制御工作機械100は、操作/表示パネル80を備えている。なお、5軸制御工作機械100は、他に様々な構成を有しているが、ここでは省略する。
次に、図4をも参照することにより、A軸及びC軸動作に係る構造体について説明する。図4は、その詳細構造を示す図である。そこで、A軸は、図1及び図2に示すように、X軸に平行な軸であり、C軸は、図1に示すように、A軸に対して直交する軸であると共に、後に詳述するように、A軸回転に伴ってY軸とZ軸で画定される平面内を回動可能な軸である。
そこで、図1及び図2に示すように、ベッド20内の加工動作可能領域MSの左側壁に、略四角柱縦長形状であり、その中央部がA軸周りに回転可能に枢支されたA軸回転体11が備わっている。A軸回転体11は、A軸回転駆動モータ15により回転駆動される。また、A軸回転体11の一端には、C軸回転駆動体12が備わっており、その他端には、油圧駆動される心押し台13が備わっている。また、C軸回転駆動体12には、ワークWを把持可能なものであって、そのC軸回転駆動体12によりC軸周りに回転駆動されるチャック14が取り付けられている。
動作としては、ワークWの一端をチャック14で把持し、その他端を心押し台13で支持した状態で、C軸回転駆動体12によりチャック14を回転させると、ワークWがC軸周りに回転することになる。従って、チャック14がC軸回転し、かつ、A軸回転体11A軸回転駆動モータ15によりA軸について回転すると、ワークWは、C軸について自転しつつ、A軸について回転するような動作となる。このワークWの、C軸及びA軸に関する回転によるベッド20に対する相対動作と、工具のX軸、Y軸、及びZ軸に関する移動によるベッド20に対する相対動作により、工具によるワークWへの5軸制御加工が実現できる。なお、図3における2点鎖線は、A軸回転体11の両端の回転軌跡を表している。
このように本考案の一実施形態の5軸制御工作機械100にあっては、ワークWのベッド20に対する相対的A軸回転を実現する部材を、ワークWについてA軸方向一端でベッド20に対して枢支するように構成している。簡単に言えば、いわゆる片持ち構造としている。また、それに伴って、ワークのC軸回転を規定する構造としては、A軸回転体11にそれぞれ固定されたC軸回転駆動体12及び心押し台13によりワークWを挟持する構造を採用している。従って、本考案の一実施形態の5軸制御工作機械100にあっては、A軸及びC軸動作に係る構造体を、いわゆる両持ち構造の従来と比してコンパクトに構成できる利点がある。
次に、図5及び図6を参照して、主軸51とワークWの動作上の相対的位置関係について説明する。図5(a)は、A軸及びC軸動作に係る構造体の部分の部分正面図(図2に対応)であり、当該構造体に対する、主軸51のX軸及びZ軸に係る相対移動のストロークを示している。
また、図5(b)及び図6(a)〜(c)は、同様に、A軸及びC軸動作に係る構造体の部分の部分側面図(図3に対応)であり、当該構造体に対する主軸51のY軸に係る相対移動と、当該構造体のA軸回転動作の関係を示している。詳細には、図5(b)は、C軸の方向とY軸の方向が一致している場合(このとき、例えば、A軸の回転を0度とする)を示しており、そのときの主軸51のY軸方向の移動(ワークWに対する長手方向の移動)のストロークを示している。なお、図3と同様、二点鎖線は、A軸回転体11の両端の回転軌跡を表している。また、図6(a)は、同様に、主軸51のY軸方向の移動のストロークを示すものであり、特に、構造体がA軸について45度回転し、つまり、C軸がY軸に対して45度傾いている状態を示している。また、図6(b)は、同様に、主軸51のY軸方向の移動のストロークを示すものであり、特に、構造体がA軸について−45度回転し、つまり、C軸がY軸に対して−45度傾いている状態を示している。また、図6(c)は、同様に、主軸51のY軸方向の移動のストロークを示すものであり、特に、構造体がA軸について−90度回転し、つまり、C軸がY軸に対して直交している状態を示している。このように、主軸51は、構造体がA軸に関して回転しても、そのC軸回転駆動体12等と干渉しないように移動動作する。
前述のように本考案の一実施形態の5軸制御工作機械100によれば、A軸及びC軸動作に係る構造体をコンパクトに構成できる。従って、加工動作可能領域MSが従来と同様の容積であれば、そのコンパクト化により有意に生じた領域を有効利用できることとなる。図
7は、その利用の具体例を示す図である。図7(a)は、段取り用テーブル16を設けた場合を示している。このように、段取りテーブル16を並置すれば、ワークWの加工に並行して、他のワークのチャッキング部分の加工などの前加工やその他の加工を行うことができ、より複合的な加工が可能となり、多様性が増すと共に、全加工工程の効率化・時間短縮が図れる。また、図7(b)は、A軸及びC軸動作に係る構造体をもう一対設ける態様であり、これによればいわゆるタンデム加工が実現できる。なお、かかる有効利用は、図7に示したものには限られず、当業者であれば他にも想到できるであろう。
以上のように、本考案の5軸制御工作機械における上述の実施形態によれば、作業空間を有効に利用して加工作業工程の効率を高めることができる。
本考案の5軸制御工作機械は、マシニングセンタ、特にブレード加工機として使用できる。
100 5軸制御工作機械、11 A軸回転体、12 C軸回転駆動体、13 心押し台、14 チャック、15 A軸回転駆動モータ、16 段取りテーブル、20 ベッド、30 Y軸移動体、40 X軸移動体、50 Z軸移動体、51 主軸、60 自動工具交換装置、61 工具把持交換機構、70 NC制御部、80 操作/表示パネル、W ワーク、MS 加工動作可能領域
上記目的を達成するため、本考案の5軸制御工作機械は、工具自動交換装置(60)を備える5軸制御工作機械(100)であって、
該工具自動交換装置(60)の工具把持交換機構(61)が、複数の工具から所望の工具を選択して、把持、移動し、主軸(51)に取り付けると共に、加工後の工具を撤退させることが可能であり、
前記5軸制御工作機械(100)は、第一回転動作軸(C軸)についてワーク(W)を回転させると共に、前記第一回転動作軸(C軸)に直交する第二回転動作軸(A軸)についてベッド部(20)に対して前記ワーク(W)を回転させつつ、
また、前記5軸制御工作機械(100)は、互いに直交する第一(X軸)、第二(Y軸)、及び第三(Z軸)直進動作軸であって該第一直進動作軸(X軸)が前記第二回転動作軸(A軸)と同方向である第一(X軸)、第二(Y軸)、及び第三(Z軸)直進動作軸について、主軸(51)に取付けられる工具を前記ベッド部(20)に対して三次元的に移動させつつ、前記工具により前記ワーク(W)をブレード形状に加工可能であって、
更に、前記5軸制御工作機械(100)は、前記ワーク(W)を前記ブレード形状に加工可能とするため、前記第二回転動作軸(A軸)について、第二回転動作軸駆動モータ(15)により回転可能なように、当該軸(A軸)方向の一端が、前記ベッド部(20)の加工動作可能領域(MS)の側壁に枢支される回転体(11)と、前記回転体(11)の前記第一回転動作軸(C軸)方向の両端にあって、前記ワーク(W)を前記第一回転動作軸(C軸)について回転可能なように前記第一回転動作軸(C軸)方向から挟持する一対の挟持部材(12、13)とを備え、
前記一対の挟持部材(12、13)は、一方に前記ワーク(W)を把持するチャック(14)及び該チャック(14)を回転駆動させる駆動体(12)と、他方に前記ワーク(W)を軸支する心押し台(13)とを含み、
前記回転体(11)は、略四角柱縦長形状であり、該回転体(11)の両端に前記一対の挟持部材(12、13)が固定されており、
前記主軸(51)は、前記回転体(11)が前記第二回転動作軸(A軸)に関して回転しても、前記第二直進動作軸(Y軸)方向の移動のストローク内で、前記一対の挟持部材(12、13)と干渉しないように移動動作するように構成され、
前記回転体(11)が、前記第二回転動作軸(A軸)について−90度回転し、前記第一回転動作軸(C軸)が第二直進動作軸(Y軸)に対して直交している状態を成すことを要旨とする。
また、特に、前記回転体(11)及び前記一対の挟持部材(12、13)に並列して段取りテーブル(16)を更に備えていてもよい。
あるいは、前記回転体(11)及び前記一対の挟持部材(12、13)と同じ他の一組を更に備えていてもよい。

Claims (3)

  1. 工具自動交換装置を備え、その工具把持交換機構が、複数の工具から所望の工具を選択して、把持、移動し、主軸に取り付けると共に、加工後の工具を撤退させることが可能であり、第一回転動作軸についてワークを回転させると共に、その第一回転動作軸に直交する第二回転動作軸についてベッド部に対して前記ワークを回転させつつ、また、その1つが前記第二回転動作軸と同方向の互いに直交する第一、第二、及び第三直進動作軸について主軸に取付けられる工具を前記ベッド部に対して三次元的に移動させつつ、前記工具により前記ワークをブレード形状に加工可能な5軸制御工作機械であって、 前記ワークを前記ブレード形状に加工可能とするため、前記第二回転動作軸について、第二回転動作軸駆動モータにより回転可能なように、その軸方向の一端が、前記ベッド部の加工動作可能領域の側壁に枢支される回転体と、 前記回転体の、前記第一回転動作軸方向の両端にあって、前記ワークを、前記第一回転動作軸について回転可能なように前記第一回転動作軸方向から挟持する一対の挟持部材とを備え、前記一対の挟持部材は、一方に前記ワークを把持するチャック及びそのチャックを回転駆動させる駆動体と、他方に前記ワークを軸支する心押し台とを含み、前記回転体は、略四角柱縦長形状であり、その両端に前記一対の挟持部材が固定されており、 前記主軸は、前記回転体が前記第二回転動作軸に関して回転しても、その第二直進動作軸方向の移動のストローク内で、前記一対の挟持部材と干渉しないように移動動作するように構成され、前記回転体が、その軸について−90度回転し、前記第一回転動作軸が第二直進動作軸に対して直交している状態を成すことを特徴とする5軸制御工作機械。
  2. 前記回転体及び前記一対の挟持部材に並列して段取りテーブルを更に備えていることを特徴とする請求項1に記載の5軸制御工作機械。
  3. 前記回転体及び前記一対の挟持部材と同じ他の一組を更に備えていることを特徴とする請求項1に記載の5軸制御工作機械。
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