JP3213673B2 - 印刷版の作成方法 - Google Patents

印刷版の作成方法

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JP3213673B2
JP3213673B2 JP32596394A JP32596394A JP3213673B2 JP 3213673 B2 JP3213673 B2 JP 3213673B2 JP 32596394 A JP32596394 A JP 32596394A JP 32596394 A JP32596394 A JP 32596394A JP 3213673 B2 JP3213673 B2 JP 3213673B2
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  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な印刷版の作成方
法に関するものであり、印刷特性に優れかつ高品質の印
刷版を簡便に作成する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】印刷版の作成方法としては従来より種々
の方法が知られている。例えば、感光性樹脂を利用した
樹脂凸版やPS版と称される平版印刷版等は多方面で広
く使用されているのは周知の事である。感光性樹脂に係
わる問題点としては高感度化の問題があり、ダイレクト
製版を目的としてレーザー露光での感度を有する感光性
樹脂も開発されてきているものの例えば銀塩写真なみの
高感度を有する感光材料は未だ実用化には至っていない
のが現状である。
【0003】一方、電子写真方式を利用した印刷版の作
成方式としては、酸化亜鉛や硫化カドミウム、あるいは
有機光導電性物質(OPC)を各種バインダーとともに
支持体上に層を形成し、帯電、露光、トナー現像後に非
画像部をエッチング工程により親水化することで、トナ
ー画像部をインク受理性とする平版印刷版の作成方法が
行なわれている。
【0004】銀塩写真方式を応用した平版印刷版の作成
方式としては、銀錯塩拡散転写法により銀画像を形成
し、銀画像表面のインク受理性を利用してオフセット印
刷を行なう方式も広く実施されている。こうした銀塩拡
散転写法を利用した平版印刷版は、油脂性のインキを受
理する親油性の画線部分と、インキを受け付けない撥油
性の非画線部分とからなり、一般に該非画線部分は水を
受け付ける親水性部分から構成されている。通常の平版
印刷版では、従って、水とインキの両方を版面に供給
し、画線部は着色性のインキを、非画線部は水を選択的
に受け付け、該画線上のインキを例えば紙などの基質に
転写させることによってなされている。従って、良い印
刷物を得るためには、画線部と背景非画線部の表面の親
油および親水性の差が充分に大きくて、水およびインキ
を適用したときに、画線部は充分な量のインキを受け付
け、非画線部はインキを全く受け付けないことが必要で
ある。
【0005】上記のような印刷版の作成方法においては
画像形成の際に光による露光が必要であり、高感度化の
ための材料の高度な選択が必要であるとともに一般に複
雑な光学系を必要とすることから装置としても必然的に
高価かつ大型化せざるを得ないのが現状である。こうし
た画像形成法に対して近年急速に普及しつつあるインク
ジェット記録方式では複雑な光学系を必要とせず、極め
てコンパクトなサイズで良好な記録が行えることに加
え、単にインクを記録媒体に飛翔させるのみで画像形成
が行えるため、上記のような他の記録方式(印刷版形成
方式)のような現像処理等が全く必要でなく、また記録
に伴う廃棄物も生じないことから極めて優位な画像形成
方法である。このため、こうしたインクジェット記録方
式を印刷版の作成に応用しようとする試みも種々提案さ
れているものの未だ有効な方法が見いだされていないの
が現状である。
【0006】印刷版、特に平版印刷版においては支持体
の選択が極めて重要な因子である。PS版に使用されて
いるような砂目立て処理されたアルミ板上にインク受理
性である画像層を形成することで非画像部の親水性が充
分に高く印刷汚れの発生の少ない、かつ高耐刷性の印刷
版が形成されることから、特に刷り枚数の多い高品質の
印刷レベルを要求する場合に適している。一方でより安
価な支持体として紙あるいはフィルムを使用しこの表面
に親水性の表面を有する非画像部を形成する層とインク
受理性を有する画像層を形成する方法が採用されてい
る。例えば、上記の電子写真方式を利用し酸化亜鉛等を
感光体として利用する方式においてはトナー画像をイン
ク受理層として利用するとともに、非画像部は適当な親
水化処理(エッチング処理)により保水性の高い表面に
変換する方式がとられている。さらに銀錯塩拡散転写法
による印刷版の作成方法ではあらかじめ親水性の高い樹
脂等からなる表面層を形成しておき、この表面層にイン
ク受容性を有する銀画像を形成させることで印刷版とす
る方式を採用している。
【0007】上記のような支持体上に感光性を有する材
料を形成し、一般に複雑な工程を経て印刷版を作成する
のが従来より行なわれている手法であり、近年の情報量
の増大により、情報処理の迅速化が強く求められている
中、製版処理時間の短縮ならびに製版装置の低廉価、印
刷版自体の低価格化等が望まれているのが現状である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来の印
刷版の形成方法ではいずれの方法においても印刷版自体
の感光性が要求されるため、高感度化等の感光特性と印
刷版としての必要特性のバランスをとることが極めて困
難であり、かつ感光性を有する一般に高価な素材をその
まま印刷版に使用するため製版コストは必然的に高価な
ものにならざるを得なかった。本発明に係わる課題は、
印刷版自体は感光性を有しない材料を使用し、かつ高耐
刷性で高品位の画像を簡便に支持体上に形成する方式を
見いだすことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる課題は下
記のような方法を用いることで解決される。即ち、支持
体上に金属イオンにより硬化する水溶性ポリマーを含有
する層を設け、この層の表面より金属イオンを含有する
溶液を画像様に供給することで、支持体上に硬化した該
水溶性ポリマーからなる画像パターンを形成すること
で、本発明の目的とする印刷版が基本的には作成され
る。こうした構成において、該水溶性ポリマーとして
は、金属イオンの添加により硬化するという特性を有し
ておれば特に制約は無く、水溶性であるという特性自体
も、こうしたポリマー中に金属イオンが拡散する場合
に、金属イオンを含む溶液の浸透性を高めるという効果
を有するためであり、ポリマーが例えばアルカリ性や酸
性水溶液で溶解し、中性の水溶液で溶解性が劣る場合で
あっても支障はない。
【0010】該ポリマーが金属イオンにより硬化すると
いう特性は、ポリマー中に金属イオンと強く相互作用す
るような官能基を有する場合に発揮されるが、いわゆる
既知のキレート形成ポリマーの多数の例においてこうし
た現象が認められている。こうした一般に知られるキレ
ート形成ポリマーの内には単にキレートを形成するのみ
でポリマーの硬化、不溶化までにはいたらない場合も多
く、さらに硬化する場合であっても硬化の程度が弱く、
耐水性に劣り、画像形成には利用出来ない場合もある。
【0011】金属イオンにより硬化し、十分に耐水性の
ある硬化皮膜を形成する水溶性ポリマーの極めて好まし
い使用形態としては、化7もしくは化8で示される官能
基を含む水溶性ポリマーを含有する層を設け、該層の表
面より金属イオンを含有する溶液を画像状に供給するこ
とで該水溶性ポリマーを硬化させ、未硬化部の水溶性ポ
リマーを溶解除去することで支持体上にキレート形成に
より硬化した該水溶性ポリマーからなる画像パターンを
形成する方法が挙げられ、こうした方法により目的とす
る印刷版が作成される。
【0012】
【化7】
【0013】化7中、R1は水素原子、アルキル基、ア
リール基、アミノ基、またはアミジノ基を表わし、R2
は水素原子またはアミノ基を表わす。
【0014】
【化8】
【0015】化8中、Xは含窒素複素環を表わし、nは
1または2を表わす。
【0016】上記化7で表わされる官能基を有する水溶
性ポリマーの好ましい例としては下記化9で示される繰
り返し単位を含む水溶性ポリマーが挙げられる。
【0017】
【化9】
【0018】化9中、R3 は水素原子またはメチル基を
表わし、Qは2価の連結基を表わす。R4 は2価の連結
基を表わし、含まれない場合もある。R5 はR1 と同義
である。R6 はR2 と同義である。
【0019】上記化8で表わされる官能基を有する水溶
性ポリマーの好ましい例としては下記化10で示される
繰り返し単位を含む水溶性ポリマーが挙げられる。
【0020】
【化10】
【0021】化10中、R7 は水素原子またはメチル基
を表わし、Lはアルキレン基、アリレン基、アラルキレ
ン基、COO基、NHCOO基、NHCOOCH2CH2
基、CONH基あるいは化11で示される置換基等の2
価の連結基を表わす。Aはメルカプト基を有するオキサ
ジアゾール環、チアジアゾール環、セレナジアゾール
環、トリアゾール環、トリアジン環を表わし、これらの
環はベンゼン環を介して連結基Lと結合していても良
い。
【0022】
【化11】
【0023】化11中、R8 は水素原子またはアルコキ
シ基を表わす。
【0024】先の化9において、Qの好ましい例として
は、例えば、アルキレン基、アリーレン基、COO基、
NHCOO基、CONH基、NHCOOC24基等の例
が挙げられる。また、R4 の例としては、例えばアルキ
レン基、オキシアルキレン基等が挙げられるが、場合に
よっては含まれないこともある。化9で示される繰り返
し単位の好ましい具体例としては下記化12〜化23に
示されるようなモノマーを重合させることで得られる繰
り返し単位が挙げられる。
【0025】
【化12】
【0026】
【化13】
【0027】
【化14】
【0028】
【化15】
【0029】
【化16】
【0030】
【化17】
【0031】
【化18】
【0032】
【化19】
【0033】
【化20】
【0034】
【化21】
【0035】
【化22】
【0036】
【化23】
【0037】化10で示される繰り返し単位の好ましい
具体例としては下記化24〜化35に示されるようなモ
ノマーを重合させることで得られる繰り返し単位が挙げ
られる。これらはいずれもメルカプト基を含有するモノ
マーであり、このままの状態で重合を行うと、メルカプ
ト基に対する重合ラジカルの連鎖移動反応のため、十分
な分子量の重合体が得られない場合や、反対にゲル化が
生じる場合があるため適当な形でメルカプト基の保護を
行うことが必要である。こうした目的では、例えば水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム等の各
種塩基の添加によりメルカプト基をチオレートの形に変
換して重合を行う方法や、あるいはアセチル化のように
チオエステル基の形に変換して重合を行うことでもメル
カプト基の重合の際の保護を行うことが出来る。重合終
了後にチオレートは単に中和することでメルカプト基が
再生され、チオエステル基の場合には加水分解によりメ
ルカプト基が再生される。
【0038】
【化24】
【0039】
【化25】
【0040】
【化26】
【0041】
【化27】
【0042】
【化28】
【0043】
【化29】
【0044】
【化30】
【0045】
【化31】
【0046】
【化32】
【0047】
【化33】
【0048】
【化34】
【0049】
【化35】
【0050】さらに、該水溶性ポリマーとしては化7
(化9)もしくは化8(化10)で表わされる官能基を
有しておれば本発明の目的とする効果が現われるもので
あるが、例えば化9で示される繰り返し単位からなるホ
モポリマーであっても良く、あるいはこうした繰り返し
単位とともに下記化36で表わされるような繰り返し単
位を合わせ持つ共重合体を使用することで、塗布性を向
上させるとともに支持体との接着性を良好なものとし、
耐刷力に優れた印刷版を与えることが出来る。
【0051】
【化36】
【0052】化36において、R9 、R10は水素原子ま
たはメチル基を表わし、R11は水素原子またはアルキル
基、ヒドロキシアルキル基を表わす。
【0053】化9もしくは化10で表わされる繰り返し
単位と化36で表わされる繰り返し単位の共重合体中に
おける割合としては化9もしくは化10の繰り返し単位
が0.1重量%以上100重量%以下である場合に本発
明の効果が最も顕著に現れ、化9もしくは化10の繰り
返し単位が0.1重量%以下の場合には効果が認められ
ない場合がある。
【0054】化36で表わされる繰り返し単位を与える
ための好ましいモノマーとしては、アクリルアミド、メ
タクリルアミド、N,Nージメチルアクリルアミド、N
−イソプロピルアクリルアミド、N−メチロールアクリ
ルアミド等が挙げられるがこうしたモノマーを共重合成
分として該水溶性ポリマー中に導入することで、該ポリ
マーの粘度を適度に調節し先に述べたように該ポリマー
を含む塗布液の塗布性を良好なものとし、さらに耐刷力
の優れた印刷版とすることが出来る。
【0055】本発明は上記のようなホモポリマーあるい
は2成分からなる共重合体を使用することで目的は充分
に達成されるものであるが、適用しようとする個々の場
合によってはさらに該水溶性ポリマーの性質を改善する
ことが好ましい場合がある。例えば、キレート形成後の
硬化層の疎水性をある程度高め、印刷時のインキ受理性
を向上するなどの目的ではさらに第3、第4等の共重合
成分として、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(炭
素数1から20までの飽和アルキルエステル)、(メ
タ)アクリル酸ベンジルエステル、スチレンおよびその
誘導体等の種々の疎水性モノマーを共重合成分として該
水溶性ポリマー中に導入しても良い。あるいは、種々の
目的で、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン
酸、マレイン酸のようなカルボキシル基を有するモノマ
ーあるいはこれらの塩や、ビニルスルホン酸ナトリウ
ム、p−スチレンスルホン酸ナトリウム、(メタ)アリ
ルスルホン酸ナトリウムのようなスルホン酸基を有する
モノマー、さらに2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリ
レート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポ
リエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートのよう
な水酸基を有するモノマーやメトキシエチル(メタ)ア
クリレート、メトキシポリエチレングリコールモノ(メ
タ)アクリレートのようなメトキシ基およびエチレンオ
キシ基を有するようなモノマー、あるいは、ビニルイミ
ダゾール、4−ビニルピリジン、2−ビニルピリジン、
N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、
N,Nージエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、
N,Nージメチルアミノプロピルアクリルアミド、アリ
ルアミン、ジアリルアミン等のような塩基性窒素原子を
有するモノマーや、その他酢酸ビニル、プロピオン酸ビ
ニル、安息香酸ビニル等のビニルエステル誘導体、N−
ビニルピロリドン、アクリロニトリル、メチルビニルエ
ーテル、ブチルビニルエーテル等種々のモノマーを共重
合成分として導入することも出来る。さらに、少量であ
れば2官能性モノマーとしてジビニルベンゼン、エチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、メチレンビスア
クリルアミドのようなモノマーを導入することも可能で
ある。
【0056】しかしながら、上記のようなモノマーを共
重合成分として該水溶性ポリマー中に導入する場合に
は、これら成分の共重合体組成中での割合は50重量%
以下であることが好ましく、これ以上の添加で得られる
水溶性ポリマーの水に対する溶解性が低下したり、ある
いはこうした場合に作成される印刷版において印刷時の
インキ汚れの程度が悪化するなど好ましくない影響が現
われることがある。
【0057】本発明で与えられるポリマーの分子量とし
ては重量平均分子量として5000以上100万以下の
範囲にあることが好ましく、これ以上の分子量のポリマ
ーでは溶液粘度が高く塗布が困難となる場合があるため
好ましくない。また上記範囲以下の低分子量のポリマー
を使用して形成された印刷版では耐刷力が低下すること
があり好ましくない。
【0058】本発明におけるポリマーを印刷版として利
用するためには支持体の選択が重要となる。例えばオフ
セット印刷用印刷版として使用する場合においては、支
持体としては、その表面が充分に親水性であり、印刷に
際して地汚れの発生が起こらないことが必須条件であ
り、こうした目的に合致する支持体としては砂目だて処
理を行い、また陽極酸化により表面を親水性にしたアル
ミニウム板が適している。あるいは、親水性ポリマーで
被覆されたフィルムあるいはポリエチレン被覆紙も親水
性表面を有する支持体として使用することも出来る。さ
らにはシリカやアルミナゾル等の親水性無機顔料を表面
層に有するフィルムあるいはポリエチレン被覆紙なども
好ましく使用される。また酸化亜鉛等の無機粒子を必要
に応じて各種結着剤とともにフィルムあるいはポリエチ
レン被覆紙あるいは通常の紙等に塗布し、これを電子写
真方式を応用した酸化亜鉛感光体を利用し印刷版とする
方式と同様に適当なエッチング処理を施すことでオフセ
ット印刷可能な親水性表面を有する表面層に転換するこ
とも可能である。
【0059】上記に示すような各種支持体表面に本発明
のポリマーを塗工することで目的とする印刷版が形成さ
れる。即ち、本発明のポリマーは金属イオンと接触する
ことでキレートを形成し不溶化することが特徴であり、
上記のように予め親水化処理された表面を有する支持体
上に本発明のポリマーを塗工しておき、このポリマー層
の表面から画像様に金属イオンを注入することで、画像
様にポリマーのキレート架橋が生成するため、さらに水
等で未架橋部のポリマーを溶解除去することで支持体上
に架橋したポリマーの画像が形成される。ポリマーは架
橋することで吸水性が低下し、むしろインキ親和性が出
てくることから、画像部はインキ受理性となり、また非
画像部においては親水性表面がでてくることからオフセ
ット印刷に対する印刷適性が発現する。
【0060】本発明における最も重要な点はこのように
金属との間でキレートを形成し不溶化することでインキ
受容性を有する架橋したポリマー皮膜が親水性の支持体
表面に形成される事であり、このための重金属の供給方
法については特に制限は無い。但し、本発明の効果を実
証するために以下では具体的に2つの方法で画像形成を
行い、印刷版とする方法を示すが、本発明はこうした具
体的方法にのみ限定されるものではない。
【0061】その一つの方法として、インクジェット記
録方式による印刷版の作成方法について述べる。この方
法では本発明によるポリマーを先にのべたような種々の
支持体上に塗工しておき、この表面に金属イオンを含有
するインキを使用して印字を行い、印字後に記録体を水
洗することで印字部のみが支持体上に残存する結果が得
られる。支持体として先の親水性表面を有する基板を使
用すれば、印字部がインキ受容性であり、非画像部は親
水性であるため、これをそのままオフセット印刷機にか
ければ印刷が可能となる。また、インクジェット記録の
際にインキ中に添加すべき必須成分としては金属イオン
のみであり、特に他の成分は必要としないが、印字部を
視覚的に見やすいようにするためには各種水溶性染料を
適宜添加してもよい。あるいは各種アルコール類として
エタノール、プロパノール、エチレングリコール、グリ
セリン等の溶媒を記録ヘッド、ノズル等の目詰まり防止
等の目的で添加しても良い。金属イオンとしては、銀イ
オン、銅イオン、鉄イオン等の各種金属イオンを含む塩
が特に好ましく、例えば硝酸銀、硫酸銅、硫酸鉄等各種
塩類が好ましく使用されるが、これ以外にも各種金属イ
オンがキレートを形成する範囲で好ましく使用される。
記録ヘッドの材質としてはこれら金属イオンによる腐食
を防止するためにガラス等の非腐食性の材質のものが特
に好ましい。
【0062】このようにインクジェット記録方式による
印刷版の作成方式では、既存のインクジェットプリンタ
ーを使用することで極めて簡便に印刷版が作成され、ま
た処理液としては非画像部の未硬化ポリマーを水により
水洗除去するだけで印刷版として使用できることから極
めて好ましいものの、解像度としてはインクを飛翔させ
るヘッド部のノズル径で支配されるため、高解像度のイ
ンクジェットプリンターを使用しない場合にはプリンタ
ーの精度に支配された印刷版としては解像度のやや劣る
印刷版しか得られないという欠点が存在する。従ってこ
うしたインクジェット記録方式による印刷版ではインク
ジェットプリンターの精度を目的に応じて選択し、簡易
印刷の範囲であれば通常のインクジェットプリンターを
選択し、あるいは高解像度のプリンターを使用すること
で高品位の印刷版を得ることも可能である。
【0063】もう一つの具体例としては銀錯塩拡散転写
方式を利用した金属イオンの供給方式が挙げられる。こ
の方式では先に述べたような支持体上に本発明によるポ
リマーを塗工した受像シートを作成しておき、これとは
別に銀塩感光材料を塗布したドナーシートを像様露光し
て、現像の際に未露光部のハロゲン化銀を溶解するよう
な錯形成物質を存在させることで銀塩感光材料の感光部
分が化学現像される一方で未感光部のハロゲン化銀部分
がこうした溶剤により錯形成して溶解され(直接ポジタ
イプの感光材料では逆になる)、現像時に両シートを重
ね合わせることで銀塩感光材料からの銀イオンが該ポリ
マーを塗布した受像シート上に転写させることが出来
る。銀錯イオンの転写と同時に該ポリマーは硬化するた
め、銀錯イオンが転写した部分のみ硬化皮膜が形成され
ることになる。
【0064】銀錯塩拡散転写方式(DTR法)を利用し
た印刷版の作成方式全般に関しては、例えば、フォーカ
ルプレス、ロンドン ニューヨーク(1972年)発
行、アンドレ ロットおよびエディス ワイデ著、「フ
ォトグラフィック・シルバー・ハライド・デイフユージョ
ン・プロセシズ」を参照しうるが、この中で、DTR法
を利用した平版印刷版には転写材料と受像材料を別々に
したツーシートタイプと、これらを一枚の支持体上に設
けたモノシートタイプの2種が知られている。ツーシー
トタイプの平版印刷版については、例えば、特開昭57
−158844号公報等に記載されている。また、モノ
シートタイプについては、特公昭48−30562号、
同51−15765号、特開昭51−111103号、
同52−150105号等の公報に詳しく記載されてい
る。さらに、特にアルミニウム板を支持体とした銀塩方
式の平版印刷版については、特開昭57−118244
号、同57−158844号、同63−260491
号、特開平3−116151号、同4−282295号
などの公報に詳しく記載されている。これらには、粗面
化され陽極酸化されたアルミニウム板を支持体とし、そ
の上に物理現像核を担持し、さらにその上層に感光性ハ
ロゲン化銀乳剤層を設けたモノシートタイプで、DTR
法を利用する平版印刷版が詳しく述べられている。それ
らによれば、上記平版印刷版を像様露光し、DTR現像
したのち、ハロゲン化銀乳剤層を温水で洗浄、除去し、
印刷版を作成する方法である。上記いずれのタイプ、方
式においても印刷においてインクを受理する部分はDT
R現像により形成された金属銀画像部であり、インク受
理性は金属銀の特性あるいは銀表面に吸着担持された種
々の有機化合物の特性に依存するものであり、銀画像の
支持体に対する接着が充分でない場合や、銀画像が印刷
枚数の増加とともに摩耗する等の影響のため耐刷性や印
刷画質、インク乗り等の種々の点で問題があった。
【0065】この点に関して、本発明では上記のDTR
法を利用した場合においても、画像を形成する部分は金
属イオン、特に銀イオンにより硬化した該水溶性ポリマ
ーであり、上記の分類で言えば、この場合ツーシートタ
イプに属するものではあるが、DTR法は単に銀イオン
の供給方式の一つとして利用するのみであり、画像形成
の方法、機構および画像を形成する実体は従来から知ら
れているDTR法による平版印刷版の作成方法とは異な
るものである。
【0066】本発明においては、金属イオンの供給方式
の一つの形態としてDTR方式を利用するものであり、
ハロゲン化銀写真感光材料を銀イオン供給のための供与
体として使用し、像露光に引き続くハロゲン化銀の溶解
が印刷版上への画像形成のための重要なステップとな
る。こうした(未露光部もしくは露光部の)ハロゲン化
銀を錯形成により溶解させるための溶剤としては、各種
アミン化合物やチオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸アンモニ
ウム、チオシアン酸塩、あるいはシスチン、メルカプト
酢酸等のメルカプト化合物、チオエーテル類等種々の溶
剤が使用出来る。
【0067】こうした方式においては銀塩感光材料であ
るドナーシート材料は感光性を有するのみで特に支持体
に対する制約はないことから種々の銀塩感光材料が使用
出来る。ハロゲン化銀乳剤としては、一般に用いられる
塩化銀、臭化銀、ヨウ化銀、塩臭化銀、塩ヨウ臭化銀、
ヨウ臭化銀等から選択される乳剤が好ましい。また、乳
剤のタイプとしては、ポジ型、ネガ型のどちらでも良
く、またこれらの乳剤は必要に応じて化学増感あるいは
分光増感することも好ましく行なわれる。印刷版として
使用するのは転写した銀イオンにより硬化した像を有す
る該ポリマーを塗布した受像シート材料であることか
ら、こうしたハロゲン化銀写真感光材料の特性は印刷版
としての特性と全く切り放して設計が行える利点があ
り、印刷版自体としては基本的に支持体と該水溶性ポリ
マー層のみからなる構成であり、設計が単純であり印刷
版自体が感光性を有しないことから取扱い性およびコス
ト的に有利なものとなる。
【0068】上記のような方法で現像時に銀イオンが転
写した受像シート材料は水洗することで未転写部が除去
され、硬化したポリマーによる画像パターンが支持体上
に形成され、該支持体自体の表面が前述のように親水性
を有することからこのままオフセット用印刷版として使
用することが出来る。
【0069】あるいは上記の原理で印刷版を形成する方
法において、本発明によるポリマーとともに、銀塩感光
材料から転写してきた銀錯イオンを物理現像するための
金属核を併せて含むものであっても良く、例えば金属銀
核やパラジウム核(硫化パラジウム等)のようないわゆ
る物理現像核を該ポリマーと同一の層中あるいはこれと
隣接する層に含有させておくことで、銀錯イオンの転写
による該ポリマーの硬化反応と同時に物理現像の進行に
より金属銀が該ポリマーを有する受像シート上に同時に
起こることになる。こうした金属銀の存在は画像部の硬
化ポリマーのインク受容性をいっそう高めることになり
好ましいものであり、さらには画像部が黒色に着色され
るため、印刷版上の画像が視覚的に見やすいために極め
て好ましい。
【0070】こうした物理現像核としては、コロイド状
に分散した液を塗布液として使用することが好ましく、
例えば、金、銀等のコロイドやパラジウム、亜鉛等の水
溶性塩と硫化物を混合した金属硫化物コロイドなどが好
ましく使用される。この際、コロイド状態を安定に保つ
ための保護コロイドとして、ゼラチンや各種水溶性ポリ
マーを使用することも出来、これらの詳細については、
例えば、フォーカルプレス、ロンドン ニューヨーク
(1972年)発行、アンドレ ロットおよびエディス
ワイデ著、「フォトグラフィック・シルバー・ハライ
ド・デイフユージョン・プロセシズ」を参照しうる。
【0071】このようにして調製された物理現像核を含
むコロイド分散液は、本発明による水溶性ポリマーと混
合して支持体上に塗布することで皮膜形成を行なっても
良く、あるいは支持体上に先に物理現像核層を設け、そ
の後に該水溶性ポリマーを含む層を形成しても良い。あ
るいは、該水溶性ポリマーを含む層を先に設け、その上
層に物理現像核を含む層を形成しても良い。いずれの層
構成によっても印刷版としての機能、性能は大差無い。
【0072】現像主薬に関しては、一般の写真感光性ハ
ロゲン化銀材料の現像処理においては、その現像主薬を
該感光材料中、または現像液のどちらに含有せしめても
良く、さらには両方に含有せしめて処理されることも良
く知られていて、本発明の現像処理もかかる方法に順じ
て行なうことにより、現像速度を調整することが可能で
ある。
【0073】ここで使用される現像主薬は例えばつぎの
ようなものが挙げられる。ハイドロキノン、カテコー
ル、ピロガロール等のヒドロキシベンゼン系現像主薬お
よびそれらの誘導体で、メチルハイドロキノン、ジメチ
ルハイドロキノン、クロロハイドロキノン、4−メチル
カテコール、4−エチルカテコール、4−t−ブチルカ
テコール、没食子酸、没食子酸メチルエステル、没食子
酸エチルエステル等、また、パラアミノフェノールおよ
びその誘導体、例えば、N−メチルパラアミノフェノー
ル、2,4−ジアミノフェノール硫酸塩、または1−フ
ェニル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4−メチル
−3−ピラゾリドン等である。これらの現像主薬は、そ
の水溶液もしくはメタノール、エタノール、プロパノー
ル、アセトン、エチレングリコール等の水混和性有機溶
剤中に溶解して添加される。好ましくは重金属もしくは
それらの硫化物コロイドを含む液とともに塗布される。
【0074】添加すべき必要な現像主薬の量は、例えば
ハイドロキノンで0.02g/m2から1.0g/m
2 、また、1−フェニル−3−ピラゾリドンでは、0.
001g/m2 から0.1g/m2 の量で充分である。
これによって知られる効果は、印刷汚れが著しく改良さ
れたばかりでなく、写真および印刷特性上硬調で、画像
の鮮鋭度が高く、かつ解像度が良好で、ひいては経時に
よる特性の変化の少ない感光材料を得る。
【0075】印刷版として本発明のポリマーを支持体上
に形成したシート材料を形成する場合には、ポリマーの
塗布量としては乾燥重量として0.1〜10g/m2
範囲で皮膜を形成することが好ましく、これ以下の塗布
量では印刷時のインク乗りが不十分であったり耐刷性に
劣る場合があり好ましくない。さらにこれより多い塗布
量の場合には解像度が劣ることがあり好ましくないため
上記の範囲の塗布量で形成されたシート材料を印刷版と
して使用することが望ましい。
【0076】本発明が開示するポリマーの製造方法とし
ては通常のラジカル重合の手法をそのまま適用すること
が出来る。また重合溶媒としては水以外にも水と混和性
の各種アルコール類等も重合度を適度に調節する等の目
的で好ましく使用される。
【0077】本発明のポリマーは、通常の各種水溶性ポ
リマー、例えばゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリ
ビニルピロリドン、ヒドロキシエチルセルロース、カル
ボキシメチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリア
クリル酸、デキストラン、プルラン、各種変性でんぷん
等の種々の水溶性ポリマーと混合または併用して用いる
ことも出来る。但し、こうした各種水溶性ポリマーの添
加は皮膜の硬化性を損なわない範囲で使用することが必
要であり、本発明によるポリマーに対して等量以下の量
で使用することが好ましい。
【0078】あるいは、本発明に係わるポリマーととも
に充填剤として各種顔料、例えばシリカ粒子、カーボン
ブラック、コロイダルシリカ、アルミナゾル等の粒子を
添加することで、こうした充填剤を含む層中への金属イ
オンを含む水溶液の浸透、拡散の速度を高める効果が見
られ好ましい場合がある。
【0079】本発明は、金属イオン受像層中に特定のポ
リマーを含有するものであり、従って、その他の構成あ
るいは支持体、インクジェット記録方式、ハロゲン化銀
写真感光材料、および銀錯塩転写処理方法その他によっ
て限定されるものではない。次に本発明に係わる官能基
を有するポリマーを例示するが、これらに限定されるも
のではない。なお、式中の数字はすべて共重合体組成中
の各繰り返し単位の重量%を示す。
【0080】
【化37】
【0081】
【化38】
【0082】
【化39】
【0083】
【化40】
【0084】
【化41】
【0085】
【化42】
【0086】
【化43】
【0087】
【化44】
【0088】
【実施例】
実施例1 (I)ポリマーの合成 合成例1(例示ポリマー、化37) 攪拌機、温度計、還流管および窒素導入管を備えた50
0ml4ツ口フラスコ内にアクリルアミド45gおよび
化12(チオ尿素およびクロロメチルスチレン(m,p
体混合物)をエタノール中で加熱還流して合成された。
同様に化13の化合物はグアニルチオ尿素とクロロメチ
ルスチレンから合成され他も同様な方法で合成され
た。)で示されるモノマー5gを導入し、蒸留水200
gおよびエタノール100gを加えて溶解した。50℃
に加熱した水浴上にフラスコを置き、窒素気流下で攪拌
しながら重合開始剤として2,2´−アゾビス(2−ア
ミジノプロパン)ジハイドロクロライド(V−50,和
光純薬工業(株)製)を0.5g添加して重合を開始し
た。50℃で1時間加熱攪拌を行い、引続きフラスコ内
温を75℃に昇温して3時間加熱攪拌を行なった。この
様にして得られたポリマーはGPC分析の結果、重量平
均分子量約10万のポリマーであった。全く同様の方法
によって、化38〜40に示されるポリマーを合成し
た。
【0089】合成例2(例示ポリマー、化41) 攪拌機、温度計、還流管および窒素導入管を備えた50
0ml4ツ口フラスコ内にアクリルアミド45gおよび
化24(ビスムチオールおよびクロロメチルスチレン
(m,p体混合物)を等モルの水酸化ナトリウムの存在
下、水/エタノール中で加熱して合成された。同様に化
25の化合物はチオシアヌル酸モノナトリウム塩とクロ
ロメチルスチレンから合成され他も同様な方法で合成さ
れた。)で示されるモノマー5gを導入し、水酸化ナト
リウム0.78gと蒸留水200gおよびエタノール1
00gを加えて溶解した。50℃に加熱した水浴上にフ
ラスコを置き、窒素気流下で攪拌しながら重合開始剤と
して2,2´−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニト
リル)(V−65,和光純薬工業(株)製)を0.5g
添加して重合を開始した。50℃で1時間加熱攪拌を行
い、引続きフラスコ内温を75℃に昇温して3時間加熱
攪拌を行なった。この様にして得られたポリマーはGP
C分析の結果、重量平均分子量約10万のポリマーであ
った。全く同様の方法によって、化42〜44に示され
るポリマーを合成した。
【0090】(II)平版印刷版の作成 135g/m2 のポリエチレン被覆紙をコロナ放電加工
した後、カーボンブラックを含むゼラチン液を塗布し、
さらにその上にオルト増感された高コントラストのハロ
ゲン化銀乳剤を塗布した。この乳剤層は硝酸銀としての
ハロゲン化銀量で1.5g/m2 とゼラチン1.5g/
2 より基本的に構成されており、硬膜剤としてホルマ
リンおよびジメチロール尿素を含有していた。該感光性
ハロゲン化銀写真材料を40℃で3日間加温処理して使
用した。
【0091】これとは別に、砂目だて処理し、陽極酸化
により表面を親水化したアルミニウム板上に本発明によ
るポリマーとして化38で示されるポリマーを乾燥重量
で2g/m2 になるよう塗布し、受像シートとした。こ
れをプレート(A)とした。さらに、同様に該アルミニ
ウム板上に本発明によるポリマー化38とともに下記の
ようにして調製された硫化パラジウムゾルを下記(2)
のような処方で配合した塗液を作成し、ポリマー化38
の乾燥重量が2g/m2 となるように塗布したプレート
(B)を作成した。
【0092】(1)硫化パラジウムゾルの調製 A液 塩化パラジウム 5 g 塩酸 40ml 蒸留水 1000ml B液 硫化ソーダ 8.6g 蒸留水 1000ml A液とB液を攪拌しながら混合し、30分後にイオン交
換樹脂(IR−120E、IRA−400)の充填され
たカラムに通し硫化パラジウムゾルを得た。
【0093】(2)本発明のポリマーを含む物理現像核
塗液の調製 上記硫化パラジウムゾル 100ml ハイドロキノン 100g 本発明のポリマー(固形分として) 50g 10%サポニン(界面活性剤) 2ml 水を加えて全量を 2000mlとし
た。
【0094】(III)処理方法 該ハロゲン化銀感光材料を像に従って露光した後、上記
プレート(A)あるいはプレート(B)と対向する形で
間に液が浸透するような形で重ね合わせ、下記処方の転
写現像液(C)に30℃で30秒間浸漬し、転写現像を
行い、ハロゲン化銀写真感光材料のシートを引き剥し
て、引き続いて下記処方(D)からなる液中に30秒間
(25℃)浸漬し、さらに流水中に浸漬して未硬化部の
ポリマーを充分に洗い流した後、スクィ−ズして余分な
水を除き、プレート(A)あるいはプレート(B)を大
気条件下に乾燥した。
【0095】処方C(転写現像液) 水 1500ml 水酸化ナトリウム 20g 亜硫酸ナトリウム 100g ハイドロキノン 12g 1−フェニル−3−ピラゾリドン 1g チオ硫酸ナトリウム 10g チオシアン酸カリウム 5g 臭化カリウム 5g 水を加えて全量を2lとする。
【0096】処方D 水 2l クエン酸 10g クエン酸ナトリウム 35g
【0097】(IV)印刷方法 かくして得られた印刷版(プレート(A)およびプレー
ト(B))を、オフセット印刷機リョービ3200CD
に装着し、印刷を行なった。印刷時の温度は22℃で湿
度は60%であった。
【0098】湿潤液としては市販の湿し水を使用し、印
刷インキとしては、大日本インキ製Fグロス墨Bを使用
した。
【0099】(VI)印刷特性の評価 次に、上記により得られた版材を所定の処理に従って前
記のオフセット印刷機により印刷を行なった。印刷特性
の評価は印刷物の印刷汚れの程度から目視判断し、さら
に耐刷力の評価としては同様の印刷条件で10万部数の
印刷を行い評価したが、いずれの版材も地汚れの発生も
なく、全く問題なく印刷できることが分かった。
【0100】実施例2 実施例1と同様にして化37〜44で示されるポリマー
を同様なアルミニウム板上に、乾燥重量が2g/m2
なるように塗布したプレートを作成した。これをインク
ジェットプリンターとしてシャープ社製インクジェット
プリンターIO−735を使用し、インクとしては下記
処方(E)のインクを使用してテストパターンの印字を
行なった。印字されたプレートは直ちに流水下にて水洗
を行い、非印字部のポリマーを洗い流して各印刷版を得
た。
【0101】処方E 水 100ml 硫酸銅 3g Acid Blue 9(CI-42090) 1g エチレングリコール 10g
【0102】次に、上記により得られた版材を実施例1
と同様に前記のオフセット印刷機により印刷を行なっ
た。印刷特性の評価は印刷物の印刷汚れの程度から目視
判断し、さらに耐刷力の評価としては同様の印刷条件で
10万部数の印刷を行い評価したが、いずれの版材も地
汚れの発生もなく、全く問題なく印刷できることが分か
った。
【0103】実施例3 市販されている電子写真方式によるオフセット印刷版用
マスターとしての酸化亜鉛プレート(三菱製紙(株)
製、ZMマスター)の表面に化37〜44からなるポリ
マーを乾燥重量が1.5g/m2 となるように塗布し、
実施例2と全く同様にインクジェットプリンターを使用
して印字を行なった。使用したインクは処方(E)で示
すインクを使用した。印字後のプレートを流水下で充分
に水洗した後、酸化亜鉛マスター用エッチング処理液
(三菱製紙(株)製、ZM−OH)を使用してエッチン
グ処理し表面の酸化亜鉛層を親水化処理した。
【0104】次に、上記により得られた版材を実施例1
と同様に前記のオフセット印刷機により印刷を行なっ
た。印刷特性の評価は印刷物の印刷汚れの程度から目視
判断し、さらに耐刷力の評価としては同様の印刷条件で
5千部数の印刷を行い評価したが、いずれの版材も地汚
れの発生もなく、全く問題なく印刷できることが分かっ
た。
【0105】
【発明の効果】以上の実施例に示すように、金属イオン
とのキレート形成を応用した平版印刷版において、化1
もしくは化2に示される官能基を有する水溶性ポリマー
を支持体上に形成したシート上に、表面から金属イオン
を供給することで、良好な印刷印刷特性を有する印刷用
材料が与えられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03F 7/07 G03F 7/00 503

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に金属イオンにより硬化する水
    溶性ポリマーを含有する層を設け、この層の表面より金
    属イオンを含有する溶液を画像様に供給することで、支
    持体上に硬化した該水溶性ポリマーからなる画像パター
    ンを形成することを特徴とする印刷版の作成方法。
  2. 【請求項2】 支持体上に化1あるいは化2で示される
    官能基を含む水溶性ポリマーを含有する層を設け、該層
    の表面より金属イオンを含有する溶液を画像状に供給す
    ることで該水溶性ポリマーを金属によるキレート形成に
    より硬化させ、未硬化部の水溶性ポリマーを溶解除去す
    ることで支持体上に硬化した該水溶性ポリマーからなる
    画像パターンを形成することを特徴とする印刷版の作成
    方法。 【化1】 化1中、R1 は水素原子、アルキル基、アリール基、ア
    ミノ基、またはアミジノ基を表わし、R2 は水素原子ま
    たはアミノ基を表わす。 【化2】 化2中、Xは含窒素複素環を表わし、nは1または2を
    表わす。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、該水溶性ポ
    リマーを含有する層の表面から金属イオンを画像状に供
    給する手段として、銀錯塩拡散転写法を利用することを
    特徴とする印刷版の作成方法。
  4. 【請求項4】 請求項1または2において、該水溶性ポ
    リマーを含有する層の表面から金属イオンを画像状に供
    給する手段として、インクジェット記録方式を利用する
    ことを特徴とし、インキ成分中に重金属イオンを含有す
    ることを特徴とする印刷版の作成方法。
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