JP3209923B2 - 螺着部材の脱落防止構造及びそれを用いた椅子 - Google Patents

螺着部材の脱落防止構造及びそれを用いた椅子

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JP3209923B2
JP3209923B2 JP16726696A JP16726696A JP3209923B2 JP 3209923 B2 JP3209923 B2 JP 3209923B2 JP 16726696 A JP16726696 A JP 16726696A JP 16726696 A JP16726696 A JP 16726696A JP 3209923 B2 JP3209923 B2 JP 3209923B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、椅子の背もたれの
ロッキング強さを調整するロッキング強さ調整機構等に
用いられる螺着部材のねじ軸からの脱落防止構造に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】ねじ軸が通る貫通孔にナット部が構成さ
れたグリップ(螺着部材)を有し、このグリップを回転
させると、グリップがねじ軸上を移動する機構は、椅子
のロッキング強さ調整機構などに用いられている。例え
ば、図1に示す椅子は、キャスター付きの椅子本体2
と、その座部5の下面に基端が支持され、そこから座部
5の後側で立ち上がる背もたれ支桿4と、この支桿4の
上端部に取り付けられた背もたれ3とから概ね構成され
ている。背もたれ支桿4と座部5の下面との間にはロッ
キング強さ調整機構1aが構成され、このロッキング強
さ調整機構1aでは、取付け金具6および背もたれ支桿
4の基端部を貫通するようにボルト20aが配置され、
このボルト20aの上端部に構成されているバネ受けキ
ャップ7と金具カバー9との間にはバネ8が支持された
状態にある。ボルト20aの下端側には、ボルト20a
の軸部が貫通するようにグリップ30が螺着されてお
り、このグリップ30を回すと、その分だけバネ8の付
勢力が変化するので、背もたれ3のロッキング強さを調
整できる。
【0003】このように構成したロッキング強さ調整機
構1aでは、グリップ30が自然に緩んでボルト20a
の軸端(下端部)から抜けてしまうことがある。このよ
うな状態では、背もたれ3が後方に倒れてしまい危険で
ある。
【0004】そこで、従来は、グリップ30の脱落防止
構造10aとして、図7に示すように、ボルト20aの
軸端に、ワッシャ50を介して、ボルト頭がボルト20
aよりも大きめのボルト60を取り付けておくことがあ
る。このようにしておくと、ボルト20aの下端側から
グリップ30がボルト20aから抜けようとしても、ナ
ット部301がボルト60の頭に引っ掛かるので、グリ
ップ30はボルト20aから落下することがない。
【0005】また、従来は、ボルト20aの軸端に対し
て、プッシュナット、またはスピードナットを取り付け
たり、ねじロックを塗布したりすることによって、グリ
ップ30が落下しないようにすることもある。
【0006】さらに、ボルト20aの軸端を潰したり、
ボルト20aの軸端にナット部301が引っ掛かる大き
さのキャップを完全に固定することによって、グリップ
30が落下しないようにすることもある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
グリップの脱落防止構造は、いずれの構造においても、
ボルト20aにグリップ30を螺合させた後、頭の大き
なボルト、プッシュナット、スピードナットなどを取り
付けたり、ねじロックを塗布する必要があり、その分、
椅子の組立作業に手間がかかる。また、グリップ30を
ボルト20aから外す必要が生じたときには、プッシュ
ナットなどを外す必要があるなど、グリップ30を外す
のにも手間がかかる。
【0008】また、ボルト20aにグリップ30を螺合
させた後、ボルト20aの軸端を潰しておく構造では、
グリップ30をボルト20aから外す必要が生じたとき
に、グリップ30を外せないという不便さがある。
【0009】以上のことに鑑みて、本発明の課題は、ね
じ軸の軸端から螺着部材が不用意に抜けることを防止で
きると共に、必要に応じてねじ軸の軸端から螺着部材を
取り外すことができ、しかも、それを組み立てるのに手
間のかからない螺着部材の脱落防止構造、およびこの螺
着部材の脱落防止構造を利用した安全な椅子を提供する
ことにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の第1の形態では、固定されたねじ軸に取り
付けた螺着部材が当該ねじ軸の軸端から抜け落ちること
を防止するための螺着部材の脱落防止構造であって、前
記螺着部材は、前記ねじ軸を通す貫通孔が形成されたグ
リップであり、該グリップでは、前記貫通孔の内側に対
して当該グリップの厚さよりも狭い範囲に雌ねじが形成
されているとともに、前記ねじ軸には、雄ねじの形成領
域の途中部分に、前記グリップの雌ねじの形成領域の幅
寸法より広く、前記グリップの厚さよりも狭い幅寸法の
細径部が形成され、該細径部に前記グリップが引っ掛か
ることにより当該グリップが前記ねじ軸の軸端から抜け
ることを防止することを特徴とする。
【0011】このように構成した螺着部材(グリップ)
の脱落防止構造では、螺着部材が緩んでねじ軸の細径部
分に移動してくると、細径部の幅が螺着部材のねじ溝形
成領域の幅寸法よりも広いので、それらの螺合が外れ、
螺着部材が傾いた状態で細径部に引っ掛かる。従って、
螺着部材は、ねじ軸の軸端から不用意に抜けない。それ
故、ボルトの軸端に頭の大きなボルト、プッシュナッ
ト、スピードナットなどを取り付けたり、ねじロックを
塗布しなくても、ねじ軸を製造する際に細径部を形成し
ておくだけで、螺着部材の脱落を防止でき、組立作業に
手間がかからない。また、別の部品からなるストッパー
を用いないので、ストッパーの付け忘れや紛失がない。
しかも、細径部は、ねじ軸のねじ溝形成領域の途中部分
に形成されているだけなので、スパナなどの工具を用い
なくても、螺着部材を手に持ってその傾きを正しながら
回すだけで、ねじ軸に対して螺着部材を着脱することが
できる。
【0012】本発明において、前記細径部は、軸端側の
段差がエッジとなるように構成されていることが好まし
い。このように構成しておくと、螺着部材は、細径部に
引っ掛かった後、ねじ軸の軸端側に対して螺合しようと
しても、エッジに引っ掛かるので、螺着部材の脱落をよ
り確実に防止することができる。
【0013】本発明において、前記細径部は、軸端と反
対側の段差がテーパー面となるように構成されているこ
とが好ましい。このように構成すると、細径部に位置す
る螺着部材を軸端と反対側のねじ軸の部分に対して螺合
させやすいので、螺着部材の装着や下がってきた螺着部
材を元の位置に戻すのが容易である。
【0014】本発明の第2の形態では、ねじ軸に取り付
けた螺着部材が、当該ねじ軸の軸端から抜け落ちること
を防止するための螺着部材の脱落防止構造であって、前
記螺着部材は、その内側に向けて張り出して前記ねじ軸
のねじ溝内に弾性力をもって当接する突出部を備え、該
突出部と前記ねじ軸との摩擦力により前記螺着部材が前
記ねじ軸の軸端から抜けることを防止することを特徴と
する。
【0015】このように構成した螺着部材の脱落防止構
造において、螺着部材に対しては、ねじ軸との螺合によ
る摩擦力に加えて、螺着部材の突出部とねじ軸のねじ溝
との摩擦力も加わっている。従って、螺着部材は、ねじ
軸上を勝手に移動しないので、ねじ軸の軸端から不用意
に抜けない。また、螺着部材に突出部を形成しておくだ
けで螺着部材の脱落を防止できるので、組立作業に手間
がかからない。また、別の部品からなるストッパーを用
いないので、ストッパーの付け忘れや紛失がない。しか
も、螺着部材を強めに回せば、螺着部材をねじ軸上で移
動させることも、螺着部材をねじ軸に着脱することもで
きる。
【0016】本発明において、前記螺着部材は、前記ね
じ軸のねじ溝内に対して異なる方向から当接する複数の
前記突出部を備えていることが好ましい。このように構
成すると、突出部の数が多い分、摩擦力が大きいので、
螺着部材の脱落をより確実に防止できる。また、突出部
の数が多い分だけ、各突出部にかかる負荷が分散される
ので、突出部が損傷しにくい。さらに、いずれかの突出
部に損傷が発生しても、他の突出部が螺着部材の脱落を
防止するので、安全性が高い。
【0017】このように構成した螺着部材の脱落防止構
造を背もたれのロッキング強さ調整機構に備える椅子で
は、該ロッキング強さ調整機構において、前記螺着部材
への回転操作によって該螺着部材を前記ねじ軸上で移動
させ、該螺着部材の位置によってばねの付勢力を変える
ことにより背もたれのロッキング強さを調整する構成す
ることが好ましい。このように構成した椅子では、螺着
部材が外れて背もたれに対するロッキング機構が効かな
くなるということがなく、椅子の安全性を高めることが
できる。特に、ユーザ自身が椅子を組み立てるような場
合に、椅子を構成する部品点数が少ない分だけ、その組
立が容易であるとともに、別の部品で螺着部材の脱落を
防止する場合と違って付け忘れがないので、安全であ
る。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施例を説明する。なお、以下に説明する実施例では、
いずれも、椅子の背もたれに対するロッキング強さ調整
機構において、その強さを調整するためにボルトに取り
付けられたグリップ(螺着部材)の脱落防止構造を例に
説明する。
【0019】本例のグリップ脱落防止構造をロッキング
強さ調整機構に用いた椅子は、図1を参照して説明した
従来のロッキング強さ調整機構と基本的な構成が同様で
あるため、対応する機能を有する部分には同じ符合を付
して、それらの詳細な説明を省略する。すなわち、本例
の椅子1でも、背もたれ支桿4と座部5の下面との間に
は、ロッキング強さ調整機構1bが構成されており、こ
のロッキング強さ調整機構1bでは、取付け金具6およ
び背もたれ支桿4の基端部を貫通するようにボルト20
が配置され、このボルト20の上端部に構成されている
バネ受けキャップ7と金具カバー9との間には、バネ8
が支持された状態にある。ボルト20の下端側には、ボ
ルト20の軸部が貫通するようにグリップ30が螺着さ
れており、このグリップ30を回すと、ボルト20にお
けるグリップ30の位置が変化し、それに応じてバネ8
の付勢力が変化するので、背もたれ3のロッキング強さ
を調整できる。
【0020】(実施例1)図2は、本例のグリップ脱落
防止構造を示す分解斜視図、図3は、ボルトの下端部付
近を拡大して示す断面図である。
【0021】図2に示すように、本例のグリップ脱落防
止構造10は、その長さ方向の中央部分から下端側にか
けてねじ軸201が形成されたボルト20と、このボル
ト20のねじ軸201に対して、ねじ軸201の下端側
が貫通するように螺合するグリップ30とから構成され
ている。
【0022】グリップ30には、図3に示すように、上
面から下面に向かって貫通孔302が形成されている。
この貫通孔302は、内径寸法が上面から下面に向かっ
て広がるように、テーパーをもつ内周面309を有して
いる。グリップ30の内部のうち、貫通孔302の上端
部分にはインサートナット31(ナット部)が装着され
ており、このインサートナット31がボルト20のねじ
軸201と噛み合うことにより、グリップ30はねじ軸
201に螺合している。
【0023】ねじ軸201には、その下半部全体にわた
ってねじ溝202が形成されている。但し、本例では、
ボルト20のねじ軸201のうち、軸端205(下端
部)寄りの位置には、インサートナット31の雌ねじ内
径よりも細い細径部21が形成され、この細径部21に
はねじ溝202が形成されていない。従って、ねじ軸2
01は、細径部21よりも上方に位置する第1のねじ溝
形成領域22と、細径部21よりも軸端205の側に位
置する第2のねじ溝形成領域23とに分離されている。
ここで、細径部21は、グリップ30に形成されている
ねじ溝形成領域の幅寸法、すなわち、インサートナット
31の厚さ寸法tよりもやや広めの幅寸法wをもつよう
に形成されている。また、細径部21は、グリップ30
の厚さ寸法tよりも狭い幅寸法wをもつように形成され
ている。
【0024】細径部21の両側に位置する段差部分21
1、213のうち、ねじ軸201の軸端205寄りに位
置する段差部分211には、たとえば約90°の角度を
もつエッジ212が構成されている。これに対して、細
径部21の上方に位置する段差部分213は、細径部2
1の外周側面に対してたとえば約45°の角度をなすテ
ーパー面214として構成されている。
【0025】このような構成のグリップ脱落防止構造1
0において、ボルト20のねじ軸201は、細径部21
によって第1のねじ溝形成領域22と第2のねじ溝形成
領域23とに分離されているが、軸端205の側から取
り付けたグリップ30を水平に保持しながら回す限り、
図2および図3に示すように、グリップ30は、第2の
ねじ溝形成領域23から細径部21を乗り越えて第1の
ねじ溝形成領域22にまで移動することができる。
【0026】この状態から、グリップ30が緩んでボル
ト20の細径部21にまで下がってくると、細径部21
の幅寸法wは、インサートナット31の厚さ寸法tより
も広いため、図4に示すように、それらの螺合が外れ、
グリップ30は、傾いた状態で細径部21に引っ掛か
る。従って、グリップ30を手に持って水平に保持しな
がら回さない限り、グリップ30は細径部21から脱出
できない。しかも、細径部21は、その軸端205の側
の段差部分211がエッジ212となるように構成され
ているため、グリップ30は、細径部21に引っ掛かっ
た後、ねじ軸201の第2のねじ溝形成領域23に対し
て螺合しようとしても、インサートナット31の下端縁
がエッジ212に引っ掛かる。それ故、グリップ30は
第2のねじ溝形成領域23までには勝手に移動しないの
で、グリップ30がボルト20の軸端205から抜ける
ことを確実に防止できる。
【0027】また、グリップ30が細径部21に引っ掛
かった状態でも、グリップ30を手に持って水平に保持
し、かつ押し上げるようにして回せば、グリップ30
は、ねじ軸201の第1のねじ溝形成領域22に対して
再び螺合する。従って、グリップ30が細径部21に引
っ掛かるまで下がってきても、図2および図3に示した
ように、グリップ30をねじ軸201の上方に戻すこと
が可能である。特に、本例では、細径部21は、その軸
端205と反対側の段差部分213がテーパー面214
となるように構成されているため、細径部21に位置す
るグリップ30を上方に引き上げるのが簡単である。
【0028】逆に、グリップ30が細径部21に引っ掛
かった状態でも、グリップ30を手に持って水平に保持
し、かつ引き下げるようにして回せば、グリップ30
は、ねじ軸201の第2のねじ溝形成領域23に対して
螺合する。従って、必要な場合には、グリップ30をボ
ルト20の軸端205から抜くことが可能である。
【0029】このように、本例のグリップ脱落防止構造
10によれば、ボルト20の軸端205に頭の大きなボ
ルト、プッシュナット、スピードナットなどを取り付け
たり、ねじロックを塗布しなくても、ボルト20を製造
する際に細径部21を形成しておくだけで、グリップ3
0の脱落を防止できる。それ故、余計な部品を用いない
分、椅子などの組立作業に手間がかからない。また、別
の部品からなるストッパーを用いないので、ストッパー
の付け忘れや紛失がない。しかも、細径部21は、あく
までねじ軸201の途中位置に形成されているので、グ
リップ30を手に持ってその傾きを正しながら回せば、
グリップ30をねじ軸201に対して装着することも、
ねじ軸201から外すことも簡単に行える。
【0030】特に、このように構成したグリップ脱落防
止構造10をロッキング機構に備えた椅子では、グリッ
プ30が外れて背もたれに対するロッキング機構が効か
なくなるということがなく、椅子の安全性を高めること
ができる。特に、ユーザ自身が椅子を組み立てるような
場合に、椅子を構成する部品点数が少ない分だけ、その
組立が容易であるとともに、別の部品でグリップ30の
脱落を防止する場合と違って、付け忘れがないので、安
全である。
【0031】(実施例2)図5は、実施例2に係るボル
トの軸端付近を拡大して示す断面図である。なお、本例
のグリップ脱落防止構造の各部分のうち、実施例1のグ
リップ脱落防止構造と共通する機能を有する部分につい
ては、同じ符号を付して、それらの詳細な説明は省略す
る。
【0032】図5に示すように、本例のグリップ脱落防
止構造11は、その長さ方向の下半部にねじ軸201が
形成されたボルト20と、このボルト20に対して、ね
じ軸201の下端側が貫通するように螺着されたグリッ
プ30とから構成されている。
【0033】グリップ30は、図6(a)に示すよう
に、上面から下面に向かって貫通孔302が形成されて
いる。この貫通孔302は、内径寸法が上面から下面に
向かって広がるようにテーパーをもつ内周面309を有
している。グリップ30の内部のうち、貫通孔302の
上端部分にはインサートナット31が装着されており、
このインサートナット31がボルト20のねじ軸201
と噛み合うことにより、グリップ30はねじ軸201に
螺合している。
【0034】本例では、図6(a)において実線Sで囲
んだ部分を図6(b)に拡大して示すように、グリップ
30に形成してある貫通孔302の内周面309のう
ち、インサートナット31に対して下方位置で隣接する
部分には、舌状の薄い突出部33が形成されている。突
出部33は、グリップ30を樹脂成形するときにグリッ
プ本体と同時形成された樹脂部分であり、弾性変形可能
である。
【0035】突出部33は、図6(c)に示すように、
貫通孔302の内周面309において、約120°の角
度間隔をおいて3枚、羽根状に形成され、各突出部33
の先端部331がボルト20のねじ軸201に対して異
なる方向から当接するようになっている。また、グリッ
プ30をねじ軸201から外すと、突出部33の先端部
331は、ねじ軸201の雄ねじ外径に相当する位置2
08を越えて、さらに、ねじ軸201の雄ねじ谷径に相
当する位置209を越えるまで突出する構造を有してい
る。このため、グリップ30をねじ軸201に装着する
と、突出部33はそれ自身で変形しながら、その先端部
331がねじ軸201のねじ溝202内(ねじの谷部
分)に弾性力をもって当接するようになっている。本例
では、突出部33の先端部331は、鋭角に突き出した
形状になっているが、先端部331が丸みを帯びていて
もよい。
【0036】このように構成したグリップ脱落防止構造
11において、グリップ30に対しては、ねじ軸201
との螺合による摩擦力に加えて、突出部33とねじ軸2
01のねじ溝202との摩擦力も加わっている。従っ
て、グリップ30は、ねじ軸201上で勝手に移動する
ことがないので、ボルト20の軸端205から不用意に
抜けない。また、グリップ30に突出部33を樹脂成形
時に形成しておくだけで、グリップ30の脱落を防止で
きるので、この機構を備えた椅子などの組立作業に手間
がかからない。また、別の部品からなるストッパーを取
り付けないので、ストッパーの付け忘れや紛失がない。
しかも、グリップ30を強めに回せば、グリップ30
は、ねじ軸201上で移動させることも、グリップ30
をねじ軸201に対して着脱することも可能である。
【0037】また、グリップ30は、ねじ軸201のね
じ溝202内に対して異なる方向から当接する3枚の突
出部33を備えているため、突出部33の数が多い分、
摩擦力が大きい。従って、グリップ33の脱落をより確
実に防止できる。さらに、突出部33の数が多い分だ
け、各突出部33にかかる負荷が分散されるので、突出
部33が損傷しにくい。しかも、いずれかの突出部33
に損傷が発生しても、他の突出部33がグリップ30の
脱落を防止するので、安全性が高い。
【0038】(その他の実施例)いずれの実施例におい
ても、グリップの脱落防止構造を椅子1の背もたれ3の
ロッキング強さ調整機構用として説明したが、ねじ軸に
対して締め付けられたグリップの落下を防止する必要が
ある機構であれば、いずれの機構に対しても適用でき
る。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の第1の形
態に係る螺着部材の脱落防止構造では、ねじ軸のねじ溝
形成領域の途中部分に螺着部材のねじ溝形成領域の幅寸
法より広い幅寸法の細径部を設け、該細径部に螺着部材
が引っ掛かることにより螺着部材がねじ軸の軸端から抜
けることを防止している。従って、ボルトの軸端に頭の
大きなボルトなどを取り付けたり、ねじロックを塗布し
なくても、ねじ軸を製造する際に細径部を形成しておく
だけで、螺着部材の脱落を防止でき、組立作業に手間が
かからない。また、別の部品からなるストッパーを用い
ないので、ストッパーの付け忘れや紛失がない。しか
も、細径部は、ねじ軸のねじ溝形成領域の途中部分に形
成されているだけなので、スパナなどの工具を用いなく
ても、螺着部材を手に持ってその傾きを正しながら回す
だけで、ねじ軸に対して螺着部材を着脱することができ
る。
【0040】本発明の第2の形態に係る螺着部材の脱落
防止構造では、螺着部材の内側に向けて張り出してねじ
軸のねじ溝内に弾性力をもって当接する突出部を備え、
該突出部とねじ軸との摩擦力により螺着部材がねじ軸の
軸端から抜けることを防止している。このため、螺着部
材に突出部を形成しておくだけで螺着部材の脱落を防止
できるので、組立作業に手間がかからない。また、別の
部品からなるストッパーを用いないので、ストッパーの
付け忘れや紛失がない。しかも、螺着部材を強めに回せ
ば、螺着部材をねじ軸上で移動させることも、螺着部材
をねじ軸に着脱することもできる。
【0041】本発明の螺着部材の脱落防止構造を椅子の
背もたれに対するロッキング強さ調整機構に用いれば、
背もたれが不用意に倒れすぎることのない安全な椅子を
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】グリップ脱落防止構造が取り付けられている椅
子を示す断面図である。
【図2】本発明の実施例1に係るグリップ脱落防止構造
において、ねじ軸へのグリップの取付け状態を示す説明
図である。
【図3】本発明の実施例1に係るグリップ脱落防止構造
において、ねじ軸へのグリップの取付け状態を示す断面
図である。
【図4】図3に示す状態からグリップが軸端側へ下がっ
たきたときの状態を示す断面図である。
【図5】本発明の実施例2に係るグリップ脱落防止構造
において、ねじ軸へのグリップの取付け状態を示す説明
図である。
【図6】(a)は、本発明の実施例2に係るグリップ脱
落防止構造において、ねじ軸へのグリップの取付け状態
を示す断面図、(b)は、その一部分を拡大して示す断
面図、(c)は、そのA−A線に相当する位置で切断し
たときのグリップの切断図である。
【図7】従来のグリップ脱落防止構造を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1 椅子 1a、1b ロッキング強さ調整機構 3 背もたれ 5 座部 10、11 グリップ脱落防止構造 20、20a ボルト 21 細径部 30 グリップ(螺着部材) 31 インサートナット 33 突出部 201 ねじ軸 205 ねじ軸の軸端 209 ねじ軸の雄ねじ谷径に相当する位置 211 軸端側の段差部分 212 エッジ 213 軸端と反対側の段差部分 214 テーパー面 331 突出部の先端部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−222636(JP,A) 実開 昭61−164814(JP,U) 実開 平6−6725(JP,U) 実開 昭59−37417(JP,U) 特公 平5−14122(JP,B2) 実公 平5−37792(JP,Y2) 実公 昭51−44046(JP,Y2) 実公 昭61−14742(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16B 33/00 - 41/00 A47C 3/00 - 3/026 A47C 7/44

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定されたねじ軸に取り付けた螺着部材
    が当該ねじ軸の軸端から抜け落ちることを防止するため
    の螺着部材の脱落防止構造であって、 前記螺着部材は、前記ねじ軸を通す貫通孔が形成された
    グリップであり、 該グリップでは、前記貫通孔の内側に対して当該グリッ
    プの厚さよりも狭い範囲に雌ねじが形成されているとと
    もに、 前記ねじ軸には、雄ねじの形成領域の途中部分に、前記
    グリップの雌ねじの形成領域の幅寸法より広く、前記グ
    リップの厚さよりも狭い幅寸法の細径部が形成され、 該細径部に前記グリップが引っ掛かることにより当該グ
    リップが前記ねじ軸の軸端から抜けることを防止するこ
    とを特徴とする螺着部材の脱落防止構造。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記細径部は、前記
    軸端側の段差がエッジとなるように構成されていること
    を特徴とする螺着部材の脱落防止構造。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、前記細径部
    は、前記軸端と反対側の段差がテーパー面となるように
    構成されていることを特徴とする螺着部材の脱落防止構
    造。
  4. 【請求項4】 背もたれのロッキング強さ調整機構を有
    する椅子であって、前記ロッキング強さ調整機構は、請
    求項1ないし3のいずれかに規定する螺着部材の脱落防
    止構造を備え、前記螺着部材への回転操作によって該螺
    着部材を前記ねじ軸上で移動させ、該螺着部材の位置に
    よってばねの付勢力を変えることにより背もたれのロッ
    キング強さを調整することを特徴とする椅子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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