JP3207463B2 - 車両のアンチスキッドブレーキ装置 - Google Patents
車両のアンチスキッドブレーキ装置Info
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- JP3207463B2 JP3207463B2 JP24599891A JP24599891A JP3207463B2 JP 3207463 B2 JP3207463 B2 JP 3207463B2 JP 24599891 A JP24599891 A JP 24599891A JP 24599891 A JP24599891 A JP 24599891A JP 3207463 B2 JP3207463 B2 JP 3207463B2
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- control
- braking pressure
- wheels
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- B60T—VEHICLE BRAKE CONTROL SYSTEMS OR PARTS THEREOF; BRAKE CONTROL SYSTEMS OR PARTS THEREOF, IN GENERAL; ARRANGEMENT OF BRAKING ELEMENTS ON VEHICLES IN GENERAL; PORTABLE DEVICES FOR PREVENTING UNWANTED MOVEMENT OF VEHICLES; VEHICLE MODIFICATIONS TO FACILITATE COOLING OF BRAKES
- B60T8/00—Arrangements for adjusting wheel-braking force to meet varying vehicular or ground-surface conditions, e.g. limiting or varying distribution of braking force
-
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- B60T8/34—Arrangements for adjusting wheel-braking force to meet varying vehicular or ground-surface conditions, e.g. limiting or varying distribution of braking force responsive to a speed condition, e.g. acceleration or deceleration having a fluid pressure regulator responsive to a speed condition
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- B60T8/00—Arrangements for adjusting wheel-braking force to meet varying vehicular or ground-surface conditions, e.g. limiting or varying distribution of braking force
- B60T8/17—Using electrical or electronic regulation means to control braking
- B60T8/175—Brake regulation specially adapted to prevent excessive wheel spin during vehicle acceleration, e.g. for traction control
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- B60T—VEHICLE BRAKE CONTROL SYSTEMS OR PARTS THEREOF; BRAKE CONTROL SYSTEMS OR PARTS THEREOF, IN GENERAL; ARRANGEMENT OF BRAKING ELEMENTS ON VEHICLES IN GENERAL; PORTABLE DEVICES FOR PREVENTING UNWANTED MOVEMENT OF VEHICLES; VEHICLE MODIFICATIONS TO FACILITATE COOLING OF BRAKES
- B60T8/00—Arrangements for adjusting wheel-braking force to meet varying vehicular or ground-surface conditions, e.g. limiting or varying distribution of braking force
- B60T8/32—Arrangements for adjusting wheel-braking force to meet varying vehicular or ground-surface conditions, e.g. limiting or varying distribution of braking force responsive to a speed condition, e.g. acceleration or deceleration
- B60T8/321—Arrangements for adjusting wheel-braking force to meet varying vehicular or ground-surface conditions, e.g. limiting or varying distribution of braking force responsive to a speed condition, e.g. acceleration or deceleration deceleration
- B60T8/3215—Systems characterised by having means acting on components of the drive line, e.g. retarder, clutch or differential gear
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両のアンチスキッドブ
レーキ装置に関する。
レーキ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両のアンチスキッドブレーキ装置は、
基本的には、車輪が目標とする減速度で減速するよう
に、若しくは目標とするスリップ率で減速するように、
車輪に付与する制動圧を増減制御(以下、これを必要に
応じて単にABS制御という)することにより、制動時
における車輪のロックないしはスキッド状態の発生を防
止し、方向安定性を失わせずに車両を短い制動距離で停
止させるものである。この場合、上記ABS制御は、車
輪の減速度が所定の閾値を越えて大きくなったときに、
あるいは車輪速が車体速よりも大きく低下したときに、
開始されるのが通常である。
基本的には、車輪が目標とする減速度で減速するよう
に、若しくは目標とするスリップ率で減速するように、
車輪に付与する制動圧を増減制御(以下、これを必要に
応じて単にABS制御という)することにより、制動時
における車輪のロックないしはスキッド状態の発生を防
止し、方向安定性を失わせずに車両を短い制動距離で停
止させるものである。この場合、上記ABS制御は、車
輪の減速度が所定の閾値を越えて大きくなったときに、
あるいは車輪速が車体速よりも大きく低下したときに、
開始されるのが通常である。
【0003】上記制動圧の制御方式については種々の提
案があり、例えば、特開昭60−1061号公報には、
操舵角に応じて制御定数を変えることにより、制動効果
と操縦安定性との両立を図る技術についての開示があ
る。すなわち、このものは、操舵角が大きいときには制
動圧が低くなるようにして操縦性の向上を図り、操舵角
が小さいときには制動圧が高くなるようにして制動効果
を高めるものである。
案があり、例えば、特開昭60−1061号公報には、
操舵角に応じて制御定数を変えることにより、制動効果
と操縦安定性との両立を図る技術についての開示があ
る。すなわち、このものは、操舵角が大きいときには制
動圧が低くなるようにして操縦性の向上を図り、操舵角
が小さいときには制動圧が高くなるようにして制動効果
を高めるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ブレーキペ
ダルがスパイク踏みのように比較的早い速度で踏まれた
場合、車輪速は車体速に対し所定のスリップ率になるま
で大きな減速度で低下するが、その後は該低下が一旦緩
む。そして、ブレーキペダルの踏込を継続すると、上記
車輪速がさらに低下していくという現象を生ずることが
ある。このような現象を生ずるのは、車輪のスリップ率
が10〜20%になった時点で、車輪(タイヤ)と路面
との間の摩擦係数が最大になるからである(図2参
照)。つまり、スリップ率が10〜20%になるまで
は、車輪は路面からの摩擦力が小さい関係で車輪速が一
気に低下していき、上記スリップ率になった時点で路面
から大きな摩擦力が得られるため、車輪速の低下が一旦
緩むものである。
ダルがスパイク踏みのように比較的早い速度で踏まれた
場合、車輪速は車体速に対し所定のスリップ率になるま
で大きな減速度で低下するが、その後は該低下が一旦緩
む。そして、ブレーキペダルの踏込を継続すると、上記
車輪速がさらに低下していくという現象を生ずることが
ある。このような現象を生ずるのは、車輪のスリップ率
が10〜20%になった時点で、車輪(タイヤ)と路面
との間の摩擦係数が最大になるからである(図2参
照)。つまり、スリップ率が10〜20%になるまで
は、車輪は路面からの摩擦力が小さい関係で車輪速が一
気に低下していき、上記スリップ率になった時点で路面
から大きな摩擦力が得られるため、車輪速の低下が一旦
緩むものである。
【0005】しかして、上記車輪速の低下が一旦緩んだ
時点は、車両に最も大きな制動力が付与されている状態
であり、この時点では、まだABS制御を実行する必要
はない。この時点でABS制御が開始されると、車輪に
付与されている制動圧が減じられ、スリップ率の減少に
より大きな摩擦力が得られなくなる。すなわち、スリッ
プ率が大きくなっていく(路面からの摩擦力が小さくな
っていく)ときにABS制御が開始されることが望まし
い。
時点は、車両に最も大きな制動力が付与されている状態
であり、この時点では、まだABS制御を実行する必要
はない。この時点でABS制御が開始されると、車輪に
付与されている制動圧が減じられ、スリップ率の減少に
より大きな摩擦力が得られなくなる。すなわち、スリッ
プ率が大きくなっていく(路面からの摩擦力が小さくな
っていく)ときにABS制御が開始されることが望まし
い。
【0006】しかし、上記スリップ率10〜20%にな
るまでの車輪の減速度は例えば2.5G(重力加速度)
程度と比較的大きいのが通常である。従って、上記スリ
ップ率に至るまでのABS制御の実行を回避するには、
該制御の開始閾値を例えば3G程度にする必要がある。
だが、そうすると、今度は上記車輪速の低下が一旦緩ん
だ後、さらに車輪速が大きく低下していくとき、つまり
ABS制御の開始が必要になったとき、その減速度いか
んによってはABS制御の開始が遅れることになる。
るまでの車輪の減速度は例えば2.5G(重力加速度)
程度と比較的大きいのが通常である。従って、上記スリ
ップ率に至るまでのABS制御の実行を回避するには、
該制御の開始閾値を例えば3G程度にする必要がある。
だが、そうすると、今度は上記車輪速の低下が一旦緩ん
だ後、さらに車輪速が大きく低下していくとき、つまり
ABS制御の開始が必要になったとき、その減速度いか
んによってはABS制御の開始が遅れることになる。
【0007】すなわち、上述の制御開始閾値(車輪減速
度)を高い値に設定すると、上記ブレーキペダルのスパ
イク踏みでABS制御が開始されることは防止できる
が、その後のABS制御の開始応答性が悪くなり、逆
に、上記閾値を低い値に設定すると、上記応答性は良く
なるが、単なるスパイク踏みによって不必要に制御が開
始され易くなる。本発明は、かかる問題を解決しようと
するものである。
度)を高い値に設定すると、上記ブレーキペダルのスパ
イク踏みでABS制御が開始されることは防止できる
が、その後のABS制御の開始応答性が悪くなり、逆
に、上記閾値を低い値に設定すると、上記応答性は良く
なるが、単なるスパイク踏みによって不必要に制御が開
始され易くなる。本発明は、かかる問題を解決しようと
するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような課
題に対して、上記閾値を基本的には高い値に設定するよ
うにして上記スパイク踏みでのABS制御の開始を避
け、ブレーキがかけられて所定時間を経過したら、上記
閾値を低下させることにより、制御開始の応答性を高め
るものである。
題に対して、上記閾値を基本的には高い値に設定するよ
うにして上記スパイク踏みでのABS制御の開始を避
け、ブレーキがかけられて所定時間を経過したら、上記
閾値を低下させることにより、制御開始の応答性を高め
るものである。
【0009】すなわち、上記課題を解決する手段は、車
両の車輪速を検出する車輪速検出手段と、車輪の制動圧
を調節する制動圧調節手段と、上記車輪速検出手段によ
って検出される車輪速に基づき、制動開始から所定時間
を経過するまでの間に該車輪の減速度が第一の所定閾値
を越えて大きくなったときに、該車輪が目標とする減速
度で減速するよう若しくは目標とするスリップ率で減速
するように、上記制動圧調節手段の作動の制御を開始す
る一方、車輪に制動圧が付与され且つ該車輪の減速度が
上記第一の所定閾値を越えずに上記所定時間を経過した
後は、該車輪の減速度が上記第一の所定閾値よりも小さ
な値に設 定されている第二の所定閾値を越えたときに、
該車輪が目標とする減速度で減速するよう若しくは目標
とするスリップ率で減速するように、上記制動圧調節手
段の作動の制御を開始する制御手段とを備えていること
を特徴とするものである。
両の車輪速を検出する車輪速検出手段と、車輪の制動圧
を調節する制動圧調節手段と、上記車輪速検出手段によ
って検出される車輪速に基づき、制動開始から所定時間
を経過するまでの間に該車輪の減速度が第一の所定閾値
を越えて大きくなったときに、該車輪が目標とする減速
度で減速するよう若しくは目標とするスリップ率で減速
するように、上記制動圧調節手段の作動の制御を開始す
る一方、車輪に制動圧が付与され且つ該車輪の減速度が
上記第一の所定閾値を越えずに上記所定時間を経過した
後は、該車輪の減速度が上記第一の所定閾値よりも小さ
な値に設 定されている第二の所定閾値を越えたときに、
該車輪が目標とする減速度で減速するよう若しくは目標
とするスリップ率で減速するように、上記制動圧調節手
段の作動の制御を開始する制御手段とを備えていること
を特徴とするものである。
【0010】また、上記課題を解決する手段は、上記車
両のアンチスキッドブレーキ装置において、上記所定時
間が、制動時の上記車輪の減速度が大きいほど短い時間
になるように設定されていることを特徴とするものであ
る。
両のアンチスキッドブレーキ装置において、上記所定時
間が、制動時の上記車輪の減速度が大きいほど短い時間
になるように設定されていることを特徴とするものであ
る。
【0011】
【作用】上記手段においては、制動開始から所定時間を
経過するまでの間に車輪の減速度が第一の所定閾値を越
えて大きくなったときにABS制御を開始する一方、車
輪に制動圧が付与され且つ該車輪の減速度が第一の所定
閾値を越えずに上記所定時間を経過したときは、車輪の
減速度が上記第一の所定閾値よりも小さな第二の所定閾
値を越えたときに、ABS制御を開始するから、当初は
第一の所定閾値によって上述のスパイク踏みではABS
制御が開始されないようにし、その後、所定時間が経過
したときには、上記第二の所定閾値により比較的小さな
車輪減速度であっても、ABS制御を直ちに開始せしめ
ることができる。
経過するまでの間に車輪の減速度が第一の所定閾値を越
えて大きくなったときにABS制御を開始する一方、車
輪に制動圧が付与され且つ該車輪の減速度が第一の所定
閾値を越えずに上記所定時間を経過したときは、車輪の
減速度が上記第一の所定閾値よりも小さな第二の所定閾
値を越えたときに、ABS制御を開始するから、当初は
第一の所定閾値によって上述のスパイク踏みではABS
制御が開始されないようにし、その後、所定時間が経過
したときには、上記第二の所定閾値により比較的小さな
車輪減速度であっても、ABS制御を直ちに開始せしめ
ることができる。
【0012】すなわち、車輪に制動圧が付与された状態
が続いた場合、車輪速の減速により、当該車輪のスリッ
プ率は上述の路面から最大摩擦力が得られる程度まで大
きくなる。従って、その後は、車輪が比較的小さな減速
度で減速しても、当該車輪はロックしていくことにな
る。つまり、かかる状態では最早、上記スパイク踏みで
ABS制御が不必要に開始されてしまうという問題はな
く、閾値を高い第一の所定閾値にしておく必要はないも
のであり、かえって上記閾値を第二の所定閾値に下げる
ことにより、ABS制御に速やかに移行できるものであ
る。
が続いた場合、車輪速の減速により、当該車輪のスリッ
プ率は上述の路面から最大摩擦力が得られる程度まで大
きくなる。従って、その後は、車輪が比較的小さな減速
度で減速しても、当該車輪はロックしていくことにな
る。つまり、かかる状態では最早、上記スパイク踏みで
ABS制御が不必要に開始されてしまうという問題はな
く、閾値を高い第一の所定閾値にしておく必要はないも
のであり、かえって上記閾値を第二の所定閾値に下げる
ことにより、ABS制御に速やかに移行できるものであ
る。
【0013】また、車輪減速度が上記第一の所定閾値を
越えずに上記所定時間を経過することにより、ABS制
御が開始されていない場合にのみ、上記第二の所定閾値
が用 いられることになる。つまり、車輪減速度が第一の
所定閾値を越えることによってABS制御が開始された
場合には上記開始閾値が不必要に変更されることはな
い。
越えずに上記所定時間を経過することにより、ABS制
御が開始されていない場合にのみ、上記第二の所定閾値
が用 いられることになる。つまり、車輪減速度が第一の
所定閾値を越えることによってABS制御が開始された
場合には上記開始閾値が不必要に変更されることはな
い。
【0014】また、上記所定時間を、制動時の車輪減速
度が大きいほど短い時間になるように設定すれば、スパ
イク踏み後、直ぐにスリップ率が大きくなるような場合
にもABS制御を直ちに開始することができる。
度が大きいほど短い時間になるように設定すれば、スパ
イク踏み後、直ぐにスリップ率が大きくなるような場合
にもABS制御を直ちに開始することができる。
【0015】
【発明の効果】従って、本発明によれば、制動開始から
所定時間を経過するまでの間に車輪減速度が第一の所定
閾値を越えて大きくなったときにABS制御を開始する
一方、車輪減速度が第一の所定閾値を越えずに上記所定
時間を経過したときには、車輪減速度が上記第一の所定
閾値よりも小さな第二の所定閾値を越えたときにABS
制御を開始するようにしたから、上述のスパイク踏みで
不必要にABS制御が開始されてしまうことを防止しな
がら、車輪が実際にロックする傾向にあるときには車輪
減速度が小さい場合でもABS制御を直ちに開始せしめ
ることができるようになる。
所定時間を経過するまでの間に車輪減速度が第一の所定
閾値を越えて大きくなったときにABS制御を開始する
一方、車輪減速度が第一の所定閾値を越えずに上記所定
時間を経過したときには、車輪減速度が上記第一の所定
閾値よりも小さな第二の所定閾値を越えたときにABS
制御を開始するようにしたから、上述のスパイク踏みで
不必要にABS制御が開始されてしまうことを防止しな
がら、車輪が実際にロックする傾向にあるときには車輪
減速度が小さい場合でもABS制御を直ちに開始せしめ
ることができるようになる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
する。
【0017】<実施例の全体構成> 図1には実施例の全体構成が示されている。すなわち、
この実施例に係る車両は、左右の前輪11,12が従動
輪、左右の後輪13,14が駆動輪とされ、4気筒エン
ジン15の出力トルクが自動変速機16からプロペラシ
ャフト17、差動装置18及び左右の駆動軸19,20
を介して左右の後輪13,14に伝達されるように構成
されている。
この実施例に係る車両は、左右の前輪11,12が従動
輪、左右の後輪13,14が駆動輪とされ、4気筒エン
ジン15の出力トルクが自動変速機16からプロペラシ
ャフト17、差動装置18及び左右の駆動軸19,20
を介して左右の後輪13,14に伝達されるように構成
されている。
【0018】上記エンジン15には、車両の減速時に一
部の気筒に対する燃料の供給をカットして燃料消費率の
改善を図るEGI(電子制御式燃料噴射装置)による気
筒数制御システムが採用され、また、同様の目的から、
車両の減速時に自動変速機16のトルクコンバータのロ
ックアップ(入出力要素間の直結)を行なうロックアッ
プ制御システムが採用されている。また、エンジン15
の吸気通路にはスロットルバルブを迂回するバイパス通
路が設けられていて、該バイパス通路にエンジンのアイ
ドル回転数をコントロールするISCバルブが設けられ
ている。
部の気筒に対する燃料の供給をカットして燃料消費率の
改善を図るEGI(電子制御式燃料噴射装置)による気
筒数制御システムが採用され、また、同様の目的から、
車両の減速時に自動変速機16のトルクコンバータのロ
ックアップ(入出力要素間の直結)を行なうロックアッ
プ制御システムが採用されている。また、エンジン15
の吸気通路にはスロットルバルブを迂回するバイパス通
路が設けられていて、該バイパス通路にエンジンのアイ
ドル回転数をコントロールするISCバルブが設けられ
ている。
【0019】上記各車輪11〜14には、これらの車輪
と一体的に回転するディスク21a〜24aと、制動圧
の供給を受けてディスク21a〜24aの回転を制動す
るキャリパ21b〜24bとを備えたブレーキ装置21
〜24が設けられている。
と一体的に回転するディスク21a〜24aと、制動圧
の供給を受けてディスク21a〜24aの回転を制動す
るキャリパ21b〜24bとを備えたブレーキ装置21
〜24が設けられている。
【0020】上記ブレーキ装置21〜24を作動せしめ
るためのブレーキ制御システムは、運転者によるブレー
キペダル26の踏込力を増大させる倍力装置27と、こ
の倍力装置27によって増大された力に応じて制動圧を
発生させるマスターシリンダ28とを有する。マスター
シリンダ28から延設された前輪用制動圧供給ライン2
9は左前輪用制動圧供給ライン29aと右前輪用制動圧
供給ライン29bとに分岐し、各々ブレーキ装置21,
22のキャリパ21a,22bに接続されている。上記
左前輪用制動圧供給ライン29aには、電磁式開閉弁3
0aと電磁式リリーフ弁30bとからなる第1バルブユ
ニット30が設けられ、上記右前輪用制動圧供給ライン
29bには、電磁式開閉弁31aと電磁式リリーフ弁3
1bとからなる第2バルブユニット31が設けられてい
る。
るためのブレーキ制御システムは、運転者によるブレー
キペダル26の踏込力を増大させる倍力装置27と、こ
の倍力装置27によって増大された力に応じて制動圧を
発生させるマスターシリンダ28とを有する。マスター
シリンダ28から延設された前輪用制動圧供給ライン2
9は左前輪用制動圧供給ライン29aと右前輪用制動圧
供給ライン29bとに分岐し、各々ブレーキ装置21,
22のキャリパ21a,22bに接続されている。上記
左前輪用制動圧供給ライン29aには、電磁式開閉弁3
0aと電磁式リリーフ弁30bとからなる第1バルブユ
ニット30が設けられ、上記右前輪用制動圧供給ライン
29bには、電磁式開閉弁31aと電磁式リリーフ弁3
1bとからなる第2バルブユニット31が設けられてい
る。
【0021】上記マスターシリンダ28から延設された
後輪用制動圧供給ライン32には、電磁式開閉弁33a
と電磁式リリーフ弁33bとからなる第3バルブユニッ
ト33が設けられている。そして、この後輪用制動圧供
給ライン32は、上記第3バルブユニット33の下流側
で左後輪用制動圧供給ライン32aと右後輪用制動圧供
給ライン32bとに分岐し、各々ブレーキ装置23,2
4のキャリパ23a,24bに接続されている。
後輪用制動圧供給ライン32には、電磁式開閉弁33a
と電磁式リリーフ弁33bとからなる第3バルブユニッ
ト33が設けられている。そして、この後輪用制動圧供
給ライン32は、上記第3バルブユニット33の下流側
で左後輪用制動圧供給ライン32aと右後輪用制動圧供
給ライン32bとに分岐し、各々ブレーキ装置23,2
4のキャリパ23a,24bに接続されている。
【0022】すなわち、本実施例は、上記第1バルブユ
ニット30の作動によって左前輪11のブレーキ装置2
1の制動圧を調節する第1チャンネルと、上記第2バル
ブユニット31の作動によって右前輪12のブレーキ装
置22の制動圧を調節する第2チャンネルと、上記第3
バルブユニット33の作動によって左右の後輪13,1
4のブレーキ装置23,24の制動圧を調節する第3チ
ャンネルとを備え、これら各チャンネルは互いに独立し
て制御されるようになっている。そして、上記第1〜第
3のバルブユニット30,31,33が制動圧調節手段
を構成しているものである。
ニット30の作動によって左前輪11のブレーキ装置2
1の制動圧を調節する第1チャンネルと、上記第2バル
ブユニット31の作動によって右前輪12のブレーキ装
置22の制動圧を調節する第2チャンネルと、上記第3
バルブユニット33の作動によって左右の後輪13,1
4のブレーキ装置23,24の制動圧を調節する第3チ
ャンネルとを備え、これら各チャンネルは互いに独立し
て制御されるようになっている。そして、上記第1〜第
3のバルブユニット30,31,33が制動圧調節手段
を構成しているものである。
【0023】そして、上記車両は、上記第1〜第3のチ
ャンネルを制御する制御手段34を備えているととも
に、上記制御の開始を決定するための閾値を変更する開
始閾値変更手段41を備えている。
ャンネルを制御する制御手段34を備えているととも
に、上記制御の開始を決定するための閾値を変更する開
始閾値変更手段41を備えている。
【0024】<制御手段について> 上記制御手段34は、各車輪11〜14の速度を検出す
る車輪速検出手段としての車輪速センサ37〜40から
の車輪速信号が入力され、ABS制御を各チャンネル毎
に並行して行なう。すなわち、制御手段は、疑似車体速
設定手段と、制御閾値設定手段とを備え、上記各車輪1
1〜14の車輪速に基づいて疑似車体速Vr を設定し、
この疑似車体速Vr と各車輪速とに基いて車輪の加減速
度やスリップ率を求め、所定の制御閾値に従って上記バ
ルブユニット30,31,33により各車輪11〜14
の制動圧を増減制御するものである。
る車輪速検出手段としての車輪速センサ37〜40から
の車輪速信号が入力され、ABS制御を各チャンネル毎
に並行して行なう。すなわち、制御手段は、疑似車体速
設定手段と、制御閾値設定手段とを備え、上記各車輪1
1〜14の車輪速に基づいて疑似車体速Vr を設定し、
この疑似車体速Vr と各車輪速とに基いて車輪の加減速
度やスリップ率を求め、所定の制御閾値に従って上記バ
ルブユニット30,31,33により各車輪11〜14
の制動圧を増減制御するものである。
【0025】この場合、上記制御は、制御閾値と車輪の
加減速度やスリップ率との比較によってフェーズ0(A
BS非制御状態)、フェーズI(ABS制御時における
制動圧の減圧状態)、フェーズII(減圧後の保持状
態)、フェーズIII (減圧保持後の急増圧状態)及びフ
ェーズIV(急増圧後の緩増圧状態)からフェーズを選択
し、各フェーズに応じた制動圧制御信号を第1〜第3の
バルブユニット30,31,33に出力するようになっ
ている。すなわち、上記第1〜第3の各バルブユニット
30,31,33の開閉弁30a,31a,33aとリ
リーフ弁30b,31b,33bとをデューティ制御に
よって開閉することにより、制御が実行されるものであ
る。なお、上記リリーフ弁30b,31b,33bから
排出されたブレーキオイルは、図示しないドレンライン
によってマスターシリンダ28のリザーバタンクに戻さ
れる。
加減速度やスリップ率との比較によってフェーズ0(A
BS非制御状態)、フェーズI(ABS制御時における
制動圧の減圧状態)、フェーズII(減圧後の保持状
態)、フェーズIII (減圧保持後の急増圧状態)及びフ
ェーズIV(急増圧後の緩増圧状態)からフェーズを選択
し、各フェーズに応じた制動圧制御信号を第1〜第3の
バルブユニット30,31,33に出力するようになっ
ている。すなわち、上記第1〜第3の各バルブユニット
30,31,33の開閉弁30a,31a,33aとリ
リーフ弁30b,31b,33bとをデューティ制御に
よって開閉することにより、制御が実行されるものであ
る。なお、上記リリーフ弁30b,31b,33bから
排出されたブレーキオイルは、図示しないドレンライン
によってマスターシリンダ28のリザーバタンクに戻さ
れる。
【0026】上記疑似車体速Vr は、車輪11〜14が
スリップしているときの車体速度は正確に検出できない
ことから、便宜上の車体速度として設定されるものであ
る。
スリップしているときの車体速度は正確に検出できない
ことから、便宜上の車体速度として設定されるものであ
る。
【0027】すなわち、4輪11〜14のうちの最高車
輪速MaxVw が疑似車体速Vr と設定される一方、路面
の摩擦係数に応じて減速度が高摩擦係数における1.2 G
から低摩擦係数の0.3 Gまでの間で設定され、次の式
(1) で示すように最高車輪速MaxVw の減速度が上記減
速度よりも大きいときには、式(2) で示すように疑似車
体速Vr が設定される。なお、Δtはコントロールユニ
ットのサンプリング周期(例えば7ms)、Gは重力加速
度である。
輪速MaxVw が疑似車体速Vr と設定される一方、路面
の摩擦係数に応じて減速度が高摩擦係数における1.2 G
から低摩擦係数の0.3 Gまでの間で設定され、次の式
(1) で示すように最高車輪速MaxVw の減速度が上記減
速度よりも大きいときには、式(2) で示すように疑似車
体速Vr が設定される。なお、Δtはコントロールユニ
ットのサンプリング周期(例えば7ms)、Gは重力加速
度である。
【0028】 Vr −MaxVw >(1.2 G・Δt〜0.3 G・Δt)……(1) Vr ←Vr −(1.2 G・Δt〜0.3 G・Δt) ……(2) 制御閾値の設定は各チャンネル毎に独立して行われるも
のであり、制御閾値としては、以下のものがある。
のであり、制御閾値としては、以下のものがある。
【0029】 ABS制御開始閾値G1 ;フェーズ0からフェーズIへの移行判定用 車輪減速度閾値G2 ;フェーズIからフェーズIIへの移行判定用 第1スリップ率閾値S1 ;フェーズIIからフェーズIII への移行判定用 車輪加速度閾値G3 ;フェーズIII からフェーズIVへの移行判定用 第2スリップ率閾値S2 ;フェーズIVからフェーズIへの移行判定用 そして、上記制御閾値は、疑似車体速Vr 及び路面の摩
擦係数に応じ、図2に示すように、路面に対する車輪の
横抗力係数μL を過度に低くすることなく、路面と車輪
との間のμを高くできるように、つまりSs の範囲の特
性が得られるように設定される。すなわち、μが高いと
いうことは制動効率が高いということであり、横抗力係
数μL が高いということは、旋回走行での安定性ないし
は操舵性が良いということであるが、上記制動効率と旋
回走行性とは、図2からわかるように両立が難しい。よ
って、上記通常のABS制御ではこの両者ができるだけ
両立するように制御閾値が設定されるものである。
擦係数に応じ、図2に示すように、路面に対する車輪の
横抗力係数μL を過度に低くすることなく、路面と車輪
との間のμを高くできるように、つまりSs の範囲の特
性が得られるように設定される。すなわち、μが高いと
いうことは制動効率が高いということであり、横抗力係
数μL が高いということは、旋回走行での安定性ないし
は操舵性が良いということであるが、上記制動効率と旋
回走行性とは、図2からわかるように両立が難しい。よ
って、上記通常のABS制御ではこの両者ができるだけ
両立するように制御閾値が設定されるものである。
【0030】この場合、制御開始閾値G1 としては、車
輪減速度が採用されており、その閾値として高い第1減
速度閾値G1H(例えば3G)と低い第2減速度閾値G1L
(例えば2G)とがあり、ABS非制御状態においては
当初は上記第1減速度閾値G1Hが選択され、上述の開始
閾値変更手段41からの変更指令に基づいて第2減速度
閾値G1Lが選択されるものである。
輪減速度が採用されており、その閾値として高い第1減
速度閾値G1H(例えば3G)と低い第2減速度閾値G1L
(例えば2G)とがあり、ABS非制御状態においては
当初は上記第1減速度閾値G1Hが選択され、上述の開始
閾値変更手段41からの変更指令に基づいて第2減速度
閾値G1Lが選択されるものである。
【0031】また、路面のμの検出にあたっては、AB
S非制御時においては高摩擦路面と一律に判定し、AB
S制御に入った後は、車輪減速度と車輪加速度とに基い
て路面のμを検出するものである。すなわち、車輪減速
度が大きく車輪加速度が小さいとき低摩擦路面と判定
し、車輪減速度が小さく車輪加速度が大きいとき高摩擦
路面と判定し、その他のときは中摩擦路面と判定するも
のである。
S非制御時においては高摩擦路面と一律に判定し、AB
S制御に入った後は、車輪減速度と車輪加速度とに基い
て路面のμを検出するものである。すなわち、車輪減速
度が大きく車輪加速度が小さいとき低摩擦路面と判定
し、車輪減速度が小さく車輪加速度が大きいとき高摩擦
路面と判定し、その他のときは中摩擦路面と判定するも
のである。
【0032】車輪の減速度及び加速度は、車輪速の前回
値と今回値との差を上記サンプリング周期Δtで除算
し、その結果を重力加速度に換算して求められる。後輪
13,14の車輪速に関しては、両車輪速のうちの小さ
い方の車輪速が後輪車輪速として選択される。また、ス
リップ率は次式に従って算出される。
値と今回値との差を上記サンプリング周期Δtで除算
し、その結果を重力加速度に換算して求められる。後輪
13,14の車輪速に関しては、両車輪速のうちの小さ
い方の車輪速が後輪車輪速として選択される。また、ス
リップ率は次式に従って算出される。
【0033】 スリップ率=(1−車輪速÷疑似車体速)×100 <ABS制御開始閾値の変更について> 開始閾値変更手段41は、上記ブレーキペダル26が踏
込まれているときにオン信号を出力するブレーキセンサ
35からの出力と、上記車輪速センサ37〜40からの
車輪速信号とに基づいて、制御開始閾値の変更を判断す
る。すなわち、この変更の条件は、車輪11〜14に制
動圧が付与され、且つ該車輪が上記閾値を下回る減速度
で減速する状態が所定時間T(例えば70ms)継続す
ることである。そして、車輪11〜14に制動圧が付与
されているという条件は、上記ブレーキセンサ35の出
力に基づいて判断され、上記車輪減速度は、上記車輪速
センサ37〜40で検出される車輪速の変化に基づいて
判断される。また、上記開始閾値変更手段41は、上記
所定時間Tの経過により制御開始閾値の変更指令を出力
した後、ブレーキセンサ35からオフ信号を入力する
か、若しくは車輪減速度が所定値(例えば0.2G)未
満になったこと、ないしは車輪速の加速が検出されたと
きに、制御開始閾値の変更指令を解除する(制御開始閾
値は元に戻される)。
込まれているときにオン信号を出力するブレーキセンサ
35からの出力と、上記車輪速センサ37〜40からの
車輪速信号とに基づいて、制御開始閾値の変更を判断す
る。すなわち、この変更の条件は、車輪11〜14に制
動圧が付与され、且つ該車輪が上記閾値を下回る減速度
で減速する状態が所定時間T(例えば70ms)継続す
ることである。そして、車輪11〜14に制動圧が付与
されているという条件は、上記ブレーキセンサ35の出
力に基づいて判断され、上記車輪減速度は、上記車輪速
センサ37〜40で検出される車輪速の変化に基づいて
判断される。また、上記開始閾値変更手段41は、上記
所定時間Tの経過により制御開始閾値の変更指令を出力
した後、ブレーキセンサ35からオフ信号を入力する
か、若しくは車輪減速度が所定値(例えば0.2G)未
満になったこと、ないしは車輪速の加速が検出されたと
きに、制御開始閾値の変更指令を解除する(制御開始閾
値は元に戻される)。
【0034】図3には、上記開始閾値変更の流れが示さ
れている。すなわち、制御開始閾値G1 を第1減速度閾
値G1Hにした状態でスタートする。ブレーキ信号、車輪
速等のデータを入力し、ブレーキオンのとき、上述の所
定時間Tを計測するタイマがセットされていなければ
(F≠1)、タイマTをセットしF=1とする(ステッ
プS1〜S5)。そして、車輪減速度Gが上記高い減速
度閾値G1Hを下回る状態で時間Tを経過すると、上記開
始閾値変更手段41から上記制御手段34に開始閾値変
更信号が出力されて、第2減速度閾値G1Lが制御開始閾
値G1 とされる(ステップS6〜S8)。
れている。すなわち、制御開始閾値G1 を第1減速度閾
値G1Hにした状態でスタートする。ブレーキ信号、車輪
速等のデータを入力し、ブレーキオンのとき、上述の所
定時間Tを計測するタイマがセットされていなければ
(F≠1)、タイマTをセットしF=1とする(ステッ
プS1〜S5)。そして、車輪減速度Gが上記高い減速
度閾値G1Hを下回る状態で時間Tを経過すると、上記開
始閾値変更手段41から上記制御手段34に開始閾値変
更信号が出力されて、第2減速度閾値G1Lが制御開始閾
値G1 とされる(ステップS6〜S8)。
【0035】<ABS制御例> 従って、上記実施例においては、ブレーキペダル26の
スパイク踏みが行なわれた後、そのままブレーキペダル
26が踏まれた状態が継続されて車輪がロックする場合
は、例えば、図4に示すような制御になる。 すなわ
ち、定速走行状態からブレーキペダル26のスパイク踏
みが行なわれると、マスターシリンダ28で発生した制
動圧が急増する。これに伴い、車輪速は車輪のスリップ
率が10〜20%になるまでは、路面から受ける摩擦力
が小さい関係で比較的大きな減速度Gで減少していく。
しかし、制御開始閾値G1 は高い第1車輪減速度G1Hに
設定されているから、上記減速度Gが第2車輪減速度閾
値G1Lを越えるような大きなものであっても、ABS制
御は開始されない。 上記車輪速の低下は、車輪が上
記スリップ率になった時点で路面から大きな摩擦力が得
られるため、一旦緩む。そして、上記スパイク踏みから
所定時間Tを経過すると、制御開始閾値G1 は高い車輪
減速度G1Hから低い車輪減速度G1Lに変更される。
従って、その後、車輪のスリップ率が大きくなっていっ
た場合、そのときの車輪減速度Gが比較的小さなもので
あっても、制御開始閾値G1 が上記低い制御開始閾値G
1Lに設定されているから、この低い制御開始閾値G1Lを
越えてABS制御が開始されることになる。その場合、
制御手段34ではフェーズIが選択され、制動圧は所定
の減圧態様に従って減少される。 車輪減速度Gが第
2車輪減速度閾値G2よりも小さくなると、フェーズIIが
選択され、制動圧は減圧状態で保持される。 上記減
圧保持に伴ってスリップ率が減少し、第1スリップ率閾
値S1を越えると、フェーズIII が選択され、制動圧の急
増加が行われる。 上記急増圧により、車輪加速度が
減少し車輪加速度閾値G3以下になると、フェーズIVが選
択され、制動圧の緩増加が行われる。 上記緩増圧に
より、スリップ率が第2スリップ率閾値S2を越えると、
フェーズIが選択される。
スパイク踏みが行なわれた後、そのままブレーキペダル
26が踏まれた状態が継続されて車輪がロックする場合
は、例えば、図4に示すような制御になる。 すなわ
ち、定速走行状態からブレーキペダル26のスパイク踏
みが行なわれると、マスターシリンダ28で発生した制
動圧が急増する。これに伴い、車輪速は車輪のスリップ
率が10〜20%になるまでは、路面から受ける摩擦力
が小さい関係で比較的大きな減速度Gで減少していく。
しかし、制御開始閾値G1 は高い第1車輪減速度G1Hに
設定されているから、上記減速度Gが第2車輪減速度閾
値G1Lを越えるような大きなものであっても、ABS制
御は開始されない。 上記車輪速の低下は、車輪が上
記スリップ率になった時点で路面から大きな摩擦力が得
られるため、一旦緩む。そして、上記スパイク踏みから
所定時間Tを経過すると、制御開始閾値G1 は高い車輪
減速度G1Hから低い車輪減速度G1Lに変更される。
従って、その後、車輪のスリップ率が大きくなっていっ
た場合、そのときの車輪減速度Gが比較的小さなもので
あっても、制御開始閾値G1 が上記低い制御開始閾値G
1Lに設定されているから、この低い制御開始閾値G1Lを
越えてABS制御が開始されることになる。その場合、
制御手段34ではフェーズIが選択され、制動圧は所定
の減圧態様に従って減少される。 車輪減速度Gが第
2車輪減速度閾値G2よりも小さくなると、フェーズIIが
選択され、制動圧は減圧状態で保持される。 上記減
圧保持に伴ってスリップ率が減少し、第1スリップ率閾
値S1を越えると、フェーズIII が選択され、制動圧の急
増加が行われる。 上記急増圧により、車輪加速度が
減少し車輪加速度閾値G3以下になると、フェーズIVが選
択され、制動圧の緩増加が行われる。 上記緩増圧に
より、スリップ率が第2スリップ率閾値S2を越えると、
フェーズIが選択される。
【0036】以上の如くして、第1〜第3の各チャンネ
ルにつき、互いに独立して制動圧が増減制御されること
により、各車輪のロックないしはスキッド状態の発生を
防止し、方向安定性を失わせずに車両を短い制動距離で
停止させることになる。また、上記スパイク踏みがあっ
ても、ABS制御は直ちには開始されない、つまり直ち
には制動圧が減圧されないから、ブレーキの利きが一瞬
遅れたような違和感を受けることはなく、かえって大き
な摩擦力が得られるスリップ率10〜20%程度での走
行により、車両の制動性が向上する。また、その後に、
車輪のスリップ率がさらに上昇する場合には直ちにAB
S制御に入るから、上記ロックないしはスキッドの発生
を確実に防止することができるものである。もちろん、
上記スリップ率の上昇がなければ、ABS制御が開始さ
れないから、ABS制御を不必要に作動してしまうこと
がない。
ルにつき、互いに独立して制動圧が増減制御されること
により、各車輪のロックないしはスキッド状態の発生を
防止し、方向安定性を失わせずに車両を短い制動距離で
停止させることになる。また、上記スパイク踏みがあっ
ても、ABS制御は直ちには開始されない、つまり直ち
には制動圧が減圧されないから、ブレーキの利きが一瞬
遅れたような違和感を受けることはなく、かえって大き
な摩擦力が得られるスリップ率10〜20%程度での走
行により、車両の制動性が向上する。また、その後に、
車輪のスリップ率がさらに上昇する場合には直ちにAB
S制御に入るから、上記ロックないしはスキッドの発生
を確実に防止することができるものである。もちろん、
上記スリップ率の上昇がなければ、ABS制御が開始さ
れないから、ABS制御を不必要に作動してしまうこと
がない。
【0037】また、上記所定時間Tとして、70msを
例示したのは、車輪に制動圧が付与されているときに得
られる最小減速度0.2G程度の緩制動時に略70ms
を経過すると、車輪のスリップ率が10〜20%に達す
るからである。
例示したのは、車輪に制動圧が付与されているときに得
られる最小減速度0.2G程度の緩制動時に略70ms
を経過すると、車輪のスリップ率が10〜20%に達す
るからである。
【0038】従って、車両が例えば0.2G程度の車輪
減速度で上記所定時間Tを越える時間走行した場合に
も、最早、上記スリップ率が10〜20%に達している
から、上述の如く、制御開始閾値を低い車輪減速度G1L
に設定変更しても支障はないものである。
減速度で上記所定時間Tを越える時間走行した場合に
も、最早、上記スリップ率が10〜20%に達している
から、上述の如く、制御開始閾値を低い車輪減速度G1L
に設定変更しても支障はないものである。
【0039】また、以上から明らかなように、上記実施
例では車輪減速度Gの如何を問わず一律に設定された時
間Tを経過したら制御開始閾値を変更するようにした
が、車輪減速度が大きくなるにつれて上記時間Tが短く
なるような時間設定にすることは好ましいことである。
すなわち、そうすれば、スパイク踏み後、直ぐにスリッ
プ率が大きくなるような場合にもABS制御を直ちに開
始することができる。
例では車輪減速度Gの如何を問わず一律に設定された時
間Tを経過したら制御開始閾値を変更するようにした
が、車輪減速度が大きくなるにつれて上記時間Tが短く
なるような時間設定にすることは好ましいことである。
すなわち、そうすれば、スパイク踏み後、直ぐにスリッ
プ率が大きくなるような場合にもABS制御を直ちに開
始することができる。
【0040】なお、上記実施例においては、ブレーキセ
ンサ35の出力に基づいて制動圧が車輪に付与されてい
るか否かを判断するようにしたが、車輪減速度が所定値
(例えば0.2G)以上か否かをもって判断するように
してもよい。
ンサ35の出力に基づいて制動圧が車輪に付与されてい
るか否かを判断するようにしたが、車輪減速度が所定値
(例えば0.2G)以上か否かをもって判断するように
してもよい。
【0041】<ABS制御と燃料カット,ロックアッ
プ,ISCバルブとの関係) 通常の車両減速時には、上述の如く、燃料カット及びロ
ックアップの制御が実行されるが、ABS制御が実行さ
れる場合には、事情が異なる。すなわち、車両減速時に
おける上記燃料カット及びロックアップは後輪(駆動
輪)にエンジンブレーキをかける結果となり、該後輪は
スリップ気味になる。このときに、上記ABS制御が実
行されると、左右の前輪(従動輪)は別個独立に制御さ
れる関係で各々別個に間欠的なスリップを生ずることに
なる。しかし、後輪がエンジンブレーキでスリップ気味
にあるとき、左右の前輪の一方がスリップないしはロッ
ク気味になるということは、車両のスピンを防止する上
で不利になる。
プ,ISCバルブとの関係) 通常の車両減速時には、上述の如く、燃料カット及びロ
ックアップの制御が実行されるが、ABS制御が実行さ
れる場合には、事情が異なる。すなわち、車両減速時に
おける上記燃料カット及びロックアップは後輪(駆動
輪)にエンジンブレーキをかける結果となり、該後輪は
スリップ気味になる。このときに、上記ABS制御が実
行されると、左右の前輪(従動輪)は別個独立に制御さ
れる関係で各々別個に間欠的なスリップを生ずることに
なる。しかし、後輪がエンジンブレーキでスリップ気味
にあるとき、左右の前輪の一方がスリップないしはロッ
ク気味になるということは、車両のスピンを防止する上
で不利になる。
【0042】そこで、本実施例では、ABS制御が開始
された場合、上記制御手段34から気筒数制御システム
に燃料カット禁止指令を出し、且つロックアップ制御シ
ステムにロックアップ禁止指令を出すとともに、ISC
バルブに開動指令を出すようにしている。これにより、
後輪にエンジンブレーキが作用することが防止されると
ともに、ISCバルブの開放により後輪の駆動力が高く
なり、後輪の制動圧を過度のスリップが生じないように
制御することができ、上記車両のスピン防止することが
できる。
された場合、上記制御手段34から気筒数制御システム
に燃料カット禁止指令を出し、且つロックアップ制御シ
ステムにロックアップ禁止指令を出すとともに、ISC
バルブに開動指令を出すようにしている。これにより、
後輪にエンジンブレーキが作用することが防止されると
ともに、ISCバルブの開放により後輪の駆動力が高く
なり、後輪の制動圧を過度のスリップが生じないように
制御することができ、上記車両のスピン防止することが
できる。
【0043】この場合、ABS制御に入ったときに、自
動変速機16をニュートラル状態にすること、並びにシ
フトアップを行なうことも、上記エンジンブレーキの問
題が生ずることを回避する上で有効である。また、上記
燃料カットの禁止は、ABS制御で制動圧の減圧若しく
は減圧状態での保持がなされる時(前輪がロック傾向に
ある時)のみに行なうようにしてもよい。
動変速機16をニュートラル状態にすること、並びにシ
フトアップを行なうことも、上記エンジンブレーキの問
題が生ずることを回避する上で有効である。また、上記
燃料カットの禁止は、ABS制御で制動圧の減圧若しく
は減圧状態での保持がなされる時(前輪がロック傾向に
ある時)のみに行なうようにしてもよい。
【図1】実施例のアンチスキッドブレーキ装置の全体構
成図
成図
【図2】スリップ率と摩擦係数、横抗力係数との関係を
示す特性図
示す特性図
【図3】制御開始閾値の変更処理を示すフロー図
【図4】ABS制御のタイムチャート図
11〜14……車輪 21〜24……ブレーキ装置 26……ブレーキペダル 30,31,33……バルブユニット(制動圧調節手
段) 34……制御手段 35……ブレーキセンサ 37〜40……車輪速センサ 41……開始閾値変更手段
段) 34……制御手段 35……ブレーキセンサ 37〜40……車輪速センサ 41……開始閾値変更手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60T 8/58 B60T 8/72
Claims (2)
- 【請求項1】車両の車輪速を検出する車輪速検出手段
と、 車輪の制動圧を調節する制動圧調節手段と、 上記車輪速検出手段によって検出される車輪速に基づ
き、制動開始から所定時間を経過するまでの間に該車輪
の減速度が第一の所定閾値を越えて大きくなったとき
に、該車輪が目標とする減速度で減速するよう若しくは
目標とするスリップ率で減速するように、上記制動圧調
節手段の作動の制御を開始する一方、車輪に制動圧が付
与され且つ該車輪の減速度が上記第一の所定閾値を越え
ずに上記所定時間を経過した後は、該車輪の減速度が上
記第一の所定閾値よりも小さな値に設定されている第二
の所定閾値を越えたときに、該車輪が目標とする減速度
で減速するよう若しくは目標とするスリップ率で減速す
るように、上記制動圧調節手段の作動の制御を開始する
制御手段とを備えていることを特徴とする車両のアンチ
スキッドブレーキ装置。 - 【請求項2】請求項1に記載されている車両のアンチス
キッドブレーキ装置において、 上記所定時間が、制動時の上記車輪の減速度が大きいほ
ど短い時間になるように設定されていることを特徴とす
る車両のアンチスキッドブレーキ装置。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24599891A JP3207463B2 (ja) | 1991-09-25 | 1991-09-25 | 車両のアンチスキッドブレーキ装置 |
US07/949,151 US5257857A (en) | 1991-09-25 | 1992-09-23 | Antiskid brake system for vehicle |
KR1019920017385A KR950014358B1 (ko) | 1991-09-25 | 1992-09-24 | 차량의 앤티스키드 브레이크 장치 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24599891A JP3207463B2 (ja) | 1991-09-25 | 1991-09-25 | 車両のアンチスキッドブレーキ装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0585334A JPH0585334A (ja) | 1993-04-06 |
JP3207463B2 true JP3207463B2 (ja) | 2001-09-10 |
Family
ID=17141948
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24599891A Expired - Fee Related JP3207463B2 (ja) | 1991-09-25 | 1991-09-25 | 車両のアンチスキッドブレーキ装置 |
Country Status (3)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US5257857A (ja) |
JP (1) | JP3207463B2 (ja) |
KR (1) | KR950014358B1 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8793974B2 (en) * | 2009-04-30 | 2014-08-05 | Kubota Corporation | Exhaust gas treatment device of diesel engine |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5583772A (en) * | 1993-01-18 | 1996-12-10 | Tokico Ltd | Evaluation and control method and apparatus for vehicle operation of antiskid control device |
US5645328A (en) * | 1994-09-09 | 1997-07-08 | Kelsey-Hayes Company | Early activation recovery control method and system for vehicle anti-lock brake system |
JPH0885431A (ja) * | 1994-09-20 | 1996-04-02 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 車両の制動力制御装置 |
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