JP3209410B2 - 車両用無段変速機の制御装置 - Google Patents

車両用無段変速機の制御装置

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JP3209410B2
JP3209410B2 JP23507297A JP23507297A JP3209410B2 JP 3209410 B2 JP3209410 B2 JP 3209410B2 JP 23507297 A JP23507297 A JP 23507297A JP 23507297 A JP23507297 A JP 23507297A JP 3209410 B2 JP3209410 B2 JP 3209410B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用に用いられ
るVベルト式無段変速機に関し、さらに詳しくは、この
変速機においてベルトに張力を付与するため等を目的と
して加えられるプーリ側圧を制御する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】Vベルト式無段変速機は、それぞれプー
リ幅が可変設定可能なドライブおよびドリブンプーリ間
に金属Vベルトを巻き掛けて構成され、両プーリのプー
リ幅を可変制御することにより、各プーリにおけるベル
トの巻き付け半径を変化させて無段階な変速比制御を行
うように構成される。このような無段変速機として、各
プーリにプーリ幅を変更させるための油圧シリンダ室
(油圧アクチュエータ)を設け、この油圧シリンダ室に
供給する油圧を制御(すなわち、プーリ側圧を制御)し
て変速制御を行うような構成のものが従来から知られて
いる(例えば、特公平5−64258号公報)。
【0003】ここで、プーリ側圧は、上記のようにプー
リ幅を可変設定して変速比を変化させるために用いられ
るとともに、ベルトに所定の張力を付与し、ベルトがス
リップすることなく効率の良い動力伝達を行わせるため
にも用いられる。このため、このような無段変速機にお
いては、ドライブおよびドリブンプーリの油圧シリンダ
室内に供給されるプール側圧のうちの低圧となるプーリ
側圧としては、ベルトに所定の張力を付与してスリップ
のない動力伝達を行わせるために必要な油圧が設定さ
れ、高圧となるプーリ側圧によりプーリ幅を変更させて
変速制御を行なわせるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このようなVベルト式
無段変速機において、低圧となる方のプーリ側圧、すな
わち、ベルトに所定の張力を付与してスリップのない動
力伝達を行わせるためのプーリ側圧は、伝達されるトル
ク等に対応してスリップが生じないような値に設定さ
れ、しかも燃費等を考慮して必要最小の値が設定されて
いる。しかしながら、このようにベルト式無段変速機を
介して動力伝達が行われてこの変速機を搭載した車両が
走行しているときに、急ブレーキが作動されたような時
に、車速は急速に低下する、すなわち、ブレーキにより
車輪回転が制動されてドリブンプーリ回転が急速に低下
するため、プーリ側圧が不足してベルトがスリップし、
ベルトの磨耗が生じたり、耐久性が低下したりするおそ
れがあるという問題がある。
【0005】なお、ブレーキが作動されたときからプー
リ側圧を上昇させてベルトのスリップを抑えようとする
ものは従来から知られているが、このような制御ではプ
ーリ側圧の上昇レスポンスが遅れ、側圧が十分に上昇す
る前にベルトのスリップが発生するという問題がある。
【0006】本発明はこのような問題に鑑みたもので、
走行中にブレーキが作動される前にプーリ側圧を上昇さ
せ、ブレーキ作動時にベルトのスリップが発生するのを
効果的に防止できるような構成の車両用無段変速機の制
御装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような目的達成のた
め、本発明においては、プーリ幅可変タイプのドライブ
およびドリブンプーリと、これらプーリ間に巻き掛けら
れたベルトと、ドライブプーリにプーリ側圧を付与する
ドライブ側油圧アクチュエータと、ドリブンプーリにプ
ーリ側圧を付与するドリブン側アクチュエータと、ドラ
イブプーリへの入力トルクを検出する入力トルク検出手
段と、ドライブプーリとドリブンプーリの回転速度比を
検出する速度比検出手段と、入力トルク検出手段により
検出された入力トルクおよび速度比検出手段により検出
された回転速度比に基づいて、ドライブ側およびドリブ
ン側アクチュエータに供給する油圧力を制御し、ベルト
の張力(プーリからベルトに加えられる側圧)を制御す
る油圧制御装置とからなる車両用無段変速機の制御装置
において、車両の速度を検出する車速検出手段と、車両
のブレーキ作動時に車輪のロックを防止させるようにブ
レーキ作動を制御するアンチロックブレーキシステム
と、このアンチロックブレーキシステムの異常状態を検
出する異常検出手段と、原動機の駆動出力の要求レベル
を検出する駆動要求検出手段と、この駆動要求検出手段
により検出された駆動出力の要求レベルが判定しきい値
以下であるときに油圧制御装置により設定される油圧力
を増大補正する補正手段とを備えてこの制御装置が構成
される。さらにこの制御装置において、上記補正手段
は、車速検出手段により検出された車速が低いときには
高いときより大きな補正量を設定し、アンチロックブレ
ーキシステムが異常であると検出されたときには、異常
でない場合より大きな補正量を設定する。
【0008】なお、原動機は通常はエンジンであり、上
記要求レベルがこのエンジンのスロットル開度に対応
し、駆動要求検出手段はエンジンのスロットル開度を検
出するのが好ましい。
【0009】このような構成の制御装置の場合には、駆
動出力の要求レベル、すなわち、エンジンスロットル開
度が判定しきい値以下であるときには、プーリ側圧が増
大補正される。ここで、例えば走行中にブレーキペダル
を踏み込む場合には、アクセルペダルから足を離してア
クセルペダルの踏み込みを解除し、その足でブレーキが
踏み込まれる。すなわち、ブレーキペダルを踏む前にア
クセルペダルの踏み込みが解除され、スロットル開度が
ほぼ零となり判断しきい値を下回る。よって、この時点
において補正手段によりプーリ側圧となる油圧力が増大
補正され、この後、ブレーキペダルが踏み込まれる。こ
のため、急ブレーキ作動がなされたような場合でも、ブ
レーキ作動より前にプーリ側圧が増大されており、ベル
トのスリップが生じることがない。
【0010】ここで車速が高いときでのブレーキ操作に
対する車速の減速率は車速が低いときでのブレーキ操作
に対する車速の減速率より小さいので、本発明において
は、上記補正手段は、車速が低いときには高いときより
大きな補正量を設定するようにしている。
【0011】本発明の制御装置ではさらに、アンチロッ
クブレーキシステムの異常状態を検出する異常検出手段
を設け、アンチロックブレーキシステムが異常であると
検出されたときには、正常な場合より大きな補正量を設
定するようにしている。アンチロックシステムが正常で
あればたとえ急ブレーキをかけたときでもこのシステム
により車輪がロックしないようにブレーキ作動が制御さ
れ、車輪回転の低下は緩やかとなるが、アンチロックブ
レーキシステムが異常でこれが作動しない場合には、急
ブレーキをかけたときにはブレーキ作動にそのまま対応
して車輪回転は急速に低下する。このため、このような
急速な低下によってもベルトスリップが生じないよう
に、アンチロックブレーキシステムが異常の場合には、
正常の場合より大きな補正量が設定される。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の好
ましい実施形態について説明する。まず、図2および図
3に本発明に係る制御装置により制御される車両用Vベ
ルト式無段変速機の構成を示している。この無段変速機
は、ハウジング1内にVベルト式無段変速機構を有して
構成されている。このハウジング1は、左端にエンジン
フライホイールハウジングとの接合面2を有しており、
この接合面2がエンジンフライホイールに接合されるよ
うに変速機がエンジンに取り付けられる。このとき、エ
ンジン出力シャフトEsと同軸上に第1軸S1が位置す
る。なお、以下の説明においては、変速機の回転シャフ
ト、ギヤ等の各回転中心軸を第1軸S1〜第4軸S4と
して示すが、これは中心軸線を意味する。
【0013】このベルト式無段変速機においては、ハウ
ジング1内における第1軸S1上にトルクコンバータ5
(インペラ5a、タービン5bおよびステータ5cから
なる)および前後進切換機構4を並列に有する。エンジ
ン出力シャフトEsはトルクコンバータ5のインペラ5
aに接続され、トルクコンバータ5のタービン5bはタ
ービンシャフト6(これは前後進切換機構4の入力シャ
フトでもある)と繋がる。さらに、このトルクコンバー
タ5は、エンジン出力シャフトEsとタービン5bとを
直接接続(すなわち、トルクコンバータによる動力伝達
部を迂回して接続)可能なロックアップクラッチ5dを
有する。
【0014】前後進切換機構4は図3に詳しく示すよう
に、ダブルピニオンタイプのプラネタリギヤ列を有し、
そのサンギヤ13はタービンシャフト6に結合されると
ともにクラッチインナ8に結合され、キャリヤ11はク
ラッチアウタ7を経て第1シャフト23に結合される。
リングギヤ17はタービンシャフト6に相対回転自在に
内周を支持されるとともに、後進ブレーキ12により、
ブレーキケーシング3へ固定保持可能である。アウタピ
ニオンギヤ14とインナピニオンギヤ15は互いに噛合
するとともに、アウタピニオンギヤ14はリングギヤ1
7の内周に噛合し、インナピニオンギヤ15はサンギヤ
13の外周に噛合する。そして前進クラッチ11および
後進ブレーキ12を選択的に作動させて、タービンシャ
フト6に対して第1シャフト23を正転もしくは逆転さ
せることが可能となっている。
【0015】第1シャフト23には、これと一体に形成
された固定プーリ半体21aと、これに対向するととも
に第1シャフト23上を軸方向に移動自在に配設された
可動プーリ半体21bとからなるドライブプーリ21が
配設されている。また、第1軸S1から所定距離だけ離
れて平行に延びる第2軸S2上には回転自在に第2シャ
フト27が配設されており、この第2シャフト27と一
体に形成された固定プーリ半体25aと、これに対向す
るとともに第2シャフト27上を軸方向に移動自在に配
設された可動プーリ半体25bとからドリブンプーリ2
5が構成されている。
【0016】ドライブプーリ21とドリブンプーリ25
とに金属Vベルト24が巻き掛けられてベルト式動力伝
達装置が構成されており、ドライブプーリ21の回転が
金属Vベルト24を介してドリブンプーリ25に伝達さ
れる。このとき、両プーリ21,25の可動プーリ21
a,25aを移動させてプーリ幅を調整することによ
り、両プーリ21,25におけるベルトの巻き掛け半径
を任意に調整することができ、両プーリ21,25間で
の変速比を無段階に調整することができる。このような
プーリ幅調整のため(すなわち、可動プーリ21a,2
5aの移動量調整のため)、ドライブ側油圧シリンダ2
2およびドリブン側油圧シリンダ26が設けられてい
る。
【0017】この場合において、両シリンダ22,26
に供給される油圧は上記のように減速比制御のためだけ
でなく、プーリ21,25からVベルト24に作用する
側圧も制御し、Vベルト24がスリップすることなく、
効率よく動力伝達が行われるに必要な側圧が設定され
る。具体的には、両シリンダ22,26に供給される油
圧のうち、低圧の油圧がVベルト24がスリップするこ
となく動力伝達を行わせるために必要な側圧を付与する
ための油圧であり、高圧の油圧が変速比を調整するため
の油圧である。なお、低圧の油圧、すなわち、Vベルト
24のスリップを起こさせずに動力伝達を行うために必
要なプーリ側圧の設定制御が本発明に係る制御装置によ
り行われ、これについては、後述する。
【0018】ドリブンプーリ25の左側(エンジン側)
には第1ギヤ31が第2シャフト27に結合して配設さ
れている。第2軸S2から所定距離離れて平行に延びる
第3軸S3上には第3シャフト34が回転自在に配設さ
れ、第3シャフト34には第2ギヤ32および第3ギヤ
33が一体に形成されている。第1ギヤ31は第2ギヤ
32と噛合する。また、第3軸S3から所定距離離れて
平行に延びる第4軸S4上にはディファレンシャル機構
36が配設されており、このディファレンシャル機構3
6に結合配設された第4ギヤ35が第3ギヤ33と噛合
する。このように、第1〜第4ギヤ31,32,33,
35により動力伝達ギヤ列30が構成されており、ドリ
ブンプーリ25の回転は動力伝達ギヤ列を介してディフ
ァレンシャル機構36に伝達される。ディファレンシャ
ル機構36には左右のアクスルシャフト37,38が繋
がっており、ディファレンシャル機構36に伝達された
動力はここで分割されて左右のアクスルシャフト37,
38を介して左右の車輪(図示せず)に伝達される。
【0019】なお、以上の構成の無段変速機において、
前後進切換機構4のケーシングの回転からドライブプー
リ21の回転を検出する入力回転センサ51と、第2シ
ャフト27に固定されたセンシングギヤ55の回転から
ドリブンプーリ25の回転を検出する出力回転センサ5
2とが図示のように設けられている。
【0020】次に、以上のように構成された無段変速機
において、ドライブ側およびドリブン側油圧シリンダ2
2,26に供給される油圧制御(すなわち、プーリ側圧
制御)装置について、図1を参照して説明する。これら
両油圧シリンダ22,26にはそれぞれ油路75,76
を介して制御バルブ70が繋がり、油圧ポンプ71から
の作動油の供給制御が制御バルブ70により行われる。
なお、両油圧シリンダ22,26がそれぞれ、ドライブ
側およびドリブン側油圧アクチュエータに対応する。
【0021】この制御バルブ70の作動は、コントロー
ラ60からの制御信号により制御される。コントローラ
60には、入力回転センサ51により検出された入力回
転数(ドライブプーリ回転数)NI、出力回転センサ5
2により検出された出力回転数(ドリブンプーリ回転
数)NO、エンジン回転センサ61により検出されたエ
ンジン回転数NE、吸気負圧センサ62により検出され
たエンジン吸気負圧PB、スロットル開度センサ63に
より検出されたスロットル開度TH、アンチロックブレ
ーキシステムABSの異常の有無を検出するABS異常
検出器65からの信号が入力され、これら検出信号に基
づいて制御バルブ70の作動を制御する。コントローラ
60は油圧制御装置に対応する。
【0022】このようにしてコントローラ60により制
御バルブ70の作動を制御してプーリ側圧制御が行われ
るのであるが、この側圧設定制御内容を図4のフローチ
ャートを参照して説明する。この制御は、図4に示すよ
うに、まず各センサの検出値を読み込み(ステップS
1)、ドライブプーリ21への入力トルクTINを求め
る(ステップS2)。この演算は、エンジン回転数N
E、吸気負圧PB、スロットル開度THからエンジン出
力トルクを求め、このエンジントルクから補機の駆動ト
ルクを減じて変速機側への入力トルクを求め、これにト
ルクコンバータ5のトルク比を乗じればドライブプーリ
21への入力トルクTINが得られる(この構成が入力
トルク検出手段に対応する)。
【0023】次に、ドライブプーリ21およびドリブン
プーリ25の回転数NIおよびNOの回転速度比SRを
算出する(ステップS3)(この構成が速度比検出手段
に対応する)。そして、上記入力トルクTINと回転速
度比SRに基づいて、ベルト24がスリップを発生せず
に効率よくトルク伝達を行わせるために必要な基本プー
リ側圧PSBを算出する(ステップS4)。
【0024】このとき、現在のエンジンスロットル開度
THがほぼ零であるか否か、すなわち、アクセルペダル
の踏み込みが解放されてスロットル開度がほぼ全閉状態
であるか否かの判断がなされる(ステップS5)(この
構成が駆動要求検出手段に対応する)。なお、この判断
は具体的には、スロットル開度が僅かに開いた値が判断
しきい値として設定されており、実際のスロットル開度
がこの判断しきい値より小さいか否かを判断する。スロ
ットル開度THがほぼ零ではない場合、すなわち、アク
セルペダルが踏み込まれた状態のときには、ステップS
6に進んで補正値β=0に設定する。一方、スロットル
開度THがほぼ零(全閉状態)のときには、ステップS
7に進み、ABS異常検出器65からの異常検出信号の
有無、すなわち、アンチロックブレーキシステムABS
が異常か否かを判断する(この構成が異常検出手段に対
応する)。アンチロックブレーキシステムABSが正常
なときには補正値βとしてβ1を設定し(ステップS
8)、異常であるときには補正値βとしてβ2を設定す
る(この構成が補正手段に対応する)。
【0025】これら補正値β1,β2は、予め図5のよ
うに設定されている。この場合、補正値β1が補正値β
2より小さくなるように、すなわち、アンチロックブレ
ーキシステムABSが正常なときには異常なときより小
さな補正値が設定されている。また、これら補正値は車
速Vに対応して設定され、車速が低い方が大きくなり、
車速がほぼ零に近いときに補正値は零となるように設定
されている。このため、上記ステップS9,S8におい
ては、現在の車速Vに対応する補正値β1もしくはβ2
が設定される。
【0026】このようにして補正値βが設定されると、
ステップS4において演算した基本プーリ側圧PSBに
この補正値βを加えてプーリ側圧PSを求め(ステップ
S10)、コントローラ60はこのプーリ側圧PSが得
られるように制御バルブ70の作動を制御する。
【0027】これにより、アクセルペダルが踏まれて走
行しているときには、入力トルクTINおよび速度比S
Rに基づいて設定されるベルトスリップなしに動力伝達
が可能な基本プーリ側圧がそのまま用いられ、ベルトス
リップなしに効率の良い動力伝達がなされる。そして、
アクセルペダルから足を離してブレーキペダルを踏み込
むときには、アクセルペダルから足が離されてスロット
ル開度がほぼ全閉となった時点で補正値βが加えられた
プーリ側圧PSが用いられ、プーリ側圧が増大される。
このため、ブレーキペダルが踏まれたときにはプーリ側
圧が増加しており、たとえ急ブレーキ作動がなされても
Vベルトがスリップすることがない。
【0028】なお、アンチロックブレーキシステムAB
Sを有している場合には、急ブレーキ作動がなされても
車輪はロックしないようにブレーキ作動制御がなされる
が、このシステムABSが異常で作動しないときには、
急ブレーキ時には車輪がロックして変速機出力回転が急
激に低下する。このため、アンチロックブレーキシステ
ムABSが異常のときには補正値βを大きな値に設定し
てこの場合にもVベルトのスリップが発生しないように
している。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
入力トルクおよび回転速度比に基づいて、ドライブ側お
よびドリブン側アクチュエータに供給する油圧力を制御
し、ベルトの張力(プーリからベルトに加えられる側
圧)を制御する油圧制御装置を有し、原動機(エンジ
ン)の駆動出力の要求レベル(スロットル開度)が判定
しきい値以下であるとき(スロットルがほぼ全閉である
とき)には油圧制御装置により設定される油圧力が増大
補正されるので、例えば走行中にブレーキペダルを踏み
込むときに、アクセルペダルから足を離した時点におい
てプーリ側圧となる油圧力が増大補正され、この後、ブ
レーキペダルが踏み込まれ、急ブレーキ作動がなされた
ような場合でも、ベルトのスリップが生じることがな
い。
【0030】車速が高いときでのブレーキ操作に対する
車速の減速率は、車速が低いときでのブレーキ操作に対
する車速の減速率より小さいので、本発明では車速が低
いときには高いときより大きな補正量を設定される。
【0031】本発明の制御装置ではさらに、アンチロッ
クブレーキシステムの異常状態を検出する異常検出手段
を設け、アンチロックブレーキシステムが異常であると
検出されたときには、正常な場合より大きな補正量を設
定するようにしている。これは、アンチロックシステム
が正常であればたとえ急ブレーキをかけたときでもこの
システムにより車輪がロックしないようにブレーキ作動
が制御され、車輪回転の低下は緩やかとなるが、アンチ
ロックブレーキシステムが異常でこれが作動しない場合
には、急ブレーキをかけたときにはブレーキ作動にその
まま対応して車輪回転は急速に低下するということに鑑
みたもので、このような急速な低下によってもベルトス
リップが生じないように、アンチロックブレーキシステ
ムが異常の場合には、正常の場合より大きな補正量が設
定され、この場合でもベルトのスリップを確実に防止で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るベルト式無段変速機の制御装置構
成を示す概略図である。
【図2】本発明に係る制御装置を有した車両用Vベルト
式無段変速機構成を示す断面図である。
【図3】本発明に係る制御装置を有した車両用Vベルト
式無段変速機構成を示すスケルトン図である。
【図4】本発明に係る制御装置によるプーリ側圧の制御
内容を示すフローチャートである。
【図5】この変速制御に用いられる補正値を示すグラフ
である。
【符号の説明】
5 トルクコンバータ 21 ドライブプーリ 24 ベルト 26 ドリブンプーリ 60 コントローラ 70 制御バルブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−52264(JP,A) 実開 昭62−176548(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 61/12 F16H 9/00 F16H 59:24 F16H 59:54 F16H 63:06

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原動機からの駆動力を受けて回転駆動さ
    れるプーリ幅可変タイプのドライブプーリと、このドラ
    イブプーリと平行に配設され、車輪側に繋がるプーリ幅
    可変タイプのドリブンプーリと、前記ドライブおよびド
    リブンプーリ間に巻き掛けられたベルトと、油圧力を受
    けて作動され、前記ドライブプーリにプーリ側圧を付与
    するドライブ側油圧アクチュエータと、油圧力を受けて
    作動され、前記ドリブンプーリにプーリ側圧を付与する
    ドリブン側アクチュエータと、前記原動機から前記ドラ
    イブプーリへ入力されるトルクを検出する入力トルク検
    出手段と、前記ドライブプーリと前記ドリブンプーリと
    の回転速度比を検出する速度比検出手段と、前記入力ト
    ルク検出手段により検出された入力トルクおよび前記速
    度比検出手段により検出された回転速度比に基づいて、
    前記ドライブ側および前記ドリブン側アクチュエータに
    供給する油圧力を制御し、前記ベルトの張力を制御する
    油圧制御装置とからなる車両用無段変速機の制御装置に
    おいて、車両の速度を検出する車速検出手段と、前記車両のブレ
    ーキ作動時に前記車輪のロックを防止させるようにブレ
    ーキ作動を制御するアンチロックブレーキシステムと、
    このアンチロックブレーキシステムの異常状態を検出す
    る異常検出手段と、 前記原動機の駆動出力の要求レベル
    を検出する駆動要求検出手段と、この駆動要求検出手段
    により検出された駆動出力の要求レベルが判定しきい値
    以下であるときに前記油圧制御装置により設定される前
    記油圧力を増大補正する補正手段とを備え 前記補正手段は、前記車速検出手段により検出された車
    速が低いときには高いときより大きな補正量を設定し、
    前記アンチロックブレーキシステムが異常であると検出
    されたときには、異常でない場合より大きな補正量を設
    定する ことを特徴とする車両用無段変速機の制御装置。
  2. 【請求項2】 前記原動機がエンジンからなり、前記要
    求レベルがこのエンジンのスロットル開度に対応し、前
    記駆動要求検出手段が前記エンジンのスロットル開度を
    検出することを特徴とする請求項1に記載の車両用無段
    変速機の制御装置。
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