JPH103170A - 平版印刷版 - Google Patents

平版印刷版

Info

Publication number
JPH103170A
JPH103170A JP28206996A JP28206996A JPH103170A JP H103170 A JPH103170 A JP H103170A JP 28206996 A JP28206996 A JP 28206996A JP 28206996 A JP28206996 A JP 28206996A JP H103170 A JPH103170 A JP H103170A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
atom
polymer
printing plate
lithographic printing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP28206996A
Other languages
English (en)
Inventor
Takahiro Matsunaga
隆弘 松永
Akira Furukawa
彰 古川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Paper Mills Ltd filed Critical Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority to JP28206996A priority Critical patent/JPH103170A/ja
Publication of JPH103170A publication Critical patent/JPH103170A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】タンニング現像法を利用し、タンニング現像に
より形成される皮膜が強くて耐刷力が良い平版印刷版を
提供する。 【解決手段】分子内に式(1)〜式(5)で表される構造部を
少なくとも一つ含むポリマーを少なくとも一つ含む感光
性ハロゲン化銀乳剤層を設けた平版印刷版を露光、タン
ニング現像後、洗浄してレリーフ像を形成する。 式(1)中、Z1、Z2はともに水素原子等G1は-CO-基等、で
ある。G2は酸素原子等、である。R1、R2は水素原子また
は一価の基である。 式(3)中、A1はOHまたはCH2OH。R3は置換可能な原子また
は置換基。n1は1〜4の整数。n2は0〜4の整数である。 式(4)中、A2は炭素原子または-PR5-基、A3は酸素原子
等、R4、R5は水素原子または一価の基、R6は水素原子ま
たはアミノ基である。 式(5)中、Q1は二価の連結基、A4は含窒素複素環基、こ
れらの環はベンゼン環を介して連結基Q1と結合していて
も良い。n3は1または2の整数である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、タンニング現像に
よるレリーフ画像形成方法に関するものであり、特に銀
塩平版印刷材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来からPS版として知られている感光
性平版印刷版は、ネガフィルムあるいはポジフィルムか
ら印刷版に紫外線照射によって焼き付けを行って印刷を
行うという面倒な方法を用いてきた。このようなPS版
の短所を補うものとして近年ダイレクト製版材料とし
て、電子写真方式や銀塩写真方式を用いた高感度の平版
印刷版が用いられるようになってきた。
【0003】しかしながら、電子写真方式を用いる平版
印刷版では、その製版工程において露光、現像処理に先
だって帯電を施さなければならず、装置が大掛かりにな
るという問題点があった。さらに、その乾式現像法によ
る処理では画質が悪く、湿式現像法では、労働衛生や危
険性の点から好ましくなかった。また、常に帯電後の電
荷の減衰が起こることからレーザー光のような走査露光
方式での製版には好ましくないという問題点があった。
【0004】一方、ハロゲン化銀ゼラチン乳剤感光系
は、一般に高感度、高解像力、保存安定性などに優れて
いる。さらにタンニング現像処理により、レリーフ像を
得ることが可能であることが知られており、感光性平版
印刷版などの分野へ応用可能である。この方法は、親水
性表面を有する支持体上にハロゲン化銀乳剤層を設け、
像露光後、タンニング現像により銀画像が形成された部
分のゼラチン膜を硬化させた後、温水に浸漬しハロゲン
化銀乳剤層の未硬化ゼラチンを水洗除去(Wash off)し
て取り除き、親水性の版面に親油性のレリーフ像を形成
させるものである。
【0005】しかしながら、このようなタンニング現像
を用いた平版印刷版は、画像部のゼラチン層の湿し水に
よる膨潤によってインキ受理性が低下したり、耐刷性が
低いという欠点があった。このような欠点を改良するた
めに、タンニング現像により形成される平版印刷版は、
(a)版面を70〜300℃の温度に加熱したり、(b)赤外線、
紫外線あるいは可視光線の照射処理、あるいは(c)重ク
ロム酸塩、過酸化物、コバルト錯塩、エポキシ化合物等
を用いて化学処理を行うことにより、画像部の親油性や
画像強度を持たせている。
【0006】しかし、例えば(a)の版面を70〜300℃の温
度に加熱することにより親油性を向上させ、画像強度を
高めることが出来る反面、タンニング現像により硬化さ
れたゼラチン層の支持体との接着性が低下したり、支持
体の変質による汚れが増加したりする。(a)、(b)とも印
刷版を加熱したり赤外線、紫外線あるいは可視光線を照
射するための装置が必要で、処理時間が長くなる。(c)
の重クロム酸塩、過酸化物、コバルト錯塩、エポキシ化
合物等を用いる化学処理はこれらの化合物が、労働衛生
上好ましくないという問題点があった。
【0007】これらの欠点を改良するため、親油性を向
上する方法としては、英国特許第1,567,844号、第1,57
1,155号、第1,590,058号および特開平4-324866に記載さ
れるように、親油性物質をハロゲン化銀乳剤に加える
か、または親油性オーバーコートを塗布することにより
改良することが開示されている。耐刷性を向上する方法
としては、特開平5-289228に記載されるように、第一ア
ミノ基を有するポリマーをゼラチンの代わりに用いるこ
とにより改良することが開示されている。しかし、この
ような方法では多部数の印刷物を印刷する部門では、ま
だ耐刷力が不充分であり、より耐刷力の良い印刷版が必
要とされる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】よって本発明の目的は
上記問題を解決し、レリーフ画像強度が強くて耐刷力の
良い平版印刷版を提供することである。
【0009】
【本発明を解決するための手段】本発明のこれらの目的
は分子内に化1〜化5で表される構造部を少なくとも一
つ含むポリマーを少なくとも一つ含む感光性ハロゲン化
銀乳剤層を設けた平版印刷版を露光、タンニング現像
後、洗浄してレリーフ像を形成することにより達成され
た。
【0010】
【発明の実施の形態】その内容について以下に順を追っ
て説明する。化1の式中、Z1、Z2は水素原子、アルキル
スルホニル基およびアリールスルホニル基、アシル基あ
るいは直鎖、分岐状または環状の無置換および置換脂肪
族アシル基(置換基としては例えば、ハロゲン原子、エ
ーテル基、スルホンアミド基、アミド基、ヒドロキシ
基、カルボキシ基、スルホ基等)であり、好ましくは水
素原子である。G1は-CO-基、-COCO-基、-CS-基、-C(=NG
2R2)-基、-SO-基、-SO2-基または-P(O)(G2R2)-基であ
り、好ましくは-CO-基、-COCO-基である。G2は酸素原
子、硫黄原子または-NR2-である。R1、R2は水素原子ま
たは一価の基である(分子中にこれらの基が多数存在す
るときはそれらは同じでも異なっていても良い)。一価
の基としては例えば、アルキル基(例えばメチル基、エ
チル基、プロピル基、オクチル基、エチルヘキシル基、
クロロエチル基、ブロモエチル基、メトキシエチル基、
ジエチルアミノエチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロ
キシプロピル基、3-ジエチルアミノプロピル基、3-N,N-
ジブチルアミノプロピル基、シクロヘキシル基、ピリジ
ン-2-イル-メチル基、ブロモ-1-メチルピリジニウム-2-
イル-メチル基等)、アルケニル基(例えばアリル
基)、アルキニル基、シクロアルキル基(例えばシクロ
ペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等)、アラ
ルキル基(例えばベンジル基、フェネチル基、スルホベ
ンジル基等)、アリール基(例えばフェニル基、トリル
基、キシリル基、p-メトキシフェニル基、o-エトキシフ
ェニル基、ナフチル基等)、アルコキシ基(例えばエト
キシ基、メトキシ基、フェノキシ基等)、アミノ基(例
えばアニリノ基、トルイジノ基、アニシジル基、エチル
アミノ基、プロピルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジメ
チルアミノ基、2-N,N-ジエチルアミノエチルアミノ基、
2-N,N-ジプロピルアミノエチルアミノ基、3-N,N-ジエチ
ルアミノプロピルアミノ基、3-ヒドロキシプロピルアミ
ノ基、2,3-ジヒドロキシプロピルアミノ基、ピリジン-2
-イル-メチルアミノ基、ピリジン-4-イル-メチルアミノ
基、トシル-1-メチルピリジニウム-2-イル-メチルアミ
ノ基、トシル-3-メチルイミダゾリウム-3-イル-アミノ
基、ピリミジン-2-イル-アミノ基、ピロール-1-イル-ア
ミノ基、3-N-モルホリノプロピルアミノ基、3-N-ピペコ
リノプロピルアミノ基等)、アミジノ基、複素環基(例
えばピロール環、ピロリン環、ピロリジン環、ピラゾー
ル環、ピラゾリン環、イミダゾール環、ピリジン環、チ
アゾール環、チアジアゾール環、トリアジン環、オキサ
ゾール環、ピリミジン環、キノリン環、イソキノリン
環、プリン環、インドール環等)等が挙げられる。各基
は一個以上の置換基を有していても良い。
【0011】化2の式中、Xは水素原子または対イオン
(例えばナトリウム、カリウム等のアルカリ金属原子や
トリエチルアンモニウム、トリブチルアンモニウム、ピ
リジニウム等の有機アンモニウム)である。
【0012】化3の式中、A1はOHまたはCH2OHである。R
3は置換可能な原子(例えばハロゲン原子)または基
(例えばアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シ
クロアルキル基、アラルキル基、アリール基、アルコキ
シ基、アミノ基、アミジノ基、複素環基、スルホ基、カ
ルボキシル基等)である。(分子中にこれらの基が多数
存在するときは、それらは同じでも異なっていても良
い)。n1は1〜4の整数である。n2は0〜4の整数である。
【0013】化4中、A2は炭素原子または-PR5-基であ
り、A3は酸素原子、硫黄原子、NR6基である。R4、R5
水素原子または一価の基である(例えばR1で表されるよ
うな基)。R6は水素原子またはアミノ基である。
【0014】化5の式中、Q1は二価の連結基である(例
えばG2で表されるような基)。A4は含窒素複素環基(例
えばピロール環、ピロリン環、ピロリジン環、ピラゾー
ル環、ピラゾリン環、イミダゾール環、ピリジン環、チ
アゾール環、チアジアゾール環、トリアジン環、トリア
ゾール環、オキサゾール環、オキサジアゾール環、セレ
ナゾール環、セレナジアゾール環、ピリミジン環、キノ
リン環、イソキノリン環、プリン環、インドール環等)
であり、これらの含窒素複素環基は、前記R1で示すよう
な置換基を有していても良く、また、これらの含窒素複
素環基はベンゼン環を介して連結基Q1と結合していても
良い。n3は1または2の整数である。
【0015】化1で表される構造部を含むポリマーは、
下記に示すようなエチレン性不飽和モノマーの重合によ
り得ることができるが、これらの具体例を以下に示す。
しかし本発明はこれらのモノマーのみに限定されるもの
ではない。
【0016】
【化6】
【0017】
【化7】
【0018】
【化8】
【0019】
【化9】
【0020】
【化10】
【0021】
【化11】
【0022】同様に、化2で表される構造部を含むポリ
マーを与えるエチレン性不飽和モノマーの具体例を以下
に示す。しかし本発明はこれらのモノマーのみに限定さ
れるものではない。
【0023】
【化12】
【0024】
【化13】
【0025】同様に化3で表される構造部を含むポリマ
ーを与えるエチレン性不飽和モノマーの具体例を以下に
示す。しかし本発明はこれらのモノマーのみに限定され
るものではない。
【0026】
【化14】
【0027】
【化15】
【0028】
【化16】
【0029】
【化17】
【0030】同様に化4で表される構造部を含むポリマ
ーを与えるエチレン性不飽和モノマーの具体例を以下に
示す。しかし本発明はこれらのモノマーのみに限定され
るものではない。
【0031】
【化18】
【0032】
【化19】
【0033】
【化20】
【0034】
【化21】
【0035】
【化22】
【0036】
【化23】
【0037】
【化24】
【0038】
【化25】
【0039】同様に化5で表される構造部を含むポリマ
ーを与えるエチレン性不飽和モノマーの具体例を以下に
示す。しかし本発明はこれらのモノマーのみに限定され
るものではない。
【0040】
【化26】
【0041】
【化27】
【0042】また、化1〜5の構造部を有するポリマー
は例示したモノマーによる単独重合体あるいは共重合体
であっても良いが、これら以外に種々のモノマーとの共
重合体を好ましく用いることができる。こうした他のモ
ノマーとしては一般的に用いられる共重合可能なモノマ
ーであれば良く、例えばアクリルアミド、メタクリルア
ミド、N-メチルアクリルアミド、N,N-ジメチルアクリル
アミド、N,N-ジエチルアクリルアミド、N-イソプロピル
アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、アクリル
アミドメチルプロパンスルホン酸のようなアクリルアミ
ド誘導体や、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、
クロトン酸、イタコン酸のようなカルボキシル基含有モ
ノマーや、p-スチレンスルホン酸ナトリウム、ビニルス
ルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸ナトリウム、メ
タリルスルホン酸ナトリウムのようなスルホン酸基を有
するモノマー、(メタ)アクリル酸N,N-ジメチルアミノ
エチル、(メタ)アクリル酸N,N-ジエチルアミノエチ
ル、N,N-ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、アリ
ルアミン、ジアリルアミン、N-メチルアリルアミン等の
アミノ基を有するモノマー、p-ビニルベンジルトリメチ
ルアンモニウムクロライド、アクリロイルエチルトリメ
チルアンモニウムクロライドのような4級アンモニウム
塩基を有するモノマー、あるいはN-アクリロイルモルフ
ォリン、N-ビニル-2-ピロリドン、2-ヒドロキシエチル
アクリレート、メトキシエトキシエチルアクリレート、
メトキシ(ポリエチレングリコール)(メタ)アクリレ
ート等、各種水溶性モノマー、(メタ)アクリル酸メチ
ル、(メタ)アクリル酸エチルのような各種(メタ)ア
クリル酸エステルやスチレンおよびその誘導体、アクリ
ロニトリル、酢酸ビニル、安息香酸ビニル等の各種疎水
性モノマーを使用することができる。
【0043】本発明のポリマーが水溶性か疎水性かの基
準は、40℃の水100gに固体ポリマーが1g以上溶
解可能であるものを水溶性とし、そうでないものを疎水
性とする。形成される共重合体ポリマーは、例示した化
1〜5の官能基を有するモノマーの含有率やその官能基
の種類および上記のその他のモノマーの種類や含有率に
より水溶性か疎水性かの特性が変化する。水溶性成分の
割合が多い場合には、形成される共重合体ポリマーの水
溶性が良好となり、タンニング現像後の非画像部は水洗
により除去可能となる。また本発明に使用されるハロゲ
ン化銀は、本発明のポリマー溶液中で作成しても良い
が、写真性を良好にするためにはゼラチン水溶液中で作
成するのが好ましい。従って、通常の方法により、ゼラ
チン水溶液中で色素増感まで行ったハロゲン化銀乳剤を
予め作成し、これを本発明のポリマーと混合するのが好
ましい。よって本発明のポリマーの水溶性が高ければ、
このゼラチン中で作成したハロゲン化銀乳剤との混合が
良好となる。一方、疎水性成分が多い場合には、タンニ
ング現像後の画像部の疎水性が高くなりインク受理性が
良好となる。さらに防水性も高くなり印刷時における画
像部皮膜の耐刷性が向上する。ただし、疎水性成分が多
いと非画像部は水洗による除去が困難となるため、アル
コールなどの有機溶剤を用いることにより洗浄良好とな
る。あるいはポリマー中に酸性基や塩基性基を導入する
と、酸可溶性あるいはアルカリ可溶性にすることがで
き、酸性水溶液やアルカリ性水溶液で洗浄除去可能とな
り、より好ましい。また本発明のポリマーの疎水性が高
い場合、ゼラチン中で作成したハロゲン化銀乳剤と混合
するための方法としては、ポリマー中に塩基性基を導入
して酸性水溶液下で混合するか、あるいはエタノールな
どのアルコールと水との混合溶液中で混合することがで
きる。特に、カブリの影響を少なくするために、感光性
ハロゲン化銀乳剤層はpHを低くするのが好ましいため、
ポリマー中に塩基性基を導入し酸可溶性とすると、ゼラ
チン中で作成したハロゲン化銀乳剤と混合し易くなり、
より好ましい。また共重合体における化1〜5で示され
る繰り返し単位の割合が少ない場合には本発明の効果が
現れにくい場合があるため、共重合体に占める化1〜5で
示される繰り返し単位の割合は少なくとも0.1重量%
以上が好ましい。
【0044】これらのポリマーは、例示した化1〜5の
官能基を有するモノマーと、上記のその他のモノマーと
のフリーラジカル反応によって重合され、付加ポリマー
を形成する。重合は、通常の溶液法によって行われ得
る。即ち単独または数種のモノマーの混合物の溶液に窒
素ガス雰囲気下に、重合開始剤を加えて加熱するか、あ
るいは重合開始剤を含む溶液をある温度に保ち、その中
へモノマー混合物を滴下することにより得ることができ
る。重合に使用される溶媒は、水、メタノール、エタノ
ール、イソプロパノールなどのアルコール類、ジオキサ
ン、THF,DMF,DMSOなどが用いられ、好ましくは水、エタ
ノール、ジオキサン、DMFなどである。これらの溶媒の
混合系でも使用される。重合開始剤には一般的に知られ
ている開始剤を用いることができ、どの開始剤を選ぶか
は、選択された重合条件および使用されるモノマーによ
って決定される。例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸
カリウム、過酸化ベンゾイル、AIBN、2-2´-アゾビス
(2-アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2´-アゾビス(2,
4-ジメチルバレロニトリル)、クメンハイドロパーオキ
サイドなどである。本発明のポリマーの平均分子量は1
000〜1000000位の間で、好ましくは5000
〜500000である。
【0045】これらのポリマーはゼラチン等他の水溶性
ポリマーや、水不溶または難溶性ポリマーと混合しても
よい。そのゼラチンとしては例えば、酸処理ゼラチン、
アルカリ処理ゼラチン、ゼラチン誘導体、グラフト化ゼ
ラチンなど各種ゼラチンを用いることが出来る。水溶性
ポリマーとしては例えば、ポリビニルピロリドン、各種
でんぷん、アルブミン、ポリビニルアルコール、アラビ
アゴム、ヒドロキシエチルセルロースなどを用いること
が出来る。水不溶または難溶性ポリマーとしては例え
ば、アルキル(メタ)アクリレート、アルコキシアルキ
ル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレ
ート、(メタ)アクリルアミド、酢酸ビニル、アクリロ
ニトリル、オレフィン、スチレンなどの単独もしくは組
み合わせ、またはこれらとアクリル酸、メタクリル酸、
α,β-不飽和ジカルボン酸、ヒドロキシアルキル(メ
タ)アクリレート、スチレンスルホン酸などの組み合わ
せを単量体成分とするポリマーを用いることが出来る。
【0046】本発明の平版印刷版に用いられる感光性ハ
ロゲン化銀としてとしては、写真技術において公知のハ
ロゲン化銀を用いることができる。本発明においては、
塩化銀、塩臭化銀、臭化銀でよう化物を含んでいても良
い。より好ましくは30モル%以上の塩化銀を有するハロ
ゲン化銀が好ましい。また、ハロゲン化銀の潜像形成上
の型としては、表面現像型でもよく、内部潜像型であっ
てもよい。
【0047】また、ハロゲン化銀には、適度な感度にな
るように、例えば硫黄増感、還元増感、Ir,Rh,Pt,Auな
どの貴金属の塩による化学増感、増感色素による分光増
感をほどこすことができる。分光増感には、画像露光に
用いられる光源の分光波長に対応した分光感度を与える
増感色素が選定される。走査型露光に適したハロゲン化
銀乳剤に用いられる増感色素は、走査型露光光源の発光
波長に吸収領域を有する色素である。例えば、米国特許
第4,501,811号明細書、特開昭59-71055号公報、同昭59-
71056号公報、同昭60-61752号公報、同昭60-75838号公
報、同昭60-100148号公報、同昭61-114235号公報、同昭
63-47756号公報などに開示されている、ヘリウム・ネオ
ンレーザー、アルゴンイオンレーザー、半導体レーザ
ー、発光ダイオードなど用の増感色素を挙げることがで
きるが、特に限定はされない。感光性ハロゲン化銀乳剤
層には、その他の添加剤、例えば塗布助役、カブリ防止
剤、イラジエーション防止色素もしくは顔料、マット剤
など通常の添加剤を含むことができる。
【0048】本発明に用いられるタンニング現像とは印
刷すべき像に対応したパターンの露光後、ポリマー層に
おいて硬化反応が引き起こされる現像処理工程を指す。
タンニング現像主薬は現像液中に含まれていても乳剤層
中に含まれていても良い。本発明に用いられる現像液
は、現像主薬、現像促進剤、カブリ防止剤などを含む水
溶液である。
【0049】タンニング現像主薬としては、ポリヒドロ
キシベンゼン、例えばハイドロキノン、カテコール、ク
ロロハイドロキノン、ピロガロール、ブロモハイドロキ
ノン、イソプロピルハイドロキノン、トルハイドロキノ
ン、メチルハイドロキノン、2,3-ジクロロハイドロキノ
ン、2,3-ジメチルハイドロキノン、2,3-ジブロモハイド
ロキノン、1,4-ジヒドロキシ-2-アセトフェノン、2,5-
ジメチルハイドロキノン、4-フェニルカテコール、4-t-
ブチルカテコール、4-s-ブチルピロガロール、4,5-ジブ
ロモカテコール、2,5-ジエチルハイドロキノン、2,5-ベ
ンゾイルアミノハイドロキノン、などがある。また、ア
ミノフェノール化合物、例えばN-メチル-p-アミノフェ
ノール、p-アミノフェノール-2,4-ジアミノフェノー
ル、p-ベンジルアミノフェノール、2-メチル-p-アミノ
フェノール、2-ヒドロキシメチル-p-アミノフェノール
など、さらに、3-ピラゾリドン類、例えば1-フェニル-3
-ピラゾリドン、1-p-トリル-3-ピラゾリドン、1-フェニ
ル-4-メチル-3-ピラゾリドン、1-フェニル-4,4-ジメチ
ル-3-ピラゾリドン、および1-p-クロロフェニル-3-ピラ
ゾリドンなどがある。特にベンゼン核の少なくとも1,2
位または1,4位にヒドロキシル基が置換したベンゼンが
好ましい。また、これらの現像主薬を併用して用いるこ
とも可能である。
【0050】次に現像促進剤であるが、これは現像液が
現像活性を保持するように現像液のpHを9以上に保持す
るために添加されるアルカリ性物質である。このような
アルカリ性物質として、水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム、水酸化リチウム、燐酸ナトリウム、燐酸カリウ
ム、燐酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭
酸アンモニウム、重炭酸ナトリウム、あるいはアンモニ
ア等が挙げられる。現像液のpHは一般には9〜14、好ま
しくは9.5〜13.5に保つことが有利である。
【0051】本発明に用いられるカブリ防止剤は、写真
材料に通常用いられるカブリ防止剤を添加することがで
きる。例えば、臭化カリウム、ニトロイミダゾール類、
オキサゾール類、チアゾール類、トリアゾール類、テト
ラゾール類、チオアムライド類、チオグリコール類等を
挙げることができる。
【0052】本発明のタンニング現像用写真材料に用い
られる支持体に特に限定はない。例えば、紙、およびポ
リエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピ
レン、ポリエステル、ポリカーボネート、セルロースニ
トレート、セルロースアセテート、セルロースアセテー
トブチレート、セルロースアセテートプロピネート、エ
ポキシ、ポリイミド、ポリウレタン、ナイロン、スチレ
ンなどのプラスチックあるいはゴムなど、あるいはその
複合されたもの、鉄、アルミニウム、亜鉛、ニッケル、
銅などの金属板あるいは合金板などである。
【0053】未露光部分を除去するため洗浄除去は、温
度20〜70℃程度の水または酸溶液またはアルカリ溶液に
浸漬するか、あるいは浸漬後、例えばスポンジなどで表
面を擦ると、非画像部を溶解除去してレリーフ画像を形
成させることができる。また上記洗浄溶液以外にアルコ
ールなどの有機溶剤や有機溶剤と上記洗浄溶液との混合
液を用いても良い。
【0054】以下に、本発明のタンニング現像可能なポ
リマーの好ましい具体例を挙げる。 合成例1 化11で表される例示モノマー8gと、アクリルアミド32
gを水120g、エタノール40gに溶解し、2,2´-アゾビス
(2,4-ジメチルバレロニトリル)0.4gを加えて窒素雰囲
気下60℃で4時間撹拌すると粘性のあるポリマー溶液が
得られる。この溶液を過剰のアセトン中に注入し、ポリ
マーを沈殿させ固体ポリマーを得る。これを水に溶解さ
せ、ポリマー水溶液を得る。GPC測定の結果から平均分
子量は約2.5万であった。その他の水溶性ポリマーも同
様に合成することが出来る。 合成例2 化11で表される例示モノマー15gと、アクリル酸ブチ
ル40g、メタクリル酸ブチル40g、メタクリル酸N,N-ジメ
チルアミノエチル5g、酢酸13.2gを水75g、イソプロパノ
ール225gに溶解し、2,2´-アゾビス(2,4-ジメチルバレ
ロニトリル)1gを加えて窒素雰囲気下70℃で6時間撹拌
するとポリマー溶液が得られる。この溶液を過剰のノル
マルヘキサンに注入し、ポリマーを沈殿させ固体ポリマ
ーを得る。これをエタノールに溶解させ、ポリマー溶液
を得る。GPC測定の結果から平均分子量は約2万であっ
た。その他の疎水性ポリマーも同様に合成することが出
来る。
【0055】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本実施例により本発明が制限して解釈される
べきではない。 実施例1 陽極酸化し、65℃で5%の珪酸ソーダ水溶液に20秒浸漬
することによりシリケート処理したアルミ板に下記の構
成の高感度塩化銀乳剤層を塗布し、乾燥した。
【0056】乳剤構成 オルソ増感された塩化銀(平均粒子サイズ0.3μm) 硝酸銀で表した塩化銀被覆量0.2g/m2 ゼラチン塗布量0.1g/m2 表1で示される比で共重合した水溶性ポリマー塗布量1.
0g/m2
【0057】このようにして得られた平版印刷版を、ネ
ガフィルムから密着露光計を用いて像露光を行った後、
各試料を次に示す現像液に25℃30秒間浸漬し、タンニン
グ現像を行った。そして直ちに40℃の流水で1分間水洗
して、スポンジで印刷版面をこすって非画像部のポリマ
ー層を洗い流した。
【0058】現像液組成 炭酸ナトリウム 80g 硫酸ナトリウム 40g カテコール 20g 水を加えて全量を1000mlとする
【0059】
【表1】
【0060】画像強度においては、現像後水洗した印刷
版面上で6μmの罫線が欠落することなく再現できるもの
を◎、10μmの罫線が再現できるものを○、15μmの罫線
が再現できるものを△、20μmの罫線が再現できるもの
を×とした。結果を表2に示す。
【0061】
【表2】
【0062】表2より本発明の水溶性ポリマーがタンニ
ング現像により像形成可能であり、形成された硬化皮膜
強度が比較に比べより強くなっていることが判る。
【0063】実施例2 実施例1の水溶性ポリマーの代わりに表3で示される比
で共重合した水溶性ポリマーを用いること以外は実施例
1と同様に行った。その結果を表4に示す。
【0064】
【表3】
【0065】
【表4】
【0066】表4より本発明の水溶性ポリマーがタンニ
ング現像により像形成可能であり、形成された硬化皮膜
強度が比較に比べより強くなっていることが判る。
【0067】実施例3 表5で示される比で共重合した疎水性ポリマーを用い、
下記に示す乳剤構成で作製したプレートを用い、下記に
示す現像促進剤でタンニング現像を行った。そしてプレ
ートを40℃の水とエタノールの等重量混合溶液で洗浄除
去した。その結果を表6に示す。
【0068】乳剤構成 A液 10重量%ゼラチン水溶液 10g 10重量%カテコール水溶液 2g 水 20g エタノール 15g B液 疎水性ポリマーの30重量%エタノール溶液 30g 1重量%酢酸水溶液 10g A液にB液を注入後、ゼラチン中で合成したオルソ増感し
た塩化銀を加える。 硝酸銀で表した塩化銀被覆量0.2g/m2 ゼラチン塗布量0.2g/m2 表5で示される比で共重合した合成ポリマー塗布量0.8g
/m2
【0069】現像促進剤組成 炭酸ナトリウム 80g 硫酸ナトリウム 40g 水を加えて全量を1000mlとする
【0070】
【表5】
【0071】
【表6】
【0072】表6より本発明の疎水性ポリマーがタンニ
ング現像により像形成可能であり、形成された硬化皮膜
強度が比較に比べより強くなっていることが判る。
【0073】表3に示した水溶性ポリマーを用いたプレ
ート、および表5に示した疎水性ポリマーを用いたプレ
ートを印刷機ハイデルベルグTOK(Heidelberg社製オフ
セット印刷機の商標)にかけ印刷した。インキ乗りにつ
いては印刷開始後、画像の濃度の変化の起きなくなる枚
数とした。耐刷力は版圧を5ミリに設定して画像部のイ
ンキ乗りの不良、あるいは線飛びが生じる時のいずれか
により印刷が不可能となったときの印刷枚数で評価し
た。結果を表7に示す。
【0074】
【表7】
【0075】表7より本発明のポリマーが良好な耐刷性
を示すことが分かる。特に、本発明の疎水性ポリマーは
耐刷性も良く、インキ乗り性も向上し、優れていること
が分かる。
【0076】
【発明の効果】タンニング現像によるレリーフ画像形成
方法を用いた銀塩平版印刷材料に於いて、化1〜5で表
される構造部を少なくとも一つ含むポリマーを用いるこ
とにより、タンニング現像により形成される皮膜が強く
て耐刷力の良い平版印刷版を与える。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハロゲン化銀乳剤層を有する感光材料を
    露光後、タンニング現像し、洗浄除去することにより得
    られたレリーフ像をインキ受容部として用いる平版印刷
    版において、該ハロゲン化銀乳剤層に、化1、化2、化
    3、化4または化5で示される基を有するポリマーを含
    有することを特徴とする平版印刷版。 【化1】 化1中、Z1、Z2はともに水素原子または一方が水素原子
    で他方はスルホニル基もしくはアシル基である。G1は-C
    O-基、-COCO-基、-CS-基、-C(=NG2R2)-基、-SO-基、-SO
    2-基または-P(O)(G2R2)-基である。G2は酸素原子、硫黄
    原子または-NR2-である。R1、R2は水素原子または一価
    の基である。 【化2】 化2中、Xは水素原子または対イオンである。 【化3】 化3中、A1はOHまたはCH2OHである。R3は置換可能な原
    子または基である。n1は1〜4の整数である。n2は0〜4の
    整数である。 【化4】 化4中、A2は炭素原子または-PR5-基であり、A3は酸素
    原子、硫黄原子、NR6基である。R4、R5は水素原子また
    は一価の基である。R6は水素原子またはアミノ基であ
    る。 【化5】 化5中、Q1は二価の連結基である。A4は含窒素複素環基
    であり、これらの環はベンゼン環を介して連結基Q1と結
    合していても良い。n3は1または2の整数である。
  2. 【請求項2】 前記ポリマーが水溶性である請求項1記
    載の平版印刷版。
  3. 【請求項3】 請求項1のポリマーが疎水性である請求
    項1記載の平版印刷版。
  4. 【請求項4】 前記疎水性ポリマーが酸あるいはアルカ
    リに可溶なポリマーである請求項3記載の平版印刷版。
JP28206996A 1996-04-18 1996-10-24 平版印刷版 Pending JPH103170A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28206996A JPH103170A (ja) 1996-04-18 1996-10-24 平版印刷版

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8-96327 1996-04-18
JP9632796 1996-04-18
JP28206996A JPH103170A (ja) 1996-04-18 1996-10-24 平版印刷版

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH103170A true JPH103170A (ja) 1998-01-06

Family

ID=26437547

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28206996A Pending JPH103170A (ja) 1996-04-18 1996-10-24 平版印刷版

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH103170A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5695908A (en) Process for preparing printing plate
JP2001290271A (ja) 感光性組成物および感光性平版印刷版材料
JP4152597B2 (ja) 感光性組成物
JPH06180504A (ja) アリールジアゾスルホネートを含有する樹脂に基いた平版印刷版
JPH0132497B2 (ja)
US4229514A (en) Photosensitive composition
JPH103170A (ja) 平版印刷版
GB1580959A (en) Substituted acrylamide and polymers
JP3278286B2 (ja) 感光性平版印刷版
JP4143270B2 (ja) 感光性組成物および感光性平版印刷版材料
JP4695533B2 (ja) ネガ型感光性平版印刷版
JP3311565B2 (ja) 平版印刷版
US5698367A (en) Lithographic printing plate
JP3213673B2 (ja) 印刷版の作成方法
JP3199887B2 (ja) 印刷プレートにおけるまたはそれに関する改良
US3597201A (en) Positive-working presensitized planographic printing plate
JPH06130671A (ja) 平版印刷版
JP2907572B2 (ja) 平版印刷版
JPH08184967A (ja) 平版印刷版
JPH07175217A (ja) 平版印刷版
JP2999009B2 (ja) 平版印刷版
JPH0659455A (ja) 平版印刷版
JP2003029406A (ja) 感光性組成物および感光性平版印刷版材料
JPH05241343A (ja) 平版印刷版
JP3743484B2 (ja) 平版印刷版の処理方法