JP3213053B2 - 水素分離膜の製造方法 - Google Patents

水素分離膜の製造方法

Info

Publication number
JP3213053B2
JP3213053B2 JP13142092A JP13142092A JP3213053B2 JP 3213053 B2 JP3213053 B2 JP 3213053B2 JP 13142092 A JP13142092 A JP 13142092A JP 13142092 A JP13142092 A JP 13142092A JP 3213053 B2 JP3213053 B2 JP 3213053B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
palladium
hydrogen
metal support
separation membrane
hydrogen separation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP13142092A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05317662A (ja
Inventor
彰 小渕
浩一 花田
聡 古賀
弘充 星
了康 池田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Kakoki Kaisha Ltd
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Mitsubishi Kakoki Kaisha Ltd
Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Kakoki Kaisha Ltd, Sumitomo Metal Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Kakoki Kaisha Ltd
Priority to JP13142092A priority Critical patent/JP3213053B2/ja
Publication of JPH05317662A publication Critical patent/JPH05317662A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3213053B2 publication Critical patent/JP3213053B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B3/00Hydrogen; Gaseous mixtures containing hydrogen; Separation of hydrogen from mixtures containing it; Purification of hydrogen
    • C01B3/50Separation of hydrogen or hydrogen containing gases from gaseous mixtures, e.g. purification
    • C01B3/501Separation of hydrogen or hydrogen containing gases from gaseous mixtures, e.g. purification by diffusion
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B2203/00Integrated processes for the production of hydrogen or synthesis gas
    • C01B2203/04Integrated processes for the production of hydrogen or synthesis gas containing a purification step for the hydrogen or the synthesis gas
    • C01B2203/0405Purification by membrane separation

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
  • Hydrogen, Water And Hydrids (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水素含有ガス中の水素
を拡散分離する水素分離膜の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、水素ガスは、天然ガス、LPG、
ナフサ、またはメタノールなどの炭化水素を原料として
水蒸気改質法などで製造され、また石油精製などのオフ
ガスからも製造されている。上記方法で製造された水素
含有ガスから水素を精製回収する方法としては、吸着剤
を利用したPSA法(Pressure Swing
Absorption)などで不純物を分離除去する方
法や、有機または無機の水素分離膜によって水素を拡散
分離する方法などがあり、そのなかでも膜分離法は、省
エネルギー、分離効率、装置の簡易な構成および運転の
容易性などの観点から注目されている。
【0003】膜分離法に用いられる水素分離膜として
は、ポリイミドやポリスルホンなどの有機高分子膜、多
孔質ガラスや多孔質セラミックスなどの無機多孔質膜、
およびパラジウムまたはパラジウム合金膜などがある。
このうち、有機高分子膜は耐熱性や高温時での分離効率
低下に問題があり、また無機多孔質膜においても分離効
率が低い欠点があり、さらにパラジウムまたはパラジウ
ム合金膜においては耐熱性もあり、また極めて高純度の
水素を得ることができるが、機械的強度や薄膜製造技術
の難しさなどの問題がある。
【0004】上記パラジウムまたはパラジウム合金膜の
機械的強度を高めた水素分離膜として、特開昭62−1
21616号公報、特開昭62−273030号公報、
特開昭63−171617号公報には、多孔質ガラス、
多孔質セラミックス、あるいは多孔質酸化アルミニウム
などの無機多孔質支持体の表面に、パラジウムまたはパ
ラジウム合金膜を被着した膜が開示されており、またこ
れらの公報には、その水素分離膜の製造方法も記載され
ている。
【0005】上記公報に記載された水素分離膜の製造方
法において、特開昭62−121616号公報に記載さ
れた方法では、厚さ1mm程度の無機多孔質支持体の表
面にパラジウムまたはパラジウム合金膜を気相化学反応
や真空蒸着法などで被着しているが、装置が複雑で高度
な製造技術を必要とし、さらに厚膜製造に時間がかかる
欠点がある。また、特開昭62−273030号公報の
方法では、無機多孔質体の表面を化学的に活性化処理し
たのち、化学メッキ法でパラジウム主体膜を被着してい
るが、化学メッキ法に時間および手間がかかる欠点があ
る。さらに、特開昭63−171617号公報の方法で
は、例えば金属アルミニウムを陽極酸化処理したのち、
エッチング法で金属アルミニウムを溶解除去して厚さ5
0μm程度の多孔質酸化アルミニウム膜を製造し、該膜
にスパッタ法でパラジウムまたはパラジウム合金を蒸着
したのち、さらにパラジウム塩水溶液でパラジウムを担
持しているが、非常に手間がかかり、また高度の成膜技
術を必要とする欠点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術の課題を背景になされたもので、所定の孔径の細孔が
穿孔された金属支持体により支持されているため、耐熱
性、機械的強度に優れ、高純度の水素の回収が可能であ
り、かつ高温においても分離性能に優れ、さらに加工性
も良好な水素分離膜を短時間かつ少ない労力で容易に製
造することができる水素分離膜およびその製造方法を提
供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】発明は、次の各工程か
らなる、孔径10〜500μmの細孔がエッチングによ
り多数穿孔された金属支持体の片面に、膜厚1〜50μ
mのパラジウムと他の金属からなる合金膜(以下「パラ
ジウム合金膜」ということがある)が被着形成されてな
る水素分離膜の製造方法を提供するものである。 (1)金属支持体の片面にパラジウムと他の金属の薄膜
をそれぞれ電気メッキ法により交互積層する第1工程。 (2)前記第1工程で得られる金属支持体の他方の片面
にエッチング法により細孔を穿孔する第2工程。 (3)前記第2工程で得られる金属支持体のパラジウム
−他の金属薄膜層を500〜900℃で熱処理し合金化
する第3工程。
【0008】以下、本発明の水素分離膜の一例を図面を
参照しつつ説明する。図1は、水素分離膜製造工程の一
部を示す概略図であり、図1(A)は金属支持体の片面
にパラジウム−他の金属薄膜層が被着・形成した状態を
説明するための拡大断面構成図、図1(B)は、図1
(A)の金属支持体の他方の片面をエッチング処理して
得られる水素分離膜の拡大断面構成図である。
【0009】本発明の水素分離膜10は、孔径10〜5
00μm、好ましくは50〜200μmの細孔hがエッ
チングにより多数穿孔された金属支持体11の片面11
aに、膜厚1〜50μm、好ましくは5〜30μmのパ
ラジウム合金膜12が被着形成されてなるものである
〔図1(B)参照〕。
【0010】ここで、金属支持体11の材質としては、
ステンレス、ニッケル、銅合金、ニッケル基合金、鉄−
ニッケル合金などの金属が挙げられる。水素分離膜10
の支持体として金属支持体11を採用することにより、
200℃以上の温度で水素分離処理を行っても、水素分
離膜10と図示しない取付け部材(枠など)とを熔接な
どの手段で連結することができるため、シール性が低下
することもない。金属支持体11の代わりにセラミック
スなどの無機材料を用いた場合には、直接、電気メッキ
が不可能なために膜形成速度の遅い無電解メッキが必要
であるという不都合が生じる。この金属支持体11に多
数穿孔される細孔hの孔径dは、10〜500μm、好
ましくは50〜200μmであり、10μm未満では流
通抵抗が大きくなり、一方500μmを超えると、被着
膜であるパラジウム合金膜12が陥没してピンホールが
生じやすくなる。なお、細孔hの穿孔密度は、好ましく
は150〜3,000個/cm2程度である。
【0011】金属支持体11の厚みは、通常、10〜5
00μm、好ましくは50〜200μm程度であり、1
0μm未満では支持体としての機械的強度が弱く実用的
ではなく、一方500μmを超えると孔径の大きい穿孔
をエッチングする必要があり好ましくない。なお、金属
支持体11の形状は、図1に示すような板状のほか、管
状でもよく、その目的とするところにより任意の形状が
採用できる。
【0012】一方、パラジウム合金膜12は、パラジウ
ムを主体とする合金の薄膜であり、パラジウムと、パラ
ジウム以外の周期律表第VIII族元素(例えば、コバル
ト、ニッケル)、IB族(例えば、銅、銀、金)、およ
び IIIB族(例えば、イットリウム)の群から選ばれた
少なくとも1種の他の金属との合金、好ましくはパラジ
ウムと銀との合金から構成されている。このパラジウム
合金膜12中のパラジウム以外の他の金属の含量は、1
〜50重量%、好ましくは10〜30重量%である。パ
ラジウムを合金化する主目的は、パラジウムの水素脆化
防止と高温時の分離効率向上にあり、パラジウム以外の
他の金属の含量が1重量%未満では、パラジウムの水素
脆化防止、高温時の分離効率向上の効果が少なくなり、
一方50重量%を超えると、水素の透過速度が遅くなり
すぎて実用的でない。
【0013】パラジウム合金膜12の総厚は、1〜50
μm、好ましくは5〜30μmである。パラジウム合金
膜12の総厚が1μm未満では、この合金膜12にピン
ホールが生じやすく正常な被着が困難となり、かつ分離
水素の純度も低下することになり、一方50μmを超え
ると、水素の透過速度が遅くなり過ぎて実用的ではな
い。
【0014】次に、本発明の水素分離膜の製造方法を、
前記図1を参照して説明する。まず、第1工程では、前
記金属支持体11の片面11aにパラジウムと他の金属
の薄膜をそれぞれ電気メッキ法により交互積層する。
【0015】次に、このようにして無電解メッキが施さ
れた金属支持体11の片面11aに、さらに電気メッキ
法でパラジウムおよび他の金属を交互に積層被着させ
る。この電気メッキ法では、慣用されている電気メッキ
装置が用いられる。パラジウムの薄膜をメッキする場合
には、電気メッキ液としてパラジウム塩と電解質が溶解
した水溶液が用いられ、該電気メッキ液が充填された電
解槽内にマイナス側に接続された金属支持体11の片面
11aと、プラス側に接続された白金板とを浸漬して直
流電源を通電することにより被着形成される。この電気
メッキ液の一例としては、例えば次のようなものが挙げ
られるが、この組成に限定されるものではなく、電気メ
ッキ法によってパラジウム膜または他の金属膜が積層被
着される組成であれば特に限定されない。
【0016】Pd膜用; 〔Pd(NH34〕Cl2・2H2O;30g/l、NH
4Cl;60g/l、 Ag膜用; AgCN;36g/l、KCN;60g/l、K2
3;15g/l Ni膜用; NiSO4;240g/l、NiCl2;45g/l、H
3BO3;30g/l
【0017】Co膜用; CoSO4;300g/l、NH4Cl;20g/l、H
3BO3;15g/l、 Cu膜用; CuSO4・5H2O;250g/l、H2SO4;75g
/l
【0018】この電気メッキ法による電流密度は、電気
メッキ液の性状によっても異なるが、0.1〜3A/d
2である。また、薄膜(パラジウム膜および他の金属
膜)の総厚は、電気メッキ時間を可変にすることにより
前記の所定の膜厚とすることができる。
【0019】なお、パラジウム合金膜12は、パラジウ
ムと他の金属との交互積層のほかに、例えばまず無電解
メッキ法によりパラジウム薄膜を形成させ、この薄膜の
上に合金化金属の薄膜を積層被着させてもよく、あるい
は逆の工程で被着してもよく、さらには含浸法、吸着
法、イオン交換法、真空蒸着法(PVD)、気相化学反
応法(CVD)などの利用も可能である。
【0020】次に、第2工程では、第1工程で得られる
金属支持体11の他方の片面11bにエッチング法によ
り細孔を穿孔する。この場合、金属支持体11の他方の
片面11bをエッチングする方法としては、例えばこの
片面11bに図示しないネガ型レジストをスピンコート
法などで塗布し、ベーキング後、細孔hに相当するパタ
ーンが形成された図示しないマスクを介して紫外線など
の光を照射し、現像後、ポストベークし、さらにエッチ
ングし、残存するレジスト皮膜を除去することによって
実施される。
【0021】すなわち、レジストを塗布するに先立ち、
金属支持体11へのレジストの密着性を確保するため
に、前処理として例えば70℃、10%水酸化ナトリウ
ム水溶液でのアルカリ洗浄と水洗、中和、水洗、乾燥を
行い、レジスト塗布面の清浄化を行う。使用するレジス
トは、カゼインタイプ、PVAタイプなどの水溶性タイ
プ、およびアクリルポリマー系の溶剤溶解性タイプのい
ずれかのネガタイプレジストが使用可能であるが、本発
明では、ネガタイプアクリルポリマー〔東京応化工業
(株)製、PMER−N40DP〕を使用した。このレ
ジストを、前述の洗浄化した金属支持体11へ塗布する
方法としては、ロールコート法、スピンコート法、ディ
ップ引上げコート法などにより塗布するが、ディップ引
上げ法が好適である。
【0022】塗布する厚みは、レジスト粘度、引上げス
ピードで決定されるが、露光時の解像度の面からは、1
5μm以下が好ましく、エッチング時の耐酸性、レジス
ト皮膜の強度保持の点からは、3μm以上が好ましい。
従って、乾燥膜厚が3〜15μmの範囲となるように引
上げスピードを決定すればよい。塗布するレジストに
は、例えばアクリル系ポリマーを主体とした固形分濃度
30%、トルエンなどを主体とした溶剤分70%を含有
するものを用いた場合には、露光に先立って70℃温風
中で10分以上乾燥を行い、溶剤分を乾燥除去する。こ
のように、金属支持体11にコートされたレジスト皮膜
の支持体側にあらかじめ作画された細孔部のパターンが
画像形成されたフィルムマスクを密着させ、超高圧水銀
灯により発生させた波長375nm前後の紫外線を60
〜70秒(照射量=300〜350mJ)照射する。
【0023】露光工程で金属支持体11側のレジスト面
に画像形成された細孔パターン部は、次の現像工程によ
りエッチング穿孔部のみ(未露光部分)、レジストが溶
解除去され、金属面が露出される。この現像の条件とし
ては、アルカリ系の専用薬液〔東京応化工業(株)製、
N−A5〕により、25±2.5℃で行う。この現像工
程により、開孔すべき穴のパターンが形成されたレジス
ト皮膜は、エッチング工程に先立ち、膜の耐酸強度、塗
膜密着性、塗膜強度をさらに向上させるため、ポストベ
ークを行う。このポストベークの熱源は、熱風あるいは
遠紫外線輻射など、いずれでも構わないが、温度は10
0〜120℃で15〜30分行う。100℃未満では熱
重合が不充分で、充分な塗膜性能が得られず、一方12
0℃を超えると膜が脆くなる。
【0024】以降、エッチング工程に入るが、エッチン
グ液は、通常、42〜47°Be(ボーメ)の塩化第2
鉄水溶液をスプレーにて対象物面に吹きつけて行う。こ
の場合、量産性の面から、水平搬送方式による上下スプ
レー吹きつけで行うとよい。液温度は45〜65℃の間
で行う。エッチング速度のコントロールは、搬送スピー
ドで決定する。なお、エッチング条件の安定化を図り、
精度をコントロールするため、水や塩酸を用い、比重、
pH値の制御も併せて行う。このエッチングにより、片
面より穿孔された金属支持体11は、水洗によるエッチ
ング液の洗浄後、マスキングのために用いたレジスト皮
膜の残分を表面より剥離後、充分に洗浄を行い、製品と
なる。この剥離液は、通常、5〜10%の水酸化ナトリ
ウム水溶液を、50〜70℃に加温した液に浸漬し、レ
ジスト皮膜を膨潤剥離により除去する。
【0025】この第2工程によって、図1(B)に示す
ように金属支持体11の他方の片面11b側から貫通穴
である細孔hが多数穿孔される。なお、図1(B)にお
いて、符号wは、パラジウム合金膜12と金属支持体1
1の最短接点距離であり、この距離は、通常、100〜
1,000μm程度である。
【0026】さらに、第3工程では、前記第2工程で得
られる金属支持体のパラジウム−他の金属薄膜層を50
0〜900℃で熱処理し合金化する。前記第1工程で被
着された薄膜は、パラジウムと他の金属とが積層した膜
であり、合金化したパラジウム合金膜とするには、第2
工程で得られた水素分離膜10を電気炉などで加熱処理
することにより、金属どうしを相互拡散させて形成す
る。加熱処理温度は、500〜900℃、好ましくは6
00〜800℃であり、500℃未満では金属どうしの
相互拡散が起こらず、一方900℃を超えると、金属支
持体11からの拡散混合が無視できないほど多くなり、
また熱処理中にメッキ層が溶融して空隙を生じ、膜とし
ての機能を害する可能性があるため好ましくない。ま
た、この加熱処理時間は、0.1〜10時間が好まし
い。
【0027】次に、この水素分離膜10を用いた水素分
離方法の一例を図2を用いて説明する。ここで、図2
は、本発明の水素分離膜を用いた水素分離方法の工程概
略図である。図2において、セパレータSは、本発明の
水素分離膜10を組み込んだ水素分離機20とこれを覆
う加熱器30から構成されている。ここで、水素分離膜
10は、水素分離機20内において、金属支持体11が
下方、パラジウム合金膜12が上方になるように水平配
置されている。このセパレータSを用いて水素を含有す
る原料ガスから水素ガスを分離するには、原料ガスG1
を水素分離機20の上部21に導入する。原料ガスG1
中の水素ガスは、水素分離膜10のパラジウム合金膜1
2を透過し、透過ガスHとして取り出される。一方、原
料ガスG1から水素ガスが分離された非透過ガスG2
は、水素分離機10の上方より系外へ取り出される。
【0028】なお、この水素分離の条件は、温度が常温
〜600℃、水素分離機20の上部21の圧力が常圧以
上であり、透過側と圧力差があればよい。
【0029】
【作用】本発明の水素分離膜は、特定孔径の細孔を穿孔
された金属支持体にパラジウム合金を被着させてなるも
のであるため、シール性が良好で、かつ耐熱性、機械的
強度に優れ、高純度の水素の回収が可能であり、高温に
おいても分離性能に優れ、さらに加工性も良好であり、
製造コストが低い。また、本発明の水素分離膜の製造方
法においては、まず金属支持体の片面に電気メッキ法に
よりパラジウム−他の金属層を交互積層し、他方の面か
らエッチング法により細孔を穿孔し、さらに熱処理する
ことによってパラジウムおよびパラジウム以外の他の金
属を相互に拡散させてパラジウム合金層を形成させるも
のであり、比較的簡単な工程によって水素分離能に優れ
た分離膜を安価に製造することができる。
【0030】
【実施例】以下、実施例を挙げて、本発明をさらに具体
的に説明する。 実施例1水素分離膜の製造 厚さ200μmのステンレス(SUS316)の片面
に、パラジウムと銀を交互に電気メッキした。メッキ浴
組成は、下記に示すものを用いた。なお、浴温は30
℃、電流密度はパラジウムメッキのときは1A/d
2、銀メッキのときは0.5A/dm2で行った。メッ
キの総厚は30μmとし、重量比でパラジウム:銀=8
0:20になるように多層メッキした。
【0031】パラジウムメッキ浴組成 Pd(NH34Cl2・・・・・30g/kg NH4Cl ・・・・・60g/kg H2O ・・・・・Bal pH ・・・・・9〜9.5銀メッキ浴組成 AgCN ・・・・・36g/kg KCN ・・・・・60g/kg K2CO3 ・・・・・15g/kg
【0032】次に、エッチング処理は、メッキされた材
料を前処理洗浄し、以下の条件で実施した。レジスト塗布条件 レジスト種類;ネガタイプアクリルポリマー〔東京応化
工業(株)製、PMER−N40DP〕 塗布厚;7μm露光条件 紫外線波長;375nm 照射量;450mJエッチング条件 エッチング液;塩化第2鉄水溶液(45°Be、48
℃) なお、このエッチング処理では、細孔hの孔径dが10
0μm、メッキと金属支持体の最短接点距離wが500
μmになるように実施した。次いで、メッキの合金化熱
処理を600℃×15時間行い、これを水素分離膜とし
た。
【0033】水素分離実験 前記で得られた水素分離膜10を図2に示す水素分離機
20に装着し、この工程に原料ガスG1として混合ガス
(水素74容量%、CO1容量%、CH41容量%、C
224容量%)を流した。透過ガス(水素ガス)およ
び非透過ガスは、別々にガスメータM1、M2で流量を
測定するとともに、ガスクロマトグラフGCに導入して
ガス組成の分析を行った。
【0034】実験条件は、次のとおりである。 温度=400℃ 圧力(水素分離機20の上部21の圧力)=8.0kg
/cm2・G 混合ガス流量=1.0Nl/min 出側圧力(水素分離機20の下部21の圧力)=常圧 実験結果は、次のとおりであった。 透過ガス中の水素ガス濃度=100% 透過速度=80.0cm3/cm2/min
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、細孔が多数穿孔された
金属を支持体としているため、耐熱性、機械的強度に優
れ、高純度の水素の回収が可能であり、かつ高温におい
ても分離性能に優れ、さらに電気メッキによりパラジウ
ムなどの薄膜を形成するので、良好な水素分離膜を短時
間かつ少ない労力で容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】水素分離膜製造工程の一部を示す概略図であ
り、図1(A)は金属支持体の片面にパラジウム−他の
金属薄膜層が被着・形成した状態を説明するための拡大
断面構成図、図1(B)は図1(A)の金属支持体の他
方の片面をエッチング処理して得られる本発明の水素分
離膜の拡大断面構成図である。
【図2】本発明の水素分離膜を用いた水素分離工程の概
略図である。
【符号の説明】
10 水素分離膜 11 金属支持体 12 パラジウム合金膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古賀 聡 神奈川県川崎市川崎区大川町2番1号 三菱化工機株式会社内 (72)発明者 星 弘充 東京都新宿区本塩町8番地の2 日本ス テンレス株式会社内 (72)発明者 池田 了康 新潟県上越市港町2丁目12番1号 日本 ステンレス株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−326931(JP,A) 特開 平5−76738(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 71/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の各工程からなる、孔径10〜500
    μmの細孔がエッチングにより多数穿孔された金属支持
    体の片面に、膜厚1〜50μmのパラジウムと他の金属
    からなる合金膜が被着形成されてなる水素分離膜の製造
    方法。 (1)金属支持体の片面にパラジウムと他の金属の薄膜
    をそれぞれ電気メッキ法により交互積層する第1工程。 (2)前記第1工程で得られる金属支持体の他方の片面
    にエッチング法により細孔を穿孔する第2工程。 (3)前記第2工程で得られる金属支持体のパラジウム
    −他の金属薄膜層を500〜900℃で熱処理し合金化
    する第3工程。
JP13142092A 1992-04-27 1992-04-27 水素分離膜の製造方法 Expired - Lifetime JP3213053B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13142092A JP3213053B2 (ja) 1992-04-27 1992-04-27 水素分離膜の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13142092A JP3213053B2 (ja) 1992-04-27 1992-04-27 水素分離膜の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05317662A JPH05317662A (ja) 1993-12-03
JP3213053B2 true JP3213053B2 (ja) 2001-09-25

Family

ID=15057550

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13142092A Expired - Lifetime JP3213053B2 (ja) 1992-04-27 1992-04-27 水素分離膜の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3213053B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1375421A3 (en) * 2002-06-07 2005-04-20 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Hydrogen separation membrane, hydrogen separation unit, and manufacturing method for hydrogen separation membrane
US8326085B2 (en) 2008-06-19 2012-12-04 Canon Kabushiki Kaisha Image processing apparatus and image processing method

Families Citing this family (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3540495B2 (ja) * 1996-03-18 2004-07-07 三菱重工業株式会社 水素分離膜
KR100247557B1 (ko) * 1997-12-24 2000-03-15 김충섭 수소기체 분리용 복합막의 제조방법
JP2003530488A (ja) * 2000-04-06 2003-10-14 ウォルター・ジュダ・アソシエーツ,インコーポレイテッド 金属坦持膜
DE60113596T2 (de) * 2000-06-27 2006-06-22 Nisshin Steel Co., Ltd. Gasreformer zur Rückgewinnung von Wasserstoff
JP2003094542A (ja) * 2001-09-25 2003-04-03 Toyo Kohan Co Ltd 開口積層材および開口積層材を用いた部品
JP2003093854A (ja) * 2001-09-25 2003-04-02 Toyo Kohan Co Ltd 開口積層材の製造方法および開口積層材を用いた部品の製造方法
JP2003118026A (ja) * 2001-10-16 2003-04-23 Toyo Kohan Co Ltd ガス透過層積層材およびガス透過層積層材を用いた部品
JP2003305346A (ja) * 2002-04-11 2003-10-28 Toyo Kohan Co Ltd 分離膜積層体の製造方法および分離膜積層体を用いた部品の製造方法
JP4144780B2 (ja) * 2002-04-24 2008-09-03 東洋鋼鈑株式会社 分離膜積層材および分離膜積層材を用いた分離膜ユニット
EP2075052A1 (en) * 2002-07-25 2009-07-01 Dai Nippon Insatsu Kabushiki Kaisha Thin film support substrate for use in hydrogen production filter and production method of hydrogen production filter
MD2449G2 (ro) * 2003-03-14 2004-11-30 Ион ТИГИНЯНУ Procedeu de obţinere a membranelor perforate ultrasubţiri
JP2006520686A (ja) * 2003-03-21 2006-09-14 ウスター ポリテクニック インスティチュート 中間金属層を有する複合ガス分離モジュール
WO2007018444A1 (en) * 2005-08-09 2007-02-15 Dmitry Ippolitovich Slovetskiy Hydrogen purification membrane, filtering element and membrane device
KR100914653B1 (ko) * 2007-09-03 2009-08-28 국방과학연구소 수소 분리막과 이의 제조방법
JP5344485B2 (ja) * 2010-02-02 2013-11-20 株式会社ノリタケカンパニーリミテド イオン伝導性膜材およびその製造方法
TWI442966B (zh) * 2011-12-16 2014-07-01 Ind Tech Res Inst 多孔基材及無機選擇膜製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1375421A3 (en) * 2002-06-07 2005-04-20 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Hydrogen separation membrane, hydrogen separation unit, and manufacturing method for hydrogen separation membrane
US8326085B2 (en) 2008-06-19 2012-12-04 Canon Kabushiki Kaisha Image processing apparatus and image processing method

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05317662A (ja) 1993-12-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3213053B2 (ja) 水素分離膜の製造方法
US6649559B2 (en) Supported metal membrane, a process for its preparation and use
US7727596B2 (en) Method for fabricating a composite gas separation module
US8366805B2 (en) Composite structures with porous anodic oxide layers and methods of fabrication
JP3388840B2 (ja) 水素分離膜およびその製造方法
JP2008507395A5 (ja)
JP2006520687A5 (ja)
JPH11276866A (ja) 水素透過膜及びその作製方法
EP1603660B1 (en) Method for curing defects in the fabrication of a composite membrane gas separation module
Li et al. Toward extensive application of Pd/ceramic membranes for hydrogen separation: A case study on membrane recycling and reuse in the fabrication of new membranes
CN107376661B (zh) 一种钯基复合膜的制备方法
JPH05137979A (ja) 水素分離膜の製造方法
JP2011206629A (ja) 無欠陥化水素分離膜、無欠陥化水素分離膜の製造方法及び水素分離方法
WO2003031037A1 (fr) Unite de separation de gaz et son procede de fabrication
JP4411409B2 (ja) 水素透過装置の製造方法
JP3801838B2 (ja) 水素ガス分離ユニット及びその製造方法
JP3045329B2 (ja) 水素分離膜の製造方法
JP2005254191A (ja) 印刷を用いる水素分離金属膜の製造方法及び水素分離金属膜
JP2002292259A (ja) 水素透過構造体およびその製造方法
Kusakabe et al. Preparation of thin palladium membranes by a novel method based on photolithography and electrolysis
JP2009166005A (ja) 水素透過膜の製造方法
JP2008062213A (ja) 水素透過膜構造体の製造方法
JP2001276557A (ja) 水素ガス分離ユニット
JP2002153739A (ja) 水素分離膜の製造方法
CN111111463B (zh) 一种具有间隙结构的指型钯基复合膜及制备和应用

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20010710

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090719

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100719

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100719

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110719

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110719

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120719

Year of fee payment: 11

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120719

Year of fee payment: 11