JP7170081B2 - 新規なポリペプチド - Google Patents

新規なポリペプチド Download PDF

Info

Publication number
JP7170081B2
JP7170081B2 JP2021046348A JP2021046348A JP7170081B2 JP 7170081 B2 JP7170081 B2 JP 7170081B2 JP 2021046348 A JP2021046348 A JP 2021046348A JP 2021046348 A JP2021046348 A JP 2021046348A JP 7170081 B2 JP7170081 B2 JP 7170081B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
peptide
seq
iii
acid
peptides
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2021046348A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021098755A (ja
Inventor
トイフェル,ダニエル
ステイス,キャサリン
ウォーカー,エドワード
Original Assignee
バイスクルアールディー・リミテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from GB201318941A external-priority patent/GB201318941D0/en
Priority claimed from GB201410265A external-priority patent/GB201410265D0/en
Application filed by バイスクルアールディー・リミテッド filed Critical バイスクルアールディー・リミテッド
Publication of JP2021098755A publication Critical patent/JP2021098755A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7170081B2 publication Critical patent/JP7170081B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K7/00Peptides having 5 to 20 amino acids in a fully defined sequence; Derivatives thereof
    • C07K7/64Cyclic peptides containing only normal peptide links
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K7/00Peptides having 5 to 20 amino acids in a fully defined sequence; Derivatives thereof
    • C07K7/04Linear peptides containing only normal peptide links
    • C07K7/08Linear peptides containing only normal peptide links having 12 to 20 amino acids
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P27/00Drugs for disorders of the senses
    • A61P27/02Ophthalmic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P29/00Non-central analgesic, antipyretic or antiinflammatory agents, e.g. antirheumatic agents; Non-steroidal antiinflammatory drugs [NSAID]
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • A61P31/04Antibacterial agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • A61P31/12Antivirals
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P37/00Drugs for immunological or allergic disorders
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P37/00Drugs for immunological or allergic disorders
    • A61P37/02Immunomodulators
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P37/00Drugs for immunological or allergic disorders
    • A61P37/08Antiallergic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P43/00Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K17/00Carrier-bound or immobilised peptides; Preparation thereof
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides

Description

本発明は、2個以上のペプチドループが分子足場への結合点の間に内在するように、分
子足場に共有結合しているポリペプチドに関する。具体的には、本発明は、ヒトおよびラ
ットプロテアーゼ血漿カリクレインに特異的であり、力価および/またはプロテアーゼ耐
性を向上させるように1つまたは2つのペプチドループにおいて修飾されているペプチド
を記載する。
環状ペプチドは、タンパク質標的に高い親和性および標的特異性で結合することができ
、したがって治療法の開発のために魅力的な分子クラスである。実際に、例えば、抗菌性
ペプチドのバンコマイシン、免疫抑制薬のシクロスポリンまたは抗癌薬のオクトレオチド
(octreotide)のように、数種の環状ペプチドが、既に診療所において使用することに成
功している(Driggers et al. (2008),Nat Rev Drug Discov 7 (7), 608-24)。優れた結
合特性は、ペプチドと標的との間に形成された相対的に大きな相互作用表面と共に、環状
構造のコンホメーション上の柔軟性の低下に起因する。通常、大環状分子は、例えば、環
状ペプチドCXCR4アンタゴニストCVX15(400Å;Wu et al. (2007), Scie
nce 330, 1066-71)、インテグリンαVb3に結合するArg-Gly-Aspモチーフ
を有する環状ペプチド(355Å)(Xiong et al. (2002), Science 296 (5565), 151
-5)またはウロキナーゼ型プラスミノーゲン活性化因子に結合する環状ペプチド阻害剤ウ
パイン(upain)-1(603Å;Zhao et al. (2007), J Struct Biol 160 (1), 1-10
)のように、数百平方オングストロームの表面に結合する。
その環状立体配置のため、ペプチド大環状分子は、直鎖状ペプチドよりも柔軟性が低く
、標的への結合によるエントロピー損失がより小さくなり、より高い結合親和性をもたら
す。柔軟性の低下は、標的特異的コンホメーションをロックし、直鎖状ペプチドと比較し
て結合特異性を増加させる。このような効果は、その環が開環されると他のMMPに及ぶ
その選択性を失う、マトリックスメタロプロテイナーゼ8(MMP-8)の強力かつ選択
的な阻害剤により例証されてきた(Cherney et al. (1998), J Med Chem 41 (11), 1749-
51)。大環状化により達成される有利な結合特性は、例えばバンコマイシン、ナイシンお
よびアクチノマイシン等、2個以上のペプチド環を有する多環性ペプチドにおいてさらに
より明らかである。
様々な研究チームが、以前に、システイン残基を有するポリペプチドを合成分子構造に
繋いでいる(Kemp and McNamara (1985), J. Org. Chem; Timmerman et al. (2005), Che
mBioChem)。Meloenおよび共同研究者らは、タンパク質表面の構造を模倣するため
に、合成足場上への複数のペプチドループの迅速かつ定量的な環化のためにトリス(ブロ
モメチル)ベンゼンおよび関連分子を使用している(Timmerman et al. (2005), ChemBio
Chem)。システイン含有ポリペプチドを分子足場、例えばトリス(ブロモメチル)ベンゼ
ンに連結させることによって作製される候補薬物化合物を作製する方法は、WO2004
/077062号およびWO2006/078161号に開示されている。
ファージディスプレイベースのコンビナトリアルアプローチが開発され、目的の標的に
対する二環性ペプチドの大型のライブラリが生成されてスクリーニングされた(Heinis e
t al. (2009), Nat Chem Biol 5 (7), 502-7およびWO2009/098450)。要約すると、3個
のシステイン残基と、2個のランダムな6アミノ酸領域とを含有する(Cys-(Xaa
-Cys-(Xaa)-Cys)(配列番号97)直鎖状ペプチドのコンビナトリ
アルライブラリをファージ上に提示させ、システイン側鎖を小分子(トリス-(ブロモメ
チル)ベンゼン)に共有結合させることにより環化させた。ヒトプロテアーゼカテプシン
Gおよび血漿カリクレイン(PK)に対する親和性選択で単離した二環性ペプチドは、ナ
ノモルの阻害定数を実証した。WO2013/050615およびWO2013/050
616は、ヒト血漿カリクレインに特異的なさらなる二環性ペプチドリガンドを開示して
いる。
本発明の第1の態様によれば、血漿カリクレインに特異的なペプチドリガンドであって
、少なくとも2つのループ配列によって隔てられる少なくとも3つのシステイン残基を含
むポリペプチド、および上記ポリペプチドの上記システイン残基と共有結合を形成する分
子足場を含み、その結果、少なくとも2つのポリペプチドループが上記分子足場上に形成
され、上記ペプチドリガンドが、
(a)-Ci-N-X-W-N-P-W-Cii-O/U-X-X-X-O/J-X-Ciii- (配列番号1);
(b)-Ci-B-N-J-W-N-P-Cii-X-L-O-X-X-X-Ciii- (配列番号2);
(c)-Ci-Q-K-F-E-S-R-Cii-X-X-X-X-X-X-Ciii- (配列番号3);
(d)-Ci-P-L-S-D-T-L-Cii-Y-R-R-M-P-P-Ciii- (配列番号4);
(e)-Ci-P-Y-P-F-R-Cii-X-H-X-X-X-Ciii- (配列番号5);および
(f)-Ci-(N)a-U-J-P-J-R-Cii-V-Y-Y-P-D-I-Ciii- (配列番号6);
もしくはその修飾誘導体、または薬学的に許容される塩
のいずれかから選択されるペプチド配列を含み、
ここで、
、CiiおよびCiiiはそれぞれ、第1、第2および第3のシステイン残基を表し

下付き文字「a」は、0または1から選択される整数を表し、
Xは、任意のアミノ酸残基を表し、
Oは、G、A、I、L、PおよびVから選択される非極性の脂肪族アミノ酸残基を表し、
Jは、F、WおよびYから選択される非極性の芳香族アミノ酸残基を表し、
Uは、N、C、Q、M、SおよびTから選択される極性の非荷電のアミノ酸残基を表し、
Bは、R、HおよびKから選択される極性の正に荷電されたアミノ酸残基を表す、
ペプチドリガンドが提供される。
本発明の新規なカリクレイン結合性二環性ペプチドリガンドを、本明細書で実施例にお
いて記載される生物学的選択に従って特定した。生物学的選択の間のヒトカリクレインと
ラットカリクレインとの間の標的バイトを切り替えることによって、種間で良好な交差反
応性を有するリード配列を特定した。分子に対する可溶性の修飾を導入して、二環性ペプ
チドリードを形成する能力を向上し、ラットの薬物動態学的分析によって、in viv
oで高い代謝安定性を有する配列が明らかになった。
本発明のさらなる態様によれば、本明細書に定義されるペプチドリガンドを1つまたは
複数の薬学的に許容される賦形剤と組み合わせて含む医薬組成物が提供される。
本発明のさらなる態様によれば、炎症性状態、アレルギー性過敏症、癌、細菌またはウ
イルス感染、および自己免疫障害の予防、抑制または処置における使用のための、本明細
書に定義されるペプチドリガンドが提供される。
交差反応性の新規なカリクレイン結合性バイシクルリードに対する06-34-18コントロールの比較のラット血漿安定性を示す図である。 交差反応性の新規なカリクレイン結合性バイシクルリードに対する06-34-18コントロールの比較のラット血漿安定性を示す図である。 交差反応性の新規なカリクレイン結合性バイシクルリードに対する06-34-18コントロールの比較のラット血漿安定性を示す図である。 交差反応性の新規なカリクレイン結合性バイシクルリードに対する06-34-18コントロールの比較のヒト血漿安定性を示す図である。 交差反応性の新規なカリクレイン結合性バイシクルリードに対する06-34-18コントロールの比較のヒト血漿安定性を示す図である。 交差反応性の新規なカリクレイン結合性バイシクルリードに対する06-34-18コントロールの比較のヒト血漿安定性を示す図である。 ヒト(A)およびラット(B)血漿中の06-550誘導体の比較の安定性を示す図である。血漿およびペプチド混合物は、0時間(上部)、21時間(中央)、および46時間(下部)でサンプリングした。ペプチドの親ピークは、2481.9MHである。親ピークの相対的な量が高いままであるように、46時間の時間経過にまたがって観察される分解はわずかである。 ヒト(A)およびラット(B)血漿中の06-550誘導体の比較の安定性を示す図である。血漿およびペプチド混合物は、0時間(上部)、21時間(中央)、および46時間(下部)でサンプリングした。ペプチドの親ピークは、2481.9MHである。親ピークの相対的な量が高いままであるように、46時間の時間経過にまたがって観察される分解はわずかである。 ラットにおける2つの選択されたペプチドのin vivoの薬物動態学的プロファイルを示す図である。06-259-02誘導体は特に、そのクリアランスがほとんど腎濾過によって駆動されるので、ラットの循環で顕著な安定性を示す。 2つの選択されたペプチドのウサギにおける硝子体内注射後のin vivoの薬物動態学的解析を示す図である。06-550誘導体を含む両方のペプチドとも、20~30時間の排出半減期で、硝子体液から緩徐に排出された。 カラギーナン誘導性の足の浮腫に対する2つの選択されたペプチドの効果を示す図である。06-259-02誘導体を含む両方のペプチドとも、全ての時点でカラギーナンによって誘導される足の腫脹を阻害した。
別段に定義しない限りは、本明細書中で使用する全ての技術用語および科学用語は、ペ
プチド化学、細胞培養およびファージディスプレイ、核酸化学ならびに生化学の分野など
の当業者に一般的に理解されるものと同じ意味を持つ。分子生物学、遺伝子学および生化
学的の方法には、本明細書中に参考として組み込まれている(Sambrook et al., Molecul
ar Cloning: A Laboratory Manual, 3rd ed., 2001, Cold Spring Harbor Laboratory Pr
ess, Cold Spring Harbor, NY; Ausubel et al., Short Protocols in Molecular Biolog
y (1999) 4th ed., John Wiley & Sons, Inc.を参照)標準の技法が使用される。
ペプチドリガンド
本明細書中で言及するペプチドリガンドとは、分子足場と共有結合したペプチドをいう
。典型的には、そのようなペプチドは、足場と共有結合を形成することができる2つ以上
の反応基(すなわちシステイン残基)、および、ペプチドが足場と結合した際にループを
形成することからループ配列と呼ばれる、前記反応基間に内在する配列を含む。本事例に
おいて、ペプチドは、少なくとも3個のシステイン残基(本明細書中で言及するC、C
ii、およびCiii)を含み、足場上に少なくとも2個のループを形成する。
一実施形態では、上記ペプチドリガンドは、式(a)の配列を含む。式(a)のコンセ
ンサス配列は、最初のリードバイシクルペプチド06-259、ならびに実施例1および
表2および4に記載の最初のリードの親和性成熟によって特定された最も見込みのあるペ
プチド配列の各々の両方由来のモチーフを含む。
さらなる実施形態では、式(a)のペプチドは、-C-N-X-W-N-P-W-C
ii-O/U-X-X-X-O-X-Ciii-(配列番号7)から選択される配列を含
む。
なおさらなる実施形態では、式(a)のペプチドは、-C-N-T/H/Y-W-N
-P-W-Cii-G/S/P-A/V/W/D/S-D/E/V/T/P-A/G/P
/I/R/D-G/P/Y/I-F/I/L/V/R/G/D-Ciii-(配列番号8
)から選択される配列を含む。
なおさらなる実施形態では、式(a)のペプチドは、-C-N-T/H/Y-W-N
-P-W-Cii-G/S/P-A/V/W-D/E/V-A/G/P-G/P-F/I
/L/V-Ciii-(配列番号9)から選択される配列を含む。
なおさらなる実施形態では、式(a)のペプチドは、
-Ci-N-T-W-N-P-W-Cii-G-W-V-G-G-F-Ciii- (06-259)(配列番号10);
-Ci-N-H-W-N-P-W-Cii-S-V-E-P-P-V-Ciii- (06-259-01)(配列番号11);
-Ci-N-T-W-N-P-W-Cii-P-W-D-A-P-L-Ciii- (06-259-02)(配列番号12);
-Ci-N-H-W-N-P-W-Cii-S-A-D-P-P-I-Ciii- (06-259-03)(配列番号13);
-Ci-N-Y-W-N-P-W-Cii-P-W-D-A-P-L-Ciii- (06-259-04)(配列番号14);
-Ci-N-H-W-N-P-W-Cii-S-A-D-P-P-R-Ciii- (06-259-F1)(配列番号15);
-Ci-N-H-W-N-P-W-Cii-P-A-D-I-P-V-Ciii- (06-259-E2)(配列番号16);
-Ci-N-H-W-N-P-W-Cii-S-D-D-P-Y-I-Ciii- (06-259-H3)(配列番号17)
-Ci-N-H-W-N-P-W-Cii-S-S-D-P-P-V-Ciii- (06-259-H4)(配列番号18)
-Ci-N-Y-W-N-P-W-Cii-S-D-T-R-I-G-Ciii- (06-259-A6)(配列番号19);および
-Ci-N-T-W-N-P-W-Cii-S-W-P-D-I-D-Ciii- (06-259-F2)(配列番号20)
から選択される配列を含む。
なおまださらなる実施形態では、式(a)のペプチドは、
-Ci-N-H-W-N-P-W-Cii-S-V-E-P-P-V-Ciii- (06-259-01)(配列番号11);
-Ci-N-T-W-N-P-W-Cii-P-W-D-A-P-L-Ciii- (06-259-02)(配列番号12);
-Ci-N-H-W-N-P-W-Cii-S-A-D-P-P-I-Ciii- (06-259-03)(配列番号13);および
-Ci-N-Y-W-N-P-W-Cii-P-W-D-A-P-L-Ciii- (06-259-04)(配列番号14)
から選択される配列を含む。
この実施形態のペプチドは、親和性成熟によって、最も強力な候補の1つであることが
特定された(実施例1および表4を参照のこと)。さらに、この実施形態の各々のペプチ
ドは、ラットとヒトカリクレインとの間で、高い力価および良好な交差反応性の両方を実
証することが特定された(表5を参照のこと)。
なおまださらなる実施形態では、式(a)のペプチドは、-C-N-T-W-N-P
-W-Cii-P-W-D-A-P-L-Ciii-(06-259-02)(配列番号
12)から選択される配列を含む。この実施形態のペプチドは、式(a)内のペプチドリ
ガンドの最も強力で、交差反応性で安定なメンバーであることが特定された(実施例1お
よび2を参照のこと)。例えば、本明細書に記載される方法番号1を用いる最初のスクリ
ーニングでは、06-259-02は、最大10日までの検出ウインドウで判定した場合
、残りのバイシクルリードのほとんどよりも安定であることが示された(データ示さず)
。さらに、ex vivoの安定性はまた、in vivoで、特にラットで再現可能で
あって、ここではペプチドの代謝物は、クリアランスおよび既知の糸球体濾過速度と比較
して判定して事実上存在しなかった(実施例4)。
一実施形態では、ペプチドリガンドは、式(b)の配列を含む。式(b)のコンセンサ
ス配列は、最初のリードバイシクルペプチド06-254および06-255の両方由来
のモチーフ、ならびに実施例1ならびに表2および3に記載の最初のリード06-254
の親和性成熟で特定された最も見込みのあるペプチド配列の各々を含む。
さらなる実施形態では、式(b)のペプチドは、-C-K/R-N-Y-W-N-P
-Cii-D/T/G-L-I/V/L-E/M/N/P/T/Q/S/Y/G/D/W
/R/H/A-D/G/I/T/A/S/P/V-P/S/T/A/K/G/H/F/Q
/D/L/I/M/R/Y-Ciii-(配列番号21)から選択される配列を含む。
なおさらなる実施形態では、式(b)のペプチドは、-C-K/R-N-Y-W-N
-P-Cii-D/T-L-I/V-E/M/N/P/T-D/G/I/T-P/S/T
-Ciii-(配列番号22)から選択される配列を含む。
さらなる実施形態では、式(b)のペプチドは、
-Ci-K-N-Y-W-N-P-Cii-D-L-V-T-I-S-Ciii- (06-254)(配列番号23);
-Ci-K-N-Y-W-N-P-Cii-D-L-I-E-T-T-Ciii- (06-254-01)(配列番号24);
-Ci-K-N-Y-W-N-P-Cii-D-L-I-P-G-P-Ciii- (06-254-02)(配列番号25);
-Ci-K-N-Y-W-N-P-Cii-D-L-V-M-D-T-Ciii- (06-254-03)(配列番号26);
-Ci-K-N-Y-W-N-P-Cii-D-L-I-Q-D-A-Ciii- (06-254-F4)(配列番号27);
-Ci-K-N-Y-W-N-P-Cii-D-L-I-S-I-K-Ciii- (06-254-B3)(配列番号28);
-Ci-K-N-Y-W-N-P-Cii-D-L-I-P-T-G-Ciii- (06-254-G3)(配列番号29);
-Ci-K-N-Y-W-N-P-Cii-D-L-V-Q-I-H-Ciii- (06-254-H4)(配列番号30);
-Ci-K-N-Y-W-N-P-Cii-D-L-I-G-I-T-Ciii- (06-254-G2)(配列番号31);
-Ci-K-N-Y-W-N-P-Cii-D-L-V-D-T-F-Ciii- (06-254-A4)(配列番号32);
-Ci-K-N-Y-W-N-P-Cii-D-L-V-E-A-Q-Ciii- (06-254-G4)(配列番号33);
-Ci-K-N-F-W-N-P-Cii-D-L-I-P-I-S-Ciii- (06-254-D3)(配列番号34);
-Ci-K-N-Y-W-N-P-Cii-D-L-I-W-T-D-Ciii- (06-254-E2)(配列番号35);
-Ci-K-N-Y-W-N-P-Cii-D-L-I-P-D-L-Ciii- (06-254-F5)(配列番号36);
-Ci-K-N-Y-W-N-P-Cii-D-L-L-E-S-T-Ciii- (06-254-E5)(配列番号37);
-Ci-K-N-Y-W-N-P-Cii-D-L-I-R-P-P-Ciii- (06-254-D1)(配列番号38);
-Ci-K-N-Y-W-N-P-Cii-D-L-L-G-I-A-Ciii- (06-254-B9)(配列番号39);
-Ci-K-N-Y-W-N-P-Cii-D-L-V-H-D-I-Ciii- (06-254-E3)(配列番号40);
-Ci-K-N-Y-W-N-P-Cii-D-L-I-P-D-M-Ciii- (06-254-D6)(配列番号41);
-Ci-K-N-Y-W-N-P-Cii-D-L-I-A-D-L-Ciii- (06-254-H3)(配列番号42);
-Ci-K-N-Y-W-N-P-Cii-D-L-L-H-V-R-Ciii- (06-254-A7)(配列番号43);
-Ci-K-N-Y-W-N-P-Cii-D-L-I-A-P-Y-Ciii- (06-254-C1)(配列番号44);
-Ci-K-N-Y-W-N-P-Cii-G-L-V-Y-S-T-Ciii- (06-254-E6)(配列番号45);
-Ci-K-N-Y-W-N-P-Cii-D-L-L-P-D-L-Ciii- (06-254-B1)(配列番号46);および
-Ci-R-N-Y-W-N-P-Cii-T-L-I-N-I-T-Ciii- (06-255)(配列番号47)
から選択される配列を含む。
なおまださらなる実施形態では、式(b)のペプチドは、
-Ci-K-N-Y-W-N-P-Cii-D-L-I-E-T-T-Ciii- (06-254-01)(配列番号24);
-Ci-K-N-Y-W-N-P-Cii-D-L-I-P-G-P-Ciii- (06-254-02)(配列番号25);
-Ci-K-N-Y-W-N-P-Cii-D-L-V-M-D-T-Ciii- (06-254-03)(配列番号26);および
-Ci-R-N-Y-W-N-P-Cii-T-L-I-N-I-T-Ciii- (06-255)(配列番号47)
から選択される配列を含む。
この実施形態のペプチドは、親和性成熟に従って最も強力な候補であることが特定され
た(実施例1および表3を参照のこと)。さらに、この実施形態の各々のペプチドは、ラ
ットとヒトカリクレインとの間で高い力価および良好な交差反応性の両方を実証すること
が特定された(表5を参照のこと)。
なおまださらなる実施形態では、式(b)のペプチドは、
-Ci-K-N-Y-W-N-P-Cii-D-L-I-P-G-P-Ciii- (06-254-02)(配列番号25);および
-Ci-R-N-Y-W-N-P-Cii-T-L-I-N-I-T-Ciii- (06-255)(配列番号47)
から選択される配列を含む。
この実施形態のペプチドは、式(b)内のペプチドリガンドの各々のファミリーの最も
強力なメンバーであることが特定された(実施例2を参照のこと)。
なおまださらなる実施形態では、式(b)のペプチドは、-C-R-N-Y-W-N
-P-Cii-T-L-I-N-I-T-Ciii-(06-255)(配列番号47)
から選択される配列を含む。本明細書に記載される方法番号1を用いる最初のスクリーニ
ングによって、06-255は、最大10日までの検出のウインドウで判定した場合、残
りのバイシクルリードのほとんどよりも安定であることが示された(データ示さず)。
一実施形態では、ペプチドリガンドは、式(c)の配列を含む。式(c)のコンセンサ
ス配列は、最初のリードバイシクルペプチド06-256由来のループ1内の固定された
QKFESR(配列番号48)モチーフ、およびそこに含まれる同様の誘導体を、実施例
1および表2に記載のとおり含む。
さらなる実施形態では、式(c)のペプチドは、-C-Q-K-F-E-S-R-C
ii-R-V-D-T-R-Y-Ciii-(06-256)(配列番号49)から選択
される配列を含む。ヒトと、ラットと、ウサギとの間の06-256に関する交差反応性
データを、表1および5に示す。
一実施形態では、ペプチドリガンドは、式(d)の配列を含む。式(d)のペプチド配
列は、実施例1および表1に記載のとおり、最初のリードバイシクルペプチド06-25
7の配列に相当する。ヒトと、ラットと、ウサギとの間の06-257に関する交差反応
性データは、表1および5に示す。
一実施形態では、ペプチドリガンドは、式(e)の配列を含む。式(e)のコンセンサ
ス配列は、ループ1内の保存されたPYPER(配列番号50)モチーフ、およびループ
2内の2位のヒスチジン残基を、最初のリードバイシクルペプチド06-258中に含み
、ここでこのコンセンサスは、最初の選択の回の間に特定された同様の配列に基づく(実
施例1および表2)。
さらなる実施形態では、式(f)のペプチドは、-C-(N)-U-F-P-J-
R-Cii-V-Y-Y-P-D-I-Ciii-(配列番号51)から選択される配列
を含む。
さらなる実施形態では、式(e)のペプチドは、-C-P-Y-P-F-R-Cii
-L-H-E-N-L-Ciii-(06-258)(配列番号52)から選択される配
列を含む。この実施形態のペプチドは、ラットとヒトカリクレインとの間で高い力価およ
び良好な交差反応性の両方を実証することが特定された(表5を参照のこと)。
一実施形態では、ペプチドリガンドは、式(f)の配列を含む。式(f)のコンセンサ
ス配列は、最初のリードバイシクルペプチド06-261および06-550の両方に由
来するモチーフ、ならびに実施例1ならびに表1および2に記載のように最初のスクリー
ニングから特定される最も見込みのあるペプチド配列の各々を含む。
なおさらなる実施形態では、式(f)のペプチドは、-C-(N)-N/S-F-
P-F/Y-R-Cii-V-Y-Y-P-D-I-Ciii-(配列番号53)から選
択される配列を含む。
さらなる実施形態では、式(f)のペプチドは、
-Ci-N-N-F-P-F-R-Cii-V-Y-Y-P-D-I-Ciii- (06-261)(配列番号54);または
-Ci-S-F-P-Y-R-Cii-V-Y-Y-P-D-I-Ciii- (06-550)(配列番号55)
から選択される配列を含む。
なおまださらなる実施形態では、式(f)のペプチドは、-C-N-N-F-P-F
-R-Cii-V-Y-Y-P-D-I-Ciii-(06-261)(配列番号54)
から選択される配列を含む。この実施形態のペプチドは、選択後に最も強力な候補の1つ
であることが特定された(実施例1および表1を参照のこと)。さらに、この実施形態の
ペプチドは、ラットとヒトカリクレインとの間で高い力価および良好な交差反応性の両方
を実証することが特定された(表5を参照のこと)。
別の実施形態では、式(f)のペプチドは、-C-S-F-P-Y-R-Cii-V
-Y-Y-P-D-I-Ciii-(06-550)(配列番号55)から選択される配
列を含む。06-550の利点を実証するデータは、実施例3および4に記載しており、
ここでは、06-550が強力なキメラバイシクルであることが見出され得る。具体的に
は、ヒト、ラットおよびウサギカリクレインの間の交差反応性は、表7に見ることができ
る。
一実施形態では、本発明の特定のペプチドリガンドは、ヒト、ラットおよび/またはウ
サギの血漿カリクレインに特異的である。さらなる実施形態では、本発明の特定のペプチ
ドリガンドは、ヒトおよび/またはラットの血漿カリクレインに特異的である。なおさら
なる実施形態では、本発明の特定のペプチドリガンドは、ヒト血漿カリクレインに特異的
である。
ペプチドリガンドの利点
本発明の特定の二環性ペプチドは、多数の有利な特性を有しており、これによって、注
射、吸入、経鼻、眼、口腔または局所投与について適切な薬物様の分子とみなすことがで
きる。このような有利な特性としては以下が挙げられる。
- 種交差反応性。これは、前臨床の薬力学および薬物動態学的評価のための典型的な
要件である。
- プロテアーゼ安定性。二環性ペプチドリード候補ペプチドリガンドは理想的には、
血漿プロテアーゼ、上皮(「膜アンカー型(membrane-anchored)」)
プロテアーゼ、胃および腸のプロテアーゼ、肺表面プロテアーゼ、細胞内プロテアーゼな
どに対する安定性を実証するべきである。プロテアーゼ安定性は、バイシクルリード候補
が動物モデルで開発可能であり、ヒトに信頼性をもって投与可能であるように、異なる種
の間で維持されなければならない。
- 望ましい溶解度プロファイル。これは、製剤化および吸収の目的に重要である、荷
電および親水性対疎水性残基の割合、ならびに分子内/分子間のH結合の関数である。
- 循環中の最適血漿半減期。臨床指標および処置計画次第で、急性の疾患管理の状況
では、短い曝露用の二環性ペプチドを開発する必要がある場合もあるし、または循環中で
保持を増強している二環性ペプチドを開発する必要がある場合があり、したがって、より
慢性の疾患状態の管理に最適である。
薬学的に許容される塩
塩形態は、本発明の範囲内であることが理解され、式(I)の化合物に対する言及はこ
のような化合物の塩形態を含む。
本発明の塩は、Pharmaceutical Salts: Properties, Selection,and Use, P. Heinrich
Stahl (Editor), Camille G. Wermuth (Editor), ISBN: 3-90639-026-8, Hardcover, 38
8 pages, August 2002に記載の方法などの従来の化学的方法によって、塩基性または酸性
の部分を含む親化合物から合成してもよい。一般には、このような塩は、これらの化合物
の遊離の酸または塩基形態と、適切な塩基または酸とを水中で、もしくは有機溶媒中で、
または2つの混合物中で反応させることによって調製され得る。
酸付加塩(一塩または二塩)は、無機および有機の両方の広範な種々の酸と形成されて
もよい。酸付加塩の例としては、酢酸、2,2-ジクロロ酢酸、アジピン酸、アルギン酸
、アスコルビン酸(例えば、L-アスコルビン酸)、L-アスパラギン酸、ベンゼンスル
ホン酸、安息香酸、4-アセトアミド安息香酸、ブタン酸、(+)ショウノウ酸、ショウ
ノウ-スルホン酸、(+)-(1S)-ショウノウ-10-スルホン酸、カプリン酸、カ
プロン酸、カプリル酸、ケイ皮酸、クエン酸、シクラミン酸、ドデシル硫酸、エタン-1
,2-ジスルホン酸、エタンスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、ギ酸、フマ
ル酸、ガラクタル酸、ゲンチシン酸、グルコヘプトン酸、D-グルコン酸、グルクロン酸
(例えば、D-グルクロン酸)、グルタミン酸(例えば、L-グルタミン酸)、α-オキ
ソグルタル酸、グリコール酸、馬尿酸、ハロゲン化水素酸(例えば、臭化水素酸、塩酸、
ヨウ化水素酸)、イセチオン酸、乳酸(例えば、(+)-L-乳酸および(±)-DL-
乳酸)、ラクトビオン酸、マレイン酸、リンゴ酸、(-)-L-リンゴ酸、マロン酸、(
±)-DL-マンデル酸、メタンスルホン酸、ナフタレン-2-スルホン酸、ナフタレン
-1,5-ジスルホン酸、1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、ニコチン酸、硝酸、オレイ
ン酸、オロチン酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモ酸、リン酸、プロピオン酸、ピルビン
酸、L-ピログルタミン酸、サリチル酸、4-アミノ-サリチル酸、セバシン酸、ステア
リン酸、コハク酸、硫酸、タンニン酸、(+)-L-酒石酸、チオシアン酸、p-トルエ
ンスルホン酸、ウンデシレン酸、および吉草酸からなる群から選択される酸、ならびにア
シル化アミノ酸および陽イオン交換樹脂を用いて形成された一塩または二塩が挙げられる
塩の具体的な1グループは、酢酸、塩酸、ヨウ化水素酸、リン酸、硝酸、硫酸、クエン
酸、乳酸、コハク酸、マレイン酸、リンゴ酸、イセチオン酸、フマル酸、ベンゼンスルホ
ン酸、トルエンスルホン酸、硫酸、メタンスルホン酸(メシラート)、エタンスルホン酸
、ナフタレンスルホン酸、吉草酸、プロパン酸、ブタン酸、マロン酸、グルクロン酸、お
よびラクトビオン酸から形成された塩からなる。1つの具体的な塩は、塩酸塩である。別
の具体的な塩は、酢酸塩である。
修飾誘導体
本明細書に定義されるペプチドリガンドの修飾誘導体は、本発明の範囲内であることが
理解される。このような適切な修飾誘導体の例としては、N末端修飾および/またはC末
端修飾、1つまたは複数のアミノ酸残基の1つまたは複数の非天然のアミノ酸残基での置
換(例えば、1つまたは複数の極性アミノ酸残基の1つまたは複数の等比体積または等電
子アミノ酸での置換、1つまたは複数の疎水性アミノ酸残基の他の非天然の等比体積また
は等電子アミノ酸での置換)、スペーサー基の付加、1つまたは複数の酸化感受性アミノ
酸残基の1つまたは複数の酸化耐性アミノ酸残基での置換、1つまたは複数のアミノ酸残
基のアラニンでの置換、1つまたは複数のL-アミノ酸残基の1つまたは複数のD-アミ
ノ酸残基での置換、二環性ペプチドリガンド内の1つまたは複数のアミド結合のN-アル
キル化、1つまたは複数のペプチド結合の代用結合での置換、ペプチド骨格長改変、1つ
または複数のアミノ酸残基のα炭素上の水素の別の化学基での置換、ならびにシステイン
、リジン、グルタミン酸塩/アスパラギン酸塩およびチロシンなどのアミノ酸の、適切な
アミン、チオール、カルボン酸およびフェノール反応性試薬での合成後修飾から選択され
る1つまたは複数の修飾が挙げられる。
一実施形態では、修飾誘導体は、N末端修飾および/またはC末端修飾を含む。
さらなる実施形態では、修飾誘導体は、N末端修飾を含む。さらなる実施形態では、N
末端修飾は、N末端アセチル基を含む。この実施形態では、N末端システイン基(本明細
書ではCと呼ばれる基)は、無水酢酸または他の適切な試薬で、ペプチド合成の間にキ
ャップされて、N末端アセチル化されている分子がもたらされる。この実施形態は、アミ
ノペプチダーゼの潜在的認識ポイントを除去するという利点を提供し、二環性ペプチドの
分解の可能性を回避する。
さらなる実施形態では、修飾誘導体は、C末端修飾を含む。さらなる実施形態では、C
末端修飾は、アミド基を含む。この実施形態では、C末端システイン基(本明細書ではC
iiiと呼ばれる基)は、ペプチド合成の間、アミドとして合成されて、C末端アミド化
されている分子がもたらされる。この実施形態は、カルボキシペプチダーゼの潜在的な認
識ポイントを除去するという利点を提供し、二環性ペプチドの分解の可能性を回避する。
一実施形態では、修飾誘導体は、1つまたは複数のアミノ酸残基の1つまたは複数の非
天然のアミノ酸残基での置換を含む。この実施形態では、分解性のプロテアーゼによって
さらに認識もされず、標的力価になんら効果も有さない等比体積/等電子側鎖を有する非
天然のアミノ酸が選択され得る。
あるいは、近くのペプチド結合のタンパク質分解による加水分解がコンホメーション的
および立体的に妨害されるような、制約されたアミノ酸側鎖を有する非天然のアミノ酸を
用いてもよい。具体的には、これらは、プロリンアナログ、巨大な(bulky)側鎖、Cα
-二置換誘導体(例えば、アミノイソ酪酸、Aib)、およびシクロアミノ酸、単純な誘
導体(アミノ-シクロプロピルカルボン酸である)に関する。
さらなる実施形態では、プロリン残基は、L-アゼチジンカルボン酸残基で置換されて
もよく、および/またはアルギニン残基は、N-α-メチルアルギニンまたはL-ホモア
ルギニン残基で置換されてもよい。本明細書に示されているデータによって、このような
非天然のアミノ酸の存在は、タンパク質分解性の安定性を向上し、一方では、二環性ペプ
チドリガンドの標的親和性を維持するかまたは向上することが実証される。
実施例3は、06-550ペプチドリガンドの選択された非天然の誘導体を実証する。
したがって、一実施形態では、本発明は、式(f)の非天然の誘導体であって、
-Ci-S-F-P-Y-[hR]-Cii-V-Y-Y-P-D-I-Ciii- ((06-550) HArg5)(配列番号56);
-Ci-S-F-[Aze]-Y-R-Cii-V-Y-Y-P-D-I-Ciii- (配列番号57);
-Ci-S-F-[Aze]-Y-[hR]-Cii-V-Y-Y-P-D-I-Ciii- ((06-550) Aze3 HArg5)(配列番号5
8);
-Ci-S-F-P-Y-[NMeR]-Cii-V-Y-Y-P-D-I-Ciii- ((06-550) NMeArg5)(配列番号59);お
よび
-Ci-S-F-[Aze]-Y-[NMeR]-Cii-V-Y-Y-P-D-I-Ciii- ((06-550) Aze3 NMeArg5)(配列番
号60);
から選択される配列を有するペプチドを含み、
ここでAzeは、L-アゼチジンカルボン酸残基を表し、hRはL-ホモアルギニン残基
を表し、NMeRがN-α-メチルアルギニン残基を表す非天然の誘導体を提供する。
さらなる実施形態では、本発明は、式(f)の非天然の誘導体であって、
-Ci-S-F-P-Y-[hR]-Cii-V-Y-Y-P-D-I-Ciii- ((06-550) HArg5)(配列番号56);
-Ci-S-F-[Aze]-Y-[hR]-Cii-V-Y-Y-P-D-I-Ciii- ((06-550) Aze3 HArg5)(配列番号5
8);
-Ci-S-F-P-Y-[NMeR]-Cii-V-Y-Y-P-D-I-Ciii- ((06-550) NMeArg5)(配列番号59);お
よび
-Ci-S-F-[Aze]-Y-[NMeR]-Cii-V-Y-Y-P-D-I-Ciii- ((06-550) Aze3 NMeArg5)(配列番
号60);
から選択される配列を有するペプチドを含み、
ここでAzeは、L-アゼチジンカルボン酸残基を表し、hRがL-ホモアルギニン残基
を表し、NMeRがN-α-メチルアルギニン残基を表す、非天然の誘導体を提供する。
ヒト、ラットおよびウサギカリクレインの間のこれらの修飾されたペプチドの交差反応
性は表7に見出され得る。
なおさらなる実施形態では、本発明は、式(f)の修飾誘導体であって、
-Ci-S-F-P-Y-[hR]-Cii-V-Y-Y-P-D-I-Ciii- ((06-550) HArg5)(配列番号56);および
-Ci-S-F-[Aze]-Y-[hR]-Cii-V-Y-Y-P-D-I-Ciii- ((06-550) Aze3 HArg5)(配列番号5
8);
から選択される配列を有するペプチドを含み、
ここでAzeは、L-アゼチジンカルボン酸残基を表し、hRはL-ホモアルギニン残基
を表す、修飾誘導体を提供する。
この実施形態のペプチドは、対応するN-メチル修飾誘導体よりも安定であることが実
証されている(実施例3を参照のこと)。
なおまださらなる実施形態では、本発明は、式(f)の非天然の誘導体であって、-C
-S-F-[Aze]-Y-[hR]-Cii-V-Y-Y-P-D-I-Ciii
((06-550)Aze3 HArg5)(配列番号58)(ここでAzeは、L-ア
ゼチジンカルボン酸残基を表し、hRはL-ホモアルギニン残基を表す)から選択される
配列を有するペプチドを含む非天然の誘導体を提供する。
この実施形態のペプチドは、ヒトおよびラットの両方の親和性が高いので、十分耐容さ
れることが実証されている(実施例3および表7を参照のこと)。
一実施形態では、修飾誘導体は、スペーサー基の付加を含む。さらなる実施形態では、
修飾誘導体は、N末端システイン(C)および/またはC末端システイン(Ciii
に対するスペーサー基の付加を含む。なおさらなる実施形態では、修飾誘導体は、C末端
システイン(Ciii)に対するスペーサー基の付加を含む。なおまださらなる実施形態
では、スペーサー基は、2つ以上のD-アルギニン残基(適切には2つのD-アルギニン
残基)に連結された1つまたは複数のサルコシン基(適切には3つのサルコシン基)を含
む。本明細書に示すデータでは、このようなスペーサーの存在が、二環性ペプチドリガン
ドの水溶性を向上することが示される。
一実施形態では、本発明は、式(a)の修飾誘導体であって、-C-N-T-W-N
-P-W-Cii-P-W-D-A-P-L-Ciii-Sar-(D-Arg)
(06-259-02(Sar-(D-Arg))(配列番号61)(ここでSar
は、3つのサルコシンスペーサーを表し、(D-Arg)は2つのD-アルギニン残
基を表す)から選択される配列を有するペプチドを含む修飾誘導体を提供する。
この実施形態のペプチドによって、実施例4に記載の好適なin vivoの薬物動態
学的プロファイルが実証された。具体的には、このペプチドは、そのクリアランスのほと
んどが腎濾過によって駆動されるという理由で、ラットの循環中で顕著な安定性を実証し
た。さらに、この実施形態のペプチドはまた、このようなモデルについてのゴールデンス
タンダード(インドメタシン)に匹敵した実施例6に記載のようなカラギーナン誘導性の
足の腫脹の高度に有意な阻害も実証した。
一実施形態では、本発明は、式(f)の修飾誘導体であって、
-Ci-S-F-P-Y-R-Cii-V-Y-Y-P-D-I-Ciii-Sar3-(D-Arg)2((06-550)-Sar3-(DArg2))(配列
番号62);および
-Ci-S-F-[Aze]-Y-[hR]-Cii-V-Y-Y-P-D-I-Ciii-Sar3-(D-Arg)2((06-550)-Sar3-(DArg2
) Aze3 HArg5)(配列番号63);
から選択される配列を有するペプチドを表し、
ここでSarは、3つのサルコシンスペーサーを表し、(D-Arg)は2つのD-
アルギニン残基を表し、AzeはL-アゼチジンカルボン酸残基を表し、hRはL-ホモ
アルギニン残基を表す。
この実施形態のペプチドは、より好適な水溶性を有することが実証されている(実施例
3を参照のこと)。さらに重要なことに、Sar-(D-Arg)(配列番号98)
基の追加は、十分耐容され、その理由は、この修飾を欠いているペプチドと比較して力価
が未変化のままであるからである(実施例3および表7を参照のこと)。
さらなる実施形態では、本発明は、式(f)の修飾誘導体であって、-C-S-F-
[Aze]-Y-[hR]-Cii-V-Y-Y-P-D-I-Ciii-Sar-(
D-Arg)((06-550)-Sar-(DArg)Aze3 HArg5)
(配列番号63)から選択される配列を有しているペプチドを含み、ここでSarは、
3サルコシンスペーサーを表し、(D-Arg)は2つのD-アルギニン残基を表し、
AzeはL-アゼチジンカルボン酸残基を表し、hRはL-ホモアルギニン残基を表す修
飾誘導体を提供する。この実施形態のペプチドは、実施例3において、分解生成物はほと
んど観察されなかったので、高度な安定性を有することが実証されている。さらに、この
実施形態のペプチドはまた、実施例4に記載のような好適なin vivo薬物動態学的
プロファイルを実証した。さらに、この実施形態のペプチドは、実施例5に記載されると
おり、ウサギの眼への硝子体内注射後に硝子体液からのクリアランスが遅いことを実証し
た。それ自体が既に有利であるが、この特性によってさらに、眼への投与のための徐放性
の処方物に理想的に適しているという利点が得られる。
一実施形態では、修飾誘導体は、1つまたは複数の酸化感受性アミノ酸残基の1つまた
は複数の酸化耐性アミノ酸残基での置換を含む。さらなる実施形態では、修飾誘導体は、
トリプトファン残基のフェニルアラニン残基での置換を含む。この実施形態によって、得
られた二環性ペプチドリガンドの医薬品安定性プロファイルを改善するという利点が得ら
れる。
一実施形態では、修飾誘導体は、1つまたは複数の荷電アミノ酸残基の1つまたは複数
の疎水性アミノ酸残基での置換を含む。別の実施形態では、修飾誘導体は、1つまたは複
数の疎水性アミノ酸残基の1つまたは複数の荷電アミノ酸残基での置換を含む。荷電対疎
水性アミノ酸残基の正確な均衡は、二環性ペプチドリガンドの重要な特徴である。例えば
、疎水性アミノ酸残基は、血漿タンパク質結合の程度に対して、したがって、血漿におけ
る遊離した利用できる画分の濃度に影響を与え、一方、荷電アミノ酸残基(特にアルギニ
ン)は、細胞表面におけるリン脂質膜とペプチドとの相互作用に影響を与え得る。組み合
わせた両者は、半減期、分布の体積およびペプチド薬物への曝露に影響を与えることがで
き、臨床エンドポイントに応じて目的に合わせて作製することができる。加えて、荷電対
疎水性アミノ酸残基の正確な組合せおよび数は、注射部位における刺激作用を低下させる
ことができる(ペプチド薬物を皮下投与した場合)。
一実施形態では、修飾誘導体は、1つまたは複数のL-アミノ酸残基の1つまたは複数
のD-アミノ酸残基での置換を含む。この実施形態は、立体障害によって、およびD-ア
ミノ酸の傾向によって(βターンコンホメーションを安定化させる)タンパク質分解安定
性を増加させるためと考えられる(Tugyi et al (2005) PNAS, 102(2), 413-418)。
一実施形態では、修飾誘導体は、二環性ペプチドリガンド内の1つまたは複数のアミド
結合のN-アルキル化誘導体を含む。この実施形態は、解離しやすいアミド結合の直接的
な修飾によりタンパク質分解からの保護を与えることであると考えられる(Fiacco et al
, Chembiochem. (2008), 9(14), 2200-3)。N-メチル化は、ペプチド結合のねじれ角に
対する強力な効果も有し、細胞浸透&経口利用能を助けると考えられる(Biron et al (2
008), Angew. Chem. Int. Ed., 47, 2595 -99)。
一実施形態では、修飾誘導体は、1つまたは複数のN-アルキル化誘導体(例えば、-
CO-NR)還元ペプチド結合(例えば、-CH-NH-)、ペプトイド結合(例えば
、-NR-CH-CO-)、チオアミド結合(例えば、-CS-NH-)、アザペプチ
ド結合(例えば、-CO-NH-NR-)、トランス-アルケン結合(例えば、-RHC
=C-)、レトロ-インベルソ結合(例えば、-NH-CO-)および尿素代用結合(例
えば、-NH-CO-NHR-)から選択される代用結合による1つまたは複数のペプチ
ド結合の置換を含む。
一実施形態では、修飾誘導体は、任意のアラニンアミノ酸残基の除去を含む。この実施
形態は、潜在的なタンパク質分解性攻撃部位を除去するという利点を提供する。
一実施形態では、修飾誘導体は、ペプチド骨格長改変を含む。さらなる実施形態では、
ペプチド骨格長改変は、1つまたは複数のβ2/3-アミノ酸残基(例えば、-NH-C
R-CH-COまたは-NH-CH-CHR-CO-)の使用を含む。
一実施形態では、修飾誘導体は、1つまたは複数のアミノ酸残基のα炭素上に置換を含
む。この実施形態は、骨格のコンホメーションを制約するという利点を提供する。さらな
る実施形態では、修飾誘導体は、1つまたは複数のアミノ酸残基の2-アミノイソ酪酸(
α-アミノイソ酪酸(AIB)、α-メチルアラニンまたは2-メチルアラニンとしても
公知)での置換を含む。
上述の修飾の各々は、標的に対するペプチドの効力の計画的な改善になることを留意さ
れたい。さらに修飾に基づく力価改善は、以下の機序を通じて達成され得る。
- より高い親和性が達成されるように、疎水性効果を活かし、より低いオフレートに
つながる疎水性部分を組み込むこと
- 長期にわたるイオン性相互作用を活用する荷電された基を組み込み、より速いオン
レートおよびより高い親和性をもたらすこと(例えば、Schreiber et al,Rapid, electro
statically assisted association of proteins (1996), Nature Struct. Biol. 3, 427-
31を参照のこと、および
- 例えば、エントロピーの損失が標的結合の際に最小であるように、アミノ酸の側鎖
を正確に制約すること、エントロピーの損失が標的結合の際に最小であるように、骨格の
二面角を制約すること、および同一の理由のために分子中に追加の環化を導入すること、
によって、ペプチドに追加的な制約を組み込むこと。
(総説のため、Gentilucci et al, Curr. Pharmaceutical Design, (2010), 16, 3185-
203およびNestor et al, Curr. Medicinal Chem (2009), 16, 4399-418を参照)。
結合活性
本明細書の文脈における特異性は、標的と類似の実体を除外したその同族標的と結合す
る、さもなければこれと相互作用するリガンドの能力を指す。例えば、特異性は、ヒト酵
素の相互作用を阻害するが、異なる種由来の相同酵素の相互作用を阻害しないリガンドの
能力を指すことができる。本明細書に記載されているアプローチを用いて、企図される標
的のホモログまたはパラログとリガンドがより相互作用できるようにまたはできなくなる
ように、特異性が増加または減少するようモジュレートすることができる。特異性は、活
性、親和性またはアビディティーと同義であるとは企図されておらず、その標的における
リガンドの作用の効力(例えば、結合親和性または阻害のレベル等)は、必ずしもその特
異性に関係しない。
本明細書における結合活性は、例えば、本明細書に記載されている結合アッセイから得
られる定量的結合測定値を指す。したがって、結合活性は、所定の標的濃度で結合してい
るペプチドリガンドの量を指す。
多重特異性は、2種以上の標的に結合する能力である。通常、結合ペプチドは、そのコ
ンホメーション特性により、抗体の場合はエピトープ等、単一の標的と結合することがで
きる。しかし、2種以上の標的に結合することができるペプチド、例えば、上記のように
当技術分野において既知の通り、二重特異的抗体を開発することができる。本発明におい
て、ペプチドリガンドは、2種以上の標的に結合することができ、したがって多重特異的
となり得る。好適には、これは、2種の標的に結合し、二重特異的である。結合は、独立
的となることができ、これは、ペプチドにおける標的に対する結合部位が、標的の一方ま
たは他方の結合により構造的に妨げられないことを意味する。この場合、両方の標的が独
立的に結合していてよい。より一般的には、一方の標的の結合が、他方の結合を少なくと
も部分的に妨害するであろうと予想される。
二重特異的リガンドと2つの関連の標的を含む特異性を有するリガンドとの間に基本的
な相違が存在する。第1の事例では、リガンドは両方の標的について個々に特異的であり
、お互いと特異的な方式で相互作用する。例えば、リガンド中の第1のループは、第1の
標的に結合し得、第2のループは第2の標的に結合し得る。第2の事例では、リガンドは
非特異的である。なぜなら、リガンドは、例えば、両方に共通の標的のエピトープとの相
互作用によって、2つの標的の間で違いがあることはないからである。
本発明の状況では、例えば、標的およびオルソログについて活性を有するリガンドは、
二重特異性リガンドであり得ることが可能である。しかし、一実施形態では、このリガン
ドは二重特異性ではなく、有する特異性の正確性が少なく、その結果、このリガンドは、
標的と1つまたは複数のオルソログの両方に結合する。一般には、標的とそのオルソログ
の両方に対して選択されていないリガンドは、二重特異性に向かう選択的圧力がないせい
で、二重特異性である可能性が低い。二環性ペプチドのループ長は、関連の少ないホモロ
グに対する高い選択性を維持したままで、良好な標的およびオルソログの交差反応性が得
られるように、仕立てられた結合表面を提供するのには決定的であり得る。
このリガンドが真に二重特異性である場合、一実施形態では、リガンドの標的特異性の
うちの少なくとも1つは、選択されるリガンドのうちでも一般的であり、その特異性のレ
ベルは、本明細書に開示される方法によってモジュレートされ得る。第2のまたはさらな
る特異性は共有される必要はなく、本明細書に示される手順の対象となる必要もない。
標的は、ペプチドリガンドが結合する、さもなければ相互作用する分子またはその一部
である。結合は、多くの種類の活性に必須のものと理解され、それ自体が活性となり得る
が、他の活性が想定される。よって、本発明は、直接的または間接的な結合の測定を必要
としない。
分子足場とは、複数の点でペプチドと接続して、ペプチドに1つまたは複数の構造的特
長を与えることができる、任意の分子である。好ましくは、分子足場は、足場反応基と呼
ばれる、ペプチドの結合点を少なくとも3つ含む。これらの基は、ペプチド上のシステイ
ン残基(C、Cii、およびCiii)と反応して共有結合を形成することができる。
それらは、単にジスルフィド結合(分子の還元性の切断および付随する分解に供される)
を形成するのではなく、安定な共有チオエーテル連結を形成する。分子足場の好ましい構
造を以下に記載する。
分子足場
分子足場は、例えば、WO2009/098450ならびにそこに引用されている参考
文献、特に、WO2004/077062およびWO2006/078161において記
載されている。
前述の文書に記されている通り、分子足場は、有機小分子等、小分子でもよい。
一実施形態では、分子足場は、ヌクレオシド、糖、またはステロイドなどの天然の単量
体であり得る、またはそれに基づき得る。例えば、分子足場は、二量体または三量体など
の、そのような実体の短いポリマーを含み得る。
一実施形態では、分子足場は、既知の毒性、例えば低い毒性の化合物である。適切な化
合物の例には、コレステロール、ヌクレオチド、ステロイド、またはタマゼパム(tam
azepam)などの既存の薬物が含まれる。
一実施形態では、分子足場は巨大分子であり得る。一実施形態では、分子足場は、アミ
ノ酸、ヌクレオチドまたは炭水化物から構成される巨大分子である。
一実施形態では、分子足場は、ポリペプチドの官能基(複数可)と反応して共有結合を
形成することができる反応基を含む。
分子足場は、アミン、チオール、アルコール、ケトン、アルデヒド、ニトリル、カルボ
ン酸、エステル、アルケン、アルキン、アジド、酸無水物、スクシンイミド、マレイミド
、ハロゲン化アルキルおよびハロゲン化アシルなどの化学基を含有し得る。
一実施形態では、分子足場は、トリス(ブロモメチル)ベンゼン、特に1,3,5-ト
リス(ブロモメチル)ベンゼン(「TBMB」)、またはその誘導体を含み得る、または
それからなり得る。
一実施形態では、分子足場は2,4,6-トリス(ブロモメチル)メシチレンである。
この分子は、1,3,5-トリス(ブロモメチル)ベンゼンに類似であるが、ベンゼン環
に結合した3つの追加的なメチル基を含有する。これは、追加的なメチル基が、ポリペプ
チドとのさらに別の接触を形成し、したがって追加的な構造的制約を加え得るという利点
を有する。
本発明の分子足場は、本発明のコードされたライブラリのポリペプチドの官能基が分子
足場と共有結合を形成することのできる化学基を含有する。前記化学基は、アミン、チオ
ール、アルコール、ケトン、アルデヒド、ニトリル、カルボン酸、エステル、アルケン、
アルキン、無水物、スクシンイミド、マレイミド、アジ化物、ハロゲン化アルキルおよび
ハロゲン化アシルを含む広範な官能基から選択される。
システインのチオール基と反応させるために分子足場上で使用することができる足場反
応基は、アルキルハロゲン化物、(またはハロゲノアルカンもしくはハロアルカンとも命
名される)。
具体例は、ブロモメチルベンゼン(TBMBにより例証される足場反応基)またはヨー
ドアセトアミドである。化合物をタンパク質中のシステインと選択的にカップリングさせ
るために使用される他の足場反応基はマレイミドである。本発明において分子足場として
使用され得るマレイミドの例には、トリス-(2-マレイミドエチル)アミン、トリス-
(2-マレイミドエチル)ベンゼン、トリス-(マレイミド)ベンゼンが含まれる。セレ
ノシステインは、また、システインと類似の反応性を有しており、同じ反応に使用するこ
とができる天然アミノ酸である。したがって、システインに言及する場合はいつでも、文
脈によりそうでないと示唆される場合以外は、セレノシステインを置換することが典型的
には許容される。
エフェクターおよび官能基
エフェクターおよび/または官能基を、例えば、ポリペプチドのNもしくはC末端にま
たは分子足場に付けることができる。
適切なエフェクター基は、抗体およびその部分または断片を含む。例えば、エフェクタ
ー基は、1種または複数種の定常領域ドメインに加えて、抗体軽鎖定常領域(CL)、抗
体CH1重鎖ドメイン、抗体CH2重鎖ドメイン、抗体CH3重鎖ドメインまたはこれら
のいずれかの組合せを含むことができる。エフェクター基は、抗体のヒンジ領域(IgG
分子のCH1およびCH2ドメインの間に通常存在する領域等)を含むこともできる。
本発明の本態様のさらなる実施形態では、本発明によるエフェクター基は、IgG分子
のFc領域である。有利には、本発明によるペプチドリガンドエフェクター基は、1日間
以上、2日間以上、3日間以上、4日間以上、5日間以上、6日間以上または7日間以上
のtβ半減期を有するペプチドリガンドFc融合体を含む、あるいはこれからなる。最も
有利には、本発明によるペプチドリガンドは、1日間以上のtβ半減期を有するペプチド
リガンドFc融合体を含む、あるいはこれからなる。
官能基は、一般に、結合基、薬物、他の実体を付けるための反応基、細胞への大環状ペ
プチドの取り込みを助ける官能基その他を含む。
細胞へと浸透するペプチドの能力は、細胞内標的に対するペプチドを有効なものとする
ことができる。細胞へと浸透する能力を有するペプチドによりアクセスされ得る標的は、
転写因子、チロシンキナーゼ等の細胞内シグナル伝達分子およびアポトーシス経路に関与
する分子を含む。細胞の浸透を可能にする官能基は、ペプチドまたは分子足場のいずれか
に付加されたペプチドまたは化学基を含む。VP22、HIV-Tat、ショウジョウバ
エ(Drosophila)のホメオボックスタンパク質(アンテナペディア)等に由来するペプチ
ド等、ペプチドは、例えば、Chen and Harrison, Biochemical Society Transactions (2
007) Volume 35巻, Part 4, p821;Gupta et al. in Advanced Drug Discovery Reviews (
2004) Volume 57 9637に記載されている。細胞膜を通した転位置において効率的であるこ
とが示された短いペプチドの例として、ショウジョウバエアンテナペディアタンパク質由
来の16アミノ酸ペネトラチン(penetratin)ペプチド(Derossi et al (1994) J Biol.
Chem. Volume 269 p10444頁)、18アミノ酸「モデル両親媒性ペプチド」(Oehlke et
al (1998) Biochim Biophys Acts Volume 1414 p127頁)およびHIV TATタンパク
質のアルギニンリッチ領域が挙げられる。非ペプチド性アプローチは、生体分子に容易に
付けることができる小分子模倣物またはSMOCの使用を含む(Okuyama et al (2007) N
ature Methods Volume 4 p153)。分子にグアニジウム基を付加する他の化学的戦略も、
細胞浸透を増強させる(Elson-Scwab et al (2007) J Biol Chem Volume 282 p13585)。
ステロイド等、低分子量の分子を分子足場に付加して、細胞への取り込みを増強させるこ
とができる。
ペプチドリガンドに付けることのできる官能基の一クラスは、抗体、およびFab、F
vまたはシングルドメイン断片等、その結合断片を含む。特に、in vivoにおける
ペプチドリガンドの半減期を増加させることができるタンパク質に結合する抗体を用いる
ことができる。
多くの細胞上に存在するインテグリンに結合するRGDペプチドを組み入れることもで
きる。
一実施形態では、本発明によるペプチドリガンドエフェクター基は、12時間以上、2
4時間以上、2日間以上、3日間以上、4日間以上、5日間以上、6日間以上、7日間以
上、8日間以上、9日間以上、10日間以上、11日間以上、12日間以上、13日間以
上、14日間以上、15日間以上または20日間以上からなる群から選択されるtβ半減
期を有する。有利には、本発明によるペプチドリガンドエフェクター基または組成物は、
12~60時間の範囲内のtβ半減期を有するであろう。さらに別の実施形態では、これ
は、1日間以上のtβ半減期を有するであろう。さらにまた別の実施形態では、これは、
12~26時間の範囲内であろう。
官能基は、癌治療のための細胞傷害性薬剤等、薬物を含む。これは、シスプラチンおよ
びカルボプラチン等のアルキル化剤ならびにオキサリプラチン、メクロレタミン、シクロ
ホスファミド、クロラムブシル、イホスファミド;プリンアナログ、アザチオプリンおよ
びメルカプトプリンを含む抗代謝剤またはピリミジンアナログ;ビンクリスチン、ビンブ
ラスチン、ビノレルビンおよびビンデシン等、ビンカアルカロイドを含む植物アルカロイ
ドおよびテルペノイド;ポドフィロトキシンおよびその誘導体エトポシドおよびテニポシ
ド;本来タキソールとして知られた、パクリタキセルを含むタキサン;カンプトテシンを
含むトポイソメラーゼ阻害剤;イリノテカンおよびトポテカン、ならびにアムサクリン、
エトポシド、エトポシドリン酸塩およびテニポシドを含むII型阻害剤を含む。さらに別
の薬剤は、免疫抑制薬ダクチノマイシン(腎臓移植において用いられる)、ドキソルビシ
ン、エピルビシン、ブレオマイシンなどを含む抗腫瘍抗生物質を含むことができる。
可能なエフェクター基は、例えば、ペプチドリガンドが、ADEPTにおいて抗体を置
き換える、酵素/プロドラッグ治療法において用いるためのカルボキシペプチダーゼG2
等、酵素も含む。
合成
本発明のペプチドは、標準的な技術によって、続いてインビトロでの分子足場での反応
によって、合成的に製造されてもよい。これが行われる場合、標準的な化学が用いられて
もよい。これによって、さらなる下流の実験またはバリデーションのために可溶性の材料
の迅速な大規模調製が可能になる。このような方法は、Timmermanら(上述)に
開示されるもののような従来の化学を用いて達成され得る。
したがって、本発明はまた、本明細書に示されるように選択されたポリペプチドまたは
コンジュゲートの製造であって、下に説明されるような任意選択のさらなるステップを含
む製造に関する。一実施形態では、これらのステップは、化学合成によって作製された最
終生成物のポリペプチド/コンジュゲートで行われる。
任意選択で、目的のポリペプチド中のアミノ酸残基は、コンジュゲートまたは複合体を
製造する場合、置換されてもよい。
ペプチドはまた、例えば、別のループを組み込み、それによって複数の特異性を導入す
るために伸長されてもよい。
ペプチドを伸長するために、これは、標準的な固相または溶液相化学を用い、直交的に
保護されたリジン(およびアナログ)を用いて、ループのN末端もしくはC末端で、また
はループ内で化学的に、伸長されてもよい。標準的なタンパク質化学を、活性化可能なN
末端またはC末端を導入するために用いてもよい。あるいは、追加は、例えば、(Dawson
et al. 1994. Synthesis of Proteins by Native Chemical Ligation. Science 266:776
-779)に記載のように断片縮合もしくは天然の化学的ライゲーションによって、または酵
素によって、例えば、(Chang et al Proc Natl Acad Sci U S A. 1994 Dec 20;91(26):1
2544-8、またはHikari et al Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters Volume 18, I
ssue 22, 15 November 2008, Pages 6000-6003)に記載のようにサブチリガーゼを用いて
行ってもよい。
あるいは、ペプチドは、ジスルフィド結合を通じてさらなるコンジュゲーションによっ
て伸長または修飾されてもよい。これは、第1および第2のペプチドが、細胞の還元性環
境内でお互いから一度解離することが可能になるという追加の利点を有する。この場合、
分子足場(例えば、TBMB)が、3つのシステイン基と反応するように第1のペプチド
の化学合成の間に追加され得る;次いで、さらなるシステインが、このシステインが第2
のペプチドの遊離のシステインとのみ反応するように、第1のペプチドのN末端に追加さ
れてもよい。
同様の技術を、2つの二環性および二重特異性の大員環の合成/カップリングに等しく
適用して、可能性としては四重特異的な分子を作成する。
さらに、他の官能基またはエフェクター基の追加は、適切な化学を用いて同じ方式で達
成され得、N末端もしくはC末端で、または側鎖を介してカップリングする。一実施形態
では、このカップリングは、これがいずれの実体の活性もブロックしないような方式で行
われる。
医薬組成物
本発明のさらなる態様によれば、本明細書に定義されるペプチドリガンドを1つまたは
複数の薬学的に許容される賦形剤と組み合わせて含む医薬組成物が提供される。
一般に、本発明のペプチドリガンドは、精製された形態で、薬理学的に適切な賦形剤ま
たは担体と共に利用される。典型的には、これらの賦形剤または担体には、生理食塩水お
よび/または緩衝媒体を含めた、水性またはアルコール/水性の溶液、乳濁液または懸濁
液が含まれる。非経口ビヒクルには、塩化ナトリウム溶液、リンゲルデキストロース、デ
キストロースおよび塩化ナトリウムならびに乳酸加リンゲルが含まれる。ポリペプチド複
合体を懸濁液に保つために必要な場合は、適切な生理的に許容されるアジュバントを、カ
ルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ゼラチンおよびアルギネートなどの
シックナーから選択し得る。
静脈内ビヒクルには、リンゲルデキストロースに基づくものなどの、体液および栄養素
補充液ならびに電解質補充液が含まれる。また、抗微生物、抗酸化剤、キレート化剤およ
び不活性ガスなどの保存料および他の添加剤も存在し得る(Mack (1982) Remington’s P
harmaceutical Sciences, 16th Edition)。
本発明のペプチドリガンドは、別々に投与する組成物として、または他の薬剤と併せて
使用し得る。これらには、シルコスポリン、メトトレキサート、アドリアマイシンまたは
シスプラチン、および免疫毒素などの、抗体、抗体断片および様々な免疫治療薬が含まれ
る場合がある。医薬組成物に様々な細胞毒性がある薬剤または他の薬剤と、本発明のタン
パク質リガンド、またはさらには標的リガンドを用いて選択されたポリペプチドなどの様
々な特異性を有する本発明によって選択されたポリペプチド)の組み合わせとを併せた「
カクテル」が含まれる場合があり、これらを投与前にプールするかどうかに拘らない。
本発明による医薬組成物の投与経路は、当業者に一般的に知られているもののうちの任
意のものであり得る。これに限定されないが免疫療法を含む治療のために、本発明のペプ
チドリガンドは、標準の技法に従って任意の患者に投与することができる。投与は、非経
口、静脈内、筋肉内、腹腔内、経皮、肺の経路、また、適切には、カテーテルを用いた直
接輸液によるものを含めた、任意の適切な様式であることができる。用量および投与頻度
は、患者の年齢、性別および状態、他の薬物の同時投与、対抗適応症ならびに臨床家が考
慮すべき他のパラメータに依存する。
本発明のペプチドリガンドは、眼科障害の処置のための眼科用組成物として製剤化され
るとき、その投与経路は典型的には、局所、結膜下、テノン下、眼内、眼科インプラント
などの眼科経路による投与など、その眼科障害の部位に直接であることが理解される。一
実施形態では、投与の経路は、眼内注射による。別の実施形態では、その眼科用組成物は
、局所に(例えば、眼球外適用)または全身的(例えば、口腔または他の非経口経路、例
えば、皮下投与など)であり、ただし、眼の中または眼に隣接して位置する細胞または組
織内の十分な量のペプチドが、眼科状態の部位との接触を達成する条件である。別の実施
形態では、眼科用組成物は、非経口的に送達される。投与の正確な経路は、WO2007
/104541(その内容は、参照によって本明細書に援用される)に記載の共通の一般
的知識および方法論に従って、処置されるべき眼科障害に取り組めば、当業者には直ちに
明らかになる。
本発明のペプチドリガンドは、貯蔵用に凍結乾燥し、使用前に適切な担体で再構成する
ことができる。この技法は有効であることが示されており、当分野で知られている凍結乾
燥および再構成の技法を用いることができる。当業者には、凍結乾燥および再構成は様々
な度合の活性の損失をもたらす場合があり、補償するためにレベルを上方調節する必要が
あり得ることが理解されよう。
本発明のペプチドリガンドまたはそのカクテルを含有する組成物は、予防的および/ま
たは治療的な処置のために投与することができる。特定の治療的の応用では、選択された
細胞の集団の少なくとも部分的な阻害、抑制、変調、死滅、または何らかの他の測定可能
なパラメータを達成するために十分な量は、「治療上有効な用量」として定義される。こ
の用量を達成するために必要な量は、疾患の重篤度および患者自身の免疫系の一般的状態
に依存するが、一般に体重1キログラム当たり0.005~5.0mgの選択されたペプ
チドリガンドの範囲であり、0.05~2.0mg/kg/用量の用量がより一般的に使
用される。予防的な応用では、本発明のペプチドリガンドまたはそのカクテルを含有する
組成物を、同様または僅かに低い用量で投与してもよい。
本発明によるペプチドリガンドを含有する組成物は、哺乳動物における選択された標的
細胞集団の変更、不活性化、死滅または除去を支援するために、予防的および治療的な設
定で利用し得る。さらに、本明細書中に記載のペプチドリガンドは、不均一な細胞のコレ
クションから標的細胞集団を死滅、枯渇または他の様式で有効に除去するために、体外ま
たはin vitroで選択的に使用し得る。哺乳動物からの血液を体外で選択されたペ
プチドリガンドと合わせ、これにより所望しない細胞を死滅させるまたは他の様式で血液
から除去して、標準の技法に従って哺乳動物に戻し得る。
治療的な使用
本発明の方法に従って選択されたポリペプチドリガンドは、in vivo治療および
予防適用、in vitroおよびin vivo診断適用、in vitroアッセイ
および試薬適用その他において用いることができる。選択されたレベルの特異性を有する
リガンドは、交差反応性が望ましい非ヒト動物における検査に関与する適用において、あ
るいはホモログまたはパラログとの交差反応性が慎重に制御される必要がある診断適用に
おいて有用である。ワクチン適用等、一部の適用において、所定の範囲の抗原に対する免
疫応答を誘発する能力を活用して、ワクチンを特異的疾患および病原体の目的に合わせる
ことができる。
少なくとも90~95%の均一性の実質的に純粋なペプチドリガンドが哺乳動物への投
与に好ましく、98~99%またはそれより高い均一性が、特に哺乳動物がヒトである場
合に製薬的な使用に最も好ましい。所望に応じて部分的にまたは均一性まで精製した後、
選択されたポリペプチドを、診断もしくは治療(体外が含まれる)において、またはアッ
セイ手順、免疫蛍光染色などの展開および実行において使用し得る(Lefkovite and Pern
is, (1979 and 1981) Immunological Methods, Volumes I and II, Academic Press, NY
)。
本発明のペプチドリガンドは、典型的には、炎症性状態、アレルギー性過敏症、癌、細
菌またはウイルス感染、および自己免疫障害(これらに限定されないが、I型糖尿病、多
発性硬化症、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、クローン病および重症筋無力症を
含む)の予防、抑制または処置において使用が見つかる。
したがって、本発明のさらなる態様によれば、炎症性状態、アレルギー性過敏症、癌、
細菌またはウイルス感染、および自己免疫障害を予防、抑制または処置するのにおける使
用のための、本明細書において定義されたようなペプチドリガンドが提供される。
本発明のさらなる態様によれば、炎症性状態、アレルギー性過敏症、癌、細菌またはウ
イルス感染、眼科障害、および自己免疫障害を予防、抑制または処置する方法であって、
本明細書に定義されるペプチドリガンドの必要な患者に対して投与することを含む方法が
提供される。
一実施形態では、本発明の眼科障害は、網膜の血管の透過性および/または完全性の損
傷に関連する障害である。さらなる実施形態では、本発明の眼科障害は、局所出血を引き
起こす網膜微小血管の破裂に関連する障害である。さらなる実施形態では、本発明の眼科
障害は、眼後部の疾患、具体的には網膜疾患である。さらなる実施形態では、本発明の眼
科障害は、前眼部の疾患である。さらなる実施形態では、本発明の眼科障害は、眼の過剰
な血管透過性および/または浮腫に関連する障害である。
適切な「眼科の障害」の例(これには、滲出性および/または炎症性の眼科の障害、網
膜の血管の透過性および/または完全性の損傷に関連する障害、局所出血を引き起こす網
膜微小血管の破裂に関連する障害、眼後部の疾患、網膜疾患、および前眼部の疾患を含む
)は、これらに限定されないが、加齢黄斑変性(ARMD)、滲出性黄斑変性(「ウェッ
ト(滲出型)(wet)」または新血管性加齢性黄斑変性症(wet-AMD)としても
公知である)、黄斑浮腫、老人性円板状黄斑変性症、嚢胞様黄斑浮腫、眼瞼浮腫、網膜浮
腫、糖尿病網膜症、急性黄斑神経網膜症、中心性漿液性網膜脈絡膜症、網脈絡膜炎、脈絡
叢新血管新生、血管新生黄斑症、新生血管緑内障、動脈閉塞性および静脈閉塞性網膜症(
例えば、網膜静脈閉塞症または網膜動脈閉塞症)、網膜中心静脈閉塞症、播種性血管内凝
固症候群、網膜分枝静脈閉塞症、高血圧性眼底変化、眼性虚血発作、網膜動脈小動脈瘤、
コーツ病、傍中心窩毛細血管拡張症、半側網膜静脈閉塞症、乳頭血管炎、網膜中心動脈閉
塞症、網膜動脈分枝閉塞症、頚動脈疾患(CAD)、霜状分枝血管炎(frosted
branch angitis)、鎌状赤血球網膜症および他のヘモグロビン異常症、網
膜色素線条症、疾患を病因とする黄斑浮腫(例えば、糖尿病黄斑浮腫)、眼部の損傷もし
くは眼部の外科手術;例えば、損傷、外傷もしくは腫瘍により引き起こされる網膜の虚血
もしくは網膜変性、ブドウ膜炎、虹彩炎、網膜血管炎、眼内炎、全眼球炎、転移性眼炎、
脈絡膜炎、網膜色素上皮炎、結膜炎、毛様体炎、強膜炎、上強膜炎、視神経炎、球後視神
経炎、角膜炎、眼瞼炎、滲出性網膜剥離、角膜潰瘍、結膜潰瘍、慢性貨幣状角膜炎、タイ
ゲソン角膜炎、進行性モーレン潰瘍、細菌もしくはウイルス感染によって、および眼部の
外科手術によって引き起こされる眼部の炎症性疾患、眼部の物理的な損傷により引き起こ
される眼部の炎症性疾患、掻痒、発赤、浮腫および潰瘍を含む眼部の炎症性疾患により引
き起こされる症状、紅斑症、多形滲出性紅斑、結節性紅斑、環状紅斑、浮腫性硬化症、皮
膚炎、血管神経性浮腫、咽頭水腫、声門水腫、声門下喉頭炎、気管支炎、鼻炎、咽頭炎、
副鼻腔炎、喉頭炎または中耳炎を含む。
本明細書で言及される「眼の後部の疾患(back-of-eye diseases)」としては、とりわ
け、眼の後部領域における網膜、黄斑、窩に影響する疾患が挙げられる。適切な「眼の後
部の疾患」の例は、これらに限定されないが、黄斑浮腫、例えば、臨床上の黄斑浮腫また
は血管造影の類嚢胞黄斑浮腫(種々の病因論、例えば、糖尿病で生じる)、滲出性黄斑変
性症および黄斑浮腫(網膜のレーザー処置から生じる)、加齢性黄斑変性症、未熟児の網
膜症(水晶体後部線維増殖症としても公知)、網膜虚血および脈絡膜血管新生、網膜の疾
患(糖尿病性網膜症、糖尿病性網膜浮腫、網膜剥離、網膜下新血管形成による老年性黄斑
変性症、近視性網膜症);炎症性疾患;腫瘍に関連するブドウ膜炎、例えば、網膜芽細胞
腫または偽網膜膠腫;硝子体切除術後の新血管形成;血管疾患(網膜虚血、脈絡膜血管不
全、脈絡膜血栓症、頸動脈虚血から生じる網膜症);ならびに視神経の新血管形成を含む
本明細書で言及される「眼の前部の疾患(front-of-eye diseases)」とは、眼の前部
の組織、例えば、角膜、光彩、毛様体、結膜などに主に影響する疾患を指す。適切な「眼
の前部の疾患」の例は、これらに限定されないが、角膜の新血管形成(炎症、移植、虹彩
の発達不全、滲出性または炎症性の要素を有する角膜疾患または混濁化、眼の穿通または
眼球の挫傷性傷害に起因する血管新生に起因する);慢性ブドウ膜炎;前ブドウ膜炎;L
ASIK、LASEK、屈折矯正手術、IOL移植のような手術によってもたらされる炎
症性状態;白内障手術の合併症としての不可逆性角膜浮腫;傷害または外傷(物理的、化
学的、薬理学的など)の結果としての浮腫;炎症;結膜炎(例えば、持続的アレルギー性
、巨大乳頭性、季節周期的アレルギー性、通年性アレルギー性、毒性の結膜炎(細菌、ウ
イルスまたはクラミジアの感染により引き起こされる));角結膜炎(春季、アトピー性
、乾燥);虹彩毛様体炎;虹彩炎;強膜炎;上強膜炎;感染性角膜炎;点状表層角膜炎;
円錐角膜;後部多形性角膜ジストロフィー;フックスジストロフィー(角膜および内皮)
;無水晶体および偽水晶体水疱性角膜症;角膜浮腫;強膜疾患;眼部瘢痕性類天疱瘡;毛
様体扁平部炎;ポスナーシュロスマン症候群;ベーチェット病;フォークト・小柳・原田
症候群;過敏反応;眼球表面障害;結膜浮腫;トキソプラズマ網脈絡膜炎;眼窩の炎症性
偽腫瘍;結膜浮腫;結膜静脈鬱血;眼窩周囲蜂巣炎;急性涙嚢炎;非特異的血管炎;サル
コイドーシス;ならびにサイトメガロウイルス感染を含む。
例えば、網膜または硝子体における、適切な「眼の過剰な血管透過性および/または浮
腫に関連する障害」の例は、これらに限定されないが、加齢性黄斑変性症(AMD)、網
膜浮腫、網膜出血、硝子体出血、黄斑浮腫(ME)、糖尿病性黄斑浮腫(DME)、増殖
性糖尿病性網膜症(PDR)および非増殖性糖尿病性網膜症(DR)、放射線網膜症、毛
細血管拡張症、中心性漿液性網膜症、および網膜静脈閉塞を含む。網膜浮腫は、網膜内空
間における液体の蓄積である。DMEは、糖尿病を有する患者で生じる網膜微小血管変化
の結果である。血液-網膜障壁のこの妥協によって網膜の周囲への血漿構成要素の漏出が
もたらされて、網膜浮腫が生じる。網膜の他の障害としては、網膜静脈閉塞(例えば、血
管枝または中心静脈閉塞)、放射線網膜症、鎌状赤血球網膜症、未熟児網膜症、フォン・
ヒッペル・リンドウ病、後部ブドウ膜炎、慢性網膜剥離、アーヴァイン・ガス症候群、イ
ールズ病、網膜炎および/または脈絡膜炎が挙げられる。
本明細書における「予防」という用語の言及には、疾患の誘導前の保護的組成物の投与
を含む。「抑制」とは、誘導現象の後であるが、疾患の臨床的所見の前に組成物を投与す
ることをいう。「処置」とは、疾患の症状が顕性となった後に保護的組成物を投与するこ
とを含む。
疾患に対する保護、またはその処置におけるペプチドリガンドの有効性をスクリーニン
グするために使用できる動物モデル系が利用可能である。動物モデル系の使用は、本発明
により促進されて、ヒトおよび動物標的と交差反応し得るポリペプチドリガンドの開発を
可能にし、動物モデルの使用を可能にする。
感受性マウスにおいて全身性エリテマトーデス(SLE)を試験する方法は当分野で知
られている(Knight et al. (1978) J Exp. Med., 147: 1653, Reinersten et al. (1978
) New Eng. J : Med., 299: 515)。重症筋無力症(MG)は、SJL/J雌マウスにお
いて、別の種からの可溶性AchRタンパク質を用いて疾患を誘導することによって試験
する(Lindstrom et al. (1988) Adv. Immunol., 42: 233)。関節炎は、マウスの感受性
株においてII型コラーゲンを注射することによって誘導する(Stuart et al. (1984) A
nn. Rev. Immunol., 42: 233)。感受性ラットにおいてマイコバクテリア熱ショックタン
パク質を注射することによってアジュバント関節炎を誘導するモデルが記載されている(
Van Eden et al. (1988) Nature, 331: 171)。甲状腺炎は、マウスにおいて記載のよう
にサイログロブリンを投与することによって誘導する(Maron et al. (1980) J. Exp. Me
d., 152: 1115)。インスリン依存性真性糖尿病(IDDM)は、Kanasawa et al. (1984
) Diabetologia, 27:113によって記載されているものなどの特定のマウス株において自然
に発生するか、または誘導することができる。マウスおよびラットにおけるEAEは、ヒ
トにおけるMSのモデルとして役割を果たす。このモデルでは、ミエリン塩基性タンパク
質を投与することによって脱髄性疾患が誘導される(Paterson (1986) Textbook of Immu
nopathology, Mischer et al., eds., Grune and Stratton, New York, pp. 179-213; Mc
Farlin et al. (1973) Science, 179: 478、ならびにSatoh et al. (1987) J ; Immunol.
, 138: 179を参照)。
次の実施例を参照することにより、次に、本発明をさらに説明する。
材料および方法
ファージライブラリのクローニング
ファージライブラリは、Heinis et al., Nat Chem Biol
2009, 5 (7), 502-7)に従って作成した。
ファージ選択
ファージライブラリのグリセロールストックを、500mlの2YT/クロラムフェニ
コール(30mg/ml)培養中でOD600=0.1まで希釈して、ファージを、30
℃で一晩(15~16時間)生成した。ファージを、Heinis, et al.,
Nat Chem Biol 2009, 5 (7), 502-7に記載のように精
製して、化学的に修飾した。ビオチン化hPK(3mg)(IHPKA、ヒト血漿由来、
Innovative Research、Novi、MI、USA)を、50mlの予
備洗浄した磁性ストレプトアビジンビーズ(Dynal,M-280(Invitrog
en、Paisley、UK))とともにRTで10分間インキュベートした。ビーズを
、3回洗浄した後に、1%のBSAおよび0.1%のTween20を含有する0.5m
lの洗浄バッファー(10mMのTris-Cl、pH7.4、150mMのNaCl、
10mMのMgCl、1mMのCaCl)を用いて30分間RTで回転しながらブロ
ックした。化学的に修飾されたファージ(典型的には、2mlの洗浄バッファー中で10
10~1011t.u.に溶解)を、3%のBSAおよび0.3%のTween20を含
有する1mlの洗浄バッファーの添加によって、同時にブロックした。次いで、ブロック
したビーズをブロックした化学的に修飾されたファージと混合して、回転ホイール上で、
RTで30分間インキュベートした。ビーズを、0.1%のTween20を含有する洗
浄バッファーを用いて8回洗浄し、洗浄バッファーで2回洗浄した後、100mlの50
mMグリシン、pH2.2とともに5分間インキュベートした。溶出されたファージを5
0mlの1MのTris-Cl、pH8に中和のために移して、30mlのTG1細胞と
ともにOD600=0.4で90分間37℃でインキュベートして、細胞を大きい2YT
/クロラムフェニコールプレート上にプレートした。同じ手順を用いて、1回または2回
の追加の回のパンニングを行った。2回目の選択では、ニュートラアビジンコーティング
の磁性ビーズを用いて、ストレプトアビジン特異的なペプチドの富化を防止した。このニ
ュートラアビジンビーズは、0.8mgのニュートラアビジン(Pierce、Rock
ford、IL、USA)と0.5mlのトシル-活性化磁性ビーズ(Dynal、M-
280、Invitrogen、Paisley、UK)とを、供給業者の指示に従って
反応させることによって調製した。
標準的な選択プロセスを、1回目および2回目に関してはビオチン化ヒトカリクレイン
の漸減濃度を用い、次いで、3回目および4回目にはヒトまたはラットのいずれかのビオ
チン化カリクレインの漸減濃度を用いて、5×5および6×6のライブラリで用いた。ヒ
トカリクレインは組み換えではなく、したがって、重鎖が存在し、ラットカリクレインは
組み換えであり、重鎖を欠き、可能性としては、(ヒトタンパク質の活性に基づいて)予
想されるよりも低い活性である。活性が低い可能性があるので、ラットの標的の濃度は、
ヒトタンパク質のところまでは、低下されなかった。
ヒト、サルおよびラットのPKのクローニングおよび発現
ヒト、サルおよびラットPKの触媒性ドメインを、哺乳動物細胞中で、その触媒性ドメ
インに対してproTEV切断部位を介してN末端で接続されたプロペプチドを有する不
活性前駆体として発現させた。発現ベクターをクローニングして、下記のとおり、タンパ
ク質を発現し、活性化して、精製した。PKシグナル配列、ポリヒスチジンタグ、pro
TEV切断部位、PKの成熟触媒性ドメインおよび終止コドンをコードする合成遺伝子は
、Geneart(Regensburg、Germany)(Supplementa
ry materials)から購入した。ヒト、サル(Macaca mulatta
)およびラットのPKの合成遺伝子を含むプラスミドDNAを調製して、遺伝子をpEX
PR-IBA42哺乳動物発現ベクター(IBA Biotechnology、Goe
ttingen、Germany)中に、制限酵素対のXholおよびHindIII(
Fermentas、Vilnius、Latvia)ならびにT4 DNAリガーゼ(
Fermentas)を用いて移動した。連結されたプラスミドを、XL-1ブルーエレ
クトロコンピテントセル(Stratagene、Santa Clara、USA)に
形質転換して、アンピシリン(10μg/ml)を含有する2YT寒天プレート上にプレ
ートした。3つの発現ベクター(命名はmPK、rPKおよびhPK)由来のDNAを生
成して、正確な配列を、DNAシーケンシング(Macrogen、Seoul、Sou
th Korea)によって確認した。
3つのオーソロガス(同じ遺伝子座)の血漿カリクレインを、以下のように哺乳動物細
胞中で発現した。50mlの懸濁-適合のHEK-293細胞を、4mMのグルタミンお
よびヒストンデアセチラーゼ阻害剤バルプロ酸(3.75mM)の存在下で、オービター
振盪100mlフラスコ中で、180rpmで、ISF-4-Wインキュベーター(Ku
ehner AG、Birsfelden、Switzerland)の中で、37℃で
、5%COの存在中で、無血清のExCell 293培地(SAFC Biosci
ences、St.Louis、MO)の中で、増殖させた。胚性腎細胞(HEK-29
3)を高い細胞密度(20×10細胞/ml)で(Backliwal, et al. Biotechnol Bio
eng 2008, 99 (3), 721-7)、3つのプラスミド(300mg/ml)を用い、直鎖のポ
リエチレンイミン(PEI、Polysciences、Eppenheim、Germ
any)を用いてトランスフェクトした。7日の産生段階の終わりに、細胞を4℃で15
分間2500rpmの遠心分離によって回収した。追加の細胞破片を、0.45μmのP
ES膜(Filter-top 250ml低タンパク質結合TPP)を通した濾過によ
って培地から除去した。ポリヒスチジン-タグ化タンパク質を、Ni-NTA樹脂、洗浄
バッファー(500mMのNaCl、25mMのNaHPO、pH7.4)および溶
出バッファー(500mMのNaCl、25mMのNaHPO、pH7.4、500
mMのイミダゾール)を用いて、Ni-アフィニティークロマトグラフィーによって精製
した。タンパク質を、(50単位)のproTEV(Promega、Madison、
Wisconsin、USA)を用いて部分的に活性化し、さらにNi-アフィニティー
クロマトグラフィーおよびゲル濾過(PD10カラム、150mMのNaCl、0.5m
MのEDTA、50mMのHEPES、pH7)によって精製した。
結合活性の改善されたポリペプチドの開発
個々の位置のランダム化
ライブラリの構築:カリクレイン結合性二環性ペプチド中のアミノ酸をマッピングする
ために、1セットの小さいライブラリを構築した。5つの残基の2つのループから構成さ
れるバイシクルに関しては、各々がペプチド配列中の特定のコドンでランダム化された1
0の別個のライブラリを生成した。各々のライブラリについてオリゴヌクレオチドを設計
して、部位指向性の突然変異誘発によってファージゲノムDNAを変異させた。目的のコ
ドンの突然変異誘発組み込みランダム化(NNSに変化)、およびテンプレートゲノム配
列からの固有のApaL1制限部位の除去。突然変異誘発生成物は、超純水への溶出を用
いるQIAgen QIAquick PCR精製キットを用いて精製した。各々のライ
ブラリを用いて、別々に、TG1 E coliを、エレクトロポレーションによって、
BioRad Micropulser machine(Ec1 program)お
よび1mmのBioRadのキュベットを用いて形質転換した。1mlのSOC培地中で
37℃で1時間回復させた後、ライブラリの形質転換体を、抗生物質を含む25mlの2
TYブロス中で一晩増殖させて、ライブラリの形質転換体のみを選択的に増殖させた。細
菌を、遠心分離によって回収して、ライブラリのファージDNAを、E.coliから、
QIAgen Plasmid Plus Midiキットを用いて精製して、蒸留水中
に溶出した。精製されたDNAを、New England Biolabsバッファー
4の中で2時間ApaL1を用いて消化して、親物質を除去した。消化後、DNAを、Q
IAgen PCR精製キット(上記のとおり)を用いて再精製し、これを用いてTG1
を形質転換した(エレクトロポレーション;上記のとおり)。SOC中での1時間の回復
後、形質転換体を、選択性抗生物質を含有するLB-寒天プレートの上にプレートして、
コロニーを37℃で一晩成長させた。
個々のクローンの結合のアッセイ:ライブラリ形質転換体クローンは、ランダムに採取
して、個々の培養物として、選択性の抗生物質を含有する2TYブロス中で増殖させた。
採取したコロニーを、QIAgen PyroMark Q96 DNAシーケンサーを
用いてDNA配列決定して、各々のクローンに存在するアミノ酸置換を明らかにした。単
離された場合、各々の固有の置換のクローンを、以下のようにヒト血漿カリクレイン結合
についてアッセイした。ファージを含有している上清を、培養物から回収して、ファージ
を、Heinis et al (Nature Chemical Biology vol. 5 pp 502-507 (2009))の方法に基づ
いて、トリスブロモメチルベンゼン(TBMB)で環化した。このプロセスから精製され
たファージを、プレートベースのホモジニアス結合アッセイを用いて、ビオチン化ヒト血
漿カリクレインに対する結合についてアッセイした;BMG Labtech Pher
astar FSプレートリーダーで測定したアッセイ読み出し。三連のアッセイ試料か
らの定量的結合データを平均し(平均)、シグナル:バックグラウンドとして表現した(
ここで、バックグラウンドとは、標的物質なしでアッセイした試料であった)。シグナル
:バックグラウンドを、並行な親の試料の%として表現した。エラーバーは、平均の標準
偏差を示す。示したアッセイは、少なくとも2つの独立した実験の代表である。このアッ
セイデータは、ペプチド配列と相互に関連した。灰色で印した置換は、試験しなかった(
クローンは、ランダムライブラリサンプリングからは単離しなかった)。非結合(任意)
バイシクルの試料を、並行してアッセイして、アッセイベースラインを図示した。
ペプチドドメインのランダム化
ライブラリ構築:小さいファージライブラリを、上記の「ファージライブラリのクロー
ニング」に記載されるようにHeinisらの方法に従って生成した。バイシクルコード
部分が、NNSにランダム化された4~6のコドンのみを有する、親の5×5または6×
6バイシクル(5×5:2つの5残基ループ、6×6:2つの6残基ループ)DNA配列
に基づくように、sficx3baプライマーを修飾した。ランダム化コドンは、目的の
ペプチドドメイン/モチーフをコードするものであった。
個々のクローンの結合のアッセイ:ライブラリ形質転換体コロニー、または選択アウト
プットコロニーを、採取して、個々の培養物として、選択性の抗生物質を含有する2TY
ブロス中で増殖させた。採取したコロニーを、QIAgen PyroMark Q96
DNAシーケンサーを用いてDNA配列決定して、各々のクローンに存在するアミノ酸
置換を明らかにし、以下のとおり、ヒト血漿カリクレイン結合についてアッセイした。フ
ァージを含有している上清を、培養物から回収して、ファージを、Heinis et al (Nature
Chemical Biology vol. 5 pp 502-507 (2009))の方法に基づいて、トリスブロモメチル
ベンゼン(TBMB)で環化した。このプロセスから精製されたファージを、プレートベ
ースのホモジニアス結合アッセイを用いて、ビオチン化ヒト血漿カリクレインに対する結
合についてアッセイした;BMG Labtech Pherastar FSプレート
リーダーで測定したアッセイ読み出し。二連のアッセイ試料からの定量的結合データを平
均し(平均)、シグナル:バックグラウンドとして表現した。示したアッセイデータは、
少なくとも2つの独立した実験の代表である。このアッセイデータは、ペプチド配列と相
互に関連した。
ペプチド合成
ペプチド合成は、Peptide Instrumentsが製造した、Sympho
nyペプチドシンセサイザーを用いる、Fmoc化学に基づいた。標準のFmoc-アミ
ノ酸類を使用し(Sigma、Merck)、以下の側鎖保護基を用いた、Arg(Pb
f);Asn(Trt);Asp(OtBu);Cys(Trt);GIu(OtBu)
;Gln(Trt);His(Trt);Lys(Boc);Ser(tBu);Thr
(tBu);Trp(Boc)、Tyr(tBu)(Sigma)。カップリング試薬は
、HCTU(Pepceuticals)であって、ジイソプロピルエチルアミン(DI
PEA、Sigma)を、ベースとして使用し、脱保護は、DMF(AGTC)中の20
%のピペリジンで達成した。合成は、0.37mmol/gr Fmoc-Rink ア
ミドAM樹脂(AGTC)を用いて100μmole規模で行い、Fmoc-アミノ酸を
4倍過剰で利用して、ベースはアミノ酸に関して4倍過剰であった。アミノ酸を、0.2
MでDMF中に、HCTU(0.4MでDMF中に)、およびDIPEA(1.6MでN
-メチルピロリドン中に)(Alfa Aesar)に溶解した。カップリング時間は一
般には30分であって、脱保護時間は2×2.5分間であった。Fmoc-N-メチルグ
リシン(Fmoc-Sar-OH、Merck)を、1時間カップリングして、以下の残
基についての脱保護およびカップリング時間はそれぞれ20分および1時間であった。合
成後、樹脂をジクロロメタンで洗浄して、乾燥した。側鎖保護基のおよび支持体からの切
断は、10mLの95:2.5:2.5:2.5(v/v/v/w)のTFA/HO/
iPrSiH/ジチオスレイトールを用いて3時間達成した。切断後、使用済みの樹脂
を濾過によって取り除き、濾液を、-80℃で冷却された35mLのジエチルエーテルに
添加した。ペプチドペレットを遠心分離して、エーテルの上清を廃棄して、ペプチドペレ
ットを、冷エーテルを用いて2回以上洗浄した。次いで、ペプチドを5~10mLのアセ
トニトリル-水中に再溶解して、凍結乾燥した。わずかな試料を、質量分析法(MALD
I-TOF、Voyager DE(Applied Biosystems))による
粗生成物の純度の分析のために取り出した。凍結乾燥後、ペプチド粉末を10mLの6M
塩酸グアニジウム(HO中に含まれる)中に採取し、0.5mLの1Mのジチオスレイ
トールを補充し、C8 Luna分取HPLC カラム(Phenomenex)上にロ
ードした。溶媒(HO、アセトニトリル)を0.1%のヘプタフルオロ酪酸を用いて酸
性化した。勾配は、Gilson分取HPLCシステムを用いて、15/20mL/分の
流速で、15分で30~70%のアセトニトリルにわたった。純粋な直鎖のペプチド物質
を含有する画分(MALDIによって特定されるとおり)を合わせて、トリスブロモメチ
ルベンゼン(TBMB、Sigma)で修飾した。このために、直鎖のペプチドを、H
Oを用いて最大約35mLまで希釈し、アセトニトリル中に含まれる約500μLの10
0mMのTBMBを添加して、その反応を、HOに含まれる5mLの1MのNHHC
で開始した。その反応を、RTで約30~60分間進行させて、一旦凍結乾燥させ、
その反応を終わらせた(MALDIで判定)。凍結乾燥後、修飾されたペプチドを、上記
のとおり精製したが、ただしLuna C8はGemini C18カラム(Pheno
menex)で置き換え、酸は0.1%トリフルオロ酢酸に変えた。正確なTMB-修飾
物質を含有する純粋な画分をプールして、凍結乾燥して、貯蔵のために-20℃で保持し
た。
全てのアミノ酸は、他に注記しない限り、L-コンホメーションで用いた。
二環性ペプチドはN/C末端上の2つの不変のアラニンを通常含んでいるファージ選択か
ら直接特定した。血漿安定性および薬物動態学的研究を追求するためのペプチドに関して
は、ペプチドを示したとおり再合成し(末端アラニンを欠いている)、示したとおりN末
端アセチル化した。
実施例4の薬物動態学的研究に用いたペプチドは、水に含まれる10mMのHClから
3回凍結乾燥して、化合物の塩酸塩を得た。溶液は、1mg/mLで、50mMのHep
es(pH7.0)、5%グリセロール、1.9%DMSOの中で、2つの化合物(Ac
-(06-550)Aze3 HArg5 Sar-(D-Arg2))および(06
-259-02)-Sar-(D-Arg2))について、5mg/kgで、Spra
guely Dawelyラットに静脈内ボーラスで投与した。連続血液サンプル(約0
.2mL)を、EDTAチューブ中に、示した時点で採取し、血漿を遠心分離によって分
離して、分析のために-20℃で凍結した。標準的な生体分析技術を使用して、次に、血
漿サンプルを、Waters,Xevo TQS LC-MSを用いて親の残りの化合物
について分析して定量した。PKパラメータは、Summit Research Se
rvicesのソフトウェアパッケージPK Solutions 2.0を用いて決定
した。
実施例5および6の研究に用いたペプチドは、0.5%酢酸の存在下において逆相精製
試行で収集した純粋(>95%)画分から得て、ここでは、凍結乾燥後にペプチドの酢酸
塩を得た。
酵素アッセイ
機能的な酵素アッセイを、10mMのTris HCl、150mMのNaCl、10
mMのMgCl、1mMのCaClおよび1mg/mLのBSA(全てSigma
UK)(pH7.4)の中で、25℃で、ソリッドブラック(solid black)
96または384ウェルプレートの中で行った。要するに、26.5pMヒト血漿カリク
レイン(Stratech、UKより購入)または13.25pMラット血漿カリクレイ
ン(社内で発現および精製した)を、漸増濃度の試験ペプチドの存在または不存在のもと
で15分間インキュベートし、その後に蛍光発生的な基質Z-PheArg-AMC(E
nzo Lifesciences UK)を、100μM(4%のDMSOの中に含有
)の最終アッセイ濃度まで添加した。AMCの遊離は、Pherastar FS(BM
G Labtech)、励起360nm、発光460nmを用いて測定した。反応の直線
段階(典型的には5~45分)の速度は、MARSデータ解析ソフトウェア(BMG l
abtech)で算出した。次いで、その速度を用いて、IC50およびKをPris
m(GraphPad)中で算出した。4つのパラメータ阻害非線形回帰式を用いて、I
50を算出した。ワンサイト(One site)-適合K式を用いてKiを算出し
、これは、Kを基質についてのK(ヒト酵素に関しては150μM、ラットオルソロ
グに関しては200μMである)に制約する。全てのK/IC50値は、少なくとも2
つの独立した実験の平均である(1nMより低いK値を有するペプチドについては少な
くとも3つの平均)。ウサギカリクレインに関しては、7~14pMの間の酵素を使用し
、ここで50μMのKmで33μMの基質である。
ペプチドは、TFA塩としてそれらの粉末型で溶解し、ストック溶液は通常は水中で調
製した。全ての溶液を遠心分離して、濾過した(20μmのシリンジフィルター)後に、
280nmで吸収を測定した。吸光係数は、ペプチドのTrp/Tyr含量、およびTM
Bのもの(TMBコアは、ペプチドに含まれる場合、約300M-1cm-1という吸光
係数を有する)に基づいて算出した。
血漿安定性プロファイリング
方法番号1:
迅速血漿安定性プロファイリングアッセイ(rapid plasma stability profiling assay
)を開発し、これには親ペプチドの質量がもはや観察不能になる時点まで、親の質量の質
量分析検出(MALDI-TOF、Voyager DE、Applied Biosy
stems)を使用した。具体的には、200μMのペプチドを、35%ラットまたはヒ
ト血漿(Sera labs、抗凝固薬としてクエン酸塩を使用)の存在下で、1×PB
S(10×PBS Stock、Sigma由来)を補充して、37℃でインキュベート
した。種々の時点(すなわち、t=0、3、24時間、その後は10日まで毎日)、2μ
Lの試料を、アセトニトリル:HOの1:1混合物中に含有される、18μLの30m
Mの重炭酸アンモニウムに添加した。試料は分析の時点まで-80℃で凍結した。ペプチ
ドの適切な検出ウインドウを決定する質量分光分析のために、所定の時点のアセトニトリ
ル:HO希釈試料を、MALDIプレートの上に直接(0.7μL)スポットした。マ
トリックス(α-シアノ桂皮酸、Sigma(0.1%トリフルオロ酢酸を含有する1:
1のアセトニトリル:水の中の飽和溶液として調製))を、試料上に積層した(1μL)
。MALDI TOF上の同様のレーザー強度設定で、次に、親ペプチドがもはや検出不
能になるまで時間を決定してもよい。これは、血漿安定性における相対的変化を検出する
ように機能する定量アッセイであることに留意されたい。
方法番号2:
安定性のデータをより迅速に得るために、ペプチドをまた95%血漿中でも評価した。
ここでは、PBSを省き、1~5mMペプチドストック(DMSO中に含まれる)を直接
、血漿中に希釈し(すなわち、47.5μL血漿中に2.5μLのストック)、50μM
の最終濃度を得た。5μLの試料を適切な時点で採取して、-80℃で凍結した。分析の
ために、試料を解凍して、25μLの3:3:1のアセトニトリル:メタノール:水と混
合し、13kで5分間遠心分離した。5μLのペプチド含有上清を吸引して、アセトニト
リル:HOの1:1混合物中に含有される30mMの重炭酸アンモニウムと混合した。
次いで、この1μLを、MALDIプレート上にスポットして、上記のとおり解析した。
上記のとおり、これは、血漿安定性の相対的な変化を検出するように機能する定量的アッ
セイであることに注目すべきである。
方法番号3:
血漿安定性を定量的に得るために、ペプチドストック溶液(DMSO中に1mM含有)
を、Biofocus、UKに送り、ここで分析を行った。ペプチドを、水を用いて10
0μMに希釈して、血漿中で1:20希釈し(5μMの最終濃度、血漿を95%で使用)
、必要に応じてサンプリングして、上記のとおり沈殿させて、Waters Xevo
TQ-MSを用いてLC-MSで定量した。
都合の良いホモログ選択性および種交差反応性を有するカリクレイン結合性二環性ペプチ
ドの特定
(a)新規の強力なヒトおよびラットの交差反応性のリード配列の特定
任意の所定の治療的二環性ペプチドに関しては、その薬理学的および薬物動態学的特性
を、前臨床動物種で評価する必要がある。一般的な前臨床の種としては、ラット、マウス
、ウサギ、イヌ、ミニブタ、およびカニクイザルが挙げられる。
二環性ペプチドの一般的に高い選択性(部分的には、標的タンパク質に対するそれらの
大きい接触面積によって容易になる)に起因して、ヒト標的タンパク質に対する高い親和
性の二環性ペプチドは、所定の前臨床種由来の同じ標的タンパク質と交差反応し得ず、こ
のようなリードの前臨床評価が困難になる。ある例としては、ヒトカリクレインに対して
約1.2nMのKを有する強力な二環性ペプチド(6×6ループサイズ)である、PK
15(WO2009/098450に開示される)が挙げられる。ラットカリクレインに
対する力価は、約500nMのKで顕著に低下されて、これによって、このリードは、
前臨床評価に適切でなくなる。
ラットカリクレインに対してかなりの力価を保持したままで、ヒトカリクレインに対す
る高い力価を有する5×5および6×6リード二環性ペプチドを特定するために、ファー
ジ選択を行い、ここではラットおよびヒトの両方のカリクレインを、各々の選択の回の間
にベイトとして入れ替えた。選択の回の間のベイトの濃度を調節することによって、異な
る交差反応性のリード配列を特定してもよい。各々の選択アウトプットのサンプルを、ヒ
トカリクレインに対する結合についてスクリーニングして、引き続き配列決定した。
具体的には、第1の2回の選択を、ヒトカリクレインで、3~100nMの間におよぶ
標的濃度で行い、続いて、ラットカリクレインを、30nMの標的濃度で用いて2回の選
択を行う。
相同スクリーニングアッセイでカリクレイン結合について個々のファージクローンをス
クリーニングすることによって、バックグラウンドを超えるシグナルの最大50倍増大を
ともなう、多数の固有の配列が明らかになった。それらを、ヒト、ラットおよびウサギカ
リクレインを阻害するために、合成ペプチドとして調製して評価した(表1)。
Figure 0007170081000001
リードのいくつかは、ラットとヒトカリクレインとの間で良好な交差反応性(06-2
54、06-255、06-258、および06-261)(表1)を示す。各々のリー
ドファミリーについての配列アウトプットを評価することによって、半保存された残基が
特定され得、下線を付される(表1)。
06-254および06-255は、ほとんど同一の第1のループを共有するが、それ
らの第2のループは異なる。06-258は、ループ1およびループ2の両方で5アミノ
酸を含んでいる、特定された唯一の交差反応性のリードである(5x5)。
(b)ラット-ヒトカリクレイン交差反応性の二環性ペプチド配列の親和性成熟
選択二環性ペプチド候補(表1)を、親和性成熟について選択した。コンセンサス残基
は、最初の選択のアウトプットから推定した。親和性成熟のために、コンセンサス領域の
外側であると考えられる残基を、表2内の情報に従って無作為化した。
Figure 0007170081000002
より多い保存された結合モチーフの外側残基を無作為化した(「X」)。06-261
の場合、その06-34-18-様FPFRモチーフ(配列番号100)を無作為化した
が、周囲の残基は固定した。
親和性成熟したライブラリの配列アウトプットを、2つの実施例06-254および0
6-259で示す。
06-254配列アウトプット:
表3は、スクリーニングアッセイで特定された最も強力な06-254バリアントを示
す。
Figure 0007170081000003
最も強力な候補(06-254-01、06-254-02および06-254-03
)を、ペプチド合成について選択し、ラットおよびヒトカリクレイン阻害について評価し
た。
06-259配列アウトプット:
表4では、スクリーニングアッセイで特定された最も強力な06-259バリアントを
示す。
Figure 0007170081000004
最も強力な候補(06-259-01、06-259-02、06-259-03およ
び06-259-04)を、ペプチド合成、ならびにラットおよびヒトカリクレインに対
する親和性測定のために選択した。
合成ペプチドのin vitroの力価および交差反応性を表5にまとめる。
Figure 0007170081000005
まとめると、06-254-01、06-254-02、06-254-03、06-
255、06-258、06-259-01、06-259-02、06-259-03
、06-259-04および06-261などの、ラットとヒトカリクレインとの間での
高い力価および良好な交差反応性を示すいくつかの候補がある(太字、表5を参照のこと
)。
カリクレイン結合性二環性ペプチドの血漿安定性スクリーニングによって、見込みのある
リード候補が明らかになる
実施例1では、いくつかの新規な二環性リード配列が、高いヒトおよびラット力価で特
定された。各々のファミリーの最も強力なメンバーを、ラットおよびヒトの血漿安定性の
比較のために選択した。これらは、06-254-02、06-255、06-259-
02および06-261であった。方法番号1を用いる最初のスクリーニングによって、
06-255および06-259-02は、これらの2つのペプチドの検出のより長いウ
インドウによって判定した場合(最大10日まで、図は示さず)、残っている二環性ペプ
チドよりも安定であることが示された。残りのペプチドは、2~3日後にはそれ以上検出
できず、これによって、06-34-18の未修飾の配列と同様の低い安定性が示されて
いる。06-255および06-259-02は両方とも、安定性プロファイルが劣って
おり、したがって、可溶性C末端伸長で再合成された(Sar-(D-Arg)(配
列番号98))。それによって、サルコシン(Sar)は、分子スペーサーとして機
能するが、D-アルギニンは、それらが生理学的pHで強力にイオン性の水錯体の性質で
あることに起因して、より高い水溶性をその分子に対して付与する。
可溶性伸長は、表6に示されるとおり、酵素阻害定数を有意に妨害しなかった。
Figure 0007170081000006
ペプチドは、方法番号2に記載の条件下でヒトおよびラットの血漿中でアッセイした。
安定性は、06-34-18に対して比較して評価し、これは、ラット血漿では、2.3
時間、およびヒト血漿では2時間という定量的t1/2を有する(WO2013/050
616)。図1および図2によって、二環性ペプチドリード06-259-02が、特に
都合の良い血漿安定性プロファイルを有しており、すなわち、06-255および06-
34-18に比較してヒトおよびラット血漿の両方に対して有意にさらに安定であること
が示される。
異なる二環性ペプチドリードの間のペプチドループをグラフトすることで、都合のよい特
性を有する新規なキメラ構築物が生成される
以前に開示された06-34-18配列の第1のループ(WO2013/050616
、配列:
Figure 0007170081000007
(配列番号86))は、本明細書で特定された06-261ペプチド、(配列:
Figure 0007170081000008
(配列番号54))と同様のFPFRモチーフ(配列番号100、下線)を共有する。し
かし、06-34-18は、血漿プロテアーゼにむかってペプチドを変化しやすくする2
つのタンパク質分解性認識部位を含み、したがってカリクレイン阻害性治療として不適切
であることが記載されている。これらの部位は、06-34-18の残基Arg5および
His7
Figure 0007170081000009
(配列番号86):下線および太字)を含む。現在開示されている06-261配列(実
施例1)では、ループ2中に等価なヒスチジンタンパク質分解性認識部位は存在しない。
06-261の第2のループ(配列:VYYPDI(配列番号87))中のHis7の
欠失に起因して、本発明の研究者らは、ループ2におけるタンパク質分解性の安定性が向
上した十分強力なキメラペプチドを生じることを期待して、タンパク質分解を受けやすい
ヒスチジン含有の06-34-18の第2のループを、06-261の第2のループで置
き換えた。具体的には、この配列は、06-34-18の第1のループ(配列:SFPY
R(配列番号88))および06-261の第2のループ(配列:VYYPDI(配列番
号87))を含み、キメラの全長配列CSFPYRCVYYPDIC(配列番号55)(
またはWPAR等価物、すなわちCSWPARCVYYPDIC(配列番号89))を生
じる。このキメラペプチドは、06-550と名付けられ、ループ1中に5つの残基、お
よびループ2中に6つの残基を有する。
06-34-18におけるArg5誘導性のタンパク質分解不安定性は、Arg5をN
-α-メチルアルギニン(NMe-Arg)またはホモアルギニン(HArg)で置き換
えることによって取り除かれるかまたは減少され得ることが以前に開示された(WO20
13/050616)。さらに、L-アゼチジンカルボン酸(Aze)の付随する親和性
向上置換が、3位に導入されてもよく、これがもとのプロリン3を置き換える。
キメラの二環ペプチド06-550が06-34-18の第1のループを保持するので
、Arg5/Pro3上でのHArg5/Aze3への同一の修飾を行い、このペプチド
を06-550 Aze3 HArg5と命名する。
しかし、配列中に溶解性を向上するヒスチジン7がないせいで、06-550(または
06-550 Aze3 HArg5)は、06-34-18に比較して有意な水溶性の
低下を示した。これらの分子の水溶性を向上するために、サルコシン-スペーサーに続
いて2つのD-アルギニンを含んでいる、C末端伸長を含んだ誘導体を合成した。D-ア
ルギニンを含めることにより、これらのペプチドのさらに好適な水溶性がもたらされた。
これらのペプチドのカリクレイン阻害定数を表7にまとめる。
Figure 0007170081000010
このデータから、ヒトおよびラットの両方の親和性とも高いという理由で、Aze3-
HArg5修飾は十分に耐容されることが明らかである。N-メチル修飾は、それほど適
切ではない。同様に、Sar-(D-Arg)(配列番号98)溶解性伸長は、この
伸長を欠いているペプチドと比較して力価が不変のままであるので、十分に耐容される。
06-550誘導体の比較の血漿安定性プロファイリング
二環性ペプチド「Ac-(06-550)-Sar-(DArg2)Aze3 HA
rg5」(表7)の安定性を、ヒトおよびラットの血漿における相対的な安定性について
方法番号2によって評価して、不安定な06-34-18(図1および2)と比較した。
両方の種由来の血漿中で、分解産物はわずかにしか観察されないので、ペプチドは、高
い安定性を示す。比較によって、不安定な06-34-18の親の質量は、同じ時間経過
の間に大きく消失した(実施例2に示されるデータ)。したがって、別の親配列(06-
261および06-34-18)由来のループを組み合わせるという概念で、新規な、キ
メラの、強力でかつ、タンパク質分解に対して安定な分子が得られた。
選択カリクレイン阻害性二環性ペプチドのin vivoの薬物動態学的挙動
ペプチドAc-(06-550)-Sar-(D-Arg) Aze3 HArg
5(これは、安定性および親和性向上修飾Aze3およびHArg5、ならびに可溶性C
末端伸長Sar-(D-Arg))(配列番号98)およびAc-(06-259-
02)-Sar-(D-Arg)を含む)を、ラットでの薬物動態学的アセスメント
のために選択した。ペプチドを、緩衝化溶液中で1mg/mLで、5mg/kgとしてS
prague Dawleyラットに静脈内注射し、血液をサンプリングして、ペプチド
濃度を注射後、多数の時点で解析した。
両方のペプチドとも、17ml/分/kg(06-550)~7ml/分/kg(06
-259-02)の間のクリアランスを示し(表8、図4)、これはラットで公表されて
いる腎濾過速度(約8~9mL/分/kg)に近い[Jobin J, Bonjour
JP, (1985) Am J Physiol.;248(5 Pt 2):F7
34-8]。
これは、Ac-(06-550)-Sar-(D-Arg) Aze3 HArg
5(これは、2つの安定性修飾Aze3およびHArg5、ならびに本質的にタンパク質
分解性で安定であるループ2中の配列を含む)の向上されたタンパク質分解安定性を強調
する。
Ac-(06-259-02)-Sar-(D-Arg)の場合は、天然の配列は
、ラットでタンパク質分解的に十分安定であり、その結果、そのクリアランスはほとんど
が腎排出によって駆動される。
Figure 0007170081000011
選択カリクレイン阻害性二環性ペプチドの硝子体内注射後のin vivoの薬物動態学
的解析
この解析では、ペプチドAc-(06-550)-Sar-(D-Arg) Az
e3 HArg5(本研究においてはバイシクル1と呼び、これは、安定性および親和性
向上修飾Aze3およびHArg5、ならびに可溶性C末端伸長Sar-(D-Arg
(配列番号98)を含む、本明細書における実施例3および4を参照のこと)を、ペ
プチドAc-(06-34-18)Phe2 Aze3 Tyr4 HArg5 Ala
(ψCHNH)6(本研究においてはバイシクル2と呼び、これはPCT/EP201
4/057440の表26bおよび図2に開示される)に対して比較して評価した。ニュ
ージーランドホワイトウサギ(New Zealand White rabbit)(
2~3kg)を麻酔して、両方のペプチドを硝子体内注射(100μg/眼)によって、
表9に記載のプロトコールに従って投与した。
Figure 0007170081000012
適切な時間後、ウサギを安楽死させて、硝子体液、眼房水、網膜および血漿のサンプル
を採取した。サンプルをLC-MSによって分析して、ペプチドの濃度を決定した。本研
究の結果を、図5に示しており、ここでは、両方のペプチドとも硝子体液から緩徐に排出
され、この排出半減期は20~30時間であったことが観察できる。これは、抗生物質シ
プロフロキサシンなどの小分子のクリアランスよりも有意に遅い(報告された正常なウサ
ギの硝子体での半減期は2.2時間;Pearson et al. 1993, Retina 13:326-330)。
カラギーナン誘導性の足浮腫に対する選択カリクレイン阻害性二環性ペプチドの効果
この解析では、ペプチドAc-(06-259-02)-Sar-(D-Arg)
(本研究では、バイシクル3と呼ぶ;本明細書の実施例2を参照のこと)を、ペプチドA
c-(06-34-18)Phe2 Aze3 Tyr4 HArg5 Ala(ψCH
NH)6(本研究ではバイシクル2と呼び、これはPCT/EP2014/05744
0の表26bおよび図22に開示されている)に対して比較して評価した。炎症は、雄性
Sprague-Dawleyラット(1群あたりn=10)で、右後ろ足の足底下で1
00μLの1%カラギーナン溶液の注射によって誘導した。動物には、表10に従ってペ
プチドおよびインドメタシンでの処置を与えた。
Figure 0007170081000013
カラギーナン投与の1、2、4および6時間後、足の容積を、水置換法で測定した。統
計学的解析を、反復測定(GraphPad Prism)によって2元配置ANOVA
を用いて行った。
本研究の結果を、図6に示しており、ここでは、両方のペプチドが全ての時点でカラギーナンによって誘導された足の腫脹を阻害したことが観察され得る。ペプチドまたは陽性コントロールであるインドメタシンのいずれかでの処置によって、足の腫脹における高度に有意な低下が生じた(p<0.001)。重要なことに、阻害の程度は、2つのペプチドとインドメタシンとの間で匹敵する(インドメタシンは、このモデルでのゴールデンスタンダードの治療部分とみなされている)。
出願時の特許請求の範囲は以下の通り。
[請求項1]
血漿カリクレインに特異的なペプチドリガンドであって、少なくとも2つのループ配列によって隔てられる少なくとも3つのシステイン残基を含むポリペプチド、および前記ポリペプチドの前記システイン残基と共有結合を形成する分子足場を含み、その結果、少なくとも2つのポリペプチドループが前記分子足場上に形成され、前記ペプチドリガンドが、
(a)-Ci-N-X-W-N-P-W-Cii-O/U-X-X-X-O/J-X-Ciii- (配列番号1);
(b)-Ci-B-N-J-W-N-P-Cii-X-L-O-X-X-X-Ciii- (配列番号2);
(c)-Ci-Q-K-F-E-S-R-Cii-X-X-X-X-X-X-Ciii- (配列番号3);
(d)-Ci-P-L-S-D-T-L-Cii-Y-R-R-M-P-P-Ciii- (配列番号4);
(e)-Ci-P-Y-P-F-R-Cii-X-H-X-X-X-Ciii- (配列番号5);および
(f)-Ci-(N)a-U-J-P-J-R-Cii-V-Y-Y-P-D-I-Ciii- (配列番号6);
もしくはその修飾誘導体、または薬学的に許容される塩
のいずれかから選択されるペプチド配列を含み、
ここで、
、CiiおよびCiiiはそれぞれ、第1、第2および第3のシステイン残基を表し、
下付き文字「a」は、0または1から選択される整数を表し、
Xは、任意のアミノ酸残基を表し、
Oは、G、A、I、L、PおよびVから選択される非極性の脂肪族アミノ酸残基を表し、
Jは、F、WおよびYから選択される非極性の芳香族アミノ酸残基を表し、
Uは、N、C、Q、M、SおよびTから選択される極性の非荷電のアミノ酸残基を表し、
Bは、R、HおよびKから選択される極性の正に荷電されたアミノ酸残基を表す、
ペプチドリガンド。
[請求項2]
式(a)の配列を含む、請求項1に記載のペプチドリガンド。
[請求項3]
式(a)のペプチドが、-C-N-X-W-N-P-W-Cii-O/U-X-X-X-O-X-Ciii-(配列番号7)、例えば、-C-N-T/H/Y-W-N-P-W-Cii-G/S/P-A/V/W/D/S-D/E/V/T/P-A/G/P/I/R/D-G/P/Y/I-F/I/L/V/R/G/D-Ciii-(配列番号8)、具体的には、-C-N-T/H/Y-W-N-P-W-Cii-G/S/P-A/V/W-D/E/V-A/G/P-G/P-F/I/L/V-Ciii-(配列番号9)から選択される配列を含む、請求項1または請求項2に記載のペプチドリガンド。
[請求項4]
式(a)のペプチドが、
-Ci-N-T-W-N-P-W-Cii-G-W-V-G-G-F-Ciii- (06-259)(配列番号10);
-Ci-N-H-W-N-P-W-Cii-S-V-E-P-P-V-Ciii- (06-259-01)(配列番号11);
-Ci-N-T-W-N-P-W-Cii-P-W-D-A-P-L-Ciii- (06-259-02)(配列番号12);
-Ci-N-H-W-N-P-W-Cii-S-A-D-P-P-I-Ciii- (06-259-03)(配列番号13);
-Ci-N-Y-W-N-P-W-Cii-P-W-D-A-P-L-Ciii- (06-259-04)(配列番号14);
-Ci-N-H-W-N-P-W-Cii-S-A-D-P-P-R-Ciii- (06-259-F1)(配列番号15);
-Ci-N-H-W-N-P-W-Cii-P-A-D-I-P-V-Ciii- (06-259-E2)(配列番号16);
-Ci-N-H-W-N-P-W-Cii-S-D-D-P-Y-I-Ciii- (06-259-H3)(配列番号17);
-Ci-N-H-W-N-P-W-Cii-S-S-D-P-P-V-Ciii- (06-259-H4)(配列番号18);
-Ci-N-Y-W-N-P-W-Cii-S-D-T-R-I-G-Ciii- (06-259-A6)(配列番号19);および
-Ci-N-T-W-N-P-W-Cii-S-W-P-D-I-D-Ciii- (06-259-F2)(配列番号20);
例えば、
-C-N-H-W-N-P-W-Cii-S-V-E-P-P-V-Ciii-(06-259-01)(配列番号11)、
-C-N-T-W-N-P-W-Cii-P-W-D-A-P-L-Ciii-(06-259-02)(配列番号12)、
-C-N-H-W-N-P-W-Cii-S-A-D-P-P-I-Ciii-(06-259-03)(配列番号13)、
および
-C-N-Y-W-N-P-W-Cii-P-W-D-A-P-L-Ciii-(06-259-04)(配列番号14)、
具体的には-C-N-T-W-N-P-W-Cii-P-W-D-A-P-L-Ciii-(06-259-02)(配列番号12)
から選択される配列を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載のペプチドリガンド。
[請求項5]
式(b)の配列を含む、請求項1に記載のペプチドリガンド。
[請求項6]
式(b)のペプチドが、-C-K/R-N-Y-W-N-P-Cii-D/T/G-L-I/V/L-E/M/N/P/T/Q/S/Y/G/D/W/R/H/A-D/G/I/T/A/S/P/V-P/S/T/A/K/G/H/F/Q/D/L/I/M/R/Y-Ciii-(配列番号21)、例えば-C-K/R-N-Y-W-N-P-Cii-D/T-L-I/V-E/M/N/P/T-D/G/I/T-P/S/T-Ciii-(配列番号22)から選択される配列を含む、請求項1または請求項5に記載のペプチドリガンド。
[請求項7]
式(b)のペプチドが、
-Ci-K-N-Y-W-N-P-Cii-D-L-V-T-I-S-Ciii- (06-254)(配列番号23);
-Ci-K-N-Y-W-N-P-Cii-D-L-I-E-T-T-Ciii- (06-254-01)(配列番号24);
-Ci-K-N-Y-W-N-P-Cii-D-L-I-P-G-P-Ciii- (06-254-02)(配列番号25);
-Ci-K-N-Y-W-N-P-Cii-D-L-V-M-D-T-Ciii- (06-254-03)(配列番号26);
-Ci-K-N-Y-W-N-P-Cii-D-L-I-Q-D-A-Ciii- (06-254-F4)(配列番号27);
-Ci-K-N-Y-W-N-P-Cii-D-L-I-S-I-K-Ciii- (06-254-B3)(配列番号28);
-Ci-K-N-Y-W-N-P-Cii-D-L-I-P-T-G-Ciii- (06-254-G3)(配列番号29);
-Ci-K-N-Y-W-N-P-Cii-D-L-V-Q-I-H-Ciii- (06-254-H4)(配列番号30);
-Ci-K-N-Y-W-N-P-Cii-D-L-I-G-I-T-Ciii- (06-254-G2)(配列番号31);
-Ci-K-N-Y-W-N-P-Cii-D-L-V-D-T-F-Ciii- (06-254-A4)(配列番号32);
-Ci-K-N-Y-W-N-P-Cii-D-L-V-E-A-Q-Ciii- (06-254-G4)(配列番号33);
-Ci-K-N-F-W-N-P-Cii-D-L-I-P-I-S-Ciii- (06-254-D3)(配列番号34);
-Ci-K-N-Y-W-N-P-Cii-D-L-I-W-T-D-Ciii- (06-254-E2)(配列番号35);
-Ci-K-N-Y-W-N-P-Cii-D-L-I-P-D-L-Ciii- (06-254-F5)(配列番号36);
-Ci-K-N-Y-W-N-P-Cii-D-L-L-E-S-T-Ciii- (06-254-E5)(配列番号37);
-Ci-K-N-Y-W-N-P-Cii-D-L-I-R-P-P-Ciii- (06-254-D1)(配列番号38);
-Ci-K-N-Y-W-N-P-Cii-D-L-L-G-I-A-Ciii- (06-254-B9)(配列番号39);
-Ci-K-N-Y-W-N-P-Cii-D-L-V-H-D-I-Ciii- (06-254-E3)(配列番号40);
-Ci-K-N-Y-W-N-P-Cii-D-L-I-P-D-M-Ciii- (06-254-D6)(配列番号41);
-Ci-K-N-Y-W-N-P-Cii-D-L-I-A-D-L-Ciii- (06-254-H3)(配列番号42);
-Ci-K-N-Y-W-N-P-Cii-D-L-L-H-V-R-Ciii- (06-254-A7)(配列番号43);
-Ci-K-N-Y-W-N-P-Cii-D-L-I-A-P-Y-Ciii- (06-254-C1)(配列番号44);
-Ci-K-N-Y-W-N-P-Cii-G-L-V-Y-S-T-Ciii- (06-254-E6)(配列番号45);
-Ci-K-N-Y-W-N-P-Cii-D-L-L-P-D-L-Ciii- (06-254-B1)(配列番号46);および
-Ci-R-N-Y-W-N-P-Cii-T-L-I-N-I-T-Ciii- (06-255)(配列番号47);
例えば、-C-K-N-Y-W-N-P-Cii-D-L-I-E-T-T-Ciii-(06-254-01)(配列番号24)、
-C-K-N-Y-W-N-P-Cii-D-L-I-P-G-P-Ciii-(06-254-02)(配列番号25)、
-C-K-N-Y-W-N-P-Cii-D-L-V-M-D-T-Ciii-(06-254-03)(配列番号26)、および
-C-R-N-Y-W-N-P-Cii-T-L-I-N-I-T-Ciii-(06-255)(配列番号47)、
具体的には-C-K-N-Y-W-N-P-Cii-D-L-I-P-G-P-Ciii-(06-254-02)(配列番号25)、および
-C-R-N-Y-W-N-P-Cii-T-L-I-N-I-T-Ciii-(06-255)(配列番号47)、
さらに具体的には-C-R-N-Y-W-N-P-Cii-T-L-I-N-I-T-Ciii-(06-255)(配列番号47)
から選択される配列を含む、請求項5または請求項6に記載のペプチドリガンド。
[請求項8]
式(c)の配列を含む、請求項1に記載のペプチドリガンド。
[請求項9]
式(c)のペプチドが、-C-Q-K-F-E-S-R-Cii-R-V-D-T-R-Y-Ciii-(06-256)(配列番号49)から選択される配列を含む、請求項8に記載のペプチドリガンド。
[請求項10]
式(d)の配列を含む、請求項1に記載のペプチドリガンド。
[請求項11]
式(e)の配列を含む、請求項1に記載のペプチドリガンド。
[請求項12]
式(e)の前記ペプチドが、-C-P-Y-P-F-R-Cii-L-H-E-N-L-Ciii-(06-258)(配列番号52)から選択される配列を含む、請求項11に記載のペプチドリガンド。
[請求項13]
式(f)の配列を含む、請求項1に記載のペプチドリガンド。
[請求項14]
式(f)の前記ペプチドが、-C-(N)-N/S-F-P-F/Y-R-Cii-V-Y-Y-P-D-I-Ciii-(配列番号53)から選択される配列を含む、請求項1または請求項13に記載のペプチドリガンド。
[請求項15]
式(f)の前記ペプチドが、
-Ci-N-N-F-P-F-R-Cii-V-Y-Y-P-D-I-Ciii- (06-261)(配列番号54);または
-Ci-S-F-P-Y-R-Cii-V-Y-Y-P-D-I-Ciii- (06-550)(配列番号55)
から選択される配列を含む、請求項13または請求項14に記載のペプチドリガンド。
[請求項16]
前記修飾誘導体が、N末端修飾および/またはC末端修飾、1つまたは複数のアミノ酸残基の1つまたは複数の非天然のアミノ酸残基での置換(例えば、1つまたは複数の極性アミノ酸残基の1つまたは複数の等比体積または等電子アミノ酸での置換、1つまたは複数の疎水性アミノ酸残基の他の非天然の等比体積または等電子アミノ酸での置換)、スペーサー基の付加、1つまたは複数の酸化感受性アミノ酸残基の1つまたは複数の酸化耐性アミノ酸残基での置換、1つまたは複数のアミノ酸残基のアラニンでの置換、1つまたは複数のL-アミノ酸残基の1つまたは複数のD-アミノ酸残基での置換、二環性ペプチドリガンド内の1つまたは複数のアミド結合のN-アルキル化、1つまたは複数のペプチド結合の代用結合での置換、ペプチド骨格長改変、1つまたは複数のアミノ酸残基のα炭素上の水素の別の化学基での置換、ならびにシステイン、リジン、グルタミン酸塩およびチロシンなどのアミノ酸の、適切なアミン、チオール、カルボン酸およびフェノール反応性試薬での合成後生体直交型修飾から選択される1つまたは複数の修飾を含む、請求項1~15のいずれか1項に記載のペプチドリガンド。
[請求項17]
前記修飾誘導体が、N末端修飾、例えば、N末端アセチル基を含み、具体的には前記N末端システイン基(C)は、無水酢酸でキャップされる、請求項16に記載のペプチドリガンド。
[請求項18]
前記修飾誘導体が、C末端修飾、例えば、C末端アミド基、具体的にはC末端システイン基(Ciii)のアミド化を含む、請求項16に記載のペプチドリガンド。
[請求項19]
前記修飾誘導体が、1つまたは複数のアミノ酸残基の1つまたは複数の非天然のアミノ酸残基での置換、例えば、プロリン残基のL-アゼチジンカルボン酸残基による置換、および/またはアルギニン残基のN-α-メチルアルギニンもしくはL-ホモアルギニン残基による置換を含む、請求項16に記載のペプチドリガンド。
[請求項20]
前記ペプチドリガンドが、
-Ci-S-F-P-Y-[hR]-Cii-V-Y-Y-P-D-I-Ciii- ((06-550) HArg5)(配列番号56);
-Ci-S-F-[Aze]-Y-[hR]-Cii-V-Y-Y-P-D-I-Ciii- ((06-550) Aze3 HArg5)(配列番号58);
-Ci-S-F-P-Y-[NMeR]-Cii-V-Y-Y-P-D-I-Ciii- ((06-550) NMeArg5)(配列番号59);および
-Ci-S-F-[Aze]-Y-[NMeR]-Cii-V-Y-Y-P-D-I-Ciii- ((06-550) Aze3 NMeArg5)(配列番号60;
から選択される配列を有するペプチドを含む、式(f)の非天然の誘導体であり、
ここでAzeは、L-アゼチジンカルボン酸残基を表し、hRおよびHArgは、L-ホモアルギニン残基を表し、NMeRおよびNMeArgは、N-α-メチルアルギニン残基、
例えば、-C-S-F-P-Y-[hR]-Cii-V-Y-Y-P-D-I-Ciii-((06-550)HArg5)(配列番号56)、および
-C-S-F-[Aze]-Y-[hR]-Cii-V-Y-Y-P-D-I-Ciii-((06-550)Aze3 HArg5)(配列番号58)であり、
ここでAzeは、L-アゼチジンカルボン酸残基を表し、hRおよびHArgはL-ホモアルギニン残基を表し、
具体的には、-C-S-F-[Aze]-Y-[hR]-Cii-V-Y-Y-P-D-I-Ciii-((06-550)Aze3 HArg5)(配列番号58)を表し、
ここでAzeは、L-アゼチジンカルボン酸残基を表し、hRおよびHArgは、L-ホモアルギニン残基を表す、請求項19に記載のペプチドリガンド。
[請求項21]
前記修飾誘導体が、スペーサー基の付加、例えば、N末端システイン(C)および/またはC末端システイン(Ciii)に対するスペーサー基の付加を含む、請求項16に記載のペプチドリガンド。
[請求項22]
前記スペーサー基が、2つ以上のD-アルギニン残基(適切には2つのD-アルギニン残基)に連結された1つまたは複数のサルコシン基(適切には3つのサルコシン基)を含む、請求項21に記載のペプチドリガンド。
[請求項23]
前記ペプチドリガンドが、-C-N-T-W-N-P-W-Cii-P-W-D-A-P-L-Ciii-Sar-(D-Arg)((06-259-02(Sar-(D-Arg))(配列番号61)から選択される配列を有するペプチドを含む、式(a)の修飾誘導体であり、ここでSarは、3つのサルコシンスペーサーを表し、(D-Arg)は2つのD-アルギニン残基を表す、請求項21または請求項22に記載のペプチドリガンド。
[請求項24]
前記ペプチドリガンドが、
-Ci-S-F-P-Y-R-Cii-V-Y-Y-P-D-I-Ciii-Sar3-(D-Arg)2((06-550)-Sar3-(DArg2))(配列番号62);および
-Ci-S-F-[Aze]-Y-[hR]-Cii-V-Y-Y-P-D-I-Ciii-Sar3-(D-Arg)2((06-550)-Sar3-(DArg2) Aze3 HArg5)(配列番号63);
から選択される配列を有するペプチドを含む式(f)の修飾誘導体であり、
ここでSarは3つのサルコシンスペーサーを表し、(D-Arg)は2つのD-アルギニン残基を表し、Azeは、L-アゼチジンカルボン酸残基を表し、hRおよびHArgは、L-ホモアルギニン残基を表し、
例えば、-C-S-F-[Aze]-Y-[hR]-Cii-V-Y-Y-P-D-I-Ciii-Sar-(D-Arg)((06-550)-Sar-(DArg)Aze3 HArg5)(配列番号63)を表し、
ここでSarは、3つのサルコシンスペーサーを表し、(D-Arg)は、2つのD-アルギニン残基を表し、Azeは、L-アゼチジンカルボン酸残基を表し、hRおよびHArgは、L-ホモアルギニン残基を表す、請求項21または請求項22に記載のペプチドリガンド。
[請求項25]
前記薬学的に許容される塩が、塩酸塩または酢酸塩から選択される、請求項1~24のいずれか1項に記載のペプチドリガンド。
[請求項26]
ヒト、ラットおよび/またはウサギ血漿カリクレイン、例えば、ヒトおよび/またはラット血漿カリクレイン、具体的にはヒト血漿カリクレインに特異的である、請求項1~25のいずれか1項に記載のペプチドリガンド。
[請求項27]
請求項1~26のいずれか1項に記載のペプチドリガンドを1つまたは複数の薬学的に許容される賦形剤と組み合わせて含む医薬組成物。
[請求項28]
炎症性状態、アレルギー性過敏症、癌、細菌またはウイルス感染、眼科障害および自己免疫障害の予防、抑制または処置における使用のための、請求項1~26のいずれか1項に記載のペプチドリガンド。

Claims (12)

  1. 血漿カリクレインに特異的なペプチドリガンドであって、少なくとも2つのループ配列によって隔てられる少なくとも3つのシステイン残基を含むポリペプチド、および前記ポリペプチドの前記システイン残基と共有結合を形成する分子足場を含み、その結果、少なくとも2つのポリペプチドループが前記分子足場上に形成され、前記ペプチドリガンドが、
    -Ci-N-N-F-P-F-R-Cii-V-Y-Y-P-D-I-Ciii- (06-261)(配列番号54);
    -Ci-S-F-P-Y-R-Cii-V-Y-Y-P-D-I-Ciii- (06-550)(配列番号55);
    -Ci-S-F-P-Y-R-Cii-V-Y-Y-P-D-I-Ciii-A-Sar3-(D-Arg)2((06-550)-Sar3-(DArg2))(配列番号62);および
    -Ci-S-F-[Aze]-Y-[hR]-Cii-V-Y-Y-P-D-I-Ciii-A-Sar3-(D-Arg)2((06-550)-Sar3-(DArg2) Aze3 HArg5)(配列番号63);
    から選択される配列、またはその薬学的に許容される塩を含み、
    ここでSarは3つのサルコシンスペーサーを表し、(D-Arg)は2つのD-アルギニン残基を表し、Azeは、L-アゼチジンカルボン酸残基を表し、hRおよびHArgは、L-ホモアルギニン残基を表す、ペプチドリガンド。
  2. 前記薬学的に許容される塩が、塩酸塩または酢酸塩から選択される、請求項1に記載のペプチドリガンド。
  3. ヒト、ラットおよび/またはウサギ血漿カリクレイン、例えば、ヒトおよび/またはラット血漿カリクレイン、具体的にはヒト血漿カリクレインに特異的である、請求項1または2に記載のペプチドリガンド。
  4. 抗体またはその断片に結合された、請求項1~3のいずれか1項に記載のペプチドリガンド。
  5. 前記抗体またはその断片が、1種または複数種の定常領域ドメインに加えて、抗体軽鎖定常領域(CL)、抗体CH1重鎖ドメイン、抗体CH2重鎖ドメイン、抗体CH3重鎖ドメインまたはこれらのいずれかの組合せを含み;または、
    前記抗体またはその断片が、抗体のヒンジ領域を含み;または、
    前記抗体またはその断片が、IgG分子のFc領域を含む、請求項4に記載のペプチドリガンド。
  6. 前記ヒンジ領域が、IgG分子のCH1およびCH2ドメインの間に存在する領域を含む、請求項5に記載のペプチドリガンド。
  7. 請求項1~6のいずれか1項に記載のペプチドリガンドを1つまたは複数の薬学的に許容される賦形剤と組み合わせて含む医薬組成物。
  8. 炎症性状態、アレルギー性過敏症、癌、細菌またはウイルス感染、眼科障害および自己免疫障害の予防、抑制または処置における使用のための、請求項7に記載の医薬組成物。
  9. 眼科障害の予防、抑制または処置における使用のための、請求項7に記載の医薬組成物。
  10. 前記眼科障害が、眼の浮腫である、請求項9に記載の使用のための医薬組成物。
  11. 前記眼科障害が、網膜の血管の透過性の損傷に関連する障害である、請求項9に記載の使用のための医薬組成物。
  12. 前記眼科障害が、血管神経性浮腫である、請求項9に記載の使用のための医薬組成物。
JP2021046348A 2013-10-28 2021-03-19 新規なポリペプチド Active JP7170081B2 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
GB201318941A GB201318941D0 (en) 2013-10-28 2013-10-28 Novel polypeptides
GB1318941.0 2013-10-28
GB1410265.1 2014-06-10
GB201410265A GB201410265D0 (en) 2014-06-10 2014-06-10 Novel polypeptides
JP2019024205A JP2019112412A (ja) 2013-10-28 2019-02-14 新規なポリペプチド

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019024205A Division JP2019112412A (ja) 2013-10-28 2019-02-14 新規なポリペプチド

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021098755A JP2021098755A (ja) 2021-07-01
JP7170081B2 true JP7170081B2 (ja) 2022-11-11

Family

ID=51871092

Family Applications (3)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016526871A Pending JP2017502921A (ja) 2013-10-28 2014-10-28 新規なポリペプチド
JP2019024205A Pending JP2019112412A (ja) 2013-10-28 2019-02-14 新規なポリペプチド
JP2021046348A Active JP7170081B2 (ja) 2013-10-28 2021-03-19 新規なポリペプチド

Family Applications Before (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016526871A Pending JP2017502921A (ja) 2013-10-28 2014-10-28 新規なポリペプチド
JP2019024205A Pending JP2019112412A (ja) 2013-10-28 2019-02-14 新規なポリペプチド

Country Status (12)

Country Link
US (2) US10294274B2 (ja)
EP (1) EP3062823B1 (ja)
JP (3) JP2017502921A (ja)
CN (1) CN105683211B (ja)
AU (2) AU2014343503B2 (ja)
BR (1) BR112016008996B1 (ja)
CA (1) CA2927554C (ja)
ES (1) ES2715379T3 (ja)
NZ (1) NZ719510A (ja)
RU (1) RU2674604C2 (ja)
SG (1) SG11201602889TA (ja)
WO (1) WO2015063465A2 (ja)

Families Citing this family (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103906865B (zh) 2011-10-07 2017-12-08 拜斯科医疗有限公司 结构化多肽特异性的调控
GB201306623D0 (en) 2013-04-11 2013-05-29 Bicycle Therapeutics Ltd Modulation of structured polypeptide specificity
EP3062823B1 (en) * 2013-10-28 2018-12-12 BicycleRD Limited Novel polypeptides
GB201607827D0 (en) 2016-05-04 2016-06-15 Bicycle Therapeutics Ltd Bicyclic peptide-toxin conjugates specific for MT1-MMP
WO2018115203A1 (en) 2016-12-23 2018-06-28 Bicyclerd Limited Peptide derivatives having novel linkage structures
CN111032678A (zh) 2017-06-26 2020-04-17 拜西克尔德有限公司 具有可检测部分的双环肽配体和其用途
CN107557476A (zh) * 2017-08-25 2018-01-09 华侨大学 一种分析苏云金杆菌制剂对靶虫活性低下原因的方法
JP2020532586A (ja) * 2017-08-31 2020-11-12 シンガポール ヘルス サービシーズ プライベート リミテッド 網膜血管性疾患の処置のためのangio−3
TWI825046B (zh) 2017-12-19 2023-12-11 英商拜西可泰克斯有限公司 Epha2特用之雙環胜肽配位基
GB201721265D0 (en) 2017-12-19 2018-01-31 Bicyclerd Ltd Bicyclic peptide ligands specific for EphA2
GB201810327D0 (en) * 2018-06-22 2018-08-08 Bicycletx Ltd Peptide ligands for binding to IL-17
US11180531B2 (en) 2018-06-22 2021-11-23 Bicycletx Limited Bicyclic peptide ligands specific for Nectin-4
GB201810316D0 (en) 2018-06-22 2018-08-08 Bicyclerd Ltd Peptide ligands for binding to EphA2
EP3970801A4 (en) * 2019-05-14 2022-11-02 Ichimaru Pharcos Co., Ltd. RAS INHIBITOR PEPTIDE
TW202110485A (zh) 2019-07-30 2021-03-16 英商拜西可泰克斯有限公司 異質雙環肽複合物
WO2021198534A1 (en) 2020-04-04 2021-10-07 Oxurion NV Plasma kallikrein inhibitors for use in the treatment of coronaviral disease
US20230183291A1 (en) * 2020-05-15 2023-06-15 Bicycle TX Limited Anti-infective bicyclic peptide ligands
WO2023144030A1 (en) 2022-01-31 2023-08-03 Oxurion NV Plasma kallikrein inhibitor therapy for anti-vegf sensitization
WO2023148016A1 (en) 2022-02-04 2023-08-10 Oxurion NV Biomarker for plasma kallikrein inhibitor therapy response

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011514803A (ja) 2008-02-05 2011-05-12 メディカル リサーチ カウンシル 方法及び組成物

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB0205527D0 (en) * 2002-03-08 2002-04-24 Ferring Bv Inhibitors
EP1452868A2 (en) 2003-02-27 2004-09-01 Pepscan Systems B.V. Method for selecting a candidate drug compound
WO2006078161A1 (en) 2005-01-24 2006-07-27 Pepscan Systems B.V. Binding compounds, immunogenic compounds and peptidomimetics
AU2007224643B2 (en) 2006-03-16 2012-10-11 Takeda Pharmaceutical Company Limited Compositions and methods using serine protease inhibiting peptides for treating ophthalmic disorders
GB0913775D0 (en) * 2009-08-06 2009-09-16 Medical Res Council Multispecific peptides
JP2013518807A (ja) * 2010-02-04 2013-05-23 メディカル リサーチ カウンシル 多重特異性ペプチド
CN103906865B (zh) * 2011-10-07 2017-12-08 拜斯科医疗有限公司 结构化多肽特异性的调控
GB201117428D0 (en) * 2011-10-07 2011-11-23 Bicycle Therapeutics Ltd Structured polypeptides with sarcosine linkers
US20140274759A1 (en) 2013-03-15 2014-09-18 Bicycle Therapeutics Limited Modification of polypeptides
GB201306623D0 (en) 2013-04-11 2013-05-29 Bicycle Therapeutics Ltd Modulation of structured polypeptide specificity
EP3062823B1 (en) * 2013-10-28 2018-12-12 BicycleRD Limited Novel polypeptides

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011514803A (ja) 2008-02-05 2011-05-12 メディカル リサーチ カウンシル 方法及び組成物

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
Nature Chemical Biology,2009年,Vol.5, No.7,p.502-507

Also Published As

Publication number Publication date
CN105683211A (zh) 2016-06-15
AU2019201173B2 (en) 2019-11-21
US20190233475A1 (en) 2019-08-01
ES2715379T3 (es) 2019-06-04
RU2674604C2 (ru) 2018-12-11
JP2019112412A (ja) 2019-07-11
BR112016008996B1 (pt) 2023-01-24
AU2019201173A1 (en) 2019-03-07
JP2017502921A (ja) 2017-01-26
WO2015063465A3 (en) 2015-09-11
NZ719510A (en) 2022-07-01
WO2015063465A2 (en) 2015-05-07
BR112016008996A2 (pt) 2017-10-03
CN105683211B (zh) 2020-10-20
AU2014343503A1 (en) 2016-05-12
US20160222063A1 (en) 2016-08-04
CA2927554A1 (en) 2015-05-07
EP3062823B1 (en) 2018-12-12
JP2021098755A (ja) 2021-07-01
RU2016120641A (ru) 2017-12-05
US10894808B2 (en) 2021-01-19
AU2014343503B2 (en) 2019-01-17
US10294274B2 (en) 2019-05-21
CA2927554C (en) 2022-11-29
RU2016120641A3 (ja) 2018-07-02
SG11201602889TA (en) 2016-05-30
EP3062823A2 (en) 2016-09-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7170081B2 (ja) 新規なポリペプチド
JP6785932B2 (ja) 構築されたポリペプチド特異性のモジュレーション
JP2023014346A (ja) インターロイキン-23受容体のペプチド阻害剤および炎症性疾患を治療するためのそれらの使用
CA2813049A1 (en) Modified compstatin with improved stability and binding properties
AU2021309548A1 (en) Inhibitors of complement factor C3 and their medical uses
AU2012203906A1 (en) Triazole macrocycle systems

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210416

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210416

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220419

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220719

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20221004

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20221031

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7170081

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150