JP3206519B2 - 振動ジャイロ - Google Patents

振動ジャイロ

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JP3206519B2 JP28874797A JP28874797A JP3206519B2 JP 3206519 B2 JP3206519 B2 JP 3206519B2 JP 28874797 A JP28874797 A JP 28874797A JP 28874797 A JP28874797 A JP 28874797A JP 3206519 B2 JP3206519 B2 JP 3206519B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、振動ジャイロに関
し、詳しくは、ビデオカメラなどに搭載される、手ぶれ
などの外的振動による回転角速度を検知し適切な制振を
行う手ぶれ防止装置に用いられる振動ジャイロに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来の振動ジャイロとして、本件出願人
により、特願平9−138304号として出願したもの
がある。これを図面を用いて説明する。
【0003】図4に示す振動ジャイロ100は、圧電セ
ラミック部材からなる直方体の振動子101を含む。振
動子101は、厚み方向に分極された第1の圧電体基板
103と、厚み方向に分極された第2の圧電体基板10
4を有し、中間電極105を介して積層される。そし
て、第1の圧電体基板103の一方主面には、振動子1
01の長手方向に沿って、2本の分割電極106a,1
06bが形成されており、第2の圧電体基板105の一
方主面の全面には、共通電極107が形成される。
【0004】そして、節点N1における振動体101の
厚み方向上側に位置する分割電極106a,106bの
部分には、支持部材108a,108bが、支持部材1
08a,108bの一端に形成された拡大部109a,
109bを介してハンダ付けなどの方法により固着され
ており、節点N1における振動体11の厚み方向下側に
位置する共通電極107の部分には、支持部材108c
が、支持部材108cの略中間部に形成された拡大部1
09cを介してハンダ付けなどの方法により固着され
る。同様に、節点N2の上側に位置する分割電極106
a,106bには、支持部材108d,108eがそれ
ぞれの一端に形成された拡大部109d,109eを介
して固着され、節点N2の下側に位置する共通電極10
7には、支持部材108fがその略中間部に形成された
拡大部109fを介して固着される。
【0005】支持部材108a〜108fは、それぞ
れ、略Z型の細い金属製の板材からなる。そして、これ
らの支持部材108a〜108fは金属製であることか
ら導電性を有し、分割電極106a,106bや共通電
極107への電気的信号を入出力するためのリード線と
しても機能しているものである。
【0006】そして、図5に示すように、振動子101
は、支持部材108a〜108fによって吊られた状態
で、金属や樹脂などからなる枠体110に収納され、枠
体110の上面部と支持部材108a,108b,10
8d,108eとが、ハンダ付けなどの方法により接着
固定される。同様に、枠体110の下面部と支持部材1
08c,108fとが固着される。これにより、振動体
101が中空において実装される。なお、図面の見やす
さを考慮し、振動子101は電極を省略した正四角柱状
に簡略化して図示されている。
【0007】以上のように、振動子101が、2つの節
点N1,N2において、支持部材108a〜108fに
より、上下方向からサンドイッチ状に挟持されて支持固
定されて振動ジャイロ100が構成される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の振動ジャイロには、次のような問題点があった。即
ち、従来の振動ジャイロ100では、支持部材108a
〜108fをリード線としても機能させるために、支持
部材108a,108b,108d,108eの一端を
分割電極106a,106bと固着させる構造となって
いた。そして、振動ジャイロ100に外部からの衝撃が
加わった場合、その衝撃は最終的に支持部材108a〜
108fの両端にまで伝わる。すると、分割電極106
a,106bと接続されている支持部材108a,10
8b,108d,108eの分割電極106a,106
bとの固着部分に応力が掛かり、支持部材108a,1
08b,108d,108eと分割電極106a,10
6bが剥離し、導通不良が生じ、支持も不安定となっ
た。
【0009】特に、支持部材108a,108b,10
8d,108eは、分割電極106a,106bから出
力される信号を分離させるため、各分割電極106a,
106bに対し独立して設けられる必要がある。したが
って、支持部材108a,108b,108d,108
eは小さい形状が要求される。さらに、支持部材108
a,108b,108d,108eに設けられた拡大部
109a,109b,109d,109eを振動子10
1に接合する際、各拡大部109a,109b,109
d,109eは、各支持部材108a,108b,10
8d,108eの端部に位置するため、中空に浮いた状
態で振動子101に対して取り付けることが要求される
もので、このため、支持部材108a,108b,10
8d,108eを振動子101に取り付ける作業は非常
に手間が掛かると共にコスト高の要因となっていた。
【0010】したがって、本発明の目的は、上述の問題
点を解消するためになされたもので、振動子の支持が安
定し、かつ、電極との導通も良好で、かつ、支持部材を
分割電極に取り付けるのが容易な振動ジャイロを提供す
ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の振動ジャイロにおいては、厚み方向に分極
される第1の圧電体基板、第1の圧電体基板に積層され
厚み方向に分極される第2の圧電体基板、第1の圧電体
基板の一方主面に形成される2つの分割電極、第2の圧
電体基板の一方主面に形成される共通電極とからなる振
動子と、振動子の振動時に発生する2つの節点部位にお
いて振動子に接合されて振動子を支持する導電性を有す
る複数の支持部材とを含む振動ジャイロであって、支持
部材の1つはその略中間部が第1の圧電体基板の一方主
面における2つの節点の一方に対応する位置に配置さ
れ、2つの分割電極に固着されると共に2つの分割電極
の一方と電気的に接続され、支持部材の他の1つはその
略中間部が第1の圧電体基板の一方主面における2つの
節点の他方に対応する位置に配置され、2つの分割電極
に固着されると共に2つの分割電極の他方と電気的に接
続され、支持部材のさらに他の1つはその略中間部が第
2の圧電体基板の一方主面における2つの節点のいずれ
か一方に対応する位置に配置され、共通電極に電気的に
接続するように固着されたことを特徴としている。
【0012】また、厚み方向に分極される第1の圧電体
基板、第1の圧電体基板に積層され、厚み方向に分極さ
れる第2の圧電体基板、第1の圧電体基板の一方主面に
形成される2つの分割電極、第2の圧電体基板の一方主
面に形成される共通電極とからなる振動子と、振動子の
振動時に発生する2つの節点部位において振動子に接合
されて前記振動子を支持する導電性を有する複数の支持
部材とを含む振動ジャイロであって、2つの分割電極
は、その長手方向端部側と長手方向中央部側の3つもし
くはその間を含む5つにさらに分割され、支持部材の1
つはその略中間部が第1の圧電体基板の一方主面におけ
る2つの節点の一方に対応する位置に配置され、2つの
分割電極に固着されると共に2つの分割電極の一方の長
手方向中央部側と電気的に接続され、かつ、2つの分割
電極の他方の長手方向端部側と電気的に接続され、支持
部材の他の1つはその略中間部が第1の圧電体基板の一
方主面における2つの節点の他方に対応する位置に配置
され、2つの分割電極に固着されると共に2つの分割電
極の他方の長手方向中央部側と電気的に接続され、か
つ、2つの分割電極の一方の長手方向端部側と電気的に
接続され、支持部材のさらに他の1つはその略中間部が
第2の圧電体基板の一方主面における2つの節点のいず
れか一方に対応する位置に配置され、前記共通電極に電
気的に接続するように固着されたことを特徴としてい
る。
【0013】これにより、すべての支持部材について、
支持部材の略中間部で振動子が固着支持されているた
め、振動ジャイロに加わる外部からの衝撃は支持部材の
端部に伝わり、支持部材の略中間部には大きなストレス
が掛からず、支持部材が振動子の電極と剥離することが
低減される。
【0014】また、第1の圧電体基板の主面に設けられ
た2つの支持部材が、それぞれ、分割電極のいずれか一
方と導通するように構成されており、支持部材がリード
線を兼用した状態で、支持部材と振動子との接合強度が
向上する。
【0015】また、支持部材の端部が中空に位置するこ
とがないため、支持部材を振動子に接合することが容易
となる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して詳細に説明する。図1に、本発明の第1の実
施の形態に係る振動ジャイロを示す。この振動ジャイロ
10は、略直方体型の振動子11を含む。振動子11
は、振動体12を含む。振動体12は、PZTからなる
第1の圧電体基板13と第2の圧電体基板14を有し、
第1の圧電体基板13と第2の圧電体基板14は、中間
電極15を介して積層される。第1の圧電体基板13お
よび第2の圧電体基板14は、それぞれ図1の矢印に示
すように、厚み方向において互いに逆向きに分極されて
いる。
【0017】第1の圧電体基板13の一方主面には、振
動体12の長手方向に沿って平行に2本の分割電極16
a,16bが形成され、第2の圧電体基板14の一方主
面の全面には、共通電極17が形成されて、振動子11
が構成される。
【0018】そして、分割電極16a,16bには、振
動子11の振動時に発生する2つの節点N1,N2に対
応する位置を挟むように、振動子11の幅方向に沿って
4本のスライス溝S1,S2,S3,S4が形成され
る。これにより、分割電極16aは、振動子11の節点
N1側の端部から見て、分割電極16a−1,分割電極
16a−2,分割電極16a−3,分割電極16a−
4,分割電極16a−5の5カ所に分割される。同様
に、分割電極16bは、分割電極16b−1,分割電極
16b−2,分割電極16b−3,分割電極16b−
4,分割電極16b−5の5カ所に分割される。
【0019】そして、節点N1に対応する振動子11の
厚み方向上側に位置する分割電極16a−2,16b−
2の部分には、支持部材18aが、支持部材18aの略
中間部に形成された拡大部19aを介してハンダ付けな
どの方法により固着される。同様に、節点N2に対応す
る振動子11の厚み方向上側に位置する分割電極16a
−4,16b−4の部分には、支持部材18bが、支持
部材18bの略中間部に形成された拡大部19aを介し
てハンダ付けなどの方法により固着される。そして、節
点N1,N2に対応する振動体11の厚み方向下側に位
置する共通電極17の部分には、それぞれ支持部材18
c,18dが、それぞれの略中間部に形成された拡大部
19c,19dを介してハンダ付けなどの方法により固
着される。これらの支持部材18a〜18dは、それぞ
れ、エリンバなどの恒弾性体の金属材を略Z型の屈曲部
を有するような細い金属製の板状に加工して形成されて
おり、導電性を有するものである。また、これらの支持
部材18a,18b、18c,18dの略中間部に設け
られた略長方形状の拡大部19a,19b,19c,1
9dは、振動子11と支持部材18a〜18dとが固着
される部分の面積を大きくするためのものである。
【0020】以上のように、振動子11が、2つの節点
N1,N2において、支持部材18a〜18dにより、
上下方向からサンドイッチ状に挟持されて支持固定され
る。
【0021】図2に、本発明の振動ジャイロ10の実装
状態を示す。なお、図面の見やすさを考慮し、振動子1
1は、電極を省略した正四角柱形状で図示されている。
振動子11は、支持部材18a〜18dによって吊られ
た状態で、金属や樹脂などからなる枠体20に収納さ
れ、枠体20の上面部と支持部材18a,18bの各端
部とが、ハンダ付けなどの方法により接着固定される。
同様に、枠体20の下面部と支持部材18c,18dの
各端部とが固着される。これにより、振動体11が枠体
20内で中空状に支持固定される。
【0022】この振動ジャイロ10において、2つの分
割電極16a−3,16b−3は帰還用かつ検出用の電
極として用いられ、共通電極17は駆動用の電極として
用いられる。つまり、特に図示はしないが、共通電極1
7と2つの分割電極16a−3,16b−3との間には
移相回路などを含む発振回路が組み込まれ、また、2つ
の分割電極16a−3,16b−3は差動増幅回路など
を含む検出回路と接続されて、振動ジャイロとしての機
能を奏するものである。
【0023】この振動ジャイロでは、支持部材18a〜
18dは金属から構成されており、分割電極16a−
3,16b−3や共通電極17と電気的に接続されるリ
ード線の役割も果たすものである。そして、支持部材1
8aは、分割電極16a−3の入出力端子としてのリー
ド線として機能しており、そのため、支持部材18aは
分割電極16a−3とのみ導通する必要がある。そこ
で、支持部材18aには拡大部19aから分割電極16
a−3側に突起部18a’が設けられており、突起部1
8a’と分割電極16a−3がハンダ付けなどの方法に
より導通接続され、支持部材18aが分割電極16a−
3のリード線として機能する。同様に、支持部材18b
は、分割電極16b−3の入出力端子としてのリード線
として機能しており、そのため、支持部材18bは分割
電極16b−3とのみ導通する必要がある。そこで、支
持部材18bには拡大部19bから分割電極16b−3
側に突起部18b’が設けられており、突起部18b’
と分割電極16b−3がハンダ付けなどの方法により導
通接続され、支持部材18bが分割電極16b−3のリ
ード線として機能する。
【0024】なお、支持部材18aは分割電極16a−
2,16b−2とハンダ付けにより固着されているた
め、分割電極16a−2,16b−2の両方と導通して
おり、分割電極16a−2,16b−2から出力される
信号も検出されることになる。しかし、分割電極16a
−2,16b−2から出力される信号の差を取ることに
より、それらの信号はキャンセルされるため、分割電極
16a−3から得られる出力信号に影響を及ぼすもので
はない。同様に、支持部材18bは分割電極16a−
4,16b−4とハンダ付けにより固着されているた
め、分割電極16a−4,16b−4の両方と導通して
おり、分割電極16a−4,16b−4から出力される
信号も検出されることになる。しかし、分割電極16a
−4,16b−4から出力される信号の差を取ることに
より、それらの信号はキャンセルされるため、分割電極
16b−3から得られる出力信号に影響を及ぼすもので
はない。次に、本発明の第2の実施の形態に係る振動ジ
ャイロを図3を用いて説明する。なお、第1の実施の形
態で示した振動ジャイロ10と同一の構成箇所について
は同一番号を付し、その説明を省略する。
【0025】この第2の実施の形態において、第1の実
施の形態と異なる点は、 支持部材18aの略中間部に設けられた拡大部19a
には、2つの突起18a’と18a”が互いに反対向き
に形成されており、突起18a’は分割電極16a−3
と導通され、突起18a”は分割電極16b−1と導通
されている点、 支持部材18bの略中間部に設けられた拡大部19b
には、2つの突起18b’と18b”が互いに反対向き
形成されており、突起18b’は分割電極16b−3と
導通され、突起18b”は分割電極16a−5と導通さ
れている点、の2点である。
【0026】このような構成とする要因として、振動子
11において、節点N1,N2から振動子11の長手方
向端部側と長手方向中央側とでは、発生する電圧の極性
が反転するため、節点N1,N2において交差するよう
に、分割電極16a−3と16b−1を、分割電極16
b−3と16a−5をそれぞれ導通させることにより、
回転角速度に応じた信号を検出する効率がさらに大きく
なるからである。
【0027】なお、上述の実施の形態においては、振動
子11と支持部材18a〜18dの固着がハンダ付けに
より行われていたが、たとえば、非導電性接着剤で行っ
てもよい。
【0028】また、上述の実施の形態において、スライ
ス溝は、振動子11の幅方向に沿ってS1〜S4の4本
形成されていたが、これらは、分割電極16a−3と分
割電極16b−3から出力される信号が混合しないため
のものである。したがって、特に、スライス溝は4本必
要でなく、たとえば、第1の実施の形態では、スライス
溝S1,S4は特に設けなくてもよい。これは、支持部
材18a,18bがそれぞれ、分割電極16a−2,1
6b−2、分割電極16a−4,16b−4と導通して
いるため、振動子11の節点N1,N2より端部側で発
生する信号が理論上キャンセルされるからである。但
し、振動子の材質や大きさなどのバラツキにより、節点
より端部側の分割電極から発生する信号が完全にキャン
セルされるとは限らない。そこで、上記実施の形態に示
したように、スライス溝を4本設け、節点部分に発生す
る信号のみをキャンセルするような構成とすることによ
り、振動子の材質バラツキの影響は小さくなり、また、
節点付近から発生する信号は非常に小さいため、誤差の
少ない角速度信号が得られる。
【0029】また、第1の実施の形態において、振動子
11と支持部材18a〜18dの固着が非導電性接着剤
で行なわれている場合は、スライス溝S1〜S4は特に
形成されなくてもよい。ただし、第2の実施の形態でも
述べたとおり、振動子11の節点N1,N2より端部側
では発生する電圧の極性が反転するため、分割電極16
a,16bから出力される信号が小さくなってしまい、
得られる角速度信号も小さくなる。したがって感度の低
い振動ジャイロとなってしまうため、少なくともスライ
ス溝S1,S4の2本を形成することが望ましい。
【0030】また、第2の実施の形態において、振動子
11と支持部材18a〜18dの固着が非導電性接着剤
で行なわれている場合は、スライス溝S2,S3は特に
形成されなくてもよい。上述の実施の形態で示した振動
ジャイロ10では、振動子11と支持部材18a〜18
dとの接合面積が大きいため、支持部材18a〜18d
と振動子11との接合力が大きく、十分な耐衝撃性が得
られると共に、支持部材18a〜18dが略中間部に形
成した拡大部19a〜19d以外では細い線状構造を有
しているため、振動子11の振動が支持部材12を伝わ
って振動子11の外部に漏れるといった、振動のダンピ
ング現象が起こりにくくなり、よって、振動子11の振
幅が十分大きくなり振動ジャイロ10の検出感度も良好
となる。
【0031】また、上述の実施の形態では、振動子11
と支持部材18a〜18dとの接合部分において、支持
部材18a〜18dの略中間部には拡大部19a〜19
dが形成されているが、本発明は、特に、支持部材の接
合部分の面積を大きくする構造に限定されるものではな
い。ただし、支持部材に拡大部を設けて接合面積を大き
くすることにより、支持部材18a〜18dと振動子1
1との接合力が大きくなり、十分な耐衝撃性が得ること
ができるものとなる。また、支持部材12が振動子11
との接合部分以外は細い線状構造を有しているが、これ
は、振動子11の振動が支持部材18a〜18dを伝わ
って振動子11の外部に漏れるといった、振動のダンピ
ング現象が起こりにくくするためである。よって、耐衝
撃性が向上すると共に振動子11の振幅が十分大きくな
る振動ジャイロとなり、検出感度も良好となる。また、
上記の本発明の実施の形態において、支持部材は、略Z
型の屈曲部を有するように形成されているが、特にZ型
のように鋭角的に屈曲した形状に限定されるものではな
く、屈曲部を有するものであれば、たとえば、曲線状に
形成してもよい。また、特に支持部材を屈曲させて形成
しなくてもよい。ただし、屈曲部を設けることにより、
振動子を弾力的に支持することができ、振動子が振動し
たときに、支持部材も屈曲部で変形するため、振動のダ
ンピングが起こりにくくなる。
【0032】また、上記の実施の形態では、振動子の構
造として、2枚の圧電体基板が分極の向きが逆向きにな
るように配置されているが、特に、これらに限定される
ものではなく、たとえば、2枚の圧電体基板の分極の向
きが同じ向きになるように配置され、中間電極を接地す
るように構成された振動子でも構わない。
【0033】
【発明の効果】以上のように、本発明による振動ジャイ
ロでは、支持部材の略中間部で振動子が固着支持されて
いるため、振動ジャイロに加わる外部からの衝撃は支持
部材の端部に伝わり、支持部材の略中間部には大きなス
トレスが掛からず、支持部材が振動子の電極と剥離する
ことが低減される。
【0034】また、第1の圧電体基板の主面に設けられ
た2つの支持部材が、それぞれ、分割電極のいずれか一
方と導通するように構成されており、支持部材がリード
線を兼用した状態で、支持部材と振動子との接合強度が
向上する。
【0035】また、支持部材における振動子との接合部
分は、支持部材の略中央部に位置し、支持部材の端部に
位置することがないため、従来のように、支持部材にお
ける振動子との接合部分が中空に浮いた状態で振動子に
対して支持部材を取り付けることがないため、支持部材
を振動子に接合することが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る振動ジャイロ
の構造を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る振動ジャイロ
の実装状態を示す斜視図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る振動ジャイロ
の構造を示す平面図である。
【図4】従来の振動ジャイロを示す斜視図である。
【図5】従来の振動ジャイロの実装状態を示す斜視図で
ある。
【符号の説明】
10 振動ジャイロ 11 振動子 12 振動体 13 第1の圧電体基板 14 第2の圧電体基板 15 中間電極 16a,16b 分割電極 17 共通電極 18a,18b,18c,18d 支持部材

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 厚み方向に分極される第1の圧電体基
    板、該第1の圧電体基板に積層され、厚み方向に分極さ
    れる第2の圧電体基板、前記第1の圧電体基板の一方主
    面に形成される2つの分割電極、前記第2の圧電体基板
    の一方主面に形成される共通電極、とからなる振動子
    と、該振動子の振動時に発生する2つの節点部位におい
    て、前記振動子に接合されて前記振動子を支持する、導
    電性を有する複数の支持部材と、を含む振動ジャイロで
    あって、 前記支持部材の1つは、その略中間部が、前記第1の圧
    電体基板の一方主面における2つの節点の一方に対応す
    る位置に配置され、前記2つの分割電極に固着されると
    共に、前記2つの分割電極の一方と電気的に接続され、 前記支持部材の他の1つは、その略中間部が、前記第1
    の圧電体基板の一方主面における2つの節点の他方に対
    応する位置に配置され、前記2つの分割電極に固着され
    ると共に、前記2つの分割電極の他方と電気的に接続さ
    れ、 前記支持部材のさらに他の1つは、その略中間部が、前
    記第2の圧電体基板の一方主面における2つの節点のい
    ずれか一方に対応する位置に配置され、前記共通電極に
    電気的に接続するように固着されたことを特徴とする、
    振動ジャイロ。
  2. 【請求項2】 厚み方向に分極される第1の圧電体基
    板、該第1の圧電体基板に積層され、厚み方向に分極さ
    れる第2の圧電体基板、前記第1の圧電体基板の一方主
    面に形成される2つの分割電極、前記第2の圧電体基板
    の一方主面に形成される共通電極、とからなる振動子
    と、 該振動子の振動時に発生する2つの節点部位において、
    前記振動子に接合されて前記振動子を支持する、導電性
    を有する複数の支持部材と、を含む振動ジャイロであっ
    て、前記2つの分割電極は、その長手方向端部側と長手方向
    中央部側の3つもしくはその間を含む5つにさらに分割
    され、 前記支持部材の1つは、その略中間部が、前記第1の圧
    電体基板の一方主面における2つの節点の一方に対応す
    る位置に配置され、前記2つの分割電極に固着されると
    共に、前記2つの分割電極の一方の長手方向中央部側と
    電気的に接続され、かつ前記2つの分割電極の他方の長
    手方向端部側と電気的に接続され、 前記支持部材の他の1つは、その略中間部が、前記第1
    の圧電体基板の一方主面における2つの節点の他方に対
    応する位置に配置され、前記2つの分割電極に固着され
    ると共に、前記2つの分割電極の他方の長手方向中央部
    側と電気的に接続され、かつ、前記2つの分割電極の一
    方の長手方向端部側と電気的に接続され、 前記支持部材のさらに他の1つは、その略中間部が、前
    記第2の圧電体基板の一方主面における2つの節点のい
    ずれか一方に対応する位置に配置され、前記共通電極に
    電気的に接続するように固着されたことを特徴とする、
    振動ジャイロ。
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