JP3212330B2 - ジアステレオマーの純度向上方法及び分離精製方法 - Google Patents

ジアステレオマーの純度向上方法及び分離精製方法

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JP3212330B2
JP3212330B2 JP26100391A JP26100391A JP3212330B2 JP 3212330 B2 JP3212330 B2 JP 3212330B2 JP 26100391 A JP26100391 A JP 26100391A JP 26100391 A JP26100391 A JP 26100391A JP 3212330 B2 JP3212330 B2 JP 3212330B2
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C45/00Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds
    • C07C45/78Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives
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    • C07C45/85Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives by treatment giving rise to a chemical modification

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、(4R,6R)−4−
ヒドロキシ−2,2,6−トリメチルシクロヘキサノン
と、そのジアステレオマーである(4S,6R)−4−
ヒドロキシ−2,2,6−トリメチルシクロヘキサノン
の混合物から、色素などの光学活性な化合物の合成原料
として有用な、(4R,6R)−4−ヒドロキシ−2,
2,6−トリメチルシクロヘキサノンの純度を向上させ
る方法及びこれを分離精製する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、(4R,6R)−4−ヒドロキシ
−2,2,6−トリメチルシクロヘキサノンと(4S,
6R)−4−ヒドロキシ−2,2,6−トリメチルシク
ロヘキサノンのジアステレオマー混合物を分離する方法
として、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによる分
離、向流分配による分離、晶析による分離などが知られ
ている(特公昭58−7277)。しかしながら、これ
らの分離法は、多量のシリカゲルや溶離剤を必要とした
り、向流分配の場合は、エーテルなどの危険性の高い溶
剤を大量に必要としたり、また晶析の場合も、エーテル
等の溶剤や−70℃程度の低温を必要とする、晶析で得
られたものの純度が悪く、数回の再結晶を行なわなけれ
ばならないため回収率が悪い、などの多くの問題点があ
り、経済的な方法とは言い難く、工業的に有利な分離法
が望まれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高収率で且
つ容易に、(4R,6R)−4−ヒドロキシ−2,2,
6−トリメチルシクロヘキサノンの純度を向上させる方
法及びこれを分離精製する方法を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる実
情に鑑み、光学活性(4R,6R)−4−ヒドロキシ−
2,2,6−トリメチルシクロヘキサノンの経済的な純
度向上方法及び分離精製法の開発を目指し鋭意研究を重
ねた結果、(4R,6R)−4−ヒドロキシ−2,2,
6−トリメチルシクロヘキサノンと(4S,6R)−4
−ヒドロキシ−2,2,6−トリメチルシクロヘキサノ
ンのジアステレオマー混合物を、(4S,6R)−4−
ヒドロキシ−2,2,6−トリメチルシクロヘキサノン
と等モル以上の、酸塩化物及び/又は酸無水物と塩基の
存在下で反応させて、(4S,6R)−4−ヒドロキシ
−2,2,6−トリメチルシクロヘキサノンの水酸基を
酸塩化物又は酸無水物に由来するエステル型保護基で保
護し、(4R,6R)−4−ヒドロキシ−2,2,6−
トリメチルシクロヘキサノンのジアステレオマー純度を
向上させ、更に、該化合物との極性の差を大きくするこ
とにより、容易に且つ高収率で未反応の(4R,6R)
−4−ヒドロキシ−2,2,6−トリメチルシクロヘキ
サノンを回収できることを見出し、本発明を完成した。
【0005】即ち、本発明の第1は、式(I):
【0006】
【化7】
【0007】で示される(4R,6R)−4−ヒドロキ
シ−2,2,6−トリメチルシクロヘキサノンと、式
(II):
【0008】
【化8】
【0009】で示される(4S,6R)−4−ヒドロキ
シ−2,2,6−トリメチルシクロヘキサノンとのジア
ステレオマー混合物と、少なくとも(II)と等モルの酸
塩化物及び/又は酸無水物を、塩基の存在下で反応させ
て式(II)で示される化合物を式(III):
【0010】
【化9】
【0011】(式中、Rは酸塩化物又は酸無水物に由来
するエステル型保護基を表す。)で示される(4S,6
R)−4−ヒドロキシ−2,2,6−トリメチルシクロ
ヘキサノン誘導体に変換することを特徴とする、(4
R,6R)−4−ヒドロキシ−2,2,6−トリメチル
シクロヘキサノンのジアステレオマー純度向上方法を、
【0012】本発明の第2は、上記反応で生じたジアス
テレオマー及びその誘導体の混合物を、水−有機溶剤に
対する溶解度(分配係数)の違いを利用して分離するこ
とを特徴とする、式(I)で示される(4R,6R)−
4−ヒドロキシ−2,2,6−トリメチルシクロヘキサ
ノンの分離精製方法をそれぞれ内容とするものである。
【0013】式(II)で示される水酸基と反応させる試
薬としては、酸塩化物及び/又は酸無水物が用いられる
(以下、両者を水酸基と反応する試薬と記す)。酸塩化
物としては、例えば、アルキル又はアリールスルホニル
クロライド、例えばメタンスルホニルクロライド、エタ
ンスルホニルクロライド、p−メチルフェニルスルホニ
ルクロライド、フェニルスルホニルクロライド、ベンジ
ルスルホニルクロライド;アルカノイルクロライド、例
えばアセチルクロライド、プロパノイルクロライド、ブ
タノイルクロライド、ペンタノイルクロライド、ヘキサ
ノイルクロライド、2−メチルプロパノイルクロライ
ド、ピバロイルクロライド、3−メチルブタノイルクロ
ライド、3,3−ジメチルブタノイルクロライド;無置
換又は置換ベンゾイルクロライド、例えばベンゾイルク
ロライド、2−メチルベンゾイルクロライド、2−クロ
ロベンゾイルクロライド、2,4−ジクロロベンゾイル
クロライド、2,6−ジクロロベンゾイルクロライド、
2−アセトキシベンゾイルクロライド、3,4,5−ト
リメトキシベンゾイルクロライド;置換アセチルクロラ
イド、例えばフェニルアセチルクロライド、ジフェニル
アセチルクロライド;置換カルボニルクロライド、例え
ばシクロヘキサンカルボニルクロライド、9−フルオレ
ンカルボニルクロライド;酸無水物としては、例えば無
水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸、無水吉草酸、無
水ヘキサン酸、無水安息香酸、無水コハク酸、無水マレ
イン酸、無水フタル酸、炭酸アルキル類として炭酸ジメ
チル、炭酸ジエチル;クロル炭酸アルキル類としてクロ
ル炭酸メチル、クロル炭酸エチル等を挙げることがで
き、これらは単独又は2種以上組み合わせて用いられ
る。
【0014】水酸基と反応する試薬は、用いる(4R,
6R)−4−ヒドロキシ−2,2,6−トリメチルシク
ロヘキサノンと(4S,6R)−4−ヒドロキシ−2,
2,6−トリメチルシクロヘキサノンの混合物中の(4
S,6R)−4−ヒドロキシ−2,2,6−トリメチル
シクロヘキサノンに対して、1当量以上用いればよい。
1当量より多く用いた場合、反応時間を長くすると化合
物(I)も反応して未反応化合物(I)の回収率が低下
するため、ガスクロマトグラフィー等で反応の進行を確
認しつつ、反応を行なえばよい。反応は、各種溶媒中で
行うことができる。溶媒としては、塩化メチレン、ヘキ
サン、アセトニトリル、酢酸エチル、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、アセトン、テトラヒドロフラン、イソプ
ロピルエーテル、エチルエーテル、ジメチルホルムアミ
ド等が挙げられ、これらは単独又は2種以上組み合わせ
て用いられる。
【0015】塩基としては、含窒素複素環化合物類、例
えばピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、イミダゾ
ール、ピコリン、ルチジン、コリジン;芳香族アミン
類、例えばN,N−ジメチルアニリン;三級アミン類、
例えばトリエチルアミン、トリメチルアミン;その他テ
トラメチル尿素、炭酸水素ナトリウム等が挙げられ、こ
れらは単独又は2種以上組み合わせて用いられる。これ
らの塩基は、水酸基と反応する試薬に対し1当量以上用
いればよい。反応方法は、(4R,6R)−4−ヒドロ
キシ−2,2,6−トリメチルシクロヘキサノンと(4
S,6R)−4−ヒドロキシ−2,2,6−トリメチル
シクロヘキサノンの混合物を溶媒に溶かし、塩基を加え
た後、水酸基と反応する試薬を滴下又は添加、又は溶剤
で希釈した溶液を滴下すればよい。
【0016】反応温度は、用いる溶媒や塩基によって変
えることができるが、−70℃〜溶媒の還流温度で行え
ばよい。一般に低温で行うほど、(4R,6R)−4−
ヒドロキシ−2,2,6−トリメチルシクロヘキサノン
と(4S,6R)−4−ヒドロキシ−2,2,6−トリ
メチルシクロヘキサノンの反応速度の差が大きくなる傾
向にある。反応時間は、水酸基と反応する試薬、溶媒、
塩基及びそれらの量、温度などによって異なるが、1〜
100時間程度でよい。反応速度が遅い場合は、(4
S,6R)−4−ヒドロキシ−2,2,6−トリメチル
シクロヘキサノンに対して、過剰量の、水酸基と反応す
る試薬を加えて反応させ反応を促進させる。この際、
(4R,6R)−4−ヒドロキシ−2,2,6−トリメ
チルシクロヘキサノンの水酸基が水酸基と反応する試薬
に由来するエステル型保護基により保護された誘導体
(IV)
【0017】
【化10】
【0018】が生じる場合があるが、後述の分離方法で
除去できるので、化合物(I)の回収率が若干落ちる程
度で本発明に特に影響を与えない。反応停止は、例えば
ガスクロマトグラフィー等で反応の進行を確認しつつ、
例えば、反応液に、飽和重曹水等を加えることにより行
うことができる。
【0019】以上に述べた反応を行う際、強塩基を多量
に用いると、(4R,6R)−4−ヒドロキシ−2,
2,6−トリメチルシクロヘキサノン、及び(4S,6
R)−4−ヒドロキシ−2,2,6−トリメチルシクロ
ヘキサノンの6位メチル基がラセミ化を起こすことがあ
り、(4R,6S)体や(4S,6S)体が生成して、
(4R,6R)体の回収率が悪くなる上に、得られる物
が鏡像体混合物となるので注意が必要である。
【0020】次に、分離精製法について説明する。反応
液に重曹水等を加えて反応を停止した後、有機層を分離
し、更に、水層より有機溶剤で抽出する。続いて、有機
層より塩基を除去するため、酸性水溶液や硫酸銅水溶液
等で洗浄する。その後、一部水層に転溶された(4R,
6R)−4−ヒドロキシ−2,2,6−トリメチルシク
ロヘキサノンを再び有機溶剤で抽出する。すべての有機
層を混合、減圧濃縮後、化合物(I)、(III)、(IV)
を含有する粗生成物を得る。塩基の除去を減圧濃縮によ
って行った場合は、濃縮物として、化合物(I)、(II
I)、(IV)を含有する粗生成物を得ることができる。こ
の際、得られたものが化合物(I)のみで(III)、(I
V)が含まれていない場合は、以下の操作は必要でな
い。
【0021】粗生成物を有機溶剤−水に溶解し水層を分
離後、更に有機層より水で抽出を行う。ここで、有機溶
剤としては、化合物(III)及び(IV)は効率よく抽出す
るが、化合物(I)はあまり抽出しないものとして、ペ
ンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、石油エーテル、及びそれらの
混合溶剤を使用できる。得られた水層を混合し、酢酸エ
チル等で抽出することにより、化合物(I)を有機層に
転溶する。有機層を、無水硫酸ナトリウム等で乾燥後、
濾過、濃縮して、高純度の(4R,6R)−4−ヒドロ
キシ−2,2,6−トリメチルシクロヘキサノンを得る
ことができる。尚、水酸基と反応させる試薬として無水
マレイン酸、無水フタル酸等を用いる場合は、反応液に
水を加え反応を停止した後、有機層を分離し、さらに水
層より有機溶剤で抽出する。すべての有機層を混合、減
圧濃縮後、化合物(I)を含有する生成物を得ることが
できる。
【0022】
【実施例】以下、本発明を実施例にて更に詳細に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。 実施例1 (4R,6R)−4−ヒドロキシ−2,2,6−トリメ
チルシクロヘキサノンと(4S,6R)−4−ヒドロキ
シ−2,2,6−トリメチルシクロヘキサノンの混合物
(80:20)10g(64mmol)を塩化メチレン20
0mlに溶解後、−30℃で攪拌しながら、ピリジン4.
0g(51mmol)を添加し、続いて塩化ベンゾイル5.
9g(42mmol)を滴下した。−30℃で20時間攪拌
した後、飽和重曹水200mlを加えた。有機層を分離し
た後、水層から酢酸エチル200mlで3回抽出した。有
機層を混合し無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濾過、減圧
濃縮しピリジンを除去した。
【0023】得られた油状物質を水1リットル及びヘキ
サン1リットルに溶解し、水層を分離後、ヘキサン層か
ら、さらに水1リットルで1回抽出した。得られた水層
2リットルから、酢酸エチル2リットルで3回抽出し、
無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濾過、減圧濃縮し、4−
ヒドロキシ−2,2,6−トリメチルシクロヘキサノン
4.8gを得た(回収率48%)。ガスクロマトグラフ
ィーにより分析した結果、ジアステレオマー純度は10
0%であった。
【0024】ガスクロマトグラフィー分析条件: OV−210.10%/Uniport HP、mesh80/100、
2m×3mm、100℃、N2 、0.6kg/cm2 回収率(%): 〔回収した(4R,6R)+(4S,6R)−4−ヒド
ロキシ−2,2,6−トリメチルシクロヘキサノン〕/
〔原料として用いた(4R,6R)+(4S,6R)−
4−ヒドロキシ−2,2,6−トリメチルシクロヘキサ
ノン〕×100ジアステレオマー純度(%): 〔(4R,6R)−4−ヒドロキシ−2,2,6−トリ
メチルシクロヘキサノン〕/〔(4R,6R)+(4
S,6R)−4−ヒドロキシ−2,2,6−トリメチル
シクロヘキサノン〕×100
【0025】実施例2 (4R,6R)−4−ヒドロキシ−2,2,6−トリメ
チルシクロヘキサノンと(4S,6R)−4−ヒドロキ
シ−2,2,6−トリメチルシクロヘキサノンの混合物
(80:20)1.0g(6.4mmol)を塩化メチレン
20mlに溶解後、−30℃で攪拌しながら、ピリジン
0.27g(3.2mmol)を添加し、続いて塩化ベンゾ
イル0.38g(2.7mmol)を滴下した。−30℃で
20時間攪拌した後、飽和重曹水20mlを加えた。有機
層を分離した後、水層から酢酸エチル20mlで3回抽出
した。有機層を混合し無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濾
過、減圧濃縮しピリジンを除去した。
【0026】得られた油状物質を水100ml及びヘキサ
ン100mlに溶解し、水層を分離後、ヘキサン層から、
さらに水100mlで1回抽出した。得られた水層200
mlから、酢酸エチル200mlで3回抽出し、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥後、濾過、減圧濃縮し、4−ヒドロキシ
−2,2,6−トリメチルシクロヘキサノン0.63g
を得た(回収率63%)。ガスクロマトグラフィーによ
り分析した結果、ジアステレオマー純度は98%であっ
た。
【0027】実施例3 ピリジン0.21g(2.7mmol)、塩化ベンゾイル
0.31g(2.2mmol)を用いた他は、実施例2と同
様に行った。その結果、4−ヒドロキシ−2,2,6−
トリメチルシクロヘキサノン0.71gを得た(回収率
71%)。ガスクロマトグラフィーにより分析した結
果、ジアステレオマー純度は96%であった。
【0028】実施例4 酸塩化物として、塩化ベンゾイルの代わりに、2−メチ
ルプロパノイルクロライド、ピバロイルクロライド、3
−メチルブタノイルクロライド、2−メチルベンゾイル
クロライド、2−クロロベンゾイルクロライド、2−ア
セトキシベンゾイルクロライドを用いて実施例2と同様
の実験を行った。その結果を表1に示す。
【0029】実施例5 溶媒として、塩化メチレンの代わりに、ヘキサン、アセ
トニトリル、酢酸エチル、トルエンを用いて実施例2と
同様の実験を行った。その結果を表2に示す。
【0030】実施例6 塩基として、ピリジンの代わりにトリエチルアミンを用
い、温度を−30℃から15℃、0℃に変えて実施例2
と同様の実験を行った。その結果を表3に示す。
【0031】実施例7 反応温度を、15℃、0℃、−15℃、−60℃に変え
て、実施例2と同様の実験を行った。その結果を表4に
示す。
【0032】表1〜4中、HTHは、4−ヒドロキシ−
2,2,6−トリメチルシクロヘキサノンを表す。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】
【表4】
【0037】実施例8 (4R,6R)−4−ヒドロキシ−2,2,6−トリメ
チルシクロヘキサノンと(4S,6R)−4−ヒドロキ
シ−2,2,6−トリメチルシクロヘキサノンの混合物
(80:20)10g(64mmol)をトルエン100ml
に溶解後、無水マレイン酸2.5g(26mmol)を加
え、室温で攪拌しながら溶解させた。続いて、−20℃
で攪拌しながら、トリエチルアミン2.9g(28mmo
l)を滴下した。−20℃で24時間攪拌した後、反応
液に水100mlを加え、トルエン層を分離した。さら
に、水層よりトルエンで抽出(100ml×5)した。有
機層を混合し無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濾過、減圧
濃縮して4−ヒドロキシ−2,2,6−トリメチルシク
ロヘキサノン6.5gを得た(回収率65%)。ガスク
ロマトグラフィーにより分析した結果、ジアステレオマ
ー純度は98%であった。
【0038】実施例9 反応温度を0℃に変えて、実施例8と同様の実験を行っ
た。その結果、4−ヒドロキシ−2,2,6−トリメチ
ルシクロヘキサノン7.0gを得た(回収率70%)。
ジアステレオマー純度は96%であった。
【0039】実施例10 (4R,6R)−4−ヒドロキシ−2,2,6−トリメ
チルシクロヘキサノンと(4S,6R)−4−ヒドロキ
シ−2,2,6−トリメチルシクロヘキサノンの混合物
(80:20)10g(64mmol)をトルエン100ml
に溶解後、無水フタル酸5.69g(38.4mmol)を
加え、室温で攪拌しながら溶解させた。続いて、室温で
トリエチルアミン4.66g(46mmol)を滴下した。
室温で24時間攪拌した後、反応液に水100mlを加
え、トルエン層を分離した。さらに、水層よりトルエン
で抽出(100ml×5)した。有機層を混合し無水硫酸
ナトリウムで乾燥後、濾過、減圧濃縮して4−ヒドロキ
シ−2,2,6−トリメチルシクロヘキサノン5.5g
を得た(回収率55%)。ガスクロマトグラフィーによ
り分析した結果、ジアステレオマー純度は97%であっ
た。
【0040】
【発明の効果】叙上の通り、本発明によれば、高収率で
且つ容易に、(4R,6R)−4−ヒドロキシ−2,
2,6−トリメチルシクロヘキサノンを分離することが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C07C 69/76 C07C 69/76 Z // C07B 57/00 343 C07B 57/00 343 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 1/00 - 409/44

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I): 【化1】 で示される(4R,6R)−4−ヒドロキシ−2,2,
    6−トリメチルシクロヘキサノンと、式(II): 【化2】 で示される(4S,6R)−4−ヒドロキシ−2,2,
    6−トリメチルシクロヘキサノンとのジアステレオマー
    混合物と、少なくとも(II)と等モルの酸塩化物及び/
    又は酸無水物を、塩基の存在下で反応させて式(II)で
    示される化合物を式(III): 【化3】 (式中、Rは酸塩化物又は酸無水物に由来するエステル
    型保護基を表す。)で示される(4S,6R)−4−ヒ
    ドロキシ−2,2,6−トリメチルシクロヘキサノン誘
    導体に変換することを特徴とする、(4R,6R)−4
    −ヒドロキシ−2,2,6−トリメチルシクロヘキサノ
    ンのジアステレオマー純度向上方法。
  2. 【請求項2】 式(I)で示される化合物のジアステレ
    オマー純度が96%以上である請求項1記載の純度向上
    方法。
  3. 【請求項3】 式(I): 【化4】 で示される(4R,6R)−4−ヒドロキシ−2,2,
    6−トリメチルシクロヘキサノンと、式(II): 【化5】 で示される(4S,6R)−4−ヒドロキシ−2,2,
    6−トリメチルシクロヘキサノンとのジアステレオマー
    混合物と、少なくとも(II)と等モルの酸塩化物及び/
    又は酸無水物を、塩基の存在下で反応させて(II)で示
    される化合物を式(III): 【化6】 (式中、Rは酸塩化物又は酸無水物に由来するエステル
    型保護基を表す。)で示される(4S,6R)−4−ヒ
    ドロキシ−2,2,6−トリメチルシクロヘキサノン誘
    導体に変換し、水−有機溶剤に対する溶解度の差を利用
    して(I)で示される化合物と(III)で示される化合物
    とを分離することを特徴とする、(4R,6R)−4−
    ヒドロキシ−2,2,6−トリメチルシクロヘキサノン
    の分離精製方法。
  4. 【請求項4】 式(I)で示される化合物のジアステレ
    オマー純度が96%以上となるように、式(II)で示さ
    れる化合物を式(III)で示される化合物に変換する請求
    項3記載の分離精製方法。
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