JP3211900B2 - ワーク積載装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は板金加工により多数個
取りされたワークを、板取り通りにパレット上に整列さ
せて積載するワーク積載装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来タレットパンチプレスやレーザ加工
機等の板金加工機等で板材より製品を多数個取りした場
合、板金加工機により加工が終了して排出されたワーク
は、パレット上の同じ位置へ積載している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、板金加工機よ
り加工が終了して排出されるワークが異形状の場合、従
来のパレットの同じ位置へ積載する方法では、積載状態
が不安定となって荷崩れを起こしやすいと共に、積載し
たワークの高さが高くなるため、１個のパレットに積載
されるワークの数量に制限を受ける不具合があった。ま
た、小さいワークの上に大きなワークを積載した場合、
大きなワークの先端が自重により垂れ下がって変型しや
すいと共に、異形のワークが同じ位置に積み上げられて
搬出されるため、搬出後仕分け作業を必要とするなどの
不具合もあった。この発明は、上記従来の不具合を改善
する目的でなされたもので、多数個取りされたワークを
板取り通りにパレット上に積載できるようにしたワーク
積載装置を提供しようとするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】この発明は上記目的を達
成するために、板金加工機に隣接して設置した本体にワ
ーク搬送方向へ移動自在なキャリアを設け、上記キャリ
アにはワークをクランプするクランプを設けると共に、
上記キャリヤの下方には、板金加工機での加工完了の際
における板金加工機に設けたキャリッジのワーク位置デ
ータをアンローダ側へ転送し、このワーク位置データを
基にキャリヤの駆動源を制御することによりワークを板
取通りの配置で積載する、製品パレットを設置してなる
ワーク積載装置である。

【０００５】

【作 用】上記構成により板金加工機により加工され
たワークを板取り通りの配置で製品パレット上に積載で
きることから、異形ワークを同じ位置に積載する場合の
ように積載状態が不安定となって荷崩れを起こすことも
ない。

【０００６】

【実 施 例】この発明の一実施例を図面を参照して詳
述する。図において１はこの装置の本体で、タッピング
マシンのような板金加工機２に設けられたミクロジョイ
ント分離装置２ａに隣接するように設置されている。上
記本体１は架台１ａの上部に、ワーク搬送方向（矢印
Ａ）に沿って並設された一対の横杆１ｂを有していて、
これら横杆１ｂ上に多数のローラ３が横架されている。
これらローラ３の両端は、チェーン３ａの両端に支持さ
れていて、ワーク４のクランプ時には、チェーン３ａと
ともにチェーンケース５内に格納されており、ワーク搬
送時上記横杆１ｂに沿ってワーク搬送方向Ａへ繰り出さ
れるようになっている。

【０００７】６は上記架台１ａ内へ搬入自在なシャトル
台車で、ワーク搬送方向Ａと直交する方向に布設された
レール７上を自走するようになっており、このシャトル
台車６上に板金加工機２へ搬入するワーク４が堆積した
状態で載置される。また上記架台１ａの上部にはワーク
搬送方向Ａに沿って横桁８が横架されており、この横桁
８にキャリア９が移動自在に取付けられている。上記キ
ャリア９にはＡＣサーボモータよりなる駆動源１０が搭
載されていて、この駆動源１０によりキャリア９がワー
ク搬送方向Ａへ往復動されると共に、キャリア９の下部
には移動方向と直交する方向に支持アーム１１が設けら
れている。上記支持アーム１１には複数のクランプ１２
が設けられていて、これらクランプ１２によりワーク４
をクランプして板金加工機２内へ搬入したり、また板金
加工機２で加工を終了し、かつミクロジョイント分離装
置２ａにより分離された製品４ａをスクラップ４ｂごと
搬出できるようになっていると共に、キャリや９の駆動
源１０は図４に示すように、アンローダＮＣ装置１３よ
り板金加工機２側のクランプ１６と同期して動作が制御
されるようになっている。すなわち板金加工機２側には
ワーク４をＸ−Ｙ方向へ移動して打抜き位置を位置決め
したり、タッピング位置やミクロジョイントの分離位置
を位置決めするキャリッジ１５を有していて、このキャ
リッジ１５にワーク４をクランプするクランプ１６が設
けられている。

【０００８】上記キャリッジ１５はＸ軸モータ１７によ
り回転されるボールねじ軸１８に螺合されていて、Ｘ軸
モータ１７によりＸ軸方向へ移動自在となっていると共
に、上記Ｘ軸モータ１７は板金加工機２を制御するＮＣ
装置２０により制御されるようになっている。上記ＮＣ
制御装置２０からはミクロジョイントを分離する際の位
置データＸＡがシーケンサ２１を介してアンローダＮＣ
装置１３へ転送され、この位置データＸＡを基にキャリ
ヤ９の駆動源１０が制御されるようになっている。なお
図中２２はワーク４をタッピング加工する板金加工機２
をＹ軸方向へ動作させるＹ軸モータ、２３はパレット６
ａ，６ｂを上下動するリフト機構を示す。

【０００９】一方、図中２４はローラ３及びチェーン３
ａを格納するチェーンケース５に隣接して設置されたス
クラップ搬出台で、上記横桁８の下方に位置していて、
横桁８上を走行するキャリヤ９により搬出されたスクラ
ップ４ｂが落下されるようになっている。上記スクラッ
プ搬出台２４により中間部が支柱２４ａにより回転自在
に支承されたローラコンベヤ２４ｂを有していて、この
ローラコンベヤ２４ｂはダンプシリンダ２５により枢支
点を中心に図５に示すようにダンプ自在となっており、
これによってローラコンベヤ２４ｂ上に落下されたスク
ラップ４ｂはスクラップ回収箱２６内に落下回収される
ようになっている。

【００１０】次に上記構成されたワーク積載装置の作用
を説明すると、板金加工機２内に図示しない板材搬入装
置により搬入されたワーク４はキャリッジ１５のクラン
プ１６にクランプされてＸ−Ｙ方向へ移動され、ミクロ
ジョイント加工及びタッピング加工が行なわれる。そし
て加工の終了したワーク４はミクロジョイント分離装置
２ａへ送られて、製品４ａとスクラップ４ｂを接続して
いるミクロジョイント部が順次ハンマリングされて、製
品４ａとスクラップ４ｂが分離されると、再びキャリア
９が板金加工機２側へ移動されて、分離の終了したワー
ク４をクランプ１２がクランプし、製品４ａとスクラッ
プ４ｂを位置関係を変えることなくローラ３上をシャト
ル台車６上まで搬出する。このとき製品４ａを積載する
製品パレット６ｂがシャトル台車６により搬入されてい
て、リフト機構２３により製品積載位置まで上昇されて
いる。また板金加工機２を制御するＮＣ装置２０よりハ
ンマリング時の位置データＸＡがシーケンサ２１を介し
てアンローダＮＣ装置１２へ転送される。なお位置デー
タＸＡはワーク４の全長Ｌから、ワーク基準端より製品
４ａまでの距離ＸＯを差し引くことにより算出される。

【００１１】以上のようにしてアンローダＮＣ装置１３
へ転送された位置データＸＡを基にキャリヤ９の駆動源
１０が制御されて、搬出したワーク４が所定位置に達し
たら、キャリヤ９の停止とともにローラがチェーン３ａ
によりチェーンケース５内に引き込まれ、製品４ａのみ
が製品パレット６ｂ上に板取り通り整列された状態で積
載される。その後キャリヤ９がさらに下流側へ移動され
て、クランプ１２にクランプされたスクラップ４ｂがク
ランプ搬出台２４上へ搬出され、アンクランプと共にス
クラップ搬出台２４のローラコンベヤ２４ｂ上へ落下さ
れるとともに、ローラコンベヤ２４ｂ上に落下されたス
クラップ４ｂはローラコンベヤ２４ｂのダンプとともに
スクラップ回収箱２６内へ回収される。以下上記動作を
繰返すことにより、板金加工機２により加工されたワー
ク４を、板取り通りの配置で製品パレット６ｂ上に整然
と積載することができるようになる。なお上記実施例で
は、板金加工機２をタッピングマシンとした場合につい
て説明したが、タレットパンチプレスやレーザ加工機、
プラズマ加工機などの板金加工機についても同様に実施
できるものである。

【００１２】

【発明の効果】この発明は以上詳述したように、板金加
工機により加工されたワークを板取り通りに搬出してパ
レット上に整然と積載するようにしたことから、積載状
態が不安定となることがないため、荷崩れを起こすこと
がないと共に、大きなワークのオーバハング部が自重に
より垂れ下がって変型するなどの虞れもない。またパレ
ット上の複数個所にワークが積載できるため、１個のパ
レット上に記載できるワークの数を多くできると共に、
板金加工機からのワークの位置データを基に積載装置側
を制御することにより積載装置側のＮＣ装置にプログラ
ムが不用となるため、プログラムを作成する手間が省け
る効果もある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例になるワーク積載装置の平
面図である。

【図２】この発明の一実施例になるワーク積載装置の正
面図である。

【図３】図１のＢ方向からの矢視図である。

【図４】この発明の一実施例になるワーク積載装置の制
御系のブロック図である。

【図５】スクラップ搬出台の説明図である。

【符号の説明】

１…本体、２…板金加工機、４…ワーク、６…シャトル
台車、６ｂ…製品パレット、９…キャリヤ、１２…グリ
ップ、２４…スクラップ搬出台、Ａ…ワーク搬送方向。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 板金加工機２に隣接して設置した本体１
   にワーク搬送方向Ａへ移動自在なキャリア９を設け、上
   記キャリア９にはワーク４をクランプするクランプ１２
   を設けると共に、上記キャリヤ９の下方には、板金加工
   機２での加工完了の際における板金加工機２に設けたキ
   ャリッジ１５のワーク位置データをアンローダ側へ転送
   し、このワーク位置データを基にキャリヤ９の駆動源１
   ０を制御することによりワーク４を板取通りの配置で積
   載する、製品パレット６ｂを設置してなるワーク積載装
   置。