JP3213445B2 - スチル/ムービ・ビデオ・カメラおよびその制御方法 - Google Patents

スチル/ムービ・ビデオ・カメラおよびその制御方法

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JP3213445B2
JP3213445B2 JP16383193A JP16383193A JP3213445B2 JP 3213445 B2 JP3213445 B2 JP 3213445B2 JP 16383193 A JP16383193 A JP 16383193A JP 16383193 A JP16383193 A JP 16383193A JP 3213445 B2 JP3213445 B2 JP 3213445B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】この発明は,被写体を連続的に撮影するこ
とにより得られる映像信号から,スチル再生とムービ再
生を行うスチル/ムービ・ビデオ・カメラおよびその制
御方法に関する。
【0002】
【背景技術】一般に,ビデオ・カメラでは1/60秒のシ
ャッタ・スピードで撮影が行われる。このため,このム
ービ映像信号から被写体の動きのなかの1駒をスチル再
生しようとする場合,画像の流れた惚けた再生しか行う
ことができない。
【0003】動きのある被写体についてスチル再生時に
鮮明な画像を得るためには,高速のシャッタ・スピード
で撮影を行わなければならないが,そうするとムービ再
生時に画像の各駒の連続感が失われ,再生された画像に
おける被写体の動きが非常に不自然なものとなり,二つ
の要求は両立しない。
【0004】スチル再生とムービ再生を可能とするため
のもう一つの問題点は再生画像に生じるフリッカの対策
である。スチル再生のために高速シャッタ速度にして撮
影すると,通常のシャッタ速度での撮影に比べ固体電子
撮像素子から得られる映像信号のレベルは低くなる。し
たがって高速シャッタ速度と通常のシャッタ速度とを混
在して撮影すると再生画像にフリッカが生じる。
【0005】
【発明の開示】この発明は,被写体の動きによる惚けの
ない鮮明な再生静止画像を得ることができ,かつ連続感
のある自然な動きのムービ再生をフリッカを生じること
なく行なうことができるようにすることを目的とする。
【0006】この発明のスチル/ムービ・ビデオ・カメ
ラの制御方法は,行方向および列方向に配列された多数
の光電変換素子を含み,これらの光電変換素子が一行お
きに第1フィールド用と第2フィールド用とに定めら
れ,露光時間が制御可能な固体電子撮像素子を用い,連
続する複数フィールドの撮影のうちに1フィールド分定
期的に上記第1フィールド用の光電変換素子と上記第2
フィールド用の光電変換素子とを高速シャッタ速度によ
って同時に露光し,そのほかは上記第1フィールド用の
光電変換素子と上記第2フィールド用の光電変換素子と
を通常のシャッタ速度によって1フィールドごとに交互
に露光し,高速シャッタ速度によって上記第1フィール
ド用の光電変換素子と上記第2フィールド用の光電変換
素子とを同時に露光したときには,上下に隣接する上記
第1フィールド用の光電変換素子と上記第2フィールド
用の光電変換素子に蓄積された信号電荷を混合し,混合
した信号電荷から第1の映像信号を生成し,通常のシャ
ッタ速度によって上記第1フィールド用の光電変換素子
と上記第2フィールド用の光電変換素子とを1フィール
ドごとに交互に露光したときにはインターレス走査によ
り上記第1フィールド用の光電変換素子と上記第2フィ
ールド用の光電変換素子に蓄積された信号電荷を1フィ
ールドごとに交互に読出し,読出した信号電荷から第2
の映像信号を生成し,上記第1の映像信号および上記第
2の映像信号を記録媒体に記録することを特徴とする。
【0007】この発明のスチル/ムービ・ビデオ・カメ
ラは,行方向および列方向に配列された多数の光電変換
素子を含み,これらの光電変換素子が一行おきに第1フ
ィールド用と第2フィールド用の光電変換素子とに定め
られ,露光時間が制御可能な固体電子撮像素子,高速シ
ャッタ速度によって上記第1フィールド用の光電変換素
子と上記第2フィールド用の光電変換素子とを露光し,
上下に隣接する上記第1フィールド用の光電変換素子と
上記第2フィールド用の光電変換素子に蓄積された信号
電荷を混合し,混合した信号電荷から第1の映像信号を
出力するように上記固体電子撮像素子を制御する第1の
撮影制御手段,通常のシャッタ速度によって上記第1フ
ィールド用の光電変換素子と上記第2フィールド用の光
電変換素子とを交互に露光し,インターレス走査により
上記第1の画像用の光電変換素子と上記第2の画像用の
光電変換素子に蓄積された信号電荷を交互に読出し,読
出した信号電荷から第2の映像信号を出力するように上
記固体電子撮像素子を制御する第2の撮影制御手段,連
続する複数フィールドの撮影のうちに1フィールド分定
期的に上記第1フィールド用の光電変換素子と上記第2
フィールド用の光電変換素子とを同時に高速シャッタ速
度によって露光を行ない,そのほかは上記第1フィール
ド用の光電変換素子と上記第2フィールド用の光電変換
素子とを1フィールドごとに交互に通常のシャッタ速度
によって露光を行なうように上記第1の撮影制御手段お
よび上記第2の撮影制御手段を制御する制御手段,なら
びに上記固体電子撮像素子から出力される上記第1の映
像信号および上記第2の映像信号を記録媒体に記録する
記録手段を備えていることを特徴とする。
【0008】この発明によると連続する複数フィールド
の撮影のうち1フィールド分定期的に高速シャッタ速度
によって露光が行なわれ,そのほかは通常のシャッタ速
度によって露光が行なわれる。高速シャッタ速度によっ
て露光が行なわれたときには上下に隣接する第1フィー
ルド用の光電変換素子と第2フィールド用の光電変換素
子に蓄積された信号電荷が混合され,第1の映像信号と
して出力される。通常のシャッタ速度によって露光が行
なわれたときには第1フィールド用の光電変換素子と第
2フィールド用の光電変換素子とがインターレス走査さ
れそれぞれの光電変換素子に蓄積された信号電荷が読出
され第2の映像信号として出力される。第1の映像信号
および第2の映像信号が記録媒体に記録される。
【0009】したがって高速シャッタ・スピードの撮影
により得られた映像信号を用いて静止画を再生(プリン
ト画を作成するまたは表示装置の画面上に表示する)す
ることにより鮮明な画像が得られる。また高速シャッタ
・スピードによる撮影は複数回の連続するうちの1回の
み行なわれるため,ムービ再生した場合であっても違和
感が生じることなく,自然な感じとなる。
【0010】高速シャッタ速度のときは通常のシャッタ
速度のときと比べ露光時間が短くなり,通常のシャッタ
速度の露光により得られる映像信号のレベルよりも高速
シャッタ速度の露光により得られる映像信号のレベルの
方が低くなる。この発明によると高速シャッタ速度によ
り露光が行なわれたときには第1フィールド用の光電変
換素子と第2フィールド用の光電変換素子のうち上下に
隣接する光電変換素子に蓄積された信号電荷が混合され
るので,映像信号のレベルが高くなる。
【0011】高速シャッタ速度が通常のシャッタ速度の
2倍の速度のときには高速シャッタ速度の映像信号のレ
ベルと通常のシャッタ速度の映像信号のレベルとがほぼ
等しくなるので再生画像におけるフリッカの発生を防止
できる。
【0012】上記において高速シャッタ・スピードの露
光により得られる上記第1の映像信号のレベルが,通常
のシャッタ・スピードの露光により得られる上記第2の
映像信号のレベルとほぼ等しくなるように上記第1の映
像信号および上記第2の映像信号を増幅することが好ま
しい。
【0013】このように増幅することにより高速シャッ
タ速度の露光により得られる第1の映像信号のレベルと
通常のシャッタ速度の露光により得られる第2の映像信
号のレベルとが常にほぼ等しくなり,再生画像における
フリッカの発生を防止することができる。この場合であ
っても信号電荷を混合して第1の映像信号のレベルを高
くしているので第1の映像信号に対する増幅率は比較的
小さく済みノイズ成分も小さくできる。
【0014】上記第2の映像信号に対する増幅率を最大
としても上記第1の映像信号のレベルが上記第2の映像
信号のレベルと異なるかどうかを判断し,上記第1の映
像信号のレベルが上記第2の映像信号のレベルと異なる
と判断したときに,上記第1の映像信号に対する増幅率
を上記第2の映像信号に対する増幅率の1/2として増
幅し,かつ上記高速シャッタ・スピードを上記通常のシ
ャッタ・スピードと等しくするとよい。
【0015】上記第2の映像信号に対する増幅率を最大
にしても第1の映像信号のレベルが第2の映像信号のレ
ベルと異なるときは再生画像においてフリッカを完全に
除去しえない。このため高速シャッタ速度が通常のシャ
ッタ速度と等しくされ映像信号のレベルがそれぞれ等し
くなるように調整される。
【0016】上記第1の映像信号または上記第2の映像
信号に照明光に起因するフリッカがあるかどうかを判定
し,上記第1の映像信号または上記第2の映像信号に,
照明光に起因するフリッカがあると判定したときに上記
第1の映像信号に対する増幅率を上記第2の映像信号に
対する増幅率を1/2として増幅し,かつ上記高速シャ
ッタ・スピードを上記通常のシャッタ・スピードと等し
くするとよい。
【0017】被写体が蛍光灯などの照明光下にあると再
生画像のフリッカを防止するために,第1の映像信号お
よび第2の映像信号のレベルを調整しても再生画像にフ
リッカが生じることがある。このため高速シャッタ速度
での露光は中止され,すべて通常のシャッタ速度での露
光となる。
【0018】上記通常のシャッタ速度の速度が設定可能
なときには,上記通常のシャッタ速度が,上記通常のシ
ャッタ速度よりも速い所定の速度以上に設定されたこと
に応答して,上記第1の映像信号に対する増幅率を上記
第2の映像信号に対する増幅率を1/2とし,かつ上記
高速シャッタ・スピードを上記通常のシャッタ・スピー
ドと等しくすることが好ましい。
【0019】
【実施例】図1は,この発明の実施例を示すもので,ス
チル/ムービ・ビデオ・カメラの電気的構成を示すブロ
ック図である。
【0020】図1に示すスチル/ムービ・ビデオ・カメ
ラは,スチル/ムービ撮影の設定により連続する複数フ
ィールドの撮影のうちに1フィールド分定期的にスチル
再生に適した映像信号を得るために高速シャッタ速度で
の撮影が行なわれ,そのほかは通常のシャッタ速度での
撮影が行なわれる。20フィールドに1回1/125 秒の高
速シャッタ速度での撮影が行なわれ,そのほかは1/60
秒の通常のシャッタ速度での撮影が行なわれる。
【0021】CPU30は高速シャッタ速度と通常のシャ
ッタ速度とを決定する。
【0022】スチル再生に適した映像信号を得るための
高速シャッタ速度をマニアル操作でカメラの使用者が設
定する場合には,カメラの使用者が設定したシャッタ速
度が高速シャッタ速度として採用される。
【0023】自動露光制御(AE)機能を備えたカメラ
においては,被写体輝度に基づいてシャッタ速度が決定
される。絞りを各フィールドごとに変えることはきわめ
て困難であるから,絞りの開口値は固定されよう。この
絞りの開口値は一般にムービ・モードに適した値に設定
されよう。すなわち,通常のシャッタ速度と被写体輝度
とを考慮して絞り開口値が決定される(シャッタ速度優
先)。一方,スチル再生のための高速シャッタ速度は絞
り開口値と被写体輝度とを考慮して決定されよう(絞り
優先)。CPU30における処理を簡略化するために,被
写体輝度値をパラメータとして,高速シャッタ速度およ
び絞り開口値の関係をテーブルにしてあらかじめ設定し
ておいてもよい。
【0024】CPU30は,このように決定した高速シャ
ッタ速度と通常のシャッタ速度を表わす指令信号をタイ
ミング発生回路31に与える。タイミング発生回路31はズ
ーム・レンズ2を制御するためのパルス信号,アイリス
3の開閉を制御するためのパルス信号,CCD5を駆動
するためのパルス信号,CDS(相関二重サンプリング
・パルス)6におけるサンプリング・パルスSP,自動
利得調整回路(以下AGCという)7のゲインを切替え
るための制御信号,AGC8の動作をオン,オフ制御す
るための制御信号,クランプのためのクランプ・パルス
SPおよびブランキングのためのブランキング・パルス
BLKを発生する。
【0025】ズーム・レンズ2を制御するためのパルス
信号はドライバ24に与えられ,ドライバ24に与えられる
パルス信号に応じてズーム・モータ22が駆動される。ズ
ーム・モータ22によってズーム・レンズ2のズーム位置
が決定される。
【0026】アイリス3の開閉を制御するためのパルス
信号もドライバ24に与えられ,ドライバ24に与えられる
パルス信号に応じてアイリス・モータ23が駆動される。
アイリス・モータ23によってアイリス3の開閉位置が決
定される。
【0027】CCD5を駆動するためのパルス信号に
は,CCD5に蓄積された不要電荷を基板から掃出すた
めの基板リセット信号SUBRST,CCD5に含まれ
る垂直転送路の信号電荷を水平転送路に転送するための
垂直転送パルスφV1〜φV4,水平転送路を駆動する
ための水平駆動パルスφH1,φH2等が含まれる。
【0028】基板リセット信号SUBRSTはSUBド
ライバ25を介してCCD5に与えられ,垂直転送パルス
φV1〜φV4はVドライバ26を介してCCD5に与え
られ,水平転送パルスφH1およびφH2はHドライバ
27を介してCCD5に与えられる。
【0029】サンプリング・パルスSPはCDS6に与
えられ,相関二重サンプリングが行なわれる。ゲイン制
御信号は第1のAGC7に与えられる。第1のAGC7
は入力する映像信号を0dB,6dB,または12dBの増幅率
によって増幅するもので,タイミング発生回路31から与
えられるゲイン制御信号に応じていずれかの増幅率が決
定される。またゲイン制御信号は第2のAGC8にも与
えられる。第2のAGC8は動作がオンすることにより
入力する映像信号を−6dBに減衰して出力するもので,
動作がオフ状態のときは入力する映像信号をそのまま通
過させる。タイミング発生回路31から与えられるゲイン
制御信号によって第2のAGC8内のオン,オフ動作が
制御される。
【0030】クランプ・パルスCLおよびブランキング
・パルスBLKはアナログ信号処理回路10に与えられ
る。
【0031】映像光学系には,ズーム・レンズ2,アイ
リス3,OLPF(オプチカル・ロウ・パス・フィル
タ)4およびCCD5が含まれている。
【0032】この実施例では予備測光のために測光セン
サ28が,予備測距のために測距センサ29がそれぞれ設け
られており,これらのセンサ28および29による測光デー
タおよび測距データはCPU30に与えられる。CPU30
は測光センサ28から得られる測光データに基づいて,絞
り値およびシャッタ速度の少なくとも一方を制御するこ
とにより,CCD5への露光量がほぼ妥当な範囲内に入
るようにする。CPU30はまた,測距センサ29からの測
距データに基づいてドライバ24を介してズームレンズ2
のズーム量を決定する。
【0033】このような予備測光に基づく概略的な露光
量調整および予備測距に基づく概略的な合焦制御ののち
に,予備撮影が行われる。この予備撮影によってCCD
5から得られる映像信号を利用して測光値の算出と精密
な露光制御,および精度の高い合焦制御が行われること
になる。これらの高精度の露光制御および合焦制御につ
いては後に詳述する。
【0034】スチル/ムービ・ビデオ・カメラにはカメ
ラの各種制御を設定するためのスイッチ群35が含まれて
いる。
【0035】スイッチ群35には,スチル/ムービ・ビデ
オ・カメラの電源をオンにするための電源スイッチ36,
スチル/ムービ撮影の設定を行なうスチル/ムービ撮影
設定スイッチ37,第1のAGC7における増幅率を設定
するためのゲイン設定スイッチ38および通常のシャッタ
速度をマニアル設定するためのシャッタ速度設定スイッ
チ39が含まれている。
【0036】スチル/ムービ撮影設定スイッチ37の設定
により,スチル/ムービ撮影動作となる。
【0037】ゲイン設定スイッチ38の設定により第1の
AGC7における増幅率が0dB,6dBまたは12dBのいず
れかに選択される。またシャッタ速度設定スイッチ39の
設定により高速シャッタ速度以外の通常のシャッタ速度
が1/125 秒または1/250秒に設定される。
【0038】スイッチ群35における各種スイッチの設定
を表わす信号はディスプレイCPU33を介してCPU30
に与えられ,設定に応じた各種制御動作が行なわれる。
【0039】スチル/ムービ・ビデオ・カメラにはディ
スプレイCPU33によって制御される液晶表示装置34が
含まれている。スイッチ群35に含まれる各種スイッチ36
〜39における設定状況が液晶表示装置34に表示される。
【0040】CCD5では後述するように1行おきに第
1フィールド用のフォトダイオードと第2フィールド用
のフォトダイオードが定められている。
【0041】スチル/ムービ撮影設定スイッチ37により
スチル/ムービ撮影が設定されているときには20フィー
ルドに1回高速シャッタ速度での撮影が行なわれ,その
ほかは通常のシャッタ速度での撮影が行なわれる。
【0042】通常のシャッタ速度での撮影においてはイ
ンターレース撮影が行なわれ第1フィールド用のフォト
ダイオードに蓄積された信号電荷と第2フィールド用の
フォトダイオードに蓄積された信号電荷とが1フィール
ド期間ごとに交互に読出される。
【0043】高速シャッタ速度での撮影においては上下
方向において隣接する第1フィールド用のフォトダイオ
ードと第2フィールド用のフォトダイオードに蓄積され
た信号電荷が混合されて読出される。
【0044】高速シャッタ速度での撮影では通常のシャ
ッタ速度での撮影に比べ,露光量が少なくなり再生画像
にフリッカが生じるおそれがあるが,高速シャッタ速度
が通常のシャッタ速度の2倍のシャッタ速度の場合,高
速シャッタ速度の露光量と通常のシャッタ速度の露光量
とが等しくなりフリッカの発生が防止できる。
【0045】CCD5から出力される映像信号はCDS
6を介して第1のAGC7に与えられる。第1のAGC
7において,タイミング発生回路31から第1のAGC7
に与えられるゲイン制御信号に応じて入力映像信号が増
幅される。第1のAGC7の増幅率は,通常のシャッタ
速度の撮影によって得られた映像信号が入力するときに
は0dBに設定され増幅されない。高速シャッタ速度の撮
影によって得られた映像信号が第1のAGC7に入力す
る場合であって,高速シャッタ速度が通常のシャッタ速
度の2倍である場合,たとえば高速シャッタ速度が1/
120 秒,通常のシャッタ速度が1/60秒の場合も,第1
のAGC7の増幅率は0dBに設定される。高速シャッタ
速度の撮影によって得られた映像信号が第1のAGC7
に入力する場合であって,高速シャッタ速度が通常のシ
ャッタ速度の4倍である場合,たとえば高速シャッタ速
度が1/250 秒,通常のシャッタ速度が1/60秒の場合
は第1のAGC7の増幅率は6dBに設定される。高速シ
ャッタ速度の撮影によって得られた映像信号が第1のA
GC7に入力する場合であって,高速シャッタ速度が通
常のシャッタ速度の8倍である場合,たとえば高速シャ
ッタ速度が1/500秒,通常のシャッタ速度が1/60秒
の場合は第1のAGC7の増幅率は12dBに設定される。
【0046】第1のAGC7から出力される映像信号は
第2のAGC8に与えられる。
【0047】第2のAGC8はタイミング発生回路31か
ら与えられるゲイン制御信号に応じて,第1のAGC7
から出力される映像信号を−6dBに減衰するものであ
る。第2のAGC8はスチル/ムービ撮影設定ボタン37
によるスチル/ムービ撮影が設定されておらず通常のム
ービ撮影が行なわれるとき,スチル/ムービ撮影が設定
されていても後述のように高速シャッタ速度と通常のシ
ャッタ速度との差が大きく第1のAGC7の増幅率を最
大にしても高速シャッタ速度の撮影によって得られた映
像信号のレベルが通常のシャッタ速度の撮影によって得
られた映像信号のレベルよりも低くなるとき,フリッカ
検出回路21によってフリッカが検出されるとき,シャッ
タ速度設定ボタン39によって通常シャッタ速度が所定速
度(たとえば1/60秒)よりも速い速度(1/125 秒,
1/250 秒など)に設定されたとき,減衰処理が行なわ
れるようにタイミング発生回路31から出力されるゲイン
制御信号によって制御されるとともにスチル/ムービ撮
影における高速シャッタ速度の撮影が禁止される。また
第2のAGC8はスチル/ムービ撮影設定ボタン37によ
るスチル/ムービ撮影が設定され,スチル/ムービ撮影
が行なわれるときには減衰処理は行なわれない。
【0048】第2のAGC8から出力される映像信号は
アナログ信号処理回路10に与えられる。
【0049】アナログ信号処理回路10にはゲイン・コン
トロール回路,ガンマ補正回路,クランプおよびリサン
プリング回路,ブランキング回路などが含まれており,
タイミング発生回路31から与えられる制御信号に応じて
色バランス調整,ガンマ補正クランプおよびリサンプリ
ングが行なわれブランキング信号が加えられる。
【0050】アナログ信号処理回路10において,映像信
号がビデオ・テープ(図示略)に記録可能な形態に処理
され磁気ヘッド11に与えられ,ビデオ・テープに記録さ
れる。
【0051】本撮影に先だち上述したように精密な測光
処理(露光制御)および合焦制御が行われる。測光処理
は予備撮影によってCCD5から得られる映像信号の低
周波成分を利用して行なわれ,合焦制御は上記映像信号
の高周波成分を利用して行われる。
【0052】測光処理のために,CCD5の撮影領域内
に設けられた測光領域(後述する)内の画像を表わす映
像信号の低周波成分を取出すために,YL 合成回路17,
ゲート回路18,積分回路19および増幅回路20が設けられ
ている。増幅回路20の出力信号はA/D変換器42を介し
てCPU30に与えられる。
【0053】一方,合焦制御のために,CCD5の撮影
領域内に設けられた測距領域(後述する)内の画像を表
わす映像信号の高周波成分を取出すために,ゲート回路
12,バンド・パス・フィルタ(以下,BPFという)1
3,検波回路14,積分回路15および増幅回路16が設けら
れている。増幅回路16の出力信号はA/D変換器41を介
してCPU30に与えられる。
【0054】測光処理,それに基づく露光制御(絞りや
シャッタの制御),および合焦制御(ズーム・レンズ2
の位置決め)の後に本撮影が行なわれる。本撮影により
CCD5から得られる映像信号が上述した回路6,7,
8,10を経て磁気ヘッド11に与えられ,ビデオ・テープ
に記録されることになる。
【0055】本撮影に先だつ測光処理(およびそれに基
づく露光制御)ならびに合焦制御のうち,まず測光処理
について説明する。
【0056】測光処理は上述のようにYL 合成回路17,
ゲート回路18,積分回路19および増幅回路20を用いて行
われる。YL 合成回路17には第2のAGC8の出力信号
が与えられている。
【0057】CPU30はゲート回路18を制御するウイン
ドウ信号WIND1および積分回路19をリセットするリ
セット信号HLRST1を出力する。これらの信号WI
NDおよびHLRSTのタイミングについては後述す
る。
【0058】第2のAGC8から出力される信号はYL
合成回路17で加算され,相対的に低周波の輝度信号YL
(以下単に輝度信号YL という)が生成される。この輝
度信号YL は,所要の水平走査期間においてウインドウ
信号WIND1が与えられている期間ゲート回路18を通
過する。積分回路19はリセット信号HLRST1が与え
られたときにリセットされ,その後ゲート回路18から入
力する輝度信号YL を積分する。積分回路19の積分信号
は増幅回路20で増幅されたのち,積分回路19がリセット
される直前にA/D変換器42に入力しこのA/D変換器
42によって測光用ディジタル積分データに変換され,C
PU30に取込まれる。
【0059】この実施例の測光処理においては,視野内
の平均的な明るさを測定するアベレージ測光(以下,A
V測光という)と,視野内の主要被写体の明るさを測定
するスポット測光(以下,SP測光という)とが可能で
ある。SP測光は,視野内の主要被写体と背景の明るさ
が異なり,それに応じた適切な露光条件を設定する必要
のある場合に有用である。
【0060】また,この実施例では積分回路19による積
分とA/D変換器42によるA/D変換動作および加算処
理とが,水平走査期間ごとに交互に行われる。
【0061】図2はCCD5の撮影領域50内に設定され
たAV測光領域およびSP測光領域を示すものである。
【0062】AV測光領域は基本的に撮影領域50のほぼ
全域にわたって設定される。この実施例ではAV測光領
域は,横方向が水平同期信号HDの立下り(水平走査期
間の開始の時点)から16μsの経過後,40μsの期間に
設定され,縦方向が第35番目の水平走査ラインから第24
6 番目の水平走査ラインまでの間に設定される。
【0063】SP測光領域は,撮影領域50内の任意位置
に小さな領域として設定される。この実施例ではSP測
光領域は撮影領域50の中央部に設定され,横方向が水平
同期信号HDの立下りから28.5μsの経過後の15μsの
期間に,縦方向が第87番目の水平走査ラインから第194
番目の水平走査ラインまでの間に設定されている。
【0064】CPU5に付随するメモリには測光用エリ
アと測距用エリアとが設けられている。測光用エリアに
はAV測光領域データ・エリアとSP測光領域データ・
エリアとがある。
【0065】AV測光が行なわれるときにはAV測光領
域における1水平走査ライン置きの積分が行なわれる。
A/D変換,積分回路のリセット積分,データの加算処
理のために上記の積分は1水平走査ライン置きに行なわ
れる。
【0066】図3に示されるように,AV測光において
は第34番目の水平走査ラインから第246 番目の水平走査
ラインまでの間において,ゲート回路18に,水平同期信
号HDの立下りから16μs後にパルス幅40μsのウイン
ドウ信号WIND1が与えられる。そして,積分回路19
による輝度信号YL の積分と,この積分動作が行なわれ
た水平走査期間の次の水平走査期間における積分信号の
A/D変換,積分回路19のリセットおよびメモリのAV
測光領域データ・エリアへの積分データの加算とが,水
平走査期間毎に交互に繰返して行なわれる。
【0067】SP測光が行なわれるときには,第87番目
の水平走査ラインから第194 番目の水平走査ラインまで
の間において,ゲート回路18に,水平同期信号HDの立
下りから28.5μs後に立上るパルス幅15μsのウインド
ウ信号WIND1が与えられる。
【0068】SP測光においてもパルス幅15μsのウイ
ンドウ信号WIND1が積分回路19に与えられ輝度信号
L の積分が行なわれたときには,積分動作が行なわれ
た水平走査期間の次の水平走査期間において積分信号の
A/D変換,積分回路19のリセット,メモリのSP測光
領域データ・エリアへの積分データの加算が行なわれ
る。
【0069】AV測光が行なわれるときCPU30は,パ
ルス幅40μsのウインドウ信号WIND1に基づいて得
られる1水平走査ラインについての積分データを後述す
る手順によって1フィールド期間にわたってAV測光領
域データ・エリアにおいて加算して,AV測光値を算定
する。
【0070】SP測光が行なわれるとき,CPU30は,
パルス幅15μsのウインドウ信号WIND1に基づいて
得られる1水平走査ラインについての積分データを後述
する手順によって1フィールド期間にわたってSP測光
領域データ・エリアにおいて加算して,SP測光値を算
定する。
【0071】次に合焦制御について説明する。
【0072】再び図1を参照して,第2のAGC8の出
力信号はゲート回路12に入力する。ゲート回路12はCP
U30から与えられるウインドウ信号WIND2によって
制御される。第2のAGC8の出力信号は所要の水平走
査期間においてウインドウ信号WIND2が与えられて
いる期間,ゲート回路12を通過してBPF13に入力す
る。
【0073】BPF13は,その入力信号から合焦制御に
必要な高周波成分を取出すものであり,BPF13の出力
信号は検波回路14に入力する。このBPF13から出力さ
れる高周波信号成分は検波回路14によって検波され,積
分回路15において積分され,さらに増幅回路16によって
増幅された後,A/D変換器41に入力し,そのA/D変
換器41で合焦制御用ディジタル・データに変換されて,
CPU30に取込まれる。
【0074】A/D変換器41から与えられたディジタル
・データは,撮影領域内に設定された後述する合焦検出
領域の水平走査期間にわたる積分により得られる積分デ
ータであり,CPU30はこの積分データを合焦検出領域
の垂直走査期間にわたって加算して,合焦検出用データ
を算定し,このデータに基づいて合焦制御を行う。詳細
については後述する。
【0075】一般に焦点が合っていず画像がぼけている
場合には撮影によりCCD5から得られる映像信号に含
まれる高周波成分は少ない。焦点が合ってくると映像信
号の高周波成分が多くなり,正しく合焦した位置で映像
信号に含まれる高周波成分は最大となる。この実施例で
はこのような事実に基づいて合焦制御を行っており,B
PF13には映像信号の高周波成分を取出すために約1.5
〜2.5 MHzの通過帯域が設定されている。
【0076】図4は,CCD5の撮影領域50内に設定さ
れた合焦検出領域を示すものである。この合焦検出領域
は,主要被写体が存在する確率の高い撮影領域50の中央
部に設定される。この実施例では,水平方向については
図2に示されるSP測光領域よりも小さな領域として設
定されている。もちろん,合焦検出領域を撮影領域50内
の任意の場所に任意の広さに設定可能であるのはいうま
でもない。
【0077】図5に示されるように,第87番目の水平同
期信号HDの立下りから31μs経過した後に10μsパル
ス幅のウインドウ信号WIND2がゲート回路12に与え
られ,前述したように,このウインドウ信号WIND2
が与えられている間,ゲート回路12は第2のAGC8の
出力信号を通過させる。BPF13で取出された高周波成
分信号は検波回路14を経て積分回路15に与えられ,積分
される。積分回路15の積分出力信号は増幅回路16を経
て,次の水平走査期間においてA/D変換器41によりデ
ィジタル・データに変換されてCPU30に与えられる。
積分回路15はA/D変換処理ののちリセット信号HLR
ST2によりリセットされる。CPU30は,このディジ
タル・データをメモリの測距用エリアの先のデータ(第
1番目の場合にはクリアされているので零である)に加
算して記憶する。測距用エリアは第86番目の水平同期信
号HDに同期してまたはフィールドの開始にあたってク
リアされている。
【0078】以上のようにして,合焦検出領域内におけ
る1本の水平走査ラインにそうBPF13による高周波成
分信号の検出,この高周波成分信号の検波および積分
と,積分信号のA/D変換および水平走査期間における
積分データの加算とが水平走査期間毎に交互に繰返して
行われる。そして,この繰返しは,第194 番目の水平走
査期間まで,すなわち合焦検出領域内の全域にわたって
行われる。
【0079】したがって,合焦検出領域内における走査
が終了した時点においてはメモリの合焦検出用エリアに
は,BPF13を通過した高周波信号の合焦検出領域全域
にわたる積分値を表わす合焦検出用加算データがストア
されていることになる。
【0080】上述したように測距センサ29を用いた予備
測距において被写体までのおおよその距離が測定されて
いる。この予備測距データに基づいてズーム・レンズ2
は合焦位置と考えられる少し手前の位置(初期位置とい
う)まで繰出される。
【0081】CCD5から出力される映像信号の高周波
成分の合焦検出領域にわたる積分動作は,ズーム・レン
ズ2を10μmずつ前方に繰出しながら,少なくとも6回
(すなわち6フレーム期間にわたって各フレーム期間の
Bフィールド期間において)行われる。上記の初期位置
(ズーム・レンズ2の繰出し量=0μm)においてまず
第1の合焦検出用加算データが得られる。次のフレーム
期間において,初期位置からズーム・レンズ2を10μm
繰出した位置(ズーム・レンズ繰出し量=10μm)にお
いて第2の合焦検出用加算データが得られる。同様にし
てズーム・レンズ2を10μmずつ繰出しながら第3〜第
6の合焦検出用加算データが得られる。このようにして
得られた6位置の加算データは図6に示すようにメモリ
の所定エリアに記憶される。
【0082】図7は図6に示す6位置における合焦検出
用加算データをグラフに表わしたものである。ズーム・
レンズ2の初期位置は真の合焦位置の少し手前である。
この位置からズーム・レンズ2が10μmずつ繰出され,
合焦検出用加算データが得られる。映像信号に含まれる
高周波信号の積分値は真の合焦位置で最大となる。ズー
ム・レンズ2の単位繰出し量は10μmで非常に微小距離
であるから,合焦検出用加算データが最大値を示す位置
を真の合焦位置とみなしても誤差はきわめて小さい。し
たがって,合焦検出用加算データが最大値を示す位置に
ズーム・レンズ2が位置決めされることにより高精度の
合焦が達成できる。
【0083】再び図1を参照して,スチル/ムービ・ビ
デオ・カメラにはフリッカ検出回路21が含まれている。
フリッカ検出回路21には第2のAGC8の出力信号が与
えられている。フリッカ検出回路21において,映像信号
に蛍光灯などに起因するフリッカが含まれていることが
検出され,検出信号はA/D変換器43によってディジタ
ル・データに変換されCPU30に取込まれる。
【0084】被写体が,蛍光灯光などフリッカを生じる
照明下にあるとフリッカに応じて被写体輝度が変動する
ため一画面ごとの明るさが異なる。すなわち連続する2
つの駒の画像を表わす2フィールド(または2フレー
ム)の映像信号の平均的レベルは異なる。
【0085】したがって連続する2つの駒の画像を表わ
す映像信号のレベルを比較することにより再生画像がフ
リッカをもつ照明光の影響を受けているかどうかをフリ
ッカ検出回路21において判定することができる。
【0086】またスチル/ムービ・ビデオ・カメラには
バッテリ32が含まれており,上述した各部に電源が供給
される。
【0087】図8はCCD5の模式図である。
【0088】CCD5には図8に示すように垂直および
水平方向に配置された多数のフォトダイオード60Aおよ
び60B,フォトダイオード60Aおよび60Bの間に縦方向
に配列された垂直転送路62ならびに信号電荷を水平方向
に転送する水平転送路63が含まれている。図8において
は奇数行のフォトダイオードが符号60Aによって,偶数
行のフォトダイオードが符号60Bによって示されてい
る。またフォトダイオード60Aおよび60Bと垂直転送路
62との間には,フォトダイオード60Aおよび60Bに蓄積
された信号電荷を垂直転送路62にシフトするための転送
ゲート61が形成されている。
【0089】図1に示すスチル/ムービ・ビデオ・カメ
ラにおいてスチル/ムービ撮影が設定されているとき
に,通常のシャッタ速度によって撮影が行なわれると,
図8を参照して,インターレース走査が行なわれ,奇数
行のフォトダイオード60Aに蓄積された信号電荷と偶数
行のフォトダイオード60Bに蓄積された信号電荷とが交
互に垂直転送路62にシフトされ,水平転送路63を経て出
力される。スチル/ムービ撮影が設定されており高速の
シャッタ速度によって撮影が行なわれると奇数行のフォ
トダイオード60Aに蓄積されている信号電荷と偶数行の
フォトダイオード60Bに蓄積されている信号電荷とが垂
直転送路62にシフトされ,上下において隣接する奇数行
のフォトダイオード60Aに蓄積された信号電荷と偶数行
のフォトダイオード60Bに蓄積された信号電荷とが垂直
転送路62において画素混合され,水平転送路63を経て出
力される。
【0090】図9はCCDに蓄積される信号電荷の読出
しを表わすタイム・チャートを示し,図10は垂直転送路
における信号電荷(ハッチングで示されている)の転送
を表わしている。以下,これらの図を参照して具体的に
信号電荷の読出しについて説明する。
【0091】CCDのフォトダイオード60Aおよび60B
に蓄積された信号電荷の垂直転送路62へのシフトは原則
として1V(Vは1垂直走査期間)を基準として行なわ
れる。
【0092】垂直基準信号VDに同期して転送ゲート61
にフィールド・シフト・パルスFSAおよびFSBがそ
れぞれ与えられる。フィールド・シフト・パルスFSA
は奇数行のフォトダイオード60Aに蓄積された信号電荷
を垂直転送路62にシフトするもので2Vごとに奇数行の
転送ゲート61に与えられる。フィールド・シフト・パル
スFSBは偶数行のフォトダイオード60Bに蓄積された
信号電荷を垂直転送路62にシフトするもので2Vごとに
偶数行の転送ゲート61に与えられる。フィールド・シフ
ト・パルスFSAとFSBとは1Vの期間ずれて転送ゲ
ート61に与えられる。また垂直基準信号VDに同期して
1Vごとに,フォトダイオード60Aおよび60Bに蓄積さ
れた不要電荷基板から掃出すための基板抜きパルスがC
CD5に与えられる。
【0093】図9を参照して,時刻t1 から時刻t4
スチル/ムービ撮影において通常のシャッタ速度によっ
て撮影が行なわれる。時刻t5 から時刻t6 が高速シャ
ッタ速度によって撮影が行なわれる。基板抜きパルスな
らびにフィールド・シフト・パルスFSAおよびFSB
によってシャッタ速度が定まる。
【0094】時刻t1 において,CCD5に基板抜きパ
ルスが与えられフォトダイオード60Aおよび60Bに蓄積
されている不要電荷が掃出される。
【0095】時刻t2 において偶数行の転送ゲート61に
フィールド・シフト・パルスFSBが与えられ,時刻t
1 から時刻t2 の間に偶数行のフォトダイオード60Bに
蓄積された信号電荷が垂直転送路62にシフトされる。こ
の状態が図10(A) に示されている。垂直転送路62に垂直
転送パルスφV1〜φV4が与えられ,信号電荷は水平
転送路63に転送される。水平転送路63に垂直転送パルス
φH1〜φH2が与えられ,信号電荷が出力される。
【0096】時刻t3 において奇数行の転送ゲート61に
フィールド・シフト・パルスFSAが与えられ,時刻t
2 から時刻t3 の間に奇数行のフォトダイオード60Aに
蓄積された信号電荷が垂直転送路62にシフトされる。こ
の状態が図10(B) に示されている。信号電荷は垂直転送
路62を転送し,水平転送路63を経て出力されることにな
る。
【0097】図9を参照して,時刻t5 から時刻t6
スチル/ムービ撮影において高速シャッタ速度によって
撮影が行なわれる。
【0098】時刻t5 においてCCD5に基板抜きパル
スが与えられる。
【0099】時刻t6 においては奇数行の転送ゲート61
にフィールド・シフト・パルスFSAが与えられ,偶数
行の転送ゲート61にフィールド・シフト・パルスFSB
が与えられる。これにより時刻t5 から時刻t6 の間に
フォトダイオード60Aおよび60Bに蓄積された信号電荷
が垂直転送路62にシフトされる。この状態が図10(C)の
最上段に示されている。時刻t6 において垂直転送パル
スφV1,φV2およびφV3が与えられ奇数行のフォ
トダイオード60Aに蓄積された信号電荷と偶数行のフォ
トダイオード60Bに蓄積された信号電荷とが混合(画素
混合)される。画素混合された信号電荷が垂直転送路62
を転送し,水平転送路63を経て出力される。
【0100】高速シャッタ速度の露光時間t3 〜t6
通常のシャッタ速度の露光時間t1〜t2 ,t2 〜t3
などよりも短いが,通常のシャッタ速度ではインターレ
ース走査により信号電荷の読出しが行なわれ,高速シャ
ッタ速度では上下に隣接するフォトダイオードに蓄積さ
れた信号電荷が混合されている。高速シャッタ速度が通
常のシャッタ速度の2倍の場合にはCCD5から出力さ
れる信号電荷の量もほぼ等しくなり,再生時のフリッカ
の発生も防止される。
【0101】図11はスチル/ムービ撮影時における他の
例を示すフローチャートである。
【0102】時刻t13においてCCD5に基板抜きパル
スが与えられ時刻t13から時刻t14の間が高速シャッタ
速度での露光時間となっている。高速シャッタ速度の時
間は1/250 秒となっている。
【0103】高速シャッタ速度が通常のシャッタ速度の
4倍の場合には,第1のAGC7によって高速シャッタ
速度の撮影により得られた映像信号は6dBの増幅が行な
われる。これにより,通常のシャッタ速度の撮影により
得られた映像信号のレベルと高速シャッタ速度の撮影に
より得られた映像信号のレベルとがほぼ等しくなり再生
時のフリッカの発生も防止される。
【0104】高速シャッタ速度での撮影時においてはC
CD5のフォトダイオードに蓄積された信号電荷の画素
混合を行なっているので,第1のAGC7の増幅率も画
素混合を行なわないときに比べ低く済みSN比も比較的
高い。
【0105】スチル/ムービ設定ボタン37によってスチ
ル/ムービ撮影が設定されている場合において,フリッ
カ検出回路21によってフリッカが検出された場合,測光
センサ28などにより測定された被写体輝度レベルが所定
レベル(たとえば1000lx)以下の場合,シャッタ速度設
定ボタン39により通常のシャッタ速度が所定速度よりも
速い速度(たとえば1/125 秒,1/250 秒)に設定さ
れた場合は,時刻t1はスチル/ムービ撮影において付
加されるべき,基板抜きパルスP(時刻t17において鎖
線で示す)は付加されず,時刻t16から時刻t18の間に
奇数行のフォトダイオード60Aおよび偶数行のフォトダ
イオード60Bに蓄積された信号電荷が,時刻t18におい
て垂直転送路62にシフトされる。垂直転送路62にシフト
された信号電荷は垂直転送路62を転送し,水平転送路63
を介して出力される。
【0106】この場合,通常のシャッタ速度で撮影し,
インターレース走査により信号電荷を読出すときに比べ
て信号電荷の量が多くなり,再生時にフリッカが生じる
おそれがある。このためこのスチル/ムービ・ビデオ・
カメラでは,第2のAGC8によって時刻t18から時刻
19の間に出力される映像信号を−6dBに減衰させてい
る。これにより,再生時において,映像信号のレベル差
に基づくフリッカの発生が防止される。
【0107】このようにして記録された映像信号を再生
するときには,高速シャッタ速度により得られた映像信
号をスチル再生に用いることによりぶれのない高精度の
再生画像が得られる。また高速シャッタ速度での撮影は
複数フィールドの撮影に1回なのでムービ再生をした場
合であっても動きのなめらかでフリッカのないムービ再
生画像が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】スチル/ムービ・ビデオ・カメラの電気的構成
を示すブロック図である。
【図2】撮影領域内に設定された測光領域を示す図であ
る。
【図3】測光処理を示すタイム・チャートである。
【図4】撮影領域内に設定された測距領域を示す図であ
る。
【図5】測距処理を示すタイム・チャートである。
【図6】合焦検出用加算データの記憶エリアを示す図で
ある。
【図7】合焦検出用加算データを示すグラフである。
【図8】CCDの模式図である。
【図9】CCDに蓄積される信号電荷の読出しを表わす
タイム・チャートである。
【図10】垂直転送路における信号電荷の転送の様子を
表わしている。
【図11】CCDに蓄積される信号電荷の読出しを表わ
すタイム・チャートである。
【符号の説明】
5 CCD 11 磁気ヘッド 25 SUBドライバ 26 Vドライバ 27 Hドライバ 30 CPU 31 タイミング発生回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−318769(JP,A) 特開 昭58−162177(JP,A) 特開 昭58−117776(JP,A) 特開 平2−288560(JP,A) 特開 平2−179086(JP,A) 特開 平4−172781(JP,A) 特開 平5−115035(JP,A) 特開 昭59−28769(JP,A) 特開 昭63−164680(JP,A) 特開 平5−153472(JP,A) 特開 平1−105674(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04N 5/222 - 5/257

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 行方向および列方向に配列された多数の
    光電変換素子を含み,これらの光電変換素子が一行おき
    に第1フィールド用と第2フィールド用とに定められ,
    露光時間が制御可能な固体電子撮像素子を用い, 連続する複数フィールドの撮影のうちに1フィールド分
    定期的に上記第1フィールド用の光電変換素子と上記第
    2フィールド用の光電変換素子とを高速シャッタ速度に
    よって同時に露光し,そのほかは上記第1フィールド用
    の光電変換素子と上記第2フィールド用の光電変換素子
    とを通常のシャッタ速度によって1フィールドごとに交
    互に露光し, 高速シャッタ速度によって上記第1フィールド用の光電
    変換素子と上記第2フィールド用の光電変換素子とを同
    時に露光したときには,上下に隣接する上記第1フィー
    ルド用の光電変換素子と上記第2フィールド用の光電変
    換素子に蓄積された信号電荷を混合し,混合した信号電
    荷から第1の映像信号を生成し, 通常のシャッタ速度によって上記第1フィールド用の光
    電変換素子と上記第2フィールド用の光電変換素子とを
    1フィールドごとに交互に露光したときにはインターレ
    ス走査により上記第1フィールド用の光電変換素子と上
    記第2フィールド用の光電変換素子に蓄積された信号電
    荷を1フィールドごとに交互に読出し,読出した信号電
    荷から第2の映像信号を生成し, 上記第1の映像信号および上記第2の映像信号を記録媒
    体に記録する, スチル/ムービ・ビデオ・カメラの制御方法。
  2. 【請求項2】 上記通常のシャッタ速度が高速シャッタ
    速度の2倍である,請求項1に記載のスチル/ムービ・
    ビデオ・カメラの制御方法。
  3. 【請求項3】 高速シャッタ・スピードの露光により得
    られる上記第1の映像信号のレベルが,通常のシャッタ
    ・スピードの露光により得られる上記第2の映像信号の
    レベルとほぼ等しくなるように上記第1の映像信号およ
    び上記第2の映像信号を増幅する, 請求項1に記載のスチル/ムービ・ビデオ・カメラの制
    御方法。
  4. 【請求項4】 上記第2の映像信号に対する増幅率を最
    大としても上記第1の映像信号のレベルが上記第2の映
    像信号のレベルと異なるかどうかを判断し, 上記第1の映像信号のレベルが上記第2の映像信号のレ
    ベルと異なると判断したときに,上記第1の映像信号に
    対する増幅率を上記第2の映像信号に対する増幅率の1
    /2として増幅し,かつ上記高速シャッタ・スピードを
    上記通常のシャッタ・スピードと等しくする, 請求項3に記載のスチル/ムービ・ビデオ・カメラの制
    御方法。
  5. 【請求項5】 上記第1の映像信号または上記第2の映
    像信号に,照明光に起因するフリッカがあるかどうかを
    判定し, 上記第1の映像信号または上記第2の映像信号に,照明
    光に起因するフリッカがあると判定したときに上記第1
    の映像信号に対する増幅率を上記第2の映像信号に対す
    る増幅率の1/2として増幅し,かつ上記高速シャッタ
    ・スピードを上記通常のシャッタ・スピードと等しくす
    る, 請求項3に記載のスチル/ムービ・ビデオ・カメラの制
    御方法。
  6. 【請求項6】 上記通常のシャッタ速度の速度が設定可
    能であり, 上記通常のシャッタ速度が,上記通常のシャッタ速度よ
    りも速い所定の速度以上に設定されたことに応答して,
    上記第1の映像信号に対する増幅率を上記第2の映像信
    号に対する増幅率の1/2として増幅し,かつ上記高速
    シャッタ・スピードを上記通常のシャッタ・スピードと
    等しくする, 請求項3に記載のスチル/ムービ・ビデオ・カメラの制
    御方法。
  7. 【請求項7】 行方向および列方向に配列された多数の
    光電変換素子を含み,これらの光電変換素子が一行おき
    に第1フィールド用と第2フィールド用の光電変換素子
    とに定められ,露光時間が制御可能な固体電子撮像素
    子, 高速シャッタ速度によって上記第1フィールド用の光電
    変換素子と上記第2フィールド用の光電変換素子とを露
    光し,上下に隣接する上記第1フィールド用の光電変換
    素子と上記第2フィールド用の光電変換素子に蓄積され
    た信号電荷を混合し,混合した信号電荷から第1の映像
    信号を出力するように上記固体電子撮像素子を制御する
    第1の撮影制御手段, 通常のシャッタ速度によって上記第1フィールド用の光
    電変換素子と上記第2フィールド用の光電変換素子とを
    交互に露光し,インターレス走査により上記第1の画像
    用の光電変換素子と上記第2の画像用の光電変換素子に
    蓄積された信号電荷を交互に読出し,読出した信号電荷
    から第2の映像信号を出力するように上記固体電子撮像
    素子を制御する第2の撮影制御手段, 連続する複数フィールドの撮影のうちに1フィールド分
    定期的に上記第1フィールド用の光電変換素子と上記第
    2フィールド用の光電変換素子とを同時に高速シャッタ
    速度によって露光を行ない,そのほかは上記第1フィー
    ルド用の光電変換素子と上記第2フィールド用の光電変
    換素子とを1フィールドごとに交互に通常のシャッタ速
    度によって露光を行なうように上記第1の撮影制御手段
    および上記第2の撮影制御手段を制御する制御手段,な
    らびに上記固体電子撮像素子から出力される上記第1の
    映像信号および上記第2の映像信号を記録媒体に記録す
    る記録手段, を備えたスチル/ムービ・ビデオ・カメラ。
  8. 【請求項8】 上記通常のシャッタ速度が高速シャッタ
    速度の2倍である,請求項7に記載のスチル/ムービ・
    ビデオ・カメラ。
  9. 【請求項9】 高速シャッタ速度の露光により得られる
    上記第1の映像信号のレベルが,通常のシャッタ速度の
    露光により得られる上記第2の映像信号のレベルとほぼ
    等しくなるように上記固体電子撮像素子から出力される
    上記第1の映像信号および上記第2の映像信号を増幅す
    る増幅手段, をさらに備えた請求項7に記載のスチル/ムービ・ビデ
    オ・カメラ。
  10. 【請求項10】 上記増幅手段において上記第2の映像
    信号に対する増幅率を変化させても上記第1の映像信号
    のレベルが上記第2の映像信号のレベルと一致しないか
    どうかを判定する判定手段, 上記判定手段によって上記増幅手段において上記第2の
    映像信号に対する増幅率を変化させても上記第1の映像
    信号のレベルが上記第2の映像信号のレベルと一致しな
    いと判定されたことに応答して上記第1の映像信号に対
    する増幅率を上記第2の映像信号に対する増幅率の1/
    2に設定するゲイン制御手段,および上記判定手段によ
    って上記増幅手段において上記第2の映像信号に対する
    増幅率を変化させても上記第1の映像信号のレベルが上
    記第2の映像信号のレベルと一致しないと判定されたこ
    とに応答して上記高速シャッタ速度を上記通常のシャッ
    タ速度と等しくするシャッタ速度調整手段, をさらに備えた請求項9に記載のスチル/ムービ・ビデ
    オ・カメラ。
  11. 【請求項11】 上記第1の映像信号または上記第2の
    映像信号に,照明光に起因するフリッカが含まれている
    ことを検出するフリッカ検出手段, 上記フリッカ検出手段によるフリッカの検出に応答して
    上記増幅手段における上記第1の映像信号に対する増幅
    率を上記第2の映像信号に対する増幅率の1/2にする
    ゲイン制御手段,および上記フリッカ検出手段によるフ
    リッカの検出に応答して上記高速シャッタ速度を上記通
    常のシャッタ速度と等しくするシャッタ速度調整手段, をさらに備えた請求項9に記載のスチル/ムービ・ビデ
    オ・カメラ。
  12. 【請求項12】 上記通常のシャッタ速度を設定する設
    定手段, 上記設定手段により上記通常のシャッタ速度が,上記通
    常のシャッタ速度として適したシャッタ速度よりも速い
    所定の速度以上に設定されたことを検出する設定シャッ
    タ速度検出手段, 上記設定シャッタ速度検出手段により上記通常のシャッ
    タ速度が上記所定の速度以上に設定されたことに応答し
    て上記増幅手段における上記第1の映像信号に対する増
    幅率を上記第2の映像信号に対する増幅率を1/2にす
    るゲイン制御手段,および上記設定シャッタ速度検出手
    段により上記通常のシャッタ速度が上記所定の速度以上
    に設定されたことに応答して上記高速シャッタ速度を設
    定された上記通常のシャッタ速度と等しくするシャッタ
    速度調整手段, をさらに備えた請求項9に記載のスチル/ムービ・ビデ
    オ・カメラ。
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