JPH08184967A - 平版印刷版 - Google Patents

平版印刷版

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Publication number
JPH08184967A
JPH08184967A JP32596594A JP32596594A JPH08184967A JP H08184967 A JPH08184967 A JP H08184967A JP 32596594 A JP32596594 A JP 32596594A JP 32596594 A JP32596594 A JP 32596594A JP H08184967 A JPH08184967 A JP H08184967A
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JP
Japan
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group
chemical formula
water
layer
printing plate
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Pending
Application number
JP32596594A
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English (en)
Inventor
Akira Furukawa
彰 古川
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Publication date
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Priority to US08/577,669 priority patent/US5695908A/en
Priority to EP95120584A priority patent/EP0720054B1/en
Priority to DE69509057T priority patent/DE69509057T2/de
Publication of JPH08184967A publication Critical patent/JPH08184967A/ja
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  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】アルミニウム板支持体上に銀イオンにより硬化
する水溶性ポリマーと疎水性微粒子からなる層と感光性
ハロゲン化銀乳剤層を設けることで、高感度でかつ良好
な印刷適性を有する平版印刷版を与える。 【構成】銀イオンにより硬化する水溶性ポリマーとし
て、下記化1もしくは化2で示される官能基を有する水
溶性ポリマーを疎水性微粒子とともにアルミニウム板支
持体上に形成し、さらに上層に感光性ハロゲン化銀乳剤
層を形成することを特徴とする平版印刷版である。 【化1】 化1中、R1 は水素原子、アルキル基、アリール基、ア
ミノ基、またはアミジノ基を表わし、R2 は水素原子ま
たはアミノ基を表わす。 【化2】 化2中、Xは含窒素複素環を表わし、nは1または2を
表わす。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルミニウム板を支持
体とする感光性平版印刷版において、ハロゲン化銀乳剤
層を感光層とし、現像処理の際に銀錯塩を形成し、こう
した銀錯塩により硬化可能なポリマーを使用することで
平版印刷版を作成する新規な平版印刷版に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】印刷版の作成方法としては従来より種々
の方法が知られている。例えば、感光性樹脂を利用した
樹脂凸版やPS版と称される平版印刷版等は多方面で広
く使用されているのは周知の事である。感光性樹脂に係
わる問題点としては高感度化の問題があり、ダイレクト
製版を目的としてレーザー露光での感度を有する感光性
樹脂も開発されてきているものの例えば銀塩写真なみの
高感度を有する感光材料は未だ実用化には至っていない
のが現状である。
【0003】一方、電子写真方式を利用した印刷版の作
成方式としては、酸化亜鉛や硫化カドミウム、あるいは
有機光導電性物質(OPC)を各種バインダーとともに
支持体上に層を形成し、帯電、露光、トナー現像後に非
画像部をエッチング工程により親水化することで、トナ
ー画像部をインク受理性とする平版印刷版の作成方法が
行なわれているが、印刷版を得るまでのプロセスが複雑
であり、安定して高品位の印刷版を得るためには、装置
の極めて厳密な維持、管理が必要であった。
【0004】銀塩写真方式を応用した平版印刷版の作成
方式としては、銀錯塩拡散転写法により銀画像を形成
し、銀画像表面のインク受理性を利用してオフセット印
刷を行なう方式も広く実施されている。こうした銀錯塩
拡散転写法(DTR法)を利用した平版印刷版について
は、フォーカルプレス、ロンドン ニューヨーク(19
72年)発行、アンドレ ロットおよびエディス ワイ
デ著、「フォトグラフィック・シルバー・ハライド・デ
イフユージョン・プロセシズ」、第101頁〜第103頁
にいくつかの例が記載されている。
【0005】その中で述べられているように、DTR法
を利用した平版印刷版には、転写材料と受像材料を別々
にしたツーシートタイプ、あるいはそれらを一枚の支持
体上に設けたモノシートタイプの2方式が知られてい
る。ツーシートタイプの平版印刷版については、特開昭
57−158844号公報等に詳しく記載されている。
また、モノシートタイプについては、特公昭48−30
562号、同51−15765号、特開昭51−111
103号、同52−150105号等の各公報に詳しく
記載されている。
【0006】印刷版、特に平版印刷版においては支持体
の選択が極めて重要な因子である。PS版に使用されて
いるような砂目立て処理されたアルミ板上にインク受理
性である画像層を形成することで非画像部の親水性が充
分に高く印刷汚れの発生の少ない、かつ高耐刷性の印刷
版が形成されることから、特に刷り枚数の多い高品質の
印刷レベルを要求する場合に適している。一方でより安
価な支持体として紙あるいはフィルムを使用しこの表面
に親水性の表面を有する非画像部を形成する層とインク
受理性を有する画像層を形成する方法が採用されてい
る。しかしながら、例えば、紙を支持体とする平版印刷
版では印刷中の版伸びや水分のしみ込み等のために耐刷
性を含めて高品質の印刷は困難である。あるいは、フィ
ルムを支持体とした平版印刷版においても、同様に版伸
びの問題や耐刷性、保水性あるいは印刷機への版掛け性
等の点で問題がある。
【0007】特にアルミニム板を支持体とした銀塩方式
の平版印刷版については、特開昭57−118244
号、同57−158844号、同63−260491
号、特開平3−116151号、同4−282295号
などの各公報に詳しく記載されている。これらには、粗
面化され陽極酸化されたアルミニウム板を支持体とし、
その上に物理現像核を担持し、さらにその上層に感光性
ハロゲン化銀乳剤層を設けたモノシートタイプでDTR
法を利用する平版印刷版が詳しく述べられている。それ
らによれば、上記平版印刷版を像様露光し、DTR現像
した後、ハロゲン化銀乳剤層を温水で洗浄、除去し印刷
版を作成する方法であり、平版印刷におけるインク受理
性を有する部分はアルミニウム板上に形成された金属銀
画像であり、こうした転写銀画像の画質、インク受理
性、耐刷性等の点で充分とは言えないものであった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来の印
刷版の形成方法ではいずれの方法においても印刷版自体
の感度の問題や、画質およびインク受理性、耐刷性等の
問題が多々存在し、高感度化等の感光特性と印刷版とし
ての必要特性のバランスをとることが極めて困難であっ
た。本発明に係わる課題は、平版印刷版としてインク乗
りが良好で、高耐刷性で高品位の画像を簡便に支持体上
に形成し、高感度の平版印刷版を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる課題は下
記のような方法を用いることで解決される。即ち、支持
体として、粗面化され陽極酸化されたアルミニウム板を
支持体とし、該支持体上に銀イオンにより硬化する水溶
性ポリマーと疎水性微粒子を含有する層を設け、さらに
この層の上に感光性ハロゲン化銀乳剤層を形成すること
で目的とする平版印刷版が得られる。こうした構成にお
いて、該水溶性ポリマーとしては、銀イオンの添加によ
り硬化するという特徴を有しておれば特に制限は無く、
水溶性であるという特性自体も、こうしたポリマー中に
銀イオンが拡散する場合に、銀イオンを含む溶液の浸透
性を高めるという効果を有するためであり、ポリマーが
例えばアルカリ性や酸性水溶液で溶解し、中性の水溶液
で溶解性が劣る場合であっても支障はない。
【0010】上記のハロゲン化銀乳剤層は感光性を有
し、像様露光された後、後述するDTR現像を行うこと
で例えば露光部のハロゲン化銀は還元され金属銀として
該ハロゲン化銀乳剤層中に留まるが、未露光部のハロゲ
ン化銀はDTR現像液中に含まれるハロゲン化銀に対す
る溶剤によって銀錯イオンを形成して溶解し、拡散する
ことによって下層に設けた該水溶性ポリマーと疎水性微
粒子を含む層中に浸透することが出来る。このようにし
て拡散、浸透してきた銀錯イオンにより該水溶性ポリマ
ーが硬化することで像様露光されたパターンが該アルミ
ニウム支持体上に硬化皮膜として形成される訳である。
こうしたハロゲン化銀乳剤層が該水溶性ポリマーおよび
疎水性微粒子を含む層に隣接して設けられていることか
ら、DTR現像による銀錯イオンの拡散が効率よく進行
するとともに、転写画像の画質を良好なものにすること
から極めて好ましい。
【0011】上記で言う疎水性微粒子とは、乳剤層から
の銀イオンの拡散によって硬化した該水溶性ポリマーの
層中に残存して、この硬化皮膜の疎水性を高めることで
インク受理性を付与させる目的で使用するものであり、
該水溶性ポリマーを含有する層中に微粒子様に分散添加
された疎水性物質であれば特に限定されないが、例え
ば、炭素数10以上のアルキル基を含有するオイル、ワ
ックスの分散物、あるいは通常のラテックス、エマルジ
ョンのような非水溶性ポリマーのコロイド状分散物、も
しくはポリマービーズとしてポリスチレン微粒子、ポリ
メタクリル酸エチル微粒子等の固体微粒子、またはワッ
クス、オイル等を内包するマイクロカプセル等の種々の
疎水性微粒子が好ましく使用される。
【0012】上記において、該ポリマーが銀イオンによ
り硬化するという特性は、ポリマー中に銀イオンと強く
相互作用するような官能基を有する場合に発揮される
が、いわゆる既知のキレート形成ポリマーの多数の例に
おいてこうした現象が認められる。こうした一般に知ら
れるキレート形成ポリマーの内には単にキレートを形成
するのみで、ポリマーの硬化、不溶化までには至らない
場合も多く、さらには硬化する場合であっても硬化の程
度が弱く、耐水性に劣り本発明に係わる画像形成には利
用出来ない場合もある。
【0013】本発明の目的に係わる構成の極めて好まし
い例として、化7もしくは化8で示される官能基を含む
水溶性ポリマーと疎水性微粒子を含有する層を設け、該
層の上層に感光性ハロゲン化銀乳剤層を設けることを特
徴とする平版印刷版によることで目的が達成される。こ
の際、該感光性ハロゲン化銀乳剤層は像様露光され、D
TR現像されることで銀錯イオンを下層の該水溶性ポリ
マーを含む層に供給し、この銀錯イオンに対してキレー
ト形成を行なう官能基として化7もしくは化8で示され
る官能基を有する該水溶性ポリマーが硬化することが特
徴である。未硬化部の水溶性ポリマーは水により容易に
溶解除去されることから、例えば、DTR現像処理に引
続いて水洗処理を行なうことで、該支持体上にキレート
形成により硬化した該水溶性ポリマーからなる画像パタ
ーンが形成されることになり、こうした画像パターン部
が疎水性微粒子が共存していることで良好なインク受理
性を示すことから目的とする印刷版が作成される。
【0014】
【化7】
【0015】化7中、R1 は水素原子、アルキル基、ア
リール基、アミノ基、またはアミジノ基を表わし、R2
は水素原子またはアミノ基を表わす。
【0016】
【化8】
【0017】化8中、Xは含窒素複素環を表わし、nは
1または2を表わす。
【0018】上記における疎水性微粒子は硬化した部分
にのみ存在し、非硬化部においては該アルミニウム支持
体上から完全に脱落する必要があるが、該水溶性ポリマ
ーとともに微粒子状に分散し、こうした微粒子単独によ
る耐水性かつ疎水性である皮膜の形成を防止すること
で、非硬化部におけるこうした疎水性微粒子の溶出が良
好に行えることになる。
【0019】こうした疎水性微粒子の該水溶性ポリマー
に対する比率に関しては特に制約は無いが、一般的には
該水溶性ポリマー100重量部に対して1重量部以上1
000重量部以下の範囲で含まれていることが好まし
く、これ以下の添加量では疎水性微粒子の添加効果が少
なく、印刷版として使用した場合にインク乗りにやや劣
る場合がある。あるいは、上記の範囲を越えて疎水性微
粒子を添加した場合には、該水溶性ポリマーの未硬化部
においても疎水性微粒子が残存し易くなり、印刷版とし
て使用した場合に印刷汚れを発生することがあり好まし
くない。
【0020】さらに、上記硬化部に残存する疎水性微粒
子は加熱することによって、さらに硬化部の疎水性を一
層高めることが可能であり、またこうした加熱処理を行
うことで硬化皮膜の強度を一層高めることが出来るた
め、印刷版として使用した際の耐刷性およびインク乗り
を非常に良好なものにすることが出来ることから極めて
好ましい。
【0021】本発明による印刷版の作成方法に関して
は、ハロゲン化銀乳剤層の側から像様露光し、通常のD
TR現像処理を行い、乳剤層下部に設けた該水溶性ポリ
マーを含む層に銀イオンを拡散転写した後、水洗処理を
行うことでアルミニウム板支持体上に硬化した該水溶性
ポリマーと疎水性微粒子から構成された画像が形成され
る。これをそのまま印刷版として使用することも可能で
あるが、あるいはさらに加熱処理を施すことで先に述べ
たように耐刷性およびインク乗りをさらに向上させるこ
とが出来る。
【0022】また、支持体に関しては、粗面化され、陽
極酸化されたアルミニウム板を使用することで、印刷版
として使用した場合の非画像部の親水性あるいは保水性
が極めて良好であることや、版伸びが少なく、高品位の
印刷物を多数部の印刷枚数で得られることから極めて好
ましい。さらに、本発明で示される該水溶性ポリマーと
の接着性が良好であることから、画像部の耐刷性が良好
であり、該ポリマーと疎水性微粒子から形成された硬化
画像部のインク受理性および耐刷性がアルミニウム板上
で極めて良好に発揮されることで特に好ましい効果が見
られる。
【0023】先の化7で表わされる官能基を有する水溶
性ポリマーの好ましい例としては下記化9で示される繰
り返し単位を含む水溶性ポリマーが挙げられる。
【0024】
【化9】
【0025】化9中、R3 は水素原子またはメチル基を
表わし、Qは2価の連結基を表わす。R4 は2価の連結
基で、含まれない場合もある。R5 はR1 と同義であ
る。R6 はR2 と同義である。
【0026】上記化8で表わされる官能基を有する水溶
性ポリマーの好ましい例としては下記化10で示される
繰り返し単位を含む水溶性ポリマーが挙げられる。
【0027】
【化10】
【0028】化10中、R7 は水素原子またはメチル基
を表わし、Lはアルキレン基、アリーレン基、アラルキ
レン基、COO基、NHCOO基、NHCOOCH2
2基、CONH基あるいは化11で示される置換基等
の2価の連結基を表わす。Aはメルカプト基を有するオ
キサジアゾール環、チアジアゾール環、セレナジアゾー
ル環、トリアゾール環、トリアジン環を表わし、これら
の環はベンゼン環を介して連結基Lと結合していても良
い。
【0029】
【化11】
【0030】化11中、R8 は水素原子またはアルコキ
シ基を表わす。
【0031】化9におけるR4 としては、例えばメチレ
ン基等のアルキレン基やエトキシエチル基等のオキシア
ルキレン基が挙げられるが、これらに限定されるもので
はなく、また場合によっては含まれない場合もある。ま
た、化9におけるQとしては例えばアルキレン基、アリ
ーレン基、アラルキレン基、COO基、NHCOO基、
CONH基、NHCOOC24基等の例が挙げられるが
これらに限定されるものではない。化9で示される繰り
返し単位の好ましい具体例としては下記化12〜化23
に示されるようなモノマーを重合させることで得られる
繰り返し単位が挙げられる。
【0032】
【化12】
【0033】
【化13】
【0034】
【化14】
【0035】
【化15】
【0036】
【化16】
【0037】
【化17】
【0038】
【化18】
【0039】
【化19】
【0040】
【化20】
【0041】
【化21】
【0042】
【化22】
【0043】
【化23】
【0044】化10で示される繰り返し単位の好ましい
具体例としては下記化24〜化35に示されるようなモ
ノマーを重合させることで得られる繰り返し単位が挙げ
られる。これらはいずれもメルカプト基を有するモノマ
ーであり、このままの状態で重合を行うと、メルカプト
基に対する重合ラジカルの攻撃により連鎖移動反応が起
こるため、十分な分子量の重合体が得られない場合や、
逆にゲル化が生じる場合があるため適当な形でメルカプ
ト基の保護を行うことが必要である。こうした目的で
は、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナ
トリウム等の各種塩基の添加によりメルカプト基をチオ
レートの形に変換して重合を行う方法や、あるいはアセ
チル化のようにチオエステル基の形に変換して重合を行
うことでもメルカプト基の重合の際の保護を行うことが
出来る。重合終了後にチオレートは単に中和することで
メルカプト基が再生され、チオエステル基の場合には加
水分解することでメルカプト基が再生される。
【0045】
【化24】
【0046】
【化25】
【0047】
【化26】
【0048】
【化27】
【0049】
【化28】
【0050】
【化29】
【0051】
【化30】
【0052】
【化31】
【0053】
【化32】
【0054】
【化33】
【0055】
【化34】
【0056】
【化35】
【0057】さらに、該水溶性ポリマーとしては化7
(化9)もしくは化8(化10)で表わされる官能基を
有しておれば本発明の目的とする効果が現われるもので
あるが、例えば化9で示される繰り返し単位からなるホ
モポリマーであっても良く、あるいはこうした繰り返し
単位とともに下記化36で表わされるような繰り返し単
位を合わせ持つ共重合体を使用することで、塗布性を向
上させるとともに支持体との接着性を良好なものとし、
耐刷力に優れた印刷版を与えることが出来る。
【0058】
【化36】
【0059】化36において、R9 、R10は水素原子ま
たはメチル基を表わし、R11は水素原子またはアルキル
基、ヒドロキシアルキル基を表わす。
【0060】化9もしくは化10で表わされる繰り返し
単位と化36で表わされる繰り返し単位の共重合体中に
おける割合としては化9もしくは化10の繰り返し単位
が0.1重量%以上100重量%以下である場合に本発
明の効果が最も顕著に現れ、化9もしくは化10の繰り
返し単位が0.1重量%以下の場合には効果が認められ
ない場合がある。
【0061】化36で表わされる繰り返し単位を与える
ための好ましいモノマーとしては、アクリルアミド、メ
タクリルアミド、N,Nージメチルアクリルアミド、N
−イソプロピルアクリルアミド、N−メチロールアクリ
ルアミド等が挙げられるがこうしたモノマーを共重合成
分として該水溶性ポリマー中に導入することで、該ポリ
マーの粘度を適度に調節し先に述べたように該ポリマー
を含む塗布液の塗布性を良好なものとし、さらに耐刷力
の優れた印刷版とすることが出来る。
【0062】本発明は上記のようなホモポリマーあるい
は2成分からなる共重合体を使用することで目的は充分
に達成されるものであるが、適用しようとする個々の場
合によってはさらに該水溶性ポリマーの性質を改善する
ことが好ましい場合がある。例えば、キレート形成後の
硬化層の疎水性をさらに高め、印刷時のインキ受理性を
一層向上するなどの目的ではさらに第3、第4等の共重
合成分として、(メタ)アクリル酸アルキルエステル
(炭素数1から20までの飽和アルキルエステル)、
(メタ)アクリル酸ベンジルエステル、スチレンおよび
その誘導体等の種々の疎水性モノマーを共重合成分とし
て該水溶性ポリマー中に導入しても良い。あるいは、種
々の目的で、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコ
ン酸、マレイン酸のようなカルボキシル基を有するモノ
マーあるいはこれらの塩や、ビニルスルホン酸ナトリウ
ム、p−スチレンスルホン酸ナトリウム、(メタ)アリ
ルスルホン酸ナトリウムのようなスルホン酸基を有する
モノマー、さらに2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリ
レート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポ
リエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートのよう
な水酸基を有するモノマーやメトキシエチル(メタ)ア
クリレート、メトキシポリエチレングリコールモノ(メ
タ)アクリレートのようなメトキシ基およびエチレンオ
キシ基を有するようなモノマー、あるいは、ビニルイミ
ダゾール、4−ビニルピリジン、2−ビニルピリジン、
N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、
N,Nージエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、
N,Nージメチルアミノプロピルアクリルアミド、アリ
ルアミン、ジアリルアミン等のような塩基性窒素原子を
有するモノマーや、その他酢酸ビニル、プロピオン酸ビ
ニル、安息香酸ビニル等のビニルエステル誘導体、N−
ビニルピロリドン、アクリロニトリル、メチルビニルエ
ーテル、ブチルビニルエーテル等種々のモノマーを共重
合成分として導入することも出来る。さらに、少量であ
れば2官能性モノマーとしてジビニルベンゼン、エチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、メチレンビスア
クリルアミドのようなモノマーを導入することも可能で
ある。
【0063】しかしながら、上記のようなモノマーを共
重合成分として該水溶性ポリマー中に導入する場合に
は、これら成分の共重合体組成中での割合は50重量%
以下であることが好ましく、これ以上の添加で得られる
水溶性ポリマーの水に対する溶解性が低下したり、ある
いはこうした場合に作成される印刷版において印刷時の
インキ汚れの程度が悪化するなど好ましくない影響が現
われることがある。
【0064】本発明で与えられるポリマーの分子量とし
ては重量平均分子量として5000以上100万以下の
範囲にあることが好ましく、これ以上の分子量のポリマ
ーでは溶液粘度が高く塗布が困難となる場合があるため
好ましくない。また上記範囲以下の低分子量のポリマー
を使用して形成された印刷版では耐刷力が低下すること
があり好ましくない。
【0065】先に述べたように、本発明におけるポリマ
ーを印刷版用として利用するためには支持体の選択が重
要となる。例えばオフセット印刷用印刷版として使用す
る場合においては、支持体としては、その表面が充分に
親水性であり、印刷に際して地汚れの発生が起こらない
ことが必須条件であり、こうした目的に合致する支持体
としては砂目だて処理を行い、また陽極酸化により表面
を親水性にしたアルミニウム板が適している。陽極酸化
層の厚みは約0.3〜3ミクロンの範囲が好ましい。ま
た、陽極酸化に先立ってもしくはその直後にデスマット
を施すことが好ましい。即ち、粗面化処理を行なったア
ルミニウム板を、10〜50%の熱硫酸(40〜60
℃)や希薄なアルカリ(水酸化ナトリウム等)で処理す
ることにより、表面に付着したスマットが除去されるた
め極めて好ましい。
【0066】上記に示すようなアルミニウム板支持体表
面に本発明のポリマーと疎水性微粒子を塗工し、さらに
この上層に感光性ハロゲン化銀乳剤層を設けることで目
的とする印刷版が形成される。即ち、本発明のポリマー
は金属イオンと接触することでキレートを形成し不溶化
することが特徴であり、上記のように予め親水化処理さ
れた表面を有する支持体上に本発明のポリマーを塗工し
ておき、このポリマー層の表面から画像様に金属イオン
を注入することで、画像様にポリマーのキレート架橋が
生成するため、さらに水等で未架橋部のポリマーを溶解
除去することで支持体上に架橋したポリマーの画像が形
成される。ポリマーは架橋することで吸水性が低下し、
むしろインキ親和性が出てくることから、画像部はイン
キ受理性となり、また非画像部においては親水性表面が
でてくることからオフセット印刷に対する印刷適性が発
現する。
【0067】上記において、画像様に金属イオンを該ポ
リマーを含む層に供給する手段として、ハロゲン化銀乳
剤層からの銀錯イオンを利用するものであり、現像方式
として先のDTR現像を行なうことで未露光部の非感光
ハロゲン化銀が適当な溶剤により溶解され(直接ポジタ
イプのハロゲン化銀乳剤を使用した場合には逆にな
る)、該水溶性ポリマーを含む層に拡散し、該ポリマー
層を硬化することで、像様に硬化した部分が形成され
る。
【0068】こうした未露光部のハロゲン化銀を錯形成
により溶解させるための溶剤としては、各種アミン化合
物やチオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸アンモニウム、チオ
シアン酸塩、あるいはシスチン、メルカプト酢酸等のメ
ルカプト化合物、チオエーテル類等種々の溶剤が使用出
来る。
【0069】上記のような方法で現像時に銀錯イオンに
より硬化した該水溶性ポリマーを含む支持体は、水洗す
ることで未転写部およびハロゲン化銀乳剤層が除去さ
れ、硬化したポリマーによる画像パターンが支持体上に
形成され、該支持体自体の表面が前述のように親水性を
有することからこのままオフセット用印刷版として使用
することが出来る。
【0070】あるいは上記の原理で印刷版を形成する方
法において、本発明によるポリマーとともに、銀塩感光
材料から転写してきた銀錯イオンを物理現像するための
物理現像核を併せて含むものであっても良く、例えば金
属銀核やパラジウム核(硫化パラジウム等)のようない
わゆる物理現像核を該ポリマーと同一の層中あるいはこ
れと隣接する層に含有させておくことで、銀錯イオンの
拡散転写による該ポリマーの硬化反応と同時に物理現像
の進行により金属銀が該ポリマーを有するシート上に同
時に起こることになる。こうした金属銀の存在は画像部
の硬化ポリマーのインク受容性をいっそう高めることに
なり好ましいものであり、さらには画像部が黒色に着色
されるため、印刷版上の画像が視覚的に見やすいために
極めて好ましい。
【0071】こうした物理現像核としてはコロイド状に
分散した液を塗布液として使用することが好ましく、例
えば、金、銀等のコロイドやパラジウム、亜鉛等の水溶
性塩と硫化物を混合した金属硫化物コロイドなどが好ま
しく使用出来る。この際コロイド状態を安定に保つため
の保護コロイドとしてゼラチンや各種水溶性ポリマーを
使用することも出来、これらの詳細および製法について
は、例えば前出のフォーカルプレス、ロンドン ニュー
ヨーク(1972年)発行、アンドレ ロットおよびエ
デイス ワイデ著、「フォトグラフィック・シルバー・
ハライド・デイフユージョン・プロセシズ」を参照しう
る。
【0072】このようにして調製された物理現像核を含
むコロイド分散液は本発明による水溶性ポリマーと混合
してアルミニウム支持体上に塗布して膜形成を行なって
も良く、あるいはアルミニウム支持体上に直接物理現像
核層を設け、その後に該水溶性ポリマーを含む層を形成
しても良い。あるいは、該水溶性ポリマーを含む層を先
に設け、しかる後に物理現像核層を設けても良い。いず
れの層構成においても、これらの上層にさらに感光性ハ
ロゲン化銀乳剤層を形成して印刷版とするのであるが、
いずれの層構成においても印刷版としての性能に大差は
見られない。
【0073】本発明に係わる感光性ハロゲン化銀乳剤層
には各種水溶性ポリマーが使用され、例えば、酸処理ゼ
ラチン、アルカリ処理ゼラチン、ゼラチン誘導体、グラ
フト化ゼラチン等の各種ゼラチンや、ポリビニルピロリ
ドン、各種でんぷん、アルブミン、ポリビニルアルコー
ル、アラビアゴム、ヒドロキシエチルセルロース等各種
セルロース誘導体、ポリアクリル酸等の多種のポリマー
が単独あるいは組み合わせて使用することが出来るが、
物理現像後にこうしたポリマーを含有するハロゲン化銀
乳剤層を剥離するためには実質的に硬膜剤を含まない非
架橋のハロゲン化銀乳剤層であることが好ましい。
【0074】本発明に係わる感光性ハロゲン化銀乳剤と
しては、一般に用いられる塩化銀、臭化銀、ヨウ化銀、
塩臭化銀、塩ヨウ臭化銀、ヨウ臭化銀等から選択される
乳剤が好ましい。また、乳剤のタイプとしてはネガ型、
ポジ型のいずれでも良く、またこれらの乳剤は必要に応
じて化学増感あるいはスペクトル増感することが好まし
く行なわれる。
【0075】現像主薬に関しては、一般の写真感光性ハ
ロゲン化銀材料の現像処理においては、その現像主薬を
該感光材料中、または現像液のどちらに含有せしめても
良く、さらには両方に含有せしめて処理されることも良
く知られていて、本発明の現像処理もかかる方法に順じ
て行なうことにより、現像速度を調整することが可能で
ある。
【0076】ここで使用される現像主薬は例えばつぎの
ようなものが挙げられる。ハイドロキノン、カテコー
ル、ピロガロール等のヒドロキシベンゼン系現像主薬お
よびそれらの誘導体で、メチルハイドロキノン、ジメチ
ルハイドロキノン、クロロハイドロキノン、4−メチル
カテコール、4−エチルカテコール、4−t−ブチルカ
テコール、没食子酸、没食子酸メチルエステル、没食子
酸エチルエステル等、また、パラアミノフェノールおよ
びその誘導体、例えば、N−メチルパラアミノフェノー
ル、2,4−ジアミノフェノール硫酸塩、または1−フ
ェニル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4−メチル
−3−ピラゾリドン等である。これらの現像主薬は、そ
の水溶液もしくはメタノール、エタノール、プロパノー
ル、アセトン、エチレングリコール等の水混和性有機溶
剤中に溶解して添加される。好ましくは重金属もしくは
それらの硫化物コロイドを含む液とともに塗布される。
【0077】添加すべき必要な現像主薬の量は、例えば
ハイドロキノンで0.02g/mから1.0g/m
、また、1−フェニル−3−ピラゾリドンでは、0.
001g/m2 から0.1g/m2 の量で充分である。
これによって知られる効果は、印刷汚れが著しく改良さ
れたばかりでなく、写真および印刷特性上硬調で、画像
の鮮鋭度が高く、かつ解像度が良好で、ひいては経時に
よる特性の変化の少ない感光材料を得る。
【0078】印刷版として本発明のポリマーを支持体上
に形成したシート材料を形成する場合には、ポリマーの
塗布量としては乾燥重量として0.1〜10g/m2
範囲で皮膜を形成することが好ましく、これ以下の塗布
量では印刷時のインク乗りが不十分であったり耐刷性に
劣る場合があり好ましくない。さらにこれより多い塗布
量の場合には解像度が劣ることがあり好ましくないため
上記の範囲の塗布量で形成されたシート材料を印刷版と
して使用することが望ましい。
【0079】本発明が開示するポリマーの製造方法とし
ては通常のラジカル重合の手法をそのまま適用すること
が出来る。また重合溶媒としては水以外にも水と混和性
の各種アルコール類等も重合度を適度に調節する等の目
的で好ましく使用される。
【0080】本発明のポリマーは、通常の各種水溶性ポ
リマー、例えばゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリ
ビニルピロリドン、ヒドロキシエチルセルロース、カル
ボキシメチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリア
クリル酸、デキストラン、プルラン、各種変性でんぷん
等の種々の水溶性ポリマーと混合または併用して用いる
ことも出来る。但し、こうした各種水溶性ポリマーの添
加は皮膜の硬化性を損なわない範囲で使用することが必
要であり、本発明によるポリマーに対して等量以下の量
で使用することが好ましい。
【0081】あるいは、本発明に係わる該ポリマーとと
もに充填剤として各種顔料、例えばシリカ粒子、カーボ
ンブラック、コロイダルシリカ、アルミナゾル等の粒子
を添加することで、こうした充填剤を含む層中への銀錯
イオンを含む溶液の浸透、拡散を促進する効果が見られ
好ましい場合がある。
【0082】次に本発明に係わる官能基を有するポリマ
ーを例示するが、これらに限定されるものではない。な
お、式中の数字はすべて共重合体組成中の各繰り返し単
位の重量%を示す。
【0083】
【化37】
【0084】
【化38】
【0085】
【化39】
【0086】
【化40】
【0087】
【化41】
【0088】
【化42】
【0089】
【化43】
【0090】
【化44】
【0091】
【実施例】
実施例1 (I)ポリマーの合成 合成例1(例示ポリマー、化37) 攪拌機、温度計、還流管および窒素導入管を備えた50
0ml4ツ口フラスコ内にアクリルアミド45gおよび
化12(チオ尿素およびクロロメチルスチレン(m,p
体混合物)をエタノール中で加熱還流して合成された。
同様に化13の化合物はグアニルチオ尿素とクロロメチ
ルスチレンから合成され他も同様な方法で合成され
た。)で示されるモノマー5gを導入し、蒸留水200
gおよびエタノール100gを加えて溶解した。50℃
に加熱した水浴上にフラスコを置き、窒素気流下で攪拌
しながら重合開始剤として2,2´−アゾビス(2−ア
ミジノプロパン)ジハイドロクロライド(V−50,和
光純薬工業(株)製)を0.5g添加して重合を開始し
た。50℃で1時間加熱攪拌を行い、引続きフラスコ内
温を75℃に昇温して3時間加熱攪拌を行なった。この
様にして得られたポリマーはGPC分析の結果、重量平
均分子量約10万のポリマーであった。全く同様の方法
によって、化37〜40に示されるポリマーを合成し
た。
【0092】合成例2(例示ポリマー、化41) 攪拌機、温度計、還流管および窒素導入管を備えた50
0ml4ツ口フラスコ内にアクリルアミド45gおよび
化24(ビスムチオールおよびクロロメチルスチレン
(m,p体混合物)を等モルの水酸化ナトリウムの存在
下、水/エタノール中で加熱して合成された。同様に化
25の化合物はチオシアヌル酸モノナトリウム塩とクロ
ロメチルスチレンから合成され他も同様な方法で合成さ
れた。)で示されるモノマー5gを導入し、水酸化ナト
リウム0.78gと蒸留水200gおよびエタノール1
00gを加えて溶解した。50℃に加熱した水浴上にフ
ラスコを置き、窒素気流下で攪拌しながら重合開始剤と
して2,2´−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニト
リル)(V−65,和光純薬工業(株)製)を0.5g
添加して重合を開始した。50℃で1時間加熱攪はんを
行い、引続きフラスコ内温を75℃に昇温して3時間加
熱攪拌を行なった。この様にして得られたポリマーはG
PC分析の結果、重量平均分子量約10万のポリマーで
あった。全く同様の方法によって、化42〜44に示さ
れるポリマーを合成した。
【0093】(II)平版印刷版の作成 砂目だて処理し、陽極酸化により表面を親水化したアル
ミニウム板上に本発明によるポリマーとして化38で示
されるポリマーをポリスチレンビーズ(粒子径1ミクロ
ンの単分散微粒子であり、既知の分散重合法により合成
された)とともに(ポリスチレンビーズは化38のポリ
マーに対して5重量%添加した)乾燥重量で2g/m2
になるよう塗布し、受像シートとした。これをプレート
(A)とした。さらに、同様に該アルミニウム板上に本
発明によるポリマー化38と、同じく粒子径1ミクロン
のポリスチレンビーズとともに下記のようにして調製さ
れた硫化パラジウムゾルを下記(2)のような処方で配
合した塗液を作成し、ポリマー化38とポリスチレンビ
ーズ(化38のポリマーに対してポリスチレンビーズは
5重量%添加した)のトータルの乾燥重量が約2g/m
2 となるように塗布したプレート(B)を作成した。さ
らに各々のプレート上に、上層としてオルト増感された
高コントラストのハロゲン化銀乳剤を塗布した。この乳
剤層は硝酸銀としてのハロゲン化銀量で1.5g/m2
とゼラチン1.5g/m2 より基本的に構成されてお
り、硬膜剤は含有していない。
【0094】(1)硫化パラジウムゾルの調製 A液 塩化パラジウム 5 g 塩酸 40ml 蒸留水 1000ml B液 硫化ソーダ 8.6g 蒸留水 1000ml A液とB液を攪拌しながら混合し、30分後にイオン交
換樹脂(IR−120E、IRA−400)の充填され
たカラムに通し硫化パラジウムゾルを得た。
【0095】(2)本発明のポリマーを含む物理現像核
塗液の調製 上記硫化パラジウムゾル 100ml ハイドロキノン 100g 本発明のポリマー(固形分として) 50g ポリスチレンビーズ 2.5g 10%サポニン(界面活性剤) 2ml 水を加えて全量を 2000mlとし
た。
【0096】(III)処理方法 上記のようにして得られたプレート(A)あるいはプレ
ート(B)を像露光し、下記処方の転写現像液(C)に
30℃で30秒間浸漬し、転写現像を行い、ハロゲン化
銀写真感光材料のシートを引き剥して、引き続いて下記
処方(D)からなる液中に30秒間(25℃)浸漬し、
さらに流水中に浸漬して未硬化部のポリマーおよびハロ
ゲン化銀乳剤層を充分に洗い流した後、スクィ−ズして
余分な水を除き、プレート(A)あるいはプレート
(B)を乾燥し、さらに両プレートは100℃のオーブ
ン中で10分間加熱処理を行った。
【0097】処方C(転写現像液) 水 1500ml 水酸化ナトリウム 20g 亜硫酸ナトリウム 100g ハイドロキノン 12g 1−フェニル−3−ピラゾリドン 1g チオ硫酸ナトリウム 10g チオシアン酸カリウム 5g 臭化カリウム 5g 水を加えて全量を2lとする。
【0098】処方D 水 2l クエン酸 10g クエン酸ナトリウム 35g
【0099】(IV)印刷方法 かくして得られた印刷版(プレート(A)およびプレー
ト(B))を、オフセット印刷機リョービ3200CD
に装着し、印刷を行なった。印刷時の温度は22℃で湿
度は60%であった。
【0100】湿潤液としては市販の湿し水を使用し、印
刷インキとしては、大日本インキ製Fグロス墨Bを使用
した。
【0101】(VI)印刷特性の評価 次に、上記により得られた版材を所定の処理に従って前
記のオフセット印刷機により印刷を行なった。印刷特性
の評価は印刷物の印刷汚れの程度から目視判断し、さら
に耐刷力の評価としては同様の印刷条件で10万部数の
印刷を行い評価したが、いずれの版材も地汚れの発生も
なく、全く問題なく印刷できることが分かった。
【0102】実施例2 実施例1と同様にして化37〜44で示されるポリマー
を同様なアルミニウム板上に、ノニオン性界面活性剤の
存在下で既知の方法により乳化重合により合成されたポ
リスチレン系ラテックス(ラテックスは該ポリマーに対
して10重量%添加した)とともに乾燥重量が2g/m
2 になるように塗布したプレートを作成した。実施例1
と同一のハロゲン化銀乳剤層をさらに上層に設け、像露
光し、実施例1に示す転写現像液により現像を行なった
後、直ちに流水下にて水洗を行い、未硬化部のポリマー
および乳剤層を洗い流して70℃で10分間加熱乾燥し
て各印刷版を得た。
【0103】次に、上記により得られた版材を実施例1
と同様に前記のオフセット印刷機により印刷を行なっ
た。印刷特性の評価は印刷物の印刷汚れの程度から目視
判断し、さらに耐刷力の評価としては同様の印刷条件で
10万部数の印刷を行い評価したが、いずれの版材も地
汚れの発生もなく、全く問題なく印刷できることが分か
った。
【0104】実施例3 実施例1のアルミニウム板支持体上に、還元銀のヒドロ
ゾルを塗布した後、化37〜化44のポリマーをアクリ
ル系ラテックス(ポリアクリル酸エチルを主成分とする
ラテックスであり、ノニオン性界面活性剤を使用して既
知の方法により合成されたもので、これを該ポリマーに
対して20重量%添加した)とともに乾燥重量で1.2
g/m2 となるよう各々塗布、乾燥した。さらに各々の
上層に実施例1と同様のハロゲン化銀乳剤層を形成し、
同様に像露光を行い、さらに、特開平4−282295
号公報の実施例1に記載のDTR現像液を使用して現像
を行い、その後直ちに水洗処理を行い、未硬化部のポリ
マーおよび乳剤層を洗い流した。その後、各プレートは
50℃で5分間加熱乾燥した。
【0105】次に、上記により得られた版材を実施例1
と同様に前記のオフセット印刷機により印刷を行なっ
た。印刷特性の評価は印刷物の印刷汚れの程度から目視
判断し、さらに耐刷力の評価としては同様の印刷条件で
10万部数の印刷を行い評価したが、いずれの版材も地
汚れの発生もなく、全く問題なく印刷できることが分か
った。
【0106】
【発明の効果】以上の実施例に示すように、金属イオン
とのキレート形成を応用した平版印刷版において、化1
もしくは化2に示される官能基を有する水溶性ポリマー
を疎水性微粒子とともにアルミニウム板支持体上に皮膜
形成し、さらに上層に感光性ハロゲン化銀乳剤層を設け
ることで、高感度で、良好な印刷特性を有する平版印刷
版が与えられる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粗面化され陽極酸化されたアルミニウム
    支持体上に、銀イオンにより硬化する水溶性ポリマーと
    疎水性微粒子を含有する層を設け、さらにこの層の上層
    に感光性ハロゲン化銀乳剤層を形成することを特徴とす
    る平版印刷版。
  2. 【請求項2】 粗面化され陽極酸化されたアルミニウム
    支持体上に化1あるいは化2で示される官能基を含む水
    溶性ポリマーと疎水性微粒子を含有する層を設け、該層
    の上層に感光性ハロゲン化銀乳剤層を形成することを特
    徴とする平版印刷版。 【化1】 化1中、R1 は水素原子、アルキル基、アリール基、ア
    ミノ基、またはアミジノ基を表わし、R2 は水素原子ま
    たはアミノ基を表わす。 【化2】 化2中、Xは含窒素複素環を表わし、nは1または2を
    表わす。
  3. 【請求項3】 請求項1および2において、該水溶性ポ
    リマーと疎水性微粒子を含有する層中に銀錯塩に対する
    物理現像核を含むか、あるいは該水溶性ポリマーを含有
    する層に隣接して物理現像核を含む層を設け、これらの
    層の上層に感光性ハロゲン化銀乳剤層を形成することを
    特徴とする平版印刷版。
  4. 【請求項4】 請求項2において、化1で示される官能
    基を含む水溶性ポリマーとして下記化3で示される繰り
    返し単位を有することを特徴とする印刷版の作成方法。 【化3】 化3中、R3 は水素原子またはメチル基を表わし、Qは
    2価の連結基を表わす。R4 は2価の連結基を表わし、
    含まれない場合もある。R5 はR1 と同義である。R6
    はR2 と同義である。
  5. 【請求項5】 請求項2において、化2で示される官能
    基を含む水溶性ポリマーとして下記化4で示される繰り
    返し単位を有することを特徴とする印刷版の作成方法。 【化4】 化4中、R7 は水素原子またはメチル基を表わし、Lは
    アルキレン基、アリーレン基、アラルキレン基、COO
    基、NHCOO基、NHCOOCH2CH2基、CONH
    基あるいは化5で示される置換基等の2価の連結基を表
    わす。Aはメルカプト基を有するオキサジアゾール環、
    チアジアゾール環、セレナジアゾール環、トリアゾール
    環、トリアジン環を表わし、これらの環はベンゼン環を
    介して連結基Lと結合していても良い。 【化5】 化5中、R8 は水素原子またはアルコキシ基を表わす。
  6. 【請求項6】 請求項2における該水溶性ポリマーとし
    て化3もしくは化4で表わされる繰り返し単位とともに
    化6で表わされる繰り返し単位を併せて含む共重合体を
    該層中に含むことを特徴とする印刷版であり、化3もし
    くは化4で示される繰り返し単位と化6で示される繰り
    返し単位の共重合体中における割合としては化3もしく
    は化4の繰り返し単位が0.1重量%以上100重量%
    以下であることを特徴とする印刷版の作成方法。 【化6】 化6において、R9 、R10は水素原子またはメチル基を
    表わし、R11は水素原子またはアルキル基、ヒドロキシ
    アルキル基を表わす。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE112008000778T5 (de) 2007-03-23 2010-04-08 Mitsubishi Paper Mills Limited Wasserentwickelbares photoempfindliches Lithographiedruckplattenmaterial

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