JP3214588B2 - 冷凍サイクル用配管継手 - Google Patents

冷凍サイクル用配管継手

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JP3214588B2
JP3214588B2 JP00084094A JP84094A JP3214588B2 JP 3214588 B2 JP3214588 B2 JP 3214588B2 JP 00084094 A JP00084094 A JP 00084094A JP 84094 A JP84094 A JP 84094A JP 3214588 B2 JP3214588 B2 JP 3214588B2
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refrigerant pipe
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義昭 高野
伸 西田
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Honda Motor Co Ltd
Denso Corp
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Honda Motor Co Ltd
Denso Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、冷凍サイクルの冷媒蒸
発器と冷媒圧縮機との間に配管される冷媒配管同士の接
続に使用される冷凍サイクル用配管継手に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、車両用空気調和装置等に使用
される冷凍サイクルでは、冷媒蒸発器と冷媒圧縮機とを
接続する配管同士を繋ぎ合わせるための配管継手が用い
られている。この配管継手は、図16に示すように、雌
側継手100と雄側継手200より成る。雌側継手10
0は、一方の冷媒配管300がろう付け接合される配管
接続口110、およびこの配管接続口110と連通する
筒状の中空部を成す嵌合凹部120が形成されている。
雄側継手200は、他方の冷媒配管400がろう付け接
合される配管接続口210、およびこの配管接続口21
0と連通する嵌合凸部220が形成されて、その嵌合凸
部220の先端内周にはテーパ状の傾斜面221が設け
られている。この雌側継手100と雄側継手200は、
嵌合凸部220の先端面と嵌合凹部120の底面との間
に所定のクリアランスCを有して、嵌合凹部120内に
嵌合凸部220が嵌め合わされる。なお、嵌合凹部12
0と嵌合凸部220との間は、Oリング500によって
気密性が保たれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記の配管
継手は、雄側継手200を冷媒の流れ方向に対して上流
側に用いた場合(つまり図16で左側から右側へ冷媒が
流れる時)に以下の問題が生じる。但し、雄側継手20
0を冷媒の流れ方向に対して下流側に用いた場合は特に
問題とはならない。配管継手内を雄側継手200側から
雌側継手100側へ向かって流れる冷媒(特に冷媒圧縮
機の起動時)は、雄側継手200に設けられたろう垂れ
防止用段差部230を通過する時に、雄側継手200の
内壁面より剥離して渦を発生する。この剥離によって発
生した渦が前記のクリアランスCに入り込むと、それま
でクリアランスC内に安定した状態で発生していた渦が
押し出されてクリアランスCから繰り返し剥離する。こ
の渦の剥離が繰り返し起きることによって冷媒配管30
0、400の振動を引き起こし、その結果、共鳴現象に
よって約6kHzの純音が発生することになる。本発明
は、上記事情に基づいて成されたもので、その目的は、
純音の発生を防止することのできる冷凍サイクル用配管
継手の提供にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1に係わる本発明
は、冷凍サイクルの冷媒蒸発器と冷媒圧縮機との間に配
管される一方の冷媒配管と他方の冷媒配管とを接続する
もので、前記一方の冷媒配管が接続される配管接続口、
およびこの配管接続口と連通する円筒状の嵌合凸部が形
成された雄側継手と、前記他方の冷媒配管が接続される
配管接続口、およびこの配管接続口と連通する筒状の中
空部を成す嵌合凹部が形成された雌側継手とから成り、
前記嵌合凸部の先端面と前記嵌合凹部の底面との間に所
定の隙間を有して前記嵌合凹部内に前記嵌合凸部が嵌め
合わされる冷凍サイクル用配管継手において、前記雌側
継手は、前記他方の冷媒配管に繋がる流路部の内径が前
記他方の冷媒配管の内径より小さく設けられ、前記雄側
継手は、前記一方の冷媒配管に繋がる流路部の内径が前
記一方の冷媒配管の内径より小さく設けられ、且つ前記
嵌合凸部の先端内周側にテーパ状の傾斜面が全周に設け
られて、前記傾斜面と前記先端面を含む平面との成す傾
斜角度を50°以上に設けるという技術的手段を採用す
る。
【0005】請求項2に係わる本発明は、冷凍サイクル
の冷媒蒸発器と冷媒圧縮機との間に配管される一方の冷
媒配管と他方の冷媒配管とを接続するもので、前記一方
の冷媒配管が接続される配管接続口、およびこの配管接
続口と連通する円筒状の嵌合凸部が形成された雄側継手
と、前記他方の冷媒配管が接続される配管接続口、およ
びこの配管接続口と連通する筒状の中空部を成す嵌合凹
部が形成された雌側継手とから成り、前記嵌合凸部の先
端面と前記嵌合凹部の底面との間に所定の隙間を有して
前記嵌合凹部内に前記嵌合凸部が嵌め合わされる冷凍サ
イクル用配管継手において、前記雄側継手は、前記一方
の冷媒配管に繋がる流路部の内径が前記一方の冷媒配管
の内径より小さく設けられ、前記雌側継手は、前記他方
の冷媒配管に繋がる流路部の内径が前記他方の冷媒配管
の内径より小さく設けられ、且つ前記嵌合凹部の底面内
周側にテーパ状の傾斜面が全周に設けられて、前記傾斜
面と前記底面を含む平面との成す傾斜角度を50°以上
に設けるという技術的手段を採用する。
【0006】請求項3に係わる本発明では、請求項1記
載の冷凍サイクル用配管継手において、前記雌側継手
は、前記嵌合凹部の底面内周側にテーパ状の傾斜面を全
周に設けるという技術的手段を採用する。
【0007】請求項4に係わる本発明では、請求項2記
載の冷凍サイクル用配管継手において、前記雄側継手
は、前記嵌合凸部の先端内周側にテーパ状の傾斜面を全
周に設けるという技術的手段を採用する。
【0008】
【作用】請求項1に係わる本発明では、雄側継手の嵌合
凸部の先端内周側に傾斜角度が50°以上を成すテーパ
状の傾斜面が全周に設けられることから、そのテーパ状
傾斜面から嵌合凹部の底面までの間に、嵌合凹部の底面
と嵌合凸部の先端面との間の隙間を含む空間が形成され
る。また、請求項2に係わる本発明では、雌側継手の嵌
合凹部の底面内周側に傾斜角度が50°以上を成すテー
パ状の傾斜面が全周に設けられることから、そのテーパ
状傾斜面から嵌合凸部の先端面までの間に、嵌合凹部の
底面と嵌合凸部の先端面との間の隙間を含む空間が形成
される。この空間は、請求項1および請求項2の場合と
も、傾斜角度が大きくなる程拡大し、冷媒の流れに伴っ
て空間に発生する渦が安定することになる。つまり、渦
が安定することで、空間から剥離する渦が減少するた
め、冷媒配管の振動に伴う共鳴現象を防止して、純音の
発生を防止することが可能である。
【0009】そこで、傾斜角度と純音の大きさとの関係
をシミュレーションすると、冷媒の流れ方向に係わりな
く、傾斜角度が50°以上の場合は、冷媒配管のピーク
振動数が人間の可聴領域以下となり、純音の発生を防止
することができる。従って、請求項1および請求項2に
係わる本発明では、傾斜角度を50°以上としたことに
より、確実に純音の発生を防止することができる。
【0010】また、請求項3に係わる本発明では、雌側
継手にもテーパ状の傾斜面を設けたことにより、雄側継
手のみにテーパ状の傾斜面を設けた場合より、両継手間
に形成される空間が拡大する。このため、空間に発生す
る渦が安定して、空間からの渦の剥離が減少することか
ら、冷媒配管の振動に伴う共鳴現象を防止して純音の発
生を防止することができる。
【0011】同様に、請求項4に係わる本発明では、雄
側継手にもテーパ状の傾斜面を設けたことにより、雌側
継手のみにテーパ状の傾斜面を設けた場合より、両継手
間に形成される空間が拡大する。このため、空間に発生
する渦が安定して、空間からの渦の剥離が減少すること
から、冷媒配管の振動に伴う共鳴現象を防止して純音の
発生を防止することができる。
【0012】
【実施例】次に、本発明の冷凍サイクル用配管継手の一
実施例を図1ないし図7を基に説明する。図1は冷凍サ
イクル用配管継手の断面図である。本実施例の冷凍サイ
クル用配管継手1(以下配管継手1と言う)は、冷凍サ
イクル2(図4参照)の冷媒蒸発器3と冷媒圧縮機4と
の間に配管される車室内側の冷媒配管5(一方の冷媒配
管)と車室外側の冷媒配管6(他方の冷媒配管)とを繋
ぎ合わせるために使用する。冷凍サイクル2は、冷媒蒸
発器3および冷媒圧縮機4の他に、図4に示すように、
冷媒凝縮器7、レシーバ8、膨脹弁9の各機能部品より
構成された周知のものである。
【0013】配管継手1は、車室外側の冷媒配管6が接
続される雌側継手10と、車室内側の冷媒配管5が接続
される雄側継手11とより成る。なお、車室内側の冷媒
配管5は、車室内外を仕切るダッシュボード(図示しな
い)より車室内側に配されて、冷媒蒸発器3に連絡され
ている。また、車室外側の冷媒配管6は、ダッシュボー
ドより車室外側に配されて、冷媒圧縮機4に連絡されて
いる。
【0014】雌側継手10は、図2に示すように、一端
側(図2の右側)に形成された配管接続口10a、他端
側に形成された嵌合凹部10b、配管接続口10aと嵌
合凹部10bとを連通する連通穴10c、および螺子穴
10dを有する。配管接続口10aは、車室内側の冷媒
配管5(図1参照)が挿入されて、ろう付けによって接
合される。嵌合凹部10bは、配管接続口10aより大
径に設けられた筒状の中空部を成すもので、配管接続口
10aと同心に形成されている。
【0015】連通穴10cは、配管接続口10aの中央
部と嵌合凹部10bの中央部との間を貫通する。ここ
で、連通穴10cは、配管接続口10aの中央部に開口
することから、配管接続口10aと連通穴10cとの間
で全周に渡って段差部10eが形成される。この段差部
10eは、配管接続口10aに車室内側の冷媒配管5を
ろう付けする時のろう垂れを防止する役目を果たす。螺
子穴10dは、雌側継手10の端部を貫通して設けら
れ、雌側継手10と雄側継手11とを固定するためのボ
ルト(図示しない)が螺着される。なお、本実施例の雌
側継手10は、嵌合凹部10bの内径d1 =φ18.3
(mm)、嵌合凹部10bの長さ(深さ)s 1 =9+δ
(mm)、連通穴10cの内径d2 =φ12(mm)に
設けられている。
【0016】雄側継手11は、図3に示すように、他端
側(図3左側)に形成された配管接続口11a、一端側
に形成された嵌合凸部11b、配管接続口11aと嵌合
凸部11bとを連通する連通穴11c、およびボルト穴
11dを有する。配管接続口11aは、車室外側の冷媒
配管6(図1参照)が挿入されて、ろう付けによって接
合される。嵌合凸部11bは、円筒状を成し、配管接続
口11aと同心に形成されている。嵌合凸部11bの外
周には、Oリング12(図1参照)を装着するための周
溝11eが形成されている。また、嵌合凸部11bの先
端内周側には、嵌合凸部11bの先端面11b1 から内
周面11b2 にかけて、テーパ状の傾斜面11fが全周
に形成されている。
【0017】連通穴11cは、配管接続口11aの中央
部と嵌合凸部11bの中空部との間を貫通する。ここ
で、連通穴11cは、配管接続口11aの中央部に開口
することから、雌側継手10の場合と同様に、配管接続
口11aと連通穴11cとの間で全周に渡って段差部1
1gが形成される。この段差部11gは、配管接続口1
1aに車室外側の冷媒配管6をろう付けする時のろう垂
れを防止する役目を果たす。ボルト穴11dは、雄側継
手11の端部を貫通して設けられて、上記のボルトが挿
通される。なお、本実施例の雄側継手11は、嵌合凸部
11bの外形d3=φ18.3(mm)、嵌合凸部11
bの内径d4 =φ12(mm)、嵌合凸部11bの長さ
2 =9(mm)、傾斜面11fの半径方向の長さl=
φ2(mm)、連通穴11cの内径d5 =φ12(m
m)に設けられている。
【0018】この配管継手1は、図1に示すように、雌
側継手10の嵌合凹部10b内に雄側継手11の嵌合凸
部11bが嵌め合わされて、上記のボルトにナット(図
示しない)を締めつけることにより、雌側継手10と雄
側継手11とが固定される。ここで、嵌合凹部10bの
長さs1 より嵌合凸部11bの長さs2 の方が短く設定
されていることから、雌側継手10と雄側継手11とを
組付けた時には、嵌合凸部11bの先端面11b1 と嵌
合凹部10bの底面10b1 との間にクリアランスδ
(本発明の所定の隙間)が形成される。また、本実施例
では、雄側継手11の嵌合凸部11bの先端内周側にテ
ーパ状の傾斜面11fを全周に形成したことにより、そ
の傾斜面11fから嵌合凹部10bの底面10b1 まで
の間に、上記のクリアランスδを含む空間が形成されて
いる。
【0019】次に、本実施例の作動を説明する。冷媒圧
縮機4の起動により、冷媒圧縮機4で圧縮された高温高
圧の冷媒が冷媒凝縮器7で凝縮液化され、レシーバ8を
経て膨脹弁9で減圧される。この減圧された低温低圧の
冷媒は、冷媒蒸発器3で周囲の空気と熱交換されて蒸発
し、配管継手1で接続された車室内側の冷媒配管5およ
び車室外側の冷媒配管6を通って、冷媒圧縮機4に吸引
される。
【0020】ここで、雄側継手11側から雌側継手10
側へ向かって配管継手1内を流れる冷媒の流れをシミュ
レーションにより解析した。なお、図5および図6は嵌
合凸部11bに形成された傾斜面11fと嵌合凸部11
bの先端面11b1 を含む平面との成すテーパ角θ(本
発明の傾斜角度)を45°と設定し、図7は同じくテー
パ角θを60°と設定した時のシミュレーション結果で
ある。
【0021】そのシミュレーション結果によれば、嵌合
凸部11bのテーパ角θを45°と設定した場合は、雄
側継手11の段差部11gを通過した冷媒が、雄側継手
11の内周面11b2 より剥離して渦となって流れ(図
5参照)、上述のクリアランスδを含む空間に入り込
む。これにより、クリアランスδを含む空間に入り込ん
だ渦がクリアランスδを含む空間に形成される渦に影響
を及ぼして、冷媒の流れに乱れが生じる(図6参照)。
一方、嵌合凸部11bのテーパ角θを60°と設定した
場合は、クリアランスδを含む空間に形成される大きな
渦が、雄側継手11の段差部11gで生じた渦によって
影響されることなく安定しているため、冷媒の流れも安
定する(図7参照)。
【0022】このシミュレーション結果からも分かるよ
うに、嵌合凸部11bのテーパ角θ=45°と設定した
時には、冷媒流れの乱れによって冷媒配管5、6に振動
が生じることから、共鳴現象によって純音が発生する。
一方、嵌合凸部11bのテーパ角θ=60°と設定した
時には、クリアランスδを含む空間に形成される渦が安
定して、クリアランスδを含む空間から剥離する渦が減
少することから、冷媒配管5、6の振動に伴う共鳴現象
が抑えられて、純音の発生を防止することができる。
【0023】そこで、嵌合凸部11bのテーパ角θに対
する純音の大きさを実験により測定した。なお、純音の
大きさは、冷媒圧縮機4の起動時における冷媒配管5、
6のピーク振動を測定することで求めた。実験結果は、
図8に示すように、テーパ角θ=45°までは、人間が
明確に聞き取れる程のピーク振動値が測定され、その
後、テーパ角θが大きくなるに連れてピーク振動値が減
少し、テーパ角θ=約50°以上では、人間の可聴領域
以下のピーク振動値となった。従って、本実施例のよう
に雄側継手11側から雌側継手10側へ向かって(図1
の左側から右側へ)冷媒が流れる時には、雄側継手11
の嵌合凸部11bのテーパ角θを50°以上とすること
で、純音の発生を防止することができる。
【0024】次に、本発明の第2実施例を説明する。こ
の実施例は、雌側継手10と雄側継手11との位置を第
1実施例の場合と逆にしたものである。つまり、冷媒蒸
発器3に連絡する車室内側の冷媒配管5(他方の冷媒配
管)に雌側継手10が接続され、冷媒圧縮機4に連絡す
る車室外側の冷媒配管6(一方の冷媒配管)に雄側継手
11が接続されている。雄側継手11の嵌合凸部11b
には、第1実施例と同様に先端内周側にテーパ状の傾斜
面11fが全周に設けられている。
【0025】ここで、第1実施例と同様に、雌側継手1
0側から雄側継手11側へ向かって配管継手1内を流れ
る冷媒の流れをシミュレーションにより解析した。な
お、図9は嵌合凸部11bのテーパ角θを45°と設定
し、図10は同じくテーパ角θを60°と設定した時の
シミュレーション結果である。
【0026】そのシミュレーション結果によれば、雌側
継手10の段差部10eを通過した冷媒が、雌側継手1
0の内壁面より剥離して渦となって流れる。また、上述
のクリアランスδを含む空間には大きな渦が形成されて
いる。この大きな渦は、嵌合凸部11bのテーパ角θが
45°の時でも60°の時でも、段差部10eでの剥離
によって生じた渦に影響されることなく安定しているた
め、配管継手1内の冷媒の流れに大きな乱れは生じな
い。また、クリアランスδを含む空間に形成される渦
は、嵌合凸部11bのテーパ角θが大きくなる程、つま
りクリアランスδを含む空間が拡大する程、安定すると
言える。
【0027】このように、クリアランスδを含む空間に
形成される渦が安定することで、クリアランスδを含む
空間から剥離する渦が減少するため、冷媒配管5、6の
振動に伴う共鳴現象が抑えられて、純音の発生を防止す
ることができる。そこで、嵌合凸部11bのテーパ角θ
に対する純音の大きさを実験により測定した。なお、純
音の大きさは、冷媒圧縮機4の起動時における冷媒配管
5、6のピーク振動を測定することで求めた。
【0028】実験結果は、図11に示すように、嵌合凸
部11bのテーパ角θ=5°までは人間が明確に聞き取
れる程のピーク振動値が測定され、その後、テーパ角θ
が大きくなるに連れてピーク振動値が減少して、テーパ
角θが20°を越える時には、すでに人間の可聴領域以
下のピーク振動値であった。従って、本実施例のよう
に、雌側継手10側から雄側継手11側に向かって冷媒
が流れる時には、嵌合凸部11bのテーパ角θを20°
以上とすることで、純音の発生を防止することができ
る。
【0029】上記第1実施例および第2実施例より分か
るように、テーパ状の傾斜面11fを設けた雄側継手1
1を、冷媒の流れ方向に対して上流側に用いる場合と下
流側に用いる場合とでは、純音の発生を防止できる時の
テーパ角θが異なる。つまり、雄側継手11を冷媒の流
れ方向に対して上流側に用いる場合は、テーパ角θ=5
0°以上で純音の発生を防止できるが、冷媒の流れ方向
に対して下流側に用いる場合は、テーパ角θ=20°以
上で純音の発生を防止することができる。
【0030】しかし、配管の接続に際して、雄側継手1
1を冷媒の流れ方向に対して上流側のみに使用すると
か、下流側のみに使用するといった統一化は難しく、仮
に統一化しても誤って組付けてしまう可能性もある。例
えば、テーパ角θ=20°の雄側継手11を冷媒の流れ
方向に対して下流側のみに使用する場合に、誤って上流
側に組付けた場合には、純音が発生することになる。
【0031】そこで、嵌合凸部11bのテーパ角θを5
0°以上とすれば、冷媒の流れ方向に対して雄側継手1
1を上流側および下流側のどちら側に用いても純音の発
生を防止することができる。また、雄側継手11を接続
する配管を特定する必要がないことから、配管の標準化
を行なうことができ、その結果、生産性の向上を図るこ
とができるとともに、部品管理がし易くなるといった効
果を期待できる。
【0032】次に、本発明の第3実施例を説明する。図
12は本実施例に係わる配管継手1の断面図である。本
実施例は、第1実施例に示す配管継手1において、図1
2に示すように、雌側継手10にもテーパ状の傾斜面1
0fを形成したものである。傾斜面10fは、嵌合凹部
10bの底面10b1 から連通穴10cの内周面10c
1 にかけて全周に形成されている。なお、傾斜面10f
と嵌合凹部10bの底面10b1 を含む平面との成すテ
ーパ角φ(本発明の傾斜角度)は50°以上である必要
はなく、本実施例では45°とした。
【0033】これにより、クリアランスδを含む空間
(雄側継手11の傾斜面11fと雌側継手10の傾斜面
10fとの間に形成される空間)を通過する冷媒の流れ
が滑らかになる。その結果、雌側継手10に傾斜面10
fを設けていない第1実施例と比較して、さらに空間か
らの渦の剥離が減少する。従って、雄側継手11側のみ
だけでなく、雌側継手10側にもテーパ状の傾斜面10
fを設けることにより、より純音の発生を防止すること
ができる。
【0034】次に、本発明の第4実施例を説明する。図
13は本実施例に係わる配管継手の断面図である。上記
第1実施例〜第3実施例では、雄側継手11の嵌合凸部
11bにテーパ状の傾斜面11fを形成した例を示した
が、本実施例では、雌側継手10側のみにテーパ状の傾
斜面10f(図13参照)を設けたものである。なお、
雌側継手10を冷媒の流れ方向に対して上流側に用いる
場合は、第1実施例と同様に、雌側継手10のテーパ角
θを50°以上とすることで純音の発生を防止すること
ができる。また、雌側継手10を冷媒の流れ方向に対し
て下流側に用いる場合は、第2実施例と同様に、雌側継
手10のテーパ角θを20°以上とすることで純音の発
生を防止することができる。
【0035】そこで、雌側継手10のテーパ角θを50
°以上とすれば、雄側継手11の場合と同様に、雌側継
手10を冷媒の流れ方向に対して上流側と下流側のどち
ら側に用いても純音の発生を防止することができる。な
お、雌側継手10にテーパ角=50°以上の傾斜面10
fを設けた場合に、雄側継手11にも傾斜面11f(テ
ーパ角=50°以上である必要はない)を設けることに
より、第3実施例と同様に、純音の防止効果を高めるこ
とができる。
【0036】〔変形例〕上記第1実施例〜第3実施例で
は、雄側継手11の傾斜面11fを嵌合凸部11bの先
端面11b1 から内周面11b2 にかけて形成(つまり
先端面11b1が残された状態で形成)したが、図14
に示すように、先端面11b1 が残らない状態で形成し
ても良い。また、上記第3実施例および第4実施例で
は、雌側継手10の傾斜面10fを嵌合凹部10bの底
面10b1 から連通穴10cの内周面10c1 にかけて
形成(つまり底面10b1 が残された状態で形成)した
が、図15に示すように、底面10b1 が残らない状態
で形成しても良い。
【0037】
【発明の効果】本実施例の冷凍サイクル用配管継手は、
雄側継手に形成された嵌合凸部の先端内周側、あるいは
雌側継手に形成された嵌合凹部の底面内周側に、傾斜角
度50°以上を成すテーパ状の傾斜面を全周に設けたこ
とにより、傾斜面から嵌合凹部の底面あるいは嵌合凸部
の先端面までの間に、嵌合凹部の底面と嵌合凸部の先端
面との間の隙間を含む空間が形成されて、この空間に発
生する渦を安定させることができる。その結果、空間か
ら剥離する渦が減少するため、冷媒配管の振動に伴う共
鳴現象を防止して、純音の発生を防止することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】冷凍サイクル用配管継手の断面図である。
【図2】雌側継手の断面図である。
【図3】雄側継手の断面図である。
【図4】本実施例に係わる冷凍サイクル図である。
【図5】冷媒の流れを示すシミュレーション結果である
(第1実施例)。
【図6】冷媒の流れを示すシミュレーション結果である
(第1実施例)。
【図7】冷媒の流れを示すシミュレーション結果である
(第1実施例)。
【図8】テーパ角とピーク振動との関係を示すグラフで
ある(第1実施例)。
【図9】冷媒の流れを示すシミュレーション結果である
(第2実施例)。
【図10】冷媒の流れを示すシミュレーション結果であ
る(第2実施例)。
【図11】テーパ角とピーク振動との関係を示すグラフ
である(第2実施例)。
【図12】第3実施例に係わる配管継手の断面図であ
る。
【図13】第4実施例に係わる配管継手の断面図であ
る。
【図14】傾斜面の変形例を示す雄側継手の部分断面図
である。
【図15】傾斜面の変形例を示す雌側継手の部分断面図
である。
【図16】従来技術に係わる配管継手の断面図である。
【符号の説明】
1 冷凍サイクル用配管継手 2 冷凍サイクル 3 冷媒蒸発器 4 冷媒圧縮機 5 車室内側の冷媒配管(第1実施例では一方の冷媒
配管、第2実施例では他方の冷媒配管) 6 車室外側の冷媒配管(第1実施例では他方の冷媒
配管、第2実施例では一方の冷媒配管) 10 雌側継手 10a 配管接続口 10b 嵌合凹部 10b1 底面 10f 傾斜面 11 雄側継手 11a 配管接続口 11b 嵌合凸部 11b1 先端面 11f 傾斜面 δ クリアランス(所定の隙間)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 泉 亮一 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−46289(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16L 23/00 - 25/14 F25B 41/00 B60H 1/32

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】冷凍サイクルの冷媒蒸発器と冷媒圧縮機と
    の間に配管される一方の冷媒配管と他方の冷媒配管とを
    接続するもので、 前記一方の冷媒配管が接続される配管接続口、およびこ
    の配管接続口と連通する円筒状の嵌合凸部が形成された
    雄側継手と、 前記他方の冷媒配管が接続される配管接続口、およびこ
    の配管接続口と連通する筒状の中空部を成す嵌合凹部が
    形成された雌側継手とから成り、 前記嵌合凸部の先端面と前記嵌合凹部の底面との間に所
    定の隙間を有して前記嵌合凹部内に前記嵌合凸部が嵌め
    合わされる冷凍サイクル用配管継手において、前記雌側継手は、前記他方の冷媒配管に繋がる流路部の
    内径が前記他方の冷媒配管の内径より小さく設けられ、 前記雄側継手は、前記一方の冷媒配管に繋がる流路部の
    内径が前記一方の冷媒配管の内径より小さく設けられ、
    且つ前記嵌合凸部の先端内周側にテーパ状の傾斜面が全
    周に設けられて、前記傾斜面と前記先端面を含む平面と
    の成す傾斜角度が50°以上に設けられたことを特徴と
    する冷凍サイクル用配管継手。
  2. 【請求項2】冷凍サイクルの冷媒蒸発器と冷媒圧縮機と
    の間に配管される一方の冷媒配管と他方の冷媒配管とを
    接続するもので、 前記一方の冷媒配管が接続される配管接続口、およびこ
    の配管接続口と連通する円筒状の嵌合凸部が形成された
    雄側継手と、 前記他方の冷媒配管が接続される配管接続口、およびこ
    の配管接続口と連通する筒状の中空部を成す嵌合凹部が
    形成された雌側継手とから成り、 前記嵌合凸部の先端面と前記嵌合凹部の底面との間に所
    定の隙間を有して前記嵌合凹部内に前記嵌合凸部が嵌め
    合わされる冷凍サイクル用配管継手において、前記雄側継手は、前記一方の冷媒配管に繋がる流路部の
    内径が前記一方の冷媒配管の内径より小さく設けられ、 前記雌側継手は、前記他方の冷媒配管に繋がる流路部の
    内径が前記他方の冷媒配管の内径より小さく設けられ、
    且つ前記嵌合凹部の底面内周側にテーパ状の傾斜面が全
    周に設けられて、前記傾斜面と前記底面を含む平面との
    成す傾斜角度が50°以上に設けられたことを特徴とす
    る冷凍サイクル用配管継手。
  3. 【請求項3】請求項1記載の冷凍サイクル用配管継手に
    おいて、 前記雌側継手は、前記嵌合凹部の底面内周側にテーパ状
    の傾斜面が全周に設けられたことを特徴とする。
  4. 【請求項4】請求項2記載の冷凍サイクル用配管継手に
    おいて、前記雄側継手は、前記嵌合凸部の先端内周側に
    テーパ状の傾斜面が全周に設けられたことを特徴とす
    る。
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