JP2001500365A - P53とmdm2の間の相互作用の阻害剤 - Google Patents

P53とmdm2の間の相互作用の阻害剤

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JP2001500365A JP10504775A JP50477598A JP2001500365A JP 2001500365 A JP2001500365 A JP 2001500365A JP 10504775 A JP10504775 A JP 10504775A JP 50477598 A JP50477598 A JP 50477598A JP 2001500365 A JP2001500365 A JP 2001500365A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、オンコジーンタンパク質MDM2に結合できる化合物、このような化合物の製造法、このような化合物を含む医薬製剤、および、例えば動物または特にヒトの治療(予防を含む)におけるこのような化合物の使用に関する。本発明は、更に、野生型p53抑制因子を含む腫瘍細胞の生育を、ヒトp53とヒトMDM2の間の相互作用を阻害することにより阻害する方法およびこのような化合物に関する。

Description

【発明の詳細な説明】 P53とMDM2の間の相互作用の阻害剤 本発明は、オンコジーンタンパク質MDM2に結合できる化合物、このような 化合物の製造法、このような化合物を含む医薬製剤、および、例えば動物または 特にヒトの治療(予防を含む)におけるこのような化合物の使用に関する。本発明 は、更に、野生型p53抑制因子を含む腫瘍細胞の生育を、ヒトp53とヒトM DM2の間の相互作用を阻害することにより阻害する方法およびこのような化合 物に関する。 p53腫瘍抑制因子の不活性化はヒト腫瘍形成では頻繁に起こる。このような 阻害因子p53の不活性化は、例えば、MDM2のような細胞性オンコジーンタ ンパク質の結合に由来し得る。同分野ではまたhdm2(ヒト二重微小2)遺伝子とも 呼ばれるmdm2遺伝子によりコードされる遺伝子は、p53と、インビトロおよび インビボの両方で複合体を結合でき、p53−介在トランス活性化を阻害する(J .Momand et al.,Cell 69,1237-1245(1992))。この複合体の形成は、複合体化 p53が本質的にその腫瘍抑制活性を損失するため、腫瘍形成性形質転換には好 都合である。MDM2はヒト肉腫の約30%で過生産され、発癌性表現型に関連 している。MDM2のp53への結合を予防または減少させる化合物は、p53 の封鎖を減少させ、従ってp53腫瘍抑制活性を促進する。驚くべきことに、本 発明の化合物が、MDM2とp53の相互作用を阻害し、非上昇MDMレベルの 正常細胞におけるp53機能およびp53蓄積を活性化することが判明した。 MDM2結合部位は、成熟ヒトp53タンパク質のおおむねアミノ酸13−3 1(PLSQETFSDLWKLLPENNV:一文字表記)の領域内に位置する。近年、アミノ酸モ チーフFxxLW(ここで、F、Lおよびwはアミノ酸の一文字表記フエニルアラニン 、ロイシンおよびトリプトファンをそれぞれ意味し、xは任意のアミノ酸であり 得る)を含むp53のペプチドフラグメントが、p53とMDM2の間の結合の 阻害に特に適していることが判明している(Picksley et al.,Oncogene9,2523 -2529(1994))。しかしながら、P53−MDM2結合の有効な阻害剤であり、従 って(過)増殖性疾患のようなp53−関連疾患の処置に有利である化合物の必要 性がまだ存在する。このそして他の要求を満たすことが本発明の目的である。 一つの態様において、本発明はファージ共通アミノ酸配列P−X−F−X−D −Y−W−X−X−L(ここで、Xは任意の天然に存在するL−アミノ酸および P、F、D、WおよびLは、一文字表記のプロリン(P)、フェニルアラニン(F) 、アスパラギン酸(D)、チロシン(Y)、トリプトファン(W)およびロイシン(L) をそれぞれ意味する)がMDM2とp53の相互作用を、例えば、ELISAア ッセイで測定されるように阻害し、野生型p53配列よりも有意に増加した特異 的阻害活性を示すという驚くべき発見に基づく。 本明細書での使用において、“mdm”はオンコジーンおよび“MDM”は該 遺伝子発現により得られるタンパク質を意味する。厳密には“mdm”が“マウ ス二重微小遺伝子2”を意味するが、本明細書での使用において、また、特に、 dm2変異体、特にhdm2(ヒト二重微小遺伝子2)のような種間変異体もまた意味 する。 より具体的に、下記のように、腫瘍細胞中で、インビボおよびインビトロで野 生型p53、特にヒトp53および非上昇DMD2レベルを有するp53とMD M2および/またはmdm2の間の相互作用を阻害する化合物を提供するのが、本発 明の目的である。好ましい態様は、インビトロまたはインビボで、MDM2、特 にヒトDM2に結合できる、および特にMDM2のp53、特にヒトp53への 結合を阻害または遮断するペプチドおよびその誘導体を含む。本発明の好ましい ペプチドは、例えば適当なELISAタイプアッセイ、特に下に詳述のアッセイ で測定できるように、IC50、即ちhdm2またはp53の結合を50%阻害するの に必要な量を基にして、p53へのまたは適当なp53ペプチドへのhdm2の阻害 に関してp53野生型よりも良好である。本発明のペプチドは、p53上のMD M2結合部位を模倣する。本明細書に記載のペプチドは、式 R1−X−F−X−R2−R3−W−X−X−R4 (I) 〔式中、 R1はプロリン(P)、ロイシン(L)、グルタミン酸(E)、システイン(C)または グルタミン(Q)、 Xは一つの(任意の)天然アミノ酸、 R2はアルギニン(R)、ヒスチジン(H)、グルタミン酸(E)、システイン(C)、 セリン(S)または好ましくはアスパラギン酸(D)、 R3はヒスチジン(H)、フェニルアラニン(F)または好ましくはチロシン、 R4はフェニルアラニン(F)、グルタミン(Q)または好ましくはロイシン(L); そしてFおよびW(ならびに上記の括弧内の大文字)は、アミノ酸配列の一般的に 使用される一文字表記に従い使用し、それぞれフェニルアラニンおよびトリプト ファンを意味する〕 のアミノ酸モチーフ(N−からC−末端順で)から成るか、これらを含む。 本明細書での使用において、“アミノ酸”なる用語は、遊離(荷電または非荷 電)形、もしくは1価または2価基を含み、後者をまた“アミノ酸残基”とも呼 ぶ。例えば、式(I)の10量体ペプチドにおいて、R1およびR4は1価基(R1は 遊離アミノ基を有し、R4は遊離カルボキシ基を有する)そしてXは、例えば、2 価アミノ酸残基である。 式(I)のアミノ酸モチーフから成るまたはそれらを含む本発明の好ましいペプ チドは、15アミノ酸(15量体)を超えないペプチド、特に10量体、11量体 、12量体、13量体、14量体または15量体ペプチドからなる。このような 式(I)のアミノ酸モチーフを含むペプチドにおいて、天然アミノ酸残基はN−末 端で10量体の式(I)のモチーフに結合し得、即ち、このような付加アミノ酸は N−末端(R1の前に有る);C−末端(即ち、このようなアミノ酸はR4に続く); または式(I)のペプチドの両方の末端にある。例示的12量体および15量体ペ プチドの配列を、例えば下記実施例8に記載する。 本明細書での使用において、天然アミノ酸は、天然タンパク質に通常存在する ような、L−立体配置を有する天然α−アミノ酸である。非天然アミノ酸は、通 常タンパク質に存在しないアミノ酸、例えば、L−立体配置の天然α−アミノ酸 のエピマー、即ち非天然D−立体配置を有するアミノ酸;またはその(D,L)− 異性体混合物;またはこのようなアミノ酸の相同物、例えばβ−アミノ酸、α, α−2置換アミノ酸または、アミノ酸側鎖が1個または2個のメチレン残基によ り短くされているか、5から10まで(10を含む)の炭素原子を直鎖に含むα− アミノアルカノン酸のような10炭素原子まで伸ばされているα−アミノ酸、非 置換または置換芳香族(α−アリールまたはα−アリール低級アルキル)、例えば 置換フェニルアラニンまたはフェニルグリシンを意味する。 MDM2結合部位を介した、p53のMDM2への結合を選択的に阻害するか または防止することにより、本発明のペプチドまたはその誘導体は、p53活性 におけるMDM22の負の調節作用を有意に減少するか、無くすことができる。 従って、本発明のペプチドまたはその誘導体は、例えば、p53の促進された活 性が望まれるか、それが必要な場合、腫瘍疾患またはウイルス感染の処置におけ るp53腫瘍抑制機能の回復に使用できる。 本発明のペプチド配列は、MDM2結合に必要なp53の配列と一定の相同性 を示すが、p53にはない更なる相同性が存在する。 式 R1−X1−F−X2−R2−R3−W−X3−X4−R4 (Ia) 〔式中、 R1、R2、R3およびR4は上記式(I)での定義と同じ意味、 X1はアルギニン、アスパラギン、アラニン、スレオニンまたはバリン; X2はメチオニン、イソロイシン、スレオニン、アルギニン、アラニンまたはセ リン; X3はグルタミン酸、スレオニン、アラニン、フェニルアラニンまたはセリン; X4はグリシン、グルタミン、スレオニン、アラニンまたはアスパラギン酸〕 のペプチドが好ましい。 特に、本発明の好ましいペプチドは以下のものを含む(アミノ酸配列は一文字 表記で示す): M−P−R−F−M−D−Y−W−E−G−L−N (II); Q−P−T−F−S−D−Y−W−K−L−L−P (III); P−R−P−A−L−V−F−A−D−Y−W−E−T−L−Y (IV) 本明細書での使用において、“本発明のペプチド”は式(I)のアミノ酸モチー フを含み、ペプチド結合により結合し、非保護形である天然アミノ酸のみを含む 直鎖化合物を意味する。 本発明は、本発明のペプチドの誘導体もまた提供する。このような誘導体は直 鎖または環状であり得る。本発明の誘導体は、本発明のペプチドが、置換、化学 的、酵素的または他の適当な手段により、他の原子、もしくは他のペプチドまた はタンパク質を含む部分により、非共有結合的または好ましくは共有結合的に修 飾されている分子を含む。他のタンパク質に結合したペプチドを含む誘導体の例 は、下記実施例10に記載のように、結合要素TIP12/1により例示される。部分 はまた非天然アミノ酸であるか、式(I)のモチーフにおける1個またはそれ以上 、好ましくは1個または二個の天然アミノ酸が他の天然または非天然アミノ酸に 置換されている点で、“異質”であり得る。他のペプチドまたはタンパク質に共 有結合的に結合した本発明のペプチドまたは誘導体を含む複合体もまた本発明に 含まれる。他の部分の結合は、リンカーまたはスペーサー、例えばアミノ酸また はペプチドリンカーを含み得る。本発明の誘導体は、1個または数個または全て の可能性のある反応基、例えばアミノ、カルボキシ、スルフヒドリルまたはヒド ロキシル基が保護形でするペプチドも含む。 本発明のペプチドを誘導体化する原子または部分は、分析的目的、例えば本発 明のペプチドの検出を容易にするため、またはぺプチドの製造または精製のため に、または本発明の目的に関するペプチドの特性を改善するために働き得る。こ のような特性は、例えば、細胞性取り込み、MDM2への結合またはインビボ投 与の適性、特に溶解性または酵素分解に対する安定性を含む。本発明の誘導体は 、本発明のペプチドと他の化学部分との共有結合的または凝集的結合(該誘導体 は本発明の非誘導体化ペプチドと本質的に同じ活性を有する)および式(I)のア ミノ酸モチーフの三次元構造を似せて作られた“ペプチドアナログ”または“模 倣物”を含む。このような模倣物の例は、レトロインバーソ(retro-inverso)ペ プチド(M.Chorev,M.Goodman,Acc.Chem.Res.26,266-273(1993))である。 既知の製剤学的活性化合物の模倣物の設計は“リード”化合物に基づいた医薬の 設計の既知の実験である。これは、例えば、“元々の”活性化合物の製造が困難 で高価である場合、または具体的な投与形態に適していない場合、例えばペプチ ドが、消化管でのプロテアーゼにより直ぐに分解される傾向のため、経口組成物 用の活性剤として不安定と見なされる場合、特に望ましいことがある。 上記一般定義の範囲内の誘導体の例は: ・ジスルフィド結合、チオエーテル架橋またはラクタムを有する化合物を含む環 状ペプチドまたは誘導体。典型的に、ジスルフイド結合を含む環状誘導体は、二 つのシステインを含み、それらはL−システインまたはD−システインであり得 る。有利には、N−末端アミノ酸(例えば、式IのR1)およびC−末端アミノ酸 が両方システインである。このゆな誘導体において、システインの代替物として 、ペニシルアミン(β,β−ジメチル−システイン)を使用できる。チオエーテル 架橋を含むペプチドは、例えば、1端に遊離システイン残基を、他端で臭素含有 構築単位(例えば、ブロモ酢酸)を有する出発化合物から得ることができる。環化 は、固相で、システインの側鎖の選択的脱保護により行うことができる。環化ラ クタムは、例えば、グルタミン酸のγ−カルボキシ基とリジンのε−アミノ基の 間で形成し得る。例えば、本発明の環状ラクタムは、N−末端(例えば、式Iの R1)にGluを、C−末端にLysを有する。グルタミン酸の代替物として、アスパラ ギン酸を使用することが可能である。リジンの代替物として、オルニチンまたは ジアミノ酪酸を用い得る。また、C−末端のアスパラギン酸またはグルタミン酸 の側鎖およびN−末端アミノ酸のα−アミノ基の間にラクタムを形成することが 可能である。この実験は、β−アミノ酸(例えば、β−アラニン)にも応用できる 。あるいは、N−末端またはC−末端のグルタミン残基を、側鎖窒素原子の間の アルケンジル(alkenedy1)鎖でつなぐことができる(J.C.Phelan et al.,J.of the American Chemical Society 119,455-460(1997))。 ・置換により修飾されている本発明のペプチド。式(I)の配列において、1個ま たはそれ以上、好ましくは1個または2個のアミノ酸が他の天然または非天然ア ミノ酸、例えば対応するD−アナログまたは模倣物に置換されている。例えば、 R3がPheまたは特にTyrであるペプチドにおいて、PheまたはTyrは他の構築単位 、たとえば他のタンパク原性(proteinogenic)アミノ酸、または構造関連アナロ グにより置換され得る。好ましい修飾は、ペプチドのα螺旋構造が誘導されるか 、増加するかまたは持続されるものである。例えば、式(I)のペプチドにおいて 、R2、X3および/またはX4は互いに独立して、α,α−二置換アミノ酸残基、 α−アミノイソ酪酸、1−アミノ−シクロプロパン−1−カルボン酸、1−アミ ノーシクロペンタン−1−カルボン酸、1−アミノーシクロヘキサン−1−カル ボン酸、4−アミノピペリジン−4−カルボン酸および1−アミノーシク ロヘプタン−1−カルボン酸により置換され得る。 ・酵素、蛍光マーカー、化学ルミネッセントマーカー、金属キレート、常磁性粒 子、ビオチンなどで標識されている本発明のペプチド。このような誘導体におい て、本発明のペプチドは、結合相手に直接もしくはスペーサーまたはリンカー基 、例えば(ペプチド)親水性スペーサーを介して結合する。有利には、ペプチドは N−またはC−末端アミノ酸で結合する。例えば、ビオチンは本発明のペプチド のN−末端に、セリン残基または4量体SerGlySerGlyを介して結合し得る。 ・アミノ保護基、例えばアセチルまたはカルボキシ−保護基のような1個または それ以上の保護基を(可能性のある)反応基(側鎖)に担持する、本発明のペプチド 。例えば、本発明の化合物のC−末端カルボキシ基は、カルボキサミド官能基の 形で存在し得る。適当な保護基は、当分野で既知であり、更に下記に例示する。 このような基は、例えば、タンパク質分解的分解に対する化合物の安定性を増加 するために挿入し得る。所望により、このような保護基を除去する。 ・他のタンパク質またはペプチド、例えば、細胞性取り込みを容易にするための 他のペプチド、例えば“ペネトラチン”のような内部移行ベクターとして作用す るタンパク質と融合または結合した本発明のペプチド。本発明の例示的ペネトラ チン含有誘導体は、例えば、アンテナペディアタンパク質のホメオドメイン(D. Derossi et al.,J.Biol.Chem.269,10444-10450(1994))に由来する16ア ミノ酸配列を含むペプチド、特にアミノ酸配列:M−P−R−F−M−D−Y− W−E−G−L−N−R−Q−I−K−I−W−F−Q−N−R−R−M−K− W−K−Kを有するまたはY.-Z Lin et al.,J.Biol.Chem.270,14255-14258 (1995))に記載のペプチド配列を含むペプチドである。 ・塩、特に酸付加塩、塩基との塩、または数個の塩形成基が存在する場合、混合 塩または分子内塩。例示的塩は、例えば、実施例に記載の塩である。好ましくは 、製薬学的に許容される塩である。しかしながら、例えば、単離または精製目的 のために、製薬学的に許容されない塩を使用することも可能である。 本発明のペプチドの誘導体はまた、式(I)のペプチドと比較して、該モチーフ の構造的アミノ酸少なくとも8、即ち8個または9個を含むまたはこれからなる 、このようなペプチドのフラグメントも含む。このようなフラグメントは、上記 に 詳述のように更に誘導体化し得る。 より特異的に、本発明の好ましいフラグメントは、8量体ペプチド、即ち式 F−X2−R2−R3−W−X3−X4−R4 (Ib) 〔式中、 R2、R3およびR4は互いに独立して上記式(I)で定義の意味および好ましい意 味、 X2はメチオニン、イソロイシン、スレオニン、アルギニン、アラニンまたはセ リン、好ましくはメチオニン; X3はグルタミン酸、スレオニン、アラニン、フェニルアラニンまたはセリン、 好ましくはグルタミン酸; X4はグリシン、グルタミン、スレオニン、アラニンまたはアスパルギン酸、好 ましくはグリシン〕 の8アミノ酸残基を含むペプチド、またはこのようなフラグメントの上記で定義 の誘導体である。 同様に好ましくは、式 X1−F−X2−R2−R3−W−X3−X4−R4 (Ic) 〔式中、 R1、R2、R3およびR4は互いに独立して上記式(I)で定義の意味および好まし い意味、 X1はアルギニン、アスパラギン、アラニン、スレオニンまたはバリン、特にア ルギニン; X2はメチオニン、イソロイシン、スレオニン、アルギニン、アラニンまたはセ リン、好ましくはメチオニン; X3はグルタミン酸、スレオニン、アラニン、フェニルアラニンまたはセリン、 好ましくはグルタミン酸; X4はグリシン、グルタミン、スレオニン、アラニンまたはアスパルギン酸、好 ましくはグリシン〕 の9量体ペプチドまたはこのようなフラグメントの上記で定義の誘導体である。 本発明のペプチドフラグメントの特に好ましい誘導体は式(Ib)の8量体モチ ーフまたは式(Ic)の9量体モチーフおよびまた ・適当な標識手段、例えば酵素、蛍光マーカー、化学ルミネッセントマーカー、 金属キレート、常磁性粒子、ビオチンなどおよび/または ・例えば、アセチルのような上記で定義の1個またはそれ以上の保護基および/ または ・他のタンパク質またはペプチド、例えば上記のペプチドと融合または結合した もの も含む。 本発明のフラグメント誘導体には、1個またはそれ以上、好ましくは1個、2 個または3個のアミノ酸残基が他の天然または非天然アミノ酸に置換された式( Ib)または(Ic)のペプチドも含まれる。例えば、式中R3がPheまたは特にTyr であるペプチドにおいて、PheまたはTyrは他の構築単位、例えば他のタンパク質 原性アミノ酸または構造関連アナログ、例えばオルト−チロシン、ホモフェニル アラニンまたは2−ナフチル−アラニンで置換され得る。好ましい修飾は、フラ グメントのα螺旋構造が誘導されるか、増加するかまたは持続されるものである 。例えば、式(I)のペプチドにおいて、R2、X3および/またはX4は互いに独 立して、α−アミノイソ酪酸(Aib)、1−アミノ−シクロプロパン−1−カルボ ン酸、1−アミノ−シクロペンタン−1−カルボン酸、1−アミノ−シクロヘキ サン−1−カルボン酸、4−アミノピペリジン−4−カルボン酸または1−アミ ノ−シクロヘプタン−1−カルボン酸のようなα,α−二置換アミノ酸残基によ り置換され得る。このような置換は、オルト−チロシンによる上記置換と組み合 わせ得る。また、R2がアスパラギン酸であり、残りの可変値が上記の意味およ び好ましい意味である式(Ic)の9量体フラグメントにおいて、X1はNH2−( CH2)n−CO−(式中、nは4から6)、好ましくは6−アミノ−ヘキサン酸残 基で置換され得る。このようなフラグメント誘導体のN−末端アミノ基はアスパ ラギン酸の側鎖と共にラクタムを形成する。 例示的フラグメントは下記のものを含む:P−A−F−T−H−Y−W−Pお よび特にP−T−F−S−D−Y−W−PおよびP−R−F−M−D−Y−W− Pまたはこれらの誘導体。特に好ましくは、以下のアミノ酸配列を有するフラグ メントである:R−F−M−D−Y−W−E−G−LおよびF−M−D−Y−W −E−G−Lまたはこれらの誘導体。 特に好ましい本発明の誘導体は、本発明の例示に使用する誘導体、好ましいと して上記に記載のペプチドの誘導体および上記で定義のフラグメントの誘導体で ある。 本発明の誘導体は、本発明のペプチドと比較して、1個または数個の修飾を含 み得、例えば、1個またはそれ以上の上記で定義の部分を担持する。言いかえれ ば、本発明の誘導体は本発明のペプチド、または本発明の他の誘導体から誘導さ れるか、これを基本にした化合物を含むことを意図する。本発明の好ましい誘導 体は、MDM2への結合およびMDM2のp53タンパク質への結合を阻害また は阻止できる。 本発明の化合物は、有用な、特に薬理学的に有用な特性を有する。例えば、そ れらはp53−MDM2相互作用の阻害に反応する疾病の処置に有用である。上 記および下記での使用において、“本発明の化合物”なる用語は、本発明のペプ チドおよび誘導体ならびに記載のペプチドおよび誘導体をコードするDNA、三 本鎖形成またはアンチセンスヌクレオチド、MDM2の発現を阻害できる小分子 またはペプチドならびにp53−MDM2相互作用の阻害ができる更なる分子を 含む。 試験化合物がMDM2とp53の相互作用を阻害できる能力は、当分野で既知 のアッセイにより、または既知のアッセイの修飾により測定でき、当業者には明 白である。適当なアッセイは、例えば試験化合物、例えば本発明の化合物とMD M2の結合を測定する結合アッセイ、インビトロ転写アッセイまたは国際出願P CT/EP96/03957に対応する欧州特許出願第95810576.9号 に記載のアッセイを含む。アッセイは、定質的または定量的に行い得、1個また はそれ以上の適当なコントロールとの比較を必要とする。 好ましい結合アッセイは競合結合アッセイである。競合結合アッセイの基本原 理は当分野で既知である。簡単に、このような結合アッセイは試験化合物が、標 的分子、例えばp53またはMDM2(どの分子を既知リガンドとして使用する かに依存する)の結合部位で、既知の適当な標識リガンド、例えばMDM2また はp53と競合する能力を可能にすることにより行う。適当な標識リガンドは、 例えば放射活性標識リガンドまたは、吸光度または蛍光性のようなその光学特性 により検出できるリガンドである。非結合リガンドおよび試験化合物を除去した 後、標的タンパク質に結合した標識リガンドの量を測定する。結合リガンドの量 が試験化合物存在下で減少した場合、該化合物は標的分子に結合すると見なす。 適当なアッセイの更なる詳細は実施例に示す。例えば、ELISA−タイプア ッセイは、MDM2結合部位をp53上に有するp53または適当な標識p53 ペプチドを固定化し、MDM2の結合を阻害剤候補物と競合させるように使用し 得る。あるいは、MDM2を固定化し、p53の結合を候補物と競合させる。更 に、候補ペプチドのファージ提示が関与するアッセイ、例えばファージELIS Aアッセイを使用し得る。 特に好ましい本発明の化合物は、正確なp53野生型配列に対応するアミノ酸 配列QETFSDLWKLLPを有するペプチドよりも、p53とMDM2の結 合の選択的阻害の能力が優れている。 本発明のペプチドおよび誘導体は十分に確立された方法に従って、標準液体ま たは好ましくは固相ペプチド製造法により容易に製造でき、これらの一般的記載 は広く入手可能であるか(例えば、J.M.StewartおよびJ.D−Young,Solid Pha se Peptide Synthesis,第2版,Pierce Chemical Company,Rockford,Illinoi s(1984),M.BodanzskyおよびA.Bodanzsky,The PrActice of Peptide Synthes is,Springer Verlag,New Yourk(1984);およびApplied Biosystems 430A User s Manual,ABI Inc.,Foster City,California参照)、または液体中、液相法に より、または固相、液相および溶液化学との組み合わせにより、例えばそれぞれ のペプチド部分を最初に満たし、ついで、所望によりそして適当であれば、存在 する保護基の除去の後、各カルボン酸またはスルホン酸もしくはその反応性誘導 体の反応により残基Xを挿入することにより製造し得る。 カルボン酸またはスルホン酸の反応性誘導体は、好ましくは反応性エステル、 反応性無水物または反応性環状アミドである。反応性カルボン酸または反応性ス ルホン酸誘導体はまたその場で製造できる。 例えば、アミドまたはスルホンアミド結合の製造に必要な反応工程は、通常反 応に関与するカルボン酸またはスルホン酸基の作用のタイプに依存する。反応は 、通常、縮合剤存在下で、またはカルボン酸またはスルホン酸の活性化が無水の 形である場合、形成されたカルボン酸またはスルホン酸に結合する試薬の存在下 で行う。反応は、−30から+150℃、好ましくは+10から+70℃、およ び最も好ましくは+20から+50℃の温度範囲で、適当な場合、不活性雰囲気 下、例えば窒素またはアルゴン下で行う。 製造は、段階的に、次ぎに反応するアミノ基のNH2保護基の連続除去および 次いで活性化フラグメント(例えば、アミノ酸、ジ−、トリ−またはオリゴペプ チドまたはカルボン酸またはスルホン酸)またはこれらの反応性誘導体の脱保護 NH2(例えば、α−またはβ−NH2)への結合で進む。好ましくは、反応するア ミノ酸のCOOH基または縮合反応により結合するカルボキシルまたは硫黄基の 活性化は、 (i)直接、カルボジイミドで、カルボニルジイミダオゾールのようなカルボニル 化合物で;1,2−オキサゾリウム化合物で;2−エトキシ−1−エトキシカル ボニル−1,2−ジヒドロキノリンのようなアシルアミノ化合物で;N−[(ジメ チルアミノ)−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジン−1−イルメチ レン]−N−メチルメタンアミニウムヘキサフルオロホスフェートN−オキシド( HATU)で;2−(1H−ベンゾトリアゾル−1−イル)−1,1,3,3−テトラ メチルウロニウムテトラフルオロボレート(HBTU)で;またはベンゾトリアゾ ル−1−イル−オキシ−トリス(ジメチルアミ)−ホスホニウムヘキサフルオロホ スフェート(BOP)またはベンゾトリアゾル−1−イルーオキシーピロリジノ− ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBOP)のようなホスホニウム 化合物で; (ii)各カルボン酸またはスルホン酸臭化物、塩化物またはフッ化物のような対称 無水物(例えば、対応する酸のカルボジイミドまたは1−ジエチル−アミノピロ リン存在下での縮合により得られる;対称無水物法)、非対称無水物の形成を介 して、または (iii)“活性エステル”、例えば1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT) またはN−ヒドロキシスクシンイミドエステルのようなアミノ−またはアミドエ ステル、またはペンターフルオロフェニル、4−ニトロフェニルまたは2,4,5 −テトラクロロフェニルエステルのようなアリールエステルの形成により; または(i)から(iii)に記載の試薬および反応の適当な組み合わせにより行う。 縮合反応に用いることができる有用な酸結合試薬は、例えば、炭酸ナトリウム または炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウムまたは炭酸水素カリウムのようなアル カリ金属カーボネートまたはビカーボネート(適当であれば、硫酸と共に)、また は立体的障害有機窒素塩基、例えばN,N−ジイソプロピル−N−エチルアミン のようなトリ−低級アルキルアミンであり、これは単独または適当な組み合わせ で使用できる。 リガンドのモノマーもしくは1個またはそれ以上の結合段階により得られる樹 脂結合または遊離中間体の反応基は、ペプチド製造で慣用的に使用される保護基 として、第3基により保護され得る。保護基の例、その挿入および除去は、例え ば“Protective groups in Organic Chemistry”,Plenum Press,London,New York 1973;“Methoden der organischen Chemie”,Houben-Weyl,4版,Vol.1 5/1,Georg-Thieme Verlag,Stuttgart 1974;Th.W.Greene,“Protective Gro ups in Organic Synthesis”,John Wiley & Sons,New York 1981;Atherton et al.“Solid Phase Peptide Synthesis- A Practical Approach”IRL Press Ox ford University,1984;Jones,“The Chemical Synthesis of Peptides”,Oxf ord Science Publications,Clavendon Press Oxford,1991;およびBodanszky, “Peptide Chemistry”,Springer Verlag Berlin,1988のような標準的文献に 記載されている。“保護基”なる用語は、また固相製造に使用する樹脂、好まし くは上記および下記に特記のものを含む。 ヒドロキシ保護基の例は、tert−低級アルコキシカルボニル基、例えばtert− ブトキシカルボニルのようなアシル基、tert−低級アルキル基、例えばt−ブチ ルのようなエーテル化基、またはtert−ブチル−ジメチルシリルまたはトリ−n −ブチルスズのようなシリルーまたはスズ基である。 カルボキシ基は、上記のC−末端保護基Yとして定義の基により、好ましくは tert−ブチル型、ベンジル、トリメチルシリルエチルおよび2−トリフェニルシ リル基から選択されたエステル化基で保護され得、またはアリルエステルのよう な低級アルケニルエステルとして保護され得る。 (例えば、H−Arg−OHにおける)アミノまたはグアニジン基は、除去可能ア シル基またはアリールメチル、エーテル化メルカプト、2−アシル−低級アルコ −1−エニル、シリル基または有機スルホニル基またはスズアミノ保護基として 保護され得る;tert−ブトキシカルボニル、アリルオキシカルボニル、ベンジル −オキシカルボニル、4−ニトロベンジルオキシカルボニル、2−クロロベンジ ルオキシカルボニル、2−ブロモベンジルオキシカルボニル、ジフェニルメトキ シカルボニル、ニトロフェニルスルフェニル、2,2,2−トリクロロ−エトキシ カルボニル、2,2,5,7,8−ペンタメチルクロラン−6−スルフォニル(PM C−非常に好ましい)、2,2,4,6,7−ペンタメチルジヒドロベンゾフラン− 5−スルホニル(Pbf)または4−メトキシ−2,3,6−トリメチル−ベンゼンス ルホニル(Mtr)が特に好ましい。 カルバミド基(例えば、アスパラギンまたはグルタミンの側鎖として)は窒素原 子を、1個またはそれ以上のフェニル環上の1個またはそれ以上のメトキシのよ うな低級アルコキシおよび/またはメチルのような低級アルキルアルコキシ置換 基と共に、アリールメチル基、好ましくはトリフェニルメチル(トリチル)また はそのアナログにより保護できる。 イミノ基(例えばイミダゾールにおいて)は、2,4−ジニトロフェニル、トリ チル、tert−ブトキシ−カルボニルまたはp−トルエンスルホニルまたは(例え ばインドールにおいて)ホルミルまたはtert−ブトキシカルボニルにより保護で きる。 メルカプト基は、例えば、アセトアミドメチル、トリチルまたはp−メチルベ ンジルにより保護できる。 最終生産物のまたは中間体の保護基を除去する多くの方法が当分野で既知であ り、特にβ−除去、加溶媒分解、加水分解、アルコール分解、酸分解、光分解、 酵素的除去、塩基での処理または還元を含む。 保護基は、通常ペプチド化学の慣用法により、樹脂結合分子の完全な製造後に 、簡便には95%トリフルオロ酢酸との処理により(Fmoc-処理)、除去する。あ る場合、ジメチルスルフィドおよび/または2−エタンジチオールのような強求 核 試薬を更に添加し、例えば、トリメチル−シリルトリフルオローメタンスルホン 酸/ジメチルスルフィド/トリフルオロ酢酸/エタンジチオール/m−クレゾー ルとの組み合わせで、保護基の除去により発生した化合物の捕獲をし得る。 固相ペプチド製造の二つの好ましい方法は、それぞれtert−ブトキシカルボニ ル(Boc)または9−フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)基の使用によ り名付けられたBocおよびFmoc法であり、結合するアミノ酸残基のα−NH2ま たはα−NHR3を保護する(それぞれJ.M.Stewart,J.D.Young,Solid-Phas e Peptide Synthesis,第2版,Pierce,Rockford,Illinois(1984)またはG.Ba rany,R.B.Merrifield,Solid-phase Peptide Synthesis,The Peptides,Vol .2(E.Gross,J.Meienhofer編),Academic Press,New York(1979);およびE. AthertonおよびR.C.Sheppard,Solid-Phase Peptide Synthesis− A Practica l Approach,編,D.RickwoodおよびB.D.Hames,IRL Press at Oxford Univer sity Press,Oxford,(1989)参照)。 本発明の誘導体は、新たな製造または本発明のペプチドまたは他の誘導体から の出発を含む慣用法に従って製造する。 他の態様において、本発明は、腫瘍細胞中のp53とMDM2の相互作用を阻 害することによる、過増殖性疾患の処置または予防法を提供する。この方法は、 有効量の本発明の化合物をヒトを含む温血動物または野生型p53を含む腫瘍細 胞に投与することを含み得る。本発明の化合物の投与は、細胞生育停止またはア ポトーシスを誘導し得る。本発明は非上昇MDM2レベルの疾病または腫瘍細胞 の処置に使用し得る。本明細書で使用する非上昇レベルのMDM2は、mdm2の正 常コピー数(2)より多く含む細胞で見られるより低いか、ELISAまたは当分 野で既知の同様のアッセイで測定して約10,000分子のMDM2/細胞より 低いMDM2レベルを意味する(Picksley et al.,Oncogene 9,2523-2529(199 4))。 本発明の方法は、DNAを腫瘍細胞および/またはヒトを含む温血動物に投与 することを含む。本発明のDNAはp53とMDM2の相互作用を阻害する生産 物をコードする。典型的にDNAは、真核細胞での発現に必要なDNA配列がD NAの発現をもたらすように正確に位置した、レトロウイルス、DNAウイルス またはプラスミドのような発現ベクター中にある。DNA配列は高レベルの所望 の生産物を、腫瘍細胞中で、下記の結合要素TIP12/1により例示されるような、 安定で活性な形で発現するように設計する。DNAは適当に、インビボ、エキソ ビボまたはインビトロで細胞に投与し得る。DNAは、リポソームに封入されて 、マイクロインジェクションまたは十分な細胞取り込みを他性するために当分野 で既知の他の形で投与し得る。 p53とMDM2の相互作用を、MDM2の発現に作用することにより阻害す る化合物の投与は、また本発明に含まれる。mdm2遺伝子またはそのmRNAに結 合し、転写または翻訳を妨げる三重鎖形成またはアンチセンスオリゴヌクレオチ ドもまた腫瘍細胞および/またはヒトを含む温血動物にインビボ、エキソビボま たはインビトロで投与し得る。オリゴヌクレオチドは、非処理mRNAまたは処 理mRNAと相互作用し得る。MDM2発現を特異的に阻害する小分子およびペ プチドもまた細胞に投与し得る。 本発明の方法の他の態様において、p53とMDM2の間の相互作用を阻害す る抗体を腫瘍細胞および/またはヒトを含む温血動物に投与し、細胞生育停止ま たはアポトーシスを促進し得る。本発明の抗体はp53とMDM2の相互作用を 阻害し、ポリクローナル、モノクローナルおよび組換え抗体を含み得る。本発明 の抗体は、リポソームまたは細胞取り込みを促進するための当分野で既知の他の 手段と結合し得る。本発明の抗体をコードするDNAもまた上記のように細胞に 投与し得、抗体は投与DNAの発現により送達される。 更に、本発明は、結合相手、特にMDM2の精製への使用;医薬開発または設 計のための“リード化合物”としての使用;MDM2とp53の結合を阻害する 化合物の同定法への使用;例えば、白血病または肉腫もしくは膠芽腫のような固 形癌の場合の血液サンプルのMDM2レベルを測定するための診断への使用を含 む本発明の化合物の使用に関する。 本発明は、本発明の化合物を含む医薬組成物、過増殖性疾患およびウイルス感 染の治療的(予防的を含む)処置におけるその使用、該使用のための化合物および 医薬製剤の製造法にも関する。 本発明の薬理学的に許容される化合物は、例えば、有効量の活性成分を、相当 量の無機または有機、固体または液体の製薬学的に許容される担体と共に含む医 薬組成物の製造のために使用し得る。 本発明は、一定量の本発明のペプチドまたは阻害に有効な製薬学的に許容され るその誘導体を、少なくとも一つの製薬学的に許容される担体と共に含む、p5 3とMDM2の相互作用の阻害に反応する疾病の処置または防止(=予防)のため の温血動物、特にヒト(または、温血動物、特にヒト由来の細胞または細胞系、 例えばリンパ球)への投与に適した医薬組成物を提供する。 有効量の薬理学的活性成分を、単独または相当量の製薬学的に許容される担体 を含む本発明の医薬組成物は、温血動物(ヒトおよび動物)に経鼻、経直腸または 経口のような経腸もしくは筋肉内注射または静脈内注射のような非経腸投与投与 する。活性成分の量は、温血動物種、体重、年齢および個々の状態、個々の薬物 動態データ、処置する疾病および投与形態に依存する。本発明はまた、予防的ま たは特に治療的有効量の本発明の化合物を、特に上記疾病の一つに罹患し、処置 を必要とする温血動物、例えばヒトに投与することを含む、MDM2とp53の 相互作用の阻害に反応する疾病の処置法にも関する。好ましい態様において、投 与する化合物は本発明のペプチドまたは誘導体である。 医薬組成物は、約1%から約95%、好ましくは約20%から約90%の活性 成分を含む。本発明の医薬組成物は、例えば、アンプル、バイアル、座薬、糖衣 錠、錠剤またはカプセルの形のような単位投与形であり得る。 本発明の医薬組成物は、それ自体既知の、例えば、慣用の溶解、凍結乾燥、混 合、顆粒化または糖衣錠製造法により製造する。 活性成分の溶液およびまた懸濁液、特に等張水性溶液または懸濁液は特に好ま しく、例えば活性成分単独または担体、例えばマンニトールと共に含む凍結乾燥 組成物の場合、このような溶液または懸濁液を使用前に製造することが可能であ る。医薬組成物は滅菌し得および/または賦形剤、例えば防腐剤、安定化剤、湿 潤剤および/または乳化剤、溶解剤、浸透圧調整用の塩および/または緩衝液を 含み得、それ自体既知の方法で、例えば慣用の溶解または凍結乾燥処理により製 造する。該溶液または懸濁液は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カル ボキシメチルセルロース、デキストラン、ポリビニルピロリドンまたはゼラチン のような粘性増加物質を含み得る。 油中への懸濁液は、油成分として注射目的で慣用的な植物油、合成油または半 合成油を含む。これらは、それ自体特に、酸成分として8から22、特に12か ら22炭素原子を含む長鎖脂肪酸、例えばラウリル酸、トリデシル酸、ミリスチ ン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、アラキド ン酸、ベヘン酸または対応する不飽和脂肪酸、例えばオレイン酸、エラジン酸、 ユークリット酸、ブラシジン酸またはリノレン酸を、所望により抗酸化剤、例え ばビタミンE、β−カロテンまたは3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ トルエンと共に含む液体脂肪酸エステルを特記し得る。これらの脂肪酸エステル のアルコール成分は、最大6炭素原子であり、モノ−またはポリヒドロキシ、例 えばモノ−、ジ−またはトリ−ヒドロキシアルコール、例えばメタノール、エタ ノール、プロパノール、ブタノールまたはペンタノールまたはこれらの異性体で あるが、特にグリコールおよびグリセロールである。以下の脂肪酸エステルの例 が特筆に値するものである:オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、パ ルミチン酸イソプロピル、“Labrafil M 2375”(ポリオキシエチレングリセローーモンド油、オリーブ油、ひまし油、ゴマ油、大豆油およびより特にピーナッツ 油のような植物油。 注射用組成物は、滅菌条件下、慣用法で製造する;同じことがまた組成物のア ンプルまたはバイアルへの挿入および容器の密封にも当てはまる。 経口投与用医薬組成物は、活性成分を固体担体と組み合わせ、所望により得ら れた混合物を造粒し、所望によりまたは必要により適当な賦形剤の添加後、混合 物を錠剤、糖衣錠コアまたはカプセルに加工することにより得ることができる。 活性成分を定められた量で分散または放出させるプラスチック担体にそれらを入 れることもまた可能である。 適当な担体は糖、例えばラクトース、サッカロース、マンニトールまたはソル ビトール、セルロース製剤および/またはリン酸カルシウム、例えばリン酸三カ ルシウム、リン酸水素カルシウムのような充填剤、および例えばトウモロコシ、 小麦、米またはジャガイモ澱粉を使用した澱粉ペースト、ゼラチン、トラガカン ト、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチ ルセルロースナトリウムおよび/またはポリビニルピロリドンのような結合剤お よび/または所望により上記澱粉およびまたカルボキシメチル澱粉、架橋ポリビ ニルピロリドン、寒天、アルギン酸またはアルギン酸ナトリウムのようなその塩 のような崩壊剤である。賦形剤は、特に流動調節剤および滑剤、例えばケイ酸、 タルク、ステアリン酸またはステアリン酸マグネシウムまたはカルシウムのよう なその塩および/またはポリエチレングリコールである。糖衣錠コアは、適当な 、所望により腸溶性コーティングを施され、とりわけアラビアガム、タルク、ポ リビニルピロリドン、ポリエチレングリコールおよび/または二酸化チタンを含 む濃縮糖溶液または適当な有機溶媒のコーティング溶液、または例えば腸溶性コ ーティングを製造するために、フタル酸エチルセルロースまたはフタル酸ヒドロ キシプロピルメチルセルロースのような適当なセルロース製剤の溶液で処理され る。カプセルはゼラチンからなる乾燥充填カプセルおよびゼラチンとグリセロー ルまたはソルビトールのような可塑剤からなる軟密封カプセルである。乾燥充填 カプセルは、顆粒の形の活性成分を、ラクトースのような充填剤、澱粉のような 結合剤および/またはタルクまたはステアリン酸マグネシウムのような滑剤およ び所望により安定化剤と共に含む。軟カプセルにおいて、活性成分は好ましくは 、脂肪油、パラフィン油または液体ポリエチレングリコールのような適当な油状 賦形剤に溶解または懸濁し、安定化剤および/または抗細菌剤を添加することも 可能である。着色剤または色素を錠剤または糖衣錠コーティングもしくはカプセ ル型に、例えば同定目的のためにまたは活性成分の異なる容量を同定するために 添加し得る。 以下の実施例は本発明を説明するために記載するが、限定するものと解釈して はならない。本発明は特に特異的態様(これらの実施例に記載の、例えば、ペプ チド、その製造法およびアッセイ)に関する。 略語:Acrld=ペプチドのCys−スルフィジル基と6−アクリロイル−2−(ジ メチルアミノ)ナフタレンとの反応により得られるチオエーテル;o/n=一晩 ;Aib:α−アミノイソ酪酸;Ac3c:1−アミノ−シクロプロパン−1− カルボン酸。実施例 実施例1: N−アシル化ペプチド誘導体の製造 下記のペプチドは、Milligen 9050自動ペプチド製造装置(連続流動;Millipor e,Bedford,MA,USA)で、C−末端カルボキシアミドを確立するためにFmoc− PAL−PEG−PS樹脂(Albericio,F.et al.,J.Org.Chem.,55(1990) 3730-3743参照)で出発して、フルオレニルメトキシカルボニル化学に基づいた化 学プロトコール(E.AthertonおよびR.C.Sheppard,Solid-Phase Peptide Synt hesis−A Practical Approach,編;R.RickwoodおよびB.D.Hames,IRL Press at Oxford University Press,Oxford,1989参照)を使用して製造する。必要な Fmoc−アミノ酸(3当量)は、30分の最小反応で、その2,4,5−トリクロロ フェニルエステル(1結合)を使用して包含させる(9050 Plus PepSynthesizer US er's Guide,Millipore Corporation,Bedford,MA,1992参照)。側鎖は以下の 基で保護される: アスパラギン酸、グルタミン酸、チロシン、セリンおよびスレオニンのtert−ブ チル; リジンおよびトリプトファンのtert−ブトキシカルボニル; アルギニンの2,2,5,7,8−ペンタメチル−クロマン−6−スルホニル; ヒスチジン、システイン、アスパラギンおよびグルタミンのトリチル。 最終結合反応後に得られる完成ペプチド樹脂を同時にトリフルオロ酢酸/水/ エタンジチオール(76:4:20、v/v/v)で3時間、室温で処理すること により脱保護し、開裂する。各開裂反応由来の濾液は、ジイソプロピルエーテル −石油エーテル(1:1、v/v)中で0℃で沈殿させ、沈殿物を濾過により回収 する。粗化合物を2N AcOH/アセトニトリル(1:1、v/v)に溶解し、 Nin−カルボキシ基をトリプトファンの側鎖から除去する。一連の反応を分析的 逆相HPLCで追跡する。2時間、40℃の後、溶液を濃縮乾固し、粗ペプチド を、C18カラムを使用し、0.1%トリフルオロ酢酸含有アセトニトリル−水勾 配で溶出する逆相中圧液体クロマトグラフィーで精製する(Merck LICHROPREP RP -18、15−35μmビーズ直径、C18−誘導体化シリカゲルを元にした逆相 カラム材料、Merck,Darmstadt,FRG;カラム長46cm、直径3.6cm;流速53. 3ml/分;215nmで検出)。マススペクトル分析(飛行時間マススペクトルのマ トリックス関連レーザー脱着イオン化時間、MALDI−TOF)は、期待値(陽 性または陰性イオンモード)の0.1%以内の分子量を示す。最終生産物の定量的 アミノ酸分析は、期待値の5%以内のアミノ酸組成を示す、ペプチドの純度は、 Nucleosilカラム(250×4.0mm;5mm、100)による逆相分析HPLCによ り証明する;MeCN/0.09%TFAおよび10分にわたるH2O/0.1% TFAの1.49から3:2への勾配;流速2.0ml/分、215nmでの検出(H PLCシステムA);HPLCシステムB:MeCN/0.09%TFAおよび1 0分にわたるH2O/0.1%TFAの1.49から1:0への勾配;流速2.0ml /分、215nmでの検出。 ペプチドは下記の通りである: ・Ac−Thr−Gly−Pro−Ala−Phe−Thr−His−Tyr−Trp−Ala−Thr−Phe−NH2(T FA塩); マススペクトル分析(陰性イオンモード):1441.7(計算値1441.6、C7 1921617)、tR( 保持時間)=8.08分(HPLCシステムA)。 ・Ac−Met−Pro−Arg−Phe−Met−Asp−Tyr−Trp−Glu−Gly−Leu−Asn−NH2(T FA塩) マススペクトル分析(陰性イオンモード):1598.9(計算値1598.9、C7 310118192)、tR=8.82分(HPLCシステムA)。 ・Ac−Gln−Pro−Thr−Phe−Ser−Asp−Tyr−Trp−Lys−Leu−Leu−Pro−NH2(T HA塩); マススペクトル分析(陰性イオンモード):1534.8(計算値1534.8、C7 51051519)、tR=8.73分(HPLCシステムA)。 ・Ac−Pro−Ala−Phe−Thr−His−Tyr−Trp−Pro−NH2(TFA塩) マススペクトル分析(陰性イオンモード):1060.3(計算値1060.2、C5 4671211)、tR=8.21分(HPLCシステムA)。 ・Ac−Pro−Thr−Phe−Ser−Asp−Tyr−Trp−Pro−NH2 マススペクトル分析(陰性イオンモード):1052.0(計算値1052.1、C52631014)、tR=7.97分(HPLCシステムA)。 ・Ac−Pro−Arg−Phe−Met−Asp−Tyr−Trp−Pro−NH2(TFA塩) マススペクトル分析(陰性イオンモード):1151.6(計算値1151.3、C5 67213121)、tR=8.42分(HPLCシステムA)。 ・Ac−Gln−Glu−Thr−Phe−Ser−Asp−Leu−Trp−Lys−Leu−Leu−Pro−NH2(T FA塩)(野生型配列) マススペクトル分析(陰性イオンモード):1517.1(計算値1516.8、C7 21071620)、tR=9.30分(HPLCシステムA)。tR=6.65(HP LCシステムB) ・Ac−Gln−Pro−Thr−Phe−Ser−Asp−Leu−Trp−Lys−Leu−Leu−Pro−NH2(T FA塩) マススペクトル分析(陰性イオンモード):1485.0(計算値1484.8、C7 21071618)、tR=9.32分(HPLCシステムA)、tR=6.66(HP LCシステムB) ・Ac−Gln−Glu−Thr−Phe−Ser−Asp−Tyr−Trp−Lys−Leu−Leu−Pro−NH2(T FA塩) マススペクトル分析(陰性イオンモード):1567.3(計算値1566.8、C7 51051621)、tR=8.55分(HPLCシステムA)、tR=6.19(HP LCシステムB) ・Ac−Val−Gln−Asn−Phe−Ile−Asp−Tyr−Trp−Thr−Gln−Gln−Phe−NH2 マススペクトル分析(陰性イオンモード):1628.8(計算値1628.8、C7 81031821)、tR=7.03分(HPLCシステムA) ・Ac−Ile−Asp−Arg−Ala−Pro−Thr−Phe−Arg−Asp−His−Trp−Phe−Ala−L eu−Val−NH2(TFA塩) マススペクトル分析(陰性イオンモード):1883.9(計算値1884.2、C8 91282521)、tR=8.57分(HPLCシステムA) ・Ac−Pro−Arg−Pro−Ala−Leu−Val−Phe−Ala−Asp−Tyr−Trp−Glu−Thr−L eu−Tyr−NH2(TFA塩) マススペクトル分析(陰性イオンモード):1881.6(計算値1881.2、C9 21272023)、tR=9.58分(HPLCシステムA);tR=6.88分(H PLCシステムB) ・Ac−Pro−Ala−Phe−Ser−Arg−Phe−Trp−Ser−Asp−Leu−Ser−Ala−Gly−A la−His−NH2(TFA塩) 表題化合物:マススペクトル分析(陰性イオンモード):1688.6(計算値16 88.9、C781072221)、tR=9.09分(HPLCシステムA);tR= 6.48分(HPLCシステムB) 所望により、ペプチド誘導体は遊離N−末端アミノ基を含む。遊離N−末端基 を有するペプチドは: ・H−Thr−Gly−Pro−Ala−Phe−Thr−His−Tyr−Trp−Ala−Thr−Phe−NH2(T FA塩) マススペクトル分析(陰性イオンモード):1396.6(計算値1396.6、C6 9871616)、tR=7.86分(HPLCシステムA) ・H−Met−Pro−Arg−Phe−Met−Asp−Tyr−Trp−Glu−Gly−Leu−Asn−NH2(T FA塩) マススペクトル分析(陰性イオンモード):1556.6(計算値1556.8、C7 19918182)、tR=7.92分(HPLCシステムA) を含む。実施例2 :Cys(Acrld)ペプチド誘導体の製造 I.Ac−Cys(Acrld)−Gly−Gln−Pro−Thr−Phe−Ser−Asp−Tyr−Trp−Lys−Leu −Leu−Pro−NH2(TFA塩) Ac−Cys−Gly−Gln−Pro−Thr−Phe−Ser−Asp−Tyr−Trp−Lys−Leu−Leu−P ro−NH2(TFA塩)を実施例1と同様に得る(マススペクトル分析(陰性イオンモ ード):1694.7(計算値1695.0、C8011318211)、tR=8.3 9分(HPLCシステムA))。 脱気リン酸緩衝液(pH=7.5)20ml中のAc−Cys−Gly−Gln−Pro−Thr−Ph e−Ser−Asp−Tyr−Trp−Lys−Leu−Leu−Pro−NH2(18μmol)の溶液に、アセ トニトリル2mlに溶解した6−アクリロイル−2−(ジメチ ルアミノ)ナフタレン(2倍過剰;Molecular Probes,Inc.,Leiden,The Nether lands)を添加する。溶液を一晩室温でアルゴン雰囲気下撹拌する。反応終了後、 トリフルオロ酢酸を添加し、溶液を濃縮乾固する。化合物を逆相中圧液体クロマ トグラフィーで精製する。 表題化合物:マススペクトル分析(陰性イオンモード):1920.4(計算値19 20.3、C9512819221)、tR=9.20分(HPLCシステムA); tR=6.60(HPLCシステムB)。 II.Ac−Cys(Acrd)−Gly−Pro−Thr−Phe−Ser−Asp−Leu−Trp−Pro−NH2(TF A塩) Ac−Cys−Gly−Pro−Thr−Phe−Ser−Asp−Leu−Trp−Pro−NH2を実施例1と 同様に得る(マススペクトル分析(陰性イオンモード):1162.0(計算値11 62.3、C547312151)、tR=8.00分(HPLCシステムA))。 表題化合物(II)を上記実施例(I)と同様にして得る。 表題化合物:マススペクトル分析(陰性イオンモード):1387.6(計算値13 87.6、C698813161)、tR=9.63分(HPLCシステムA);tR =6.87(HPLCシステムB)。 III.Ac−Cys(Acrd)−Pro−Thr−Phe−Ser−Asp−Leu−Trp−Pro−NH2(TFA 塩) Ac−Cys−Pro−Thr−Phe−Ser−Asp−Leu−Trp−Pro−NH2を実施例1と同様 に得る(マススペクトル分析(陰性イオンモード):1105.5(計算値1105. 3、C527011141)、tR=8.25分(HPLCシステムA))。 表題化合物を上記実施例と同様にして得る。 表題化合物:マススペクトル分析(陰性イオンモード):1330.6(計算値13 30.6、C678512151)、tR=9.82分(HPLCシステムA);tR =7.02(HPLCシステムB)。実施例3: ビオチニル化ペプチド誘導体の製造 ・ビオチン−Ser−Gly−Ser−Gly−Gln−Glu−Thr−Phe−Ser−Asp− Leu−Trp−Lys−Leu−Leu−Pro−NH2(TFA塩)(野生型配列) (+)−ビオチン(3当量;Fluka,Buchs,Switzerland)を、ジイソプロピルエチ ルアミン(6当量)存在下、N−[(ジメチルアミノ)1H−1,2,3−トリアゾロ [4,5−b]ピリジン−1−イルメチレン]−N−メチルメタン−アミニウムヘキ サフルオロホスフェートN−オキシド(3当量;二結合;PerSeptive Biosystems ,Hamburg,Germany)と結合させる。 マススペクトル分析(陰性イオンモード):1989.5(計算値1989.3、C9 013522271)、tR=9.02分(HPLCシステムA)、tR=6.55( HPLCシステムB) ・ビオチン−Ser−Gly−Ser−Gly−Gln−Pro−Thr−Phe−Ser−Asp−Leu−Trp− Lys−Leu−Leu−Pro−NH2(TFA塩) マススペクトル分析(陰性イオンモード):1957.9(計算値1957.3、C9 013522251)、tR=9.04分(HPLCシステムA)、tR=6.57( HPLCシステムB) ・ビオチン−Ser−Gly−Ser−Gly−Gln−Glu−Thr−Phe−Ser−Asp−Tyr−Trp− Lys−Leu−Leu−Pro−NH2(TFA塩) マススペクトル分析(陰性イオンモード):2039.3(計算値2039.3、C9 313322281)、tR=8.46分(HPLCシステムA) ・ビオチン−Ser−Met−Pro−Arg−Phe−Met−Asp−Tyr−Trp−Glu−Gly−Leu− Asn−Arg−Gln−Ile−Lys−Ile−Trp−Phe−Gln−Asn−Arg−Arg−Met−Lys−Tr p−Lys−Lys−NH2(TFA塩) マススペクトル分析(陰性イオンモード):4098.4(計算値4099.0、C1 8828455414)、tR=9.08分(HPLCシステムA);tR=6.41 分(システムB)。この誘導体はビオチン標識、スペーサーとしてのセリン、本発 明のペプチドおよび、アンテナペディアタンパク質のホメオドメイン由来のペン トラチン配列Arg−Gln−Ile−Lys−Ile−Trp−Phe−Gln−Asn−Arg−Arg−Met− Lys−Trp−Lys−Lysを含む(D.Derossi,J.Biol.Chem.269,10444-10450(199 4))。 ・Ac−Ala−Ala−Val−Ala−Leu−Leu−Pro−Ala−Val−Leu−Leu −Ala−Leu−Leu−Ala−Pro−βAla−Met−Pro−Arg−Phe−Met−Asp−Tyr−Trp −Glu−Gly−Leu−Asn−βAla−Lys(ビオチン)−NH2(TFA塩) ペプチドは内部移行ベクター:Ala−Ala−Val−Ala−Leu−Leu−Pro−Ala−Va l−Leu−Leu−Ala−Leu−Leu−Ala−Proを含む(Lin et al.,J.Biol.Chem.27 0,14255-14258(1995))。 ペプチドは、実施例1に記載のように、Na−Fmoc−Lys(Aloc)−OHを使用 して製造する。最後の残基の取り込み後、リジンの側鎖をテトラキス(トリフェ ニルホスフィン)パラジウム(O)で、ジクロロメタンに溶解したトリメチルシリ ル酢酸および4−(トリメチルシリル)モルホリン存在下で脱保護する。脱保護は 、アルゴン雰囲気下で2時間、室温で行い、続いてジクロロメタン(4回1分)、 N−メチルピロリジン−2−オン(4回1分)、0.5%ジスイソピロピルエチル アミン含有DMF中の0.05Mジエチルジチオカルバメート(4回1分)および N−メチルピロリジン−2−オン(4回1分)で洗浄する。(+)−ビオチンのリジ ン側鎖への取りこみは、ジイソプロピルエチルアミン存在下で、N−[ジメチル アミノ)1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b)ピリジン−1−イルメチレン] −N−メチルメタンアミニウムヘキサフルオロホスフェートN−オキシドで触媒 させる。 表題化合物:マススペクトル分析(陰性イオンモード):3593.7(計算値35 93.4、C16926540403)、tR=9.15分(HPLCシステムB)。実施例4 :ジスルフィド結合含有環状ペプチド誘導体 ジスルフィド結合含有環状ペプチドは、対応するシステイニルペプチドから下 記のように製造する:システイニルペプチド(20mg;以下では出発物質と記載 する)を0.1M炭酸水素アンモニウム溶液(20ml)に溶解する。混合物を定圧で 置する。溶液の一定量を異なる時間に回収し、分析的HPLCで分析する。24 時間後、反応混合物を濃縮乾固する。粗化合物を水に溶解し、直接、上記のよう に中圧液体クロマトグラフィーシステムに注入し、表題化合物を得る。 Ac−Cys−Thr−Phe−Ser−Asp−Tyr−Trp−Cys−NH2は実施例1と同様にして得 られる。 表題化合物:マススペクトル分析(陰性イオンモード):1064.6(計算値10 64.2、C485910142)、tR=8.15分(HPLCシステムA)。 ・Ac−Cys−Thr−Phe−Ser−Asp−Tyr−Trp−Cys−NH2 S−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−S 表題化合物:マススペクトル分析(陰性イオンモード):1062.2(計算値10 62.2、C485710142)、tR=7.96分(HPLCシステムA)。 出発化合物:マススペクトル分析(陰性イオンモード):1070.0(計算値10 70.2、C506112112)、tR=8.35分(HPLCシステムA)。 ・Ac−Cys−Ala−Phe−Thr−His−Tyr−Trp−Cys−NH2(TFA塩) S−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−S マススペクトル分析(陰性イオンモード):1070.4(計算値1070.2、C5 06112112)、tR=8.13分(HPLCシステムA)。 Ac−Cys−Arg−Phe−Met−Asp−Tyr−Trp−Cys−NH2(TFA塩) 出発化合物:マススペクトル分析(陰性イオンモード):1163.7(計算値11 63.4、C526813123)、tR=8.67分(HPLCシステムA)。 ・Ac−Cys−Arg−Phe−Met−Asp−Tyr−Trp−Cys−NH2(TFA塩) S−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−S マススペクトル分析(陰性イオンモード):1161.1(計算値1161.4、C5 26613123)、tR=8.33分(HPLCシステムA)。 システインの代替物として、ペニシラミン(β,β−ジメチル-システイン)も 使用できる。また、L−システインをD−システインにN−またはC−末端、ま たは両側で変換し得る。チオエーテル架橋を含むペプチドは、遊離システイン残 基をC−末端にそして臭素含有構築単位(例えば、ブロモ−酢酸)をN−末端に含 む出発化合物から形成する。環化は、固相で、システインの側鎖の選択的脱保護 により行うことができる(Mayer,J.P.et al.,Thetrahedron Lett.361411,73 87-7390(1995))。実施例5: ラクタムペプチド誘導体の製造 ペプチドは、手動で、4−(2',4'−ジメトキシフェニル−アミノメチル)− ルメトキシカルボニル法を使用して行う。Fmoc−除去はピペリジン/ジメチルア セトアミド(1:4、v/v;6回2分)で、続いてメタノール(3回1分)、N− メチルピロリジン−2−オン(2回1分)、メタノール(3回1分)およびN−メチ ルピロリジン−2−オン(3回2分)で洗浄する。アミノ酸側鎖は以下の基で保護 する:スレオニン、セリン、アスパラギン酸、チロシンのtert−ブチル;アルギ ニンの2,2,5,7,8−ペンタメチル−クロマン−6−スルホニル;トリプトフ ァンのtert−ブチルオキシカルボニル;グルタミン酸のアリル;およびリジンの アリルオキシカルボニル。トリプトファン、チロシン、スレオニン、セリン、ア スパラギン酸、アルギニン、メチオニン、フェニルアラニンおよびアラニンの必 要なFmoc−誘導体は、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(2当量)およびジイソ プロピルエチルアミン(0.75当量)存在下で、その2,4,5−トリクロロフェ ニルエステル(2当量)を使用して挿入させる。Nα−Fmoc−Lys(Aloc)−OH(2当 量;PerSeptive Biosystems,Hamburg,Germany)およびNα−Fmoc−Glu(OA11)− OH(2当量;Millipore,Bedford,MA,U.S.A.)の取りこみは、ベンゾトリアゾル −1−イル−オキシ−トリス(ジメチルアミハホスホニウムヘキサフノレオロホ スフェート/1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(1:1;2当量)で、ジイソ プロピルエチルアミン(4当量)存在下で達成される。結合は最初にN−メチルピ ロリジン−2−オンで、Fmoc−アミノ酸、ジイソプロピルエチルアミンおよび結 合試薬を溶解し、続いて前活性化のために3分待ち、混合物を樹脂に添加し、最 後に45分振ることにより達成される。最後の残渣の取りこみ後、グルタミン酸 およびリジンの側鎖は、ジクロロメタンに溶解したトリメチルシリル酢酸および 4−(トリメチルシリル)モルホリン存在下で、テトラキス(トリフェニルホスフ ィン)パラジウム(O)(Fluka,Buchs,Switzerland)で選択的に脱保護する。脱保 護はアルゴン雰囲気下、2時間、室温で行い、続いてジクロロメタン(4回1分) 、N−メチルピロリジン−2−オン(4回1分)、0.5%ジイソプロピルエチル アミン含有DMF中0.05Mジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム(4回1分 )およびN−メチルピロリジン−2−オン(4回1分)で洗浄する。固体支持体上 の分子内環化は、ジイソプロピルエチルアミン(12当量)存在下、ベンゾトリア ゾル−1−イル−オキシ−トリス−(ジメチルアミノ)−ホスホ ニウムヘキサフルオロホスフェート/1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(1: 1;6当量;2結合)で達成する。環化過程後に得られた完全ペプチド樹脂を同 時に、トリフルオロ酢酸/水/エタンジチオール(76:4:20、v/v/v) で3時問、室温で処理することにより脱保護および開裂する。濾液をジイソプロ ピルエーテル−石油エーテル(1:1、v/v)で0℃で沈殿させ、沈殿物を濾 過して回収する。粗化合物を2N AcOH/アセトニトリル(1:1、v/v) に溶解し、Nin−カルボキシ基をトリプトファンの側鎖から除去する。一連の反 応を分析的逆相HPLCで追跡する。2時間、40℃の後、溶液を濃縮乾固し、 粗ペプチドを中圧液体クロマトグラフィーで上記のように精製する。 ・Ac−Glu−Thr−Phe−Ser−Asp−Tyr−Trp−Lys−NH2(TFA塩) −−−−−−CO−NH−−−−−−−− マススペクトル分析(陰性イオンモード):1097.5(計算値1097.2、C5 3661115)、tR=7.49分(HPLCシステムA)。 ・Ac−Glu−Arg−Phe−Met−Asp−Tyr−Trp−Lys−NH2(TFA塩) −−−−−−−CO−NH−−−−−−− マススペクトル分析(陰性イオンモード):1196.7(計算値1196.4、C5 77514131)、tR=8.09分(HPLCシステムA)。 グルタミン酸の代替物として、アスパラギン酸を使用することが可能である。 リジンの代替物として、オルニチンまたはジアミノ酪酸を使用し得る。横−横環 化の代替として、C−末端のアスパラギン酸またはグルタミン酸とN−末端アミ ノ酸のα−アミノ基の間にラクタムを形成することが可能である。この実験は、 β−アミノ酸(例えば、β−アラニン)にも応用できる。 以下のペプチドを実施例1のように製造する: ・Ac−Phe−Met−Aib−Tyr−Trp−Aib−Gly−Leu−NH2 表題化合物:マススペクトル分析(陰性イオンモード):1026.5(計算値10 26.3、C526910101)、tR=7.81分(HPLCシステムB)。 ・Ac−Arg−Phe−Met−Aib−Tyr−Trp−Aib−Gly−Leu−NH2 表題化合物:マススペクトル分析(陰性イオンモード):1182.6(計算値11 182.4、C588114111)、tR=7.09分(HPLCシステムB)。 ・Ac−Arg−Phe−Met−Aib−Tyr−Trp−Glu−Ac3c−Leu−NH2(TFA塩) 表題化合物:マススペクトル分析(陰性イオンモード):1252.7(計算値12 52.5、C618314131)、tR=6.91分(HPLCシステムB)。 ・Ac−Phe−Met−Aib−Tyr−Trp−Aib−Ac3c−Leu−NH2 表題化合物:マススペクトル分析(陰性イオンモード):1052.3(計算値10 52.3、C547110101)、tR=8.03分(HPLCシステムB)。 ・Ac−Phe−Met−Aib−Tyr−Trp−Glu−Ac3c−Leu−NH2 このペプチドは実施例5に記載のように製造する。Na−Fmoc−1−アミノ−シ クロプロパン−1−カルボン酸(2当量)の取りこみを、ジイソプロピルエチルア ミン(5当量)存在下、ベンゾトリアゾル−1−イル−オキシ−トリス(ジメチル アミノ)−ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート/N−ヒドロキシベンゾト リアゾール(1:1;2当量)で行う。Na−Fmoc−アミノイソ酪酸(2当量)をジイ ソプロピルエチルアミン(5当量)存在下で、ベンゾトリアゾル−1−イル−オキ シ−トリス−(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート/N− ヒドロキシベンゾトリアゾール(1:1;2当量;最初の結合)およびN−[(ジメ チルアミノ)−1H−1,2,3−トリアゾロ−[4,5−b]ピリジン−1−イルメ チレン]−N−メチルメタンアミニウムヘキサフルオロホスフェートN−オキシ ド(2当量;2番目の結合)と結合させる。グルタミン酸およびメチオニン(2当 量)の2番目の結合を、ジイソプロピルエチルアミン(5当量)存在下、N−[(ジ メチルアミノ)−1H−1,2,3−トリアゾロ−[4,5−b]ピリジン−1−イル メチレン]−N−メチルメタンアミニウムヘキサフルオロホスフェートN−オキ シド(2当量;2番目の結合)で行う。最終結合反応後に得られた完全ペプチド樹 脂を、トリフルオロ酢酸/H2O(95:5、v/v)で3時間、室温で処理する ことにより同時に脱保護および開裂させる。開裂反応由来の濾液をジイソプロピ ルエーテル/石油エーテル(1:1、v/v、0℃)で沈殿させ、沈殿物を濾過に より回収する。 粗ペプチドを実施例1に記載のように精製する。 表題化合物:マススペクトル分析(陰性イオンモード):1096.4(計算値10 96.3、C557110121)、tR=7.62分(HPLCシステムB)。 出発物質を下記のように製造する: a)Na−Fmoc−1−アミノーシクロプロパン−1−カルボン酸 表題化合物を1−アミノーシクロプロパン−1−カルボン酸(Fluka,Buchs,Sw itzerland)から出発して、当分野で既知の方法(E.Atherton et al.:Solid-Ph ase Peptide Synthesis−A Practical Approach;D.RickwoodおよびB.D.Hames ,IRL Press at Oxford University Press,Oxford,1989)に従って製造する; Rf=0.44(クロロホルム:メタノール:水:酢酸=850:130:15: 5、v/v/v/v)。m.p.=223−225℃。実施例6: ペプチドフラグメント誘導体の合成 下記のペプチドフラグメント誘導体は、上記実施例1の方法と同様にして製造 する: ・Ac−Arg−Phe−Met−Asp−Tyr−Trp−Glu−Gly−Leu−NH2(TFA塩) マススペクトル分析(陰性イオンモード):1256.4(計算値1256.4、C5 97914151)、tR=8.69分(HPCLシステムA)、tR=7.02分( HPLCシステムB)。 ・Ac−Phe−Met−Asp−Tyr−Trp−Glu−Gly−Leu−NH2 マススペクトル分析(陰性イオンモード):1100.5(計算値1100.3、C5 36710141)、tR=9.38分(HPLCシステムA)、tR=6.76(H PLCシステムB)。 ・Ac−Phe−Met−Aib−Tyr−Trp−Glu−Gly−Leu−NH2 マススペクトル分析(陰性イオンモード):1070.4(計算値1070.3、C5 36910121)、tR=7.14分(HPLCシステムB)。 ・Ac−Phe−Met−Asp−Tyr−Trp−Aib−Gly−Leu−NH2 マススペクトル分析(陰性イオンモード):1056.2(計算値1056.2、C5 26710121)、tR=7.07分(HPLCシステムB)。実施例7: 蛍光性アッセイ タンパク質の最初の188アミノ酸をコードするmdm2遺伝子のDNA領域は、 mdm2遺伝子のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅により得られる。PCRに使用 するオリゴヌクレオチドは、BamHI制限部位が遺伝子の5'末端に、EcoRI制限部 位が3'末端に挿入されるように設計する。BamHIおよびEcoRIにより消化された PCRフラグメントを、BamHI/EcoRI開裂pGEX−2Tベクターとライゲート する。得られるベクターはエス・ジャポニクム(S.japonicum)のグルタチオン− S−トランスフェラーゼの完全長配列、リンカー配列およびHDM2のN−末端 188アミノ酸を5'から3'の順で含む。完全遺伝子は、両方の鎖が配列決定さ れ、組換えプラスミドがイー・コリ(E.coli)株BL21(Novagen)に挿入されている 。グルタチオン−S−トランスフェラーゼタンパク質(コントロール実験のため に)は、pGEX−2Tプラスミドで形質転換したイー・コリ株BL21(Novagen)か ら得る。試験化合物(c=50nM)、例えば実施例4のフルオロジエニックペプ チドを異なる量のGST−2hdm2タンパク質(c=0、50nM、200nMおよび3 00nM)でトリチル化する。蛍光性放出スペクトル(λex=370nm)をスペク トロフオトメーターで20℃で記録する。トリチル化の間の装置設定は、GST −hdm2タンパク質存在下または非存在下で、蛍光性強度を比較できるように同じ である。フルオロジェニックペプチドの貯蔵溶液は、10%グリセロール、1% トリトン100、50mM NaClおよびBSA(1mg/ml)含有PBS緩衝液 (pH=7.6)中に製造する。ペプチド(c=50)を30分、異なる量のGST −hdm2タンパク質とインキュベートする。この時間の後、蛍光性放出スペクトル を記録する。フルオロジェニックペプチド含有溶液へのGST−hdm2タンパク質 の添加は、530nmでのフルオロジェニックペプチドの放出蛍光性の増加をもた らす。GST−hdm2タンパク質(c=50−300nM)の蛍光性放出スペクトル は、緩衝液の蛍光性放出スペクトルと同一であり、タンパク質が観察される放出 蛍光性に寄与しない。このアッセイは、ペプチドまたは低分子量化合物とMDM 2タンパク質の特異的相互作用の検出に適用できる。加えて、溶液の精密な動態 測定を可能にする。実施例8: ファージ提示によるMDM2結合ペプチドの同定 先の定義の例外として、以下の実施例において“hdm2”はヒト二重微小遺伝子 2および対応するタンパク質を意味する。 ファージ選択 本実験に使用するファージライブラリーは、マイナー・コート・タンパク質II IのN−末端の6、12または15アミノ酸残基のランダムペプチド配列を提示 する。これらのライブラリーはGeorge Smith(University of Missouri,6およ び15量体)およびWilliam Dower(Affymax Research Institute,12量体)によ り提供された。バイオパンニング(biopanning)法において、ライブラリーサンプ ルを固相GST−hdm2(hdm2含有アミノ酸1−188)でスクリーニングする。ポ リスチレンペトリ皿(Falcon 3001)を5μg/ml CST−hdm2またはDO−1( モノクローナル抗p53抗体)で一晩、4℃で加湿チャンバーでコートする。非 結合物質をPBS 2.5mlで洗い流し、皿をTBST−M(150mM NaC l、50mM トリス−HCl、pH7.5、0.1%(v/v)トゥィン20、5 %(w/v)低脂肪粉乳)2mlで1時間、4℃で遮断する。ペトリ皿を3回PBS 2.5mlで洗浄し、1×1011(6および12量体ライブラリー)または7.5× 1012TU(形質転換単位)含有ファージ懸濁液500μlを添加し、3時間、4 ℃で結合させる。10回、TBST 2.5mlで洗浄後、結合ファージを溶出緩 衝液400μl(0.1N HCl−グリシンpH2.2、1mg/ml BSA)で2 0分溶出する。溶出液を2M トリス塩基24μlで中和し、対数増殖期イー・ コリK91細胞2.5mlの感染(50分;37℃)に使用する。全懸濁液を20μg/ mlテトラサイクリン含有10ml 2×YT培地(2×TY、Tet)含有ファルコン 管50mlに移し、24時間、37℃で振盪しながらインキュベートする。培養物 を回転させ、細菌を除去し、ファージ粒子を上清からPEG沈殿により精製する 。ファージペレットをTBS 1mlに再懸濁させ、一定量を以下の変化を伴って 、1回目と同様に行う2回目のバイオスパンニングに付す: 増幅ファージ(2×1011TU)100μlを、96ウェルpvsアッセイプレ ートに5μg/mlの濃度で吸着させたGST−hdm2、MBP−hdm2またはDO− 1と反応させる。この回のバイオスパンニングの増殖および精製ファージを、選 択に使用するタンパク質上でELISAで試験する。単一クローンスクリーニン グのために、イー・コリK91細胞を適当なファージ希釈で感染させ、20μg/m lテトラサイクリン含有LB寒天に広げる。単一コロニーを、20μg/mlテト ラサイクリン/ウェルを含む200μl 2×TY培地含有96ウェル組織培養 皿のウェルに移す。ファージ上清を、24時間、振盪しながら37℃でインキュ ベーションした後にELISAスクリーニングのために回収する。ELISA陽 性クローンを、20μg/mlテトラサイクリン含有2×YT培地中で2ml細菌培 養物として、24時間生育させる。ファージはPEG沈殿し、TBS緩衝液20 0μl中に溶解する。ファージDNAペレットをフェノ/クロロホルムで抽出し 、エタノール沈殿する。DNAペレットを水10μlに溶解し、配列決定の鋳型 として使用する(Sequenase)。 ファージELISA 固相hdm2 PVCアッセイプレートをPBS中、5μg/mlの抗原(GST-hdm2、MBP −hdm2、GST、MBPまたはDP−1)100μlで一晩4℃でコートし、P BST−M(5%(w/v)脱脂粉乳および0.1%(v/v)トゥイン20含有PB S)200μ1で1時間室温で遮断する。ファージ懸濁液(上清またはPEG濃縮 ファージ)100μlをPBST−Mで希釈し、3時間4℃で添加する。結合フ ァージをHRP−標識ヒツジ抗M−13抗体(Pharmacia)100μlで1時間室 温で反応させ、続いて基質をTMB/H22(0.1mg/ml TMB、0.1M Na−酢酸中の0.3%H22、pH6.0)100μlで15分で発色させる。 反応を1M スルホン酸100μlを基質に添加することにより停止し、吸光度 を450nmで添加する。インキュベーション過程間の全ての洗浄を水道水で行う 。 液相hdm2 PBST−Mに希釈したGST−、MBP−、TRX−hdm2またはmdm2を産生 するバキュロウイルス(Sf9細胞抽出物)を一晩、4℃でhdm2−またはGST− 結合ファージの溶液と反応させる。同時に、ELISAプレートを、0.1MN aHCO3、pH9.6で1:1000希釈したウサギ抗−マウス抗体(DAKO 、Z0259)100μlでコートする。プレートを通常のように遮断し、モノクロー ナル抗−mdm2抗体(ハイブリドーマ上清、PBST−Mで1:5希釈)と1時間イ ンキュベートする。ELISAのトリチル化のために、精製SMP14(PBS 中8μg/ml)を使用して、プレートを直接コードする。いずれの場合も、予備 インキュベートファージ−hdm2サンプルをコートし、遮断したプレートに移し、 2時間室温でインキュベートする。結合ファージを記載のように検出する。 結果 6、12または15量体ファージ提示ライブラリーのサンプルを使用した固相 GST−およびMBP−hdm2またはDO−1での2回のバイオスパンニングから 回収したフアージプールを、抗原結合に関してELISAでスクリーニングする 。2回GST−hdm2または1回GST−hdm2、続いてMBP−hdm2で選択した1 2および15量体ライブラリー由来のファージは、明らかにGST−hdm2に結合 するが、一方6量体プールは完全に陰性である。他方、モノクローナル抗−p5 3抗体DO−1は全ての3つのライブラリーからのファージの選択を可能にし、 6量体ライブラリーの完全さを証明する。 どのhdm2に特異的なファージが選択されるかを決定するために、ファージプー ルをMBP−hdm2、GSTおよびMBPに対して試験する。両方とも、12およ び15量体プールはhdm2結合ファージを含む(MBP−hdm2に陽性であるが、M BP単独には陰性)。加えて、2回GST−hdm2でバイオパンした15量体ファ ージ(GST/GST−hdm2)はGST−バインダーとして強く選択される。2回 目のMBP−hdm2でパンした15量体プールにおいて(GST/MBP−hdm2)抗 −GSTシグナルが減少し、これはおそらくGSTがもはや選択抗原として存在 しないためである。GSTは12量体ライブラリーからファージを撤退させない 。単一ファージクローンは12および15量体から生育し、GST、GST−hd m2およびMBP−hdm2結合に関して試験される。多くのクローンがGST−hdm2 およびMBP−hdm2に明らかに陽性である。GST−およびMBP−hdm2に陽性 であることが示された12量体および15量体プール由来のファージクローンを更 なる分析のために選択する。ファージDNAを各クローンから抽出し、ヌクレオ チド挿入物を配列決定する。28クローン中6個の独特な挿入配列が得られる( アミノ酸配列は一文字表記する): 対応するアミノ酸配列を互いに直線化することにより、ファージ共通配列PX FXDYWXXLを証明する。これはp53の基地のmdm2結合モチーフであるT FSDLW(ヒトp53アミノ酸残基18−23;その全体を引用して本明細書 に包含させるPicksley et al.,Oncogene 9,2523-2529(1994))と類似性を示す 。全てのファージ配列はフェニルアラニン(F)およびトリプトファン(W)を含み 、6個中4個でアスパラギン酸(D)およびロイシン(L)がmdm2モチーフの同じ位 置で見られる。ファージ配列中のチロシン(Y)およびプロリン(P)の強い選択は p53配列の対応する残基で見られないが、2連続プロリンがmdm2結合部位のさ らに上流で見られる。 更なる実験を、hdm2−ファージ挿入物の選択性を評価し、p53とhdm2ファー ジがhdm2の同じ領域で結合することを示すために設計する。これらの実験で、ク ローンBB2/BB11(GST結合コントロールファージ)およびBB3/BB 10(hdm2ファージ)を選択する。ファージをGST−hdm2、MBP−hdm2または TRX−hdm2の溶液で前インキュベートし、ファージ−hdm2複合体を、抗−マウ ス抗体を介して固相に結合した異なるモノクローナル抗−mdm2抗体を含むウェル に移す。結合ファージを検出する。予期されるように、GST−ファージはGS T−hdm2にのみ結合できる。使用した全ての3つの抗−mdm2抗体(SMP14、 4B2、3G5)は、GST−ファージと複合体化したhdm2と結合できる。抗体 SMP14は商品として入手可能であり、ここに引用して包含させるPicksley e t al.,Oncogene 9,2523-2529(1994)に記載されている。抗体3G5および4B 2は、その全体を本明細書に引用して包含させるChen,J.et al.,Mol.Cell B io.,vol.13,4107-4114(1993)に記載されている。他方、hdm2−ファージは、 ファージ選択(バイオパニング)に使用しなかったTRX−hdm2を含む、全ての3 つのhdm2融合タンパク質を認識する。hdm2−ファージ複合体は、SMP14およ び4B2により十分に減少されるが、3G5はこれらの複合体と結合することが 殆どない。mdm2−p53複合体は3G5により結合されないことが示され、これ はおそらくこの抗体のエピトープがmdm2のp53結合ドメイン内にあるためであ る。他の実験は、GST−ファージではなくhdm2−ファージがhdm2とTIPの間 の相互作用を阻害できることを示す。TIPは、活性部位に挿入されたp53の mdm2結合配列を有するチオレドキシンである。異なるファージクローンのhdm2に 対する相対的親和性を評価するために、GST−hdm2の連続希釈を、固定された ファージ量の溶液に提供する。ファージ−hdm2複合体は固相SMP14により減 少され、結合ファージが検出される。試験した全てのファージクローンは、使用 するhdm2調整物に依存して、0.5から10nM GST−hdm2の50%最大結 合濃度でGST−hdm2に同様の強い結合を示す。mdm2を産生するバキュロウイル ス(Sf9細胞抽出物)での実験は、hdm2で選択したファージクローンがそのマウ ス相同物に同様に結合できることを示す。 ファージ配列および共通配列は、遊離ペプチドとして製造され、MDM2とp 53の相互作用を阻害するその能力を3つの異なるELISA形式で試験する。 新規共通配列およびいくつかのファージ由来ペプチドは、野生型p53ペプチド 配列よりも有意に増加した特異的活性を示す。 タンパク質発現の材料および方法 1.チオレドキシン(Thio)−融合 クローンはInvitrogen-Expressionシステムを使用して製造する。hdm2遺伝子 を鋳型として含むBluescriptを使用して、PCRを以下のプライマー(5'−3') で使用する: 得られるPCR生産物は、pCRII(TAクローニングキット、Invitrogen)に クローン化する。得られるプラスミドはBamHIおよびPstIで開裂する。生産物をB amHI/PstI開裂pTrxFusにライゲートする。プラスミドをイー・コリG1724に挿入 する。以下のクローンを得る: 1.クローン1/8チオ−MVRSRQ−MI...N221 2.クローン3/8チオ−MVRSRQ−MI...D294 3.クローン2/7チオ−MVRSRQ−MI...C478 2.マルトース結合タンパク質(MBP)−融合 PCR生産物は、START1: と共に、上記STOP1プライマーを使用して得る。これを再びpCRIIにクロ ーン化する。プラスミドをBamHIおよびPstIで切断する。生産物をBamHI/PstI開 裂pMALc2(New England Biolabs)にライゲートする。次いで、プラスミドをイー ・コリINV(F'細胞(One ShotTMcomponent細胞キット、Invitrogen)に挿入する。 クローン4(MBP-MVRSRQ-M1.....N221)が得られる。 3.GST−融合タンパク質 野生型hdm2含有プラスミドをPCRの鋳型として使用する。プライマーを、Ba mHI部位が遺伝子の5'末端に、EcoRIが3'末端に挿入されるように設計する。P CR生産物を消化し、pGEX−2T(Pharmacia)にライゲートする。次いでプ ラスミドをイー・コリBL21細胞に挿入する。 タンパク質発現: 1.チオレドキシン−融合タンパク質 細胞をRM培地(1×M9塩、2%カサミノ酸、1%グリセロール、1mM MgCl2、100g/mlアンピリシン)で一晩30℃で生育させる。次いで、そ れらを新鮮誘導培地(1×M9塩、0.2%カサミノ酸、0.5%グリセロール、 1mM MgCl2、100g/mlアンピリシン)に1/20希釈で接種する。細 胞を次いでOD 0.25から0.5まで30℃で生育させる。培養物を37℃で 移し、最終濃度100g/mlのL−トリプトファンで誘導する。3時間後、細胞 を遠心により回収する。ペレットを氷冷20mMトリス/HCl、pH8、2. 5mM EDTA中にプロテアーゼ阻害剤とともに再懸濁する(1mM PMS F、 1mM べンズアミジン、各10g/mlのロイペプチン、アプロチニンおよびペ プスタチン)。細胞を超音波、ショック凍結、急速融解により融解する。サイク ルをさらに2回繰り返す。融解物を次いで4000rpmで15分遠心する。上清 を使用する。 2.マルトース結合タンパク質−融合 細胞を、グルコースおよびアンピシリン(トリプトン10g、酵母抽出物5g 、NaCl 5g、グルコース2gおよび100g/mlアンピリシン)添加富培地 でOD 0.5まで生育させる。次いで、最終濃度0.3mMのIPTGで誘導す る。インキュベーションをさらに2時間37℃で続ける。細胞を遠心により回収 し、カラム緩衝液(元の容量の1/20、20mM トリス−HCl、pH7.4 ;200mM NaCl;1mM EDTA;1mM DTT+プロテアーゼ阻 害剤)に上記のように再懸濁する。細胞を一晩−20℃で凍結させる。それらを 氷水中で融解し、氷上で6回10秒の短パルスで超音波処理し、9000rpmで 30分、4℃で回転させる。上清をカラム緩衝液で1/5に希釈し、アミロース 樹脂に充填する(New England Biolabs,15ml、カラム緩衝液で製造)。溶出をカ ラム緩衝液+10mM マルトースで行う。活性フラクションを貯蔵し、濃縮し 、10DGカラム(BioRad)で脱塩する。それらを50mMトリス/HCl、pH 7.4、50mM NaCl、20%グリセロール、1mM DTT中に貯蔵す る。 3.GST−hdm2(1−188) 細菌培養をOD 0.8まで生育させる。それらをRTに冷却し、1mM I PTGで誘導し、4時間、27℃で生育させる。細胞を回収し、ペレットを液体 窒素にフラッシュ凍結する。ペレットを氷冷緩衝液A(0.5M NaCl、2. 7mM KCl、10mM Na2HPO4、1.8mM KH2PO4、1mM PMSF、1mM EDTA、10mM 2−メルカプトエタノール、pH7. 3)中に再懸濁する。それらをフレンチプレスまたは超音波により融解する。遠 心後、可溶性フラクションを、緩衝液Aで平衡化したグルタチオンセファロース 4Bカラム(Pharmacia)に充填する。タンパク質を次いで緩衝液B(50mM ト リス/HCl、10mM 還元グルタチオン、0.5M NaCl、1mM E DTA、1mMPMSFまたはベンズアミジン、10mM 2−メルカプトエタ ノールまたは1m M DTT、pH8.0)で溶出する。活性フラクションを、緩衝液C(50mM トリス/HCl、50mM NaCl、20%グリセロール、10mM 2−メ ルカプトエタノールまたは1mM DTT、0.1%トリトンX−100、pH 7.6)で前平衡化したSephadex G25または10DG(BioRad)で脱塩する。タン パク質をELISAに使用するかまたは緩衝液Cで前平衡化したMono Qカラム (Pharmacia)でさらに精製する。タンパク質を1M NaCl含有緩衝液Cの直 線勾配により溶出する。融合タンパク質含有フラクションを貯蔵し、濃縮(セン トリコン30)し、液体窒素でフラッシュ凍結し、−70℃で貯蔵する。 ELISA 3つの異なるELISAを用い、hdm2とp53の相互作用を分析する。それら をELISAプレートのコートに使用する試薬に従って名付ける。全てのELI SAを4℃で行う。 1.ELISA P2 P2はp53の末端部を含む18アミノ酸からなるビオチニル化ペプチド、す なわち: ビオチン−S−G−S−G−E−P−P−L−S−Q−E−T−F−S−D−L −W−K−L−L−P−Eである。 プレートを一晩10μg/mlストレプトアビジンと37℃でインキュベートす る。それらをPBS中2%BSAで1時間遮断する。ペプチドを遮断溶液中5μ g/mlで1時間適用する。二回目の遮断段階をPBS中5%ミルク、0.1%ト ゥイン20(遮断溶液2)で最小10分で行う。Hdm2融合タンパク質を遮断溶 液2で希釈し、1時間適用する。結合hdm2を、遮断溶液2で1/2希釈したSM P14ハイブリドーマ細胞上清で検出する。HRP−抗−マウスIgG(DAK O)を二次抗体として使用する。インキュベーション間の洗浄は6回、水道水で 行う。 2.ELISA TIP TIPは、活性部位に付加的アミノ酸を有するチオレドキシンである。それら はp53のN−末端に由来し、以下である: P−P−L−S−Q−E−T−F−S−D−L−W−K−L−L−P−E−N。 以下を使用する 各10ngのP1およびP2を、PNKを使用してリン酸分解し、1時間、37℃ でアニールする。ベクターpTRX(InVitrogen)をRsrIIで開裂し、脱リン酸化 する。ライゲーション後、プラスミドをイー・コリ1724細胞に挿入する。 細菌含有プラスミドをRM培地中で30℃で生育させ、前記のようにL−Trp で導入する。可溶性融解物を凍結一融解−超音波サイクルで融解する。この融解 物を次いで80℃で10分熱ショックに付す。可溶性フラクションを、PBS中 o/n、40μg/mlの濃度でELISA−プレートをコートするのに使用する。 プレートを遮断溶液2で1時間遮断する。hdm2融合タンパク質のインキュベーシ ョンおよび検出をELISA P2で記載のように行う。 3.ELISA hdm2 プレートを、PBS中、4℃でo/n、2.6μg/ml GST−hdm2(1−1 88)でコートする。それらを遮断溶液2で1時間遮断する。ヘパリン−セファ ロースでの精製したイー・コリ由来のリソザイム融解物である完全長p53を、 10%グリセロールおよび10mM DTT添加遮断溶液2に1時間付す。結合 をmAb 421およびHRP結合抗マウスIgGで評価する。 HRP活性をTMBを使用して測定する。阻害ELISAのために、阻害剤を hdm2−融合タンパク質またはp53と、混合物をプレートに移す前に前インキュ ベートする。ぺプチド阻害剤をDMSOに融解する。実施例9: p53D30の精製 ヒト野生型p53遺伝子をPCRの鋳型として使用し、天然(ヒト)p53の3 93アミノ酸のうち1から362残基をコードする遺伝子フラグメント(p53 D30)を得る。PCRに使用するオリゴヌクレオチドは、NdeI制限部位が5'末 端に、BamHI部位が3'末端に挿入されるように設計する。NdeIおよびBamHIで消 化したPCRフラグメントをNdeI/BamIII開裂pET−3aプラスミドとライゲ ートする。完全遺伝子を配列決定し、発現プラスミドをイー・コリ株 BL21(DE3)pLysS(Novagen)に挿入する。 タンパク質発現のために、細菌培養物を100倍希釈した一晩培養物として接 種し、ルリア・ブロス培地で、100μgアンピシリン/ml存在下、37℃でO D600=0.8まで生育させる。培養物を、次いで、氷で室温に冷却し、1mM イソプロピル−D−チオガラクトピラノシドで誘導し、さらに4時間27℃で生 育させる。細胞を次いで遠心により回収し、ペレットを液体窒素でフラッシュ凍 結し、−70℃で貯蔵する。 p53D30タンパク質含有細胞ペレットを氷冷緩衝液D(50mM 4−(2−ヒド ロキシエチル)−ピペラジン−エタン−スルホン酸(Hepes.NaOH)、10%(v/v )グリセロール、0.1mM EDTA、0.1%(v/v)トリトンX−100、 5mM 1,4−ジチオ−DL−スレイトール(DTT)、1mM PMSF−p H=7.6)に再懸濁し、フレンチプレスで1000psiで融解する。遠心後、可 溶性フラクシヨンを、緩衝液Dで前平衡化したHiTrap Heparinカラム(Pharmaci a Biotech)に4℃で充填する。カラムを最初に、22%緩衝液E含有緩衝液D( 50mM Hepes.NaOH、1M KCl、10%(v/v)グリセロール−pH=7 .6)で洗浄し、p53D30を100%緩衝液Eまでの直線勾配で溶出する。p53D30含 有フラクションを貯蔵し、ニッケルで荷電し、4℃で緩衝液F(50mMHepes.N aOH、0.5M KCl、10%(v/v)グリセロール−pH=7.6)で前平衡化 したHiTrap金属キレートカラム(Pharmacia Biotech)に充填する。カラムを、2 0%緩衝液G(50mM Hepes.NaOH、0.5M KCl、10%(v/v)グリセ ロール、0.1Mイミダゾール−pH=7.6)含有緩衝液Fで洗浄後、p53D30を 45%緩衝液Gで溶出する。50mM 2−メルカプトエタノールおよび1mM ZnCl2をこの溶液に添加し、タンパク質を4℃で50mMHepes.NaOH、0. 5M KCl、20%(v/v)グリセロール、50mM 2−メルカプトエタノ ール、1mM ZnCl2−pH=7.6に対して透析する。 p53D30を、1mg/ml(Amicon 30kDカットオフ膜)まで濃縮し、液体窒素でフラッ シュ凍結し、−70℃で貯蔵する。 タンパク質分析 タンパク質調整物の純度を、クーマシーブルーで染色したSDS−PAGE(L aemmli,U.K.(1970)Nature,227,680-385)ゲル走査(島津CS-930)で評価す る。タンパク質濃度をBradford,M.B.(1976)Anal.Biochem,72,248-254)に 従って測定する。実施例10: 実施例1から9のタンパク質の細胞内溶解性を改善し、細胞取り込みを促進す るために、ペプチド結合要素は、本発明のタンパク質がエシェリキア・コリ・ト レドキシンの活性部位に存在するように構築し得る。pTrxベクター(Invitrogen) を制限酵素RsrIIで開裂する。上記実施例8のクローン12/1で同定したペプ チドに対応するオリゴマーおよび野生型p53配列をリン酸化し、アニールし、 次いで開裂pTrxベクターにライゲートする。 以下のオリゴマーをp53野生型ぺプチド導入: を含む結合要素(TIPwt)を製造するために使用し得る。 以下のオリゴマーを、実施例8に記載のクローン12/1のペプチド挿入物を 含む結合要素(TIP12/1)の製造に使用し得る。 イー・コリ1724細胞を得られるプラスミドおよび、ペプチド挿入物なしのチオ レドキシンを含む陰性コントロール結合要素(Trx)として作用し得るpTrxに形質 転換する。培養物をRM培地(1×M9塩、2%カサミノ酸、1%グリセロール 、1mM MgCl2、100g/mlアンピシリン)で一晩30℃で生育させ得る 。培養物を新鮮な導入培地(1/20の希釈の1×M9塩、0.2%カサミノ酸、 0.5%グルコース、1mM MgCl2、100g/mlアンピシリン)に接種し 、0.25の光学密度(OD)が0.5となるまで30℃で生育させる。培養物を3 7℃で移動し、100g/mlの最終濃度のL−トリプトファンで誘導する。3時 間から4時間後、細胞を遠心により回収する。ペレットを、プロテアーゼ阻害剤 として1mM PMSF、1Mベンズアミジン、各10g/mlのロイペプチン、 アプロチニンおよびペプスタチンを含む氷冷20mM トリス/HCl、pH8 、2.5mM EDTAに再懸濁する。細胞をショック凍結、融解および超音波 処理で溶解する。サイクルをさらに2回繰り返す。可溶性溶解物を次いで100 00gで20分、4℃で遠心する。熱ショック融解物を、ペレットをOD100 まで再懸濁し、次いで80℃で10分処理し、続いて10,000g、20分遠 心することにより得る。 可溶性抽出物の精製を、透明可溶性融解物をイオン交換Q50カラム(BioRad) に充填し、50mM トリス/HCl、pH7.8、0.1%トリトンX−100 、10%グリセロールおよび50mM KCl中の0.05M−1M KClの 直線勾配で溶出する。 活性フラクションを、Invitrogenから入手可能な抗チオレドキシン抗体でのド ットブロットにより同定し得る。活性フラクションを次いでCentriprep 3フィル ター(Amicon)を使用して濃縮し、30mM HEPES、pH8.0、500m MKCl、0.1%トリトンX100および10%グリセロールで前平衡化した G100カラム(Pharmacia)に充填し得る。溶出後、活性フラクションを貯蔵し 、濃縮し、PBSに対して透析し得る。 哺乳類細胞での発現のために、ペプチド挿入物あり(TIPwtおよびTIP12/1)また はペプチド挿入物なし(Trx)を含む完全チオレドキシンコード領域を、標準PC R試薬および当分野で既知の条件および以下のプライマー: を使用してPCR増幅し得る。 得られるPCR生産物をBamHIおよびEcoRIで開裂し、BamHIおよびEcoRI開裂pc DNA3にライゲートし得る。pcDNA3(Promega)は、哺乳類細胞中のTIPwt、TIP12/1 およびTrxの発現を誘導するために、CMVプロモーターを有するベクタ ーである。プラスミドを当分野で既知のようにイー・コリ内で増幅し得る。 TIP12/1、TIPwtおよびTrxをコードするプラスミドDNAをQuiagent精製システ ムまたはフェノール/クロロホルム沈殿を使用して精製し得る。 抗体または記載の結合要素をコードするDNAをVrn.6細胞、両方の細胞系と 形質転換に安定な、形質転換ラット甲状腺上皮細胞系、マウスプロテアーゼ由来 細胞系およびT22細胞にマイクロインジェクトし得る。Vrn.6細胞系および J.P.et al.,(1997),Oncogene,vol 14投稿中;およびHupp,T.R.et al.(1 995)Cell vol.83,237-245に記載されている。Vrn.6は、高レベルの野生型p5 3およびタンパク質レベルでMDM2の過発現に抵抗性である。T22細胞は典 型的に低レベルのp53およびmdm2を含む。 マイクロインジェクションのために、細胞を組織培養皿に撒き、60−70% コンフルエンスまで生育させ得る。マイクロインジェクションは、熱段階を有す るAxiovert光学顕微鏡(Zeiss)にマウントしたエッペンドルフマイクロインジェ クションシステム(Microinjector 5242,Micromanipulator 5170)で行い得る。 精製マウスモノクローナル抗体3G5および4B2を核内および細胞質に、P BS中1.3mg/mlの濃度で注入し得る。TIP12/1、TIPwtおよびTrxをコードする プラスミドDNAを水中、0.25mg/mlの濃度で核内に注入し得る。マイクロ インジェクションに続き、新鮮培地を細胞培養に添加し、培養をさらに24時間 インキュベートする。 β−ガラクトシダーゼ活性を検出するために、細胞をPBSで洗浄し、PBS 中、2%ホルムアルデヒド、0.2%グルタールアルデヒドで氷上5分固定し得 る。細胞を再び洗浄し、反応混合物(PBS中5mMカリウムフェシシアニド、 2mM塩化マグネシウム)中のX−gal(0.25mg/ml)に重層する。細胞を次 いで37℃で16時間インキュベートし、その後それらを陽性反応を示す青色染 色細胞について観察し得る。 結果: 過発現MDM2を有するVrn.6細胞において、陽性反応が、3G5抗体または TIP12/1が核内に注入された場合に観察された。Trxが核内に注入された場合 、陽性反応はなかった。3G5は、p53結合ポケット中のmdm2に結合し、それ に 低レベルp53およびmdm2含有細胞であるT22細胞において、強陽性反応が 、3G5およびTIP12/1を注入した場合に観察された。陽性であるが、低いレベ ルの反応が、TIPwtを注入した場合に観察された。4B2抗体またはTrxを注 入した場合、反応は観察されなかった。4B2は、MDM2のp53結合ポケッ トの外側のエピトープを標的とする抗MDM2である。 記載の結合要素TIP12/1、TIPwtおよびTrxをコードするDNAおよびpRGCOSA細胞、他の骨肉腫細胞系U2−Os細胞、野生型p53を含む乳癌細胞系 MCF−7細胞にトンラスフェクトする。OSA細胞系は、遺伝子増幅のために 非常に増加したmdm2レベルを含む(Florence et al.1994)。U2−OS細胞系は 、mdm2の遺伝子増幅を有しないが、mdm2−mRNAの増加したレベルを有する(F lorence et al.1994)。MCF−7細胞系は異種遺伝子的に低レベルの野生型p 53を含み、mdm2増加は報告されていない。 一過性形質転換およびレポーター誘導のために、細胞を6ウェルプレートに1 .5×106細胞/ウェルで蒔く。それらを80%コンフルエンスの密度まで生育 させ、PromegaのリポフェクチンおよびリポフェクタミンまたはBoehringerのド スパーおよびドタップのような異なる親油性試薬を使用してトンランスフェクト び製造者の指示に従った5−10μgの親油性試薬を無血清培地で混合し、細胞 に適用する。トランスフェクション2から4時間後、完全培地を添加する。トラ ンスフェクション48時間後、β−ガラクトシダーゼ活性をDPRG (Boehringer)を基質として使用して測定する。細胞をPBSにスクラップし、遠 心する。各ウェル由来のペレットをレポーター融解緩衝液(Progema)50μlに 溶解し、氷上で15分インキュベートする。可溶性融解物を、100mMリン酸 緩衝液、pH7.0中で、CPRGとインキュベートする。595nmの光学密度 を1から24時間後に測定する。 結果:驚くべきことに、p53レポーターの殆どの誘導は、MCF−7細胞およ びU2−OSでTIP12/1により達成される。低導入は、TIP12/1トランスフェクト OSA細胞で観察される。コントロールプラスミド単独でのトランスフェクショ ンは、MCF−7およびU2−OS細胞でのp53依存的転写活性化の低レベル を誘導するが、OSA細胞では殆どない。 T22細胞、U2−OS細胞、OSA細胞およびSAOS2細胞を、10%ウ シ胎児血清含有ダルベッコ修飾イーグル培地(DMEM)で生育させ得る。加えて 、T22細胞に関して、抗生物質G4181mg/mlを添加し得る。Vrn.6細胞は 、先にBlaydes et al.,1997が記載のように、当分野で既知のように生育し得る 。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07K 7/08 C12Q 1/68 A C12Q 1/68 G01N 33/53 D G01N 33/53 C07K 14/82 // C07K 14/82 A61K 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG ,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT ,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA, CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,F I,GB,GE,GH,HU,IL,IS,JP,KE ,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS, LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,M X,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE ,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT, UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 ベットガー,ウォルカー ドイツ連邦共和国デー―82110ゲルメリン グ―ウンタープファッフェンホーフェン、 フィヒテンシュトラーセ88番 (72)発明者 ベットガー,アンジェリカ ドイツ連邦共和国デー―82110ゲルメリン グ―ウンタープファッフェンホーフェン、 フィヒテンシュトラーセ88番 (72)発明者 ピックスリー,スティーブン イギリス、ビーディ10・0ビーディ、ウエ スト・ヨークシャー、ブラッドフォード、 グリーンゲイツ、カー・ボトム・ロード54 番 (72)発明者 ホッホケッペル,ハインツ―クルト スイス、ツェーハー―4147エーシュ、トラ ウゴット・マイヤー―シュトラーセ1番 (72)発明者 ガルシア―エチェベリア,カルロス スイス、ツェーハー―4052バーゼル、レー ンヴェーク98番 (72)発明者 シェーヌ,パトリック フランス、エフ―68100ミュルーズ、リ ュ・サント・ジュヌヴィエーヴ4番 (72)発明者 フュレ,パスカル フランス、エフ―68800タン、リュ・デ ュ・リージェルスブル24番

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.インビトロまたはインビボでMDM2、特にヒトDM2と結合でき、MD M2のp53タンパク質、特にヒトp53への結合を特異的に阻害できる化合物 またはその誘導体。 2.化合物がペプチドまたはその誘導体である、請求項1記載の化合物。 3.式 R1−X−F−X−R2−R3−W−X−X−R4 (I) 〔式中、 R1はプロリン(P)、ロイシン(L)、グルタミン酸(E)、システイン(C)または グルタミン(Q)、 Xは一つの(任意の)天然アミノ酸、 R2はアルギニン(R)、ヒスチジン(H)、グルタミン酸(E)、システイン、セリ ンまたは好ましくはアスパラギン酸(D)、 R3はヒスチジン(H)、フェニルアラニン(F)または好ましくはチロシン(Y); R4はフェニルアラニン(F)、グルタミン(Q)または好ましくはロイシン(L); そしてFはフェニルアラニンおよびWはトリプトファン〕 のアミノ酸モチーフを含む、請求項2記載のペプチドまたは該ペプチドの誘導体 。 4.15アミノ酸(15量体)を超えない式(I)のアミノ酸モチーフを含む請求 項3記載のペプチドまたはその誘導体。 5.配列M−P−R−F−M−D−Y−W−E−G−L−N、Q−P−T−F −S−D−Y−W−K−L−L−PおよびP−X−F−X−D−Y−W−X−X −Lのペプチドからなる群から選択される、請求項3記載のペプチド。 6.少なくとも式(I)の配列の8構造的アミノ酸を含むフラグメントである請 求項3記載のペプチドの誘導体またはその誘導体。 7.式 F−X2−R2−R3−W−X3−X4−R4 (Ib) 〔式中、 R2、R3およびR4は互いに独立して上記式(I)で定義の意味および好ましい意 味、 X2はメチオニン、イソロイシン、スレオニン、アルギニン、アラニンまたはセ リン、好ましくはメチオニン; X3はグルタミン酸、スレオニン、アラニン、フェニルアラニンまたはセリン、 好ましくはグルタミン酸; X4はグリシン、グルタミン、スレオニン、アラニンまたはアスパルギン酸、好 ましくはグリシン〕 の8量体ペプチドである請求項6記載のフラグメント、またはこのようなフラグ メントの誘導体。 8.式 X1−F−X2−R2−R3−W−X3−X4−R4 (Ic) 〔式中、 R1、R2、R3およびR4は互いに独立して上記式(I)で定義の意味および好まし い意味、 X1はアルギニン、アスパラギン、アラニン、スレオニンまたはバリン、特にア ルギニン; X2はメチオニン、イソロイシン、スレオニン、アルギニン、アラニンまたはセ リン、好ましくはメチオニン; X3はグルタミン酸、スレオニン、アラニン、フェニルアラニンまたはセリン、 好ましくはグルタミン酸; X4はグリシン、グルタミン、スレオニン、アラニンまたはアスパルギン酸、好 ましくはグリシン〕 の9量体ペプチドである請求項6記載のフラグメントまたはこのようなフラグメ ントの誘導体。 9.P−A−F−T−H−Y−W−P、P−T−F−S−D−Y−W−Pおよ びP−R−F−M−D−Y−W−Pからなるフラグメントの群から選択される請 求項6記載のフラグメントまたはこれらの誘導体。 10.MDM2に結合する分子の同定のための請求項1から9のいずれかに記 載の化合物の使用。 11.結合相手、特にMDM2の精製のための請求項1から9のいずれかに記 載の化合物の使用。 12.MDM2のp53への結合を妨害する化合物の同定または設計を目的と した方法における請求項1から9のいずれかに記載の化合物の使用。 13.疾病の診断のための請求項1から9のいずれかに記載の化合物の使用。 14.阻害に有効な量の請求項1から9のいずれかに記載の化合物を、少なく とも一つの製薬学的に許容される担体と共に含む、p53とMDM2の相互作用 の阻害に反応する疾病を処置または予防するための、ヒトを含む温血動物、もし くは温血動物由来の細胞または細胞系に投与するのに適した医薬組成物。 15.p53とMDM2の相互作用の阻害に反応する疾病を処置または予防す るための医薬組成物の製造における、請求項1から9のいずれかに記載の化合物 の使用。 16.遊離カルボキシ基を有するこのようなペプチドの反応性フラグメントま たはその反応性誘導体を、少なくとも一つの水素原子を含むアミノ基を有する相 補的フラグメントまたはその反応性誘導体と反応させ、ペプチド結合をさせ、所 望により存在する保護基を除去するかまたは該ペプチドまたは誘導体を誘導体化 することを含む、請求項2から9のいずれかに記載のペプチドまたはその誘導体 の製造法。 17.請求項1から9のいずれかに記載の化合物の治療的有効量を当よするこ とを含む、疾病の処置または予防法。 18.インビボまたはインビトロでMDM2とp53野生型の相互作用を阻害 することを含む、p53および非上昇MDM2レベルを含む腫瘍細胞の生育停止 またはアポトーシスを誘導する方法。 19.阻害段階が更に細胞にアンチセンスオリゴヌクレオチドを投与すること によりMDM2の発現を阻害することを含む、請求項18記載の方法。 20.阻害段階が更に細胞に三重鎖形成オリゴヌクレオチドを投与することに よりMDM2の発現を阻害することを含む、請求項19記載の方法。 21.阻害段階が更に細胞にMDM2のに結合できるペプチドを発現するDN A分子を投与することを含む、請求項19記載の方法。 22.DNA分子が請求項2から9のいずれかに記載のペプチドまたはその誘 導体を発現する、請求項21記載の方法。 23.ヒトp53とヒトMDM2の相互作用を阻害することを含む、野生型p 53および非上昇MDM2レベルの腫瘍細胞を含む過増殖性疾病の処置または予 防法。
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