JP4277763B2 - 無段変速機の油圧制御装置 - Google Patents

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本発明は、無段変速機の制御装置に関し、特に、ベルト式無段変速機の油圧制御装置に関する。
車両に搭載される自動変速機は、エンジンとトルクコンバータ等を介して繋がるとともに複数の動力伝達経路を有してなる変速機構を有して構成され、たとえば、アクセル開度および車速に基づいて自動的に動力伝達経路の切換えを行なう、すなわち自動的に変速比(走行速度段)の切換えを行なうように構成される。一般的に、自動変速機を有した車両には運転者により操作されるシフトレバーが設けられ、シフトレバー操作に基づいて変速ポジション(たとえば、後進走行ポジション、ニュートラルポジション、前進走行ポジション)が設定され、このように設定された変速ポジション内(通常は、前進走行ポジション内)において自動変速制御が行なわれる。
このような自動変速機の1つにベルト式無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)がある。このベルト式無段変速機は、V溝状のプーリ溝を備えた駆動側プーリ(入力軸プーリ、プライマリプーリ)と従動側プーリ(出力軸プーリ、セカンダリプーリ)とにベルトを巻掛け、一方のプーリのプーリ溝の溝幅を拡大すると同時に他方のプーリのプーリ溝の溝幅を狭くすることにより、それぞれのプーリに対するベルトの巻掛け半径(有効径)を連続的に変化させて変速比を無段階に設定するように構成されている。このベルト式無段変速機において伝達されるトルクは、ベルトとプーリとを相互に接触させる方向に作用する荷重に応じたトルクとなり、したがってベルトに張力を付与するようにプーリによってベルトを挟み付けている。
また、変速は、上記のように、プーリ溝の溝幅を拡大および縮小させることにより行なうように構成されており、具体的には、各プーリを固定シーブと可動シーブとによって構成し、可動シーブをその背面側に設けた油圧アクチュエータにより軸線方向に前後動させることにより変速を行なうように構成されている。
なお、このような無段変速機において、入力軸プーリのプーリ幅が小さく(プーリ径が大きく)出力軸プーリのプーリ幅が大きく(プーリ径が小さい)、出力軸プーリの回転数が入力軸プーリの回転数よりも高くなる場合を増速といい、入力軸プーリのプーリ幅が大きく(プーリ径が小さく)出力軸プーリのプーリ幅が小さく(プーリ径が大きく)、出力軸プーリの回転数が入力軸プーリの回転数よりも低くなる場合を減速という。そして、入力軸プーリのプーリ幅が最も大きく(プーリ径が最も小さく)出力軸プーリのプーリ幅が最も小さい(プーリ径が最も大きく)場合を、最減速状態という。
このようなベルト式無段変速機においては、各プーリに対するベルトの巻掛け位置を変更する変速は、各プーリが回転しかつベルトが走行している状態で実行されるが、プーリやベルトが停止している状態では、ベルトの滑りを伴わずにベルトの巻掛け位置を変更すること、すなわち変速を行なうことができない。そのため、車両に搭載された無段変速機では、車両が急停止した場合に、車両の停止によって無段変速機が停止するので、停止までの時間が短時間の場合には、発進時に通常設定される最減速状態の変速比を設定するベルトの巻掛け状態に変化する以前に無段変速機が停止してしまい、発進時に設定される変速比より小さい変速比のままとなることがある。いわゆるベルト戻りが不良の状態である。
このようにベルト戻りが不良の状態で車両が発進すると、設定するべき変速比が最減速状態であるから、変速比のフィードバック制御により、変速比を最減速状態まで急速に変化させる変速が生じる。これは、上述した構成の無段変速機では、入力プーリの溝幅を急激に増大させることにより実行されるから、ベルトに緩みが生じ、それが原因でベルトとプーリとの間に滑りが生じる可能性がある。
このようなために、車両の停止時に、油圧アクチュエータの油圧室に対して、作動油を供給する供給油路と油圧室から作動油を排出する排出油路とを遮断して、油圧室における油圧の低下を抑制することにより、入力プーリにおける溝幅が急激に増大させられることによるベルトの滑りが抑制される。このとき、油圧室においては、僅少なオイル漏れが不可避的に生じるため、油圧室における油圧が低下するという問題がある。
このような問題に鑑みて、たとえば、特開2001−330112号公報(特許文献1)は、オイル供給路を経由させて油圧室にオイルを供給する制御と、油圧室のオイルをオイル排出路から排出させる制御とを行なっていない場合に、油圧室の油圧が低下することを抑制する変速機の制御装置を開示する。この変速機の制御装置は、変速機の変速比を制御する油圧室と、この油圧室にオイルを供給するオイル供給路と、油圧室のオイルを排出するオイル排出路とを含む。変速機の制御装置は、オイル供給路を経由させて油圧室にオイルを供給する制御と、油圧室のオイルをオイル排出路から排出させる制御とが、ともに行なわれていない場合に、オイル供給路とは異なる系統の補助供給路を経由して、油圧室にオイルを供給することにより、この油圧室の油圧の低下を抑制する調圧装置を設ける。
特許文献1に開示された変速機の制御装置によると、オイル供給路を経由して油圧室にオイルを供給する制御と、油圧室のオイルをオイル排出路から排出する制御とが、ともに行なわれていない場合に、油圧室の油圧の低下が抑制されるため、油圧室の油圧保持機能が向上する。そのため、車両の停車後の再発進時におけるベルトの滑りを防止することができる。
特開2001−330112号公報
特許文献1に開示された変速機の制御装置おいては、不可避的なオイル漏れによる油圧室の油圧の低下を抑制する調圧装置として、チェック弁が設けられる。しかしながら、チェック弁は、製造ばらつき等による油圧特性のばらつきを有しているため、所望の油圧特性が得られない場合がある。所望の油圧特性が得られないと、油圧室内の油圧は所望の油圧に対して低下する。油圧室内の油圧が所望の油圧に対して低下すると、車両の減速中のベルト戻り時に駆動側プーリのベルトの狭持力が低下して、ベルト滑りが発生する可能性がある。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、車両の減速時のベルトの狭持力の低下を抑制する無段変速機の油圧制御装置を提供することである。
第1の発明に係る無段変速機の油圧制御装置は、溝幅がアクチュエータによって変更可能な駆動側プーリと従動側プーリとにベルトが巻き掛けられて、プーリにおけるベルトの掛かり径を変化させることにより変速比を変化させる無段変速機の油圧制御装置である。油圧制御装置は、ライン圧を調圧してアクチュエータに供給される作動油の油圧を調整するための第1の調圧手段と、アクチュエータから排出される作動油の油圧を調整するための第2の調圧手段と、第1の調圧手段を油圧を用いて制御する第1の制御弁と、第2の調圧手段を油圧を用いて制御する第2の制御弁と、無段変速機が搭載された車両の速度を検出するための手段と、第1の制御弁、第2の制御弁およびオイルポンプの吐出圧をライン圧に調圧するための第3の調圧手段を油圧を用いて制御する第3の制御弁を制御するための制御手段とを含む。制御手段は、検出された車速が予め定められた速度以下になると、第1の調圧手段が設けられた油圧供給路および第2の調圧手段が設けられた油圧排出路を遮断するように、第1の制御弁および第2の制御弁を制御するための手段を含む。油圧制御装置は、遮断時において、ライン圧に調圧された作動油を、調圧弁を介してアクチュエータに供給する油路をさらに含む。制御手段は、予め定められた条件を満足しないと、油路に供給されるライン圧を予め定められた圧力以上に保持するように第3の制御弁を制御するための手段をさらに含む。
第1の発明によると、油圧制御装置は、検出された車速が予め定められた速度以下になると、第1の制御弁と第2の制御弁とを制御して、油圧供給路および油圧排出路を遮断する。これにより、アクチュエータは、油圧室内において作動油の供給と排出が行なわれないように制御される。油圧制御装置には、遮断時において、ライン圧に調圧された作動油を、調圧弁(たとえば、チェック弁)を介してアクチュエータに作動油を供給する油路が設けられる。そして、予め定められた条件(たとえば、変速比が最減速状態になること)を満足しない場合、ベルトは、変速比が最減速状態になる位置に戻りきっていない状態である。このとき、制御手段は、ライン圧を予め定められた圧力以上に保持するように第3の制御弁を制御する。予め定められた圧力は、たとえば、アクチュエータの油圧がベルト滑りを発生しないようにするために必要とする圧力である。そのため、ライン圧を予め定められた圧力以上に保持することにより、チェック弁を介して作動油が供給されるアクチュエータにおいて、ベルト滑りを発生しないように下限ガードをかけることができる。その結果、車両の減速中のベルトが戻りきっていない場合に、チェック弁の製造ばらつきにより、アクチュエータの油圧が所望の油圧に対して低下しないようにすることができる。そのため、ベルト滑りを防止することができる。したがって、車両の減速時のベルトの狭持力の低下を抑制する無段変速機の油圧制御装置を提供することができる。
第2の発明に係る無段変速機の油圧制御装置においては、第1の発明の構成に加えて、予め定められた条件は、無段変速機の変速比が最減速状態になることである。
第2の発明によると、無段変速機の変速比が最減速状態でないと、ベルトは、最減速状態に対応する位置に戻りきっていない状態である。このような場合に、ライン圧を予め定められた圧力以上に保持することにより、チェック弁の製造ばらつきに起因するアクチュエータの油圧の低下によるベルト滑りを防止することができる。
第3の発明に係る無段変速機の油圧制御装置においては、第1または2の発明の構成に加えて、予め定められた速度は、車両の停止前の低車速域の速度である。
第3の発明によると、油圧制御装置は、車両の停止前の減速中に、無段変速機の変速比が最減速状態になるようにする。このとき、ライン圧を予め定められた圧力以上に保持することにより、チェック弁の製造ばらつきに起因するアクチュエータの油圧の低下によるベルト滑りを防止することができる。
第4の発明に係る無段変速機の油圧制御装置においては、第1〜3のいずれかの発明の構成に加えて、予め定められた圧力は、アクチュエータにおいて、ベルトに滑りを生じさせない圧力である。
第4の発明によると、予め定められた圧力は、アクチュエータにおいて、ベルト滑りを生じさせない圧力である。ライン圧を予め定められた圧力以上に保持することにより、調節弁(たとえば、チェック弁)を介して作動油が供給されるアクチュエータにおいて、ベルト滑りを生じさせないようにするために必要な油圧を保持することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態に係る無段変速機の油圧制御装置について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
図1に、この発明を適用したFF車(フロントエンジンフロントドライブ;エンジン前置き前輪駆動車)の動力伝達装置を示す。図1において、車両には、駆動力源としてのエンジン10が搭載されている。エンジン10としては内燃機関、具体的にはガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、LPGエンジンなどが用いられる。そして、エンジン10のクランクシャフト20が車両の幅方向に配置されている。なお、以下の説明においては、エンジン10として便宜上、ガソリンエンジンを用いた場合について説明する。
またエンジン10の出力側には、トランスアクスル30が設けられている。このトランスアクスル30は、一体化されたケーシングの内部に、ベルト式無段変速機90および最終減速機100が組み込まれたユニットである。このトランスアクスル30を構成するケーシングは、エンジン10の出力側に固定されたトランスアクスルハウジング40と、トランスアクスルハウジング40におけるエンジン10とは反対側の開口端に固定されたトランスアクスルケース50と、トランスアクスルケース50におけるトランスアクスルハウジング40とは反対側の開口端に固定されたトランスアクスルリヤカバー60とを有している。
トランスアクスルハウジング40の内部には、トルクコンバータ70が設けられており、トランスアクスルケース50およびトランスアクスルリヤカバー60の内部に亘り、前後進切り換え機構80およびベルト式無段変速機(CVT)90ならびに最終減速機(言い換えれば差動装置)100が設けられている。
まず、トルクコンバータ70の構成について説明する。トランスアクスルハウジング40の内部には、クランクシャフト20と同一の軸線を中心として回転可能なインプットシャフト110が設けられている。インプットシャフト110におけるエンジン10側の端部にはタービンランナ130が取り付けられている。
一方、クランクシャフト20の後端にはドライブプレート140を介してフロントカバー150が連結されており、フロントカバー150にはポンプインペラ160が接続されている。このタービンランナ130とポンプインペラ160とは対向して配置される。タービンランナ130およびポンプインペラ160の内側にはステータ170が設けられている。
ステータ170は、一方向クラッチ170Aを介して中空軸170Bに接続されている。この中空軸170Bの内部にインプットシャフト110が配置されている。中空軸170Bとインプットシャフト110とは相対回転可能である。また、インプットシャフト110におけるフロントカバー150側の端部には、ダンパ機構180を介してロックアップクラッチ190が設けられている。上記のように構成されたフロントカバー150およびポンプインペラ160などにより形成されたケーシング内に、作動流体としてのオイル(作動油)が供給される。
上記構成により、エンジン10の動力(トルク)がクランクシャフト20からフロントカバー150に伝達される。この時、ロックアップクラッチ190が解放されている場合は、ポンプインペラ160のトルクが流体によりタービンランナ130に伝達され、ついでインプットシャフト110に伝達される。なお、ポンプインペラ160からタービンランナ130に伝達されるトルクを、ステータ170により増幅することもできる。一方、ロックアップクラッチ190が係合されている場合は、フロントカバー150のトルクが機械的にインプットシャフト110に伝達される。
トルクコンバータ70と前後進切り換え機構80との間には、オイルポンプ200が設けられている。オイルポンプ200は、ボデー230およびロータ210を備えている。ポンプインペラ160の内周端には円筒形状のハブ220が溶接固定されている。また中空軸170Bの一部は、オイルポンプ200の内部に到達しており、中空軸170Bはボデー230に固定されている。
また、ボデー230は、トランスアクスルケース50側にボルト(図示せず)により締め付け固定されている。上記構成において、エンジン10の動力をポンプインペラ160を介してロータ210に伝達し、オイルポンプ200を駆動することができる。このオイルポンプ200の駆動により、オイルパンに貯留されているオイルが汲み上げられる。このオイルポンプ200の吐出油圧が、油圧制御装置(後述)の油圧回路に供給される。
前後進切り換え機構80は、インプットシャフト110とベルト式無段変速機90との間の動力伝達経路に設けられている。前後進切り換え機構80は、ダブルピニオン形式の遊星歯車機構240を有している。この遊星歯車機構240は、インプットシャフト110のベルト式無段変速機90側の端部に設けられたサンギヤ250と、このサンギヤ250の外周側に、サンギヤ250と同心状に配置されたリングギヤ260と、サンギヤ250に噛み合わされたピニオンギヤ270と、このピニオンギヤ270およびリングギヤ260に噛み合わされたピニオンギヤ280と、ピニオンギヤ270,280を自転可能に保持し、かつ、ピニオンギヤ270,280を、サンギヤ250の周囲で一体的に公転可能な状態で保持したキャリヤ290とを有している。このキャリヤ290と、ベルト式無段変速機90のプライマリシャフト300とが連結されている。
また、キャリヤ290とインプットシャフト110との間の動力伝達経路を接続または遮断するフォワードクラッチCRが設けられている。フォワードクラッチCRは、インプットシャフト110を中心として回転可能であり、かつ、環状に構成されたプレートおよびディスクを、軸線方向に交互に配置した公知の構造を備えている。さらに、トランスアクスルケース50側には、リングギヤ260の回転、固定を制御するリバースブレーキBRが設けられている。リバースブレーキBRは、インプットシャフト110の外周側に設けられ、かつ、環状に構成されたプレートおよびディスクを、軸線方向に交互に配置した公知の構造を備えている。
ベルト式無段変速機90は、インプットシャフト110と同心状に配置されたプライマリシャフト300と、プライマリシャフト300と相互に平行に配置されたセカンダリシャフト310とを有している。また、軸受320,330によりプライマリシャフト300が回転可能に保持されているとともに、軸受340,350によりセカンダリシャフト310が回転可能に保持されている。
プライマリシャフト300にはプライマリプーリ360が設けられており、セカンダリシャフト310側にはセカンダリプーリ370が設けられている。プライマリプーリ360は、プライマリシャフト300の外周に一体的に形成された固定シーブ380と、プライマリシャフト300の軸線方向に移動できるように構成された可動シーブ390とを有している。そして、固定シーブ380と可動シーブ390との対向面間にV字形状の溝400が形成されている。
また、この可動シーブ390をプライマリシャフト300の軸線方向に動作させることにより、可動シーブ390と固定シーブ280とを接近または離隔させる油圧アクチュエータ(言い換えれば油圧サーボ機構)410が設けられている。
一方、セカンダリプーリ370は、セカンダリシャフト310の外周に一体的に形成された固定シーブ420と、セカンダリシャフト310の軸線方向に移動できるように構成された可動シーブ430とを有している。
そして、固定シーブ420と可動シーブ430との対向面間にV字形状の溝440が形成されている。また、この可動シーブ430をセカンダリシャフト310の軸線方向に動作させることにより、可動シーブ430と固定シーブ420とを接近、離隔させる油圧アクチュエータ(言い換えれば油圧サーボ機構)450が設けられている。
上記構成のプライマリプーリ360の溝400およびセカンダリプーリ370の溝440に対して、ベルト460が巻き掛けられている。ベルト460は、多数の金属製の駒および2本のスチールリングを有している。なお、セカンダリシャフト310におけるエンジン10側には、円筒形状のカウンタドリブンギヤ470が固定されており、カウンタドリブンギヤ470が軸受480,490により保持されている。さらに、軸受350はトランスアクスルリヤカバー60側に設けられており、セカンダリシャフト310における軸受350とセカンダリプーリ370との間には、パーキングギヤ310Aが設けられている。
ベルト式無段変速機90のカウンタドリブンギヤ470と最終減速機100との間の動力伝達経路には、セカンダリシャフト310と相互に平行なインターミディエイトシャフト500が設けられている。インターミディエイトシャフト500は軸受510,520により支持されている。インターミディエイトシャフト500にはカウンタドリブンギヤ530とファイナルドライブギヤ540とが形成されている。そして、カウンタドライブギヤ470とカウンタドリブンギヤ530とが噛み合わされている。
一方、最終減速機100は内部に中空のデフケース550を有している。デフケース550は、軸受560,570により回転可能に保持されているとともに、デフケース550の外周にはリングギヤ580が設けられている。そして、ファイナルドライブギヤ540とリングギヤ580とが噛み合わされている。また、デフケース550の内部にはピニオンシャフト590が取り付けられており、ピニオンシャフト590には2つのピニオンギヤ600が取り付けられている。このピニオンギヤ600には2つのサイドギヤ610が噛み合わされている。2つのサイドギヤ610には別個にフロントドライブシャフト620が接続され、各フロントドライブシャフト620には、車輪(前輪)630が接続されている。
図2に、本実施の形態に係る無段変速機の油圧制御装置が搭載される車両の制御系統を示す。車両全体を制御する電子制御装置640は、演算処理装置(CPU(Central Processing Unit)またはMPU(Micro Processing Unit))および記憶装置(RAM(Random Access Memory)およびROM(Read Only Memory))ならびに入出力インターフェースを主体とするマイクロコンピュータにより構成されている。
この電子制御装置640に対しては、エンジン回転数センサ650の信号、アクセル開度センサ660の信号、スロットル開度センサ670の信号、ブレーキスイッチ680の信号、シフトポジション選択装置690Aの操作状態を検出するシフトポジションセンサ690の信号、ベルト式無段変速機90の入力回転数を検出する入力回転数センサ700の信号、ベルト式無段変速機90の出力回転数を検出する出力回転数センサ710の信号、ベルト式無段変速機90およびトルクコンバータ70の作動油温を検出する油温センサ720の信号、エアコンスイッチ730の信号、エンジン10の冷却水温を検出する水温セン740の信号などが入力される。
シフトポジションセンサ690の信号に基づいて、駆動ポジション(たとえばD(ドライブ)ポジション、R(リバース)ポジションなど)、または非駆動ポジション(たとえばN(ニュートラル)ポジション、P(パーキング)ポジションなど)のいずれが選択されているかが判断される。さらに、駆動ポジションのうち、前進ポジション(たとえばDポジション)または後進ポジション(Rポジション)のいずれが選択されているかが判断される。また、エンジン回転数センサ650の信号、入力回転数センサ700の信号、出力回転数センサ710の信号などに基づいて、車速およびベルト式無段変速機90の変速比を演算することができる。
さらに、電子制御装置640には、各種の信号に基づいてエンジン10およびロックアップクラッチ190ならびにベルト式無段変速機90の変速制御をおこなうためのデータが記憶されている。たとえば、アクセル開度および車速などの走行状態に基づいて、ベルト式無段変速機90の変速比を制御することにより、エンジン10の最適な運転状態を選択するためのデータが、電子制御装置640に記憶されている。
また、電子制御装置640には、アクセル開度および車速をパラメータとするロックアップクラッチ制御マップが記憶されており、このロックアップクラッチ制御マップに基づいてロックアップクラッチ190が係合、解放およびスリップの各状態に制御される。そして、電子制御装置640に入力される各種の信号や、電子制御装置640に記憶されているデータに基づいて、電子制御装置640から、燃料噴射制御装置750、点火時期制御装置760、油圧制御装置770に対して制御信号が出力される。
この油圧制御装置770の一部を構成する油圧回路を、図3および図4を参照して説明する。なお、図3および図4の油圧回路において、「1」、「2」、「3」が付された箇所は、「1」が付された箇所同士、「2」が付された箇所同士、「3」が付された箇所同士で、各油路が接続されていることを意味する。
まず、図3に示すように、油圧アクチュエータ410は、油圧室800を構成するシリンダ810と、油圧室800の油圧に基づいて動作し、かつ、可動シーブ390の動作を制御するピストン820と、シリンダ810とピストン820との対向面間を液密に密封する密封装置830とを備えている。また、油圧アクチュエータ450は、可動シーブ430の動作を制御する油圧室840と、可動シーブ430の動作を制御する圧縮コイルばね(図示せず)とを備えている。
次に、油圧アクチュエータ410の油圧室800にオイルを供給する油圧回路には、増速用ソレノイドバルブ1180および減速用ソレノイドバルブ1190が設けられている。
増速用ソレノイドバルブ1180は、入力ポート1200および出力ポート1210ならびにドレーンポート1210Aを有している。そして、増速用ソレノイドバルブ1180がオンされると、入力ポート1200と出力ポート1210とが接続されるとともに、ドレーンポート1210Aと入力ポート1210および出力ポート1210とが遮断される。これに対して、増速用ソレノイドバルブ1180がオフされると、入力ポート1200と出力ポート1210とが遮断されるとともに、出力ポート1210とドレーンポート1210Aとが接続される構成になっている。
減速用ソレノイドバルブ1190は、入力ポート1220および出力ポート1230ならびにドレーンポート1230Aを有している。そして、減速用ソレノイドバルブ1190がオンされると、入力ポート1220と出力ポート1230とが接続されるとともに、ドレーンポート1230Aと入力ポート1220および出力ポート1230とが遮断される。これに対して、減速用ソレノイドバルブ1190がオフされると、入力ポート1220と出力ポート1230とが遮断されるとともに、出力ポート1230とドレーンポート1230Aとが接続される構成になっている。そして、油路1120Aに対して入力ポート1200と入力ポート1220とが並列に接続されている。
また、油圧回路には、増速用流量制御弁1240および減速用流量制御弁1250が設けられている。増速用流量制御弁1240は、入力ポート1260および出力ポート1270と、入力ポート1260と出力ポート1270とを接続または遮断するスプール1280と、スプール1280の一端側に設けられたスプリング室1290と、スプリング室1290に設けられ、かつ、入力ポート1260と出力ポート1270とを遮断する方向にスプール1290を押圧するスプリング1300と、スプール1290に対してスプリング1300の押圧力とは逆方向の押圧力を作用させる制御油圧室1310とを有している。なおスプリング室1290にはポート1320が接続されている。
減速用流量制御弁1250は、入力ポート1330および入出力ポート1340ならびにドレーンポート1350と、入力ポート1330と入出力ポート1340とを接続または遮断し、かつ、入出力ポート1340とドレーンポート1350とを接続または遮断するスプール1360と、スプール1360の一端側に設けられたスプリング室1370と、スプリング室1370に設けられ、かつ、入力ポート1330と入出力ポート1340とを接続し、かつ、入出力ポート1340とドレーンポート1350とを遮断する方向にスプール1360を押圧するスプリング1380と、スプール1380に対してスプリング1380の押圧力とは逆方向の押圧力を作用させる制御油圧室1390とを有している。なお、スプリング室1370にはポート1400が接続され、ドレーンポート1350が、油路1350Aを介してオイルパン880側に接続されている。
そして、増速用ソレノイドバルブ1180の出力ポート1210と、増速用流量制御弁1240の制御油圧室1310とが、油路1410により接続されている。油路1410にはオリフィス1420が設けられており、油路1410におけるオリフィス1420と出力ポート1210との間の部分が、油路1430を介して減速用流量制御弁1250のポート1400に接続されている。つまり、増速用ソレノイドバルブ1180の出力ポート1210に対して、制御油圧室1310とポート1400とが並列に接続されている。また、減速用ソレノイドバルブ1190の出力ポート1230に対して、油路1440,1450が並列に接続されており、油路1440が減速用流量制御弁1250の制御油圧室1390に接続され、油路1450が増速用流量制御弁1240のポート1320に接続されている。なお、油路1440にはオリフィス1460が設けられている。
さらに、油路1540にはチェックバルブ1470が設けられている。チェックバルブ1470は、シリンダ1480内に配置された有底円筒形状のピストン1490と、ピストン1490の底部側に油圧を供給する入力ポート1500と、シリンダ1480とピストン1490との間の空間に形成されたスプリング室1510と、スプリング室1510に配置され、かつ、入力ポート1500を閉じる方向にピストン1490を押圧するスプリング1520と、ピストン1490の円筒部を半径方向に貫通し、かつ、スプリング室1510に連通する油路1530とを有している。そして、油路1530と、減速用流量制御弁1250の入力ポート1330とが接続されている。また、油路1540の中途部位から分岐した油路1550が、増速用流量制御弁1240の入力ポート1260に接続されている。なお、油路1540にはオリフィス1560が設けられている。
一方、増速用流量制御弁1240の出力ポート1270と、油圧アクチュエータ410の油圧室800とが油路1570により接続されている。油路1570にはオリフィス1580が設けられている。油路1570における出力ポート1270とオリフィス1580との間の部位と、減速用流量制御弁1250の入出力ポート1340とを接続する油路1590が設けられている。
一方、図4に示すように、本実施の形態に係るベルト式無段変速機90の油圧制御装置770は、油圧アクチュエータ410,450の油圧室800,840側にオイルを供給するプライマリレギュレータバルブ850を含む。オイルは、ストレーナ890を経由してオイルポンプ200の吸入口910に吸入され、オイルポンプ200の吐出口920から吐出されたオイルが、油路930を介してプライマリレギュレータバルブ850の入力ポート940に供給される。なお、油路930の中途部位から分岐した油路1540は、チェックバルブ1470の入力ポート1500に接続されている。
このプライマリレギュレータバルブ850は、オイルポンプ200の吐出口920と接続された入力ポート940と、この入力ポート940に連通する逃がしポート950と、入力ポート940と逃がしポート950とを接続または遮断するスプール960と、このスプール960の一端側に設けられたスプリング室990と、スプリング室990に接続され、かつ、リニアソレノイドバルブ1070により調圧された油圧が入力される調圧ポート970と、スプール960の他端側に設けた制御ポート980と、スプリング室990に配置され、かつ、入力ポート940と逃がしポート950とが遮断される方向にスプール960を押圧するスプリング960Aとを含む。また、油路930はオリフィス1000を介して制御ポート980に接続されている。
プレッシャリリーフバルブ1100は、油路1090に接続されている。プレッシャリリーフバルブ1100には、ポート1150からリニアソレノイド(SLS)1070の制御圧が導入される。スプール1130が、リニアソレノイド(SLS)1070の制御圧、スプリング1140の付勢力およびポート1110から導入されるライン圧のバランスにより図4において上下に摺動する。リニアソレノイド(SLS)1070の制御圧が導入される制御圧室1120に、スプリング1140が配置されている。
ライン圧による力がリニアソレノイド(SLS)1070の制御圧とスプリング1140の付勢力との合成力に勝ると、スプール1130が図4において下方に移動し、ポート1110を介して油路1090とドレーンポート1160とが連通する。これにより、油圧がドレーンポート1160からドレンされ、ライン圧が制御される。
リニアソレノイド(SLS)1070には、ライン圧を元圧としてモジュレータバルブ(1)1080により制御された油圧がポート1060から導入される。リニアソレノイド(SLS)1070は、電子制御装置640から送信されたデューティ信号によって決まる電流値に応じて制御圧を発生させる。なお、リニアソレノイド(SLS)1070の代わりに、デューティーソレノイドを用いてもかまわない。本実施の形態においては、デューティ比を高くすると、ライン圧は、低下するように制御される。一方、デューティ比を低くすると、ライン圧は、上昇するように制御される。
セカンダリプーリ370の油圧アクチュエータ450の油圧は、ベルト460が滑りを生じないようにモジュレータバルブ(2)1040によって制御される。モジュレータバルブ(2)1040には、軸方向へ移動可能なスプール1018およびそのスプール1018を一方向へ付勢するスプリング1016が設けられている。
油路930の途中から分岐した油路1010は、モジュレータバルブ(2)1040のポート1012に導入される。ポート1014には、油路1050を介して、リニアソレノイド(SLS)1070の御圧が導入される。スプール1018は、リニアソレノイド(SLS)1070の制御圧、スプリング1016の付勢力およびポート1012に導入されるライン圧のバランスにより図4において上下に摺動する。スプール1018は、図4において上下に摺動することにより、ポート1012とポート1030とを連通、遮断する。すなわち、リニアソレノイド(SLS)1070の出力油圧をパイロット油圧として、モジュレータバルブ(2)1040のポート1030から出力される油圧Pdを調圧して、ポート1030から油路1020を介して接続されるセカンダリプーリ370の油圧アクチュエータ450の油圧を調圧する。これにより、ベルト460の狭圧力が増減させられる。
ここで、ベルト式無段変速機90の変速比は、車速およびアクセル開度などの条件から判断される車両の加速要求(言い換えれば駆動力要求)、および電子制御装置640に記憶されているデータ(たとえば、エンジン回転数およびスロットル開度をパラメータとする最適燃費曲線)などに基づいて、エンジン10の運転状態が最適状態になるように制御される。
具体的には、油圧アクチュエータ410の油圧室の油圧を制御することにより、プライマリプーリ360の溝400の幅が調整される。その結果、プライマリプーリ360におけるベルト460の巻き掛け半径が変化し、ベルト式無段変速機90の入力回転数と出力回転数との比、すなわち変速比が無段階(連続的)に制御される。
さらに、油圧アクチュエータ450の油圧室の油圧を制御することにより、セカンダリプーリ370の溝440の幅が変化する。つまり、ベルト460に対するセカンダリプーリ370の軸線方向の挟圧力(言い換えれば挟持力)が制御される。この挟圧力によりベルト460の張力が制御され、プライマリプーリ360およびセカンダリプーリ370とベルト310との接触面圧が制御される。油圧アクチュエータ450の油圧室の油圧は、ベルト式無段変速機90に入力されるトルク、およびベルト式無段変速機90の変速比などに基づいて制御される。ベルト式無段変速機90に入力されるトルクは、エンジン回転数、スロットル開度、トルクコンバータ70のトルク比などに基づいて判断される。
次に、図4を用いて、油圧アクチュエータ410の油圧室800の油圧制御を具体的に説明する。まず、オイルポンプ200によりオイルが汲み上げられ、オイルポンプ200の吐出油圧が、油路930を経由してプライマリレギュレータバルブ850の入力ポート940および制御ポート980に入力される。一方、電子制御装置640に入力される信号および各種のデータに基づいて、目標ライン圧が演算されており、油路930の油圧を目標ライン圧に近づけるためのリニアソレノイド圧(制御圧)が、調圧ポート970に入力される。ここで、スプリング室990の油圧およびスプリング960Aの弾性力によりスプール960に作用する押圧力の方が、制御ポート980の油圧によりスプール960に作用する押圧力よりも強い場合は、スプール960により入力ポート940と逃がしポート950とが遮断され、油路930の油圧が上昇する。
油路930の油圧の上昇にともない、制御ポート980からスプール960に作用する押圧力がさらに上昇し、入力ポート940と逃がしポート950とが接続されると、油路930側のオイルの一部が逃がしポート950側に排出され、油路930の油圧が所定値以上に上昇することが防止される。このようにして、油路930の油圧が、調圧ポート970に入力されるリニアソレノイド(SLS)の制御圧に応じた油圧(ライン圧)に制御される。
上記のようなベルト式無段変速機90を搭載した車両においては、車両が減速して停車した時点において、再度の発進に備えてベルト式無段変速機90の変速比を最大に制御しておくことが好ましい。しかしながら、ベルト式無段変速機90の変速比が最大になる前に車両が停車すると、いわゆるベルト戻り不良が生じる可能性があった。これは、車両停車時においては、プライマリプーリ360およびセカンダリプーリ370が回転していないため、変速比を変えることが困難だからである。このように、ベルト戻り不良が生じると、車両の再発進時に、油圧室800のオイルが排出されて可動シーブ390の反力がなくなってベルト46により伝達するべきトルク容量を確保することができなくなり、車両の発進性が低下する可能性があった。
そのため、電子制御装置640は、車両の停止前の減速時には、変速比を保持する制御を行なう。すなわち、電子制御装置640がベルト式無段変速機90の変速比を保持する制御を行なう場合は、増速用ソレノイドバルブ1180がオフされ、かつ、減速用ソレノイドバルブ1190がオフされる。すると、油路1120Aの油圧は、増速用流量制御弁1240の制御油圧室1310およびスプリング室1290には伝達されないとともに、油路1120Aの油圧は、減速用流量制御弁1250の制御油圧室1390およびスプリング室1370にも伝達されない。したがって、増速用流量制御弁1240においては、スプリング1290の押圧力によりスプール1280が押圧され、入力ポート1260と出力ポート1270とが遮断され、油路1540のオイルが、増速用流量制御弁1240を経由して油圧室800に供給されることはない。
また、減速用流量制御弁1250においては、スプリング1380の押圧力によりスプール1360が押圧され、入出力ポート1340とドレーンポート1350とが遮断されるため、油圧室800のオイルが、油路1570,1590を経由してオイルパン880に排出されることはない。つまり、油圧室800に対するオイルの供給および排出が行なわれず、オイルが油圧室800に閉じ込められ、油圧室800の油圧がほぼ一定に制御される。なお、油圧室800の油圧は、油路1570,1590、入出力ポート1340、入力ポート1330、油路1530を介して、チェックバルブ1470のスプリング室1510に作用している。
一方、チェックバルブ1470においては、油路1540の油圧(すなわち、ライン圧PL)が入力ポート1500に作用している。そして、入力ポート1500の油圧によりピストン1490に作用する押圧力よりも、油圧室800側からスプリング室1510に作用する油圧およびスプリング1520の弾性力に相当する押圧力の方が強い状態では、ピストン1490の底部により入力ポート1500が閉じられている。つまり、油路1540のオイルは、チェックバルブ1470を経由して油圧室800に供給されない。
ところで、油圧室800は密封装置830により密封されているが、その密封面からの僅少なオイル漏れが不可避的に生じ、油圧室800のオイルが徐々に漏れて、油圧室800の油圧が低下する可能性がある。そして、油路1570,1590および油路1530を介してスプリング室1510に作用している油圧が低下し、入力ポート1500に作用する油圧により、ピストン1490に作用する押圧力よりも、スプリング1520の弾性力およびスプリング室1510の油圧により、ピストン1490に作用する押圧力の方が弱くなると、ピストン1490が、図3において下方に向けて動作し、入力ポート1500とスプリング室1510とが接続される。
すると、油路1540のオイルが、入力ポート1500、スプリング室1510、油路1530、入力ポート1330、入出力ポート1340、油路1590,1570を経由して油圧室800に供給される。つまり、油路1540側のライン圧が、チェックバルブ1470により調圧(具体的には減圧)されて油圧室800に供給され、油圧室800の油圧の低下が抑制される。
しかしながら、油圧室800内の油圧は、全てチェックバルブ1470からの供給に依存している。そのため、油圧室800内の油圧は、チェックバルブ1470のハードウェア特性に依存することとなる。油圧室800内に油圧を供給するチェックバルブ1470は、簡易な構造である反面、プライマリプーリ370の可動シーブ付近の各油路からの漏れ込みの影響や、チェックバルブ1470の製造の上で目標とする設計特性に対して、実際の特性のばらつきが大きい。そのため、油圧室800内の油圧が、ベルト460を滑らせずかつ増速をしない特性になるようにすることは困難になる。また、増速させないようにチェックバルブ1470を設定すると、油圧室800内に供給される油圧が低下して、ベルト460が滑りやすくなる場合がある。
特に、車両の停止前の減速時に、ベルト460が最減速状態に対応する位置に戻っていない場合に、油圧室800の油圧が所望の油圧に対して低下すると、ベルト460の狭圧力が低下して、滑りが発生する場合がある。
そこで、本発明に係る無段変速機の油圧制御装置である電子制御装置640は、車両の速度が予め定められた速度以下の低車速域において、ベルトが最減速状態の位置に戻っていなければ、油圧室800内の油圧がベルト460に滑りが発生しないようにするために必要とする圧力を下回らないように、チェックバルブ1470を介して油圧室800内に供給されるオイルの油圧すなわちライン圧PLに下限ガード圧力を設定することを特徴とする。
図5に示すように、ライン圧PLと油圧室800内の油圧Pinは、比例の関係を有する。したがって、ライン圧PLの下限ガード圧力P(2)は、油圧室800内の油圧Pinがベルト460に滑りが発生する圧力(ベルト滑り発生圧)P(1)以下にならないような値に設定される。すなわち、電子制御装置640において設定される目標ライン圧がP(2)以下にならないように制限(ガード)される。
図6を参照して、本実施の形態に係る無段変速機の油圧制御装置である電子制御装置640で実行されるプログラムの制御構造について説明する。
ステップ(以下、Sをステップと記載する。)1000にて、電子制御装置640は、出力回転数センサ710により検知される検知信号に基づいて、車速が予め定められた速度V(1)以下であるか否かを判断する。なお、電子制御装置640は、各車輪に設けられる車輪速センサ(図示せず)により検知される検知信号に基づいて、車速が予め定められた速度以下であるか否かを判断してもよい。「予め定められた速度」とは、車両の停止前の低車速域であれば特に限定されるものではない。
S1100にて、電子制御装置640は、ベルト戻り判定がオンであるか否かを判断する。すなわち、電子制御装置640は、ベルトが最減速状態に対応する位置に戻っていれば、ベルト戻り判定のフラグをオンにし、戻っていなければ、オフにする。ベルト戻りを判定する方法としては、特に限定されるものではないが、たとえば、電子制御装置640が入力回転数センサ700と出力回転数センサ710により検知される無段変速機90の入力回転数と出力回転数との比、すなわち、変速比が予め定められた値以上であり、かつ、変速に伴なう作動油の変速流量が予め定められた流量以上であると、変速比が最減速状態になると判定して、ベルト戻りを判定する。なお、変速流量によるベルト戻り判定については、周知の技術を用いればよい。したがって、その詳細な説明はしない。
S1200にて、電子制御装置640は、リニアソレノイド(SLS)1070に対して通常と同様に設定される目標ライン圧に基づく制御信号を送信する。リニアソレノイド(SLS)1070は、受信した制御指令に基づいて、デューティ比を上げて(あるいは下げて)、ライン圧を減圧(あるいは増圧)して設定された目標ライン圧になるように調圧する。
S1300にて、電子制御装置640は、リニアソレノイド(SLS)1070に対して通常と同様に設定される目標ライン圧に対して、下限ガードをかけた目標ライン圧に基づく制御信号を送信する。すなわち、電子制御装置640は、ライン圧PLが図5に示すP(2)以下にならないような目標ライン圧を設定する。
以上のような構造およびフローチャートに基づいて、本実施の形態に係る無段変速機の油圧制御装置の動作について図7および図8を用いて説明する。
走行中の車両が停止する前に、無段変速機の油圧制御装置である電子制御装置640は、ベルト460が最減速状態に対応する位置に戻っている否かを判定する。そして、入力回転数センサ700と出力回転数センサ710により検知される入力回転数と出力回転数との比が予め定められた値以上であって、変速の流量が予め定められた量以上であると、ベルト戻り判定のフラグがオンになる。すなわち、図7(B)に示すように、時間T(0)において、ベルト戻り判定のフラグがオンになる。そして、図7(A)に示すように、時間T(1)において、車速が予め定められた速度V(1)以下になるとき(S1000にてYES)、ベルト戻り判定のフラグがオンであるため(S1100にてYES)、図7(C)に示すように、最低圧ガードのフラグはオフのままとなる。そのため、電子制御装置640はリニアソレノイド(SLS)1070に対して、通常と同様に設定される目標ライン圧に基づいて、ライン圧PLを制御する制御信号を送信する。
一方、車両が停止する前に、図8(A)に示すように、時間T(1)において、車速が予め定められた値V(1)以下になるとき(S1000にてYES)、ベルト戻り判定のフラグがオフであるため(S1100にてNO)、図8(C)に示すように、最低圧ガードのフラグがオンとなる。このとき、電子制御装置640は、リニアソレノイド(SLS)1070に対して、通常と同様に設定される目標ライン圧に対して下限ガードをかけて出力するように制御信号を送信する。すなわち、電子制御装置640は、ライン圧がP(2)以下にならないように、目標ライン圧を設定して、リニアソレノイド(SLS)1070に制御信号を送信する。リニアソレノイド(SLS)1070は、受信した制御信号に基づくデューティ比でライン圧を調圧する。
また、車両が予め定められた速度V(1)以上であると(S1000にてNO)、電子制御装置640は、リニアソレノイド(SLS)1070に対して通常と同様に設定される目標ライン圧に基づいて、ライン圧PLを制御する制御信号を送信する。
以上のようにして、本実施の形態に係る無段変速機の油圧制御装置によると、検出された車速が予め定められた速度以下になると、増速用ソレノイドバルブと減速用ソレノイドバルブとを制御して、油圧供給路および油圧排出路を遮断する。これにより、アクチュエータは、油圧室内において作動油の供給と排出が行なわれないように制御される。油圧回路には、遮断時において、ライン圧に調圧された作動油を、チェックバルブを介してアクチュエータに作動油を供給する油路が設けられる。そして、変速比が最減速状態になる条件を満足しない場合、ベルトは、変速比が最減速状態になる位置に戻りきっていない状態である。このとき、電子制御装置は、ライン圧を予め定められた圧力以上に保持するようにリニアソレノイドを制御する。予め定められた圧力は、たとえば、アクチュエータの油圧がベルト滑りを発生しないようにするために必要とする圧力である。そのため、ライン圧を予め定められた圧力以上に保持することにより、チェックバルブを介して作動油が供給されるアクチュエータにおいて、ベルト滑りを発生しないように下限ガードをかけることができる。その結果、車両の減速中のベルトが戻りきっていない場合に、チェックバルブの製造ばらつきにより、アクチュエータの油圧が所望の油圧に対して低下しないようにすることができる。そのため、ベルト滑りを防止することができる。したがって、車両の減速時のベルトの狭持力の低下を抑制する無段変速機の油圧制御装置を提供することができる。
なお、本実施の形態に係る無段変速機の油圧制御装置である電子制御装置は、ライン圧PLに下限ガードをかけて、すなわち、ライン圧がP(2)以下にならないように、リニアソレノイド(SLS)に対して制御信号を送信して、ベルトが戻りきっていない場合に、油圧室内の油圧の低下を抑制したが、モジュレータバルブ(2)における油圧Pdを制御対象としてもよい。
図9に示すように、アクチュエータの油圧Pinとモジュレータバルブ(2)において調圧される油圧Pdとについても、図5に示すアクチュエータの油圧Pinとライン圧PLとの関係と同様に比例関係を有する。
そのため、電子制御装置は、モジュレータバルブ(2)において調圧される油圧Pdが、アクチュエータにおいてベルトに滑りが発生しないようにするために必要な圧力P(1)に対応する油圧P(3)を下回らないように、リニアソレノイド(SLS)に対して制御信号を送信してもよい。
このようにしても、車両の減速時に、ベルトが戻りきっていない場合においても、チェックバルブの製造ばらつきに起因するベルト滑りを防止することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本実施の形態における車両の動力伝達経路を示すスケルトン図である。 本実施の形態におけるベルト式無段変速機を有する車両の制御系統を示すブロック図である。 本実施の形態におけるベルト式無段変速機に適用した油圧回路の一部を説明する図(その1)である。 本実施の形態におけるベルト式無段変速機に適用した油圧回路の一部を説明する図(その2)である。 本実施の形態におけるPinとPLとの関係を示す図である。 本実施の形態に係る油圧制御装置である電子制御装置で実行されるプログラムの制御構造を示す図である。 本実施の形態に係る油圧制御装置の動作を示すタイミングチャート(その1)である。 本実施の形態に係る油圧制御装置の動作を示すタイミングチャート(その2)である。 本実施の形態におけるPinとPdとの関係を示す図である。
符号の説明
10 エンジン、30 トランスアクスル、70 トルクコンバータ、80 前後進切り換え機構、90 ベルト式無段変速機、100 最終減速機、200 オイルポンプ、240 遊星歯車機構、360 プライマリプーリ、370 セカンダリプーリ、410,450 アクチュエータ、460 ベルト、630 車輪、640 電子制御装置、650 エンジン回転数センサ、660 アクセル開度センサ、670 スロットル開度センサ、680 ブレーキスイッチ、690 シフトポジションセンサ、700 入力回転数センサ、710 出力回転数センサ、720 油温センサ、730 エアコンスイッチ、740 水温センサ、750 燃料噴射制御装置、760 点火時期制御装置、770 油圧制御回路、850 プライマリレギュレータバルブ、1040,1080 モジュレータバルブ、1070 リニアソレノイド、1100 プレッシャリリーフバルブ、1180 増速用ソレノイドバルブ、1190 減速用ソレノイドバルブ、1240 増速用流量制御弁、1250 減速用流量制御弁、1470 チェックバルブ。

Claims (4)

  1. 溝幅がアクチュエータの作動油圧によって変更可能な駆動側プーリと従動側プーリとにベルトが巻き掛けられて、前記プーリにおける前記ベルトの掛かり径を変化させることにより変速比を変化させる無段変速機の油圧制御装置であって、
    ライン圧を調圧して前記アクチュエータの前記作動油圧を調圧するための第1の調圧手段(1240)と、
    前記アクチュエータから排出される作動油の量を調整して前記作動油圧を調圧するための第2の調圧手段(1250)と、
    油圧を用いて前記第1の調圧手段(1240)を制御する第1のソレノイドバルブ(1180)と、
    油圧を用いて前記第2の調圧手段(1250)を制御する第2のソレノイドバルブ(1190)と、
    前記無段変速機が搭載された車両の速度を検出するための手段と、
    前記第1のソレノイドバルブ(1180)、前記第2のソレノイドバルブ(1190)およびオイルポンプの吐出圧をライン圧に調圧するための第3の調圧手段(1100)を油圧により制御する第3のソレノイドバルブ(1070)を制御するための制御手段(640)とを含み、
    前記制御手段(640)は、前記検出された車速が予め定められた速度以下になると、前記第1の調圧手段(1240)が設けられた油圧供給路および前記第2の調圧手段(1250)が設けられた油圧排出路を遮断するように、前記第1のソレノイドバルブ(1180)および前記第2のソレノイドバルブ(1190)を制御するための手段を含み、
    前記油圧制御装置は、前記遮断時において、前記ライン圧に調圧された作動油を、調圧弁(1470)を介して前記アクチュエータに供給する油路をさらに含み、
    前記制御手段(640)は、前記無段変速機の変速比が予め定められた値以上でないという条件、および、変速に伴なう作動油の変速流量が予め定められた流量以上でないという条件のうちの少なくともいずれか一方の条件が成立するというベルト戻り不良についての予め定められた条件を満足するときに、前記油圧供給路および前記油圧排出路を遮断中に前記油路に供給されるライン圧を予め定められた圧力以上に保持するように前記第3のソレノイドバルブ(1070)を制御するための手段をさらに含む、無段変速機の油圧制御装置。
  2. 前記予め定められた条件は、前記無段変速機の変速比が最減速状態に戻っていないことである、請求項1に記載の無段変速機の油圧制御装置。
  3. 前記予め定められた速度は、前記車両の停止前の低車速域の速度である、請求項1または2に記載の無段変速機の油圧制御装置。
  4. 前記予め定められた圧力は、前記アクチュエータにおいて、前記ベルトに滑りを生じさせない圧力である、請求項1〜3のいずれかに記載の無段変速機の油圧制御装置。
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