JP3207429B2 - 蛋白質の修飾方法 - Google Patents

蛋白質の修飾方法

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JP3207429B2
JP3207429B2 JP50792696A JP50792696A JP3207429B2 JP 3207429 B2 JP3207429 B2 JP 3207429B2 JP 50792696 A JP50792696 A JP 50792696A JP 50792696 A JP50792696 A JP 50792696A JP 3207429 B2 JP3207429 B2 JP 3207429B2
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晴哉 佐藤
敬司 山本
幸吉 鈴木
政浩 池田
昌浩 阪上
谷口  誠
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株式会社ディ・ディ・エス研究所
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
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    • C07K14/55IL-2
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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    • C12PFERMENTATION OR ENZYME-USING PROCESSES TO SYNTHESISE A DESIRED CHEMICAL COMPOUND OR COMPOSITION OR TO SEPARATE OPTICAL ISOMERS FROM A RACEMIC MIXTURE
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Description

【発明の詳細な説明】 (技術分野) 本発明は、生理活性蛋白質のN−末端側またはC−末
端あるいはアミノ酸配列中にペプチドがアミド結合して
なる融合蛋白質のペプチド部分のグルタミン(Gln)残
基の修飾方法、より詳しくは、生理活性蛋白質中のGln
残基を選択的にポリエチレングリコールまたは多糖、ポ
リアミノ酸もしくは分枝型糖誘導体で修飾する方法に関
する。
(背景技術) 昨今、多くの生理活性蛋白質が医薬として用いられあ
るいは用いられようとしている。これらの生理活性蛋白
質は、何れも、人を含む動物体内に投与されたときに体
内で容易に代謝、分解あるいは排泄され、その結果血中
滞留時間が短く、さらに標的指向性が低い為、患部に必
要な量かつ必要な時間蓄積しないという問題がある。
この問題を解決するために、今迄多くの試みがなされ
ている。例えば、Karteらの報告(Proc.Natl.Acad.Sci.
USA,84(1987),pp.1487−1491)に記載されているよう
に、生理活性蛋白質をポリエチレングリコールで化学的
に修飾する方法がある。
しかし、これらの化学的修飾方法は、何れも、蛋白質
の特定位置を修飾したりあるいは修飾の程度を厳密に制
御するのは困難であった。例えば、ポリエチレングリコ
ールで修飾するとき、ポリエチレングリコールは主に蛋
白質中のリジン残基のε位のアミノ基に導入されるが、
リジン残基は蛋白質中複数個あることが多く、従って複
数のリジン残基にポリエチレングリコールが導入された
り導入されなかったりすることがある。この結果、ある
ときは蛋白質が持っていた生理活性を失い、あるいは医
薬としての品質のコントロールが困難であった。
従って、生理活性蛋白質をポリエチレングリコール、
多糖等の修飾剤で修飾するに際し、生理活性蛋白質の特
定位置を修飾したり或いは修飾の程度を厳密に制御でき
る方法の開発が期待されている。
(発明の開示) 本発明者は、分子量5×103〜2×105の範囲であって
少なくとも1個のトランスグルタミナーゼの作用を受け
るグルタミン残基を有する生理活性蛋白質とアミノ供与
体とを、トランスグルタミナーゼの存在下に反応せしめ
て、該グルタミン残基のγ−カルボキシアミド基と該ア
ミノ基供与体の一級アミノ基との間のアミド結合を形成
せしめることにより、生理活性蛋白質をポリエチレング
リコール、多糖、ポリアミノ酸または分枝型糖誘導体で
位置選択的に修飾したり或いは修飾量を厳密に制御でき
ることを見出し、このような知見に基いて本発明を完成
した。
すなわち、本発明は、分子量5×103〜2×105の範囲
であって少なくとも1個のグルタミン残基を有する生理
活性蛋白質と下記一般式(I)〜(IV)のいずれかによ
り示されるアミノ基供与体またはアルキルアミンを導入
した多糖もしくはその修飾体とを、トランスグルタミナ
ーゼの存在下に反応せしめて、該グルタミン残基のγ−
カルボキシアミド基と該アミノ基供与体の一級アミノ基
との間のアミド結合を形成せしめることを特徴とする蛋
白質の修飾方法に関する。
NH2(CH2)nT(CH2)m(OCH2CH2)pOR (I) NH2(CH2)nT(CH2)m(OCH2CH2)pT(CH2)nNH2 (II) ただし、上記一般式(I)および(II)中、nは1〜
8の整数であり、mは0〜2の整数であり、pは1〜40
0の整数であり、Tは結合−O−、−C(O)O−、−O
C(O)−、−NHCO−、−OCNH−、−NHCONH−、−OOCNH
−または−HNCOO−であり、そしてRは水素原子、炭素
原子数1〜5の低級アルキル基または炭素原子数2〜6
の低級アシル基である。
ただし、上記一般式(III)中、nは1〜8の整数で
あり、qは2〜6の整数であり、そしてRはガラクトー
ス、グルコースまたはN−アセチルガラクトサミンであ
る。
H2N−(CH2−NH−CO−T′ (IV) ただし、上記一般式(IV)中、nは1〜8の整数であ
り、そしてT′はポリアミノ酸の末端カルボキシル基を
除く残基である。ここで、ポリアミノ酸の構成アミノ酸
としてはいずれでもよいが、酸性または塩基性アミノ酸
が溶解性の見地から好ましい。また、アミノ酸重合度は
1〜400が好ましい。
アルキルアミンを導入した多糖またはその修飾体は、
多糖の還元末端を下記一般式(1)で表される化合物ま
たはその塩(塩酸塩など)の存在下に還元アミノ化し、
次いで保護基Vを脱離せしめて得られる化合物である。
V−NH−(CH2−NH2 (1) ただし、上記一般式(1)中、nは1〜8の整数であ
り、そしてVは一般的にアミノ基の保護に使われる保護
基で、例えば、Fmoc(9H−Fluoren−9−ylmethoxycarb
onyl)を挙げることができる。
多糖は、例えば、プルラン、デキストラン、デキスト
ラン硫酸、コンドロイチン硫酸等及びこれらをカルボキ
シメチル化したものであって、分子量1×103から1×1
05ダルトンのものである。
アルキルアミンを導入した多糖またはその修飾体の製
造方法は、例えば、多糖またはカルボキシメチル化した
多糖を酢酸−水−DMFの混合溶液または水の単独溶媒中
に溶解させ、多糖に対し約10〜1000倍当量、より好まし
くは約100倍当量の上記一般式(1)に示す化合物と還
元剤、例えば水素化シアノホウ素ナトリウムを順次加
え、室温〜80℃、より好ましくは50〜70℃で、1〜3日
間反応させた後アミノ基の保護基をアルカリ、例えばジ
エチルアミンまたは0.1N NaOH溶液で脱離することによ
り得られる。
さらに、前記生理活性蛋白質は、分子量5×103以上
であり、かつ該蛋白質10μMと該生理活性蛋白質に対し
100倍当量のモノダンシルカダベルンとを10mM CaCl2
含みかつpH7.5の100mMトリス−塩酸緩衝液中で前記トラ
ンスグルタミナーゼの存在下に37℃で60分間保持したと
きにダンシルカダベリンが導入されるものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の方法によりポリエチレングリコール、多糖、
ポリアミノ酸または分枝型糖誘導体によって修飾すべき
生理活性蛋白質としては、アルブミン、イムノグロブリ
ン、血液凝固因子などのヒト血漿成分;スーパーオキサ
イドディスムターゼ、ウロキナーゼなどの酵素;成長ホ
ルモン、エルスロポイエチンなどのホルモン;細胞増
殖、抑制などの細胞増殖調節因子;細胞分化、誘導、刺
激などの免疫反応調節因子;モノカイン、サイトカイ
ン、リンホカインなどの細胞産生生物学的活性蛋白;等
を広く挙げることができる。これらの生理活性蛋白質
は、その由来を問わず、動物由来のものであっても、植
物由来のものであっても、微生物由来のものであっても
よい。また、大腸菌、酵母、チャイニーズハムスター、
オバリー等にこれら蛋白質の遺伝子を組み込み発現させ
て生産された蛋白質であってもよい。
生理活性蛋白質は、分子量が5×103より小さい場合
にはリジン残基等が少なく、化学的な修飾方法であって
も修飾量、修飾位置等がある程度制御できる。よって、
分子量5×103以上の生理活性蛋白質が本発明の方法の
効果がよりよく発揮できる。また、本発明の生理活性蛋
白質は、分子中に少なくとも1個、望ましくは1〜2個
のトランスグルタミナーゼの作用を受けるグルタミン残
基を有するものである。分子中のグルタミン残基がトラ
ンスグルタミナーゼの作用を受けるかどうかは、次のよ
うにして調べる。生理活性蛋白質10μMと生理活性蛋白
質に対し100倍当量のモノダンシルカダベリンとを10mM
CaCl2を含みかつpH7.5の100mMトリス−塩酸緩衝液中
でトランスグルタミナーゼの存在下に37℃で60分間保持
する。ダンシルカダベリンが導入されたか否かは、逆相
HPLCによる分析により蛋白質由来のピークが蛍光吸収を
もつことにより確認することができる。
本発明の方法において使用されるトランスグルタミナ
ーゼは、その由来を問わず、動物の諸組織由来のもの、
血漿成分由来のもの、あるいは微生物由来のものであっ
てもよい。
蛋白質及びペプチド鎖中のグルタミン(Gln)残基の
γ−カルボキシアミド基とリジン(Lys)残基のε−ア
ミノ基あるいは各種アルキルアミン間のアシル転位反応
を触媒する酵素であるトランスグルタミナーゼは、動物
の諸組織、血液細胞、及び血漿等に広く分布し、種々の
分子形態をとっている。本酵素は生体内においてペプチ
ド鎖間(内)のε−(γ−グルタミル)リジン−イソペ
プチド結合による架橋形成反応を触媒し、血液凝固の最
終ステップであるフィブリン分子の架橋化を行う一方、
表皮細胞の角質化、精液凝固及び創傷組織の治癒等への
関与が示されている。このトランスグルタミナーゼはGl
n残基に対する基質特異性が極めて高いことから、蛋白
質中の特定のGln残基のみをアルキルアミンにより修飾
できる可能性があった。例えば、モルモット肝由来のト
ランスグルタミナーゼ(TGase)を用い、糖類ユニット
を末端に有したアルキルアミンをβ−カゼイン中の特定
のGln残基に導入した(Yan,S.C.B.et al.,(1984)Bioc
hemistry,23,3759−3765)。また、血漿中に存在するト
ランスグルタミナーゼである血液凝固XIII因子(Factor
XIII)を用い、低分子のスペルミン誘導体をアポリポ
プロテインB中のGln残基に導入している(Cocuzzi,E.e
t al.,(1990)Biochem.J.,265,707−713)。このよう
にトランスグルタミナーゼを用いた応用は、基質となる
Gln残基を既に有している蛋白質に低分子のアルキルア
ミン誘導体を導入するのみであり、PEG等の合成高分子
化合物の導入は行われていなかった。
蛋白質がトランスグルタミナーゼの作用を受けるグル
タミン残基を有しない場合には、トランスグルタミナー
ゼの作用を受けるグルタミン残基を1〜2個、より望ま
しくは1個有するペプチドとこの蛋白質との融合蛋白質
を得ることにより、前記蛋白質にグルタミン残基を導入
することができる。この場合、ペプチド融合前の蛋白質
の分子量は、分子量5×103〜2×105の範囲である。ま
た、生理活性を有するものでなければならない。
なお、生理活性蛋白質は、副反応を最小限に抑えるた
めに、より精製するのが望ましい。
上記ペプチドは、α−L−アミノ酸残基3〜20個より
なり、N−末端より2番目以降かつC−末端より2番目
以前にグルタミンを有し、かつ該ペプチド10μMと該ペ
プチドに対し100倍当量のモノダンシルカダベルンとを1
0mM CaCl2を含みかつpH7.5の100mMトリス−塩酸緩衝液
中で前記トランスグルタミナーゼの存在下に37℃で60分
間保持したときにダンシルカダベリンが導入されるもの
である。
本発明者の知見によれば、このような条件でダンシル
カダベリンの導入されるペプチドは、前記一般式(I)
〜(IV)のいずれかによって表わされるアミノ基供与体
ならびにアルキルアミンを導入した多糖およびその修飾
体とトランスグルタミナーゼによって反応し、またこの
ような条件でダンシルカダベリンの導入されないペプチ
ドは、このようアミノ基供与体とは同じ酵素によって反
応しない。
ペプチドのアミノ酸残基数は3以上は必要であるが、
あまり多いと蛋白質の性質に影響を与えることがあり、
また合成が煩雑である。
これらペプチドの具体例としては、下記第1表に示す
ものがあげられる。
なお、第1表における略号の意味は、下記第2表に示
す。
上記ペプチド中のN末端側から10残基目に示したグル
タミン残基がトランスグルタミナーゼに対する基質とな
るものである。上記ペプチド中N−末端またはC−末端
側よりアミノ酸残基を除去したものでもよく、20残基に
満たないものについては新たにアミノ酸残基が付加した
ものでもよい。さらに、トランスグルタミナーゼに対す
るグルタミン残基の基質としての反応性が大きく変わら
ない場合には、上記ペプチド中のアミノ酸を他のアミノ
酸に置換してもよい。
前記蛋白質と前記ペプチドとからなる融合蛋白質の調
製方法は、同蛋白質のN−末端もしくはC−末端または
蛋白質のアミノ酸配列中に同ペプチドを導入する。ペプ
チドを蛋白質に導入する方法は、対応するDNAを調製し
て微生物ホストに同DNAを発現させるのが簡便である。
具体的には、以下のようにして製造される融合蛋白が
あげられる。
N−末端に導入する例としては、実施例1〜6に示し
たようにヒトインターロイキン−2(hIL−2)の発現
用プラスミドpT13SNCoを用いて(N.Tonouchi et al.,
J.Biochem.,104,30〜34(1988))、制限酵素Cla I、Nc
o Iで切断し、第1表に示したペプチド由来の合成DNAと
をライトゲーションさせる。得られたプラスミドを大腸
菌株へ導入することによりN−末端にGln残基を含むペ
プチドを導入した融合蛋白質を生産させる。
C−末端に導入する例としては、井上らのヒトスーパ
ーオキサイドディスムターゼ(SOD)における融合蛋白
質構築法(M.Inoue et al.,FEBS LETTERS(1990)269,
1,89〜92)により可能である。即ち、SOD発現用プラス
ミドpBRSODを制限酵素BamH I及びSal Iで切断し、第1
表に示したペプチドのうち、例えばMet−Lys−Pro−Gln
−Gln−Phe−Phe−Gly−Ler由来の合成DNAとをライゲー
ションさせる。得られたプラスミド酵母株へ導入するこ
とによりSODのC−末端にGln残基を含むペプチドを導入
した融合蛋白質を生産させる。
アミノ酸配列中に導入する例としては、例えばhIL−
2のN−末端アミノ酸5残基をAla−Pro−Tyr−Ser−Se
rからLys−Pro−Gln−Gln−Pheとなるようにプラスミド
中のDNAシークエンスを置き換えた発現用プラスミドを
構築する。次に得られたプラスミドを大腸菌株へ導入す
ることにより、hIL−2のN−末端アミノ酸5残基がGln
残基を含むペプチドをアミノ酸配列中に導入した融合蛋
白質を生産させる。
DNAの導入により用いられるベクターは、特に制限が
なく今まで知られている何れも用いることができよう。
例えば、以下のものがあげられる。すなわち、ベクター
(ストリンゼント型:pSC101,pRK353,pRK646,pRK248,pDF
41など)、およびEKタイププラスミドベクター(リラッ
クスドタイプ:ColE1,pVH51,pAC105,RSF2124,pCR1,pMB9,
pBR313,pBR322,pBR324,pBR325,pBR327,pBR328,pKY2289,
pKY2700,pKN80,pKC7,pKB158,pMK2004,pACYC1,pACYC184,
dulなど)、λgtタイプファージベクター(λgt,λc,λ
gt,λB,λWES,λC,λWES,λB,λZJvir.,λB,λALOB,
λWES,Ts622Damなど)等が含まれる。
これらベクターのホストも、同じように制限がなく、
細菌、酵母などが用いられるが、取り分けよく知られて
いるように大腸菌がよく研究され、使用に便利である。
ポリエチレングリコール誘導体からなるアミノ基供与
体は、前記一般式(I)または(II)で示される化合物
である。これらアミノ基供与体を得るには、以下のよう
に特別な方法を要しない。
まず、一般式(I)で表わされる化合物の合成は、例
えば、次のようにして行なうことができる。
すなわち、結合Tが酸アミド結合である場合、アミノ
基(Ta)を有するアルキルアミンとカルボキシル基(T
b)を有するメトキシポリエチレングリコールとを、ま
たはTa及びTbとの関係が逆である両化合物を、脱水縮合
条件下、具体的には反応に関与しない溶媒(例えば、ア
セトニトリル、ジメチルホルムアミド、塩化メチレン、
塩化エチレンなど)中で、適当な触媒(例えば、N−ヒ
ドロキシスクシンイミド、N,N′−ジシクロヘキシルカ
ルボジイミド、1−ヒドロキシベンゾトリアゾールな
ど)の存在下、0℃〜室温の反応温度で1〜24時間反応
させて得ることができる。
また、結合Tがエステル結合である場合、水酸基(T
a)を有するアルキルアミンとカルボキシル基(Tb)を
有するメトキシポリエチレングリコールとを、またはTa
及びTbとの関係が逆である両化合物を、脱水縮合条件
下、具体的には反応に関与しない溶媒(例えば、アセト
ニトリル、ジメチルホルムアミド、塩化メチレン、塩化
エチレンなど)中で適当な触媒(例えば、N−ヒドロキ
シスクシンイミド、N,N′−ジシクロヘキシルカルボジ
イミド、1−ヒドロキシベンゾトリアゾールなど)の存
在下、0℃〜室温の反応温度で1〜24時間反応させて得
ることができる。
また、結合Tがエーテルである場合、ハロゲン原子ま
たはo−トリス基(Ta)を有するアルキルアミンと水酸
基(Tb)を有するメトキシポリエチレングリコールを水
素化ナトリウム、水素化カリウムなどのヒドリド試薬で
処理したものとを、またはTa及びTbとの関係が逆である
両化合物を、反応に関与しない溶媒(例えば、ジメチル
ホルムアミド、テトラヒドロフランなど)中で、室温〜
100℃の反応温度で1〜48時間反応させて得ることがで
きる。
さらにまた、結合Tがウレタン結合である場合、アミ
ノ基(Ta)を有するアルキルアミンと水酸基(Tb)を有
するメトキシポリエチレングリコールを常法(例えば、
1,1−カルボニルジイミダゾールで処理する)に従いイ
ソシアナート化したものとを、またはTa及びTbとの関係
が逆である両化合物を、反応に関与しない溶媒(例え
ば、エーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン
など)の中で、適当な触媒(例えば、トリエチルアミ
ン、炭酸水素ナトリウムなどの塩基)の存在下、0℃〜
室温の反応温度で0.5〜24時間反応させて得ることがで
きる。
次に、一般式(II)で表される化合物の合成は、例え
ば次のようにして行なうことができる。
すなわち、結合Tが酸アミド結合である場合、アミノ
基(Ta)を有するアルキルアミンとカルボキシル基(T
b)を有するポリエチレングリコールとを、またはTa及
びTbとの関係が逆である両化合物を、脱水縮合条件下、
具体的には反応に関与しない溶媒(例えば、アセトニト
リル、ジメチルホルムアミド、塩化メチレン、塩化エチ
レンなど)中で、適当な触媒(例えば、N−ヒドロキシ
スクシンイミド、N,N′−ジシクロヘキシルカルボジイ
ミド、1−ヒドロキシベンゾトリアゾールなど)の存在
下、0℃〜室温の反応温度で1〜24時間反応させて得る
ことができる。
また、結合Tがエステル結合である場合、水酸基(T
a)を有するアルキルアミンとカルボキシル基(Tb)を
有するポリエチレングリコールとを、またはTa及びTbと
の関係が逆である両化合物を、脱水縮合条件下、具体的
には反応に関与しない溶媒(例えば、アセトニトリル、
ジメチルホルムアミド、塩化メチレン、塩化エチレンな
ど)中で適当な触媒(例えば、N−ヒドロキシスクシン
イミド、N,N′−ジシクロヘキシルカルボジイミド、1
−ヒドロキシベンゾトリアゾールなど)の存在下、0℃
〜室温の反応温度で1〜24時間反応させて得ることがで
きる。
また、結合Tがエーテル結合である場合、ハロゲン原
子またはo−トシル基(Ta)を有するアルキルアミンと
水酸基(Tb)を有するポリエチレングリコールを水素化
ナトリウム、水素化カリウムなどのヒドリド試薬で処理
したものとを、またはTa及びTbとの関係が逆である両化
合物を、反応に関与しない溶媒(例えば、ジメチルホル
ムアミド、テトラヒドロフランなど)中で、室温〜100
℃の反応温度で1〜48時間反応させて得ることができ
る。
さらにまた、結合Tがウレタン結合である場合、アミ
ノ基(Ta)を有するアルキルアミンと水酸基(Tb)を有
するポリエチレングリコールを常法(例えば、1,1−カ
ルボニルジイミダゾールで処理する)に従いイソシアナ
ート化したものとを、またはTa及びTbとの関係が逆であ
る両化合物を、反応に関与しない溶媒(例えば、エーテ
ル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンなど)の中
で、適当な触媒(例えば、トリエチルアミン、炭酸水素
ナトリウムなどの塩基)の存在下、0℃〜室温の反応温
度で0.5〜24時間反応させて得ることができる。
次に、一般式(III)で表される化合物の合成は、例
えば次のようにして行なうことができる。
即ち、特開平5−202085における方法に従ってグルタ
ミン酸を利用した分枝型骨格構造を構築し、そのカルボ
キシル基と糖の水酸基をアセチル基で保護したトリエチ
レングリコールアミン誘導体のアミノ基とを、脱水縮合
条件下、具体的には反応に関与しない溶媒(例えば、ア
セトニトリル、ジメチルホルムアミド、塩化メチレン、
塩化エチレン等)中で、適当な触媒(例えば、N−ヒド
ロキシスクシンイミド、N,N′−ジシクロヘキシルカル
ボジイミド、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール等)の
存在下、0℃〜室温の反応温度で1〜24時間反応させた
後、脱保護することにより得ることができる。
次に、一般式(IV)で表される化合物の合成は、例え
ば次のようにして行なうことができる。
即ち、ホモポリペプチド重合法であるα−アミノ酸−
N−カルボン酸無水物(以下、NCAと略す)法により、
アミノ酸NCAを不活性溶媒(ジオキサン、テトラヒドロ
フラン、ベンゼン、ニトロベンゼン、ジクロロエタン、
ジメチルホルムアミド等)中で、一方のアミノ基をZ基
で保護したアルキルジアミン化合物を開始剤として反応
を行わせることにより得ることができる。開始剤の濃度
をコントロールすることにより平均鎖長が決まる。
最後に、アルキルアミンを導入した多糖およびその修
飾体の合成は、例えば次のようにして行なうことができ
る。
即ち、M.Yalpaniらのデキストランにおける還元末端
の選択的修飾方法(J.Polym.Sci.Polym.Chem.,23,1395
〜1405(1985))を参考に平均分子量1KDaから100KDaの
デキストラン、プルラン、デキストラン硫酸、コンドロ
イチン硫酸等の多糖、あるいは一部の水酸基の水素原子
がカルボキシC1〜C4アルキル基で置換された修飾体を適
当な溶媒(0.1%酢酸溶液、あるいはジメチルホルムア
ミドとの混合溶媒等)中で、一方のアミノ基をFmoc基で
保護したアルキルジアミン化合物と水素化シアノホウ素
ナトリウムとを多糖に対し過剰量加え、室温から80℃の
反応温度で多糖の還元末端を還元アミノ化させた後、脱
保護することにより得ることができる。
これらの、生理活性蛋白質とアミノ基供与体とをトラ
ンスグルタミナーゼの存在下に反応せしめる方法は、要
するに、トランスグルタミナーゼの作用条件下で行なう
ということになり、例えば、水性溶媒中でpH6.0〜8.0の
範囲で、より好ましくはpH7.5前後で、温度25〜40℃の
範囲で、より好ましくは37℃前後で、30分〜2時間、生
理活性蛋白質、アミノ基供与体及びトランスグルタミナ
ーゼを保持することである。この反応において、生理活
性蛋白の濃度は1〜30μMの範囲が望ましく、アミノ基
供与体の濃度は100μM〜30mMの範囲が望ましい。生理
活性蛋白質とアミノ基供与体との濃度比は1:100〜1:500
0の範囲、より好ましくは1:500〜1:1000の範囲がよい。
また、トランスグルタミナーゼの使用量は、蛋白質1mmo
l当り0.1〜10ユニットである。
かくして得られたアミノ基供与体で修飾された生理活
性蛋白質を水性溶媒より単離、精製するには、当業界に
周知の透析、ゲル濾過、イオン交換クロマトグラフィー
等の方法を適宜組み合わせて行えばよい。
さらに、蛋白質の修飾位置を同定する方法としては、
例えば凍結乾燥したアミノ基供与体修飾蛋白質を変性剤
存在下、Cys残基をモノヨード酢酸でカルボキシメチル
化した後、トリプシンなどの酵素により加水分解し、分
解したペプチドを逆相HPLC、あるいはキャピラリー電気
泳動によりペプチドマップを作製する。未修飾蛋白質に
ついても同条件でペプチドマップを作製し、各ペプチド
ピークを比較することにより修飾されたペプチド鎖及び
Gln残基を決定することができる。
図面の簡単な説明 図1は、融合蛋白質rSP−IL−2発現プラスミドpTSP
−IL−2の構築を示す(実施例1)。
図2Aは、実施例7に含まれる反応を示す。
図2Bは、実施例7に含まれる反応を示す。
図2Cは、実施例7に含まれる反応を示す。
図2Dは、実施例7に含まれる反応を示す。
図2Eは、実施例7に含まれる反応を示す。
図3Aは、実施例19における結果を示す。
図3Bは、実施例19における結果を示す。
図4は、rSP−IL−2誘導体の体内動態を示す(実施
例21)。
(発明を実施するための最良の形態) 以下、実施例により本発明を更に説明する。
実施例1(融合蛋白質rSP−IL−2直接発現プラスミドp
TSPIL−2の構築及びその生産): トリプトファンプロモーターtrp P/Oを配備した発現
ベクターにhIL−2 cDNAを組み込んだ発現プラスミドp
T13SNco(E.coli FERM P−10757)を制限酵素Cla I及
びNco Iで切断し、大きいほうのフラグメントと生理活
性ペプチドであるサブスタンス−P(SP)を基にしたア
ミノ酸配列(Met−Arg−Pro−Lys−Pro−Gln−Gln−Phe
−Phe−Gly−Leu)由来の塩基配列を有する合成DNA(
5′CGTTAAATGCGTCCAAAACCGCAGCAGTTCTTCGGTCT3′
5′CATGAGACCGAAGAACTGCTGCGGTTTTGGACGCATTTAA3′
とをT4DNAリガーゼを使って結合させた(図1参照)。
該プラスミド溶液15mLを氷冷した大腸菌HB101(ATCC 3
3694)株のコンピテント細胞懸濁液100μLと緩やかに
混合し、氷浴中にて3分間静置した後、42℃の温浴中で
90秒間熱処理を行なった。その後、再び氷浴中で2分間
静置した後、その懸濁液を3mLの2×TY培地(1.6%トリ
プトン、1%酵母エキス、0.5%NaCl)の中へ加え、30
℃で60分間静置培養した。
この培養菌体液100μLをアンピシリン(100μg/mL)
を含むLB寒天培地(1%トリプトン、0.5%酵母エキ
ス、0.5%NaCl)プレートに散布し、30℃で一晩培養し
た後、出現するアンピシリン耐性コロニーを拾い、再度
アンピシリンを含む同寒天プレートを散布し、rSP−IL
−2生産菌(E.coli HB101/pTSPIL−2であって、工業
技術院生命工学工業技術研究所へ受託番号FERM P−14
369を以って平成6年6月14日に寄託し、その後平成7
年2月23日付を以てブタペスト条約による国際寄託に転
換(受託番号FERM BP−5013)済)を得た。なお、取得
した菌体からプラスミドDNAを単離精製し、制限酵素マ
ッピング及びDAN塩基配列検定により目的のpTSPIL−2
であることを確認した。
rSP−IL−2(すなわち、IL−2のN末端にサブスタ
ンスP(SP)のアミノ酸配列を有する融合蛋白質)の生
産は、以下のようにして行なった。
すなわち、rSP−IL−2生産菌(E.coli HB101/pTSPI
L−2、すなわち、E.coli FERM BP−5013)を2×TY
培地で28℃で一晩培養した後、この培養液10mLをアンピ
シリン(100μg/mL)、L−ロイシン(200μg/mL)、L
−プロリン(200μg/mL)及びチアミン塩酸塩(2.0μg/
mL)を含むM9カザミノ酸混合培地(Na2HPO4 0.6%、KH
2PO4 0.3%、NaCl 0.05%、NH4 Cl 0.1%、MgSO4 2
mM、グルコース0.2%、CaCl2 0.1mM及びカザミノ酸0.2
%)100mLに接種し、28℃で振盪培養を行なった。フラ
スコ培養の開始9時間後、インドールアクリル酸(IA
A)を終濃度25μg/mLになるように添加し、さらに31.5
℃で14時間培養を続けた。
培養液の一部を取り、位相差顕微鏡(倍率1000〜150
0)で菌体の様子を観察し、細長く伸長した形態の大腸
菌体内に顆粒状の封入体を確認した。その後、培養液を
遠心分離(8000rmp、5分間)に付し、菌体を集めて凍
結した。
集菌した菌体を30mM NaClを含む20mMトリス−塩酸緩
衝液(pH8.0)に懸濁し、卵白リゾチームを終濃度0.2mg
/mLになるように添加した。氷中1時間放置し、菌体を
スフェロプラスト化した。次に、超音波粉砕処理を施
し、菌体から封入体を取り出した。続いて遠心分離(60
00rpm、15分間)により不溶性画分を得た。その不溶性
画分に10mM EDTA(pH6.0)を加えて沈澱を懸濁し、リ
コンビナントSP−IL−2(rSP−IL−2)の封入体懸濁
液とした。該懸濁液に8M塩酸グアニジンを含む20mMトリ
ス−塩酸緩衝液(pH8.0)を添加し、溶液中の塩酸グア
ニジン濃度を6Mに調整し、室温にて30分間放置してrSP
−IL−2を可溶化した。
可溶化したrSP−IL−2溶液を10mM還元型グルタチオ
ン及び1mM酸化型グルタチオンを含む20mMトリス−塩酸
緩衝液(pH8.0)に、蛋白質濃度が50〜100μg/mLとなる
ように調製した。室温下、一晩放置することによりrSP
−IL−2の立体構造を再生させた。なお、変性蛋白質か
らの分子内ジスルフィド結合形成は、逆相HPLCを用いた
蛋白質の溶出位置の移動確認により行った。
該rSP−IL−2の可溶化溶液を50mM酢酸緩衝液(pH6.
0)であらかじめ平衡化した「Sephadex G−25」カラ
ムにアプライし、同緩衝液にて溶出した。溶出液を280n
mの吸光度でモニターしながら変性剤が除去された融合
蛋白質の溶出画分を得た。該溶出画分を「CM−Sepharos
e」カラムを用い、50mM酢酸緩衝液(pH6.0)にてrSP−I
L−2を吸着させ、カラム洗浄の後、同じpHにて塩濃度
を500mMに上昇させることによりグラジエント溶出し
た。上記280nmにて吸収を示す溶出画分を「YMC−C8 A
P」カラム(300×10mm、山村化学社製)を用いた精製を
行った後、再び「Sephadex G−25」カラムにより保存
用緩衝液である0.25MのNaClを含む50mM酢酸緩衝液(pH
5.0)に置換した。
精製物の純度については「Phast System」(Pharmac
ia社)によるSDS−PAGE(「Homogenious 20」ゲル使
用)により分析した結果、精製物は不溶性顆粒中の蛋白
質のうちの主生成物由来のバンドのみであり、rhIL−2
(すなわち、リコンビナント ヒトIL−2)に対し約1K
Da程度分子量が増大していた。さらに、精製物のN−末
端アミノ酸配列をエドマン分解により分析した結果、hI
L−2のN−末端側に目的のアミノ酸配列が付加した構
造であることを確認した。また、蛋白質濃度については
rSP−IL−2の280nmにおけるモル吸光係数を1.2×104 M
-1cm-1として換算した(蛋白質収率約20%)。
実施例2(融合蛋白質rX1−IL−2直接発現プラスミドp
TX1IL−2の構築及びその生産): 実施例1の方法に従って、トリプトファンプロモータ
ーtrp P/Oを配備した発現ベクターにhIL−2 cDNAを
組み込んだ発現プラスミドpT13SNcoを制限酵素Cla I及
びNco Iで切断し、大きいほうのフラグメントとMet−Ar
g−Pro−Lys−Pro−Gln−Gln−Phe−Met由来の塩基配列
を有する合成DNA(5′CGTTAAATGCGTCCAAAACCTCAGCAGTT
3′5′CATGAACTGCTGAGGTTTTGGACGCATTTAA3′)と
をT4DNAリガーゼを使って結合させた。得られたプラス
ミドpTX1IL−2を大腸菌HB101(ATCC 33694)株へ導入
し、アンピシリン抵抗性を有するコロニーを選択した。
選択したコロニーを制限酵素による切断試験及び結合部
位付近の塩基配列の決定を行なうことにより、pTX1IL−
2を保持する菌を選定した(E.coli HB101/pTX1IL−2
であって、工業技術院生命工学工業技術研究所へ受託番
号FERM P−14368を以って平成6年6月14日に寄託
し、その後平成7年2月23日付を以てブタペスト条約に
よる国際寄託に転換(受託番号FERM BP−5021)済)。
リコンビナントX1−IL−2(rX1−IL−2(すなわ
ち、IL−2のN末端にMet−Arg−Pro−Lys−Pro−Gln−
Gln−Phe−Metのアミノ酸配列を有する融合蛋白質))
の生産も、実施例1の方法に従って行なった。精製物の
純度を「Phast System」(Pharmacia社)によるSDS−P
AGE(「Homogenious 20」ゲル使用)により分析した結
果、精製物はrhIL−2に対し約0.5KDa程度分子量が増大
した位置にのみ蛋白質由来のバンドが確認された。さら
に、精製物のN−末端アミノ酸配列をエドマン分解によ
り分析した結果、hIL−2のN−末端側に目的のアミノ
酸配列が付加した構造であることを確認した。また、蛋
白質濃度についてはrX1−IL−2の280nmに於けるモル吸
光係数を1.2×104 M-1cm-1として換算した(蛋白質収率
約20%)。
実施例3(融合蛋白質rX2−IL−2直接発現プラスミドp
TX2IL−2の構築及びその生産): 実施例1の方法に従って、トリプトファンプロモータ
ーtrp P/Oを配備した発現ベクターにhIL−2 cDNAを
組み込んだ発現プラスミドpT13SNcoを制限酵素Cla I及
びNco Iで切断し、大きいほうのフラグメントとMet−Pr
o−Lys−Pro−Gln−Gln−Phe−Met由来の塩基配列を有
する合成DNA(5′CGTTAAATGCCAAAACCTCAGCAGTT3′
5′CATGAACTGCTGAGGTTTTGGCATTTAA3′)とをT4DNAリ
ガーゼを使って結合させた。得られたプラスミドpTX2IL
−2を大腸菌HB101株(ATCC 33694)へ導入し、アンピ
シリン抵抗性を有するコロニーを選択した。選択したコ
ロニーを制限酵素による切断試験及び結合部位付近の塩
基配列の決定を行なうことにより、pTX2IL−2を保持す
る菌を選定した(E.coli HB101/pTX2IL−2であって、
工業技術院生命工学工業技術研究所へ受託番号FERM P
−14370を以って平成6年6月14日に寄託し、その後平
成7年2月23日付を以てブタペスト条約による国際寄託
に転換(受託番号FERM BP−5014)済)。
リコンビナントX2−IL−2(rX2−IL−2)(すなわ
ち、IL−2のN末端にMet−Pro−Lys−Pro−Gln−Gln−
Phe−Metのアミノ酸配列を有する融合蛋白質)の生産
も、実施例1の方法に従って行なった。精製物の純度を
「Phast System」(Pharmacia社)によるSDS−PAGE
(「Homogenious 20」ゲル使用)により分析した結果、
精製物はrhIL−2に対し約0.5KDa程度分子量が増大した
位置にのみ蛋白質由来のバンドが確認された。さらに、
精製物のN−末端アミノ酸配列をエドマン分解により分
析した結果、hIL−2のN−末端側に目的のアミノ酸配
列が付加した構造であることを確認した。また、蛋白質
濃度についてはrX2−IL−2の280nmに於けるモル吸光係
数を1.2×104 M-1cm-1として換算した(蛋白質収率約20
%)。
実施例4(融合蛋白質rX3−IL−2直接発現プラスミドp
TX3IL−2の構築及びその生産): 実施例1の方法に従って、トリプトファンプロモータ
ーtrp P/Oを配備した発現ベクターにhIL−2 cDNAを
組み込んだ発現プラスミドpT13SNcoを制限酵素Cla I及
びNco Iで切断し、大きいほうのフラグメントとMet−Ls
y−Pro−Gln−Gln−Phe−Met由来の塩基配列を有する合
成DNA(5′CGTTAAATGAAACCTCAGCAGTT3′5′CATGAA
CTGCTGAGGTTTCATTTAA3′)とをT4DNAリガーゼを使って
結合させた。得られたプラスミドpTX3IL−2を大腸菌HB
101株(ATCC 33694)へ導入し、アンピシリン抵抗性を
有するコロニーを選択した。選択したコロニーを制限酵
素による切断試験及び結合部位付近の塩基配列の決定を
行なうことにより、pTX3IL−2を保持する菌を選定した
(E.coli HB101/pTX3IL−2であって、工業技術院生命
工学工業技術研究所へ受託番号FERM P−14373を以っ
て平成6年6月14日に寄託し、その後平成7年2月23日
付を以てブタペスト条約による国際寄託に転換(受託番
号FERM BP−5017)済)。
リコンビナントX3−IL−2(rX3−IL−2)(すなわ
ち、IL−2のN末端にMet−Lys−Pro−Gln−Gln−Phe−
Metのアミノ酸配列を有する融合蛋白質)の生産も、実
施例1の方法に従って行なった。精製物の純度を「Phas
t System」(Pharmacia社)によるSDS−PAGE(「Homog
enious 20」ゲル使用)により分析した結果、精製物はr
hIL−2に対し約0.5KDa程度分子量が増大した位置にの
み蛋白質由来のバンドが確認された。さらに、精製物の
N−末端アミノ酸配列をエドマン分解により分析した結
果、hIL−2のN−末端側に目的のアミノ酸配列が付加
した構造であることを確認した。また、蛋白質濃度につ
いてはrX3−IL−2の280nmに於けるモル吸光係数を1.2
×104 M-1cm-1として換算した(蛋白質収率約20%)。
実施例5(融合蛋白質rX4−IL−2直接発現プラスミドp
TX4IL−2の構築及びその生産): 実施例1の方法に従って、トリプトファンプロモータ
ーtrp P/Oを配備した発現ベクターにhIL−2 cDNAを
組み込んだ発現プラスミドpT13SNcoを制限酵素Cla I及
びNco Iで切断し、大きいほうのフラグメントとMet−Al
a−Leu−Trp−Gln−Phe−Arg−Met由来の塩基配列を有
する合成DNA(5′CGTTAAATGGCTCTGTGTGGCAGTTTCG3′
5′CATGCAAACTGCCACAGAGCCATTTAA3′)とをT4DNAリ
ガーゼを使って結合させた。得られたプラスミドpTX4IL
−2を大腸菌HB101株(ATCC 33694)へ導入し、アンピ
シリン抵抗性を有するコロニーを選択した。選択したコ
ロニーを制限酵素による切断試験及び結合部位付近の塩
基配列の決定を行なうことにより、pTX4IL−2を保持す
る菌を選定した(E.coli HB101/pTX4IL−2であって、
工業技術院生命工学工業技術研究所へ受託番号FERM P
−14371を以って平成6年6月14日に寄託し、その後平
成7年2月23日付を以てブタペスト条約による国際寄託
に転換(受託番号FERM BP−5015)済)。
リコンビナントX4−IL−2(rX4−IL−2)(すなわ
ち、IL−2のN末端にMet−Ala−Leu−Trp−Gln−Phe−
Arg−Metのアミノ酸配列を有する融合蛋白質)の生産
も、実施例1の方法に従って行なった。精製物の純度を
「Phast System」(Pharmacia社)によるSDS−PAGE
(「Homogenious 20」ゲル使用)により分析した結果、
精製物はrhIL−2に対し約0.5KDa程度分子量が増大した
位置にのみ蛋白質由来のバンドが確認された。さらに、
精製物のN−末端アミノ酸配列をエドマン分解により分
析した結果、hIL−2のN−末端側に目的のアミノ酸配
列が付加した構造であることを確認した。また、蛋白質
濃度についてはrX4−IL−2の280nmに於けるモル吸光係
数を1.75×104 M-1cm-1として換算した(蛋白質収率約2
0%)。
実施例6(融合蛋白質rX5−IL−2直接発現プラスミドp
TX5IL−2の構築及びその生産): 実施例1の方法に従って、トリプトファンプロモータ
ーtrp P/Oを配備した発現ベクターにhIL−2 cDNAを
組み込んだ発現プラスミドpT13SNcoを制限酵素Cla I及
びNco Iで切断し、大きいほうのフラグメントとMet−Al
a−Gln−Gln−Ile−Val−Met由来の塩基配列を有する合
成DNA(5′CGTTAAATGGCTCAGCAGATCGT3′5′CATGAC
GATCTGCTGAGCCATTTAA3′)とをT4DNAリガーゼを使って
結合させた。得られたプラスミドpTX5IL−2を大腸菌HB
101株(ATCC 33694)へ導入し、アンピシリン抵抗性を
有するコロニーを選択した。選択したコロニーを制限酵
素による切断試験及び結合部位付近の塩基配列の決定を
行なうことにより、pTX5IL−2を保持する菌を選定した
(E.coli HB101/pTX5IL−2であって、工業技術院生命
工学工業技術研究所へ受託番号FERM P−14372を以っ
て平成6年6月14日に寄託し、その後平成7年2月23日
付を以てブタペスト条約による国際寄託に転換(受託番
号FERM BP−5016)済)。
リコンビナントX5−IL−2(rX5−IL−2)(すなわ
ち、IL−2のN末端にMet−Ala−Gln−Gln−Ile−Val−
Metのアミノ酸配列を有する融合蛋白質)の生産も、実
施例1の方法に従って行なった。精製物の純度を「Phas
t System」(Pharmacia社)によるSDS−PAGE(「Homog
enious 20」ゲル使用)により分析した結果、精製物はr
hIL−2に対し約0.5KDa程度分子量が増大した位置にの
み蛋白質由来のバンドが確認された。さらに、精製物の
N−末端アミノ酸配列をエドマン分解により分析した結
果、hIL−2のN−末端側に目的のアミノ酸配列が付加
した構造であることを確認した。また、蛋白質濃度につ
いてはrX5−IL−2の280nmに於けるモル吸光係数を1.2
×104 M-1cm-1として換算した(蛋白質収率約20%)。
実施例7(合成例): 本実施例に含まれる反応を図2A〜図2Eに示す。
(a)化合物1−1の合成 5−アミノ−1−ペンタノール(10g)をジクロロメ
タン(60ml)に溶解し、N−メチルモルホリンを当量
(9.03ml)加えて氷浴中で冷却した後、反応液にジ−t
−ブチルカルボネート(25.4g)を加え、室温で24時間
撹拌した。反応液をジクロロメタンで希釈し、水洗し、
乾燥後溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲル(150
g)を用いるカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢
酸エチル3:2)で精製し、化合物1−1(9.0g)を無色
油状物として得た。
IR(CHCl3):3456,1708cm-1.1 H−NMR(CDCl3)δ:3.65(2H,t,J=6.5Hz),3.16−3.0
8(2H,m),1.64−1.56(2H,m),1.54−1.46(2H,m),1.
44(9H,s),1.43−1.35(2H,m)。
(b)化合物1−2の合成 化合物1−1(5.0g)をアルゴンガス雰囲気下で乾燥
テトラヒドロフラン(100ml)に溶解し、フタルイミド
(3.8g)を加えて水浴で冷却した。反応液にトリフェニ
ルフォスフィン(7.7g)とジイソプロピルアゾジカルボ
キシレート(5.8ml)を加え、室温で12時間撹拌した。
反応液をクロロホルムで希釈し、溶媒を減圧下留去し
た。残渣をシリカゲル(450g)を用いるカラムクロマト
グラフィー(トルエン−酢酸エチル10:1)で精製し、化
合物1−2(8.4g)を白色粉末として得た。
IR(KBr):3354,1776,1722,1674,723cm-1.1 H−NMR(CDCl3)δ:7.85−7.83(2H,m),7.72−7.70
(2H,m),3.69(2H,t,J=7.2Hz),3.14−3.06(2H,m),
1.74−1.66(2H,m),1.57−1.49(2H,m)。
(c)化合物1−3の合成 化合物1−2(4.0g)を乾燥エタノール(32ml)に溶
解した後、冷却下還流した。反応液にヒドラジン水化物
(0.83ml)を添加し、6時間還流を続けた。冷却後沈澱
を濾過し、濾液を減圧下濃縮した。残渣にクロロホルム
及び1N水酸化ナトリウムを加え、水洗し、乾燥後、溶媒
を減圧下留去し、化合物1−3(2.45g)を薄黄色の油
状物として得た。
IR(CHCl3):3456,1708cm-1.1 H−NMR(CDCl3)δ:3.35−3.05(2H,m),2.69(2H,t,J
=7.0Hz),1.55−1.30(6H,m),1.44(9H,s)。
(d)化合物1−4及び1−5の合成 メトキシポリオキシエチレングリコール酸(5g、平均
分子量5000、日本油脂(株)製)を乾燥ジクロロメタン
(25ml)に溶解し、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
(0.175g)及びジシクロヘキシルカルボジイミド(0.28
9g)を順次加え、アルゴンガス雰囲気下、室温で12時間
撹拌して化合物1−4を生成させた。この化合物は1−
4は単離せず、その反応液に化合物1−3(0.5g)を加
え、アルゴンガス雰囲気下、室温で12時間撹拌した。溶
媒を減圧下留去し、残渣をシリカゲル(450g)を用いる
カラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン−メタノー
ル−水 10:3:1)で精製し、化合物1−5(1.94g)を
白色粉末として得た。
IR(KBr):3527,2883,1114cm-1.1 H−NMR(CDCl3)δ:3.98(2H,s),3.72−3.59(559H,
m),3.38(3H,s),3.31−3.26(2H,m),3.14−3.07(2
H,m),1.56−1.30(6H,m),1.44(9H,s)。
(e)化合物1−6の合成 化合物1−5(1.72g)をトリフルオロ酢酸(7ml)に
溶解し、室温で12時間撹拌した。反応液を減圧下留去し
た後、残渣にメタノールを加え、ナトリウムメトキサイ
ドで中和した。再度反応液を減圧下濃縮し、残渣をシリ
カゲル(450g)を用いるカラムクロマトグラフィー(ジ
クロロメタン−メタノール−水 10:3:1)で精製し、化
合物1−6(3.7g)を白色粉末として得た。
IR(CHCl3):2880,1681,1140,1099cm-1.1 H−NMR(CDCl3)δ:4.08(2H,s),3.74−3.59(545H,
m),3.39(3H,s),3.34−3.28(2H,m),3.02−2.94(2
H,m),1.62−1.55(2H,m),1.29−1.22(2H,m)。
(f)化合物2−1及び2−2の合成 メトキシポリオキシエチレングリコール酸(5g、平均
分子量10000、日本油脂(株)製)を乾燥ジメチルホル
ムアミド(8ml)に溶解し、N−ヒドロキシコハク酸イ
ミド(0.075g)及びジクロロヘキシルカルボジイミド
(0.13g)を順次加え、アルゴンガス雰囲気下、室温で1
2時間撹拌して化合物2−1を生成させた。この化合物
2−1は単離せず、その反応液に化合物1−3(0.22
g)を加え、アルゴンガス雰囲気下、室温で12時間撹拌
した。溶媒を減圧下留去し、残渣をシリカゲル(450g)
を用いるカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン−
メタノール−水 10:3:1)で精製し、化合物2−2(3.
7g)を白色粉末として得た。
IR(CHCl3):3440,2895,1109cm-1.1 H−NMR(CDCl3)δ:3.98(2H,s),3.74−3.58(1036H,
m),3.38(3H,s),3.32−3.24(2H,m),3.16−3.06(2
H,m),1.56−1.26(6H,m),1.44(9H,s)。
(g)化合物2−3の合成 化合物2−2(0.69g)をトリフルオロ酢酸(6ml)に
溶解し、室温で12時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮し
た後、残渣にメタノールを加え、ナトリウムメトキサイ
ドで中和した。再度反応液を減圧下濃縮し、残渣をシリ
カゲル(120g)を用いるカラムクロマトグラフィー(ジ
クロロメタン−メタノール−水 10:3:1)で精製し、化
合物2−3(0.56g)を白色粉末として得た。
IR(CHCl3):2880,1679,1138,1097cm-1.1 H−NMR(CDCl3)δ:4.03(2H,s),3.76−3.52(1000H,
m),3.38(3H,s),3.33−3.27(2H,m),3.01−2.95(2
H,m),1.56−1.30(6H,m)。
h)化合物3−3の合成 Boc−Glu−OBzl(化合物3−1,4.98g)とN−メチル
モルホリン(1.62mL)をテトラヒドロフラン(100mL)
に溶かし、メタノール・ドライアイスで冷却し、クロロ
炭酸エチル(1.4mL)を加え、−30℃で5分間攪拌し、
液温を再度−40℃以下とし、H−Glu(OBzl)−OBzl・T
osOH(化合物3−2,7.38g)とN−メチルモルホリン
(1.62mL)を含むジメチルホルムアミド(50mL)溶液を
加えた。冷媒を外し、食塩と氷で冷却して1晩攪拌し
た。反応液をセライトを通して濾過し、濾液を濃縮し、
残渣を酢酸エチルに溶かし、10%クエン酸水溶液、飽和
食塩水、10%炭酸水素ナトリウム水溶液で洗い、有機層
を硫酸マグネシウムで乾燥した。溶液を濾過し、溶媒を
溜去し、9gの固体を得た。これを酢酸エチル/メタノー
ルから再結晶し、8.1g(85%)を得た。
[α]=+16.1゜(c=0.93,クロロホルム). IR(クロロホルム)cm-1:1738,1500,1166.1 H−NMR(CDCl3):δ7.2−7.3(15H,m),6.41(1H,d,J
=7.0Hz),5.25(1H,d,J=7.0Hz),5.0−5.2(6H,m),
4.62−4.64(1H,m),4.30−4.35(1H,m),2.3−2.5(2
H,m),2.1−2.25(4H,m),1.98−2.06(1H,m),1.86−
1.94(1H,m),1.4(9H,s)。
(i)化合物3−5の合成 6−アミノヘキサン酸(化合物3−4,10g)をジオキ
サン−水(2:1)(200mL)に溶かし、氷冷し、1N水酸化
ナトリウム溶液(70mL)とdi−t−ブチルジカルボネー
ト(18.3g)を加え、室温で1晩攪拌した。溶媒を溜去
し、1N塩酸でpHを2とし、ジクロロメタンで抽出した。
有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、溶媒を溜
去して、化合物(3−5,16.5g)を白色固体として得
た。
IR(クロロホルム)cm-1:1710,1510,1166.1 H−NMR(CDCl3):δ3.15−3.05(2H,br),2.36(2H,
t,J=7.5Hz),1.66(2H,dt,J=15Hz,J=7.5Hz),1.50
(2H,dt,J=15Hz,J=7.5Hz),1.44(9H,s),1.42−1.34
(2H,m)。
(j)化合物3−6の合成 化合物3−3(2.0g)をトリフルオロ酢酸(5mL)に
溶かし、3時間放置した。溶媒を溜去し、さらにエタノ
ールと2回共沸させた。得られた残渣をメタノール5mL
に溶かし、N−メチルモルホリン(330μL)で中和し
た。溶媒を溜去し、ジクロロメタン(50mL)に溶かし
た。これをA液とする。化合物3−5(700mg)とジシ
クロヘキシルカルボジイミド(680mg)、N−ヒドロキ
シスクシンイミド(380mg)を氷冷下でジクロロメタン
(50mL)に溶かし、ここにA液を加え、5℃で1晩攪拌
した。ジクロロメタン(100mL)で希釈し、10%クエン
酸水溶液と飽和食塩水と10%炭酸ナトリウム水溶液で洗
い、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、溶媒を溜去し
た。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1→1:2)で精製し、化合
物3−6(800mg)を白色固体として得た。
[α]=−3.32゜(c=1.08,クロロホルム). IR(クロロホルム)cm-1:1738,1682,1645,1537,1169.1 H−NMR(CDCl3):δ7.3−7.4(15H,m),6.5−6.6(2
H,br),5.06−5.20(6H,m),4.55−4.65(3H,m),3.06
−3.10(2H,m),2.34−2.48(2H,m),2.13−2.26(6H,
m),1.93−2.06(2H,m),1.60−1.64(2H,m),1.39−1.
48(11H,m),1.30−1.34(2H,m)。
(k)化合物3−7の合成 化合物3−6(500mg)をテトラヒドロフラン(20m
L)と酢酸エチル(20mL)に溶かし、10%パラジウム−
炭素(100mg)を加え、水素1気圧下1晩攪拌した。濾
過し、溶媒を溜去し、(400mg)の固体を得た。1 H−NMR(CD3OD):δ4.44(1H,dd,J=5.0Hz,J=9.0H
z),4.39(1H,dd,J=5.0Hz,J=9.0Hz),3.03(2H,t,J=
7.0Hz),2.35−2.43(4H,m),2.26(2H,t,J=7.5Hz)2.
15−2.24(2H,m),1.91−2.0(2H,m),1.61−1.67(2H,
m),1.34−1.52(13H,m)。
(l)化合物3−9の化合物 [2−(2−クロロ−エトキシ)エトキシ]エタノー
ル(2.9g)とアジ化ナトリウム(3.4g)にジメチルホル
ムアミド(50mL)を加え、80℃で1晩攪拌した。溶媒を
溜去し、残渣をシリカゲルのカラムクロマトグラフィー
(ジクロロメタン)で精製し、油状物(3−9)を2.5g
得た。1 H−NMR(CDCl3):δ3.73−3.76(2H,m),3.67−3.71
(6H,m),3.61−3.63(2H,m),3.40(2H,t,J=5.0Hz),
2.33(1H,s)。
(m)化合物3−11の合成 β−D−ガラクトピラノースペンタアセテート(3−
10)(10g)と化合物3−9(9.0g)をジクロロメタン
(100mL)に溶かし、三フッ化ホウ素エーテル錯体塩
(6.3mL)を加え、1晩攪拌した。ジクロロメタン(500
mL)で薄め、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗い、有
機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。濾過し、溶媒を溜
去し、残渣をシリカゲルのクロマトグラフィーにのせ、
ヘキサン:酢酸エチル=3:1から1:1で溶出し、生成物と
アルコール体の混合物をえた。これに無水酢酸(2mL)
とピリジン(20mL)を加え、1晩攪拌した。溶媒を溜去
し、残渣を酢酸エチルに溶かし、0.5N塩酸と飽和食塩水
と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗い、有機層を硫酸
マグネシウムで乾燥した。濾過し、溶媒を溜去し、残渣
をシリカゲルのクロマトグラフィーにのせ、ヘキサン:
酢酸エチル=3:1から1:1で溶出し、7.4g(55%)の油状
物を得た。
[α]=−6.29゜(c=1.05,クロロホルム). IR(クロロホルム)cm-1:2110,1749,1369.1 H−NMR(CDCl3):δ5.39(1H,d,J=3.5Hz),5.21(1
H,dd,J=8.0Hz,J=10.5Hz),5.02(1H,dd,J=3.5Hz,J=
10.5Hz),4.58(1H,d,J=8.0Hz),4.10−4.20(2H,m),
3.89−3.99(2H,m),3.74−3.78(1H,m),3.64−3.69
(8H,m),3.40(2H,t,J=5.0Hz),2.15(3H,s),2.06
(3H,s),2.05(3H,s),1.99(3H,s)。
(n)化合物3−13の合成 化合物3−11(2.3g)とp−トルエンスルホン酸(85
0mg)をエタノール(50mL)に溶かし、リンドラー溶媒
を(1.0g)加え、水素加圧下(50psi)1時間振とうし
た。その後さらにリンドラー触媒(1.0g)を加え、水素
加圧下(50psi)1時間振とうした。触媒を濾過し、溶
媒を溜去した。残渣をアセトニトリル(10mL)に溶か
し、N−メチルモルホリン(500μL)で中和した。こ
れをA液とする。
化合物3−7(700mg)をジメチルホルムアミド(10m
L)に溶かし、N−ヒドロキシスクシンイミド(510mg)
とジシクロヘキシルカルボジイミド(920mg)とを氷冷
下加え、4℃で1晩攪拌した。反応液を濃縮し、残渣を
酢酸エチルに溶かし、10%クエン酸水溶液、飽和食塩
水、10%炭酸水素ナトリウム水溶液で洗い、有機層を硫
酸マグネシウムで乾燥した。濾過し、溶媒を溜去した。
残渣をシリカゲルのクロマトグラフィーにのせ、ジクロ
ロメタンからジクロロメタン:メタノール=30:1、そし
て25:1に変えて、溶出し、1.8gの粉体をえた。
[α]=−11.2゜(c=1.00,クロロホルム). IR(KBr)cm-1:1753,16339,1371,1226.1 H−NMR(CDCl3):δ7.80−7.85(1H,m),7.24−7.26
(1H,m),7.12−7.18(1H,m),7.04−7.08(1H,m),6.5
8−6.62(1H,m),5.39(3H,d,J=3.5Hz),5.17−5.22
(3H,m),5.02−5.06(3H,m,H−2),4.72−4.76(1H,
m),4.55−4.57(3H,m),4.38−4.43(2H,m),4.10−4.
20(6H,m),3.93−3.98(6H,m),3.70−3.75(6H,m),
3.5−3.6(34H,m),3.8−3.12(2H,m),2.2−2.4(2H,
m),2.09(9H,s),2.04(9H,s),2.02(9H,s),2.01(9
H,s),1.60−1.66(2H,m),1.46−1.52(2H,m),1.42
(9H,s),1.30−1.36(2H,m)。
(o)化合物3−14の合成 化合物3−13(2.4g)を50%トリフルオロ酢酸−ジク
ロロメタン溶液に溶かし、1時間攪拌し、溶媒を溜去
し、エタノールと2回共沸させた。メタノール(30mL)
に溶かし、28%ソジウムメトキサイド−メタノール溶液
で中和し、シリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメ
タン:メタノール=30:1→5:1)で精製した。得らた粉
体をメタノール(20mL)に溶かし、28%ソジウムメトキ
サイド−メタノール溶液(200μL)を氷冷下で加え、
加え終わったら、室温に戻して、1時間攪拌した。陰イ
オン交換樹脂Dowex 50W(H+)で中和し、樹脂を除去
し、溶媒を溜去して、500mgの粉体を得た。
[α]=−5.71゜(c=0.63,メタノール).1 H−NMR(CD3OD):δ4.8−4.9(11H,m),4.34−4.36
(1H,m),4.29−4.31(1H,m),4.26−4.29(3H,m),4.0
8−4.05(3H,m),3.83−3.85(2H,m),3.72−3.79(6H,
m),3.68−3.72(5H,m),3.65−3.68(5H,m),3.61−3.
64(5H,m),3.48−3.59(5H,m),3.36−3.40(1H,m),
3.26−3.32(36H,m),2.9−3.0(2H,m),2.25−2.40(6
H,m),2.03−2.10(1H,m),1.86−1.98(1H,m),1.60−
1.70(1H,m)。
(p)化合物4−2の合成 β−D−グルコピラノースペンタアセテート(10g)
と2−[2−(アジド−エトキシ)エトキシ]エタノー
ル(3−9)(9g)をジクロロメタン(100mL)に溶か
し、三フッ化ホウ酸エーテル錯体塩(6.3mL)を加え、
1晩攪拌した。ジクロロメタン(500mL)で薄め、飽和
炭酸水素ナトリウム水溶液で洗い、有機層を硫酸マグネ
シウムで乾燥した。濾過し、溶媒を溜去し、残渣をクロ
マトグラフィーにのせ、ヘキサン:酢酸エチル=3:1か
ら1:1で溶出し、生成物とアルコール体の混合物をえ
た。これに無水酢酸(2mL)とピリジン(20mL)を加
え、1晩攪拌した。溶媒を溜去し、残渣を酢酸エチルに
溶かし、0.5N塩酸と飽和食塩水と飽和炭酸水素ナトリウ
ム水溶液で洗い、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し
た。濾過し、溶媒を溜去し、残渣をシリカゲルクロマト
グラフィーにのせ、ヘキサン:酢酸エチル=3:1から1:1
で溶出し、化合物4−2(5.9g,44%)の油状物を得
た。
[α]=−15.2゜(c=0.97,クロロホルム). IR(クロロホルム)cm-1:2110,1755,1367.1 H−NMR(CDCl3):δ5.21(1H,t,J=9.5Hz),5.09(1
H,t,J=9.5Hz),5.00(1H,dd,J=8.0Hz,J=9.5Hz),4.6
1(1H,d,J=8.0Hz),4.26(1H,dd,J=4.5Hz,12.0Hz),
4.14−(1H,dd,J=2.5Hz,J=12Hz),3.93−3.97(1H,
m),3.73−3.78(1H,m),3.64−3.73(9H,m),3.40(2
H,t,J=5.0Hz),2.09(3H,s),2.05(3H,s),2.03(3H,
s),2.01(3H,s)。
(q)化合物4−4の合成 化合物4−2(2.3g)とp−トルエンスルホン酸(85
0mg)をエタノール(50mL)に溶かし、リンドラー触媒
を1.0g加え、水素加圧下(50psi)1時間振とうした。
その後さらにリンドラー触媒を(1.0g)を加え、水素加
圧下(50psi)1時間振とうした。触媒を濾過し、溶媒
を溜去した。残渣をアセトニトリル(10mL)に溶かし、
N−メチルモルホリン(500μL)で中和した。これを
A液とする。
化合物3−7(700mg)をジメチルホルムアミド(10m
L)に溶かし、N−ヒドロキシスクシンイミド(510mg)
とジシクロヘキシルカルボジイミド(920mg)を氷冷下
加え、4℃で一晩攪拌した。この混合溶液にA液を氷冷
下加え、4℃で一晩攪拌した。反応液を濃縮し、残渣を
酢酸エチルに溶かし、10%クエン酸水溶液、飽和食塩
水、10%炭酸ナトリウム水溶液で洗い、有機層を硫酸マ
グネシウムで乾燥した。濾過し、溶媒を溜去した。残渣
をシリカゲルのクロマトグラフィーにのせ、ジクロロメ
タンからジクロロメタン:メタノール=30:1そして25:1
に変えて溶出し、1.6gの粉体をえた。1 H−NMR(CDCl3):δ7.75−7.80(1H,m),7.37−7.41
(1H,m),7.18(1H,d,J=7.5Hz),7.0−7.04(1H,m),
5.46−5.49(1H,d,J=8Hz),5.19−5.24(3H,m),5.06
−5.12(3H,m),4.96−5.02(3H,m),4.59−4.61(3H,
m),4.38−4.43(2H,m),4.10−4.20(6H,m),3.93−3.
98(6H,m),3.70−3.75(6H,m),3.5−3.6(34H,m),3.
8−3.12(2H,m),2.2−2.4(2H,m),2.09(9H,s),2.04
(9H,s),2.02(9H,s),2.01(9H,s),1.60−1.66(2H,
m),1.46−1.52(2H,m),1.42(9H,s),1.30−1.36(2
H,m)。
(r)化合物4−5の合成 化合物4−4(5.4g)を50%トリフルオロ酢酸−ジク
ロロメタン溶液に溶かし、1時間攪拌し、溶媒を溜去
し、エタノールと2回供沸させた。メタノール(30mL)
に溶かし、28%ソジウムメトキサイド−メタノール溶液
で中和し、シリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメ
タン:メタノール=30:1→5:1)で精製した。得られた
粉体をメタノール(20mL)に溶かし、28%ソジウムメト
キサイド−メタノール溶液(200μL)を氷冷下で加
え、加え終わったら、室温に戻して、1時間攪拌した。
陰イオン交換樹脂Dowex 50W(H+)で中和し、樹脂を除
去し、溶媒を溜去して、500mgの粉体を得た。
[α]=−13.7゜(c=0.19,メタノール).1 H−NMR(CD3OD):δ4.8−4.9(11H,m),4.34−4.36
(1H,m),4.26−4.40(3H,m),4.01−4.05(2H,m),3.8
3−3.85(2H,m),3.72−3.79(7H,m),3.68−3.72(5H,
m),3.65−3.68(5H,m),3.61−3.64(5H,m),3.48−3.
59(5H,m),3.36−3.40(1H,m),3.26−3.32(37H,m),
2.9−3.0(1H,m),2.25−2.40(5H,m),2.03−2.10(1
H,m),1.86−1.98(1H,m),1.60−1.70(2H,m)。
(s)化合物5−1の合成 N−Boc−1,5−ジアミノペンタン3gを57mLのジクロロ
メタンに氷浴中で溶解させ、5.49gのFmoc−OSuを加え室
温で2時間攪拌した。溶媒を溜去した後、シリカゲルク
ロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=50:
1)で精製し4.5gの白色粉体を得た。1 H−NMR(CDCl3):δ7.77−7.76(2H,d),7.60−7.59
(2H,d),7.42−7.39(2H,t),7.33−7.30(2H,t),4.2
3−4.20(2H,m),3.21−3.17(2H,m),3.13−3.09(2H,
m),1.56−1.30(6H,m),1.44(9H,s)。
(t)化合物5−2の合成 化合物5−1(4.5g)を乾燥ジクロロメタン(50mL)
とトリフルオロ酢酸(50mL)の混合溶液に氷浴中で溶解
させ、4℃で1時間攪拌した。溶媒を溜去し、50mLの12
%塩酸を含む酢酸エチルを加え再び溶媒を溜去した後、
エタノール中で再結晶することにより2.6gの白色結晶を
得た。1 H−NMR(CDCl3):δ7.80−7.79(2H,d),7.64−7.63
(2H,d),7.40−7.38(2H,t),7.32−7.29(2H,t),4.3
8−4.36(2H,d),3.13−3.10(2H,t),2.91−2.88(2H,
t),1.67−1.64(2H,t),1.55−1.52(2H,t),1.40−1.
37(2H,t)。
(u)化合物5−3の合成 平均分子量40000のデキストラン(Dextran T40,Pharm
acia社製)をジメチルホルムアミド(5mL)と0.01%酢
酸溶液(2.5mL)の混合溶液中で溶解させ、化合物5−
2(479mg)と水素化シアノホウ素ナトリウム157mgを加
え、70℃で3日間攪拌した。反応液を75mLの99%エタノ
ール中に添加し3500rpmで10分間遠心し、白色の沈殿物
を得た。さらに95%エタノール、アセトン、エチルエー
テルで順次洗浄後、減圧下乾燥させ0.48gの化合物5−
3を得た。本反応が進行していることは、生成物を「TS
K gel G4000PWXL」カラム(東ソー社製)で分析し、屈
折率(RI)で検出されたデキストランのピークにFmoc基
由来の265nmのUV吸収があることにより確認した。
(v)化合物5−4の合成 化合物5−3(370mg)を19mLの水に溶解させた後、
0.95mLのジエチルアミンを加え一晩攪拌した。反応液を
50mLの99%エタノール中に添加し3500rpmで10分間遠心
し、白色の沈殿物を得た。さらに95%エタノール、アセ
トン、エチルエーテルで順次洗浄後、減圧下乾燥させ30
0mgの化合物5−4を得た。本反応が進行していること
は、生成物を「TSK gel G4000PWXL」カラム(東ソー社
製)で分析し、屈折率(RI)で検出されたデキストラン
のピークにFmoc基由来の265nmのUV吸収が消失したこと
より確認した。
(w)化合物6−1の合成 平均分子量5000のプルラン(P−5,Showdex社製)0.5
gをDMF(2mL)と0.01%酢酸溶液(5mL)の混合溶液中で
溶解させ、化合物5−2(660mg)と水素化シアノホウ
素ナトリウム217mgを加え、50℃で3日間攪拌した。反
応液を35mLの99%エタノール中に添加し3500rpmで10分
間遠心し、白色の沈殿物を得た。さらに95%エタノー
ル、アセトン、エチルエーテルで順次洗浄後、減圧下乾
燥させ0.45gの化合物6−1を得た。本反応が進行して
いることは、生成物を「TSK gel G4000PWXL」カラム
(東ソー社製)で分析し、屈折率(RI)で検出されたデ
キストランのピークにFmoc基由来の265nmのUV吸収があ
ることにより確認した。
(x)化合物6−2の合成 化合物6−1(50mg)を4mLの0.1N NaOHに溶解させ一
晩攪拌した。反応液を35mLの99%エタノール中に添加し
3500rpmで10分間遠心し、白色の沈殿物を得た。さらに9
5%エタノール、アセトン、エチルエーテルで順次洗浄
後、減圧下乾燥させ36mgの化合物6−2を得た。本反応
が進行していることは、生成物を「TSK gel G4000PWX
L」カラム(東ソー社製)で分析し、屈折率(RI)で検
出されたデキストランのピークにFmoc基由来の265nmのU
V吸収が消失したことより確認した。
実施例8(PEG5−rSP−IL−2の調製): 0.25MのNaClを含む50mM酢酸緩衝液(pH5.0)に溶解し
たrSP−IL−2溶液(10ml)を、10mMの塩化カルシウム
を含む100mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.7)であらかじめ
平衡化した「Sephadex G−25」カラムにアプライし、
同緩衝液で溶出した。溶出液を280nmの吸光度でモニタ
ーし、融合蛋白質の溶出画分を得た(12ml)。この溶出
画分(11ml)に化合物1−6(413mg)を該緩衝液(2.2
ml)に溶解させて添加し、37℃でプレインキュベートし
た。該反応液にモルモット肝由来トランスグルタミナー
ゼ(Sigma社、6unit)を該緩衝液に溶解させて2回にわ
たって添加し、37℃で2時間インキュベートした。
反応液を「YMC−C8AP」カラム(6.0×300mm,山村化学
社製)を用いた逆相HPLCにより数回にわたって精製し、
未反応のrSP−IL−2画分を除去した。精製物の純度を
「Phast System」(Pharmacia社)を用いたSDS−PAGE
(すなわち、平均分子量5,000のポリエチレングリコー
ルアルキルアミン)による(「Homogenious 20」ゲル使
用)により分析した結果、PEG5(すなわち、平均分子量
5,000のポリエチレングリコールアルキルアミン)によ
る修飾体(PEG5−rSP−IL−2)は未修飾体に対しPEG5
が1分子結合したと予想される約8KDa程度分子量が上昇
した位置にのみ蛋白質由来のバンドを確認した。収率約
16%。
実施例9(PEG10−rSP−IL−2の調製): 0.25MのNaClを含む50mM酢酸緩衝液(pH5.0)に溶解し
たrSP−IL−2溶液(5ml)を、10mMの塩化カルシウムを
含む100mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.7)であらかじめ平
衡化した「Sephadex G−25」カラムにアプライし、同
緩衝液で溶出した。溶出液を280nmの吸光度でモニター
し、融合蛋白質の溶出画分を得た(6ml)。この溶出画
分(6ml)に化合物2−3(550mg)を該緩衝液(1.2m
l)に溶解させて添加し、37℃でプレインキュベートし
た。該反応液にモルモット肝由来トランスグルタミナー
ゼ(Sigma社、4unit)を該緩衝液に溶解させて2回にわ
たって追加し、37℃で2時間インキュベートした。
反応液を「YMC−C8 AP」カラム(6.0×300mm,山村化
学社製)を用いた逆相HPLCにより数回にわたって精製
し、未反応のrSP−IL−2画分を去した。精製物の純度
を「Phast System」(Pharmacia社)を用いたSDS−PAG
E(「Homogenious 20」ゲル使用)により分析した結
果、PEG10(すなわち、平均分子量10,000のポリエチレ
ングリコールアルキルアミン)による修飾体(PEG10−r
SP−IL−2)は未修飾体に対しPEG10が1分子結合した
と予想される約16KDa程度分子量が上昇した位置にのみ
蛋白質由来のバンドを確認した。収率約31%。
実施例10(PEG5−rX1−IL−2の調製): PEG5−rX1−IL−2の調製は、実施例8の方法に従っ
て行なった。精製物の純度を「Phast System」(Pharm
acia社)を用いたSDS−PAGE(「Homogenious 20」ゲル
使用)により分析した結果、PEG5修飾体(PEG5−rX1−I
L−2)は未修飾体に対しPEG5が1分子結合したと予想
される約8KDa程度分子量が上昇した位置にのみ蛋白質由
来のバンドを確認した。収率約15%。
実施例11(PEG5−rX2−IL−2の調製): PEG5−rX2IL−2の調製は、実施例8の方法に従って
行なった。精製物の純度を「Phast System」(Pharmac
ia社)を用いたSDS−PAGE(「Homogenious 20」ゲル使
用)により分析した結果、PEG5修飾体(PEG5−rX2−IL
−2)は未修飾体に対しPEG5が1分子結合したと予想さ
れる約8KDa程度分子量が上昇した位置にのみ蛋白質由来
のバンドを確認した。
実施例12(PEG5−rX3−IL−2の調製): PEG5−rX3−IL−2の調製は、実施例8の方法に従っ
て行なった。精製物の純度を「Phast System」(Pharm
acia社)を用いたSDS−PAGE(「Homogenious 20」ゲル
使用)により分析した結果、PEG修飾体(PEG5−rX3−IL
−2)は未修飾体に対しPEG5が1分子結合したと予想さ
れる約8KDa程度分子量が上昇した位置にのみ蛋白質由来
のバンドを確認した。収率約15%。
実施例13(PEG5−rX4−IL−2の調製): PEG5−rX4−IL−2の調製は、実施例8の方法に従っ
て行なった。精製物の純度を「Phast System」(Pharm
acia社)を用いたSDS−PAGE(「Homogenious 20」ゲル
使用)により分析した結果、PEG5修飾体(PEG5−rX4−I
L−2)は未修飾体に対しPEG5が1分子結合したと予想
される約8KDa程度分子量が上昇した位置にのみ蛋白質由
来のバンドを確認した。収率約15%。
実施例14(PEG5−rX5−IL−2の調製): PEG5−rX5−IL−2の調製は、実施例8の方法に従っ
て行なった。精製物の純度を「Phast System」(Pharm
acia社)を用いたSDS−PAGE(「Homogenious 20」ゲル
使用)により分析した結果、PEG5修飾体(PEG5−rX5−I
L−2)は未修飾体に対しPEG5が2分子結合したと予想
される約16KDa程度分子量が上昇した位置にのみ蛋白質
由来のバンドを確認した。収率約10%。
実施例15((Gal)−rSP−IL−2の調製): 0.25MのNaClを含む50mM酢酸緩衝液(pH5.0)に溶解し
たrSP−IL−2溶液(4ml)を、10mMの塩化カルシウムを
含む100mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.7)であらかじめ平
衡化した「Sephadex−G−25」ラムにアプライし、上記
トリス緩衝液で溶出した。溶出液を280nmの吸光度でモ
ニターし、融合蛋白質の溶出画分を得た(4.8ml)。こ
の溶出画分(4ml)に化合物3−14(20mg)を添加し、3
7℃でプレインキュベートした。この反応液にモルモッ
ト肝由来トランスグルタミナーゼ(Sigma,2unit)をト
リス緩衝液に溶解させて2回にわたって添加し、37℃で
2時間インキュベートした。
反応液を「YMC−C8 AP」カラム(6.0×300mm,山村化
学社製)を用いた逆相HPLCにより数回にわたって精製
し、未反応のrSP−IL−2画分を除去した。精製物の純
度はPhast System(Pharmacia)を用いたSDS−PAGE(H
omogenious20ゲル使用)により分析した。その結果、
(Gal)(すなわち、3分枝型ガラクトースアルキル
アミン)による修飾体((Gal)−rSP−IL−2)は未
修飾体に対して(Gal)が1分子結合したと予想され
る約2KDa程度分子量が上昇した位置にのみ蛋白質由来の
バンドを確認した。収率約17%。
実施例16((Glc)−rSP−IL−2の調製): 0.25MのNaClを含む50mM酢酸緩衝液(pH5.0)に溶解し
たrSP−IL−2溶液(5ml)を、10mMの塩化カルシウムを
含む100mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.7)であらかじめ平
衡化した「Sephadex G−25」カラムにアプライし、上
記トリス緩衝液で溶出した。溶出液を280nmの吸光度で
モニターし、融合蛋白質の溶出画分を得た(6ml)。こ
の溶出画分(4ml)に化合物4−5(90mg)を添加し、3
7℃でプレインキュベートした。この反応液にモルモッ
ト肝由来トランスグルタミナーゼ(Sigma,2unit)をト
リス緩衝液に溶解させて2回にわたって添加し、37℃で
2時間インキュベートした。
反応液を「YMC−C8 AP」カラム(6.0×300mm,山村化
学社製)を用いた逆相HPLCにより数回にわたって精製
し、未反応のrSP−IL−2画分を除去した。精製物の純
度はPhast System(Pharmacia)を用いたSDS−PAGE(H
omogenious 20ゲル使用)により分析した。その結果、
(Glc)(すなわち、3分枝型グルコースアルキルア
ミン)による修飾体((Glc)−rSP−IL−2)は未修
飾体に対して(Glc)が1分子結合したと予想される
約2KDa程度分子量が上昇した位置にのみ蛋白質由来のバ
ンドを確認した。収率約17%。
実施例17(Dex40−rX3−IL−2の調製): 100mMトリス−塩酸緩衝液(10mM CaCl2含有、pH7.
7)に溶解したrX3−IL−2溶液(0.5ml)に化合物5−
4(120mg)を添加し、37℃でプレインキュベートし
た。この反応液にモルモット肝由来トランスグルタミナ
ーゼ(Sigma,0.3unit)をトリス緩衝液に溶解させて添
加し、37℃で1時間インキュベートした。
反応液を「YMC C8AP」カラム(山村化学社製)を用
いた逆相HPLCにより精製し、未反応のrX3−IL−2画分
を除去した。精製物の純度はPhast System(Pharmaci
a)を用いたSDS−PAGE(Homogenious 20ゲル使用)に
より分析した。その結果、Dex40(すなわち、平均分子
量40,000のデキストランアルキルアミン)による修飾体
(Dex40−rX3−IL−2)は未修飾体に対しDex40が1分
子結合したと予想される約100KDa程度分子量が上昇した
位置にのみ蛋白質由来のバンドを確認した。収率約10
%。
実施例18(Pul5−rX3−IL−2の調製): 100mMトリス−塩酸緩衝液(10mM CaCl2含有、pH7.
7)に溶解したrX3−IL−2溶液(0.5ml)に化合物6−
2(60mg)を添加し、37℃でプレインキュベートした。
この反応液にモルモット肝由来トランスグルタミナーゼ
(Sigma,0.3unit)をトリス緩衝液に溶解させて添加
し、37℃で1時間インキュベートした。
反応液を「YMC C8AP」カラム(山村化学社製)を用
いた逆相HPLCにより精製し、未反応のrX3−IL−2画分
を除去した。精製物の純度はPhast System(Pharmaci
a)を用いたSDS−PAGE(Homogenious 20ゲル使用)に
より分析した。その結果、Pul15(すなわち、平均分子
量5,000のプルランアルキルアミン)による修飾体(Pul
5−rX3−IL−2)は未修飾体に対しPul5が1分子結合し
たと予想される約5KDa程度分子量が上昇した位置にのみ
蛋白質由来のバンドを確認した。収率約10%。
実施例19(修飾位置の確認): 実施例8において調製し、凍結乾燥したPEG5−rSP−I
L−2(200μg)及びrSP−IL−2(200μg)を6M塩酸
グアニジン及び35mM EDTAを含む0.35Mトリス−塩酸緩
衝液(pH8.5、100μl)に溶解し、DTT溶液(1.2μl、
15mg/ml、同緩衝液に溶解したもの)を加えて、37℃で
1時間インキュベートした。その後、ヨード酢酸溶液
(12μl、18.6mg/ml、同緩衝液に溶解したもの)を加
え、遮光下、室温で1時間放置した。2−メルカプトエ
タノール(4μl)を加え反応を停止させた後、2.5%
酢酸であらかじめ平衡化した「Sephadex G−25」カラ
ムにアプライして試薬を除去した後、蛋白質画分を凍結
乾燥して還元アルキル化PEG5−rSP−IL−2及びrSP−IL
−2を得た。
該還元アルキル化PEG5−rSP−IL−2及びrSP−IL−の
凍結乾燥粉末(100μg)を0.1M炭酸水素アンモニウム
緩衝液(pH7.9)に懸濁し、「TPCK−トリプシン」(Sig
ma社)溶液(2μl、1mg/ml、同緩衝液に溶解したも
の)を加え、25℃で4時間酵素分解した。
反応液はそのまま「μBondapak C18」カラム(3.9×
300mm、Waters社製)による逆相HPLC分析を行なった。
その結果を図3Aおよび図3Bに示す。図3BのrSP−IL−2
のペプチドマッピング中、TS−Pと付したSP由来のアミ
ノ酸配列を含んだアミノ酸配列(Met−Arg−Pro−Lys−
Pro−Gln−Gln−Phe−Phe−Gly−Leu−Met−Ala−Pro−
Tyr−Ser−Ser−Ser−Tyr−Lys)由来のピークのみが図
3AのPEG5−rSP−IL−2のペプチドマッピングにおいて
消失し、*印を付した新たに異なったリテンションタイ
ムの位置にピークが検出された。この結果、hIL−2の
N−末端側に新たに付加したSPを元にしたアミノ酸配列
中のGln残基が選択的にPEG修飾されていると判断した。
実施例20(修飾体のIL−2活性): ATCCより入手したIL−2依存性マウス細胞「CTLL−
2」(ATCC T1B 214)を、rat IL−2(Collaborati
ve社製)約50units/mlを含む10%FCS(ウシ胎児血清)
含有RPMI 1640培地で培養した。本細胞を2%FCS含有R
PMI 1640培地で2回洗浄した後、5%FCSを含むRPMI
1640培地に2×105cells/mlとなるように浮遊させた。
この50μl(104 cellsを含む)を組織培養用96穴プレ
ートの各穴に分注し、さらに5%FCS含有RPMI 1640で
希釈した検体液を各穴50μl加えて培養した。培養開始
44時間後にAmersham社製[methyl−3H]Thymidine(2.9
6TBg/mmol)を5%FCS含有RPMI 1640で希釈し、37kBq/
20μlを各穴に加え、さらに4時間培養した。培養後、
細胞をCambridge Technology,Inc製「PHDハーベスター
(model 2000)」を用いてグラスフィルター上に捕集
し、シンチレーター(NEN社製「Aquasol IL」)を加え
た後、Packard社製液体シンチレーションカウンター
(「TRI−CARB(model 2500TR)」)で取り込まれた放
射活性を測定した。なお、検体の評価においては、標準
品として精製rhIL−2を用いた。
その結果、rhIL−2に対する比活性は、rSP−IL−2
(59%)、rX1−IL−2(93%)、rX2−IL−2(124
%)、rX3−IL−2(94%)、rX4−IL−2(93%)、rX
5−IL−2(30%)、PEG5−rSP−IL−2(95%)、及び
PEG10−rSP−IL−2(85%)、PEG5−rX1−IL−2(135
%)、PEG5−rX2−IL−2(135%)、PEG5−rX3−IL−
2(132%)、PEG5−rX4−IL−2(113%)、PEG5−rX5
−IL−2(198%)およびPu15−rX3−IL−2(115.4
%)となり、融合蛋白質及びその修飾体はrhIL−2のIL
−2活性を保持していることが示された。
実施例21(PEG修飾体の体内動態): Wistar系雄性ラット(180〜200g)に未修飾のrSP−IL
−2ならびにPEG5−rSP−IL−2およびPEG10−rSP−IL
−2の3種の各検体をrhIL−2換算で10μg/kgで静脈内
投与(n=3)し、経時的に採血して血漿を採取した。
各血漿サンプル中濃度をEIA(Enzyme Immuno Assay
「IL−2−EIAキット」(CAYMAN社製)を使用)により
測定した。
その結果、図4に示すように、rSP−IL−2は投与後
すみやかに血漿中より消失した。PEG5000で修飾したPEG
5−rSP−IL−2はrSP−IL−2よりわずかに高い血中滞
留性を示した。これに対し、PEG10000で修飾したPEG10
−rSP−IL−2は顕著に高い血中滞留性を示した。
実施例22(組織集積性): Wistar系雄性ラット(7週令)にrSP−IL−2、(Ga
l)−rSP−IL−2および(Glc)−rSP−IL−2を10
μg/kg(rhil−2換算)で静脈内投与した。投与後5分
後に主要組織を採取した。組織にPBSを9倍量添加しホ
モジナイズし、3000rpmで5分間遠心分離した後、上清
をPBSで希釈しELISAで組織中濃度を測定した。その結
果、(Gal)−rSP−IL−2が高い肝臓集積性を示し
た。
(産業上の利用可能性) 本発明により、生理活性蛋白質は、そのN−末端また
はC−末端あるいはアミノ酸配列中にペプチドがアミド
結合してなる融合蛋白質のペプチド部分に選択的にポリ
エチレングリコール、多糖、ポリアミノ酸、または分枝
型糖誘導体を有するアミノ基供与体を導入することが容
易に行ない得るところとなり、延いては該生理活性蛋白
質の医薬への利用を促進するところとなった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 阪上 昌浩 千葉県柏市明原4―4―4―102 (72)発明者 谷口 誠 埼玉県大宮市植竹町1―17―1 メイカ コーポ大宮506 (56)参考文献 Proc.Natl.Acad.Sc i.USA(1990)Vol.87,No. 21,p.8472−8475 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12P 21/00 - 21/02 BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG) EPAT(QUESTEL)

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分子量が5×103から2×105の範囲であっ
    て、少なくとも1個のグルタミン残基を有する生理活性
    蛋白質とアミノ基供与体とを、トランスグルタミナーゼ
    の存在下に反応せしめて、該グルタミン残基のγ−カル
    ボキシアミド基と該アミノ基供与体のアミノ基との間の
    アミド結合を形成せしめることを特徴とする修飾された
    蛋白質の製造方法であって、 該アミノ基供与体は、一般式(I)、(II)および(II
    I)ならびにアルキルアミン部を有する多糖からなる群
    より選択され、 NH2(CH2nT(CH2(OCH2CH2pOR1 (I) NH2(CH2nT(CH2(OCH2CH2pT(CH2nNH2 (I
    I) (ただし、一般式(I)および(II)において、nは1
    から8の整数であり、mは0から2の整数であり、pは
    1から400の整数であり、Tは結合−O−、−C(O)
    O−、−OC(O)−、−NHCO−、−OCNH−、−NHCONH
    −、−OOCNH−または−HNCOO−であり、R1は水素原子、
    炭素原子数1から5の低級アルキル基または炭素原子数
    2から6の低級アシル基であり、一般式(III)におい
    て、nは1から8の整数であり、qは2から6の整数で
    あり、R2はガラクトース、グルコースまたはN−アセチ
    ルガラクトサミンである。) 該生理活性蛋白質は、該生理活性蛋白質10μMと該生理
    活性蛋白質に対し100倍当量のモノダンシルカダベリン
    とを10mMのCaCl2を含みかつpH7.5の100mMトリス塩酸緩
    衝液中で前記トランスグルタミナーゼの存在下に37℃で
    60分間保持したときにモノダンシルカダベリンが導入さ
    れるようなものである、前記方法。
  2. 【請求項2】該生理活性蛋白質が、非反応性生理活性蛋
    白質とペプチドからなる融合蛋白質であり、該融合蛋白
    質は該非反応性生理活性蛋白質のN−末端もしくはC−
    末端またはアミノ酸配列中に該ペプチドが挿入されてな
    り、該非反応性生理活性蛋白質は該非反応性生理活性蛋
    白質10μMと該ペプチドに対し100倍当量のモノダンシ
    ルカダベリンとを10mMのCaCl2を含みかつpH7.5の100mM
    トリス塩酸緩衝液中で前記トランスグルタミナーゼの存
    在下に37℃で60分間保持したときにダンシルカダベリン
    が導入されないようなものであり、該ペプチドはα−L
    −アミノ酸残基3から20個よりなり少なくとも1個のグ
    ルタミン残基を有しかつ該ペプチド10μMと該ペプチド
    に対し100倍当量のモノダンシルカダベリンとを10mMのC
    aCl2を含みかつpH7.5の100mMトリス塩酸緩衝液中で塩基
    トランスグルタミナーゼの存在下に37℃で60分間保持し
    たときにモノダンシルカダベリンが導入されるようなも
    のである請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】該融合蛋白質が、組換え遺伝子を有する宿
    主を培養することにより製造されたものであり、該組換
    え遺伝子は該非反応性生理活性蛋白質をコードする遺伝
    子と該ペプチドをコードする遺伝子とが読み取り枠内で
    結合されている融合遺伝子を有するものである請求項2
    に記載の方法。
  4. 【請求項4】該生理活性蛋白質が、該非反応性生理活性
    蛋白質1分子につきダンシルカダベリン1分子または2
    分子を有するものである請求項1ないし3のいずれか一
    項に記載の方法。
  5. 【請求項5】一般式(I)または(II)におけるpが、
    100から300である請求項1ないし4のいずれか一項に記
    載の方法。
  6. 【請求項6】一般式(III)におけるqが2から4であ
    る請求項1ないし4のいずれか一項に記載の方法。
  7. 【請求項7】一般式(I)のアミノ基供与体が分子量5k
    Da以上である請求項1ないし4のいずれか一項に記載の
    方法。
  8. 【請求項8】アルキルアミン部を有する多糖が1kDaから
    100kDaである請求項1ないし4のいずれか一項に記載の
    方法。
  9. 【請求項9】一般式(II)のアミノ基供与体が分子量5k
    Da以上である請求項1ないし4のいずれか一項に記載の
    方法。
  10. 【請求項10】アルキルアミン部を有する多糖がブルラ
    ンまたはデキストランより製造されたものである請求項
    1または8に記載の方法。
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