JP3209798U - 家庭用衛生紙 - Google Patents
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Abstract
【課題】柔軟性を損なわずに、重ねたときの嵩が小さい家庭用衛生紙を提供する。【解決手段】主原料を古紙とし、ヤンキードライヤ2を用いてクレープ処理がなされた方形の家庭用衛生紙であって、16g/m2以上30g/m2以下の坪量であるとともに、クレープ率が10%以上20%以下であり、1000枚重ねたときの嵩が、40cm以下である構成とした。【選択図】図1
Description
本考案は、主原料を古紙とする方形の家庭用衛生紙に関するものである。
この種の家庭用衛生紙は、ちり紙とも呼ばれ、例えば特許文献1に示すようにヤンキードライヤを用いてドライクレープ処理がなされ、柔軟性を付与されている。
しかし、クレープによって、重ねたときに嵩高となるという問題があった。
本考案は、このような事情に鑑みてなされたものであり、柔軟性を損なわずに、重ねたときの嵩が小さい家庭用衛生紙を提供することを目的としている。
すなわち、本考案は、主原料を古紙とし、ヤンキードライヤを用いてクレープ処理がなされた方形の家庭用衛生紙であって、
16g/m2以上30g/m2以下の坪量であるとともに、クレープ率が10%以上20%以下であり、
1000枚重ねたときの嵩が、40cm以下であることを特徴としたものである。
16g/m2以上30g/m2以下の坪量であるとともに、クレープ率が10%以上20%以下であり、
1000枚重ねたときの嵩が、40cm以下であることを特徴としたものである。
本明細書におけるクレープ率について、図1を参照して説明する。クレープを施す場合、巻取りロール4の周速度(V2)に対し、ヤンキードライヤ2の周速度(V1)の方が常に大きい状態となっている。その速度の差(周速差)が大きいほどクレープ率が大きくなる。機械設定上の理論クレープ率C0(%)は、速度V1とV2の速度差より以下の式により求まる。C0(%)=(V1−V2)/V2。例えば、V1が120m/min、V2が100m/minの場合には理論クレープ率C0(%)は20%になる。本明細書におけるクレープ率とは、上記計算式(理論値)によるものとする。
また、重ねたとは、製造時にヤンキードライヤに接していた面を上向き又は下向きに揃え、かつ、製造時の搬送方向が同じ向きになるように積み上げた状態を指すものとする。
また、本考案の家庭用衛生紙は、抗菌剤を含有させたものとすることもできる。
従来のよく見られる家庭用衛生紙は、坪量16g/m2以上30g/m2以下、クレープ率35%以上45%以下、1000枚重ねたときの嵩が50cm程度であったところ、坪量を16g/m2以上30g/m2以下とするとともに、クレープ率を10%以上20%以下とし、1000枚重ねたときの嵩が40cm以下となるようにクレープを細かくすることで、柔軟性や吸水性を損なわずに重ねたときの嵩を大幅に減らすことができる。
本考案である家庭用衛生紙を具現化した実施形態について説明する。本考案の家庭用衛生紙は、主原料を古紙とする方形の家庭用衛生紙であり、水に浸すと繊維がほぐれ分解する水洗トイレでも使用できるものである。1枚の大きさは、一般に市販されている160mm×220mmであり、坪量は、16g/m2以上30g/m2以下の範囲内である23gである。
また、本考案の家庭用衛生紙は、ヤンキードライヤを用いてクレープ処理がなされている。クレープ率は、10%以上20%以下の範囲内である13%である。また、1000枚重ねたときの嵩は、40cm以下の30cmである。このような構成とすることで、柔軟性と小さい嵩を両立させたものになっている。
以下、本考案である家庭用衛生紙を製造する方法について、図1を用いて簡単に説明する。図1は、家庭用衛生紙を製造する装置(抄紙機)の一例を示す模式図である。なお、周知の技術に関しては、詳細な説明を省略する。
図1に示すように、家庭用衛生紙は、加熱されたヤンキードライヤ2の表面に紙体P(湿紙)を押しつけ付着させ、一定の乾燥を経た後、クレーピングドクター3にて掻き取ることにより製造される。
紙体Pは、ヤンキードライヤ2の平滑化された表面に張り付いて乾燥される過程で、潜在的なクレープ形成力を蓄え、クレーピングドクター3によってヤンキードライヤ2表面から掻き取られた後に、瞬時的に屈曲状のクレープを形成する。
クレープの細かさは、ヤンキードライヤ2の温度、クレーピングドクター3の設定角度、紙体Pの水分、薬品添加量などの各種条件によって変化する。例えば、ヤンキードライヤ2に対する紙体Pの付着性(密着性)が強いと細かなクレープが形成され、付着性が弱いと粗いクレープが形成されることがわかっている。
一般にクレープ率が高いほど吸湿性や柔軟性が増すが、クレープの高さが同じであれば、クレープが細かいほどクレープ率は増す。逆にいえば同じクレープ率であれば、クレープが細かいほどクレープの高さを抑えることができる。すなわち嵩を小さくすることができる。したがって、クレープはできるだけ細かいほうがよい。また、クレープが細かいと肌触りがなめらかになり、使用感も向上する。
クレープを細かくするには、次のことが有効である。フェルトパート1のフェルトに平滑なものを選択する。ヤンキードライヤ2への紙体P(湿紙)のタッチ圧を上げる。ヤンキードライヤ2の温度を下げる。ヤンキードライヤ2の接線に対するクレーピングドクター3の角度を小さくする。
ただし、良質な家庭用衛生紙を製造するには、適切な範囲があり、また、原料である古紙の状態やその他の条件によっても異なるため、適宜選択調整すべきものである。
すなわち、本考案である家庭用衛生紙は、次のように製造することができる。坪量は、紙体Pの密度と紙体Pの厚さとクレープ率で決まるため、坪量が16g/m2以上30g/m2以下、クレープ率が10%以上20%以下となるような紙体Pの厚さを求め、プレス圧を決定する。そして、フェルトに平滑なものを選択し、できるだけクレープが細かくなるように、ヤンキードライヤ2への紙体P(湿紙)のタッチ圧、ヤンキードライヤ2の温度、クレーピングドクター3の角度を調整する。サンプルを製造し、1000枚重ねたときの嵩が、40cm以下、クレープ率が10%以上20%以下となるように調整を繰り返す。
本考案の家庭用衛生紙は、従来の家庭用衛生紙より紙体Pの厚さが増し、クレープ率も低いが、クレープを細かくしているため、柔軟性を損なわず、使用感も優れたものである。また、坪量が同等であるため吸水性も損なわない。さらに、図2の参考写真に示すように、重ねたときの嵩を大幅に減少させることができる。
本考案の家庭用衛生紙には、抗菌剤を含有させることもできる。抗菌剤の種類と量は、身体に与える影響を考慮して適宜選択すべきものであるが、例えば、第四級アンモニウム塩やトリクロサンを用いることができる。抗菌剤は、抄紙工程の前のスラリー状のパルプ原液に添加(内添)すると好適である。
上述した内容は、あくまでも本考案の一実施形態に関するものであって、本考案が上記内容に限定されることを意味するものではない。また、本実施形態で記載されている数値(寸法)や材料は、これに限られるものでなく、設計的な事項である。
P 紙体
1 フェルトパート
2 ヤンキードライヤ
3 クレーピングドクター
4 巻取りロール
1 フェルトパート
2 ヤンキードライヤ
3 クレーピングドクター
4 巻取りロール
Claims (2)
- 主原料を古紙とし、ヤンキードライヤを用いてクレープ処理がなされた方形の家庭用衛生紙であって、
16g/m2以上30g/m2以下の坪量であるとともに、クレープ率が10%以上20%以下であり、
1000枚重ねたときの嵩が、40cm以下であることを特徴とする家庭用衛生紙。 - さらに、抗菌剤を含有させたことを特徴とする請求項1に記載の家庭用衛生紙。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2017000294U JP3209798U (ja) | 2017-01-26 | 2017-01-26 | 家庭用衛生紙 |
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JP2017000294U JP3209798U (ja) | 2017-01-26 | 2017-01-26 | 家庭用衛生紙 |
Publications (1)
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JP3209798U true JP3209798U (ja) | 2017-04-06 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2017000294U Expired - Fee Related JP3209798U (ja) | 2017-01-26 | 2017-01-26 | 家庭用衛生紙 |
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JP (1) | JP3209798U (ja) |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11299865A (ja) * | 1998-04-15 | 1999-11-02 | Nippon Recycle Kiso Kogaku Kenkyusho:Kk | 抗菌性クレープ紙及び抗菌性トレー |
JP2008253284A (ja) * | 2007-03-30 | 2008-10-23 | Daio Paper Corp | 拭取り用紙の製造方法及び拭取り用紙 |
JP2011074542A (ja) * | 2009-09-30 | 2011-04-14 | Daio Paper Corp | 水解性シートの製造方法及び拭き取りシートの製造方法 |
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2017
- 2017-01-26 JP JP2017000294U patent/JP3209798U/ja not_active Expired - Fee Related
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