JP3012923B2 - Cagリピート病の治療薬 - Google Patents

Cagリピート病の治療薬

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JP3012923B2 JP10027739A JP2773998A JP3012923B2 JP 3012923 B2 JP3012923 B2 JP 3012923B2 JP 10027739 A JP10027739 A JP 10027739A JP 2773998 A JP2773998 A JP 2773998A JP 3012923 B2 JP3012923 B2 JP 3012923B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、CAGリピート病
の治療薬に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリグルタミン鎖をコードするCAGト
リヌクレオチド反復の伸長は、脊髄・延髄性筋萎縮症
(SBMA)1 、ハンチントン病(HD)2 、1型脊髄
小脳運動失調症(SCA1)3 、歯状核赤核淡蒼球ルイ
体萎縮症(DRPLA)4,5 、アーシャード・ジョセフ
病(MJD)6 、SCA27-9 、SCA610、および
SCA711という8種類の神経変成疾患に共通する病原
性変異であることが確認されており、同じ機序に起因す
ることが見いだされる疾患の数は今後さらに増えると予
想される。この一連の疾患には多くの共通した特徴があ
る。第一に、中枢神経系が主に冒され、それぞれの疾患
に特有な明瞭な分布の神経細胞損失を伴う。第二に、臨
床像には同一家系内でも高度の不均一性が認められ、こ
れにはCAG反復の伸長サイズが関係する。第三に、表
現促進効果、すなわち世代を経るに連れて若年発症化す
る。これはCAG反復の伸長サイズに世代間の増加が生
じる結果でもある。
【0003】遺伝子産物の間にはポリグルタミンの連鎖
を除いて共通の相同ドメインはみられず1-14変異遺伝子
の産物の発現レベルは野生型遺伝子と類似することが示
されている15-18 。これらの観察結果は、ポリグルタミ
ンの連鎖それ自体が「毒性機能の増加」の役目を果たす
可能性が高いことを示している。この考え方を裏付ける
所見として、伸長型CAG反復を含み、L7プロモータ
ーの制御下にある完全長SCA1のcDNAを導入した
トランスジェニックマウスは、小脳性運動失調、および
小脳ブルキンエ細胞の変性を来すことが示されてい
19。さらに興味深いことに、MJD1遺伝子の伸長し
たCAG反復が大部分を占める遺伝子20、または伸長し
たCAG反復を含むhuntingtin遺伝子のエクソン121
導入したトランスジェニックマウスは、神経疾患の表現
型および神経変性を生じることも示されている。ごく最
近になって、伸長したCAG反復を含むHD遺伝子のエ
クソン1を導入したマウスは神経細胞に核内封入体を生
じることが示されている。また、MJD1蛋白質の伸長
したポリグルタミン鎖が大部分を占めるペプチドが毒性
を持つことは、COS細胞を用いた一時的発現系でも示
されている22。このように、伸長したポリグルタミン鎖
が毒性機能を有することを示す所見は徐々に蓄積されつ
つある。
【0004】伸長したポリグルタミン鎖が毒性を及ぼす
機序を説明するためにさまざまな仮説が提出されてい
る。Perutzらは、ポリグルタミン鎖は水素結合を会して
相補的な蛋白質同士を会合させることによって極性ジッ
パー(polar zipper)として機能し、ポリグルタミン鎖の
伸長が起こると異常蛋白質の会合および凝集は強固にな
るとの仮説を提唱した23,24 。Kahlemらは最近、興味深
い別の仮説を提出している25。Kahlemらは、ポリグルタ
ミン鎖の伸長部を有する蛋白質は、野性型の蛋白質より
もトランスグルタミナーゼの基質として優れており、ポ
リグルタミン鎖の伸長部はリジル基を含むポリペプチド
との架橋によって共有結合した凝集体を形成しやすいと
の仮説を提唱した。
【0005】しかしながら、ポリグルタミン鎖の伸長を
有する完全長または切断型の蛋白質が凝集体を形成し、
細胞毒性を示すかどうか、またトランスグルタミナーゼ
が凝集体形成または細胞毒性に関与するかどうかについ
ては何ら解明されていない。従って、また、変異型蛋白
質の細胞毒性を軽減する方法についても何ら知見がない
のが現状である。すなわち、CAGリピート病の治療法
については今日まで全く存在しなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、CAGリピ
ート(CAG repeat expansion disease) においてポリグ
ルタミン鎖の伸長がもたらす「毒性機能の増加」の分子
的機序を解明し、これによりCAGリピート病に対する
治療薬を提供することを課題とする。すなわち、CAG
リピート病においては、CAGリピートはタンパクへの
翻訳領域に存在し、ポリグルタミン鎖をコードしてい
る。CAGリピートが伸長すると、ポリグルタミン鎖が
長くなり、その結果、細胞に対する毒性を発揮するよう
になる。この細胞毒性の機構を解明し、その毒性を緩和
する方法を確立できれば、本疾患の治療法を開発するこ
とができる。本発明の目的は、このような方法によるC
AGリピート病の治療法を開発することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために、歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(DR
PLA)に関する完全長および切断型のcDNAの発現
系を確立して検討を行った結果、ポリグルタミン鎖の伸
長を有する切断型のDRPLA蛋白質が核周辺および核
内に繊維性凝集物を形成するとともにアポトーシスを誘
発するが、完全型のDRPLAタンパク質ではこの現象
は生じないことを見いだした。また、検討した全てのD
RPLA患者の小脳歯状核に繊維性凝集物が形成されて
いることを見出した。即ち、本発明者らは、切断型のD
RPLAタンパク質とDRPLAとの相関関係を見出し
た。
【0008】さらに、本発明者らは、この繊維性凝集物
の形成およびアポトーシスにおけるトランスグルタミナ
ーゼ反応の関与も解明すべく、トランスグルタミナーゼ
阻害活性を有する、シスタミンおよびモノダンシルカダ
ベリンによる抑制効果を検討した結果、これらの薬物が
凝集物の形成やアポトーシス性細胞死の抑制効果を有す
ることを見出し、これによりDRPLAにおいてトラン
スグルタミナーゼ反応が関与していることを解明した。
【0009】そして、この一連の結果から、DRPLA
を始めとするCAGリピート病の治療にトランスグルタ
ミナーゼの活性阻害剤であるシスタミンおよびモノダン
シルカダベリンが有効に利用できることを見出した。即
ち、本発明は、シスタミンおよびモノダンシルカダベリ
ンのCAGリピート病の治療への利用に関し、より具体
的には、 (1)シスタミンまたはモノダンシルカダベリンを有効
成分とする、CAGリピート病の治療薬。 (2)CAGリピート病が、脊髄・延髄性筋萎縮症、ハ
ンチントン病、歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症、マーシ
ャード・ジョセフ病、1型脊髄小脳運動失調症、2型脊
髄小脳運動失調症、6型脊髄小脳運動失調症、および7
型脊髄小脳運動失調症からなる群より選択される、
(1)に記載の治療薬、に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明は、トランスグルタミナー
ゼの活性の阻害剤である、シスタミンまたはモノダンシ
ルカダベリンを有効成分とする、CAGリピート病の治
療薬に関する。本発明において治療の対象となるCAG
リピート病としては、例えば、脊髄、延髄性筋萎縮症、
ハンチントン病、歯状核赤核淡蒼ルイ体萎縮症、マーシ
ャード・ジョセフ病、1型脊髄小脳運動失調症、2型脊
髄小脳運動失調症、6型脊髄小脳運動失調症、および7
型脊髄小脳運動失調症が挙げられる。本発明の治療薬
は、シスタミンまたはモノダンシルカダベリンを有効成
分とする限り、公知の製剤学的方法により製剤化されて
いてもよい。製剤化のための他の成分としては、例え
ば、薬理学的に許容される担体または媒体、例えば、生
理食塩水、滅菌水、植物油、乳化剤、懸濁剤、安定剤等
が挙げられるが、これらに制限されない。本発明の治療
薬のCAGリピート病患者への投与は、公知の投与方
法、例えば、動脈内投与、静脈内投与、皮下投与などの
方法で投与することが可能である。
【0011】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明は以下の実施例に制限されるものでは
ない。 (実施例1)ポリグルタミン鎖伸長部を含む切断型DR
PLA蛋白質による凝集体形成およびアポトーシス性細
胞死の誘発 完全長もしくは切断型のDRPLA変異蛋白質が凝集体
形成などの構造異常または細胞毒性を示すかどうかを調
べるために、完全長の野性型DRPLA(グルタミン1
9個をコードする)および変異型RPLA(グルタミン
82個をコードする)のcDNAのさまざまな欠失変異
体を作製した(図1)。これらcDNAを含むブラスミ
ドの構築は以下のように行った。
【0012】正常長のCAG反復(CAG反復15回)
を含む完全長のヒトDRPLAcDNA(pDRPLA
N)は、部分的DRPLAcDNAクローン(F1およ
びF15〜20)18をpBluescript SK(−)ベクタ
ーに連結することによって作製した。伸長型のCAG反
復(CAG反復78回)を含む完全長のヒトDRPLA
cDNA(pDRPLAE)はpDRPLAN中の96
3bpのEcoT221−Sp1〔セグメントを、DR
PLA患者のゲノムDNAから構築したゲノムコスミド
ライブラリーから単離したコスミドDRPLAゲノムク
ローン中の対応するECOT221−Spl1セグメント
と置換することによって作製した。pDRPLANまた
はpDRPLAEまたはpDRPLAのNotl−BB
bsl断片を除去した後、FLAGタグおよびBbsI
部分(配列番号:1/5′−GCGGCCGCTCTA
GAGCCGCCAZCCATGGACTACAAAG
ACGATGACGACAAGATGAAGACAC−
3′)をpBluescript SK(−)ベクター
と連結した(pSK−AFNおよびpSK−AFE)。
転写開始メチオニン、FLAGタグおよびDRPLA
cDNAの全体をコードするセグメントを含むpSK−
AFNまたはpSK−AFEのNotI−BbsI断片
を、哺乳類発現ベクターpEF−BOS38にサブクロー
ニングした(pEF−BOS−AFNおよびpEF−B
OS−AFE)。DRPLA cDNAのCAG反復の
上流には配列5′−CAG−CAA−CAG−CAA
(この部分はCAG反復数には含めていない)が位置す
るため、pEF−BOS−AFNおよびpEF−BOS
−AFEはそれぞれ19個および82個のグルタミンを
コードする。
【0013】伸長型CAG反復および種々の長さの下流
セグメントを含む欠失変異体の構築においては、まず、
CAG反復の上流の21bp,CAG反復の下流305
bpの断片を含むpDRPLANのセグメントを、FL
AGタグおよびNotIリンカー配列を含むプライマー
(配列番号:2/5′−GGCGGCCGCTCTAG
AGCCGCCACCATGGACTACAAAGAC
GATGACGACAAGCATCACCACCAGC
AACAGCAA−3′)および配列(配列番号:3/
5′−ACCGGTGGGAAAGGGTAGGGC−
3′)のプライマーを用いるPCRによってまず増幅し
た。このPCR産物をNotIおよびNorIによって
消化した後、対応するNotIおよびNorI断片を除
去したpDRPLAE中にサブクローニングした(pB
FE)。CAG反復の下流セグメントの欠失体を、Ex
oIII/Mung BeanヌクレアーゼによるpB
FEの消化、またはpDRPLAEをテンプレートとし
て用いるPCRによって作製した。この欠失型DNAセ
グメントを、3′端に複数停止部を持つリンカーととも
にpFE−BOS発現ベクター中にサブクローニングし
た。この結果得られたプラスミドであるpEF−BOS
−FQ82−447、pEF−BOS−FQ82−376、
pEF−BOS−FQ82−174、pEF−BOS−F
82−129、pEF−BOS−FQ −101、pE
F−BOS−FQ82−40およびpEF−BOS−FQ
82−19は、ヒスチジン3個、グルタミン82個および
ポリグルタミン鎖の下流に種々の長さのアミノ酸(それ
ぞれ447、376、174、129、101、40お
よび19アミノ酸)を含む。グルタミン19個をコード
する欠失変異体も同様の方法を用いて作製した。
【0014】一方、CAG反復および種々の長さの上流
セグメントを含む欠失変異体の構築においては、まず、
伸長型のCAG反復およびさまざまな長さの上流セグメ
ントを含むDNAセグメントを、以下のセンスプライマ
ーのいずれか1つ「A1FLAG」(配列番号:4/
5′−GGCGGCCGCTCTAGAGCCGCCA
CCATGGACTACAAAGACGATGACGA
CAAGATGAAGACACGACAGAATAAA
−3′)、「C1FLAG」(配列番号:5/5′−G
GCGGCCGCTCTAGAGCCGCCACCAT
GGACTACAAAGACGATGAGACAAGC
CTCGACAGCCAGAGGCTAGC−3′)ま
たは「C2FLAG」(配列番号:6/5′−GGCG
GCCGCTCTAGAGCCGCCACCATGGA
CTACAAAGACGATGACGACAAGCCA
CTACCTGGTCATCTGCCC−3′)および
センスプライマー「EBR」(配列番号:7/5′−G
GGTCGACTTATCAGCCCTCCAGTGG
GTGGGGAAAT−3′)を用いるPCRによって
入手した。このPCR産物をNotIおよびSalIに
よって消化した後pEF−BOS発現ベクター中にサブ
クローニングした。この結果、得られたプラスミドであ
るpEF−BOS−F483−Q82、pEF−BOS−
F322−Q82およびpEF−BOS−F483−Q82
は、FLAGEI:グルタミン82個、ポリグルタミン
鎖の下流の18個のアミノ酸、およびポリグルタミン鎖
の上流に位置するそれぞれ483個、322個および1
74個のアミノ酸をコードするセグメントを含む。
【0015】これにより構築したプラスミドをCOS7
細胞へ導入した。具体的には、遺伝子導入の前日に、1
0%牛胎児血清を含むダルベッコ改変イーグル培地(D
MEM)中に懸濁したCOS7細胞を、1ウェル当たり
3×104 個となるように8ウェル培養皿(Nunc 1nc.,
Naperville, IL)に播いた。このCOS7細胞に対し
て、Superfect トランスフェクション試薬(Quiagen, H
ilden, Germany) を製造者の指示に従って用いて、プラ
スミドDNA0.5μgによる遺伝子導入を行った。
【0016】この遺伝子導入細胞に関して、導入から7
2時間後に抗FLAG M5モノクローン抗体を用いて
上記のさまざまなDRPLA蛋白質の発現パターンを分
析するとともに、アポトーシス性細胞死の起こりやすさ
を調べた。なお、細胞の抗FLAG M5モノクローン
抗体を用いた免疫化学的染色においては、細胞を、0.
1Mリン酸緩衝液(PBS)に溶解した4%バラホルム
アルデヒドにて30分間固定し、0.02%Triton X-1
00を含むPBSによって透過化処理を施した後に、10
%正常ヤギ血清を含むPBS中において室温(RT)で
30分間インキュベートした。続いて細胞を1:500
に希釈した抗FLAG M5モノクローン抗体(Eastma
n Kodak, New Heaven, CT)とともに室温で2時間インキ
ュベートした後、ローダミンを結合させた抗マウスIg
G(Dako, Glostrup, Denmark)とともに1時間インキュ
ベートし、蛍光顕微鏡を用いて観察した。アビジン・ビ
オチンペルオキシダーゼ複合体(ABC)法を用いて、
3,3′−ジアミノベンジン・テトラヒドロクロライド
による免疫染色も実施した。細胞にヘマトキシリンによ
る対比染色を施した後に、光学顕微鏡を用いて観察し
た。
【0017】その結果、正常長(グルタミン19個)の
ポリグルタミン鎖を含む完全長のDRPLA蛋白質をコ
ードするpEF−BOS−AFNによる遺伝子導入を施
した細胞では、DRPLA蛋白質は均一または微粒子状
のパターンを示して細胞質中にひまん性に発現したが
(図2b)、偽遺伝子導入細胞では抗体による染色は認
められなかった(図2a)。伸長したポリグルタミン鎖
(グルタミンB2個)を含む完全長のDRPLA蛋白質
をコードするpEF−BOS−AFNによる遺伝子導入
を施した細胞(図2c)、および正常長のポリグルタミ
ン鎖(グルタミン19個)が大部分を占める切断型のD
RPLA蛋白質をコードするpEF−BOS−FQ82
19による遺伝子導入を施した細胞(図2d)も、pE
F−BOS−AFNを導入した細胞(図2b)と同様の
発現パターンを示した。しかし、伸長したポリグルタミ
ン鎖(グルタミン82個)が大部分を占める切断型蛋白
質をコードするpEF−BOS−FQ82−19による遺
伝子導入を施した細胞では、主に核周辺の細胞質領域に
凝集体が認められた(図2e,f)。この凝集体は、一
部の細胞集団ではユビキチンに関して免疫陽性であった
が、ビメンチンおよびコンゴーレッド染色に関しては陰
性であった。時間の経過に従って、この凝集体を含む細
胞は萎縮し、TUNELアッセイ(terminal deoxynucl
eotidyltransferase-mediated dUTP-biotinnick end-la
beling)で陽染されるようになる(図2g)。遺伝子導
入から72時間後にはこのようなTUNEL陽性細胞が
高頻度に認められる(細胞の52%に凝集体が生じ
る)。これに対して、pEF−BOS−AFN、pEF
−BOS−AFEまたはpEF−BOS−FQ19−19
による遺伝子導入を施した細胞の中にアポトーシス性細
胞は認められなかった(図2j)。また、切断型の変異
蛋白質からなる凝集物の存在下において、伸長したポリ
グルタミン鎖を含む完全長の変異型DRPLA蛋白質が
凝集体に組み込まれているかどうかを調べるために、伸
長したポリグルタミン鎖とGFP(グリーン蛍光蛋白
質)との融合物が大部分を占める切断型の変異蛋白質を
コードするもう1つのプラスミド構築物(pEGFP−
Q −19)を作製した。
【0018】その結果、pEF−BOS−AFEとpE
F−BOS−FQ −19による同時遺伝子導入を施し
た細胞では、FLAGタグを付加した完全長の変異型D
RPLA蛋白質が凝集体に組み込まれていることが明確
に示された(図2h,i)。pEF−BOS−AFEの
みを導入した細胞ではこのような凝集は全く認められな
かった(図2c)。
【0019】凝集体の形成が変異蛋白質の長さによって
決まるかどうかを明らかにするため、完全長の野生型D
RPLAおよび変異型DRPLAのcDNAのさまざま
な欠失変異体を作製した(図1)。ポリグルタミン鎖お
よび129アミノ酸未満の下流領域(FQ −129、
FQ −101、FQ −40またはFQ −129)
を含む切断型DRPLA蛋白質を発現している細胞内で
は、高い頻度(71〜88%)で凝集体形成が認められ
た(図3b)。頻度は低かったものの、さまざまな長さ
の上流領域および伸長したポリグルタミン鎖(F483
−Q 、F322−Q またはF174−Q )を発現
している細胞内でも凝集体形成が認められた(図3
a)。TUNEL反応によって染色された細胞の割合
は、pEF−BOS−FQ82−129、pEF−BOS
−FQ −101、pEF−BOS−FQ −40また
はpEF−BOS−FQ82−129を導入した細胞で高
かった。凝集体を生じた細胞では、TUNEL反応によ
って検出されるアポトーシス性細胞死が認められたこと
から、凝集体形成がアポトーシス性細胞死の原因となる
ことが強く示された。
【0020】(実施例2)凝集体形成の時間依存性 凝集体の形成の時間依存性につき検討した。免疫化学的
染色は、実施例1と同様に細胞を固定して行った。その
結果、pEF−BOS−FQ −19による遺伝子導入
から24時間後に、FLAGエピトープを発現している
細胞のうち53%で凝集体の形成が認められた(図4
a,d)。凝集体を生じた細胞の割合は、遺伝子導入か
ら48および72時間後には、それぞれ65%(図4
a,d)および89%(図4b,d)に増加した。TU
NEL陽性細胞の頻度は、遺伝子導入から24時間後に
はわずか1%であったが、遺伝子導入から48および7
2時間後には、それぞれ9%および52%に増加した
(図4d)。
【0021】(実施例3)凝集体の詳細な構造の解析 凝集体の詳細な構造をさらに解明するために、pEF−
BOS−FQ82−19による遺伝子導入を施した細胞を
電子顕微鏡を用いて観察した。具体的には、まず、細胞
を4%パラホルムアルデヒド−0.1%グルタールアル
デヒドを含むpH7.4の0.1Mリン酸緩衝液中にて
室温で15分間固定した。続いて、段階的ジメチルホル
ムアルデヒド処理による脱水の後、細胞をLR Whi
te樹脂(london Rasin Company)中に包埋した。超薄
切片を作成し、ニッケルグリッド上に載せた。10%正
常ヤギ血清を含むPBS中にて室温で10分間インキュ
ベートした後、切片を1:4000に希釈した抗FLA
G M5モノクローン抗体とともに4℃で一晩インキュ
ベートした。PBSで洗浄した後、切片を径10nmの
金粒子を結合させたヤキ抗マウス1gG(British Bioc
ell International、Cardiff 、UK;1:30希釈)と
ともに室温で30分間インキュベートした。続いて切片
をPBSで洗浄し、2%グルタールアルデヒドを含むp
H7.4の0.1Mカコジル酸緩衝液中にて インキュ
ベートした。蒸留水で洗浄した後、切片を酢酸ウラニル
およびクエン酸鉛によって染色し、日立H−7100電
子顕微鏡を用いて観察した。
【0022】この免疫電子顕微鏡法による観察の結果、
凝集体は繊維性凝集物からなり、主に核周辺の細胞質領
域に存在することが判明した(図5a,b)。この繊維
性凝集物は、分岐のない直線状またはわずかに湾曲した
直径約10〜12nmの繊維の放射状配列からなる(図
5b,c)。凝集体の内部には特定の細胞内オルガネラ
は認められなかった。このような凝集体は核周辺領域だ
けでなく、核内にも時折認められた(図5b,c)。ま
た凝集物の繊維と類似した形態を持つ非凝集性の繊維が
細胞質にも核内にも散在していた。このような細胞内で
は、凝集物の繊維が核膜を貫通し、その一部が核孔を通
過している像が比較的高い頻度で認められた(図5
c)。この繊維性構造が認められたのはpEF−BOS
−FQ82−19を導入した細胞のみであり、pEF−B
OS−AFN,pEF−BOS−AFEおよびpEF−
BOS−FQ19−19による遺伝子導入を施した細胞で
はこれは認められなかった。遺伝子導入後の培養時間が
経過すると、凝集物を含むアポト−シス性構造体が多数
認められるようになった(図5d)。
【0023】実施例4 DRPLA患者の小脳歯状核に
おける核内封入体の検出 DRPLA患者の脳内に同じような凝集体が存在するか
どうかを調べるために、抗DRPLA蛋白質ポリクロー
ン抗体を用いて、DRPLA患者5例および対照例5例
の小脳歯状核の免疫組織学的分析を行った。まず、剖検
脳をリン酸緩衝4%パラホルムアルデヒド液中にて固定
し、組織学的検査のためにパラフィン包埋した。免疫染
色は、ウサギ抗ユビキチン抗体(Dakopatts ;1:20
0希釈)、またはDRPLA蛋白質の172〜253ア
ミノ酸残基を含むGST融合蛋白質に対して作製した
後、GST−融合蛋白質を結合させた Affigel−10カ
ラム(Bio−Rad)を用いてアフィニティ精製を施したウサ
ギ抗DRPLA蛋白質ポリクローン抗体(1:300希
釈)を用いて実施した。その結果、抗DRPLA蛋白質
抗体(図6a)および抗ユビキチン抗体(図6b)によ
って染色される核内封入体が、DRPLA患者5例全例
に存在することが確かめられた。同様の封入体は対照群
(前吸収処理を受けた抗DRPLAタンパク質抗体)で
は全く認められなかった。
【0024】また、この核内封入体を電子顕微鏡を用い
て検討した。具体的には、3%グルタールアルデヒド−
1%パラホルムアルデヒドを含むpH7.4の0.1M
リン酸緩衝液によって細胞を固定し、1%四酸化オスミ
ウム中にて後固定を行った後に、段階的エタノール処理
によって脱水し、Epon812中に包埋した。超薄片
を作成し、酢酸ウラニルおよびクエン酸鉛によって染色
した後に、日立H−7100電子顕微鏡を用いて観察し
た。その結果、この核内封入体は微粒子で構成され、繊
維性構成を一部含むことが明らかになった(図6c)。
以上の結果は、核内封入体の形成が神経変性疾患の発症
に重要であるとの可能性が高いことを示す。
【0025】実施例5 トランスグルタミナーゼ阻害剤
による凝集体形成およびアポトーシス性細胞死の抑制 凝集体の形成およびアポトーシス性細胞死に対するトラ
ンスグルタミナーゼ反応の関与を検討するために、遺伝
子導入を施したCOS7細胞をトランスグルタミナーゼ
阻害剤(シスタミン28、モノダンシルカダベリン(MD
C)29およびプトレッシン30)の存在下で培養した。こ
の目的のために、本発明者らは切断製DRPLA蛋白質
をグリーン蛍光蛋白質(GFP)との融合蛋白質として
発現させ、生きた細胞を高感度で観察できるようにし
た。これはpEF−BOS−FQ82−19およびpEF
−BOS−FQ19−19の挿入部を、GFPのコード領
域を含むpEGFP中に移行することによって行った。
この結果得られたプラスミドDNA(pEGFP−FQ
82−19およびpEGFP−FQ19−19)をCOS細
胞に遺伝子導入した。このプラスミドDNAの作成方法
は、次の通りであった。ヒスチジン3個、ポリグルタミ
ン鎖およびポリグルタミン鎖の下流に位置する19アミ
ノ酸をコードするDRPLA cDNAのセグメント
(pDRPLAEまたはpDRPLAN)を、EcoR
Iのリンカー配列を含むプライマー(配列番号:8/
5′−GGGAATTCGGATGCACCATCAC
CACCAGCAACAGCAACAG−3′、配列番
号:9/5′−GTGGATCCCCGCCCTCCA
GTGGGTGGGGAAATGCT−3′)を用いる
PCRによって増幅した。このPCR産物をEcoRI
およびBamHIによって消化した後、pEFP−N1
発現ベクター中にサブクローニングした(Clontech, Pa
lo Alto, CA)。構築物の核酸配列はDNA自動シークエ
ンサーを用いて確認した(PE Applied Biosystems, Fog
ter City, CA)。
【0026】pEGFP−Q19−19による遺伝子導入
を施した細胞では、細胞質中にびまん性にGFP融合蛋
白質が発現したが(図7a)、pEGFP−FQ −1
9を導入した細胞では凝集体が形成され(図7c)、そ
れぞれpEF−BOS−FQ19−19およびpEF−B
OS−FQ82−19を導入した細胞と類似していた。シ
スタミンの投与により、pEGFP−FQ19−19導入
細胞における融合蛋白質の発現パターンは変化しなかっ
た(図7b)。しかし、1mMシスタミン中にてpEG
FP−FQmz−19導入細胞を60時間培養すると、凝
集体の形成は42%から33%に有意に抑制された(p
<0.01)(図7c,d,e)。1mMシスタミンの
存在下では、核断片化も38%から24%に抑制された
(p<0.01)(図7f)。遺伝子導入から24およ
び48時間後にも同様の結果が認められた(図7e,
f)。これに対して、凝集体の形成を伴わずに細胞質中
にびまん性の発現を認めた細胞の頻度は、遺伝子導入の
60時間後では32%(シスタミン非投与)から55%
(1mMシスタミン)に増加した(p<0.01)。凝
集体形成および核断片化の抑制はシスタミン濃度が10
0μMの場合にも認められ、この抑制効果は用量依存的
な様式を示した(図8a,d)。
【0027】凝集体形成およびアポト−シス性細胞死に
対するその他のトランスグルタミナーゼ阻害剤(MDC
およびプトレッシン)の作用も調べた。アポト−シス性
細胞死の定量的アッセイには、in situ 細胞死検出キッ
ト(Boehinger Mannheim, Mannheim, Germany)を製造者
の指示に従って用いてTUNELアッセイを実施した。
ターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ
反応には、FITCを結合させたdUTPを用いた。核
断片化に関するアッセイは、5μMのWoechst33342 を
用いた細胞の染色によって行った。定量的評価はFLA
Gエピトーブを発現している細胞100個を分析するこ
とによって実施した。統計的分析にはStudent のt検定
を用いた。
【0028】その結果、MDCにより、核断片化は用量
依存的な様式で強く抑制された(図8a)。MDCの存
在下で遺伝子導入細胞を培養した場合には、凝集体のサ
イズはMDC非投与時と比べて小さくなったが、凝集体
の形成を伴う細胞の頻度には有意の変化はみられなかっ
た(図8b)。プトレッシンは、凝集体形成(図8c)
および核断片化(図8f)をいずれも抑制しなかった。
【0029】
【発明の効果】本発明によりシスタミンまたはモノダン
シルカダベリンを有効成分とする、CAGリピート病に
対する治療薬が提供された。
【0030】
【引用文献】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【表3】
【0033】
【表4】
【図面の簡単な説明】
【図1】さまざまな長さの欠失を伴う完全長のDRPL
A cDNAおよび切断型のDRPLA cDNAの構
造を示す図である。FLAGエピトープおよびポリグル
タミン鎖はそれぞれ黒く塗りつぶした部分および斜線部
分で示した。蛋白質コード配列は塗りつぶしていない部
分として示した。
【図2】COS7細胞で発現した完全長および切断型の
DRPLA蛋白質の免疫組織化学的分布を示す顕微鏡写
真(図2a〜2i)、並びに凝集体陽性細胞およびTU
NEL陽性細胞の割合を示す(グラフ図2j)図であ
る。(a)偽遺伝子導入、(b)pEF−BOS−AF
N、(c)pEF−BOS−AFN、(c)pEF−C
OS−AFE、(d)pEF−BOS−FQ19−19、
(e)pEF−BOS−FQmz−19による遺伝子導入
を施し、導入から72時間後に抗FLAGMSモノクロ
ーン抗体による染色を施した。(e)はローダミン結合
抗マウスIgG染色または(f)はABC法によって検
出した。(g)は、FITC結合dUTPを用いるTU
NEL反応による陽染を示す。(h)は、pEF−BO
S−AFEおよびpEFFP−Q82−19を導入した細
胞のGFP像、(i)は抗FLAG抗体による検出を示
す。(j)は凝集体を含む細胞の割合(塗りつぶしてい
ない部分)、および凝集体を有する細胞の中でTUNE
L反応で染色されあ細胞の割合(塗りつぶした部分)を
平均値±SEM(n=3)として示した。
【図3】凝集体を生じた細胞の割合、および凝集体を有
する細胞の中でTUNEL反応で染色された細胞の割合
を示す図である。COS7細胞に、DRPLA cDN
Aのさまざまな欠失変異体を含むpEGFPベクターに
よる遺伝子導入を施した後、凝集体の形成(塗りつぶし
ていない部分)およびTUNEL反応(ぬりつぶした部
分)に関してアッセイした。各数値は平均±SEM(n
=3)として示した。
【図4】凝集体の時間依存的発現を示す顕微鏡写真であ
る。COS7細胞にpEF−BOS−FQ82−19によ
る遺伝子導入を施した後、抗FLAG M5モノクロー
ン抗体を用いて免疫組織学的分析を行った。(a)は遺
伝子導入から24時間後のCOS7細胞、(b,c)は
それぞれ遺伝子導入から48および72時間後のCOS
細胞を示す。(d)は各時間における凝集体陽性細胞お
よびTUNEL陽性細胞の割合を示す図である。各数値
は平均±SEM(n=3)として示した。
【図5】pEF−BOS−FQ82−19による遺伝子導
入を施したCOS7細胞に生じた凝集体の電子顕微鏡写
真を示す。(a)は抗FLAG M5モノクローン抗体
を用いたイムノゴールド染色像であり、抗体がCOS7
細胞内で凝集物を形成する放射状に配列した繊維と結合
することが観察される。(b,c)では、凝集物は核内
で形成される頻度は低いが、核周辺の細胞質には高い頻
度で認められ、直径約10〜12nmの直線状またはわ
ずかに彎曲した繊維から構成されていることが観察され
る。(c)では凝集体形成性繊維が核膜を貫通する像も
認められた。(d)ではアポトーシス性構造体の一部は
周囲の細胞によって包み込まれていた。スケールバー=
200nm(a)、1μm (b)、400nm(c)お
よび2μm (d)。
【図6】DRPLA患者の小脳歯状核における核内封入
体の顕微鏡像である。(a)はDRPLA患者の小脳歯
状核における神経細胞核内封入体を、DRPLA蛋白質
の172〜253残基に対して作製した抗DRPLA蛋
白質ポリクローン抗体によって染色したものである。
(b)は抗ユビキチン抗体で染色したものである。
(c)は電子顕微鏡写真である。スケールバー=1μm
(a,b,c)。核内封入体は矢印で示した。
【図7】pEF−BOS−Q82−19による遺伝子導入
を施したCOS7細胞の凝集体形成およびアポトーシス
性細胞死に対するシスタミンの作用を示す顕微鏡写真、
並びにグラフを示す。(a)は1mMシスタミンの非存
在下、(b)は存在下においてpEGFP−FQ19−1
9による遺伝子導入を施したCOS7細胞を50時間培
養し、凝集体形成およびHoechst 33342による染色
で検出したものである。(c)は1mMシスタミンの非
存在下、(d)は存在下においてpEGFP−FQ82
19による遺伝子導入を施したCOS7細胞を50時間
培養し、凝集体形成およびHoechst 33342による染
色で検出したものである。(e)はpEF−BOS−Q
82−19による遺伝子導入を施したCOS7細胞におけ
る凝集体形成の程度に対するシスタミンの作用を示すグ
ラフである。(f)はpEF−BOS−Q82−19によ
る遺伝子導入を施したCOS7細胞における核断片化の
程度に対するシスタミンの作用を示すグラフである。各
数値は平均±SEM(n=5)として示した。
【図8】pEF−BOS−Q82−19による遺伝子導入
を施したCOS7細胞の凝集体形成およびアポトーシス
性細胞死に対するシスタミン、モノダンシルカダベリン
(MDC)およびプトレッシンの作用を示すグラフであ
る。pEGFP−FQ82−19による遺伝子導入を施し
たCOS7細胞を、さまざまな濃度のシスタミン(a,
d)、MDC(b,e)またはプトレッシンとともにイ
ンキュベートし、凝集体形成(a,b,c)および核断
片化(d,e,f)に関してアッセイした。各数値は平
均±SEM(n=5)として表示した。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シスタミンまたはモノダンシルカダベリ
    ンを有効成分とする、CAGリピート病の治療薬。
  2. 【請求項2】 CAGリピート病が、脊髄・延髄性筋萎
    縮症、ハンチントン病、歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮
    症、マーシャード・ジョセフ病、1型脊髄小脳運動失調
    症、2型脊髄小脳運動失調症、6型脊髄小脳運動失調
    症、および7型小脳運動失調症からなる群より選択され
    る、請求項1に記載の治療薬。
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